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音楽は自由にする(新潮文庫)
音楽は自由にする(新潮文庫)
坂本龍一/新潮社
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総合評価

79件)
4.2
28
33
9
1
0
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    坂本龍一さんが自身の半生を語る 出てくる人物名の9割分からなかったけど面白かった 世の中知らないことに満ちすぎているな 人生はエゴと制約の葛藤なのかもしれない 坂本龍一さんの人生と照らし合わせるのはおこがましすぎるけども 俯瞰から徐々に熱を帯びて主観的になっていくのがいい 歳をとってよかった、若さなんていいもんじゃないという言葉が残った

    0
    投稿日: 2025.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    坂本龍一氏が雑誌の連載でインタビューに答えながら来歴を語ったものを集めた本。 出版のタイミングの関係で、亡くなるまでではなく2000年代の初頭くらいまで。 小生の父親世代ではないけれど、20年以上歳上なので、なかなか違う時代である。 ご存知の向きも多いが、坂本氏はかなり学生運動に傾倒していた方で、その周辺の登場人物とか、時代の雰囲気とか、読んでいても、なんとかついていけるかどうか、という感じである。 それくらい、独特な世界観の時代だったわけだが、娘が読んでも肌感覚としては伝わらないだろうなぁ、という印象。 個人的に面白かったのは、幼少期に経験した「点」と「点」がつながっていく様だったり、同じく映画に関わるようになっていった流れ。 あぁそこで作曲をやって、それがこうなって・・・というのが非常に興味深かった。 ガリガリピアノをやっていたわけではないけれど、勉強もそんなに頑張っていたふうではないけれど、それでもやっぱり芸大一発合格なんだなぁ。 そんなことも考える。 もちろん娘の進路も頭の片隅におきながら・・・。 あんまり有名な本でもないけれど、興味のある方は読んでみては。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    正直、有名な曲しか知らないのですが、 なんか知的でカッコイイな、というのが、 この本からも感じました。

    1
    投稿日: 2025.09.12
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    出会いの大事さとなんだかんだネガティブなことを言っているがチャレンジしているところが教授のすごいところ

    2
    投稿日: 2025.09.10
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    文章も考えていることも経験も洞察も面白い! 「名前だけは知ってます」みたいな人も面白く読めると思う〜私も「曲は聴いたことあります」って感じだし。。 エッセイというジャンルはあまり好きではないのだが、これはエッセイ(日頃思ったこと)ではない、何かの先駆者になる人の眼差しの方向を本人の手でちょっぴり教えてくれる、そんな豊かさのある文庫本。 何より、先駆者が何に腹立って手を動かしていたのかが分かるのは面白い!先駆者って、何かに腹立ててるから先駆者なんだよね〜と。。 坂本龍一のさらに先生的な人たちの面白い言葉に沢山触れられるのも良い。 すごい人ってなにかすごいんだよねえ、何が凄いかとか私と何が違うかって難しいんだけど、このような人間の凄まじさってどう生まれてくるんだろうねえ

    1
    投稿日: 2025.09.10
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    坂本龍一の曲も知らずに読み始めた。(常識なさすぎ) 成り行きのようで、会うべき人に会うようにさだめられたようで。 人が生きるって出会いの連続なのかなと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.03
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    https://claude.ai/public/artifacts/44914a0f-3a8c-4338-a8d8-356360cc7d7d

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    ◯ でも細野さんは、そういう勉強をしてきたわけでもないのに、ちゃんとその核心をわがものにしている。(146p) ◯ もともと現実は虚構で、虚構も現実で、境い目はないんです。(228p) ◯ ドビュッシーの、あの人類史上最も洗練されていると言っていい音楽にも、フランスの帝国主義、植民地主義の犯罪性が宿っている。(292p) ◯ できるだけ手を加えず、操作したり組み立てたりせずに、ありのままの音をそっと並べて、じっくり眺めてみる。そんなふうにして、ぼくの新しい音楽はできあがりつつあります。(317p) ★ご自分の人生について、誠実に語られていて、とても面白かった。お父様が編集者をされていたこともあり、文芸や評論にも明るく、映画にもお詳しい。ご本人ははじめは積極的ではなかったと語られているが、バッハやドビュッシーといったクラシックから、ミニマル・ミュージックや、ジョン・ケージ等の現代音楽を辿り、芸大では民族音楽や電子音楽も勉強されて、なおかつポップの道に入った。そういう方は唯一無二だったのではないか。 ★環境問題、社会問題に対する活動も、積極的にではなく、やむを得ずやっていると言われているが、きっと、自分のためではなく、他者のために動ける人なのだろう。

    1
    投稿日: 2025.04.15
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    YMO前後の坂本龍一の様子など、貴重な記録である。 ポップ・ミュージックに対する彼の見識など、とっても興味深い。 *フォークの中にさえ、ブルースなどのブラック・ミュージックの痕跡を見るなど。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    この本を読むと、いかに坂本龍一という人物が多面的でかつ、好奇心に溢れており、世間一般的なイメージより泥臭い1人の人間である事がわかります。 おそらく、YMO時代の裏話を期待して買った方もいると思います。僕もそうです。 ただ、この本を読んだあとにYMOについては多く語らず、どちらかというと、三人の関係性や、その後の苦しみについて赤裸々に書かれており、そういった意味では良い意味で裏切られた本でした。 ちょうど明日で「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」展で終わりますが、展示きっかけで気になる方は読んで欲しいです。また違った視点で坂本龍一の一面が見えてくると思います。

    1
    投稿日: 2025.03.29
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    坂本龍一展に行ったら、平日なのに大行列だった。運よく行せつに並ぶ前に、ミュージアムショップでこの本を調達し、少しだけ予習をして過ごした。 この本を読んで、坂本龍一展を見て、「私は坂本龍一について何も知らなかった」と思った。もちろん、会ったこともないので当たり前なんだけど。戦場のメリークリスマスやYMOの曲は何度も耳にしていたから、勝手に親しみを感じていて、でもその背景には想像もつかないような経験の積み重ねがある。最近読んだ他の本に影響されている部分もあるけれど、読みながら少し苦しくなった。

    0
    投稿日: 2025.03.22
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    1月に坂本龍一展に行った 時間や音の枠を超えようとする展示よりも、若い頃から彼が書いていた日記が印象的だった そして、この本には彼が若者だった60-70年代が書かれてあった あの時代の若者はたぶんあの時代だけ それより前とも後とも、異質なのである

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    昨年亡くなった坂本龍一のエッセイ。 もともとは2009年初版で、昨年文庫化されたものだ。 生前にそれほどファンだったわけではなく、ほとんど『戦メリ』しか知らないようなものだったが、近々彼の個展に行くので、予習として手に取った。 最新刊の『僕はあと何回、満月を見るだろう』の方も立ち読みしたが、病になってからのエピソードが多いようで、本著の方がより多く彼のバックグラウンドや考えに触れているように見えて、こちらを選らんだ。 結果、ものすごく面白かったし、パワーをもらった気分だった。 前半は、1960-70年代ごろの、彼の幼少期~学生時代や、そのころの社会・文化的背景について。 後半は、プロのミュージシャンになってからの活動や、様々な分野の才能との交流が描かれる。 幼少期のピアノや作曲の体験、高校・大学時代の学生運動を経て、彼のような才能が生まれたということが良く理解できた。 高校時代は学生運動、音大時代は履きっぱなしのジーンズとゴム草履でロックをやっていたら、その後友人になった山下達郎はKENZOを着ていてオシャレで衝撃を受けた、というあたりは、彼がどのように過ごしていたかが手に取るように分かり、なるほどと思った。 その後、80年代以降に浅田彰や村上龍と交流し、共著の出版などをしていたとは全く知らなかった。 自分も日本で生きていたのだが、音楽も思想も本も、ほんの少しずれるだけで、全く出会わないものだと思う。 既に亡くなってしまったのが残念ではあるが、こうして今出会えていることは救いであると感じた。 個人的な話だが、書店で本著を購入した際、数年来読みたいと思っていたサミュエル・ハンチントンの『文明の衝突 上・下』も一緒に、計3冊購入した。 すると偶然、本著第5章で2004年のアルバム『キャズム』の制作に関して、 「世界の裂け目(キャズム)を痛感していた時期でした。≪中略≫ 『文明の衝突』という論にぼくは与しませんが」(p.297) と触れられており、思わず嬉しくなった。 関心の範囲が似ていると言えばそうだが、とはいえ直接関係がある本同士でもなく、何かが呼んだのかもしれない。 9.11が起こり、イラク戦争があって、文明(≒宗教の意)の対立が深まっていた時期だ。 本著を読了して、『文明の衝突』を読み始めるところだが、坂本氏はどのように読んだのか想像しながら読みたいと思う。 バルセロナオリンピックの開会式の仕事について、 「オリンピックの仕事は、実はいちど断ったんです。ぼくは、スポーツイベントというものが大嫌いなんですよ。」 とはっきり言うところは笑ってしまった。 自分も、幼いころからオリンピックには違和感がある。 なぜ国別対抗にする必要があるのか。 日本人という理由だけで日本選手を応援するのはなぜか。 スポーツやオリンピックは歴史上国威発揚に使われ云々、などと聞いたのは、最近になってからだ。 当然だが、子供に思想やイデオロギーはない。 ただ感覚的に合わなかっただけだ。 そしてその感覚は、根源的には歳を重ねても変わらないものだと感じる。 ※※※※※※※※※※ 本とは直接関係ないが、坂本龍一の個展を観た感想として。 音楽家としての彼しか知らなかったが、どちらかというと現代美術や表現芸術を志向していたとわかった。 生前は音楽家としての知名度が高すぎて、主催側としてはどうしてもピアノやコンサートを求めてしまう、という事情があったのではないだろうか。 本人の不在がかえって、氏の本来の表現にスポットライトが当たる状況を作っていることは皮肉だが、致し方ないと感じた。 自分もその一人として初めて個展を訪れた。 制作の参考文献として、ソ連の映画監督アンドレイ.タルコフスキーのものが数多くあった。 映画作品は勿論のこと、その著書にも留まらず、父親で詩人のアルセニエ・タルコフスキーの洋書まで入手しており、傾倒ぶりが伺える。 タルコフスキーファンとしては、人間の嗜好とはごく近いところに集まるものだと改めて感じる。 本著では全く触れられていなかったが、タルコフスキーについての坂本龍一氏の言葉も聞いてみたい。

    7
    投稿日: 2025.02.13
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    坂本龍一の自伝。生まれた時、幼少期、中学、高校、大学そしてYMO時代、ニューヨークでの生活、9.11テロ、様々な経験した事、生き様が書かれていました。ドビッシーの生まれ変わりだと思うくらい好きだったんですね。学生運動でヘルメットを被って暴れてたなんて想像できなかったな。昔から難しい本をたくさん読んで、音楽を聴いて曲を作って、たくさんの人との出会いを経て坂本龍一ができたのがよくわかった。

    4
    投稿日: 2025.01.25
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    YMOとの出会いは衝撃で、何十年経ってもまだ頭の中に曲が流れる事も YMO前の意外な人との接点は面白く、一方で凡人にはとてもわからない感受性や思想等は、やっぱりこの人は天才なんだなと思った (追記) あと、当時はみんな同じ大人にみえたYMOって、坂本さんにとっては「社会人一年生」だったみたいですね笑

    7
    投稿日: 2024.11.17
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    坂本氏の生きた時代から20年後に後追いで生活をしている私にとって、へ〜そうだったのね!という発見があり楽しかった。 とても不思議なことが一つありました。ごく普通の話をしているのですが、何故か没入してしまう語り方。羨ましい。

    0
    投稿日: 2024.11.11
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    めっちゃ面白かった。すごい人って幼少期の環境から全然違うよなあと、凡人の私は羨ましく思った。色んな人との出会いによって仕事が生まれていく過程は勉強になる。音楽を仕事にできるのっていいなー、かっこいいなー、、何かゼロから自分で表現して生み出してみたいなと思わされた。

    0
    投稿日: 2024.10.27
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    優れた「聞き手」が居てくれると その話者の話者たるところが 十二分に浮かび上がってくる まさに そのお手本だと思った 坂本龍一さんが 自ら書き下ろすということは ほぼ考えられない よくぞ  この企画をしてくださった この対談形式の 聞き取りがあったからこそ 坂本龍一さんが生きてこられた その時代のムードを 的確にとらえておられた その時代の形を 音楽だけではなく 言葉として、文字として 私たちが 共有させてもらえたことは まことに 嬉しい 「エンジン」編集長の 良き聞き手 鈴木正文さんに感謝である

    1
    投稿日: 2024.10.17
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    身近に置いて、よく手に取ります。坂本龍一さんのボソボソした声が聞こえてきそうな本。まだまだ生きていただいて、すてきな音楽をききたかったな。若い頃の教授の姿を思い浮かべながら、みんなそう思うはず。まだ悲しいです。合掌。

    2
    投稿日: 2024.09.20
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    現代日本の音楽家である坂本龍一(1952-2023)による自伝、2009年。 自分史を振り返りそれを不特定多数へ向けて発するのだから、そこにはなにがしかのポーズがあるのかもしれないが、幼少年期の思い出や音楽との出会い、新宿高校での学生運動、東京藝大でのさまざまなアートやアーティストとの出会い、YMO、『戦場のメリークリスマス』、『ラストエンペラー』、湾岸戦争、9.11、イラク戦争、環境運動など、57歳までの目まぐるしく濃密な半生を、気取らず、率直に語っているように感じられる。 □ 青年期の経験について 坂本龍一の半生(とりわけ青年期)を追体験しながら、こういう経験からこういう気づきを得てそれをもって次へと進んでいったのかと知ることで、力づけられる思いになった。 「西洋音楽史と個人史がクロスして、気がつけば作曲の現場と同じ時間の中にいた。それは、音楽家たちの問題意識が、自分自身の問題意識と重なりあうようになったということでもあります。」(p101) 「電子音楽に興味を持っていたのは、「西洋音楽は袋小路に入ってしまった」ということのほかに、「人民のための音楽」というようなことも考えていたからなんです。つまり、特別な音楽教育を受けた人でなくても、音楽的な喜びが得られるような、一種のゲーム理論的な作曲ができないものかと思っていた。作曲は誰でもできるはずだ、誰でもできるものでなくてはいけないんだ、と思っていました。」(p122) 「「こんな小さな世界でお山の大将になっちゃったら終わりだ、逃げ出さなくちゃ」と思った。」(p164) 「自分たちとしては、かなり満足のいくものができたという充実感もあったし、新しいスタイルの音楽を作っているんだという確信もありました。ここで得た何かを突き詰めて次に進もうという、そういう積極性に燃えていたように思います。」(p168) 「自分はそれまでずっと、自分はこういう方向性で生きていくんだ、と思い定めるようなことはなるべく避けていました。できるだけ可能性を残しておく方がいいと思ってもいた。でもそのときロンドンで、「この形でいいんだ」と思った。自分の進むべき方向を、そうやって自分で確かに選び取ったのは、実はそれが初めてのことだったかもしれません。」(p172) 「YMOに入る前にはまったくの半人前だったぼくは、バンドの中で、齟齬とか葛藤とかを経て少しずつ成長していきました。でもやがてバンド自体が消えてしまう。突然、100パーセント丸裸の自分として、ポンと放り出されたような状態になって、憎悪を向ける相手もいない。たぶん、ぼくはそのときに、「大人」にならざるをえなかった。」(187-188) 「グループとして活動していくために、自分の中にはなかったタイプの音楽を作ることになり、そのことが良い結果を生んだし、自分自身の音楽を発展させることにもなった。制約とか他者の存在というのは、とても重要だと思います。」(p243) こうした「気づき」の中で最も鮮烈で感動的なのは、細野晴臣らとの出会いを通してポップ・ミュージックの魅力に開眼していく以下の一節だ。こういう運命的な瞬間における実感を生き生きと記録するというのは、とても貴重なことだと思う。 「つまり、ぼくが系統立ててつかんできた言語と、彼ら〔細野晴臣や矢野顕子ら〕が独学で得た言語というのは、ほとんど同じ言葉だったんです。勉強の仕方は違っていても。だから、ぼくらは出会ったときには、もう最初から、同じ言葉でしゃべることができた。これはすごいぞと思いました。/そして、だんだん確信を持って感じるようになったのは、ポップ・ミュージックというのは、相当おもしろい音楽なんだということです。/日本中から集めても500人いるかどうかというような聴衆を相手に、実験室で白衣を着て作っているような音楽を聴かせる、それが当時ぼくがもっていた現代音楽のイメージでした。それよりも、もっとたくさんの聴衆とコミュニケーションしながら作っていける、こっちの音楽の方が良い。しかも、クラシックや現代音楽と比べて、レベルが低いわけではまったくない。むしろ、かなりレベルが高いんだと。ドビュッシーの弦楽四重奏曲はとてもすばらしい音楽だけど、あっちはすばらしくて、細野晴臣の音楽はそれには劣るのかというと、まったくそんなことはない。そんなすごい音楽を、ポップスというフィールドの中で作っているというのは、相当におもしろいことなんだと、ぼくははっきりと感じるようになっていました。」(p146-147) □ 表現について 表現(work)一般についての以下の一節。抽象化されることで、自分だけが感じ得た一回限りの透明で純粋な唯一無二性が損なわれてしまうことになるが、それと引き換えに、いつの時代のどこの文化の他者へもそれが開かれていく可能性、つまり世界性を獲得することができる、ということ。私には抽象化とそれに伴う複製可能性、反復可能性をどこか不純なものだと考えてしまう傾向があったが、その肯定的な意味を気づかされた。アレントのいうworkの意義もこういうことなのかもしれない。自分だけの唯一無二性というのも、ある意味では自己愛的で自閉的なものであるような気がしてくる。きっとこれまでも別のところで同様の趣旨のことは何度も読んできたはずなのだが、読み手であるこちら側のレセプターがようやく開かれたとでも言おうか、今日のこの日になって突然直観する、ということがある。 「ただその一方で、ある青年の妹の死というのは、その青年の記憶がなくなってしまえば歴史の闇に葬られて消えてしまいかねないけれど、歌になることで、民族や世代の共有物として残っていく可能性があります。個的な体験から剥離することで、音楽という世界の実存を得ることで、時間や場所の枠を超えて共有されていく、そういう力をもち得る。/表現というのは結局、他者が理解できる形、他者と共有できるような形でないと成立しないものです。だからどうしても、抽象化というか、共同化というか、そういう過程が必要になる。すると、個的な体験、痛みや喜びは抜け落ちていかざるを得ない。そこには絶対的な限界があり、どうにもならない欠損感がある。でも、そういう限界と引き換えに、まったく別の国、別の世界の人が一緒に同じように理解できる何かへの通路ができる。言語も、音楽も、文化も、そういうものなんじゃないかと思います。」(p21-22) □ 人生の幸運について 「ぼくはほんとうにラッキーかつ豊かな時間を過ごしてきたと思う。それを授けてくれたのは、まずは親であり、親の親であり、叔父や叔母でもあり、また出会ってきた師や友達であり、仕事を通して出会ったたくさんの人たち、そして何の因果か、ぼくの家族となってくれた者たちやパートナーだ。それらの人々が57年間、ぼくに与えてくれたエネルギーの総量は、ぼくの想像力をはるかに超えている。それを考えるときいつも、一人の人間が生きていくということは、なぜこんなにも大変なことなのかと、光さえ届かない漆黒の宇宙の広大さを覗き見ているような、不思議な気持ちにとらえられる。」(p322) 確かにさまざまな出会いに恵まれたということには幸運も与かっていたのかもしれないが、しかし大事なのは、やはり坂本龍一自身が自らの身を以てそうした人たちとの出会いや関係をちゃんと(?)享受してきたということだと思う。その意味で、彼のこの華麗にして激動の生涯というのは、すごいものだと思う。

    9
    投稿日: 2024.09.14
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    Musik macht Frei. 直訳すれば、「音楽が自由を作る」。音楽は人を自由にするということだ。 恥ずかしながら、僕は坂本さんのことをあんまり詳しく存じ上げず、彼の音楽はバッハやラヴェルなんかがベースにあって、幸宏さんが「教授」と呼んだくらい理論的バックボーンのある人というイメージだったので、この本も読む前は難しいことが書いてあるのかなと思っていた。ところが、実際読んでみたらとても面白くて、スルスルと最後まで読めてしまった。 細野晴臣さんと出会ったエピソードがとても印象的で、きっと「別々の国で生まれたのに、会ったら言葉が通じた!」みたいな衝撃だったんでしょうね。矢野顕子さんとの結婚もずっと謎だったのだけれど、坂本さんからは矢野さんがこんなふうに見えていたんだな、と腑に落ちた。 YMOについても、短い活動期間で絶頂期に突然の解散みたいに感じていたけれど、三人にとってはもうすべてやり尽くしたという感じだったのか。あらためてアルバムを聴き直してみたいと思う。 坂本さんのことを「サヨク」と揶揄する人もいる。たしかに、若いころデモに参加していた坂本さんはサヨクだったかもしれない。当時の人たちは真剣なつもりだっただろうけど、いま見るとやはりある種のファッションでもあったことは否めないと思う。それと関係があるかわからないが、団塊世代はあの時代の話になると一様に口を閉ざす。それに対して、後年の「非戦」というスタンスは、坂本さんの目の前で起きた9.11の衝撃から生じた、もっと本能的というか、やむにやまれぬ衝迫のようなものだったと感じた。 この本は僕の中の坂本龍一という人間像に、具体的な輪郭を与えてくれた。

    6
    投稿日: 2024.08.12
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    ハラタツけど教授、かっこよすぎ…! スカした野郎だけどそれが問答無用で許されるし、跪かずにはおれない。教祖とはこのことか(?)村上春樹でさえ、「ダンスダンスダンス」に無意味に唐突に坂本龍一という4文字を登場させずにはいられないって…! やれやれ!全く憎い男だぜ!

    1
    投稿日: 2024.07.09
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    音楽だけではなく、色々なモノコトヒトにアンテナを立てていたことが分かる。 意外だったのが、人から誘われたり、依頼があったり、目の前のことをやっていくうちに道ができていたと語っていたこと。 ゴール設定して道を進むタイプではなく、振り返ったら道ができている積み上げ派だったのかな。 教授の語りはさくさく読めて楽しかった!

    0
    投稿日: 2024.07.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p49 「おまえ、ビートルズ知ってる?」って訊くんです。知ってるやつとは仲良くする。知らないやつは、あまり相手にしないことにする。 p229  ファシズムは何か崇高な美に対する強い憧れのようなものがあります。彼らは、ただ野蛮なだけではなく、高貴な教養があって、洗練されている者もいた。 p233 ベルトリッチ監督は、放っておくと半年でも編集を続けて全然違う映画にしてしまうような人なんです。 p287 戦車を買うわけにはいかないので、レンジローバー。 p291 その一方で、音楽的にも文化的にも、ぼくが得てきたものはほとんどアメリカ経由なんです。ロックはもちろん、東洋思想だって、禅だってそうです。 p316-317 人間が自然にかける負荷と、自然が許容できる限界とが折り合わなくなるとき、当然敗者になるのは人間です。困るのは人間で、自然は困らない。自然の大きさ、強さから見れば、人間というのは本当に取るに足らない、小さな存在だということを、氷と水の世界で過ごす間、絶えず感じさせられ続けた。そして、人間はもういなくてもいいのかも知れない、とも思った。 自問と自省、丁寧な語り口、本当に不思議な人。 直撃世代ではないけど、音源出たらたまに聴いていた、くらいの距離感。でも、最近どういう人だったのだろうかと興味がわき、購読。 思う、とか、かもしれない、とか、あくまで自身の感想と推量が多く、慎重である意味では素直(本人は天邪鬼だと思っていそうだけど)な人だったのだろうなと思いました。 本人は否定するけど、モリコーネを引き合いに出される日本人なんて、坂本龍一以外にいないでしょう。創作における原動力として、怒り、憤り、フラストレーションを糧に。見た目からは想像しにくいけど、そういう感情が見え隠れするのが彼の魅力の一つ。 これからも数多くある映画音楽とYMOやソロの音源など、長らく私の生活のそばにあるのだと思う。

    2
    投稿日: 2024.04.07
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    本音を言えば、あまり気が進みません、からはじまる、坂本龍一の人生の振り返り。常に自分から何かしてきたわけではない、としながらも、その時々に起こる機会に対して、尋常ならざる好奇心や好き嫌いが、人生で出会う人を多様にし、圧倒的に多面的で複雑なインプットが、幼少期から学んだ正当な音楽理論の上に乗って、ハーモニーを奏でる。そんな背景でこの音楽が作られているんだ、という、その裏にある果てしない奥深さを垣間見た

    0
    投稿日: 2024.03.03
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    書店でふと手に取った坂本龍一さんの自伝。若かりし頃の猪突猛進さ、求められる方へ良い意味で流されながら。3.11やグリーランドの景色に感じた危機感から、社会的アンテナが広がっていく。激動と崩壊の狭間で、いつも音が紡がれていた。

    0
    投稿日: 2024.02.23
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    制作の背景や時代も感じる事ができ、最高に面白い。 西洋音楽の時間と、自分が生きている時代が交わる瞬間。の言葉がとくに印象的だった。

    0
    投稿日: 2024.02.21
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    2024/02/10 読了 #読書記録 #rv読書記録 坂本龍一をよく知っている訳では無かったけれど、ある日ふと手に取ってみた一冊。読んでみると彼自身のユニークな生き様と語り口に呑まれてゆく。 よく言えば奇想天外、悪く言えば(?)ちゃらんぽらんな瞬間もあれど、それと密接に連なる独創的なメンタリティと力強さこそ、坂本龍一を坂本龍一たるものとしていたということなのかなと。 P153 死生観?について ……死を、どう考えたらいいのかは分かりません。正しい親しい人が死ぬと、いかに人間と人間は遠いか、いかに自分はその人のことを知らなかったということを思い知らされます。生きている時は、お互い適当にしゃべったりすることもできるから、なんだか相手のことを分かったような気になっている。でも、その人が死んだとき、まったくそうでないことがわかる。いつもそうですね。僕の場合は。 P228 …現地の演奏家たちはけっして上手くないのですが、その下手さ加減もとてもリアルで、よかった。 宿舎といい、スタジオといい、そのおじいちゃんといい、対面しているうちに当時の世界に飲み込まれるような感じがしました。その天井の高い宿舎で寝ているときに は、本当に関東軍の将校の亡霊が出てきそうで怖ろしかった。 映画というものには、何か現実と虚構の境を飛び越えてしまうようなところがあると思います。そういう強い磁力みたいなものを映画は持っていて、撮影現場で人が死んだりすることもある。「現実」とか「虚構」というのはあえて境界を設けるための 言葉で、もともと現実は虚構で、虚構も現実で、境い目はないんです。そういう言葉 の境界を越えた本当のことが、映画には映ります。 P244 バリではいろいろ印象深い体験をしましたが、中でも心に残っているのは、芸能のリーダーみたいな長老が言っていた「バリ島にはプロのミュージシャンは一人もいな い」という話。お金をもらって音楽をやるようになると、芸能が廃れるんだそうです。 バリのミュージシャンはみんなすごい能力を持っているんですが、お百姓とか大工と か、それぞれに職業を持っていて、音楽で食べているわけではない。すごく自覚的に、音楽を商品化しないようにしているわけです。個人が音楽を消費するようなこともない。そうやって注意深く文化を存続させてきた。民族音楽に興味を持ち始めた10代のころから感じていることですが、共同体が長い 時間をかけて培ってきた音楽には、どんな大天才も敵わないと思うんです。モーツァ ルトだろうが、ドビュッシーだろうが。共同体の音楽には絶対に勝てない。 昔、オランダがバリに攻め込んできたときに、バリ島の人たちは王宮に立て籠もって、ガムランを演奏した、という話を聞いたことがあります。武力に音楽で対抗したんですね。 P248 彼が亡くなったのは、プエルト・バヤルタという、ごく普通の観光地でした。 車が崖から落ちて亡くなった、と電話で聞いていたので、どんなすごい崖なんだろうと思っていたんですが、何ということもない、数メートルほどのものだった。現場がまったく劇的でないことが逆に悲しかった。こんなんで死んじゃうんだな、と。それから半年ぐらいは立ち直れませんでした。本当に大切なものが急に失われること、それに抗うことができないという不条理を、感じざるを得なかった。それからもう一つ強く感じたのは、これは親しい人を亡くしたときにいつも感じることなんです が、いかに自分がその人のことを知らないか、ということでした。彼とは何年もの間、 毎日一緒に過ごしてきたのに、彼が本当はどういう人間だったかということを、ぼくは知らなかった。その、人間と人間の越えられない溝の深さに、打ちのめされました。 P276 それは、社会的責任というよりも、生理的な危機感のようなものです。 P284 上手くもないし。でもそのときは気がついたら写真を撮っていた。それは、 またまそこに居合わせた人間の義務として、写真を撮っておかなければいけないと思った。行って写真を撮りました。ふだんは、特に熱心に写真を撮っているわけではない

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    投稿日: 2024.02.10
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    戦場のメリークリスマスのイメージが強くてYMOというテクノポップの先駆者的なバンドをやっていたり学生運動に参加したりあくが強そうな背景も持ってるんだと驚いた。

    0
    投稿日: 2024.02.04
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    坂本龍一のこと、あんまりよく知らなかったけど、 こんなに面白く書こう!って思ってないのに面白い人生って凄いなあーと思いました

    0
    投稿日: 2024.02.02
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    2023年の年始に坂本龍一のドキュメンタリーをNHKで放送したが視る事が出来なかった。視るには何かしらの覚悟が要り、その覚悟が持てなかったからだ。 しばらく時を開けこの本を取り、その人生を悼む。クラシックとポップ、両面を使い分けた世界で最も膾炙された日本の音楽家であった。今なら冒頭のドキュメンタリーも視聴出来ると思う。 因みに父親の坂本一亀はこの本の中では希薄な存在である。元々希薄な親子関係だったのか、それとも男の親子特有の一種の照れから敢えて詳しく述べなかったのか… 思考的にはこの親あってこの子あり、といったイメージがあるのだが。 扶桑書店アルプラザ堅田店にて購入。

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    投稿日: 2024.01.17
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    2024年3月まで、初台のNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)で開催中の「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」を見てきた際に、そういえば未読だったということで、こちらを購入。 2009年に出版された本作は、坂本龍一が自らの幼少期から現在までを語る自伝であり、この本ならではのエピソードも数多く収録されている。 特に「ラスト・エンペラー」をはじめ、様々な映画音楽に関してはステークホルダーが多かったであるからだろうか、かなりのボリュームが割かれており、さすがの教授といえども苦心したエピソードなどが非常に印象深い。

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    投稿日: 2024.01.14
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    坂本龍一さんが雑誌の連載で2年近くに渡って語った自伝をまとめた一冊。 坂本龍一さんと言えば「戦場のメリークリスマス」と「ラストエンペラー」くらいしか知りませんでしたが、随分と幅広く活動されていたんだなと驚きました。 先進的で、過去にこだわらずどんどん新しいことをやってみる。何にも執着しない。 音楽もクラシック、ロック、ポップスと様々にジャンル分けされてはいても、長い歴史の中で必ず潜在的に他のジャンルの影響を受けているわけだから、音楽家でも、そのジャンルの中だけで活動する人もいれば、複数のジャンルを渡り歩くように活動する人もいるんだな、と思いました。 備忘として、自分の中で一番印象に残った部分を引用します。↓ 『表現というのは結局、他者が理解できる形、他者と共有できるような形でないと成立しないものです。 だからどうしても、抽象化というか、共同化というか、そういう過程が必要になる。 すると、個的な体験、痛みや喜びは抜け落ちていかざるを得ない。そこには絶対的な限界があり、どうにもならない損感がある。 でも、そういう限界と引き換えに、まったく別の国、別の世界の人が一緒に同じように理解できる何かくの通路ができる。 言語も、音楽も、文化も、そういうものなんじゃないかと思います。』(本作P.22より引用)

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    投稿日: 2024.01.14
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    元々YMO信者であるところ、教授の死を受けてというところからまぁぼちぼち読んでみるか、と。 教授の言葉で訥々と、しかし難しくなりがちな話も明快に語られる自伝は心地よく、あっという間の読了だった。 なるほど。ルーツを辿ってみればあの曲もこの曲も見えてくるものがあって面白い。多種多様な曲がある教授の作品だけど、何気に一貫して筋の通ったものがあるのか、と。 ぼんやりとした輪郭の中にいた彼の姿が少しシャキッとした。

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    投稿日: 2024.01.12
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    坂本龍一さんの自伝。というかインタビュー形式の対談でご自身が語られた内容が本になったもの。記憶のある幼少時のことから語られている。坂本さんが自然に語っておられる様に感じてしまいます。しみじみ。 語られたことがほぼ直接文章になっているので、様々な言葉に対して注釈が付いている。私も時々注釈を見て、そういうことなのか、と頷いていました。 1950年代からの日本の情景もよく見えてきます。私は年下なので完全に同時代を生きたとは言えないけれど、かなりの部分が重なっている。特に一定期間、同じ地域で暮らしていたことがあり、当時の坂本さんの社会の見方、ご感想・ご意見に共感を覚えるところが数多くありました。 作品の後半でさりげなく語っておられるけど、坂本さん自身が語られた、ご自身の創作活動について一番よく表現しているところが、「ずっと考えていることなんですが、自分ができてしまうことと、本当にやりたいことというのが、どうも一致しない場合が多いんです。できてしまうから作っているのか、本当に作りたいから作っているのか、その境い目が、自分でもよくわからないんですね。」(p273)という部分、だと思います。 やはり、坂本さんは天才なのだな、ということを思い知りました。

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    投稿日: 2024.01.12
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    もちろん坂本龍一さんのことは知っているし、すごい人なんだなっていうのはふわっとわかっているけれど、どんな人生を送ってきたかまでは知らなかったので興味深かった。 なんだか、うん、本当に天才ってこーいう人の事を言うんだな…というのが正直な感想。努力をしようとして努力をしている印象はないのに、いざ本気を出すとできてしまう感じ、嫌味な気はしちゃうけど、本物ってそういうことなのかなと。

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    投稿日: 2024.01.10
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    本人のインタビューなどを見たことがあれば、ほんとにそのまま本人がしゃべっているみたいな臨場感が感じられると思う。書き起こし方が絶秒。内容もけっこう率直に語っていて、意外と知らなかったこともあって興味深かった。スケッチ・ショーをうらやましく見てた、なんていうのは思わず笑ってしまった。なんか一人っ子っぽくて微笑ましい。

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    投稿日: 2023.12.13
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    「僕はそれまでずっと、自分はこういう方向性で生きていくんだ、と思い定めるようなことはなるべく避けてきました。できるだけ可能性を残しておくほうがいいと思ってもいた。」 この文章が私が今まで抱えていた気持ちを言語化してくれたように思う。そして将来的に選ぶ可能性があっても"今は"選ばないという選択をする自分を頭ごなしに否定していたこと、うまく言葉にできない気持ちをないものとして考えていたことに気がついた。選ぶ、選ばないの善し悪しではなくてどちらの思いも持っているという自分と出会えたことは大きな収穫。まだまだ未熟な私にはたくさんのヒントが隠されている本だった。

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    投稿日: 2023.12.03
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    読んでいる時には、坂本龍一さんから直接話を聞いているようで、読み終わった後に「あ、坂本さんはもうここにはいないのか。」と寂しさと悔しさが溢れて来ました。坂本さんという人柄に本からでもこんなにまで惹かれるとは思いませんでした。あなたに会いた過ぎて、あなたの曲を今も聴いてしまっています。幸せです、ありがとうございます。

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    投稿日: 2023.12.02
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    坂本龍一の生涯を知るにはこの本が一番かと思う。 音楽でしか坂本龍一を知らなかったからこの本で本当の坂本龍一が知れた気がした。あらゆるジャンルの音楽を生み出していてその時代の背景も見えて面白かった。とくにラストエンペラーは驚きだった。

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    投稿日: 2023.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    月刊誌のインタビュー連載記事がまとめられ、2009年2月に刊行された、同名作品の文庫版。 なので、2009年以降のことが書かれていない。 書店で買った時に、中身を見ずに衝動買いしたので、そのあたりのことを知らなかったため、少し落胆した。 生い立ちから、学生時代のこと、映画のこと、YMO時代のこと、アルバムのこと、実に様々なことが書かれているけれど、個人的に面白く感じたのは後半からで、音楽の話ではないけれど何故か一番強く印象に残ったのは、環境問題についてのくだりー(316頁)。 『人間が自然にかける負荷と、自然が許容できる限界とか折り合わなくなるとき、当然敗者になるのは人間です。困るのは人間で、自然は困らない。(略) そして、人間はもういなくてもいいのかも知れない、とも思った。』 坂本龍一さんの経歴を知る以上に、どのような考えを持ち、今の時代をどう感じていたのか、そういうことに興味があるので、他の本も読んでみようと思う。

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    投稿日: 2023.11.26
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    2009年出版の坂本龍一さんの自伝。小さい頃から音楽に親しみ、バッハ、ドビュッシーから現代音楽を愛する。本人は勉強しなかったと言っているが、芸大の修士は伊達じゃない。山下達郎、細野晴臣との出会いのエピソードが興味深い。ポップスをやっていて音楽は独学だった彼らが、音楽を専門的に学んできた自分と同じように、音楽の核心に触れていることを知って衝撃を受けたそう。 リベラルな環境で育ったからか、学生運動や社会運動にも積極的だった。YMOについても、どこか冷めた目で関わっていたというのは知らなかった。彼の社会や物事に対する距離感とか立ち位置がわかって興味深い。 本書を書かれたのは57歳のとき。それから14年。やはりまだ早すぎる。

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    投稿日: 2023.11.19
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    2009年に刊行されたインビューによる自伝。 この自伝によると、坂本龍一自身は自身の才能の活かし方に最初から方向性を見つけていたわけではなく、時流の中で、ある意味流されるまま自身の音楽を見出していった、と感じる。才能ある人物であるから、そのような生き方ができたのかもしれない。 同時代の才能ある人々との出会い、様々な人々と影響し合いながら、音楽はもちろんのこと、音楽以外にも関心を広め、人生を歩んできたのだろう。 今年、2023年、逝ってしまった。もう少し彼の活躍をみてみたかった。

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    投稿日: 2023.11.02
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    今年の3月28日に亡くなった著者の自伝。 一般のひとの2倍も3倍も生きていたと感じさせる濃密な人生。 秀でている人はやはり、幼少期から違うと改めて思う。 幼稚園時代から高校そして芸大へ。 大学時代は、音楽科よりも美術科に足繁く通っていたとか。 様々なエピソードが綴られ、なまじの小説よりも面白く、次から次へと目が離せない。 様々な頼まれ仕事をこなしながら、ついにYMOの結成に。 世界を股にかける彼の仕事ぶりには、圧倒されるばかり。 率直に語られる彼の生きた証、早逝はあまりにも・・・

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    投稿日: 2023.09.06
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    坂本さんは、わたしより少々年上ですがほぼ同世代なので、本書を読んで音楽好きであった私も名曲喫茶やジャズ喫茶に通って、コーヒー1杯で何時間もねばったことを思い出しました。あの当時の新宿駅東口は、まだアルタができる前で、そこに確か二幸というスーパーがあり、その裏手にジャズ喫茶が何軒かありました。ピットインも、昼間だと比較的安価でジャズの生演奏が聴けました。 どこかで坂本青年とすれ違っていたのかな、なんてかってに思いながら、この本を読ませていただきました。 音楽家として坂本隆一さんはいろいろな面をお持ちで、YMOやリゲインのCM音楽だけでなく、アイドル歌謡の作曲もされていましたが、そんな中で「Discord」みたいなオーケストラ作品も作られている。そのあたりの背景が本書を読むことで少し理解できました。改めて、SAKAMOTO作品を聴いてみたいと思います。

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    投稿日: 2023.08.10
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    坂本龍一がどんなことを思って、どんな人生だったかのエッセイ。 すごくロジカルに音楽を考えていた人だと思った。 とても素敵な人生で、読んでいて楽しかった。

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    投稿日: 2023.08.05
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    久々に仕事関係以外の本を読む時間が取れた。想定していたような構成の人生史の本だった。坂本龍一という人間が、自分の才能や権威性に対して意識的であるのがあちこちの行間から滲み出している。自己陶酔なしに自分史を語るのは難しいことなのだろう。

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    投稿日: 2023.08.01
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    幼稚園で毎週のようにピアノを弾かされた経験と音楽好きの叔父の影響が最初の音楽体験。 グランドピアノのある資産家でピアノの英才教育を受けたというイメージでしたがそうではなく小学校に入ってからアップライトでピアノを習っていたというのは意外でした。 中学を卒業して、新宿高校、東京芸大と進まれたころの話は私よりは年代は上ですが、私も芸術学科(美術です)にいたので似たような話もたくさんあり、読んでらした本、聴かれた音楽などもとても共感し、面白く読みました。 私も美術学科ですが、坂本さんも音楽科の学生より美術学科の学生と話が合い、美術学科に入り浸っていたというのはよくわかります。私も高校の時ピアノの先生に、音大受験を勧められたので音楽科の雰囲気も想像できます。音楽科はエリートって感じで、美術科はとにかく汚い感じですね(笑)。 YMO時代の話はちょうど私が中学、高校の頃なので懐かしくて涙が出そうでした。 衣装は幸宏さんが担当だったこと、坂本さんはいつもジーパンにゴム草履だったなんて今まで知りませんでした。 YMOの曲は私は全部レコードで買っていたので、今はプレーヤーを処分してしまったので聴けないのですが「千のナイフ」は教授のソロアルバムだったのですね。大人になってから知り合った猛烈な教授ファンの友人がLINEの待ち受けを「千のナイフ」にしている訳がわかりました。 毎週聴いていたFMラジオ番組サウンドストリート(サンスト)のことも書かれていて、懐かしすぎて本当に泣きそうになりました。火曜日のパーソナリティでした。(月曜は佐野元春さん、水曜は中島みゆきさん、木金は渋谷陽一さんで全曜日聴いていたのですが) あの番組には一度だけ坂本さんが作った曲のデモテープのタイトル募集に応募の葉書を書いたことがあります。もちろん落選しましたが、タイトルは草野心平の詩のタイトルからとられた「両眼微笑」に決まったのはよく覚えています。 とても、懐かしい青春時代の思い出を思い出す本でした。 脚注はすべて懐かしい名前でいっぱいでした。 でも、この本、坂本さんがご健在のうちに拝読したかったです。もういらっしゃらないなんて、と思うと読んでいて心に穴があきそうでした。 坂本さんに捧げる短歌を作りました。 (読売歌壇に応募しましたが没でした) ○憧れた坂本龍一星になるおやすみなさい「戦メリ」とともに ○憧れた坂本龍一星になる忘れられないメロディー遺して

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    投稿日: 2023.07.29
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    YMO時代から聴いてきた教授の音楽たち。 彼が子供の頃から触れてきた音楽や本などを知ることができ、またワクワクしながら聴いた音楽のむこうで、教授が何を感じ何を考えていたのか…その一端を知ることができて感慨深かった。 教授は私の青春時代のヒーローだった。 安らかに。

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    投稿日: 2023.07.27
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    本を物色中にパッと開けたら、「たっつぁん」のことが書かれていたページだったので、なんか運命を感じ読んでみた。 教授と矢野顕子が結婚したのは、お互い2度目だったのは、この本で知った。 教授は小さい頃から、クラシック音楽とか難しい本をたくさん読んでた人だったんだな。 今から「たっつぁん」のコンサートに行ってきます。教授のこと、何か話さはるかな? RIP

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    投稿日: 2023.07.20
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    月刊誌「エンジン」2007年1月号~09年3月号までに27回連載された、坂本龍一が自らの人生を振り返るインタビューをまとめた一冊。注釈がかなりあるものの、簡単にインタビュー当時までの半生を知ることが出来る。読後感としては、写真も多く読みやすいこの自伝が新潮文庫という非常に入手しやすいレーベルから出版されたことにより、坂本龍一が決して忘れられることなくその音楽が聴き継がれていくことを冥福と共に祈りたい気持ちである。

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    投稿日: 2023.07.16
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    音楽は自由にする 著 坂本龍一〜2023 最近、いや親の影響もあって小さい頃からか。 戦場のクリスマスを聴くのが日課になっている。 いつ何度聞いても感情にゆるやかな起伏を与えてくれるこの曲がとても好きだ。 そんな曲の作者である坂本龍一さんが亡くなってから間もない。 今日本屋を回っている時ふとこの本が目に入った。 本屋は自分が脳の片隅で需要を叫んでいるポイントを掬い上げてくれる。これだからやめられん。 自分の日常の一部である曲を作曲した人が自分の歴史をどう見ているのか。読むのが楽しみ。 1.音楽は自由にする ここでは坂本龍一さんの幼稚園児時代について語られた。 元からピアノがうまかったわけでもなく、そして特別好きでもなく。将来の夢について聞かれた時は周りが適当な答えを出す中[ない]と自分を表現していたらしい。 周りと溶け込む術として感情を歪ませて出力する普通の園児と違い(社交性や空気を読むってゆーのはこうやって育まれて行くんだろうな)自分の気持ちをそのまま出力できることは自分を持っていく上で重要なことだと思う。 3.ビートルズ 自分はドビュッシー(月の光)と坂本龍一(戦場のクリスマス)が本当に人生でずっと聞いていられると感じるくらい(まあまだ人生20余年しか生きてないんだからこれからのことなんて分からないが)好きなんだが、坂本龍一さんが影響された作家のなかにドビュッシーがいることには驚いた。9th和音にとにかくどハマりしたという話だったが、自分が2つの曲に共通して感じている(ものさみしさ)みたいなものはこの和音から来ているのかもしれない。 4.自分は結構音楽が好きなんだ 小学校まで続けていた音楽をきっぱりやめバスケ部に入った坂本龍一さん。 半年ほど続けてやはり自分には何か足りないと気づき音楽へ。 (人生で初めて自分から音楽をやりたいと感じたという。) ここで初めて、割と自分は音楽が好きなんだと、自分の気持ちに整理がついたらしい。 こうやって実体験をもって自分の気持ちを確定させていく過程を中学校で修了できていたのは稀でいい経験をしているなと思った。 かくいう自分はこの年になってなお [自分って結局何が好きなんだろう。何に支えられてるんだろう。] ってのを探す日々。 そしてここでもドビュッシーの話が出てきた。 もはや自分はドビュッシーの生まれ変わりなのではないかと本気で思うほどにはどハマりしたらしい。今後の音楽活動にどうドビュッシーが関わってくるのか楽しみ。 5.特別な時間のはじまり ゆくゆくは多くの人と比べ抜きん出た成績を残す学生。 そんな学生ってのは自分たちから惹かれあって仲良くなるものなんだろうか。少なくとも坂本龍一さんはそうだったみたいだ。ジャンルは違えど人の上(いや上じゃなくて人から多くの共感を得られる人か)に立つ人ってのはお互いの魅力に気づきあえるらしい。 だとしたら俺が高校から未だに付き合いがある[アイツら]には是非そういった人間になってもらいたいものだ。自分がそういう人間であることの証明になるからな。 まあでもとにかく、育った環境の良し悪しってのは外的要因で決まるよりも内的要因がでかいってことだな。いくら環境が良くても、そして悪くても、自分が本当に恋(男友人として)できる人間に会うことが1番のクリティカルポイントってことだ 6.バラ色の人生 合唱部一つ上の先輩がかっこよくて合唱部が楽しかった。今思えば一つの恋心でしょうね。 って文があったんだけど。とても共感。 憧れと恋心って(まあ超絶個人的な意見だけど)かなり似ているところがあって、その感情の境目ってのは結局のところ相手が男なのか女なのかの違いだけだと思うんだけど。 だから俺があいつはすげぇ。あいつとの関係は大事にしたい。って思うやつがもし女性だったら俺はもうまっしぐらでアピールしてただろうなって思う。 坂本龍一さんは高校1年の時すでに芸大に受かるレベルの作曲をしていたらしく、その実力を認められたため遊びが加速してまさに[バラ色の人生]だったらしい。笑 もちろん今までの投資があってこその猶予期間であることに間違いはないのだが。 自分は高校までに貯めたその預金をアニメとキングダムハーツに費やしたわけだ。 7.67、68、69 学生が主体のストライキか。 ここ数年。いや自分が生まれてからはこれっぽちも聞かなくなったなそんな話。 ってか高校生で哲学者とか読んでる環境が今となっては信じられない。 まあ30年もすれば高校生でスクールアイドルフェスティバルやってるなんて信じられないなんて言われることになるんだろうから一概には言えないが。 でも違いと言ったらやっぱ坂本龍一さん世代の学生の方が社会に関心があったってことだよな。 昔の学生が賞賛されることがあっても今の学生が将来賞賛されるようなことは[絶対に]ないだろう。 ただぬるま湯で生活してる人間、制御された刺激しか受けられない人間はやはり活力に乏しい気がしてならない。 まあ当時の社会制度が整って無さすぎて、当時の学生が頑張ってくれたから今の学生はそんなストライキまで起こして改善して欲しいようなことないよ〜状態なのはわからないでもないが。 8.2つの流れの交わるところ 難しい、、、 著名な音楽家がどの文化を取り入れて、、その音楽家から影響を受けた自分なわけだからルーツは同じところに帰着するよねみたいなことを書いてた。 ここは音楽に人生で殆ど触れてこなかった自分からしたら理解しづらいところだったな〜。 誰がどんな音楽を提供してるのかが分からないから[〜で有名な]って言われてもわからない。 9.日比谷音のこと、武満さんのこと 大学1年でこの顔は、、、ちょっと老けてないか?! それとも今の学生がガキっぽすぎるだけか。 自分たちで好きな音楽家のライブに押しかけてビラ配り始めるなんて今考えたら(いや当時考えても)やっぱ普通じゃないなって思う。 自分のやりたいこと、好きなことに学生の頃から全力で向かっていけるのは良いことだと思った。 小さい頃からよく親父に勉強も良いけど全力で遊べ。って言われてたな。親父が言いたかったのは全力になれる時間を少しでも有意義に過ごして欲しいっていうことだったのかな〜 って今ふと思った。 10.民族音楽、電子音楽、そして結婚 え、坂本龍一さんって大学3年で結婚して子供もできてんのか。んで離婚。 計4度の結婚をしてるらしい。知らなかった、、 どうやら西洋音楽は尻すぼみと読んでたらしく、電子音楽に興味があったみたい。 バイトでバーで引くことができる人材なんてのはもう人より一個頭出てるよな。 んでもってここで美輪明宏出てくるとは思わなかったわ笑 美輪明宏さんの伴奏を代理でやってたことがあるらしい。 この時代は日給5000円で割高か。 どんどん経済が発展してるのを感じるわ。 今は日給1万は絶対欲しいもんね。 11.舞台に上がり旅に出る ひょんな出会いから半年その人と旅に出るとか、大学3年間ほったらかしにするとか、居候とか。 同じくらいの年なのにここまで違うもんなのかって思った。 活力があるというか、行動に主体性があるというか。。。 とにかく周りに合わせて自分の色をつけてやろうって気が全く無いのが羨ましいなって思った。 周りに合わせて趣味もガラガラ変わって。 そんな変わって行く中に一つでも芯があれば良いのだけど、(坂本龍一さんには音楽、特に作曲って部分でいくら破天荒していても芯が通っていた)俺にはそれがイマイチまだわからん。 坂本龍一さんが中学の時に体験した [俺って思ったより音楽好きなんだな] って感情を俺も早くどこかで味わいたい。まあ目星はもうついてるんだが。 12.同じ言葉を持つ人たち なるほど大瀧詠一さんって方から始まったのか。 坂本龍一さんは今までドビュッシーとか弦楽四重奏曲なんかの言ってしまえば格式高い音楽? を音楽の形として見てきたわけだけど、そういった音楽も素晴らしい一方でポップスにもその片鱗があり、またそのルーツが西洋音楽では無いことも知ったわけだ。 より多くの大衆を巻き込んでいけるこのポップスという領域に興味が湧いた(坂本龍一が世に出るきっかけになった)瞬間がここだったわけだな。 13.カウントダウン YMO結成直前の話をここではしている。 不敬ながら自分、YMOを知らないのだ。 なんかみなさんご存知YMOみたいな感じでこの本書かれてるけど今の若者でYMOって言ってピンとくる人どのくらいいるん? そんなんで坂本龍一さん好きとか言ってんなよ!みたいな意見出てきそうだけど好きなのはあくまで[戦場のクリスマス]で作曲家のほうじゃないんだ(もちろんこの本よんでどんどん坂本龍一さんについて知りたくなってる自分がいるのだが。) 14.YMOはじまる 幸宏と細野って人の3人で結成されたらしい。 どうやら結成当時のこたつ会議ってのがめちゃくちゃに有名らしいのだが。俺は知らない。 ファーストアルバムは全然売れないし周囲の感想もバットな物が多かったらしいが本人達は [自分達は新しいものを世に出している] って実感があって次への足掛かりにする気しかなかったという。 自分達のポテンシャルを信じてやまないその姿勢が大事だなと思った。 15.YMO世界へ 何事も片足を突っ込んでいつでも逃げれる体制をとっていた坂本龍一さんがこの時のワールドツアーで自分の曲を使って踊っているカップルを見て確信したらしい [これでいいんだ] と。 自分の生きて行く道ってここにあったんだなっていうのをここで確信したんだな。幼少期から自分がなりたいもの、やりたいことに疑問を持ち続けていた人がこうやって自分の経験から答えを導き出すってのが良い。自分もそんな経験をしたい。 16.反YMO 自分のやりたいことをやり切ったからこのバンドはおしまい。 そうやって割り切れるのもまた凄いと思った。 もう次のステージが頭にはあるんだなって。 ワールドツアーやって帰国して有名になって。 そんなところまで来ても尚自分の表現したい色に磨きをかけていこうって精神にまだ余力があるのが凄い。どこを見ているんだろうかこの人は。 それとも成長する自分が楽しいのか。 17.旅立ちのとき YMOの結成から数年でついに出てくるんだな [戦場のメリークリスマス] 初めての映画音楽だったらしい。しかも坂本龍一さん俳優としてこの映画に出演しているんだとか。まじか。んー、見てみたいんだけど自分が戦メリ聴いたときの自分だけのイメージが崩れちゃう気がして嫌なんだよな。もうちょっと後にみよ。 なんかビートたけしも出てるらしい笑 YMOも解散(5年で解散なんだから凄い)して次のステージへ。って感じ。 18.音楽図鑑 38歳で週6日も徹夜?女の子と遊び? 坂本龍一さんって元気な人だったんやな〜笑 あと矢野さんって方はすいません知らないんだけど、この人と結婚したらしい。 活動的な男って魅力的に映るよな〜。 ただ呆けてる感じじゃなくてしっかり仕事にも繋がるような学びを得ているのが凄い。 19.北京へ ラストエンペラーって映画が当時話題になっていたらしいんだけど、どうやらその作品にも坂本龍一さんは出演したらしい。 この人音楽活動の傍で俳優もこなしていたんだろうか。 音楽も担当しているらしい。 聴いて見たけどこれもやはり知らない曲。 映画も見てみようか。、、 20.今すぐ音楽を作れ イタリアで映画を作る悦びを得たって書いている。 徹夜続きで無理難題を押し付けられた時の爆発力というか集中力?活力みたいなものが這い上がって行く人には必要不可欠だと感じた。 またここに来てなお、人脈を賢く使う面も見れた。 なにか大きい仕事をする時はそれに見合うパーティが必要だ。自分に足りないパラメーターを遺憾なく発揮してくれる人材を頭に何人かストックしていることが既に凄い。 やはり人脈は大切だと感じた。 しかしあれだな。自分が生きてきた時代とは別の時代(もはや情報が無さすぎて他の星で起きていたことのように感じてしまうんだが)で起こっていたことを読み進めるのは少しばかり疲れるな。 いくら自分の興味ある人とはいえ知らない単語や人物が羅列されているのはきついものがある。 現代人(特に今の20代)が過去について知ろうとするのはかなりの活力が必要になるなと感じた。 好きじゃ無いとやってられない。 21.突然の贈り物 ラストエンペラーに採用された曲は提供した44曲中(2週間で44曲作るってどーゆーことなの?笑もう逆に恐ろしいんだけど)半分くらいしか使われていなくて怒りと驚きで心臓が止まりそうになったとのこと。確かに自分の仕事がその程度と見られるのはショックだったに違いない。 この映画、なんとカンヌ国際映画祭で9冠を総なめするという異例の映画になったらしい。 実話?を元にしているらしいんだけど、、、え見てみよっかな。 学生時代から仲が良く仕事もずっと一緒にやってきた方が長期休暇中に亡くなってしまった話もここで言っていた。 坂本龍一さんはこの本で何度も述べているけど [いかに自分がその人のことを知らないか] を痛感するらしい。 まだ自分は身近な人を亡くしたことが無いから共感できる部分は無いんだけど、無くして初めてわかるってのと一緒でこういう経験をして人はまた人との関わり方をより一層大事にしていくのかなと思った 22.ニューヨークへ 坂本龍一さんってとことん破天荒というか、活動的というか。それをまたここで感じた。 一方でやはり母国に骨を埋めたいってところも書いてあった。外国人は狩猟するために獲物と一緒に移住して行くのに対し日本は行っても遠洋漁業で絶対自分の家に帰るもんだと。 活力と行動力に長けた人でも最後は戻りたいって気持ちがあるのか。 23ハートビート 湾岸戦争の時にアメリカにいたらしい。 黄色いリボン家の前につけるのが慣習、みたい。 戦争を間接的にでも経験した音楽家が作り出す音色ってどんなんなんやろ。ちょっと聴いてみよ[ハートビート] この時期、1992年とか。YMOが周りの推しがあって[再生]したらしいんだけど。 3人とも意見の食い違いがあってライブも曲もあまり良いものは作れなかったんだそう。 機が熟していなかったと。 24世紀の終わり ルワンダ紛争をテレビで見て衝撃を受けたことがここに綴られている。 ここまで読んで一つ思ったのが、坂本龍一さんは音楽を作って行くための感情の起伏みたいなものをどこかで求めているように見えるということ。 活力的に見えるのも、根本には音楽を作って行く上で自分の中に起伏を作ろうとしていたんじゃ無いかって思う。 坂本龍一さんにとって戦争や紛争ってのはその役割を果たすのに十分なスパイスだったんだろうな。 25.世界が変わった日 アメリカ同時多発テロの年。2001年9月11日[9.11] この時ニューヨークにいた坂本龍一さんの気が気でない状態がここでは綴られている。 アタッシュケース型核爆弾の行方がわからないなんて情報が出たらそりゃ怖いよな。 今だっていつこんなテロが起きるかわからない。 優先順位が一気にしてひっくり返るこのポイントを経験した人の文を読むのはなんだかんだでこの本が初めてだ。 ぬるま湯に浸ってしまっている自分がそういった状況に陥った時どういった行動ができるのか。今のうちから少しでも意識して行動することが大切なのかもしれない。 26.新しい時代の仕事 音楽の媒体がCDからダウンロードコンテンツへと移りゆく時代。音楽が消費されることはあってもそこに支払いが行われることがなくなって行く時代。そこに坂本龍一さんも焦りというか何か遺憾を感じていたとここには綴られている。 manga rawとか違法アップロードサイトは今(2023年現在)も流行しているわけだから、それこそ漫画家はこの問題に今向き合っていることを考えると、やっぱり坂本龍一さんって手が早いなって思った。 YMOも映画音楽も、結局自分から始めたことなんて殆どなくて後ろ向きな人生なんですよって自分では述べているけど、そうやってリスクや時間を最小限に留めて作品に注力する姿勢も大事だと思った。 27.ありのままの音楽 歳をとったからこそまた二人と音楽ができるようになった。 だとしたら年をとって良かったと思う。 若いなんて全然良いものじゃ無いですよ。か。 若さを十分すぎるくらい謳歌できれば自分もこんなセリフが本心から言えるようになるのかもしれない。 どんな大人も若い頃は良かったって言うけど。 過去ばかり見ているのってカッコ悪い。 [そりゃ若い方が動けるし良いこともあるけどね、歳とったからできることだってたくさんあるんだ。重要なのは今を全力で楽しみこれから楽しくなっていくようなことにアンテナを貼り続けることだよ。] そうやって若い世代に言ってあげれるおじさんになりたい。 グリーンランドに行った経験もここに記されていた。 自然と人類の関係性について考えるきっかけになったらしい。 人類がいかに自然の力から見れば取るに足らないものなのか。 それが一眼でダイレクトに伝わる旅だったと。 音楽の方向性もここから一気に見え方が変わったと。 自分はまだ大自然を相手にしたことがないからわからないが。 あれか、屋久島で見たあの風景が似たようなことなのかな。 だとしたら自分にはまだ自然への畏怖みたいなものが足りない気がする。 28.あとがき やはり直感で見上げてしまうような人っていうのは人との繋がりを大切にし感謝を忘れない人のことだなとあとがきからも感じた。 人と人とのつながりのなんと膨大なエネルギーか。それを宇宙に届かない光のような、そんな果てしなく大きい視野で見ようとする坂本龍一さんの人との繋がりへの考え方が垣間見えた。 [総評] 20余年生きてきて人の半生を本で読んだのはこれが初めてだ。 ちょうど興味のある曲を作曲している人の伝記が本屋に置かれていたからという偶発的で奇跡的にでもある出会いに感謝したい。また本屋はそう言った偶然をいとも簡単に手繰り寄せてくれるからまた不思議だ。 自分が知っている坂本龍一さんは既に50を超えて落ち着きのある感じをイメージするわけだが。 この本を読んで、そんなイメージとは正反対の人生を送ってきた人なんだと感じた。 歳を肯定し、今を大切にし、これから面白くなることに全力でアンテナを張ること。 この本、いや坂本龍一さんの生きがいからはこの部分を強く感じた。そんな本だった。 3.8点

    7
    投稿日: 2023.07.12
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    一流の時は小さい時やティーンの時から一流のものに触れているんだなと思った。 ドキュメンタリーを観てからだったからよりどんな人生を歩んできたか覗き見ることができた気がした。

    0
    投稿日: 2023.07.12
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    坂本龍一が自らの人生を振り返る、雑誌の連載企画をまとめた一冊。 坂本龍一がいつどんなものから刺激や影響を受けていたのかが具体的に書かれており興味深かった。 音楽はバッハからスタートしてドビュッシーに衝撃を受け、その後現代音楽を学んでいくが、「クラシックはデッドエンド」と悟ってロックや民族音楽に興味関心が移っていくところが面白い。 30代の頃1週間のうち6日はほとんど徹夜でも平気なほど活動的だった、と書いてあり、何かを遂げる人とはこのような人なのだ、と妙に納得した。

    1
    投稿日: 2023.07.10
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    破天荒な学生時代が印象深く、57歳にして、持ち込まれ企画とはいえ、自伝を語れることに驚く。 バリ島の人たちが王宮に立て籠ってガムランでオランダ軍に対峙するエピソードも忘れられない。そして坂本さんは共同体で長年培われた音楽には、どんな大天才もかなわない、というのだった。

    0
    投稿日: 2023.07.09
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    比較対象にならないこともわかっているし大変おこがましいことだが分不相応にも、合わせる顔が無いと感じた。自分の専門分野からひとつずつ問題を紐解いて、その糸を手繰り寄せながら身近なことから地球についてまでをも考え、自信を持って発信できる人に私もなりたい。

    0
    投稿日: 2023.07.05
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    この時代に生きた人が読んだら熱くなれる一冊。わたしはYMO世代ではないし、音楽にも疎い人間です。それなのになぜ読んだか?それは、世界的に有名な方がどんな半生をどんな思いで過ごしてきたのかが気になったからです。本を読むかは自由で読み手の動機は問わない点で「自由」だと思います。本書タイトルについては(確か)言及はありませんが、わたしは『音楽は自分の気持ちを「自由に」表現するツールだ。』という意味と解釈しました。あなたはどう解釈されるでしょうか。 ●ウラBTTBという曲じゃなかったんだ!! 注釈にサラっと書いてあるのですが本書の一番の驚きでした。わたしの坂本さんのイメージは、妙に大ヒットしたCMのあの曲です。当時は、静かな、歌がない曲がランキング番組でずっと1位で気味悪いなと子供のわたしは思っていたことを覚えています。あれはenergy flowという曲なのですね。 ●昔の人は考えている わたしは哲学を語っている高校生をみたことがありません。また、クラシック音楽を背景知識とともに聴き漁っている普通クラスの高校生も。夏目漱石などの明治の文豪や、その人達が描く登場人物はいつも考えていて勉強しているシーンがある印象です。なりゆきのように見えても実際は坂本さんの才能・思考に共感してくれた人がいたから有名になったのだと思います。分野は違いますが樹木希林さんが有名になった過程と似ているように思いました。(著書も「一切なりゆき」といいます。)今では、わからないことはグーグルで検索できて、確かに便利ですが、考えて語り明かすということは少なくなってきているのかもしれないと思いました。 ●注釈が充実している。 本書を世代でない人が読むときに疑問に思うのが、「それはどういう背景・意味なのだろう」「この人はだれ?」。注釈が丁寧にたくさん書いているのでめんどくさ・・と思う方もいるかも知れませんが、時間はかかるが読んでほしいです。各章ごとに書かれてあるので、振り返りはやりやすいです。 ●注意点 本書は2009年に出版された本で、2023年6月に最新の自伝が発売されています。ポイントは、本書と同じ方がインタビューしたこと。坂本さんは芸術家ゆえのこだわりで、インタビュアーを選んだようです。

    2
    投稿日: 2023.06.25
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    実は若い頃の坂本龍一には興味がなかった。というよりテクノポップが嫌いだった。でも映画館で「レヴェナント: 蘇えりし者」のエンドロールで音楽が流れた時、座席から立ち上がれなくなった。僕はそこから始まった。数ヶ月前に「12」を聴きだしてからは、ほぼ毎日聴いている。そんな坂本龍一のことを知りたくなったのだ。57歳までの彼のことはこの本でなんとなく知ることができた。でも、僕が知りたいのは、この後の彼だ。「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を早く読みたい。

    1
    投稿日: 2023.06.24
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    坂本龍一さんの考え方は自分と大違いすぎて、まるで異世界。でもとても魅力的、それに音楽の力を改めて実感した。

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    投稿日: 2023.06.21
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    音楽家であり、思想家であり、活動家である、坂本龍一のその生い立ちから2009年までの自伝 中2でドビュッシーの生まれ変わりと思い込み、高校では学生運動で解体を叫び、芸大では西洋音楽に未来はないと民族音楽と電子音楽を学ぶという、偉人は学生時代からすでにぶっ飛んでいた 戦争、環境、政治、それぞれに相当な問題意識を持っていたのかと思っていたら、行きがかり上やむおえずなんてのもあったようで、断れない繊細な性格も垣間見える謙虚な語り口がますます好きになる spotify でアルバム聴きながら読んでたら、創作の意図や背景が頭の中でヴィジュアル化されてより一層楽しめました

    0
    投稿日: 2023.06.17
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    何度でも読みたくなるような、刺激的な人生。 「1996」のアルバムを聴き続けながら読んでいたけれど、比喩とかではなく、体が痺れる感覚があった。 坂本さんが抱く感性、人の評価、単純な意味ではないけれど自由な人生が素晴らしかった。本当に素敵な人だと文章から溢れるように伝わってきました。

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    投稿日: 2023.06.15
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    坂本龍一さんの自伝、読み終わりました。 今一番僕が知りたいことなので、一瞬で読み終わってしまいました。 6/21に生前書いていた最後の自伝ができるので、それも楽しみにしています。 https://amzn.asia/d/iQalDCa

    0
    投稿日: 2023.06.07
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    一度は音楽辞めてバスケ行ったけどやっぱ違うなって気づいて今度はちゃんと自分から音楽を始めたり、ドビュッシーに感化して自分は生まれ変わりなんじゃないかって思ったり、アンチYMOのソロアルバム出したり、なんかそんなところがいいなあと思いながら読んでいた。

    0
    投稿日: 2023.06.05
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    狙った本ではなく、ふと書店で手に取った本に 驚かされることは、本との出会いの中でも愉悦な方だ。 坂本龍一さんの曲は、何となく気になってCD数枚分 つまんで聞いていた(失礼!)けれど、その裏、その成り立ち のストーリーを読んで、一つ一つ追ってみたくなった。

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    投稿日: 2023.06.04
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    坂本龍一もYMOもその音楽はほとんど知らないから彼が語ることの大部分はわからない。だが一人の人間としての坂本龍一の人生の豊かさは存分に感じられた。 人間が自然にかける負荷と、自然が許容できる限界とが折り合わなくなるとき、当然敗者になるのは人間です。困るのは人間で、自然は困らない。 環境問題についての彼の言は正鵠をいている。こころせよ人間! ありがとう、坂本さん。

    0
    投稿日: 2023.06.01
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    3月28日に旅立たれた教授。 闘病されていることは存じていたのでニュースを聞いてもショックはなかったが、やはりとても寂しく感じた。 「世界のサカモト」 間違いなく、時代を造った偉人だ。 圧倒的に革新的な音楽を造りつづけた天才が、歩んできた人生をたんたんと語った自伝。 クールに見えて、けっこう暴れん坊だったんだな、と笑、興味深く思いながら読んだ。 音楽は自由にする。 あなたを、魂を、そして世界を。 好きな曲はたくさんあるけど、最近最もはまっている曲は↓ ♪Rain(I want a divorce)/坂本龍一(1988)

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    投稿日: 2023.05.31
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    知的で孤独、旺盛な探求心と反骨心。教授の作る音楽と同じくらい教授の人柄や言動に共感をもっていて、それこそ教授が読んでいる思想書などを真似して読んだりもしたものだが、本書を読んで教授のパーソナリティの核が幼少期の頃の坂本少年に既に見られて納得。一人っ子で、さらに越境通学などもあって周囲に友だちがいなく、いつも一人遊びばかりしていたという環境のせいもあるのだろうが、子どもの頃から、自分が何者なのか、物事の有り様がどうしてそうなっているのだろうか、と自分にも周囲にも常に疑問を持ち、「知りたい」という欲求の強い元々の性質の所以なのだろう。自分が教授に共感していたのも突き詰めれば、彼が「知りたい人」だったという部分のように思う。そしてその音楽人生が、最初からどこか目的地を目指すものではなく、私的な作品の制作や受注仕事などを通じてさまざまな人たちと関わっていく過程で「なんだそれは?」とか「そっちも面白そうだぞ」と成り行きまかせであったことも、結局はその坂本少年の心のままだったのだと思う。教授の作品の和声やシンセの音色には、どこかポエテイックで孤独や寂寥感を感じるものがあるなぁと前々から思っていたのだがそれも坂本少年の原風景だったのだろう。そういった音楽家個人の核というべき性質はちゃんと作品に反映するものなのだな、とも思った。

    3
    投稿日: 2023.05.31
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     1960年代生まれの我が青春のYMO。同級生達は、アイドルと横浜銀蝿全盛期を謳歌し、同級生の一部はオフコースの小田和正に陶酔し、一部の変人扱いされた少数派のYMOフリークが私だった。生まれた頃から労働歌とうたごえの中で育ったにもかかわらず、なぜか電子音楽のYMOに引き込まれた私。自家用車では今時珍しいCD6連奏のカーオーディオで常時YMOのライブ音楽が流れていたのだから、自分の3人の子供たちも口ずさむ事になっても不思議ではない。  今年の1月11日にYMOの高橋幸宏が逝去し、感傷に浸る最中の3月28日に坂本龍一の訃報に触れ、青春期がバックラッシュして意気消沈。坂本龍一氏は音楽だけでなく、環境や原発問題など、政治課題にも積極的に関わり、その発言が多くの国民に影響を与えた。  本書は、2009年に発刊され、坂本龍一氏の逝去を期に文庫化され、発売日直前の書店の平積みから発見した出会いは必然か。坂本龍一の生い立ち、音楽への向き合いと造詣、社会に対する尖った関わりや行動力は、YMOの中でも屈折した表出を悔恨したことを赤裸々に綴っている。細野晴臣、高橋幸宏、矢野顕子、渡辺香津美、松武秀樹など、YMO初期のツアー・メンバーの才能や実績は、理論派の坂本龍一とは違う険しい山道を登頂した芸術集団ならではの才能を評価する。坂本龍一のクラッシックへの造詣と作曲家としての修業と知識の蓄積。読書や映画への深い向き合い、そして遊び呆ける私生活までもが、坂本龍一を巨匠へと誘った所以だろう。音楽家、役者、映画音楽家、社会活動家としての坂本龍一が自分史語りを読みながら、故人を偲ぶ読書となった。なお、本書は各章毎に、丁寧な語句説明が行われており、時代背景や何に刺激を受けたのかなど、さらに坂本龍一を時代背景から見る上でも楽しい書籍となっている。

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    投稿日: 2023.05.28
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    最近惜しまれて逝去した著者の自伝的エッセイ。 一人の編集者に対し、著者が時系列に語り下ろした内容を文章に落としてまとめたものらしい。 超著名人かつ人気者の彼だが、その出自や経歴については、薄い紙っぺら1枚程度の略歴や、テレビやラジオで1-2分で紹介される内容には何度も触れてはいたものの、これだけしっかりと自分語りでたっぷりの内容をまとめて読めるのは初めてであり、有難かった。そしてやっぱり、その濃密で華麗な内容には圧倒された。アーティストの才能の偉大さはもちろんのこと、知性や芸術全般に対する構えの無い無垢な興味・関心を素直に持ち続け、自らを常に自由に漂わせて来ることで類まれなる実績を積み重ねて来た凄みに唸らされる。 願わくば、本書が出版されて亡くなるまで約14年の間(これを「晩年」と呼んでもよいかも知れない)の彼自身の内的世界の移ろいについて、彼自身の言葉でもう一度聞きたかった、読みたかった。 あらためて、R.I.P.

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    投稿日: 2023.05.15
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    坂本龍一が通った幼児生活団に通っていた。別の都市にある生活団である。坂本はウサギを家に持ち帰ったが、私は伝書鳩を持ち帰った。坂本はそこではじめてピアノを弾いたが、私はドミソとかドファラとか和音の聞き分けをさせられた。先生がピアノで弾く「エリーゼ」のためにがお昼寝の音楽だった。小学校に入ってどこの幼稚園から来たか問われて、生活団が幼稚園かどうかわからず、戸惑ったのを覚えている。坂本龍一よりも僅かに年下でああるが、時代の空気はよくわかり、坂本龍一の成り立ちをこの本で追体験できた。 わずかな年齢差なのだが、このわずかでビートルズや学生紛争との距離感が全く違う。かといって無関心でいられず、かなり希釈した形で興味を持とうとした。

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    投稿日: 2023.05.11
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    <バリケード封鎖した高校の中で、ヘルメットをかぶったまま、坂本がドビュッシーを弾いていた、なんていう噂もありますが、よく覚えていません。もし、そんなことをしたとすれば間違いなく、モテようと思ってのことでしょうね。> 晩年になってから、こう回想するのはなんかいいですね。

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    投稿日: 2023.05.10
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    天才・坂本龍一を偲んで拝読。私の坂本龍一との出会いは、小学校6年生の時の「KYLYN」だ。友達の高校生のお兄ちゃんがギターオタクで、渡辺香津美の新譜を聞かせてくれたのが最初。「E-Day Project」の曲も凄かったが、KORGで気持ち良く唄うようなキーボードソロが、渡辺香津美のギターソロにも負けず劣らずで一発で好きになった。そこからは「千のナイフ」からYMOの「公的抑圧」まではどっぷり全身坂本龍一に浸っていたと言っても過言でないと思う。「公的抑圧」は権利関係で渡辺香津美のギターが全カット。後年ノーカットの「Faker Foric」が出た時には感涙した。 天邪鬼で照れ屋な性格が前面に出た珍しい自叙伝で、自叙伝としての完成度は今三つだが、やはり天才・坂本龍一がどのように育ち、生きてきたかについては面白く拝読させてもらった。坂本龍一の全体的な印象は、五木寛之がよく使っていた「デラシネ(根なし草)」で表現されるような気がした。漂流しながらその場その場で確実に爪痕を残す天邪鬼な天才のイメージ。ドビュッシーを弾く教授を聴いてみたかったなあ。

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    投稿日: 2023.05.09
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    坂本龍一『音楽は自由にする』新潮文庫。 2023年3月28日に、71歳で亡くなった坂本龍一の自伝。 「芸術は長く、人生は短し」 とは、坂本龍一が好んだ古代ギリシアの医学者ヒポクラテスの「箴言」の一節である。物事を極めるためには人生が如何に短いのか、短い人生で物事を極めるためには相応の努力が必要なのだろう。 本作では、坂本龍一が音楽の世界に入る切っ掛けとなった幼少期の体験から様々な音楽家に傾倒していく過程や東京芸術大学の大学院を卒業し、YMO結成から世界的な音楽家として活躍するまでが語られる。 読んでみると現代の若者と比べ、中学、高校時代の坂本龍一は、遥かに大人の思考を持っていたように感じる。今から40年前、50年前の中学生や高校生はそれが当たり前だったように思う。ゲームもスマホも無い時代には自らの経験や見聞、読書などで知識を得て、深く考えることが普通だった。それ所以、当時の若者たちは大人の思考を身に付けたのだろう。 YMOがブームになったのは自分が高校生の頃である。お洒落に敏感な同級生たちは一様にモミアゲを剃り落としたテクノカットを真似ていた。当時の自分はWeather Reportを始めとするフュージョンやジャズを好んで聴いていたので、YMOには余り興味は無かった。 自分にとって坂本龍一の音楽で馴染みがあるのは『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』に代表される映画音楽である。 本体価格1,000円 ★★★★★

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    投稿日: 2023.05.08
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    坂本龍一について。恥ずかしながら知らずに育ってきたため、今回をきっかけに知りたいと思い読みました。人生史についてでしたが、自分の生い立ちとは異なることが多く共感することも難しく感じてしまいました。知れたということが今回の収穫でした。

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    投稿日: 2023.05.07
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    実に豊かな空虚を備えた人というか、素敵に空っぽな人というか。紛れもない天才であり時代/世界をリードした人だというのに、本人の語り口の中にはそんな暑苦しいエゴも野心も見当たらない。音楽の未来を背負って立つ、というような力みもない(皆無ではないにしろ、ここまで「自然体」という言葉が似合う人も珍しい)。有り余る才能を持ちながらそれに慢心せず、だからといって泥臭い努力の果てに潰れるような行き方も選ばず、自然に「なるようになる」生き方を歩んできたらこうなったのかな、と思う。その素直で温かい語り口に惹かれて読み終える

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    投稿日: 2023.05.07
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    読み終えたのでメモします。癌で亡くなられて、その追悼で本屋さんに文庫本が積んであったので手にしました。 坂本さんの演奏を聴いての感想、ピアノ曲についての感想はありますが、それは別の所で書くべきかなと思います。この本を読んでの感想ということですが、私には余り新しい情報で印象に残った、というものはないのですが、改めて思いを馳せてみた、という感じです。有名な方でインタビュー等もメディアで取り上げられてきたので、 まず、周りに流されずに、本質的なものにアプローチする行動力があったのかなと思います。いろいろな仕事に誘われた、ということが、随所に語られています。誘われても、そのプロジェクトに飛び込んでついていく行動力がすごかったのだと、改めて思いました。そして、その中でやはり「本質的なもの、すごい良いもの」を見抜く力はあったのだと思います。 誘われてライブに出るようになり、映画音楽を作り有名いなられた経緯が書かれています。誘われたり、自分で売り込んだりと、常に動きのある生活をされていました。本を読んでいると、常に新しい仕事を行っていたことが綴られているのですがが、自分から見るといつも戦メリを演奏会で弾いて、カーボンフットプリントや反原発などの発言をしている人、というイメージでした。が、それは20世紀にたくさんの仕事をして大家になられた後の活動だったなと改めて思いました。非常に常識的な発言だけれども押しつけがましくないところが良い印象。 自分に対して、自分をよく自覚できていて説明できる人だと思いました。歴史や文化を語りますが、内容が本質的で面白いです。仕事ができ、経済的にも成功しているように見えますが、音楽の内容は置いておいてチャーミングで魅力にある方だったのだなと改めて思いました。過去を語る時、後付けの知識で偉そうに話す人が多いですが(特に戦争については)、この本ではそういう感じはなく、遠慮も傲慢さもなく適切な口調で最初から最後まで語られていました。

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    投稿日: 2023.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    坂本龍一の語りによる自伝で単行本を持っていたが、装丁が気に入り入手。書かれているのが単行本刊行当時の2009年までのことで、東日本大震災やそれに伴う活動については含まれない。若いころから運動家でエネルギッシュで、肩で風を切るようなところがあったのは面白い。そこは細野晴臣、高橋幸宏とは違うところだろう。YMO当時、確執があったことがふれられていたり、テクノドンをリリースした再結成はかなり不機嫌な状況だったことに言及されている。若いって何もいいことはないと書かれていたことが印象に残る。ラストエンペラーのエピソードは面白い。短時間で超人的な作業をこなし、あの名曲たちが出来上がった不思議。ハラキリという日本人のステレオタイプな解釈を広めることにかなりの抵抗をしたこと。文化をかなり大事にしていたことが伝わる。これからも坂本龍一の音楽を聴き続ける。

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    投稿日: 2023.05.03
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    先ず以って、坂本龍一は自分にとってのアイコンであり、彼を失うことで、改めて彼の作品、活動、発言をさかのぼっている。 本著は、あとがきを読むと、坂本龍一が57歳の頃に出している本なので、そこまでの彼の人生の足跡が分かる。(69歳で他界したので、以降の足跡は別途、辿る必要があるということ) 本人の語りをベースとしているので、情報としては正しいのだろうから、今となっては貴重なものである一方、本人は、自分のことを語ることを躊躇するきらいもあるようなので、不十分さもあるのかもしれないし、これだけで彼を評価することはできない。 これほど才能のある音楽家がどのような生い立ちであったのか、それは教授のファンでなくとも関心のあるところだろう。 やはり両親の影響が大きいことが、本著からもよく分かる。(親側からみた子育て論も知りたいところだが) 教授の稀な才能の源泉を考えてみたのだが、多岐にわたる関心と(ある意味飽きやすいことと裏腹かもしれない)、それを掘り下げる力、だと思った。 勿論、関心があることと(興味がある)、掘り下げる力は密接に関係しているのだが、そこを音楽というプラットフォームが確りとあることがポイントなのかもしれない。 詰まり、色々と多岐に関心をもち、とことん深掘りするのだが、それが飽きると次、、、ということは珍しくない。ただ、そこに普遍的なベース(教授の場合は音楽)がある、というのは稀なのかもしれない。(それが天才と凡才の差かもしれない) 人脈の広さ、読んでる本から推察する関心の広さ、それが相乗効果として彼の才能を豊かにしていくのだろう。彼が本著でも触れているように、主体的なところというよりも、周りに巻き込まれている、という感覚は、多くのアンテナが立っているから故に起こり得るのであり、その感覚は却って重要で、プラスに働いているのかもしれない。 そして教授の魅力は、60年代を学生として過ごしている、ということ。音楽家だけであれば、そこまで惹かれていないと思う。 自分は教授と約20歳の差があるのだが、やはり、”60年代”への憧れはあるのだと思う。 尖っていること、純に突き進むこと、が許された時代。 以下抜粋~ ・インドネシア人たちがヨーロッパの地で初めてガムランを演奏したそのときに、ドビュッシーはそれを聴いて、強い衝撃を受けた。そして、ベートーヴェン以降の作曲家が書いてきたような、堅牢な建築のような音楽ではなく、海や雲などを題材にとった浮遊的な音楽を書き始めました。20世紀西洋音楽の祖であるドビュッシーは、アジアの音楽に啓発されておおいう音楽を生み出したんです。 ・70年代の中央線文化 考えてみると、当時は中央線沿線の街にいることが多かったですね。高円寺、阿佐ヶ谷、吉祥寺、三鷹、国分寺。中央線沿線はフォークの中心地でしたが、その一方で、有機栽培の店とか、整体、ヨガ、合気道の情報なんかも集まっていた。 ・ラストエンペラー 場所は満州映画協会、演奏は地元の楽団ですから、つまりほとんど当時のままの音がするんです。違っているのは、そこに立っていた甘粕の銅像が毛沢東のものに変わっていたぐらい。あとはもう昔のままです。そこここに甘粕の亡霊が見えるようで、怖かったです。 ・ニューヨーク ニューヨークという土地の持つ、一種の無関心というか、そういうものが心地よいというのはあるかもしれません。ニューヨークというのは、共同体的なものに寄りかかれないというか、安易には愛してくれない街ではあるんです。でもぼくの場合、何かに所属するということが子どものころからとにかく嫌いだったので、そういう意味では楽なんです。とれあえず何者でもなく暮らせる。それはぼくの性にあっている。

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    投稿日: 2023.04.23
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    坂本龍一の自伝。 YMOに至るまで、ソロになって再びYMOになるところまでが書かれている。 本人の語りで、子供の頃や小学生、中学、高校になる辺りの記述は面白い。 天才がグッと身近に感じられてくるから不思議だ。

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    投稿日: 2023.04.20