
総合評価
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powered by ブクログ図書館で借りた。 タイトルから察するに星野道夫みたいな世界観の冒険・探検ものかと思ったら(良い意味で)全然違った。 国境なき医師団のお話です。
0投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ2014年にシエラレオネでエボラウイルスの治療現場に入った筆者の克明な記録。今般のガザ情勢もあって、紛争地や貧困地域での国境なき医師団の活動に関心があり手に取った。 筆者が日々つけていた日記が元になっていて、現地で誰に出会い、何を考え、何をしたのか、とてもリアルに記されている。35℃以上にもなる現地で防護服や二重のグローブを着けて活動する難しさ、汗による視界の悪さ、想像しただけで凄まじい。 現地での活動方針をめぐるメンバー間の意見の不一致などは、人道援助に関わる人たちも聖人ではなく、個々の思いや人格を持った人間であるということがわかる。一人でも多くの子供を救いたいという強い思いから積極的医療を主張する筆者と、より慎重な立場を取るメンバー。どちらの立場も理解できるからあまりに難しい。 目の前のことに100%全力という印象を受ける筆者、自ら「泣き虫」と言うくらい、本当によく泣いているのが印象に残る。強く冷静な医師という世間のイメージとは違う、一人の人間としての姿がある。こぼれ落ちていく命、医療の限界、PTSDや不眠など、リアルな厳しさ、苦しさも含め、人道援助に携わる一人の人間の生き方に触れ、とても刺激をもらった。 日本に帰国してから連日連夜餃子を食べて感激している様子には笑った。餃子は偉大。 印象に残っている箇所。(36-37頁) "高熱がある彼の身体が熱いのは当たり前だとわかっていても、二枚重ねの手袋越しに伝わってくるその熱さに驚かされた。そしてトーマスの身体の熱さとともに伝わってくる、九歳の少年の柔らかな感触に、僕は脳天を叩かれたように感じた。 極言すれば、彼の身体に触れる前の僕にとっては、目の前の九歳の少年はエボラウイルスでしかなかったのだ。しかし、手袋越しに伝わる熱と柔らかな感触が、僕に当たり前のことを思い出させてくれた。 「目の前にいるのは、エボラウイルスなんかじゃない。僕の前にいるのは、一人の幼い少年なのだ」 この瞬間、僕の中のエボラに対する不安や恐怖心が跡形もなく消えていった。"
0投稿日: 2024.04.17
powered by ブクログ作者目線で時系列で話が進みます。 シエラレオネの現状を事細かに伝えていく中で、作者の「人類の現体制の仕組み」に対する考えもしっかり述べていて、ただの御涙頂戴なものではなく、深く理解しながら読むことができました。 仕事終わりのビールとタバコ、鼻水と涙だらけの顔、ヤブ医者、先生の人となりも分かるかもね。 会社のお昼休みに読んでいましたが、目頭が熱くなっていた事は秘密です。笑
0投稿日: 2023.12.29
powered by ブクログ日本に住んでいると、なかなか知ることのないことばかりでした。 先日風邪をひき、微熱をだしてお布団のなかでぐったりしていた、自分の恵まれた療養環境に比べ、なんと過酷なことか。 この世界の様々な人の命に重さについて、たくさんの人が考えるようになってくれたらいいな。
0投稿日: 2023.11.10
powered by ブクログあくまで個人的な勝手な感想として、V.フランクルの「夜と霧」に似たものを感じた。 エボラウイルスという脅威のおかげで、明日も知れぬ患者たち。でも、そんな中でも、見ず知らずの他人の手助けをする、まるできょうだいのように面倒を見るなど、人間の尊い部分が見られる。 また容赦なく命を奪っていくエボラに対し、著者である加藤先生の苦悩がリアルに伝わってきて、心を揺さぶられる。 「あとで」や「また明日」が通用しない世界があることを知り、これまで「あとでいいや」「明日でいいや」が常習化している自分を猛省。 明日が来ることを当たり前と思わず、一日一日を真剣に生きていかないといけない。 この本も、今年出会えて間違いなくよかった一冊。
1投稿日: 2023.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私にとってとても重い大切な事が書かれていました。国境なき医師団の名前は知っていても、毎月寄付をしてはいても、その活動実態を知る機会はなかなかありません。この本は一人の医師が人間として実際に活動に参加された時の日記を元にしています。そのことが漠然と名前だけ知っている団体から現実に私達を引き戻してゆきます。そして読み進める中で同じように葛藤し不安を共有してゆくことで、遠い国の出来事から自分自身の問題へと思考を誘います。 人道援助は無意味なのか?無駄なのか?だかといって本当に援助をやめてもよいのか? 繰り返されるこの問の答えが全てとは言いませんが此の本の中にあるように感じます。 以下、抜粋 人は自分の利害を離れて、他者のくるしみや悲しみに寄り添えるのだろうか 私達はどこかを遠いと定義し身勝手な境界線を引くことで、その外で起こっていることに対する責任から逃れようとしているのではないか 「自」と「他」の間に線を引かず、己の損得を離れて、「私たちは決してこんな世界を受け入れることはできない」と声を上げ、行動を起こすことができるだろうか
0投稿日: 2023.07.09
powered by ブクログ国境なき医師団のリアルが分かる本。 著者が他のスタッフから警告を受けたり、意見が合わないこともある。 最後はどうやって自分のやりたい仕事にアサインされるかという問題が出てきて、そこは会社で働くのと何ら変わりはないなあと思った。 世界一命が短い国の状況を知り、いやそれは許せないだろうと思う。 私たちは普段、自分の生命が脅かされる状況はなくて、日々の色々は自分のせいではないよと思っている。 そうしないと自分自身を保てないから。 Medicines Sans Frontiers 国境なき医師団のロゴは、患者のもとにすぐに駆け付けるという意味を持っている。Proximtyの原則のもとに、遠くから指示を出すのではなく、実際に現地スタッフと話したり患者の診療に従事したりする。 世界は医療へのアクセスを閉ざされた人々が、まだまだたくさんいる。 彼ら、彼女たちが医療にアクセスする術を持たないのではあれば、私たちがそこに向かおう。 志望動機の中に、「損をすると思う方を選びなさい」という言葉がある。 「不公平な世の中にNOという意思表示をしたかったから」 「最も弱い人たちのために働きなさい」 誰もやりたがらない仕事ってつまりは誰かがどうしようもなく困っているってこと。 自分のポリシーに照らし合わせて、一生懸命にできるなら喜んで手を差し伸べよう。 遠い、近い、国境のある・なし。 何に手を伸ばすかはその人の感性次第だから、何も文句はないよ。 一つ言えるのは、みんな同じ人間だということ。
0投稿日: 2023.06.18
powered by ブクログ「世界には医療へのアクセスを閉ざされた人々がまだまだたくさんいる。彼ら、彼女たちが医療にアクセスする術を持たないのであれば、私たちがそこに向かおう。」 国境なき医師団というのは、ニュースなどでよく耳にするのだけれど、その活動は、知らなかった。過酷な仕事を、人道援助の旗の下にやっていることを、この本が教えてくれた。 命の格差、無関心の罪。世界は不条理だなんて、ため息ばかりついてないで、やれることをやらなくてはと思う。
0投稿日: 2023.05.04
