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powered by ブクログまさかのシリーズ2作目! 2作目でまたパワーアップ! 全てが新本格ミステリー!図解もあるこだわりぶり! 超人だからできるトリックに脱帽! 3作目も期待大! へのつっぱりはいらんですよ! ぜひ〜
17投稿日: 2025.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
● 事件1:悪魔超人熱海旅行殺人事件 ミートとキン骨マンが「知の渇望者」から呼び出された熱海のホテルには、7人の悪魔超人も訪れていた。アトランティスがキン肉マンの最初の対戦相手に選ばれるため、キン肉マンを誘おうとして提案した「1泊2日の熱海旅行」。その有効期限が切れそうだったため、慰安旅行兼強化合宿に来たという。こうした小ネタを取り入れてくるのは、おぎぬまXらしい。宴会の最中、露天風呂でアトランティスの死体が発見される。アトランティスの死体は異様なほど膨張していた。 ミートの推理。摩天楼は露天風呂で岩になりすますことができる。ミスターカーメンは巨大ストローをシュノーケルのようにして湯に忍び込むことが可能。スプリングマンは断崖絶壁の下からジャンプできる。ブラックホールは瞬間移動が可能。バッファローマンには0マンパワーの高速移動能力がある。ステカセキングはカセットで超人になりすまし、他の超人の全ての技で殺人可能。アトランティスはスピリタスを飲み、酔っていた。このことから、ミートは犯人に気付く。知性の神の挑戦状が届く。犯人は自身の必殺技を使った。必殺技が分かれば犯人が分かる。事件後、犯人に変化がある。これらのヒントが示され、解決編のゴングが鳴る。 犯人はミスターカーメン。首から下を透明化し、頭部を布にしてバスタオルに見せかけた。カーメンはミイラパッケージでアトランティスを殺害。死後、湯水を注入した。カーメンは宴会中には酔っていなかったが、アトランティスが死んだ後には酔っていた。カーメンは、アトランティスと魚の食べ方で口論になり、彼を殺害した。また、知性によって「超人を殺せ」という神のお告げを受けていたという。 この殺人を唆した「知の渇望者」とは誰なのか——。 ● 激辛超人王殺人事件 知の渇望者からの手紙。吉祥寺の井の頭公園で知の惨劇が起こるという。井の頭公園では、激辛超人王決定戦が開催されており、参加者のラーメンマンのおかげで、ミートとキン骨マンは関係者の控室に入る。 ラーメンマンの「男は黙って残虐ラーメン」の小ネタも入れつつ、カレクック、スカイマンが登場。カニベースも登場した段階で、スカイマンが殺害される。スカイマンは毒殺されていた。容疑者の動向を確認。カニベースは「白衣大観音」のような仏像を遠くから見かけたから拝みにきたという。噴水に白い塊がかぶさっていた。 知性の神の挑戦状。①被害者の死因は毒殺。②ポイントは毒の出所。③噴水を詰まらせた白い塊の正体で犯人が特定できる。 ミートによる推理。犯人が使用した毒は、超人が肉体により生み出したものだった。犯人はカレクック。スカイマンは巨大化したカレクックの肩に乗り、富士山を見て、巨大なカレーを食べた。巨大化して、巨大になったじゃがいもの芽の毒で殺害。カニベースが見た白衣大観音は、巨大化したカレクックだった。動機はカレクックの嫉妬。ラーメンマンが漢方でスカイマンを生き返らせる。巨大化できるというキン肉マンの初期設定を取り込んだトリックがポイントとなる作品 ● レオパルドンは3度死ぬ 徳島県にあるブロッケン館。この洋館に、ブロッケンジュニアが、ソルジャーチームの面々を呼び寄せる。ミートとキン骨マンは、知の渇望者からの予告状があったことからブロッケン館を訪れる。 バッファローマンは熱海での事件の事後処理で到着が遅れる。アシュラマンとザ・ニンジャはそれぞれ自室に戻る。バッファローマンの到着を待つ最中、「ドーン」という轟音が館の外で鳴り響く。様子を見に行くと、レオパルドンが倒れていた。「爆死」したのかと思われたレオパルドンの姿を見て、アシュラマンとザ・ニンジャの様子を見に行く。アシュラマンはトレーニングを、ザ・ニンジャも部屋から出てきた。レオパルドンの死体を確認に行くと、死体は忽然と消えていた。 ミートはレオパルドンこそが、ブロッケン館の誰かを殺害に来ていたと推理する。2階からもがく声が聞こえるので、声がするバッファローマンのために用意されていた部屋に入ると、そこには絞殺されたレオパルドンがいた。 アシュラマンは霊術によりレオパルドンの腕を奪うことで、レオパルドンが確実に死んでいることを確認する。アシュラマンとザ・ニンジャは自室に戻り、個別活動をする。謎の悲鳴が聞こえ、百舌鳥の早煮絵のように、ブロッケン館の尖塔に突き刺さるレオパルドンの姿があった。 知性の神に挑戦状。①レオパルドンの死には必殺技が関与している、②アシュラマンの霊術は確実に発動している、③第3の殺人の際に、空き室の窓が外側に向かって割れていた。 今、解決編のゴングが鳴った!ミートによる推理。 レオパルドンの最初の死の真相。レオパルドンがいることに気付いたザ・ニンジャは殺人をやめるように説得に行く。レオパルドンが地獄の砲弾を放とうとしたが、ザ・ニンジャが放った火球が砲弾にすっぽり入り、爆発。しかし、レオパルドンは生きていた。ザ・ニンジャは顔写しの術を使い、レオパルドンになりすまし、死体を演じた。煙幕を放ち、転所自在の術で血溜まりを作る。ミートたちに、レオパルドンが死んでいると錯覚させ、レオパルドンの死体を移動させる。レオパルドンが再び暗殺をしないように、蜘蛛糸縛りで監禁する。レオパルドンは意識を取り戻し、蜘蛛糸縛りから脱出しようとして失敗。首吊り状態となり死亡する。 第1の死は偽装死。第2の死は事故死。アシュラマンは、ザ・ニンジャがしていたことを察し、自身の超人パワーを分け与え、レオパルドンを生き返らせる(1000万パワーから460万パワーを分け与える)。 復活したレオパルドンはアシュラマンに襲い掛かり、アシュラマンは竜巻地獄で気絶させようとしていたが、不幸にもブロッケン館の尖塔に刺さってしまった。 冷血面に切り替えていたアシュラマンの姿をミートは見ていた。レオパルドンは生きていた。ブロッケンジュニアに襲い掛かるが、ブロッケンジュニアの説得で知の渇望者にそそのかされていたレオパルドンが目を伏せる。 バッファローマンが到着。レオパルドンの手当をし、超人会の将来について話し合う。 レオパルドンの登場と、3回死ぬという扱いは、キン肉マンマニアにはたまらない。ザ・ニンジャ、アシュラマンが技を駆使するのも面白い。ただ、アシュラマンの霊術は、死んでいない超人からも腕を奪える(瀕死のジェロニモから腕を奪ったことあり)ので、この点はおぎぬまXの勘違いだと思われる。 ● 巨人荘殺人事件 知の渇望者から、筑波山にある巨人荘で知の惨劇があるという手紙が届く。ミートとキン骨マンが巨人荘に着くと、サンシャイン、キング・ザ・100トン、パルテノンが泊まっていた。ミートは、知の惨劇を防ぐため、チェックアウトをするように促すが、3人は聞き入れない。その後、超人殺人の捜査をするためにケンダマンが巨人荘を訪れる。ケンダマンがチェックインした直後、ケンダマンが殺害される。ケンダマンは、シャンデリアに潰されて圧死。頭部の鉄球がない。 201号室にチェックインされたケンダマンが殺害されるが、2階に行くための階段を通った者はいない。サンシャインが砂になって忍び込んだのか、パルテノンが共犯者を柱に入れて呼び込んでいたのか、キング・ザ・100トンが変身能力を使ったのか。エントランスの石柱が何本か消えていた。 知性の神の挑戦状。①犯人は自身の必殺技で殺害、②被害者は201号室に入ったとほぼ同時に殺害された、③消えたケンダマンの鉄球の行方が分かれば、犯人が特定できる。 今、解決編のゴングが鳴った!犯人は、キング・ザ・100トン。100トンは、のこぎりに変身し、101号室の天井を切断。天井が落ちないようにエントランスの石柱を利用。100トンは、2階に行き、各部屋の床を切断することで、無差別殺人を行おうとしていた。床をシーソーのようにし、ケンダマンをシャンデリアに激突させて殺害。100トンは、体に空洞を作り、ケンダマンの頭部を隠していた。 100トンは、己の知性を駆使して殺人をせよと、知の渇望者からそそのかされていたのだ。 サンシャインはともかく、パルテノンとキング・ザ・100トンという渋めのチョイス。殺害方法は、キング・ザ・100トンがどんな超人か知らないと、さっぱり分からないニッチなトリックとなっている。 ● 全体を通じた仕掛け 血の惨劇の手紙をミートに送っていた血の惨劇者は…パルテノンだった。パルテノンは、ミートとキン骨マンに、血の渇望者という名前で予告状を送りつけ、各地の超人を唆し、超人殺人を実行させた。パルテノンは、正義の力をかき消し、秘められた残虐性を引き出す、影のシャワーの技を持つが、邪悪の神の力を借り、力を増幅した影のシャワーを使っていた。パルテノンは、巨大な柱に擬態し、強化された影のシャワーを利用して、超人殺人願望を植え付けていた。 超人が力でなく知性で競い合う。超人がその能力をトリックに使い、それを超人が解決する。一種の社会実験だったのか。パルテノンはミートに自首を勧められるが拒否。最後は、飛行機で会ったキン肉マンに、飛行機から飛び降りる形でキンニクドライバーを披露される。 前回は、ミスターVTRの能力を、今回は、パルテノンの影のシャワーが話の鍵となっている。渋めのチョイスで、キン肉マンファンでないと楽しめない仕掛け。ただ、キン肉マンマニアとしての視点から見ても、パルテノンに焦点を当てた点のセンスは認めるが、物語的には、パルテノン以外にミスディレクションとなる超人が出てきていないので、さほど意外性はなかった。 最初期のキン肉マンの登場人物の技や設定を生かした、キン肉マンの世界のパロディーとしてのミステリとしては、このあたりが限界かな、とも感じる。評価としては、★3で。
1投稿日: 2024.11.16
