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文明交錯
文明交錯
ローラン・ビネ、橘明美/東京創元社
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総合評価

14件)
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    私はエンタメ小説が好きなんだと気づかせてくれた一冊! もしインカ帝国がスペインを征服していたら…。そんな歴史改変小説です。ただ誤解しないでいただきたいのは、歴史に詳しくなくても楽しめるということ。現に私は一日で140ページ進んでしまった日があったほどでした。(読了期間は約3日。本編は400ページほど) あらすじでは、「スペイン」を征服したら、と一国にしか言及は及んではいないけど、実際はヨーロッパを相手にするので、アタワルパ(インカ帝国の皇帝)の登場でキリスト教世界が大変なことになります。 こういうと、ちょっと宗教の話は分からないな、やっぱりこの本を読むの止めようかな、と思う人が出てくると思うのですが、ちょっと待った! そんな方でも、アタワルパの考えていることが、無宗教の多い日本人と似通っていて普通の感覚を持っているので、とても親近感を持って読めると思います。 例えば、人間を生きたまま焼き殺すなんて有り得ないじゃないですか。中世では、それを民衆が見ていたりするのですが、焼き殺すのを目の前で見たアタワルパは憎悪の感情を抱くんですね。だから、アタワルパにとって「征服」というより、いかに違う宗教の人と「折り合う」かが焦点となり、その為にマキャベリの「君主論」をよくよく読み込んでいたんじゃないかと思うんです。 架空のお話なのに熱くなってしまった。 平和と繁栄を築いたアタワルパの治世ですが、最後にメキシコが侵略してきたのは、「2034 米中戦争」で漁夫の利を得たインドを思い出しました。 セルバンテスについてもう少し詳しかったら、最後の章楽しめたんだろうなと思いつつ、ローランビネの他の作品もこれを機に読んでみようと思います! 以下自分用 キープ…ケチュア語で結び目を意味する。インカ帝国で使われた紐に結び目を付けて数値を記述する方法

    0
    投稿日: 2025.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    200人のインカ軍が欧州を征服してゆく展開が面白いが、世界史の授業では触れられないルターの言動が優れた文明が勝ったとわからせる 『銃・病原菌・鉄』は読んどくべき

    1
    投稿日: 2024.08.08
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    いやー,面白かった. 帯に「スペインがインカ帝国を,ではなく インカ帝国がスペインを征服!」とあるように,歴史改変小説である. 単にスペインとインカの関係が逆転するだけではなく,むしろインカによるヨーロッパ統治の政策は,現実のヨーロッパ文明を何世紀も先取りするほど優れており,胸がすく思いもする. 全編にわたって歴史上の実在人物や事件を巧妙に換骨奪胎して置き換えており,従って中世西洋史に詳しければ,もっと楽しめるのであろう. ところで巻末の「訳者あとがき」の1行目は「ジャレド・ダイヤモンドは名著『銃・病原菌・鉄』(草思社,二〇一二年)のなかで,」と始まる.「銃・病原菌・鉄」は本書にインスピレーションを与えた重要な書(本書の第一部は,上記の逆転が成立した理由を「銃・病原菌・鉄」の論旨に沿って歴史改変している)であるが,そんな最近の出版であるわけがない.草思社から『銃・病原菌・鉄』が刊行されたのは2000年10月であって,2012年に発刊されたのは文庫版である.訳者はAmazonかどこかでチョチョイと調べたのだろうか?全く酷い凡ミスである.せっかくベタ褒めするつもりだったのだが,最後の最後でガックリしたので,星一つ減点.

    1
    投稿日: 2024.08.04
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    インカ帝国がヨーロッパを征服する歴史改変小説 歴史の転換点の多くは偶然性に依るのだから、JDの名著「銃・病原菌・鉄」とは真逆の世界線が起こっていてもおかしくはない 史実とフィクションが入り混じり、妄想か拡がる 前作「HHhH」といい、文学界の新鋭だなー

    5
    投稿日: 2024.05.05
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     ヨーロッパ(スペイン)人によるアメリカ大陸発見と侵略の歴史を逆転し、インカ人がヨーロッパを征服するという歴史改変小説で、逆転パロディみたいな話。第一部〜第二部は、前日譚でごく短く、本書のほとんどを第三部の「アタワルパ年代記」が占めている。  おそらく大半はカール五世の事績をアタワルパに置き換えて語っているのだと思うけれど、この時代のヨーロッパ史に通暁しておらず、なんとも言えない。詳しければもっと楽しめたのかも。「年代記」というように、記述もわりと淡々としていて、あまり心躍る感じでもなかった。強いて言えば、セルバンテスがメインで、エル・グレコやモンテーニュもでてくる第四部が一番面白かったかな。  この話のとおりに歴史が進んでいたら、今ごろルーヴルのピラミッドはメキシコ風の太陽神殿だったんですかね(パリはメキシコ人によって陥落)。宗教的・人種的寛容などについて、いろいろと考えさせられる本ではあった。知識を深めてから、再読してみたい(時間ないけど)。  ※この版元は校正が甘いのか、誤植がちらほらと。註番号が抜けていたりするのは、さすがにいかがなものかと思いましたわ。

    1
    投稿日: 2024.01.20
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    ダヴィンチ年末特集で、豊崎・大森両氏が揃ってベスト作品に挙げていたのを見て、それはもう読んどかなきゃ!ってことで、さっそく図書館から借りてくる。ずっと気になりつつも、ここまで”HHhH”を読めずにいるので、本著者は初体験。しかしインカ帝国について無知なこともあり、果たして楽しめるのか大いに不安だったんだけど、歴史ifものだから前提としての歴史知識も当て嵌まらない訳だし(もちろん、史実を知っている方が楽しめるんだろうけど)、問題なく味わえたのでした。そして、史実の方にもちょっと興味が出たりして。いつかそっちに関する書も読めるといいな。

    0
    投稿日: 2023.12.20
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    HHhH、言語の7番目の機能の著者ローラン・ビネによる歴史改編小説。インカ帝国がヨーロッパを逆に征服していたらという歴史ifもの。章ごとに記述方法がことなる年代記風の作品で、第1章をアイスランド人によるアメリカ大陸進出を読んだときは不慣れな歴史をベースにしていることもあり、つらいかと思ったけれど、コロンブスが登場する第2勝ぐらいから興に乗り始め、インカ帝国がヨーロッパに進出する第3章はめっぽう面白い。歴史的な知識がある方が楽しめるのは間違いなく、自分も完全に楽しめた自信はない。第4章はオマケみたいなものだけれど、セルバンテスとグレコ、モンテスキューの対話はモンテスキューの思想家としての面目躍如という感じ。セルバンテスがモンテスキュー夫人に恋するくだりはドン・キホーテそのもの。 他の作品も読みたい。

    0
    投稿日: 2023.10.02
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    新大陸から旧大陸の征服は、疫病の力を使えないので、どうしても現実感に欠けてしまう(新大陸人が免疫を持っていたとしても、その点で対等になるだけで、史実のコンキスタドールのような少人数で多数を征服するのは不可能。)。

    0
    投稿日: 2023.09.14
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    まさにJ・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』への挑戦とでもいうような、インカ帝国がヨーロッパ(キリスト教世界)を侵略していく歴史改編小説。ただ、こちらの歴史の方が、宗教に寛容で、民衆に重税を課すこともなく、実際の歴史よりもマシだったのではないかと思わざるを得ない。

    0
    投稿日: 2023.09.03
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    いわゆる歴史改変小説で、インカ帝国が滅びずにヨーロッパにやってきて、あれよあれよと、というていでお話は進行する。年代記風の文体で書かれていて、まさに見てきた風な内容で、華麗に逆転の歴史が展開するのは見事としか言いようがなく、まぁ荒唐無稽ではあるのだけど、あながちそうとも言い切れない感が醸し出されているので、歴史好きほどクスリとかニヤリとかしながら楽しめると思う。

    5
    投稿日: 2023.06.18
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    インカ帝国は1533年にピサロ率いるスペイン軍によって滅ぼされた。が、もし、インカ帝国軍が海を渡り、逆にスペインを征服していたらどうなるか?が描かれた歴史改変小説。 僕は世界史が苦手で知識がほとんどない。歴史の知識があればあるほどこの小説を楽しむことができただろうと思うと、残念で仕方ない。 ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」にヒントを得て描かれたそうなので、もしこれから読まれる方がいらっしゃいましたら、こちらも参照されるとより楽しめるかもしれません。

    38
    投稿日: 2023.06.05
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    自分にとってはHHhH以来のローラン・ビネ作品。とても面白い。 ラテンアメリカに大型の家畜になる哺乳類や鉄を使う文明が伝わっていたらどうなれたか、という高度な知的遊戯のような歴史改変物語。気高いアタワルパの物語はなんとなしに痛快感がある。それは宗教が多くの人の命を奪った歴史を知っているからだと思うけど、ヨーロッパの行った暗い歴史に対するヨーロッパの人々の思いとはどういうものなのか。この小説がヨーロッパでも高く評価されるのをみると、ちょっとよくわからない。

    0
    投稿日: 2023.05.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「HHhH」の著者の新刊と言うことしか知らないまま読んでみた。大帝国インカが寡兵の探検隊に滅ぼされた理由とされる「銃・病原体・鉄」をヨーロッパによる征服以前からインカ帝国が手にしていたらどうなっていたか、ある種の架空戦記モノ。 インカから漂着してヨーロッパを制圧したアタワルパの物語が中心でおまけみたいにその前後談かあるんやけど、やはりカール5世やフランソワ1世、ヤコブ・フッガーやロレンツォ・メディチといったヨーロッパ史のオールスターみたいな中で異物たるアタワルパが大暴れするところがええよね、と思いつつも、おまけでええからその後の近世、近現代史も読みたいと思ったり。

    0
    投稿日: 2023.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    そもそもの世界史の素地が無いのに読み始めている。 かつて『銃・病原菌・鉄』を読んだときに、何故、インカ帝国がスペインに滅ぼされたのか、納得していたので、この本がフィクションとは分かっていたけれどうっかり集中してしまって、楽しい読書時間となった。 何しろ、整合不整合も分からないままの読書なので、本気で楽しいとは言い難い、恥ずかしいけれど。 こういった本が世間の方々にもっと認めて頂けたのなら紙の書物、こんなに危機感を感じることはないのかも~ 老婆心ながら、余計なことまで考えてしまったを

    4
    投稿日: 2023.04.24