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ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け
ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け
平松洋子/新潮社
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総合評価

21件)
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  • 有井 努 Tsutomu Ariiのアイコン
    有井 努 Tsutomu Arii
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    その人の体は、その人が食べた食べ物で出来ています。当たり前です。 食とアスリートの関係の現在位置はどうなっているのか、が本書のテーマ です。 最近でこそ専属シェフが遠征に帯同するなどで、その存在に光が当たる ようになっているのは周知の通りです。 ではなんとなく「質より量」を求めているのでは、と先入観を持たれが ちなプロレスラーや、大相撲の力士の食生活はどうなっているのか。 これが実は非常に進化しているのです。 当然、他の競技でも同様です。しかも競技によって摂るべき栄養素が異な ることは常識ですが、現在では同一競技であっても個人によって食生活の パーソナライズが重要視されているのです。 それでも、食を通してヒトの体を形つくるというのは、未だ解明されてい ない部分があると言われています。 そんな未知の世界に分け入り、アスリートを陰で支える人たちの現場を思 い知ることができる稀有な一冊です。

    0
    投稿日: 2025.07.13
  • reso100のアイコン
    reso100
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    相撲取りの食べ物としてちゃんこは直ぐに連想できるが、確かあの巨体を維持するには必要なことだろうが、プロレスの世界でも食べ物が重要だとの論説は非常に納得できた.プロテインの摂取で体を維持する取り組みも理解できたが、栄養学の見地からアスリートを見ると、全く違った感じがした.体組成計の活用やスポーツ栄養学を駆使してアスリートと個別に対応するなど、根性論が幅を聞かていた昔とは大きく変化していることが認識できた.女性アスリートについても様々な配慮がなされるようになってきたことは大きな進歩だと思う.

    0
    投稿日: 2025.03.25
  • うみかもめのアイコン
    うみかもめ
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     巻頭しばらくは相撲とプロレスのお話だ。そう、共通する話題はちゃんこ鍋。ちゃんこ鍋を中心として筋肉と脂肪、体格と競技力、相撲とプロレスの競技特性についてのレポートだ。後半はオリンピック競技に係る競技者や栄養士、医師を含めたインタビューと考察がまとめられている。  図書館で借りだし、返却1日前に読みだすともう止まらない。インタビューを受ける選手や専門家たちの身体づくりのノウハウや情熱があふれている。結局、2日の延滞になってしまったが面白かった。

    0
    投稿日: 2024.12.26
  • ク~のアイコン
    ク~
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    最初は、相撲部屋への取材で、ちゃんこが効率良く相撲に必要な筋肉を作る話し。 次に、プロレスラーの筋肉を作る話しでは、ちゃんこも食べているのには驚き。そして、サプリメントによって、求める肉体を構築していく話し。 私も?私は?マラソンのトレーニングで、10km以上走る時は、BCAA入りドリンクを飲んでいました。疲労回復や、筋肉の回復に良いらしいと…そうだったかもと思います。ただ、サプリメントを飲み続けるのに違和感があり、やめたのもあるかな。 あと…娘が中学の頃、友達が、強いチームにいて、プロテインを飲んでいる(親が飲ませている)のにも、違和感がありました。 タニタの体脂肪計の開発の話しも面白かったです。 ちなみに、我が家にもタニタの体重計があり、もちろん、体脂肪も測れますし、筋肉量、基礎代謝量、体内年齢なども…本当?あってる?と思いつつ…。 あと、次女と私の体重が近いので、私が乗っても、次女の数値が出たりも…。 腸内環境の話… 著者が実際に腸内細菌の検査を受けて、著名な医師に判断を仰いだが、結局、今のところ何も分かっていない。と。 そうでしょうね〜でも、雑誌やテレビで、腸内環境を整えると…と言われると、つい、見ちゃいますけどね。 公認スポーツ栄養士、鈴木志保子さんの話も興味深い。 マツダ陸上競技部やパラインピックアスリートへの指導も、栄養面だけてなく、選手の生活にも寄り添いアドバイスする姿勢が素敵てす。 女子のマラソン選手や美を追求するスポーツ選手が、痩せて無月経になる危険性にも言及していました。スポーツだけでなく、最近の子の痩せているのが美しい思考も心配です。 受験勉強や資格試験の対策に関するノウハウも氾濫していますし、スポーツに関する筋肉の鍛え方のノウハウも色々あるのですね。 子どもを育てている時に、部活動で、ダメダメな学校が、ノウハウを駆使して全国大会に進出!なんてドラマや漫画などを、夢中で見たり読んだりしましたし、感動しました。 色々解明されていくのは良い事なのですが、ノウハウがあるばかりに、頑張り過ぎやしないか…ちょっと心配にもなりました。 子どもの習い事や部活に一喜一憂していた私の反省です。 平松洋子さんの他の本も読んでみたくなりました。なぜかな?

    3
    投稿日: 2024.07.09
  • 三鷹牛蔵のアイコン
    三鷹牛蔵
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    アスリートとその周辺の人々にインタビューして食事、トレーニング、健康について考えさせる一冊。 濱口典子さんが現役引退後にメンタル不調に陥っていたなんて知らなかった。

    0
    投稿日: 2024.05.13
  • ともこのアイコン
    ともこ
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    筋トレ、サプリ、腸内細菌。 私が、ん?と気になったワードが次々に繰り出された。 これさえ何とかすれば、私の身体もどうにかなるんじゃないかと魔法の切り札みたいに思ってきたワード。 でも、筋肉は筋肉だけじゃないし、 同じ物を食べて同じトレーニングをしても、 同じ結果になるわけじゃないんだね。 自分はどうなの?を細かく意識出来て、 ためらわず変化を受け入れて、 よい、と思う事は継続出来る事が一流の証なのかな。 相撲取りやプロレスラーになりたいわけじゃない、 健康で毎日を気持ちよく過ごせる身体が欲しいだけ、 と思いながらも読み進めてしまって、 自分自身の事は自分ごととして考えなきゃダメなのかなと思った。マインドフルネス的な? 「偏りなくその子を見て、しっかり責任を持って導く指導者が求められていると思います」 失礼ながら相撲の世界の指導者からこんな言葉が出てくるとは思っていませんでした。

    5
    投稿日: 2024.04.19
  • musamikaのアイコン
    musamika
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    ひとくくりにアスリートと言いましても その使う筋肉は全然違うもので 求められる栄養にも緻密に考えられてるんですね すごくストイックでびっくりします ある意味 体をコントロールするって 自分の意思が反映される こうなりたい と思う自分になる 某番組ではないけれど 「筋肉は裏切らない」 その意思が見えるだけに 美しいと感じるんだろうな

    32
    投稿日: 2023.11.21
  • nobu2kunのアイコン
    nobu2kun
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    『#ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』 ほぼ日書評 Day705 タイトルだけ見ると、どういう内容なのか首を傾げたくなるが、いたって真面目な本。 アスリートによる食に焦点を当てた体の作り方から始まり、それを支える人たちを含めたコンディションの作り方全般に話が展開する。本書で扱うのはスポーツ競技および競技者の話だが、ビジネスパーソンにとっても大いに参考になると思う。 マッスルメモリー、初めて聞く言葉。怪我の手術等でいったん衰えても、鍛えた筋肉を脳が記憶していて、元に戻すことができる。頭での記憶に体がどこまでついていけるか、キャリアハイの記録更新と加齢による衰えは、表裏一体だ。 相撲力士の体重、ストレスのかかる新入幕等では、初日と千秋楽で10kgくらい減るのはよくあること。朝は体重を測らない。減っていて普通(それがストレスになる)だから。朝稽古し飯を食ってプロテインも飲んだところで、今日は何キロになったかな?と体重計に乗るというようなモチベーションコントロール術も。 その体を支えるのが「ちゃんこ」、材料のバランスに加えて、米を沢山食べられる汁物であること、さらに原価を抑えられるのも重要と。 埼玉栄高校相撲部(豪栄道関等を輩出する強豪校)は練習時間が短いが成績の良いことで定評がある。同校の食事もちゃんこ中心で、1日の栄養はは7000kcalに達する! 海外のアスリートからも注目されるが、逆に最近の若い力士は、コンビニやファストフードに走りがちという指摘もされるという。 第二章はプロレスラー。防御ではなく、受け身を身につける。試合に勝つだけではなく、エンターテナーとしての要素を求められる彼等の食事を中心とする私生活(寮生活)も興味深い。 そうして培われた素養は、引退後に飲食店経営(キラー・カーン氏などが有名)で成功例が多いことにもつながるという。 プロレスラー棚橋弘至の体の作り方。血中アミノ酸濃度が下がると筋肉をエネルギーに変えようとするカタボリック(異化)な状態になる。これを避けるために常に2〜3時間おきにプロテインとアミノ酸を摂取する。寝る前に少し多めにプロテインと水を飲み、深夜3時頃に敢えて尿意で目を覚させ、そこで改めて枕元で冷やしておいたプロテインを飲む。と、そこまでやっているのか! 扱われるエピソードは、そんな驚きの連続である。 https://amzn.to/3qR7NGU

    3
    投稿日: 2023.08.29
  • aya00226のアイコン
    aya00226
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ちゃんこは究極のバランス食。ご飯を食べられる。 キャベツ、ニラ、レタス、玉ねぎ、えのきだけ、ごぼう、鶏肉、さといも、にんじん、油揚げ、大根、しめじ、しいたけ、ねぎ、白菜、豆腐、など。 大根、しいたけ、ねぎ、えのき、豆腐、白菜の6種は欠かさない。 塩ちゃんこ、味噌味、カレー味、醤油、鶏がら、トマト味、など。味付けを変えて3日くらい食べる。 野菜、肉か魚、豆腐油揚げ、を入れる。 サプリはBCAA、プロテイン、クレアチン=瞬発系のサプリ。持久系のスポーツはアミノ酸、疲れがたまってきたらクエン酸かBCAA。 オーガニックラムをゆでて食べる。 週一回はチートデー。 ささみを食べる。 鶏肉の皮は食べない。 ガーリックチキンとキャベツのルクエ蒸し。 正しい腸内環境があるわけではない。腸内環境に正解はない。 何のために食べているか、を意識する。 長距離選手は大きな筋肉はない、その分毎日刺激する必要がある。休むと心肺機能が低下する。 千メートルを12本、翌日は32キロを足る。1日練習を怠れば3日休んだのと同等。 欧米人に比べると日本人は汗の成分が濃い。電解質が失われやすい。 レースの日は、朝食にカステラ。 ファットアダプト食事法=糖質:タンパク質:脂質=3:3:4 リカバリー食は鶏むね肉のキーマカレー、ウナギのひつまぶし、ブロッコリーと果物でビタミン補給。

    0
    投稿日: 2023.08.26
  • ginkan2のアイコン
    ginkan2
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    スポーツのルポルタージュは初読み。筆者の愛が溢れてて読後感良かったです。 相撲、プロレス、筋トレ、タニタ、スポーツ選手を支える周りのプロ、スポーツの陰と未来。面白かったです。 とにかく次は、「我が友、スミス」を読みます!

    0
    投稿日: 2023.08.01
  • mtsrsのアイコン
    mtsrs
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    最初はなぜ筋肉を鍛え上げることとは縁遠そうな人がこれを書こうとしているのだろう、と思いながらよみはじめた。そして、読んでいると引き込まれて読んでいた。取材力と文章力。

    0
    投稿日: 2023.07.23
  • japapizzaのアイコン
    japapizza
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    「しろうとでも、大会に出場するときは、このタイミングでBCAAを三本摂るといい、十キロメートルごとに一本飲むと効果的、などとわかってきます。気合いだけでスタートの準備をしている選手を見ると、申し訳ないけどかわいそう······みたいな気分になってきます。飲まないのは怠慢か知らないのは気の毒、というくらい違いますから。たとえば、プロのマラソン選手やトライアスロンの選手にアドバイスするとき、「スタート前から前半は、水分とエネルギーを補給する低浸透圧ドリンク、中盤以降は、乳酸が溜まってきたらクエン酸やBCAAを含む回復系ドリンクに替えてください」というふうにアドバイスします。後半になると筋肉が疲労してくるので、筋肉の主原料であるBCAAを摂ってすばやい回復につなげるわけです」 生懸命するのは当たり前だと認識していると思いますが、じゃあ栄養と休息はどうですかと訊 かれたとき、すごく意識して栄養や休息をとっていますと答えられる人は本当に少ない。やはり、 昔からの練習第一の考え方や根性論が長く続いてきたのだと思います。 しかし、休息の取りかた ひとつとっても、就寝後二時間くらいのノンレム睡眠のときに成長ホルモンが出ることがわかっ ていますし、この時間に質の高い睡眠を取ることが大事なんです。そういう知識をもったうえで 栄養と休息をしっかり取らないと、どんなにトレーニングしたりサプリメントを摂ったりしても、 パフォーマンスはなかなか上がらない」  当たり前でしょうと言われるかもしれませんけれど、と前置きして、藤戸は強調した。 「運動・栄養・休息のトライアングルをちゃんと成立させることが重要なんです。しかし、これはプロのアスリートでもなかなかむずかしい」 「リングで戦うとき、観客の感情をどれほど揺さぶることができるかがプロレスラーの真の力量なんです。武藤さんの負け方には、心がかき乱される。だから、おなじ負けるにしても、周囲の情をつかむ負け方が大事だと知りました。「超満員の観客を前にして、緊張しないんですか』と、武藤さんに訊いたことがあるんです。そのとき返ってきた答えは、「見られているエネルギーを全部自分に集める」。その極意を学ぶと、仕事の大事な局面でも緊張しなくなり、自分に集中できるようになりました。武藤さんがファンに媚びないのは、リングの上での凄さを見せたいからなんです」

    0
    投稿日: 2023.07.23
  • yumikoのアイコン
    yumiko
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    タイトルに惹かれ平松洋子さんを初めて読みました。この方が運動好きだと知り、親近感が湧いて他作品も読みたいと思います。アスリートの食事のひとつひとつがこれほど心体に影響するのか、でも我々一般人だって意識を持って大事にしなくてはと思わせる内容です。しみじみ「医食同源」と言う言葉を噛みしめずにはいられません。飽食の今余計に思います。もっと一般にも栄養士さんの仕事が広がるような医療システムがある社会もいいなと思いました。

    0
    投稿日: 2023.07.23
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    imaht2
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    アスリートと栄養学のかかわりについての話かなと読み始めて。力士やプロレスラーの身体づくりの話に、やっぱりそうかと思っていたら、だんだん広がって、深い話になっていく。身体と心。競技者と指導者。アスリートの人生。女性の身体。安易な「感動」。 「脳筋」なんて言葉があったけれど、逆だ。筋肉は脳が作る。考えなしや根性論で、使える身体は作れない。 自分の身体に、もうちょっと自覚的になろう…なんてことも思った。まずは体組成計に乗らないと。 平松さんのざっくばらんな語り口は、ちょうどよく中味を砕いてくれて、するんと脳みそに入ってきた。それと、プロレスへの認識、改まった。

    0
    投稿日: 2023.06.29
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    masa
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    「身体づくりはトレーニング2割、食8割」 食事や栄養は大切、わかっていても実践するのは難しい。アスリートやアスリートを支えるプロフェッショナルへの尊敬の念がより強くなった。

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    投稿日: 2023.05.24
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    kuma0504
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    今年2月に岡山県立図書館で平松洋子の講演会があり、聴いた。その場で彼女は自分でいうのもなんですが、と断りながらも「この新刊、ものすごく面白いんですよ。読んでください」と激推しをした。直ぐに図書館に予約した。やっと読むことができた。彼女は「アスリートは、食事とトレーニングが全く一緒。食事が成立していなければ、トレーニングが無駄になる。スポーツで全部食事が違う。最前線の言葉をきっちり入れたかった」と、本書の狙いを言った。スポーツ選手のルポは数多あれど、その食事に特化したルポは多分初めてだろうし、平松洋子だから書けたルポだろうと思う。 相撲とちゃんこの関係、見せる筋肉としてのプロレスラーの食事管理、サプリメントの開発者、体脂肪計を作ったタニタの歴史、公認スポーツ栄養士、その他アスリートを支える食のプロフェッショナル、コーチと信頼関係を築けなかった陸上選手、引退して却って不調になった元バスケット選手‥‥。食のエッセイは読んだ事はあったけど、ここまで巧者のノンフィクション作家とは知らなかった。郷里倉敷市出身(しかも歳も2才しか離れていない)の作家です。お勧めです。 相撲はもはや「バカ喰い」で身体を作ってゆく時代じゃない。新しく部屋を起こした元豪風(たけかぜ)、押尾川親方はとっても科学的だった。「(相撲を取る上で理想的な体脂肪率は)30%。でも自分らは除脂肪体重、筋肉や骨量を見る。これが100キロというのは凄まじく優秀な身体なんです。相撲取りの身体は筋肉の上にちょっと脂肪が乗っているというのが理想的です」脂肪はある程度なければならない。ぶつかり合う時に怪我をするからだ。 棚橋弘至。新日本プロレスをV字回復させた立役者。平松洋子が初めて見かけた時、棚橋は髪はボサボサで完全にこの人誰?という感じだったが、寮のちゃんこの鶏から一つひとつ皮や脂肪を指で取り除いているのを見る。「皮や脂肪を一緒に食べちゃうと30分余計に練習しなくちゃいけないから効率が悪いんですよ。食べ物のカロリー数はだいたい頭にはいっています。今日の昼メシは脂質全部で200カロリーぐらいだと思います。カッコいい身体になりたかったから、ずっとこういうふうにしてきました」。棚橋は猪木のストロングスタイルを方向転換させ、ハッピーエンドのプロレスをつくった。そのために理想的な逆三角形の身体を作るために意識的なタンパク質摂取を自己管理していた。「筋肉はドレスですから」次に会った時、完全にスターのオーラを纏っていた。 桑原弘樹。江崎グリコがプロテインの健康食ブームを作った時の立役者。自身も筋トレにハマっている。筋肉は年齢に関わらず成長する。この事実が「筋肉は裏切らない」という言葉を流行らした彼の根拠だ。「筋トレを始めた最初の動機は『モテたい』だったのに、筋トレを続けていたら(重いダンベルを)『モチたい』に変わるんです」 95年、日本初、世界初の製品として体脂肪計を作ったのに、タニタは敢えて「体脂肪」「体脂肪率」などの商標登録申請を行っていない(←コレ、タニタの命名だったんだ!)。脂肪率ではなくて体脂肪率。その健康的な意味を含めた言葉を日本中に浸透させた。 平松洋子。起床、午前4時半。睡眠時間6時間。朝の散歩は往復5キロ。折り返し点でスクワット20-30回。1日の平均歩数、約8,500歩。体重53キロ前後。体脂肪率20%後半をうろちょろ。人間ドック(かなり詳しいやつ)で「経過観察」は骨密度のみ。この人の身体管理もすごい。作家とはこうあるべきなのか。 岡山県総社市出身の新谷仁美選手。2013年の世界陸上モスクワ一万mレースで5位入賞を果たした後、25歳で彼女は1度引退し、4年間会社員生活をする。後にその理由を「メンタルを破壊して無月経になるまで身体を追い込むことが本当にカッコいいものなのか。女子選手は考えてほしい」と発信する。その時の監督は小出義雄だった。ガリガリに痩せる方が一時的にはスピードは上がる。しかしそれは選手のためにも記録のためにもならない。「選手と指導者は同等なんです。何か問題が起こった時、とかく指導者が責められがちですが、実は選手の問題でもあるんです」平松洋子はいまだに指導者が男に偏っていることも問題だと提起する。 講演会で「インタビュアーとして、どういう準備をしていくのか?」との質問に、平松洋子はこの様に答えた。 「プロのアスリートだといっぱい取材を受けています。この人に話したいと思わせないと、言葉は出てこない。そのための準備をします。(記録、勝敗、を調べる。著書を読む。)彼等は直ぐに「準備してきたな」と分かります」 「それと「見逃さない」ことですね。プロレスの寮で若手の食事準備のとき、お鍋の蓋をキッチンペーパーで拭いている、盛り付けさがとっても繊細、お鍋のニラ・キャベツの入れ方、切り方も見た目が綺麗なんです。エンタメの練習の場なんだな、と理解しました。若手の方が長州力さんから「豚肉の細切れ、固まっているのをものすごく怒られる」と言われたと。気遣いができないこと、試合会場で、お客さんに何を求められているのか、瞬時に理解する練習なんだな!とわかるんです。 取材は想定したものの先がある。そこが面白いのです」

    87
    投稿日: 2023.05.09
  • かはたれ特急のアイコン
    かはたれ特急
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    食に関するエッセイの名手。今回は食からスポーツ、トレーニングにまで話題が発展。記録を追究するアスリートの食とトレーニングの実態に迫る。 相撲部屋、駅伝の実業団チームと大学選手寮、プロレスラーなど、食と競技との繋がりについて丹念に取材を重ねた一冊。

    1
    投稿日: 2023.04.23
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    kun92
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    人の体は、食べるものが作るのである。 極めて当たり前のことを、その、身体が資本のトップアスリートの食事から語る。 力士。プロレスラー。 偏ってまんな。 勿論、陸上選手であったり、栄養士であったり寮のお母さんであったりもするのだが、後半、食事筋肉脂肪より、女子選手を取り巻く環境がぐんと出てきて、ちょっと引く。 我々一般高齢者も、食事と運動について真正面から取り組まないといけないが、取り敢えず嫁さんが作ってくれるご飯が美味いのでしょうがない。

    1
    投稿日: 2023.04.11
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    hito-koto
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    このレビューはネタバレを含みます。

     食レポ・エッセイでお馴染みの平松洋子さんが、今回は、多くの取材を元に筋肉と脂肪についてまとめ上げました。「ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け」、2023.1発行、383頁。武藤啓司、棚橋弘至、豪風、大谷翔平、落合博満、新谷仁美・・・。読了して思ったことは、身体作りの3原則は、運動、食事(栄養)、睡眠(休息)。サプリメントはあくまでも補助の役割でしかない。筋肉は負荷をかけて刺激を与えなければ加齢とともに確実に衰えていく。逆に筋肉は何歳からでもつけられる。筋肉はお金ではけっして買えない。

    1
    投稿日: 2023.03.17
  • はるきのアイコン
    はるき
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    知らない世界だったので興味を持って読めた 少し文章が読みにくかった気がした ジョコビッチの食事等の原則 ①ゆっくり意識的に食べる ②肉体に明快な指示を出す ③前向きであれ ④量ではなく質を求めよ 言霊は大事 きついところからさらに上を目指せる 数字は使いよう、生かしよう →数字でイメージできる 私たちがみんな、何を食べるかを考えるとき、自分が本当は何のために食べているのか、それは自分が食べたもので何をするのかを意識した方がいい →食事を考えながら食べよう

    1
    投稿日: 2023.03.14
  • Dr.(読多ー)あんころ猫のアイコン
    Dr.(読多ー)あんころ猫
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    食事と身体の関係について非常に興味深いルポで読みごたえがありとても面白かった。 どんなスポーツや武道においても身体を使う以上、その身体をつくるために欠かせないのが食事。 しかし案外、周りを見回すと身体を専門的に動かしている人でも食事については不摂生という人も少なくない。 食と運動についてとても考えさせられる非常に質の高い本です。 おすすめです。

    1
    投稿日: 2023.02.15