
シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考
ピエール・バイヤール、平岡敦/東京創元社
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総合評価
(2件)4.5
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powered by ブクログ前にも単行本で読んでいたが気付かずに再読。 読んでいる時には毛ほども注意しなかった事項も作者からの指摘には俄然頷ける。というより真相は本書の方が近い気がする(ネタバレになるので詳述はしない)。『アベ荘園』という短編でも恐ろしい裏の真相を推理している人がいたけど本書もそれと同類の怖さがある。 二段構えというかオチを本書の方に持っていけばサスペンスミステリーとして名前が残ったと思うが改めてドイルが気づいていなかったのかと再考。ドイルの持ち味はスッキリした読後感にあると自分は考えている。騎士道精神の持ち主であり歴史小説家(本人はそう思っていた)でもエンタメ要素を忘れない人なので敢えて本書の様にしなかったのではあるまいか。 それにしてもこんな風に色々解釈できる作品という事が本書を読んでまた分かった。やはりシャーロック・ホームズシリーズは不朽の名作!
1投稿日: 2025.04.12
powered by ブクログ正月に積読状態のものが崩れてきて偶然手に取りそのまま読了。単行本版を読んだことがあり、印象が良かったので文庫も購入。ホームズの訳が同じ創元推理文庫のものに入れ替わっている。犯人は忘れていたけど、今回読み直してみてもやっぱりこっちの方が整合的だと思う。なんでわざわざ作者が書いたとおりに読まないんだ?!と思う人もいるかもしれないが、そういう人のために著者(バイヤール)の立場もちゃんと説明されている。面白いですよ!そういう読み方ができる、ということを知るためもぜひ。"文学作品を読む"ということの第一歩にもなると思います。
1投稿日: 2024.01.07
