アイドルものとしてもガールミーツガールとしても楽しめる上にふとした瞬間にSFがブッ込まれる。1つの作品としての完成度が極めて高いしあっという間に読めてしまう。何か少しでも言うとネタバレになりそうだからできるだけ無言で勧めたい。 　輝かしかったアイドルが時代に翻弄され、あり方がすっかり変容して幾年。パフォーマンスではなくコンクールのような雰囲気があるステージと私達が思い浮かべるような従来のアイドル像、両者が入り混じる素敵な物語でした。もう2人のことを応援したくて仕方がない。

林星悟による「ステラ・ステップ」の第1巻。隕石により荒廃した世界を舞台に、国家間の戦争の手段として「暴力」と置き換えられた少女たち「アイドル」の物語です。表紙を見ると可愛い女の子たちのキラキラした物語かと思いますが、きちんと練り込まれたハードな世界観、アイドル達の過酷な運命と読み応えのあるSF作品です。読者がどこに焦点を持ってくるかで色々な見え方をすると思います。読み進めるたびに同じ言葉の意味が変わっていき、あっ!?と思う所で終わっているので、早く続きが読みたくなります。

世界線が少し違う話 単純なアイドルの話ではなく、国の運命をアイドルのパフォーマンスで競う。 最強の砂の国のアイドル『レイン』 完璧なアイドル、しかし色んなものが欠落している様に見える。 感情豊かな少女『ハナ』との出会いが『レイン』の運命を変えていく。 という大まかな話しなのだが、話が重い！（色んな意味で） でもこの重厚なストーリーをしっかりした世界観で違和感なく、またうんざりさせず描ききっているのは本当に見事 話の没入感が半端ないので、一気に読める。でも読み切ったときの読了感が凄い（一本の映画を読んだ感じの満足感）

　続巻刊行希望。メカ部チャンネルのように、読んだ人みんなで、KADOKAWAに圧力をかけましょう、と提案したい。 　アイドルが代理戦争をするアボカリスもの。「共心石」に心を吸い取られていった主人公が、ユニットを組む事によって、記憶を、感情を、取り戻していく。 　「雨雲の中に忘れ物をしたなら、虹を渡って拾いに行けばいい」罪悪感に泣く主人公に、ユニットを組むことになる「ハナ」は言う。切り捨てた物を拾いに戻るのは、先に進むことと矛盾しないと。振り返ってもいい。事実を知ったなら、その上で目標を変えればいいんだ、と。 　あーなんかもう、『BABYMETAL』の歌詞みたいで、厨二病を発症。それが、心地よい。 　『白ひな』にもやられたが、この作者さんの話は、私のツボをグイグイ押して来る。願わくば、次巻も刊行されますように。

対照的な2人のアイドルが出会い、世界を変えていくお話…くらいのノリで読んでいたのですが、後半は覚悟が必要かもです。

最初マクロスっぽいな？と思って読んでいたら、唐突に情緒を破壊された。あの演出は反則。 アイドルによるライブが国同士の代理戦争となった世界。負けなしのレインと、キラキラ大切にするハナが出会う事から始まる物語。希望と絶望が折り重なった展開に痺れました。 レインの変化や絶望、レインとハナとの交流や、クローバーの思いなど見所は沢山。全体としてみると、誰もが誰かに愛を紡ぐ話かな、と思いました。 続刊も決まっているようなので、楽しみです。