ファンタジア大賞受賞作です。 ファンタジーもバトルも無い作品で初めての受賞なので、気になって読みましたが、確かに2つとも無いです。 しかし主人公の感情や、行動の芯の部分がハッキリとしており共感を得てしまうと思います。 それに、特に主人公は独特で他のキャラクターよりも頭1つ出た鬱屈さというか個性があります。 それが良いですね。 バトルもファンタジーも無くて、見せ所とかどうするのかと思いましたが、それでもしっかりと書かれていました。

Vtuber界隈を見つめ続ける主人公が終わりたいVtuberや自身が見つめているものと向き合うような3つの物語。 Vtuberだからこそ、より乖離しやすい想いや活動、応援が自身のものとなるような展開が強烈。特に2編目が好き。

Vに全てを捧げた、その男の生き様を見よ。 Vの魂や推し活を始めとした、V界隈ならではの概念を物語として昇華した、素晴らしき作品。 夢叶乃亜に全てを捧げた苅部業。待ちに待った彼女の初ライブのその日、彼女は炎上し、帰らぬ人となった--。 最推しのVの最期を看取れなかった苅部自身の経験を踏まえ、Vの最期への向き合い方がリアルに描かれており、各エピソードは感動的。 私自身はVTuber自体に興味が無い為、作中の推し活に対して実感が伴わなかったが、実際に推し活をしている人には非常に刺さる作品なのでは無いだろうか。