１・2巻読了。 最近のマンガってやたら長くて完結せず、途中で面白くなくなることもあるので、あまり読まないのだが、たった２巻完結でこれ程楽しめるマンガは貴重。 魔法少女のマンガは昭和の昔からあったが、その少女がおばさんになったら？というところから始まるマンガはなかった。おばさんが主人公では人気が出ないというのが大きな理由だろう。このマンガも一応高校生のあつみが主要人物ではあるが、やはり主人公は元魔法少女、現在魔法おばさんのボナンザだと思う。 キャラクターが秀逸(魔王軍の岩でできたチョモランマが好き！)だし、伏線回収もバッチリだし、笑えるし、所々ホロリとするところもある(ケエやキラリンのエピソードなんか)。 やたら気合いが入ったマンガが人気の主流だが、こういう脱力系で尚且つ面白いものを描くってカッコいいキャラが格闘するマンガより才能要るんじゃないかと思う。編集者のアドバイスで世界観やキャラの設定をするなんてことは、小田扉にはあり得ないでしょう。 魔王軍は魔法世界では被差別民で、不当な裁判？により収監されていた。魔王軍は脱獄し地球にやってくる。魔法少女たちは魔王軍の討伐を行い魔法世界に戻るが、ボナンザは地球に残り、コンビニなどの経営を行う。そこに生き残った魔王の手下たちを雇い入れる。彼女の計画とは？そして謎の魔法少女トキ江の正体は？ よく考えたら壮大な物語だな。これを２巻でまとめた能力も凄い。(百凡の作家なら10巻はかかるよ。)差別からの解放を描くという寓意もあるかも。 続編も描いてほしい。