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望楼館追想
望楼館追想
エドワード・ケアリー、古屋美登里/東京創元社
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総合評価

6件)
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    初めてケアリーを読みましたが、冒頭からの掴みと、その後のストーリー展開や物語の順序が巧みだなーと感じました。独特の文体と展開が、長い物語を飽きずに読ませてくれます。巻末の付録が最高です。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    皆川博子「随筆精華Ⅱ 書物の森への招待」の推薦で興味を持った作家。 結構分厚いので寝かせていたが、思い立って。 (文春文庫「もっと厭な物語」で「私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書」既読だが、記憶にない) 章立てが細切れなので、割と読みやすかった。 つっても焦点の当たる人物が8人いるので、拡散し散漫になりがちな印象を、統合しながら読んでいく努力は必要。 と、いっても、全員風変り……はっきり言えば変人なので、たとえばジャン=ピエール・ジュネの「デリカテッセン」みたいな、ラフな楽しみ方でよさそう。 ツイッターで引き合いに出されていたジョン・アーヴィング原作トニー・リチャードソン監督「ホテル・ニューハンプシャー」は未読未見だが、 もっといえばキャサリン・ダン「異形の愛」を挙げてもよさそうなくらい、変人極まってる。 語り手であり(語り手なのに)まったく好人物ではないフランシス・オームにとって、か・な・り都合よく関係を向こうから求めてくるアンナ・タップは、村上春樹の「女性」を思い出さざるを得ないが、……人物造形の描き込みが全員に対して徹底しているので、設定の都合を超えて、迫ってくる。 で、全体として「愛の物語」になっているあたりが、憎い小気味よさ。 こんなに汚くて偏屈な人々が愛おしく感じられる……まさに文芸作品の効能(直接会いたくはない)。 章が進むごとに、失われる事物や人物がハッキリ段階的に明確になるが、それと反比例して、あまり顕示的ではない感じで、「得られる何か」がある。一定の場に集う、数名の人の、エグみと魅力。 これも文芸。 終幕のカタストロフィで、エドガー・アラン・ポーの「アッシャー家の崩壊」を思い出すと同時に、滝本竜彦の原作で大岩ケンヂが漫画化した「NHKにようこそ!」も思い出した(原作未読、アニメ未見)。 著者本人によるイラストも素敵。 同じ名のエドワード・ゴーリーと、似たクセツヨで、どうあっても腹に溜まる。 @ 歳月に埋もれたような古い集合住宅、望楼館。そこに住むのは自分自身から逃れたいと望む孤独な人間ばかり。語り手フランシスは、常に白い手袋をはめ、他人が愛した物を蒐集し、秘密の博物館に展示している。だが望楼館に新しい住人が入ってきたことで、忘れたいと思っていた彼らの過去が揺り起こされていく……。創元文芸文庫翻訳部門の劈頭を飾る鬼才ケアリーの比類ない傑作。訳者あとがき=古屋美登里/解説=皆川博子

    7
    投稿日: 2025.01.27
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    アイアマンガーシリーズで魅了されたエドワード・ケアリーのデビュー作。 物にこだわる細かさ、ゴミが集積され圧迫される様、等デビュー作からケアリーはケアリーだった。 不思議な不思議なお話で、好みではない人にはまったく理解できないだろうと思う。 でも、忘れられないお話し、キャラ達です。

    0
    投稿日: 2024.07.24
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    【あらすじ】 その昔は荘厳な貴族の館としてそびえ立っていたが、今や古く汚い集合住宅と化してしまった、望楼館。 誰も寄り付かないこの館に残った、孤独で奇妙な7人の住人。 だが、望楼館にやってきた新しい住人によって、彼らの忘れられた過去が蘇り、向き合うことになる。 【感想】 ジョジョの敵キャラだけを集めて話を作ったら・・・? というお題を出されたらこの本を出せば良い。というほどに登場人物全員が異質で奇妙で偏執狂的だ。 特に素晴らしいのが主人公の性格がめちゃくちゃ悪い事である。息をするように物を盗み(彼の言葉では蒐集)、自分のコレクションにする。しかも、この「盗む」ことが重要で、社会から外れた主人公の社会との唯一の接点が盗む行為なのだ。これは万引き家族とも通じるテーマだなと思った。 次に微妙だと感じた部分。 この小説の物語構造として、過去の出来事が次々と判明して彼らがなぜこのような異質な人間になったのか? ということが語られる。彼らの異質さの多くは過去の事件の影響ということで括られ、原因が開陳された後は普通の人間に戻るか、死ぬかの二通の末路が用意されている。この回収のされ方はせっかくの彼らの異質さを「幽霊の正体見たり枯れ尾花」式に矮小化させてしまっている。もっと無茶苦茶な終わり方で良かったのではないかと思わずにはいられない。

    1
    投稿日: 2023.11.26
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    とにかく最初から濃い。半分迄はなかなか入り込めず疲れてしまったが後半父母の記憶の章からは一気読みだった。前半と後半で味わいが変化する、というより早々キャラが減ってしまった時にはどうするの?!と思ったけれどそれもあの建物の歴史の一つとして飲み込まれた。まさにアイアマンガーシリーズで描かれた話の萌芽がこの作品にはある。物に刻まれた沢山の記憶達、そしてその際たる物はその建物そのものなんだという事。主人公のフランシスは奇妙な男だけれど妙に親近感を覚えるのも不思議ではあった。

    0
    投稿日: 2023.06.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後まで頑張って読んだが、自分には残念だが全く合わなかった。決して読みずらい文体ではなく、主人公に ただただ共感できない。だれかの替わりに生きていて、成長過程も複雑で可哀想だとも思うけど、やってることはただの泥棒だし、悪質だと思った。愛されてないから、他人の愛の物品が欲しかったんだろうか? 最後は、望楼館の終わりとともに主人公はどこにでもいる 普通の人になってしまったんだろうか? 好きな人は本当に大好きな本なんだと思う。 自分は多分読み返しはしないが、色々思わされる本だと思った。

    1
    投稿日: 2023.03.03