
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(2023日) 映画ノベライズ 信長と濃は夫婦となった。 しかし、弱味を見せられぬ二人は、お互いの気持ちを誤解したまますれ違っていく。 同じ目線で物事を捉え、対等に話せる二人は共に歩めたはずなのに… 素直になれない夫婦が、すれ違いと共に歩む覇道物語。 (同じ脚本家の)大河ドラマの信長との差別化なのか、こちらの信長はイメージが違って戸惑いました。(むしろ大河ドラマの信長でも良かったような…?) 信長は、ハイスペックで無敵の魔王であってほしい。 逆に、女子であることを悔しく思う程に気の強い濃姫に惹かれました。 気が強くないと、きっと魔王の妻なんてできない。 でも、私が今まで見た小説やドラマやゲームの信長は最初から最後まで“魔王”だったので、“魔王で在ろうとする信長”を見たのは初めてかもしれません。 そして、意地っ張りな二人がようやく素直になれてきたところに起きた歴史的大事件。 南蛮エンドかと思いきや、まさかの夢オチ!? 南蛮の夢がとても幸せだっただけに、実際の終わりは切なく苦いものでした…
1投稿日: 2023.02.09
powered by ブクログ題名は「レジェンド・アンド・バタフライ」と読む。英語の題なのだが、実はこれが“時代モノ”なのである。 本作は「織田信長夫妻」の物語である。 織田信長と言えば、虚実入り混じって色々なことが伝わっていて、劇中人物として登場する小説や映像作品は夥しい数になると思う。そうした小説や映像作品には多く触れているが、それでも網羅しているのでもない。伝わっている様々な行動に関しても、多様な解釈が在り得て、興味尽きないという人物であると思う。 美濃国から尾張国へ、信長に嫁いだ女性は「美濃」から採った“濃”という呼び名で知られている。幾つか名が伝わっているようではあるのだが、彼女についても劇中人物として登場する小説や映像作品は夥しい数になると思う。本作では専ら濃という呼称だ。夫の信長に関しては、吏僚として近侍していたという人物が綴ったとされる伝記的な記録や、軍事紛争の指揮官として、為政者として前面に出ている関係上、伝わっている事柄も豊富だ。対して濃という女性に関しては、詳しく色々な事が伝わっているのでもない。有名な武将の周辺に在った女性―妻や娘―に関しては、年齢を重ねて“〇〇院”等と号しての活動が伝えられている例も在るが、この濃に関してはそういう話しは聞かない。故に「想像の翼が羽ばたく」という余地も大きいかもしれない人物であるとも思う。 本作はこの“織田信長”と“濃”との「夫婦としての歩み」に光を当て、嫁いだ際に出会って以降の信長の歩みの中での「夫婦」の経過を描いている。“織田信長”と“濃”の2人が主要視点人物で、信長目線の部分と濃目線の部分とが概ね交互に折重なっている。出会いと、そこからの年月の経過の中、互いに互いの存在に関する意識が変遷し、信長が「途轍もない“ビッグネーム”」になって行く中で、互いに「直截に語り合い悪い」というようになって行く関係性というように物語が展開する。凄く惹かれた。 実は本作は、「近く公開される映画のノベライズ」なのだそうだ。映画の脚本を下敷きに綴られた小説である。それ故か「画が思い浮かぶ描写」が連なっている。そういう中で、“合戦絵巻”というのとも一味違う具合で、「覇道を往く魔王」という振舞いをしようとする信長と、その陰に在った濃という「夫婦の物語」が展開する。本作だが、映画と無関係に「やや新しい着想」の時代モノという感じで愉しかった。その他方、本作の下敷きになった脚本を使う映画も、機会が在れば観たいというようにも思った。所謂「メディアミックス」というようなことで本作は登場したのかもしれないが、本作も御薦めしたい。
2投稿日: 2023.01.21
powered by ブクログ信長と濃姫の関係を軸に進む物語。 映画も絶対に見ます。 映画の予告編を劇場で見て興味を持ち、本屋でたまたまノベライズを発見したので購入。 歴史小説あまり読んだことがなく、 とっつきづらいイメージを持っていた。 と思いきや 一文一文が短くて、リズミカル、心理描写も簡潔であり、胸にぐさっとくる。 読んでいて感情移入がしやすかった。 歴史上の人物って、なんか、尊大なというか、すげえ人だったんだっていう側面だけ見てしまいがちだけど、 そんなことはないなって気付かせてくれる物語でした。 普通に悩むし、夫婦関係もなかなかうまくいかんし、もがきながら生きてたんだろうなあと、 すこし解像度があがったような気がする。 自信持ってオススメできます。 登場人物が多いので、整理しながら読むといいと思います。
0投稿日: 2023.01.15
