
総合評価
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powered by ブクログ鎌倉時代末期の津軽「安藤氏の乱」を描いた作品。中盤までは津軽・陸奥における各勢力図や経済体系が丁寧に描かれる。中盤から終盤にかけては室町期に向けた倒幕の動きが重なり、時代が動いていく。 面白いけど冗長的というのが正直な感想。どのエピソードも面白く、盛り込みたい気持ちは分かるが、枝葉のエピソードの長さのせいで本筋がぶれてしまうのを度々感じた。例えば、イタクニップとの戦い。彼を追い込むが逃げられてしまうところで、急に熊との戦いが始まる。この経験がイアンパヌとの絆や季兼の覚悟に繋がるので必要性は理解するも次の展開を早くという気持ちが先行してしまう。都のシーンもしかり。最終盤でどんどん新しい人物が出てきて戸惑いが隠せなかった。つまりは、北畠・帝は津軽を利用しようとしていた、ということを知るわけだが、それに100頁弱も必要か疑問だ。 東北史を好きな私としては、蝦夷の意地、独自の道に繋がる本作には非常に惹きつけられたし、全体としては満足している。最後に内乱関係者が一同に集まり、幕府軍に立ち向かうのはアベンジャーズ感があり、見ごたえがあった。
0投稿日: 2025.03.18
powered by ブクログ安部流太平記、第三弾。 いままでの太平記ど真ん中でじゃなく、十三湊の安藤家のお話。個人的にアイヌが活躍するのでとてもうれしい作品でした。 お話しは前二作に比べれば、ちょっと派手さはないけれど主人公の新九郎が格好いいです。
0投稿日: 2023.07.13
powered by ブクログ「道誉と正成」、「義貞の旗」に続く安部龍太郎版太平記三部作の三作目。 津軽で起きた、鎌倉幕府滅亡につながったといわれる「安藤氏の大乱」の物語。蝦夷管領の三男、身長190cmの青年武将、安藤新九郎季兼が主人公。 歴史小説は、結末が分かっていながら読むのだが、恥ずかしながら「安藤氏の大乱」を知らずに読んだため、「どんな展開になるんだろう?」と最後まで楽しく読むことが出来た。 津軽海峡を船で航行する場面は、とてもスリリングに描かれており、難所なんだなぁと思った。 文庫本とはいえ、一冊600ページを片手に持って読むのは少々難儀だった。
0投稿日: 2023.01.22
powered by ブクログ戦の場面が数多く出てきたのに、主人公が一度も刀を使わなかったのには、驚いた。鎌倉時代の末という戦乱の時代に、こうゆう武将もいたというのは驚きだった。
0投稿日: 2022.11.08
