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大暴落1929 (日経BPクラシックス)
大暴落1929 (日経BPクラシックス)
ジョン・K・ガルブレイス、村井 章子/日経BP
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総合評価

44件)
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    1929年の大暴落とその後の恐慌までを時系列で説明してくれる本であった また、下落が続いた10年の間にも政府や金融業界がどのように対応し、社会の雰囲気がどうであったかも感じ取れるので、個人投資家としては非常に参考になることが多かった 一部気になる点として多くの人名が出てくるので関係者が良く分からなくなったり、株価や指標を定量的に示してくれるのは良いが、数字が漢字表記なので読みづらさはあった(上昇や下落も数字ではなく、率で表した方が読みやすいのでは?と何度も思った)

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    投稿日: 2025.10.15
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    1929年の大暴落について書かれた本。一度読み所蔵もしていたのだが、メディアマーカーの読書記録がなくなったのであらためて読んだ。1929年秋からニューヨークダウは89%下落したのだが、それには3年がかかっている。持ち直したと見えては下げ、底入れと思われては下げを繰り返し、多くの人たちが大損失を被った。誰もが予想もしていないことも起こり得るのだとあらためて認識した。「落ちるナイフはつかむな」の教訓は、まさにこの時のことを言ったのだと思う。ブラックストーンのシュワルツマンも、暴落後に買い急ぐことを戒めているが、大物は、1929年の大暴落からしっかり学んでいるのだと思う。肝に銘じたい。 「現在のアメリカ人が本書に書かれているような投機熱にとりつかれていることは、無責任な楽観論にとらわれていない人の目には、火を見るより明らかなはずだ」p6 「終わりは、常に始まりよりも突然である。針を刺された風船がしずしずとしぼむはずがない」p7 「(1928年の状況)信用取引で株を買おうと、言い換えれば自己資金なしで値上がり益を手にしようと、大勢が株式市場に群がってきた。資金の最初の出し手となったニューヨークの主立った銀行は、やがて国中いや世界中の貸し手の窓口役を務めるようになる」p44 「1928年の時点では、流動性が高く極めて安全なコールローン市場の金利は約5%だった。5%でもずいぶんと高いリターンだが、金利は1年を通じて上がり続け、年の最後の週には12%に達する」p45 「知識があろうとなかろうと、不況の到来を予想することは誰にもできないのであって、それは当時もいまも変わらない」P51 「(株式市場鎮静化のためのFRBの公開市場操作)1928年初めの国債保有高は、6億1700万ドルである。市場に供給される資金の流れを干上がらせるべく、その年の前半に大量の売りオペが行われた。そして後半に入ると、狙い通り投機は沈静化したとの甚だしい勘違いから公開市場操作は打ち切られたが、どのみち長くは続けられなかったにちがいない。28年末には、FRBの国債保有高は2億2800万ドルまで減ってしまったからだ」p60 「1929年2月14日、ニューヨーク連銀は投機対策として公定歩合を5%から6%に引き上げることを提案した。FRBは、それは意味のない措置で、一般企業の資金調達を困難にするだけだと指摘する。議論は長引き、フーバー大統領はFRBの肩を持つ。結局公定歩合は、夏の終わりまで引き上げられなかった」p61 「投資信託として一般向けに販売した有価証券の総額は、27年には4億ドルに過ぎなかったが、29年には推定30億ドルに到達。そして29年秋には投資信託の総資産額は、27年初めのほぼ11倍に相当する80億ドルを上回っている」p88 「(1929年)株価は日々上昇し、下がる気配すらなかった。タイムズ平均は、6月に52ドル、7月にさらに25ドル上昇し、2か月間の上昇幅は77ドルに達する。8月にはまた33ドル上昇し、これはつまり、夏の間だけで株価はおしなべて25%ほども上がったことを意味する」p113 「市場は連日大商いである。ニューヨーク証券取引所の出来高はほぼ400〜500万株の間で推移した」p114 「株価が上がっただけでなく、投機の規模もめざましい勢いで拡大した。夏の間だけでブローカーズ・ローンは月4億ドルのペースで増え、夏の終わりには総額70万ドル以上に達している」p115 「(ハーバード経済学会)来る週も来る週も、会は景気の小幅の落ち込みを予測した。だが29年夏になっても、一向に景気後退は起こらない。とうとう経済学会は降参し、自分たちの見方は間違っていたと認める。結局のところ景気は悪くならないのかもしれない。ところがそこで大暴落が起きる。それでも経済学会は、深刻な不況には至らないと言い続けた」p121 「1929年の秋までにアメリカはすでに不況になっていたというのが通説になっている。6月には鉱工業生産指数と工場生産指数が共にピークを打ち、下降に転じた。鉄鋼生産高も6月をピークに減少に転じ、10月には貨物輸送量が減少を記録。住宅建設は、数年前から低迷が続いていたが、29年には一段と落ち込んだ。そして最後に株価が下落したのである。当時の景気動向を調べたある学者は、株価の急落は「産業にすでに現れていた変化を反映したものと言える」と述べた」p149 「株価が下がってきた時点では、どんな不況も予想できていなかった。およそどんなきっかけからでも崩壊するというのが、投機ブームの性質ではある」p152 「(10月24日の状況)(株価の伝達が遅れたこと)これで先行き不透明感は一段と強まり、売り急ぐ人は増える一方になる。追証を払えない人の担保株は売り払われた。11時半には、市場は激しい恐怖に覆われ出口の見えない状態に陥る。まさにパニックだった」p165 「12時半、ニューヨーク証券取引所は見学者用通路を閉鎖する。通路の真下では阿鼻叫喚が繰り広げられていた。閉鎖直前に立ち去った見学者の一人は、英国元蔵相ウィンストン・チャーチルである」p166 「ニューヨークでは、パニックは昼までに終わった。組織的買い支えが、登場したからである」p167 「1929年の大暴落の際立った特徴は、最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである。今日こそこれで終わりだと思われたことが、次の日には、あれは始まりに過ぎなかったのだとわかるのだった。苦しみを深め、引き延ばし、できるだけ大勢を残酷な運命から逃れられないようにする仕掛けというものがあるとしたら、あれほど巧妙な仕掛けはあるまい。最初の追証請求に応じる資金を持ち合わせていた幸運な投機家も、すぐさま次の追証を要求され、たとえそれに応じられても、また仮借なく次を取り立てられる。そしてついには有り金をそっくり召し上げられて破綻することになった」p182 「1929年11月半ばに、ようやくにして株は下げ止まる、少なくとも当面は。9月3日からほぼ50%落ち込んだことになる」p221 「(共和党全国委員会委員長)株式市場を利用して政府の信用を失墜させる陰謀が進行中ではないかと、共和党幹部は考え始めている。政府高官が明るい景気見通しを発表するたびに株価が下がるのは、そのせいにちがいない」p232 「大暴落に続いて大恐慌がやって来た。それは10年続いた。1933年のアメリカの国民総生産(GNP)は、29年の2/3まで落ち込んでいる」p273 「1929年秋の大暴落は、それに先立つ投機ブームの中で育まれていた。ブームというものは必ず終わるのであって、わからないのは、いつまで続くか、ということだけである」p274 「あの年から学ぶべき教訓は多いが、その一つは、いまとなってはじつに明白である。将来は予測可能だと思い上がった人ほど悲惨な末路をたどった、ということだ」p301 「将来いずれかの時点で株投機がさかんになり、その後に暴落が起きるとしても、1929年と同じような影響を経済に与えることはないと考えられる」p304

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    投稿日: 2025.05.09
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    1929年にアメリカで起こった株価大暴落について時系列に淡々と記述している内容でした。しかし暴落直前からの静かな緊迫した雰囲気はその後の結果がわかっていても(わかっているからこそ)不気味に感じました。  また作者の折々に表現される人間の弱い有様や欲の深さについては100年近く前のこととは思えず、今の時代にも頷いてしまう内容でした。経済活動は情報と己の欲との戦いである、と強く感じました。

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    投稿日: 2025.01.11
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    1929年の大暴落前後に何が起こったのかの記録。 投機では、楽観ムードのなかで株価が上がるが、信頼性を揺るがす出来事が起こると、伝染する不安のなかで皆が売り急ぐ。株価は一気に下がり、バブルは崩壊する。 「将来は予想可能だと思い上がった人ほど悲惨な末路をたどった」(301ページ)という大暴落の教訓。タイミングをみて売り抜けて儲けるのは難しい。『バブルの物語』と同様の基調。

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    投稿日: 2021.08.29
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    1929年ニューヨーク市場の歴史的な大暴落とそれに続く十年間の不況を経て、ようやく経済状態が落ち着きを見せた 1955年に初版。その後、ITバブル前夜の 1997年に再版され、この日経BPクラシックスとしての邦訳はやはりリーマンショック直前の 2008年。コロナ禍とそれに伴う大規模金融緩和の時代に、またこの本が多く読まれているのだという。 1980年代日本の熱狂的なバブル経済を見てきた世代として、今のこの状況をバブルと呼ぶには抵抗があるが、それでもリーマンショック以降の中央銀行による株価の下支えオペレーションがいつか限界を迎え、大恐慌時代が再来するという予言は多い。もっとも、この本から得られる教訓の一つは、学者にしろ政治家にしろ未来予測はアテにはならないということだが。

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    投稿日: 2021.05.23
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    前から読もうと思っていてやっと読めた本。 面白いかと言われると少し違うけど読んで良かった本。 投資家の阿鼻叫喚っぶりが書かれているのかと思ったけどそうではなく、都合の悪いことは隠蔽されたり情報が出てくるタイミングが遅くなったりということがよくわかる。

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    投稿日: 2021.01.12
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    若干の香ばしさが市場に漂う今、もう一度読んでみるべき書籍でしょう。 もう10回以上、読み返していますが、毎回のように群衆心理の面白さを感じます。 市場と経済を取り巻く環境は目まぐるしく変化しますが、市場を構成する心理はある種の普遍的な行動パターンがあるのではと思えます。 市場を構成する主体が生身の人間だけでなくなった今、その普遍性はやや変化したかもしれませんが、学ぶべきことの一つであることに変わりはないでしょう。

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    投稿日: 2020.08.30
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    1929年の大恐慌がどのように起こったかを解説した、 原著が1955年の本 制度派経済学で名文家のガルブレイスによる解説はとても分かりやすい

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    投稿日: 2020.07.12
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    2020/06/14 読了。 ブラックマンデー時の前後を詳細に記録した本である。 ウォーレン・バフェットが今年の「株主への手紙」で薦めていた本である。 かなり生々しく記述がされており、臨場感がある。 当時の「会社型投資信託」に関しても記載があり、徐々にトリガーが引かれていくのが記されている。 熱狂の渦の中にいると、自分がバブルの真っただ中にいることを忘れてしまうようだ。 また、長期的に好景気が続いた後は、多くの人の貯金があるため、株が過熱しやすいとのこと。 コロナショックはあったが、2020年の今は好景気が続いた後であり、まさにぴったりの局面である。 定期的に読み返したい。

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    投稿日: 2020.06.15
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    1929年に起こった大恐慌について知りたいと読んだ。 大半が株の大暴落について書かれている。現在のコロナに起因する大恐慌の比較にはなりにくい。 株式市場の混乱の要因を知るには適当だが、経済の大混乱をより幅広くと考えた場合には物足りない。10%程度は参考になる部分もある。 訳は読みやすい。

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    投稿日: 2020.05.29
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    大暴落直前、期中、その後の恐慌や人々の様子をデータとエピソードによりガルブレイスらしく描写。 直後の楽観論-ファンダメンタルは基本的に健全とのコメント-など現在のコロナ暴落後の様子ともシンクロ。 恐慌が長引いた原因 (1)所得分配 富裕層の消費は非恒常的で不安定、脆弱化(2)企業構造 資金詰まりを起こした企業は投資を犠牲にしてでも債務償還や配当に当てるため経済は縮小スパイラル (3)銀行システム 経営基盤が脆弱な金融機関多数存在。システム的信用収縮、所得、雇用、物価の落ち込み銀行破綻 (4)経常収支 高関税政策による貿易収支黒字に加え資本収支黒字により不均衡が蓄積、ドイツと中南米債務国 資金出し手は州政府を含む政府。ペルーやキューバ政権の貸倒 (5)専門家の経済知識 政策アドバイザーは均衡財政、為替の金リンクなど当時の考え方に教条主義的墨守。

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    投稿日: 2020.03.23
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    1929年にウォール街で起きた株の大暴落について、様々な目線から書かれた本でした。投資家の立場、当局の立場、証券会社の立場など、様々な目線からどう考えどう行動したのかが見えて、とても興味深く読めました。 人間の織りなすバブル崩壊劇は今も昔も変わらない、という論評がありましたが、その通りだと感じる場面が多かったです。 バブルの崩壊は何が最初のきっかけなのかはわからない、それにわかったとしてもさほど意味がない、いずれ破裂するバブルがはじけただけ、という箇所が印象的でした。 また、株式市場の暴落が所得と雇用、繁栄の実体そのものに悪影響を及ぼさないために、権威ある人物は所得と雇用は減少しないと言い続けた、本当に確信していた人はいないのに。という箇所も印象的でした。今も同じことが起きるのではと思いました。 とても読みやすい良本でした。

    2
    投稿日: 2020.01.26
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    ガルブレイスは、100歳近くまで存命し、ルーズベルトを含む民主党の複数の大統領のアドバイザーを務めました。経済学者としての業績には、毀誉褒貶がありますが、その知名度は著作の読みやすさもあって、抜群のようです。 本書では、1929年のアメリカの大恐慌前後の経済状況、特に金融市場の状況から恐慌前後の状態を解説しています。2008年のサブプライムと同じレバレッジを利かせた投資方法(当時としては空売りや、社債や優先株でレバレッジをかけた投資信託)などが一気に巻き戻った結果、暴落が加速したあたりは80年を経て歴史が繰り返したことを克明に語っていると言えるでしょう。バブルが破裂する際に優良な資産程売られるのは、マージンコールの支払いのために現金化が必要とされるため、というくだりはまさにレバレッジの巻き戻りが市場に与えるインパクトの凄まじさを示す例でしょう。 ガルブレイスは2006年に鬼籍に入りましたが、2008年以降のリーマン危機時に存命であれば、1929年との対比でどのような分析をしたことでしょうか。

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    投稿日: 2020.01.13
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    ガルブレイス 「 大暴落 1929 」 1929年に起きた ウォール街の株の大暴落の経緯を説明した本。経済の変化というより、経済に踊らされている人の変化に着目している。 経済に踊らされている人の動き *政府〜実態と異なるウソの発表 *銀行と投資家〜終わりがきたことをなかなか認めない *社会〜金儲け一色に染まり価値観がどこかしら狂っている 「株の大暴落は 投機ブームが終わっただけ」「投機ブームは 時代の空気〜普通の人でも金持ちになれるという自信」とした著者の見解に、日本のバブル崩壊を想起した。 著者は 株の大暴落と 直後に起こった 世界恐慌に 関係性を見いだしていない。 株の大暴落についての著者の見解 *市場が不況に気付いたから暴落が起きたのではない *株が下がった時点では 不況は予測できなかった *指標の悪化に一部の投資家が敏感に反応して売りに転じ、いずれ破裂するバブルがはじけた 可能性はある 「政府から 経済は基本的に健全である と聞かされたら、何かがうまくいっていない と考えた方がいい」

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    投稿日: 2020.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1929年の株価大暴落について、米国内の状況が書き綴られています。リーマン・ショックあたりの本は何冊か読んでたけど、1929年の暴落についての本は初めてでした。 リーマン・ショックの際にCDOがブームになっていたように、この時は会社型投資信託がブームになっていたそうで、これがCDO同様歯止めの効かない流れを生み出した一因になったようです。 私が理解した投資信託が暴落の一因となった仕組みは、以下の通りです。 ①投資信託が資金調達する際に、予め利率や配当が決まっている社債等に加えて普通株を発行。 ②投資信託が設立後に投資した株式が値上がりすると、投資信託の価値が上がるが、社債等は利率等が決まっているため価値は変わらず、この価値の上昇分全てが普通株に反映される。つまり、投資した株式の値上がりの数倍の価値を投資信託が生む。 ③これは即ち値下がりした時に数倍の価値で値下がりすることを意味するため、諸事情で下落した株式の値下がりが雪だるま式に膨らんだ。 今はこんなことにならないような規制がされているのかな...?? 知っている方がいたら教えてほしいところ...

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    投稿日: 2019.08.20
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    1929年の米国での株式市場の大暴落の前後とその後の経済情勢を述べている。現在はそのころとが違って政府の規制やいろいろな仕組みができてはいるが、第九章のガルブレイスの以下の言葉が気にかかる。「だがかつてもそうだったように現在も、金融上の判断と政治の配慮は逆方向に働く。長期的にみれば経済を救う措置であっても、現在の安寧と秩序を乱すものであれば、けっして高くは評価されない。そこで、たとえ将来に禍根を残すとしてもいまは何もしないでおこう、ということになる。こうした姿勢は、共産主義を蝕んだのと同じように資本主義も脅かす。このような考え方に陥るからこそ、事態が悪化していると知りながら、人はあの言葉を口にするのだ−状況は基本的に健全である、と。」

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    投稿日: 2018.10.11
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    本棚を見ていてふと気になり再読。 アメリカ人ってある意味凄い、何ら変わらんもんね。やってみて駄目ならやり直すしかないでしょ的な発想、この志向に資本主義は確かにマッチします。痛い目に合う時は容赦ないけれど、それも呑み込む共通認識が社会に備わっている気がするな。だからこういう過去の教訓があっても同じことを何度となく繰り返す。うん?日本も違う意味で同じかな? ところで実はトランプという人は意外に経済という観点でアメリカ的にはダメな人かもしれない。とにかくアメリカに拘っていて、何でも良いからガンガン行くという能天気さが実のところ薄い感じがしなくは無いと思うのですが。

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    投稿日: 2017.09.18
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    経済の本は何冊も読んできたが最高品質の本。 ただ単に過去を知るだけではなく、今後何度もくりかえされるはずのバブルと株価下落を鳥瞰的に見れるのではないだろうか。 村井章子さんの翻訳が秀逸の出来栄え。 自然な訳を堪能されたい。 なお、この投稿は2017/02/24(金)。 ここ何ヶ月も賃貸不動産のバルブ感が新聞や雑誌などで書かれている。 今後、どうなるか?!

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    投稿日: 2017.02.24
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    暴落前のアメリカの様子 暴落中の楽観主義な人々 そして暴落後の人々 それらの様子が平易な言葉で臨場感あふれる様子で書かれている。

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    投稿日: 2016.10.09
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    1929年10月24日にニューヨーク証券取引所で株価が大暴落。 その後、世界規模の恐慌へと発展した。 原書が出版されたのが1954年。 しかし、まるっきり古さを感じさせない。 まるでつい最近起きた出来事のように、 よくここまで当時の世相や情勢を調べたものだと驚かさせる。 世界金融危機が現在進行中だけに、単なる昔の出来事では済まされない。 ところどころにうかがえる著者のピリッと辛口のユーモアも見逃せない。 この本が堅苦しい経済学の教科書と一線を画している重要な要素といっていい。 もし、ユーモアのセンスをあまり理解できない大学のセンセイが、 この本の翻訳を担当したらどうなっていただろう? 何を言わんやである。 専業の翻訳業の方を起用した出版社の勝利。 ユーモアもきちんとわかった上で訳されているから、 生き生きした日本語になっている。 一昔前だったら、 この手のノンフィクションは大学のセンセイが片手間のアルバイトで翻訳するのが相場と決まっていた。 つくづくいい時代になったと思う。 活字離れなんてもったいないですぜ。

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    投稿日: 2014.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    <米国の企業合併の変遷>P80 1.1900年前後:規模の大きい企業による小さい企業の吸収 ・対象:同一または関連する製品を同じ国内市場に向けて製造販売している企業。 ・目的:競争を減らす/なくす、競争を支配する ・結果:誕生した巨大企業は業界に君臨し、価格・生産に多大な影響力を発揮。投資、技術革新のスピードにも影響を与える →電力、ガス、水道、乳業、たばこ、鉄鋼 2.1920年代: ・対象:正面からの競争相手ではなく異なる地域を商圏よする企業同士によるM&A ・目的:地方企業にありがちな非効率、無計画、無知、規範の欠如の駆逐(競争の排除ではない) ・結果:(豊富な金融知識など)洗練された都会の経営陣が(経営の)指揮を執ることによるメリットの享受 ______________________________ P285~ <恐慌が長引いたことの主たる要因> 1.所得分配 ・貧富の差は大きく、富裕層の不労所得が個人所得に占める割合が大きい →高所得層の奢侈品の消費に依存した経済構造への傾斜 ☆恐慌後☆ →株価暴落への感応度高い富裕層の支出・所得を直撃。景気の急激な落ち込みへ 2.企業構造 ・新種の経営形態である持ち株会社と投資信託の結びつき →下流側の事業会社から支払われる配当を、上流側の持ち株会社が発行した社債の利払いに充てる方法により、社債のデフォルトにより企業グループ全体が破綻する構造(逆レバレッジのリスクと損害が大きい) →設備投資よりも社債利払いを優先させるインセンティブが働く →設備投資の縮小によるデフレ圧力の強化 →企業収益減少、事業縮小、新規借り入れ困難(デフレスパイラルへ) ☆恐慌後☆ →持ち株会社方式の崩壊と投資信託の破綻により事業資金の出し手が不在に →金融・証券の不況が実体経済に波及(受注減、失業増) ・企業規律のゆるみ(企業犯罪の全盛期) 3.銀行システム ・経営基盤の脆弱な銀行が多数存在 →(好況時でさえ)一行が破綻することにより破たんの連鎖が起きやすい状況 4.対外収支 ・米国はWWⅠ後に純債権国へ転じ、(高率の関税の結果としての)貿易黒字に加えて資本収支の黒字が蓄積 →債務国から米国へ金流入+公債形式による貸し出し増(民間金融機関→対独・対中南米) →高額な引受手数料獲得のための競争激化で、債権者の利益に反する情報の隠蔽と発行体への賄賂の恒常化 →(輸出先でもある)債務国国債のデフォルト率上昇を招く ☆恐慌後☆ →米国金融セクターの資金不足により対外融資打ち止め →債務国は輸入減により財政均衡を図る圧力にさらされる →主要輸出品目である小麦、綿花、タバコに打撃。米国農業セクターの苦境 5.専門家の経済知識 ・専門家の助言は事態を悪化させる性質のものが多かった 例) 質問:「景気回復を促進する政策とは?」 専門家:「財政均衡!」 民主党:「賛成。我が党の綱領にも記されている」 共和党:「賛成。我が党の至上命令である」 例) 質問:「金本位制下で、我が国は膨大な金準備を蓄積している」 専門家:「金本位制からの離脱政策は不安だ」 専門家:「このままではインフレになるのではないか」←史上初の激しいデフレ状況 専門家:「インフレを回避するため、より財政均衡政策に力を入れよう。利下げ不可、信用供給不可、貸出基準も厳格なものを維持しよう」 専門家:「金本位制に反するドル切り下げなどもってのほかだ!」 民主党:「賛成」 共和党:「賛成」 フーバー大統領:「通貨の変動や切り下げを行わないこと、必要とあらば増税を行ってでも財政均衡を実現すること、国債の増発を控えて政府の債務をこれ以上増やさないこと。以上の点を直ちに確実に実施すれば、国は安定するでありましょう」 →金融政策は八方ふさがりへ ______________________________ 歴史って面白いですねぇ。

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    投稿日: 2013.11.29
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    「金利や信用供給よりもはるかに重要な役割を果たしたのは、時代の空気である。」 1955年に出版された”大恐慌の前後について”書かれた本。この本を読んで一番初めに思ったことはリーマンショックであった。歴史は繰り返す、とはまさにこのことである。今の日本も少しずつ景気が回復してきており、将来のインフレに期待ができる。しかし、その時に、20年前のバブルを忘れずに振る舞うことが大切だ。空気に流されないようにしたい。また、新たなお金を生む仕組みを考えてきた人々は非常に優秀だと思う。

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    投稿日: 2013.10.04
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    1929年前後の当時の状況が詳細に書かれている。 経済本というよりは一つの読み物のように感じたが、そのおかげで当時の「空気感」がとても伝わってきた。 暴落直前の描写によって、そのドキドキ感を味わうことができた

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    投稿日: 2012.09.01
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    1929年の大暴落の経緯を、バブル期から暗黒の木曜日を経てその後に至るまで、わかりやすく詳述している。 分析は少なめであるが、村井章子の邦訳がとても読みやすい。 帯「バブル崩壊、、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著」

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    投稿日: 2012.06.15
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    【内容】  本書によって、バブルや投機ブームがなぜ生じたか、当時の社会情勢を中心にして、示唆的な説明がなされる。名目上責任ある規制当局の人間が「風船を破裂させるのは簡単だが、針を刺して徐々に空気を抜くのはむずかしい」(p52)と考えていたこと、これが問題の本質を捉える言葉だと感じる。何らかの対処の必要性を感じる人間は、人工的に破裂させた場合、責任が明確になる。そして、誰もが責任を負いたくなかった。FRBは「自ら望んで役立たずにな」り(p62)、フーバー大統領は責任は政治的干渉を免れているFRBにあり、自分にはないと言い聞かせた(p54)。結局、投機への対処に法律どころか、警告すら発されることは無く、何かをやっていることを示すために、無目的会議が開催された。    社会レベルに目を転じると、投機ブームを支持した重要な要因は「時代の空気」(p275)であった。意外にも、1929年のピーク時に投機に加わっていた人間はせいぜい100万人以下しかいなかった(p132)。しかし、「アメリカ人の生活が株式市場を中心に回り始め」ていた。報道は株高が永遠に続くかのように楽観的なものであった。彼らは自らゲームの参加者になっており、水を差すような言葉は発しなかった。少数ながら投機への懸念を表明する人は、ほとんど注目されないか、「破壊工作員」として排斥されるかのどちらかであった。著名な学者ですら「株価は恒久的に続く高原状態(プラトー)に達した」(p120)と主張し、ハーバード経済学会は当初の見通しから転向し、下落が続く中でも「不況が起きる確率は無視出来る程度」と主張し続けた。    投機ブームへの免疫は時代を経るごとに少なくなっており、先の好況で投機のための貯金が潤沢に存在し、功名な経営者や学者に対する「無邪気な信頼感」(p276)が存在した。これらがブームを支えた。 【感想】  1929年になぜあのような大暴落が生じたか、それは当然ながらその前の投機ブームに影響がある。本書ではその原因を基本的には「時代の空気」という社会的要因に求めている。「経済は基本的に健全である」といった、国民を安心させようとする発言を、主要な経営者や著名な経済学者、政治家の発言を引きながら、当時の状況がいかに麻痺し、浮かれていたかを示すことには成功していると思う。また、筆者の筆のうまさからか、読み進めるのは楽である。    この株価大暴落がなぜ3年も続いたのか、最終章で⑴所得配分の偏り、⑵企業構造、⑶銀行システム、⑷対外収支、⑸専門家の経済知識、から少し説明している。しかし、なぜ株価大暴落が実体経済へ影響を与え、ひいては大戦の要因ともなる近隣貧窮化政策(通貨切り下げ競争)を向かえるに至ったのか、その説明に関しては米国の社会状況を描くだけでは全く不十分だと感じる。非主流派経済学者でで社会的要因を組み込み、経済を説明することには興味がわく。大暴落以後、世界構造が変化たことを鑑みると、本書内容では、他のバブル(欧州通貨危機や1997年アジア危機、日本のバブルなど)と大暴落がどう違ったのかそれが分からない。  でもよく考えると、タイトルのThe Great Crashは当たったときの衝撃が如何に凄いかを示唆しており、The Great Depression(恐慌の中身について)とは言ってないのか。  

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    投稿日: 2012.05.17
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    1950年代に書かれた本にもかかわらず、まるで昨日書かれた本のように読みやすい。人の欲望の尽きることがないように、人が投機とバブルへの熱狂の報いを受ける限りはこの本はきっと価値を持つ。まさしく真の古典、恐らく永久に読まれ続けることでしょう。

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    投稿日: 2012.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結局のところ、今も昔も、熱狂の渦中にいるヒトたちは周りが見えなくなるし、イマを信じたいし、異常な状態にあるのかどうかすらわからなくなる。 仮に異常な状態だと分かったとしても、やめられない。

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    投稿日: 2012.01.06
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    大恐慌の引き金となった、1929年のウォール街での株式相場大暴落を記述した古典。 未だに金融バブル(本書ではブーム)の発生・崩壊の仕組みは解明できていないものの、ファンダメンタルズ面と投資家の心理面にバランスよく触れていると思います。 当時の相場師として、GMのデュラント(創業者)やラスコブ(財務担当)が関与していたのは驚き。設備投資よりも株式(投資信託)のほうが短期的収益率が高い状況では、構造的に製造業が金融投資に走ってしまう。これは変わらず、ということでしょうか。

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    投稿日: 2012.01.04
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    本書は、1920年代末から始まった世界大恐慌のきっかけとも言われる、アメリカ起こった1929年の株式市場の大暴落について書かれたものです。 初版発行はなんと1954年。50年以上も版を重ねて読み継がれている本です。 題名やテーマから、少しとっつきにくいかもしれませんが、内容は分かりやすく特に難しいということも無いと思います。 ご存じのようにバブルというのは現代だけの特殊な現象ではなく、近代から何度も何度も繰り返されているものです。有名なところでは、オランダのチューリップバブルとか、イギリスの南海泡沫会社バブル、新興市場(当時の南米諸国のこと)や鉄道バブル。新しいところではアメリカのインターネットバブルや日本の不動産バブル等々・・・、枚挙に暇がありません。 そして、おそらくこれからも何度も何度も繰り返されるていくのでしょう。 そういった意味では、典型的なバブルの破裂であった1929年の大暴落について知ることは、決して無駄なことではないと思います。 とはいえ、一種のエンターテイメント作品のような面白さが本書にはあるので、あまり難しく考えずに一度手にとってみても良いのではと思います。 良書だと思います。

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    投稿日: 2011.11.22
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    御仕事柄、速読。 1929年の大暴落から証券と銀行の分離や FRBが機能強化されSECが設置され、預金保険機構が 準備されと、、 内部者取引や空売り規制etc。。 人も進化するわけだ。というか学ぶんだ。 今回のCDS絡みの問題もあったけど逆にそう思った。 最後の「状況は基本は健全である」とこーゆー時期に 人は口にする、的な終わり方はお決まりだね。 最後に、いろいろな原因があるけど国民の所得が 一部に偏るとバブルが発生するのはなんとなく納得。

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    投稿日: 2011.08.30
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    市場があやしい雲行きになったときの常套句、すなわち「経済は基本的には健全である」とか「ファンダメンタルズは問題ない」というものだ。この台詞を聞かされたら、何かがうまくいっていないと考える方がいい。 そもそも人間は知っていることばかり話すのでもなければ、知らないことばかり話すのでもなく、知っているつもりだが実は知らないことを話すことが多い。 「夢を失ってはいけない。夢が無くても死にはしないが、もう生きてはいない」マーク・トウェイン 予言を外した予言者は惨めである。外した理由を説明したくとも、その大事な瞬間にもはや聴衆はいない。 人間は確信が持てないときほど独断的になりやすい。 自社株買い>1929年>自分で自分を騙す

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    投稿日: 2011.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    アメリカの大恐慌の流れを追った本。 「暗黒の木曜日」に株価大暴落、というだけのシンプルな流れではなく、様々な人の心理によって動くリアルな市場をここに見ることができる。 バブルが全く認識されていないわけではない。それでも止まらない投機ブームとその崩壊という過程は非常に興味深い。

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    投稿日: 2011.06.21
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    のど元過ぎれば熱さを忘れ、歴史は繰り返される。著者が第9章で述べたことは、近年起きたことを思い起こさせる。

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    投稿日: 2010.09.12
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    『一九九七年版まえがき』 ・最初は値上がりから始まる.株でも不動産でも美術品でも何でもいい.すると世間が注目し,買い手が群がる.買う行為そのものが価格を押し上げ,値上がり期待を現実にする.そしてある日,終わりがやってくる. ・私が言いたいのは,チューリップ・バブルに始まり,この現象は何度と無く繰り返されてきたということだけだ. 『第1章 夢見る投資家』 『第2章 当局の立場』 『第3章 ゴールドマン・サックス登場』 『第4章 夢の終わり』 『第5章 大暴落』 『第6章 事態の悪化』 『第7章 暴落後の日々1』 『第8章 暴落後の日々2』 『第9章 原因と結果』 ・大暴落はそれに先立つ投機ブームの中で育まれるが,なぜあのような狂乱ブームが起きたのかはわかっていない.金利や信用供給があっても投機ブームが起きなかった時代もある.それらより重要な役割を果たしたのは,時代の空気である.楽天的でゆるぎない自信.誰も自分に不利や不正は働かないという信頼.貯金が潤沢.

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    投稿日: 2010.05.05
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    帯には、「バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著。」と書かれています。「あとに」というところが悲しいところで、人はなかなか歴史に学べない。この本で中心的に扱っているのは、大恐慌ではなく、大暴落、つまりウォール街で何が起こったのか、です。1929年の大暴落は、どのような背景の下に、どのような経緯を辿って起こったのか。感情論を排した観点から、克明に歴史を追っていきます。 目次: -夢見る投資家 -当局の立場 -ゴールドマン・サックス登場 -夢の終わり -大暴落 -事態の悪化 -暴落後の日々1 -暴落後の日々2 -原因と結果 鋭い考察が随所に織り込まれています。大暴落、大恐慌がなぜ起きたのか、それは再び起こるのか、という分析は最終章で扱われていて、定説とその妥当性が分析されています。

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    投稿日: 2010.04.10
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    おすすめ度:90点 1954年初版。 帯には「バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著。」とあります。 崩壊劇を活写。一気に読めました。 現在とデジャブ。 登場人物の当時の投資信託が現代のヘッジファンド。レバレッジを効かしていたことも同じ。 当初は強気一辺倒の学者やマスコミ、楽観的な発言が多かったことや時間軸が非常に似かよっていることにも驚きです。 何ら決定できない頻繁に開かれる重要そうな会議は、現在のG7,G20に重ねられるのでしょうか。 今も昔も変わらぬことがわかります。 今日まで、その経緯とチャートが相似形。 変わっていることは、バーナンキを始めとするFRBの対応の迅速さ。 新興国をも巻き込んだ国際経済の拡がりと各国の協調体制。 大暴落後に大恐慌へ突き進んでいった理由も明確。所得格差が生じていたということ。 金融危機をきっかけとして、実経済に徐々に影響を及ぼしつつある今、我々は大恐慌への道を歩んでいるのか。 1929年の大暴落よりもむしろ、その後の方が数倍もはるかに大きい暴落であったという事実。 とすると、2009年以降にも2008年に起こった大暴落の数倍大きい大暴落が、我々を待ち受けていることになります。

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    投稿日: 2010.01.31
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    大恐慌について、深く述べられた本です。 金融危機の現在、どうするか、どうなるのかを考えさせられます。 おすすめ。

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    投稿日: 2009.06.22
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    わりと有名な、世界大恐慌についての本。 あの恐慌の当時、人々はどう考え、どう行動し、そして崩れていったのかをきちんと書いています。 なんでもこの本、不況になるたびに売れるらしくって本屋に平積みしてありました。 まあ自分もそれに釣られて買っちゃったわけですが、読んでみて納得。これを今読むことには十分な意味があると思います。 なんせこの本に書かれた状況が、今起こってることとそっくりだもの。 わけもわからないまま暴落する株価。ひたすら「実体経済に影響はない」といい続ける専門家。必死に買い支えようとする銀行。etcxetc...。 当時とは色々な条件が違う、と専門家は言いますし、確かに同じなわけないんですけど結果起こってる事態にはかなりの共通点があります。 ここからどうなるのか、それはまだわからないですけど、少なくともこれ読んで過去に学んでみるのも悪くはないんじゃないでしょうか。

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    投稿日: 2009.02.01
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    1929年の大恐慌の時に証券市場で何が起こっていたかを検証した本。証券バブルの発生とそれを止めようとしない/止められない当局の姿など、90年代のバブル崩壊や今回の金融危機との共通項を見つけるのはたやすいけれど、何よりも帯に書かれている「株価暴落のあとに読まれる」という一文が全てを物語っているのではないかと。この本は株価暴落の「前に」読まないと何の意味もないのですよ!コトが起こったあとにようやく「これって1929年のアレに似てない?」とこういう本を読んでしまうということが、つまりは、僕たちが歴史から何も学んでいないということを学ぶことなのではないかと。

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    投稿日: 2009.01.14
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    1929年の大暴落前の楽観論が徐々に悲観的に変わるまでの世の中の声を丁寧に記載していて、読みやすい一冊。前回の大暴落は、株価が3年間下がり続け、生産指標が暴落前にもどるのに10年かかったようで、それをどこか頭の片隅におきたい。

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    投稿日: 2009.01.08
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    会社型投資信託のブーム、レバレッジ効果、バブル紳士の跋扈、動きの鈍いFRB…。今も昔も変わらない人間の織り成すバブル崩壊劇を活写した、異端の経済学者による恐慌論の名著。(TRC MARCより)

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    投稿日: 2008.12.26
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    高校生の頃にも一度読んだ本。翻訳が絶版になっていたので、ペーパーバック版をつん読にしていたが、日経BPクラシックとして再版になったようだ。FRBによる低金利政策や続々とIPOする怪しい企業、投資信託ブームなど、いつの世も同じだなぁと痛感させられる。バブルはimmunizing effect を持つので、しばらくは再発しないが、何年か経つと繰り返される。29年の暴落がその後、大恐慌として長く影響を残すことになった理由についても考察が行なわれている。大きな理由の一つとして格差問題が挙げられている。当時は格差が大きく、株価暴落による資産効果へのインパクトを通じて富裕層に与えたダメージが大きかったことがその後の経済低迷を招いたとしている。本書が書かれた当時('54) は、格差も小さくなっており、仮に、今('54)株価が暴落しても大恐慌のようなことにはならないだろう、という見通しは、今回の金融危機を考える上でちょっと怖い。■ like all booms, it had to end.■ It is another feature of the speculative mood that, as time passes, the tendency to look beyond the simple fact of increasing values to the reason on which it depends greatly diminishes.■ Stock prices have reached what looks like a permanently high plateau (Irving Fisher)

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    投稿日: 2008.12.21
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    この本、実は1955年に出版! バブル崩壊、株価暴落のあとに必ず読まれる、恐慌論の名著。 1929年の大暴落、その後の世界恐慌につながるアメリカの バブル当時の話が、客観的に描かれている。 世界が金融危機で揺れている今、将来は予測可能ですか?

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    投稿日: 2008.12.18
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    構成は散漫でわかりくい感じがするが、投資信託(といっても日本のそれとは違い、J−REITなどの投資法人に近い)によるレバレッジがバブルを加速させ、それの破裂により市場が壊滅した状況は、今回のサブプライムに端を発した現在の状況とよく似ている。 著者はその後の大恐慌は、世間の無気力がそれを深化させたと語っているが、今回の状況を解決するにあたり人類は歴史に学んだ行動を取れるのだろうか。これは、時が経たないとわからない...、が速く立ち直ってくれないと。 最後に、Sir. John Templetonの有名な言葉を個人的に書きたくなった。 Bull Markets are Born on Pessimism Grow on Skepticism Mature on Optimism and Die on Euphoria

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    投稿日: 2008.11.29