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ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた
ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた
斎藤幸平/KADOKAWA
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総合評価

74件)
4.0
19
30
16
3
0
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    YouTuber的な、やってみたシリーズっぽい軽い装いだが、行ってみた、やってみた、からなんなのだ、がしっかり入っていて読み応えがある。 2022年発刊で前半はコロナ下の記録としても読めた。たった3年前なのにもう遠いところに来てしまっている感じがする。コロナ以後の世界の変容をくっきり感じた。 行動する思索家としての著者の素の感じが見えて面白かった。水俣や福島などの話はもっと掘り下げて聞きたかった。

    7
    投稿日: 2025.10.30
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    流し読み。 社会における加害者であると同時に被害者でもある「共事者」として、他者への想像と学びによって声をあげるきっかけに。各章は社会課題を広く浅く見てきたよ、という経験談。

    0
    投稿日: 2025.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    哲学者の斎藤幸平氏の本。 普段机に向かって仕事をしてる中、様々な社会問題に関する連載で現場を見に行く機会が与えられ…とのこと。 私達は殆どのことを、現場や実情を知らずに(または真偽さえ分からず)SNSなどで無責任に論じ、他者を批判し、正義を振りかざす。胡散臭く知ったような事を論じている時に「はて、本当にそうなのか?」とふと考える。 この本は幾つかの社会問題について、著者が現場に赴いたり、実践してみたりしたフィールドワークの記録です。 例えば、福島の原発のこと。水俣病のこと、ウーバーの配達のこと、プラスチックゴミのこと。 様々な社会問題は、表面的にはニュースや学校で習う。「大変だね」「解決して良かった」「環境にやさしい生活をしよう!」などと感想を述べて消化されていたが、当事者たちは終わらない問題に取り組み続けていることを知ったし、遠くで起きた事件も他人事ではないということを知る。 知るとそこに沢山の人達が見えてくる。ニュースで扱われない問題の分厚さがある。 全ての問題に関われるわけではないけれど、全ての問題は知ることからしか進まないのだと思いました。

    1
    投稿日: 2025.06.29
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    将来はユーチューバーかウーバーか。配達中に捻挫し過疎となり山は自然に帰る。シカと格闘もし、まだ終わらない水俣で涙した――資本主義の限界がにじむ。効率と利益優先の社会で命や暮らしは後回しにされがちだ。氏は現場に身を置き『資本論』を手がかりに持続可能な社会の姿を模索する。マルクスは資本の暴走を見抜き人間らしい生を取り戻す可能性を示した。社会問題の「現場」には壊れゆく今と変えうる未来が同時に息づいている。

    0
    投稿日: 2025.06.02
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    あの「人新世の「資本論」」の斎藤さんがウーバーイーツを?あつ森を?と好奇心に駆られて手に取ってみた一冊。 1つひとつの事象に対する捉え方は斎藤さんならでは。 同じ日本で暮らす人たちがさまざまな物事に取り組んでいることを斎藤さんのフィルターを通して知ることができた。 無知・無関心という安全圏から一歩踏み出すこと、これをきっかけに、まずはそこから始めたい。

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    今年もよろしくお願いします。 「人新世の資本論」の著者であり、思想研究の 学者でもある斉藤氏の体験エッセイです。 その内容はもちろん遊びではなく、ウーバーワ ーカーになったり、昆虫食や培養肉の研究を見 に行ったりと、とにかく「現場」を訪れて「体 験」しています。 「当事者でもない人間が物見遊山的に行って何 が分かるのだ」と言ってしまうと思考停止に陥 ります。 「当事者」ではないものの「事を共有する」と いうユルい関わりに根差した「共有者」という 立場でもいいので、関わりを持つということは 大切なのだと知る一冊です。

    1
    投稿日: 2025.01.03
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    短編のフィールドワークがかかれている。 性教育、アイヌ、水俣、男性メイク、古着、化石燃料クリーンエネルギーなど、 現代人が付き合っていかなければいけない話がわかりやすく書いてある。読みやすいので軽く触れるにはよい。 最初の一冊にすると良い。

    8
    投稿日: 2024.12.20
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    ウーバーイーツ、テレワーク、タテカン、あつ森、男性メイク、電力、昆虫食、脱プラスチック、培養肉、エコファッション、水俣病、震災、アイヌ、、 私にとっても「気になる」ことがいくつも取り上げられていて興味深く読みました。 「傷ついた人が心を癒すことのできる社会」を作るためにできることは何かを考える、貴重な機会になりました。

    0
    投稿日: 2024.12.19
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    人新世の資本論の著者と知らずに読んだ。この新書を読んでみようと思った。アイヌの施設も知らなかったので機会を見つけて訪問したい

    1
    投稿日: 2024.11.24
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    仕事に関する本以外はほぼ小説しか読まない私が、推しが心に響いたと紹介していたので読んでみた。推しの紹介でない限り自分からは読まない本だったので世界が広がる。 自分がいかに無知…というよりも無関心だったかを知る本だった。そして、無知より無関心の方が罪深い。 特に洋服のリサイクルの話、外国人労働者の話は、自分が恥ずかしくなった。 最近、編み物にハマっている。少し奮発して買った毛糸で時間をかけて編んだ服は簡単には捨てられない。リサイクルすれば良いではなく、リサイクルしないことこそが気候変動に良いのだという話に納得。 小説のようなエンタメ性ではなく、知的好奇心をくすぐる読書も楽しい、そして世界を広げる、と実感した本だった。

    7
    投稿日: 2024.11.24
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    著者は、資本主義が生み出す貧困や環境破壊に対する怒りがあり、それ以外のジェンダーや人種差別などの問題と複雑に絡み合っている、こうした社会問題を学ぼうというのが現場へ出かけた経緯であると言う。 自然環境、水道、電力などの社会的インフラ、教育、文化などを社会的共通資本として、脱商品化すること、傷ついた人が心を癒やすことのできる社会を目指して何かをしたいという考えに共感した。頑張っていこうとする人と共に歩く共事者でありたいと思う。

    3
    投稿日: 2024.10.24
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    学者は、もっと現場で学ばなければいけない、ということで、人新世の資本論で有名な著者が、全国の社会問題の現場を訪ねて、見たこと聞いたこと、時に体験したことを文章化したもの。 表題はかなりキャッチーなコピー、だから、本人は真剣に論じてるのだろうけど、リアクション芸人と化してるように思えてしまった。 とはいえ、著名人が人々の関心を惹いてくれて、知らしめてくれて、考えさせてくれるような本書の試みは大事。頑張れ!斎藤先生。 まるで人ごとな声援ですみません。 ウーバーイーツ、テレワーク、林業、五輪問題、男性メイク、性教育から、気候変動、外国人差別、水俣病、部落差別、被災地、アイヌと多岐にわたってのルポになってる。 ぜひ、一読してもらいたい一冊ではある。

    0
    投稿日: 2024.10.05
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    一つ一つの記事も興味深いが、「あとがきに代えて」が特によい。思想家が現場を訪れて思うところ述べ、今後の自身のあり方を語るという構成から、大江健三郎の『ヒロシマノート』を思い出してしまったが、作家である大江の高揚感とは対称的に、研究者として現場に関わることへの様々な視点からの自戒ぶりが印象的だった。それにしても話を上手にまとめるものだなぁ、と思った。

    1
    投稿日: 2024.09.20
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    装丁とタイトルから得る印象で、一旦は読むのをやめようと思ったこともあったのだけれど、今回通読してみて、特に後書きは結構硬質の社会学というような本だったように思う。 一見良いように思えるやり方が、よくない影響よくない結果をもたらしてしまう事例をいくつも現場で時には実践しながら考察しているのだが一つ一つのテーマが、目にしたこと耳にしたことはあっても見なかったもの目を背けていたもの、そして言葉は聞いたことがあっても内容を知らなかったものなので、さて、これらを知った自分が何をできるのか?著者はいろいろな言葉と知識で示してくれているように思えるが、まだまだ腑に落として自分の衝動として思えていないためなのか、読み終えた今もまだ少しピンときていない。例えば1年後この記録を読んだ時何を思うのか何をしているのか… 重荷に感じてしまうのか、どうなのか…

    1
    投稿日: 2024.08.08
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    タテカンも文化。確かに。百万遍から消えてるとは…「ちっぽけな自由の問題だって、大きな自由の問題につながっているのだ」Eテレで見て手にしたが、なるほど。分岐点に生きる人間として考えさせられる事ばかり。想像力欠乏症から回復するためにも「学び捨て、学び続けたい」が困難な道だ。少なくとも「成長神話」からは脱しよう。

    2
    投稿日: 2024.06.11
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    ホットなテーマばかりで興味深く読みました。 よい世界にしていきたいなー。 斎藤さんが書いているように、拙くても無様でも、自分の思っていることを表現することはとても大切だと思う。 最近の若い子は、自分の子もそうだけど、自分の意見や考えを顔出しではなかなか言わないけど、おばさんとしては恐れずに口に出していきたいなと思っている。

    1
    投稿日: 2024.05.18
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    新聞だから、雑誌だか、連載を行なっていたものの書籍化。書籍化に合わせて少しでも入れられているとのこと。コロナで外出などに抑制がかかっていた時の記事もあるようで、取材にも行けない中で脱プラ生活を試してみるなど、興味深い試みも行ったりしている。ひとつのテーマに絞られていないのでライトに読めて良い。捨てないことが最もサスティナブル。当たり前だけどなかなかできていない。

    0
    投稿日: 2024.05.14
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    「大義で見えなくなる物」 人新世の資本論を読んでいる頃、斎藤幸平先生が義母の友達のご子息であったと知り驚いた(つながり薄すぎ) 思想的にマジョリティーではないからSNSなどで叩かれることもある先生ではあるが、研究室に閉じこもらず矛盾の集中する現場に飛び出しで「実践」を行っていくのは個人的には好感を持っている。 入り口はyoutubeなんかと親和性が高そうだが(フードデリバリーしたり、虫食ったり)主題は深遠だった。 「共時者」の概念は響いた。虐げられた人たちの苦しみを「そんなこと知らない」と片付けてしまうのは簡単だけれど、あえてそうしない人が増えると、競争して勝つという「当たり前の」世界が変わりうるのかなと思った。

    15
    投稿日: 2024.05.10
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    筆者がフィールドワークを通じて学び、感じ、時に新たな問題点を見つけては切ない思いをしたことを書いたレポート。そう、本と言うよりは、レポートです。とても軽快な言葉で綴られた、レポート。 とはいえ内容は軽くはなく、斎藤さんは案件ごとに真摯に向かい合われてますし、そこからご自身が感じたことを非常に平易な言葉で表現されている、という話で、◯◯論とか◯◯学とか専門的なことを知らなくても十分に学びのある一冊です。 ただし、平易であるがゆえにあまり深掘りはしておらず、さらっと読むとあまり印象に残らないかも。あまり身近ではない(日常生活とは関わってこない)件についても色々触れているので、読んで何かひっかかるものがあったら、自身で調べたり、深く考えたりすると、この本が生きるんじゃないかなと思います。

    1
    投稿日: 2024.05.06
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    マルクス研究者の斎藤幸平さんが現場で学ぶに年間の話。「理論の重要性を信じ、理論と実践とは対立しないからこそ、私のほうがもっと実践から学ばなければいけない」と冒頭で話していたが、現場での小さな未来への萌芽を垣間見て希望を抱き、自分や社会の中にある新しい問題点を見た。面白かった。 新しく知った知識 コオロギは飼料効率(与える餌と得られる量の関係)が実は高い 気になった団体、人 ネクストグリーン但馬 RE-SOCIAL  鹿肉の会社 水俣市

    2
    投稿日: 2024.05.02
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     人新世の資本論で著名な社会学者のフィールドワーク。  ギグワークというライフスタイルを検証すべく、ウーバーイーツをやってみる。  はたまた、気候変動の調査に有害鳥獣駆除の現場を見に行ったり、  差別とは何かを考え水俣へ。  体験したことは日数が短い。  しかし、この体験を伝えようと本書に記す。  資本主義は全てのモノの価値を値段で数値化することだ。  その資本主義に対する懐疑的な目を養うには、モノを見て聞くことが重要だ。

    1
    投稿日: 2024.02.28
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    100分で名著で知ってわかりやすくていいな〜と思って人新世の資本論買ったものの積読 こっちのタイトルならシュッと読めるかもと思って買った、シュッと読めた 読みやすいし、自らフィールドワークするっていうのはアグレッシブでいい取り組みと思う反面、最初のUber回からなんとなく違和感というかバッドランズに出てきたドヤ街を盗撮する大学生とこの活動はどこで線引きされるんだろう、とモヤモヤも残りながら読み進める Uber初出勤!とLINEで報告とか「おいしいコオロギ」を撞着語法とか、そこはかとない他人事感というか「通常こんなとこには来ませんが、社会科見学です」みたいな雰囲気を感じてしまった ただ、後書きの研究者の暴力性で、この人はそういった批判も承知で発信をしてるのか、と 水俣は自分のゼミ課題でもあったが、風力発電機計画などまったく知らなかった、当時ですら重すぎてのめり込めなかった自分を思い出す。 社会問題に対して全身全霊を注げるかと言われると無理と答えるしかない、でも世界は0か100ではないのだよな、と思い直した 向き合うのにはしんどいが、でも無理のない範囲で関わりを持ち続けるというのだったら そう思うと自分自身でハードルを高くしていただけだったのかもしれない 大学以来行けてないけど炊き出しとか行ってみようかなあ

    2
    投稿日: 2024.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一つ一つの章が短いので、不勉強な分野は理解が進まないが、備忘録としてふたつ。 自らの偏見の源泉は、自分の苦しみのせいかもしれないということ。資本主義社会でお金を稼ぐため、家族や健康を犠牲にして働き続ける社会のマジョリティが、「我慢だらけの人生のせいで、頑張ってないように見える人たちを許せなくなるのでは」。 大切なのは誤りを認め、学ぶこと。それを避けて同質的な正しさの世界に閉じこもれば、内向きになり、排他的になる。現場で他者に出会い、自らの問題に向き合い、学び捨てることが新たな価値観を作り出すことにつながる。

    1
    投稿日: 2024.01.30
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    思ったより面白くなかった。 思ったより「学ぶ系」の本。勉強にはなると思う。 著者の姿勢は良いのだけど、胸を打つものはない。 ただ学ばせる、知らせるだけの本になってると思う。

    0
    投稿日: 2024.01.30
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    人新世の資本論の著者だったとは。まだそちらは読んでいないが、この本の内容から斎藤さんには十分に興味を持てた。 ちょっと現場に行ったくらいで全てを知ってるという顔はもちろんできないと思うが何も知らないから何も言わないは決して良いことではないと思う。 知ったかぶりをしない、排他的にならないというのは心がけたい。

    3
    投稿日: 2024.01.02
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    一つの問題や正義に固執し、他の問題や自分の加害性に目を瞑るなら、それは共時者と言う視点から不十分なものである。共時者は様々な問題とのインターセクショナルティー(交差性)を見出し、様々な違いや矛盾を超えて、社会変革の大きな力として結集するための実践的態度が必要。当事者では無いことや中途半端な関わりを非難し合うのではなく、より大きな視点で連帯しなければならない。 家にこもらずに他者に出会うこと。現場で他者と出会い、問題に向き合って、新しい人々とのつながりを生み、新しい価値観を作り出すこと。 こう語り、斎藤幸平は本著で様々な現場に赴く。正直、近年珍しい真っ当な左派ながら、草の根運動だけでは何も変わらないだろうと諦念するが、胸を打たれる。ウーバーイーツに自ら挑戦し、京大では生徒とともに禁止されたタテカンを作る。男性メイクにチャレンジしたり、脱プラ生活にトライ、昆虫食も試す。水俣病の現場を訪問し、部落解放同盟とも交流する。 新たなイデオロギーを思い描きながら自らの生活から資本主義的なものを切り離せない事実に悩む等身大のマルクス主義者は、時にコミカルでさえある。斎藤幸平は、まるで、我々に微かに残る地球保全に対する良心の象徴、いや、妖精みたいな存在なのだ。そのもどかしさや矛盾こそ、今の我々が抱えるリアルだからだろう。誰しも、くだらないマウント合戦をやめたがっている。しかし、一斉にやめないと取り返しが付かない競争弱者になることも分かっている。せいぜい、ウーバーで捻挫する位が、関の山という事だ。でも、いつかはそこを打開したいと夢想する。それを仮託した存在が斎藤幸平氏だという気がしている。

    32
    投稿日: 2023.12.17
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    単独の本としての評価は正直、エッセーでしかないけれどこの本を書いた後の斎藤さんがどういうことを考えるのかなとか、彼が言っていた「コモン」ってこういうことかというのを体感するという意味では読んでよかった

    1
    投稿日: 2023.12.15
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    社会学者の先生が資本主義を現場で体験する話だが…… 統一的な見解もなく、目新しい意見もなく、面白い体験でもなく。おじさんの日記を見ているような。 つまらなくはないけど、ふーん、という感じ。

    1
    投稿日: 2023.11.30
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    現実の社会の問題がなかなか、その当事者の声まで聞けないものだ。実践する哲学者の筆者は等身大でそれを考えさせてくれる。」

    1
    投稿日: 2023.11.27
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    初めてこの作者の本を読んだ。 日本にはたくさんの問題があることに改めて気づかされた。全て解決する道はまだまだ遠い。読んでいて気持ちが暗くなるような部分もあったけれど、自分も知るというところから、一歩ずつ色々なことの理解を深めたい。自分には何ができるだろうか。この問いは生きている限り絶対に放棄したくない。そう思わされる、考えさせられる本だった。

    7
    投稿日: 2023.11.17
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    タイトルに惹かれて読みました。 自分の身近で捉えやすい話題から、現実的にすぐ解決できないような根深い問題まで、幅広く扱っていて興味深かったです。 事前に予習をし、自分の足で現地に行き、取材をする。現地の言葉を代弁されることで、情報を受け取る読者はその事柄についてリアルに感じられる。そこから学び、新しい人との繋がりや価値観を作り出すことが、これからの社会をより生きやすいものに変えていくきっかけになるのだと思います。

    1
    投稿日: 2023.10.26
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    タイトルに惹かれて読んでみた。新聞での連載をまとめた本だとは知らず、興味を惹かれもっと知りたいと思うトピックはあったものの、一つ一つのページ数は少なく内容は薄かった。その中で関心を持ったもの、面白かったものは以下。 ・あつまれどうぶつの森をやってみた話 ・東京五輪のための国立競技場建て替えに伴う都営アパート移転の話(「東京オリンピック2017都営霞ヶ丘アパート」というドキュメンタリー映画があるようで見てみたい) ・今も続いている水俣病問題 ・アイヌの施設ウポポイと慰霊施設 上記の関連図書・映像作品や著者の他の本を読んでみるのが良いのかも。

    4
    投稿日: 2023.10.04
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    表紙がかわいい。 《大切なのは誤りを認め、学ぶことだ。それを避けて同室的な正しさの世界に閉じこもれば、内向きになり、排他的になる。》218ページ

    0
    投稿日: 2023.09.25
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    新聞の連載とは知らずに読んだ。読みやすく砕けた文章だけど短いので深掘りされている訳ではなく全てサラッと終わるのであまり印象に残らない

    0
    投稿日: 2023.09.23
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    もういい歳だし、世の中のことをちゃんと知りたいと思って手に取った。 とても読みやすく、分かりやすかった。こういった本の中には、何となくテーマに沿って綺麗にまとめて終わりというものもあるが、この本は違った。著者の斎藤幸平さんが、自分はどう感じたかを正確にまとめてくださっていることにとても好感を持った。 他の著書も読んでみたい!

    1
    投稿日: 2023.09.21
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    新聞連載時には写真があったのかもしれませんが、斎藤幸平先生の韓流メイク、見たかった(笑)。 エコファッションでとりあげられていたミナペルホネンの話と、脱プラ生活にチャレンジするエピソードが印象的でした。 あと、ウポポイで「観光アイヌ」というワードが脳裏をよぎったという感想も。北海道民ですが、ウポポイの運営とか、この先大丈夫かしら…と心配していたので、斎藤先生の厳しく率直な意見をお聞きできて良かったです。

    1
    投稿日: 2023.08.26
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    社会出てなくないですか? と言うのが最初に持った感想でした。 一つ一つの内容はいつも通りで、議論内容や展開の質はとても良いと感じるのですが、型通りという印象と、社会に出て創意工夫をする中で見えてきたものという期待を裏切られた感覚があり少し寂しく思いました。ところどころに、これまでのご自身に向けての意見を気にされているようにみえる繊細さを見せているだけに、コロナという状況もあって難しかったのかもしれませんがまたチャレンジしてもらいたいなと個人的には思いました。毎日新聞と筆者周辺の活動を、界隈のスター学者が紹介するよ、という感じに落ち着いてしまったように思えてしまいました。 ある一定期間苦境に埋没し、創意工夫する中で特化していくことが、自分で体験したときに包括されたと感じるのか聞いてみたいです。この本だと、多忙なのでしょうがないと思うのですが、結構入り口で挫折してるように読めてしまいました。 どうぶつの森について語るあたりは一種の天才的な輝きと最高にノっている感じが文章に出ており、ここだけでも読む価値あります。 笑顔になれます。

    1
    投稿日: 2023.08.23
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    大学の先生が感覚や印象でモノ言うのではなく、実際に経験した上での感想や考えをまとめたエッセイ。 目からウロコは『レッツ!脱プラ生活』。レジ袋の有料化は単に経費の転嫁だとは思っていだが、本当に生活の隅々まで入り込んでいて脱プラがいかに難しい、時間も費用もかかるとは。 ビッグモーターの事件やこの夏の気候変動の様子を見るに、資本経済云々の難しい話はともかく、自分の会社や国、この瞬間の利益だけを考えず、地球規模でまった無しの対策を取らねば、結局どんどん貧しく になって行くのではないか。

    1
    投稿日: 2023.08.03
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    新聞の連載。現地、体験をテーマにした連載がコロナで苦戦したようだが、ご自身の影響力を前向きに使ってらっしゃるのは素敵だなと思う。アイヌの項目がとても興味深かった。 読みやすいので、この方のお話で最初に読んでも良いかもしれない。 体験する、学び捨てる、批判を覚悟で、当事者のみしか発言できない空気を思考停止と書くあたり、素敵です。たしかに、自分は発言に値しない立場なのでと賢く逃げることは容易いので。

    0
    投稿日: 2023.08.02
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    ウーバーイーツやあつ森、男性メイクなどの卑近なテーマも取り入れながら、くだけた平易な文章で、現在の日本の資本主義的側面の矛盾を記述している。 いわゆる弱者や被差別者、マイノリティやその支援者と対話や活動の体験を通じて、論理的ではなく感情的な言葉を発しているのが、好感を持った。 研究者としてリアルな社会問題とどのように向き合って振る舞うのか、著者の試行錯誤の跡がよくみてとれる。 まだまだお若い斎藤幸平さん、 彼のような若い人が、今後も多くの理論や現場を学び、それを発信していってほしい。そういう活動を応援したいと思う。 また自分自身も、傍観者、読者からもう一歩だけ足を動かして、よりよい生活、社会の行動者になろうと思った。

    2
    投稿日: 2023.07.11
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    『人新世の「資本論」』で新書大賞2021を受賞した著者の、毎日新聞での連載をまとめた一書。 1万部売れればベストセラーと言われるなか、50万部以上を売り上げている。 多くの人が、彼の論考に注目している。 なぜか。 みんな、このままでいいなんて思っていないからだ。 戦争。 紛争。 パンデミック。 気候変動。 格差拡大。 なんとかしたいと思っているからだ。 著者はコロナ禍の真っ最中に、現場に足を運んでいく。 外出すら出来ないときは、家庭でできることに取り組んでいった。 知恵は現場にあり 自身をアップデートし続け、 学び続ける人は謙虚だ。 批判するだけでなく、懸命に、今、これからできることを探していく。 涙を流しながら、泥まみれになって。 温かさ。 ぬくもり。 知ろうとする努力。 学び続け、それを捨て続ける勇気。 「事を共にする」共事者として 「ないものねだり」ではなく「あるものさがし」をしよう。 「シンクグローバリー アクトローカリー」(アメリカの最近学者ルネ・デュポス)との言葉を思い出す。 無力感に陥る前に、今できることをやっていこう。 心の深いところで、静かに、そして強く決めた。 <本書から> 原発事故から10年たっても、近代化の呪いの前に停滞を続ける日本にあって必要なのは、思考の枠組みを変えることであり、それが思想の役割だと信じている。 無論、それは机上だけでは生まれない。現場に行き、埋もれた伝統や文化を掘り起こし、新しい価値として提示する作業の重要性は増している。 (P186 福島・いわきで自分を見つめる 「共事者」として) もちろん、私やあなたの苦しみは、アイヌの人たちと同程度の苦しみや葛藤ではないかもしれない。 けれども「自分の苦しみは大したことない」、「もっと辛い人がいる」とみんなが我慢したせいで、日本は「沈黙する社会」になってしまったと石原さんは言う。 だとすれば、自分を大切にするために、自らの感情に言葉を与えることは、この誰もが「わきまえている」社会において、他者と連帯するための一歩なのである。 (P194 特別回 アイヌの今 感情に言葉を) この「想像力欠乏症」を、佐藤千矢子は「オッサン」の病理として批判している。  「男性優位がデフォルト(あらかじめ設定された標準の状態)の社会で、そうした社会に対する現状維持を意識的にも無意識のうちにも望むあまりに、想像力欠乏症に陥っている。そんな状態や人たちを私は『オッサン』と呼びたい」。 耳が痛い。今のシステムが行き詰まっているとすれば、その解決策は特権集団以外の場所に見出す必要があるということだ。 (P209 学び、変わる 未来のために あとがきに代えて) だから、一つの問題に固執し、他の問題や自分の加害性に目を瞑るなら、それは共事者という視点からは不十分なものである。 共事者は、むしろさまざまな問題とのインターセクショナリティ(交差性)を見出し、さまざまな違いや矛盾を超えて、社会変革への大きな力として結集するための実践的態度なのだ。 (P217 学び、変わる 未来のために あとがきに代えて)

    5
    投稿日: 2023.07.01
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    経済学を究めるためには、実体験を通じた社会のリアルを紐解く必要があるだろうが、それでは社会経済の断片しか捉えられない限界にぶち当たる。著者はその事を知りながら、敢えてトライしているように見える。その断片から見える全体の考察が経済学の真髄なのかもしれない。 多くの取材が関西圏で頑張る人達という点も面白い。一つ一つの取り組みは些細であり、社会を大きく変えるものではないが、確実に経済を動かしている。そう、自分もその一人だと確認できる。 マイノリティに焦点を当て過ぎると、社会の偏った見方になる事には注意しつつ、参考にしたい。

    1
    投稿日: 2023.06.28
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    動物愛護といっても、害獣に向き合わない訳にはいかない。 SDGs環境負荷に対する良心の免罪符。 結局はリサイクルされないものの方がサステナブル、つまり捨てない。 無限の成長を求める資本主義の限界。 両者のいいとこ取りが個人の努力次第で実現可能であるかのように吹聴する欺瞞。 なんか人間として生きて消費するのが申し訳ない・・・

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    投稿日: 2023.06.19
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    サラッとパンクバンド時代の話しではじまり、環境問題、気候変動、人種差別、貧困問題等を課題とし、実際にあつ森、テレワーク、脱プラ生活などの経験や現地取材で向かい合ったエッセイのように読んでいましたが、後半はそんな他人事のような感じにはなれる余地無しです。 「戦後、高度成長期があったから日本は豊かになったんだ!」と昭和時代を美化する話しをよく聞いたことを思い出しました。 しかし、この本を読むと高度成長期の尻拭いをしないといけない課題が山積みなのが分かりました。 出来事だけはTVやニュース、ネット、チャットGPTでも知ることは簡単ですが、現在進行形の方たちの声はどこを探しても知ることは出来ない。現場に行った斎藤幸平さんから、この本を通じて知ることは、とても貴重なことだと感じました。 わたしも北海道旅行のときは白老も行こうと思います。

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    投稿日: 2023.06.11
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     『人新世の「資本論」」の著者が,毎日新聞に連載した論文を再編集したもの…といえば,「そんなものか」と思うかも知れないが,内容はなかなか濃いのである。  斎藤氏は,実際に現場に赴いて色んな仕事を体験したり,本に書かれていること実践したり,色んな場所で体当たり取材をしたりして学んだことを,短い文章(なにせ,新聞の文化欄に載せるんだから)で,的確に表現してくれている。内容も多岐にわたり,今,日本が変えている問題やらこれからの方向性やらが,明らかにされていくのが気持ちいい。    著者は「学び 変わる 未来のために」と題して長~い「あとがき」を書いている(25ページにもわたる)。その文章は,本書のまとめでもあり,まさに「学び捨てる」ことの大切さを教えてくれる。  当事者ではなく「共事者」(小松理虔さんの造語)という概念は使えそう。また「日本の社会は,人間の「力強さ」や「傷つかない心」を当然のこととしてきた。」(本書207ぺ)という安克昌さんの言葉(斎藤さんが『心の傷を癒やすということ』より引用している)は,教育現場で日々感じていたことと一致して心が締め付けられる。  問題を見えなくしているのはだれか,気づかないふりをしている自分がそこにいるのではないか。いろんなことを考えさせられた著作だった。  そうそう,大量の風力発電建設計画のはなしは,わたしの住んでいる能登半島でも持ち上がった。一時はなんと100基も計画されていたが,今のところ撤退した会社もあるらしい。能登でも,環境問題に関心を持っている人たちが,賛成・反対に分かれていたっけなあ。

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    投稿日: 2023.05.29
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    経済思想家の著者が自ら現場を体験し、なにを感じどう考えたのかを教えてくれる。自分で体験せずに知れるのだから、これは読まねば! #ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた #斎藤幸平 22/11/2出版 #読書好きな人と繋がりたい #読書 #本好き #読みたい本 https://amzn.to/3piRxNB

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    投稿日: 2023.05.06
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    現場に行って実際に体験する、もしくは、体験したことのある人の話を聞く、というのはとても大切なことだと思う。 普段普通に生活しているだけだと、自分の身の回り以外の場所で起きていることに意識を向けることはなかなかできないけれど、できるだけアンテナを広く張ってたくさんの情報を吸収し、世界をもっとより良いものに変えるために自分にもできることを少しずつ実行していきたい。

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    投稿日: 2023.05.01
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    当事者ではないから発言しないというのは、配慮に見えて思考放棄。思考停止しても気にせず傷つかず生きていけるのがマジョリティの特権。といのを肝に銘じよう。「共事者」として考える。なるほど。

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    投稿日: 2023.04.27
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    『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』 2023年4月17日読了 『人新世の「資本論」』の著者である斎藤幸平氏の著作。 著者が興味をもった事柄について、取材に行ったり実際に参加してみたり、現場に足を運び、そこで見聞きし感じたことがつづられている。 『人新世の「資本論」』では、人類が目指すべき方向性や概要がいわば「理論」として展開されていた。こちらも大変興味深く読ませていただいたが、あまりにも現代社会から飛躍した理論であるがために、「果たして実践可能なのか?」「理論の実践のためには、具体的にどうしたらよいのか?」という疑問が大きかった。 一方の本書は、実際に日本で活動している団体や企業への取材や、筆者が実践経験した記録がもととなっている。一つ一つの活動は、斎藤氏が『人新世の「資本論」』で掲げられた理論と比べても、かなり小さいものではある。しかし、地に足のついた確実な活動であり、これらを継続し広げていく意義は大きいと感じた。 これらの活動の中には「脱プラ生活」「昆虫食」「培養肉」など、賛否両論分かれるものもあった。それらのテーマについては、斎藤氏は常にフラットな視点から論じており、我々が考える余地を残してくれている。(一朝一夕では答えの出ない進行形な問題であるため、というのが大きいとは思うが。) 本書の中で最も心に残ったのは、「私もまたもう一人のチッソであった」という水俣病問題の当事者の一人である緒方氏の言葉だ。自身の父親を水俣病で失った緒方氏が、一方的に責任を問う側にいた己自身も近代のシステムから無縁ではないと。 あとがきにも書かれているが、自分が社会の中で生きているならば、現代の様々な問題に対し、常に共にある「共事者」であるともいえよう。 なんでもサービスとみなし、問題が発生すれば解決するために尽力するわけでもなく、さらにはクレームをつける。わたしたちはサービスを受けるだけの「顧客」「観客」になっている部分があまりにも大きい。これでは「共事者」にはなり得ないだろう。 人びとの繋がりが見えにくくなっている現在、社会というシステムを俯瞰し、一人一人がもっと「自分ごと」として引き受けていかねばならないと強く感じた。 かくいう私も、まだまだ「自分ごと」として引き受けきれていない。 まずは、問題を正しく知ることから始めていきたい。

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    投稿日: 2023.04.25
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    大学時代、マルクス思想の研究に 没頭、資本主義が生み出す貧困や環境破壊に対する怒りからポスト資本主義の可能性を考え続けてきた著者。2000年9月に著した『人新世の「資本論」』で打ち出した「脱成長コミュニズム」が大きな反響を生んだ。 そんな著者が、「理論と実践は対立しない」との考えから、また、「学者は現場を知らない」という印象を払拭したい思いから、2年間、各地の現場に出て勉強し、記録にまとめたのが、本書である。 ウーバーイーツの配達、若者が起業したジビエ業の現場体験、不便と向き合う脱プラ生活など、精力的な実践をユーモアを交えエッセイ風に語る読みやすい構成になっている。 だが、基調にあるのは、環境破壊への危惧、傷ついた人を切り捨てる社会への憤りである。 著者は、エッセンシャルワーカーやグローバルサウスの問題に目を向け、水俣病や被差別部落の現状なども取材する中で、自らを含めたマジョリティの特権集団には、他者の立場を想像するエンパシーやケアの精神が根本的に欠如していると指摘する。 そのことを踏まえ、最後に触れているのが「共事者」という概念。人は誰もが加害者にもなり、被害者にもなる。様々な問題との交差性を見いだし、様々な違いや矛盾を乗り越え結束して「沈黙する社会」に声をあげるようと訴える。 大事なテーマであるが、著者もちらりと本音を出しているように社会変革に乗り出すのは容易ではない。 ラストに示された、現場で他者と出会い、自らの問題に向き合って「学び捨てる」ことで、新しい人とつながり、新しい価値観を作り出すという点には共感を覚えた。それを少しずつ実践することを自分に言い聞かせて、本を閉じた。

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    投稿日: 2023.04.20
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    #ぼくはウーバーで捻挫し山でシカと闘い水俣で泣いた #斎藤幸平 #読了 人新生の資本論は難しくてあきらめたがこちらは読めた。社会問題に対し、現場に行き、人と出会い、目で見て、やってみて感じたことが書いてある。自分も十分にできていませんと語る著者のスタンスが好きだ。

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    投稿日: 2023.04.01
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    気鋭のマルクス主義思想研究者が様々な社会課題の現場に赴き、実践や取材を通して学ぶという新聞の企画を書籍化。とてもよみやすい文章。 理論と実践を架橋しようとする興味深い試みで、タイトルに挙げられたもののほかにも、京大タテカン制作、あつ森、男性メイク、昆虫食、培養肉、脱プラ生活、外国人労働者問題、被差別部落問題、東日本大震災からの復興、アイヌなど、いろんな先端の「現場」を知れて面白かったし、それらの「共事者」でありたいと思った。 一方、「あとがきに代えて」を読む限り、著者はかなりこのことに自覚的で、誠実に現場に向き合おうとしているというのはよくわかるのだが、どうしても高みからの評論感は拭えないかなと感じてしまった。「共事者」たるというのは難しい。また、新聞の企画なので仕方ないとは思うが、いろんな分野をつまみ食いする感じで、1つ1つの内容はちょっと薄く感じるところもあった。

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    投稿日: 2023.03.27
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    本書を通して、小松理虔さんの「共事者」を体現しようと奮闘し、「どのようにして、非当事者としてのマジョリティは現場に関わるべきなのか(215頁)」悩みこそすれ、「共事者」として声をあげる。そのことが、社会運動や住民投票など〈コモン〉の管理を身近に感じ、システムの転換に賛同してくれる人が増えるきっかけになって欲しい。(218頁)と締めくくられました。ひとつの現場の様子は短くまとめざるを得ない事情がありながらも読みやすく、現場に行けという尊敬する先生の言葉を実行し、共事者となる読者の獲得は上手くいったのだと思います。

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    投稿日: 2023.02.25
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    著者がたまにオンラインのコンテンツで見かける方だなあ。という動機で購入。著者が直接話を聞いたり体験したことを、ちょっと聞いたりやっただけで分かったつもりになって良いのかと葛藤しつつ書いていることにとても共感した。 コロナでデジタル化が加速して、何でもオンラインで見聞きして知ったような気になっているが、現場に行き、学び捨てることがとても大事だと感じました。

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    投稿日: 2023.02.23
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    ウーバーの体験やタテカン問題など、割と軽めのものから、水俣病や原発問題など、幅広く体験し学ばれたことが述べられていた。まさに知ることから全ては始まると思った。私もこれを読んで初めて知ったことがあった。東京オリンピックの際の菊池さんへの国の対応は衝撃的だった。ニュースはある意味国民の情報操作で、国が推し出したい一部分しか取り上げていないことを改めて感じたし、自分で精査し正しく知ることが大事だと私は思う。

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    投稿日: 2023.02.20
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    斎藤さんの「現実知ろうとする努力」がすごい。とても読みやすく、今の社会ってどうなの?と考えさせられるような話ばかり。私ももっと視野を広げて、知りたい、学びたいという気持ちを大切にしたいと思った。

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    投稿日: 2023.02.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    著者は同世代であり思想的にも近いものを感じるので、まずは一冊と思い手に取りました。 とても興味深かったです。 今、脱成長に方向転換しないと間違いなく地球はもたないと感じています。お金を生み出すために新しいものを作り続けることが本当に幸せにつながるのか、自分も世界も地球も疲弊する一方に思えてなりません。 市民営の力により、儲けを目的としない、本当に必要なものをみんなで生み出したり使ったりする仕組みが日本の中でも生まれつつあることには驚きました。 脱成長、脱資本主義、地球環境を持続可能なものに...という主張は、一見倹約や我慢ばかり強いるように思えますが、実際の現場を見ると、共同体のつながりの強さや、自分たちで生活していくことへの自負と誇りがあるということを感じます。 もしかしたらお金に支配されるよりも豊かな人生、幸せな人生につながるのかもしれないと思わされるほどです。 また、被差別やマイノリティの現場に関する章に書かれていた、当事者かそうでないかの二分ではなく「共事者」なのだという主張は目から鱗でした。この考え方はすべての学びの基本になると思います。 「共事者」視点をもって共に考えたり話し合ったりすることが、当事者ではないからと他人事になったり思考停止したりすることを防ぐのだという考えにはすごく納得しました。

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    投稿日: 2023.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

     古いもの新しいもの、本当に問題は山積している。さらに、解決しないままに、古い安穏に戻ろうとしている。  新しいアイデアを探せていない。「みんなで」「総力を挙げて」という言葉を言い出す時には、結局何もしない。大きなアクシデントが起こった時に、解決ではなくて、別のおかしなものを無理矢理しのびこませる。  時間がいくら経っても解決しないものはしないのだということを再認識。  

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    投稿日: 2023.02.01
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    ーー現代の問題に向き合うーー そんな途方もないテーマに著者が立ち向かっていく内容です。コロナ渦という状況でありながら、著者が問題の現場に赴き問題の最前線を報告してくれます。 それを聞いた私たちも簡単に問題を解決するための活動をするわけではないのですが、問題について関心を持つことだけでも重要と思いました

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    投稿日: 2023.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人の社会科見学みたいなノリのものから、現代社会が抱える歪みに切り込むようなものまで、社会との向き合い方を考えるきっかけになる本。 大事なことは自分の目で見て、自分で考えることだなぁ、と当たり前のことではあるのですが、改めて実感させられました。

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    投稿日: 2023.01.29
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    あとがきまで読んで、想像力を忘れずに、決して沈黙することなく、一歩ずつでも何かしなければ、と考えました。

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    投稿日: 2023.01.22
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    哲学者が現場に足を運び現場の人と出会い、現場の声を聞き、現場を五感で感じて考えたこと。 面白かったです。

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    投稿日: 2023.01.21
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    理論と実践。 自分でもやってみる、気になる人にインタビューに行く。 これがすべての基礎になるはず。

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    投稿日: 2023.01.06
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    現代社会がケアできていない辺縁や先端を実際に現地に行って取材している。想像力を持てるだけの知識や経験が必要。最終的には社会や自然環境への思いやりやケア、それを楽しむことが大事だなと思った。

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    投稿日: 2023.01.05
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    読みやすいなかで、はっと考えさせる題材がいっぱい詰まっていた。新聞連載の書き下ろしのため、それぞれにやや物足りない、もっと読みたい感もあるけれど、それはこの本の成り立ち上致し方ないのかなと。

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    投稿日: 2023.01.02
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    この著書のタイトルが斎藤幸平さんのイメージと真逆で発売前からマークしていた。 「あの斎藤先生がウーバー?」と半信半疑。 日本一の書店へ立ち寄った際、幸いにも直筆サイン入り本が積まれており迷わず購入。 帰宅し、ビニールを開封するとサインの頁にスタンプも押されていて癒された。 ベストセラーの「人新生の『資本論』」が自分にはあまりにも読解不能で世界レベルだったのに対し、コロナ禍で規制がある中、工夫して現地へ足を運び取材から得た学びを書き下ろし、親近感が湧いたと共にわかりやすかった。 既に読んだ別の本で、斎藤先生は大変フットワークが軽い方だと知り、納得。 現場は大事。斎藤先生は10年以上海外に在住されてた訳だから、色々と吸収されたことも多かったことでしょう。 お目にかかる機会があり、印象が変わったが、この本で更に印象が変わり、2児のお父さん業もしっかりこなしながら執筆されたのもまた別世界で大変だったろうと拝察しました。 今後の日本国内寄りの発刊を期待します。   2022,12,10〜23 6時間4分

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    投稿日: 2022.12.23
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    人新世の資本論がとっても良かったので、エッセイも。 読みやすいのは変わらない。 ただ、本人も書いている通り、実践度合いが薄いのでその分で星4つ。

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    投稿日: 2022.12.21
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    新進気鋭の経済思想家、現場へ行って現場で学ぶ。 uberの配達員になって知るギグワークの孤立、「あつ森」が社会主義の楽園からスターリニズムの地獄に変わるまで、脱プラ生活しようとしたら肉食が増えて却って地球に負荷をかけることになった……そんなちょっと笑ってしまうような実践から、今なお続く水俣病患者の苦しみと水俣で生きようとする人々の誇りや「コロナに勝った象徴」の五輪の陰で住み慣れた住まいを失う人々、「解消した」ことにされつつある部落差別の現状と地域再生への取り組み……等、資本主義の限界を説いてきた筆者が知る日本の笑えない現状とそれを超える取り組みが綴られている。 研究に潜む暴力性に筆者が自覚的であることに非常に好感が持てた。 「学者が現場へ行く」という、ともすれば物見遊山や一方的な断罪になりがちな行為も真摯に向き合う姿勢があれば理論の新たな発展に結びつくという希望が持てた。 同時に我が身を振り返って、自分の特権性にどこまで自覚的になり、言動に反映させることができているのか、考え込まずにはいられなかった。

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    投稿日: 2022.11.27
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    本編自体は著者が様々な社会的課題の現場に足を運び、自分で見聞きし体験した内容に基づくエッセイであり、問題解決のための具体的な理論や思想の類を提示するものではない。が、本編を踏まえて読んだ「あとがきに代えて」がとても良かった。研究者は、 ともすれば現実が見えていない評論家と揶揄され、本編で綴られる実践は一過性の「ウォッシュ」に過ぎないと軽易されかねない。しかしながら、実体験を通じて語られた言葉には蒙が啓かれるものが多くあった。「批判されるリスクは、思考停止を正当化しない。思考停止しても、気にせず、傷つかずに生きていけるということが、マジョリティの特権だからだ」という言葉の意味を咀嚼し、「共事者」としてできることを考えていかないといけない。

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    投稿日: 2022.11.26
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    未来への大分岐で初めて存在を知った斎藤幸平さんだが、過去と未来をつなぐ今を生きることの意味を考えさせられる。

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    投稿日: 2022.11.23
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    斎藤幸平(1987年~)氏は、東大(理科Ⅱ類)中退、米ウェズリアン大学政治経済学部卒、独ベルリン自由大学哲学科修士課程修了、独フンボルト大学哲学科博士課程修了、ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミー客員研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員、大阪市立大学大学院経済学研究科准教授等を経て、東大大学院総合文化研究科准教授。マルクス研究界最高の賞であるドイッチャー記念賞を歴代最年少で受賞(2018年、31歳)。2020年9月に出版された『人新世の「資本論」』は、新書大賞(2021年)を受賞するとともに、昨今の日本における「ポスト資本主義」に関する議論の広まりに大きな影響を与えている。 本書は、毎日新聞で2020年4月~22年3月に連載された「斎藤幸平の分岐点ニッポン」を、補足修正の上、書籍化したもの。 私は、従前より、世界に広がる格差と、その元凶である行き過ぎた資本主義(=新自由主義)に疑問を持っており、ジョセフ・E・スティグリッツ、広井良典、水野和夫、トマ・ピケティほかの多数の著作を読み、その流れで『人新世の「資本論」』も出版時に手に取ったのだが、そこに書かれた「脱成長コミュニズム」、「コモンズ」というコンセプトには大いに共感を覚えている。そして、本書は、斎藤氏が「(学者は)もっと現場から学ぶ必要がある」との問題意識から、日本各地の現場に行って勉強したというもので、興味深く読んだ。 具体的に斎藤氏が体験をしたり、取材をしたテーマは、ウーバーイーツ(の配達)、林業、石炭火力発電所、昆虫食、培養肉、ジビエ業、エコファッション、脱プラ生活、外国人労働者、ミャンマー問題、水俣病問題、同和問題、東日本大震災からの復興、アイヌ等、幅広いが、実際に現場を訪れたのは(コロナ禍による行動制限もあり)1~2日であり、これらの重いテーマを体験・取材として語るには物足りない印象は拭えない。 ただ、そのことについて斎藤氏は十分に自覚的で、それでも発信を続けることが必要であるとしているのだが、それは、様々な社会問題の当事者と非当事者の線引きを突き詰めれば、非当事者(上記のような社会問題について、斎藤氏は非当事者である)は何も語れないことになり、その行き着く先は、マジョリティたる非当事者の考えることの放棄、無関心、忘却に他ならないからである。そして、そのような状況を避けるために、誰もが加害者であり被害者でもある「共事者」として、様々な問題に関わっていくことが大切だというのだ。 末尾には次のようなセンテンスがある。「もちろん、それでも私の研究者としての「語り」には批判されるべき点は色々あるに違いない。ただ、批判されるリスクは、思考停止を正当化しない。思考停止しても、気にせず、傷つかずに生きていけるということが、マジョリティの特権だからだ。変わらなければいけないのは、あくまでも社会の側である。」 現代日本の様々な社会問題について、思考停止にならずに、「共事者」として考えるきっかけを与えてくれる一冊である。 (尚、題名はもう少しセンスのあるものにして欲しかった) (2022年11月了)

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    投稿日: 2022.11.22
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    いつのまにか大阪市立大学から東京大学の准教授になられた斎藤さん。 東大もいい人選をするなと思う。 頭でっかちではなくて、現場に出る研究者ってなかなかいないと思う。 誠実で謙虚、そして自分の拠って立つところを鮮明にして話す公平さもとてもいい。 最終章が非常によかった。これらの現場の経験を総括して自分の考えに収斂させていくのは流石。全ての経験がこのように吸収されるのなら、取材を受けた人も幸せだと思う。 「共事者」という考え方を新たに手に入れ、斎藤さんはこれからも進み続けるだろうな。 「コモン」という概念も、地に足をつけたものになりつつあると思った。 こんな研究者が出るなんて日本も捨てたもんじゃないな。

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    投稿日: 2022.11.17
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    人新世の資本論をエッセーで書いたみたいな作品。読みやすいと思う。本当に危機感を持った人たちがあちこちで活動しているのを知って、心が動かされる。自分にやれることはないか考えるきっかけに。

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    投稿日: 2022.11.15
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    学者である著者が現場をまわってリアルな体験をする本書だが、正直タイトル負けというか、大したことはやってないと感じてしまった。でももちろん自分も行動できていないし、少しでも行動できることはすごいこと。 マイノリティを理解するときに表面上の問題点を理解してそこで止まってしまうことが危険なのはよくわかった。こういう問題もあるからこういう発言・行動は止めよう、までがワンセットになってシステム化されてしまうと、それで分かった気になり思考停止になってしまう。苦しんでいる生身の人間の方の思いは100人いたら100通りなわけで、社会問題とかではなく同じ人間としてちゃんと向き合い共感する、それを少しずつ広げていく、、ということが大事なんだと思った。

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    投稿日: 2022.11.05