
総合評価
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powered by ブクログ猫が出てくる短編集。 人間を癒して再生させてくれる猫ちゃんに メロメロになりながら読み進めました。 一話目の 父の嗚咽から心を掴まれ、 2話目の 茶太郎みたいな魔法遣いな猫、うちにも来てくれないかしら。 どの話もリアルな人間ドラマ感が溢れています。短編毎に感動があり、読み進める毎に少しずつ物語がシリアスになっていくような、、、?どの話も涙が出てきそうになるのをこらえていましたが、ついには最後の話で涙腺が崩壊してしまいました。 命や動物(人間も猫も)は儚くて尊い。 でも、希望をもたらせてくれる物語達でした。心がほっこり浄化された気分です。
9投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ猫と暮らしていると、一見人間が猫の世話をしているが実は猫に救われ猫に寄り添ってもらっていると感じることが大半だ。この本はまさに猫に救われ寄り添ってもらった7人の生き方がかかれている。胸が苦しくなったり温かくなったり7人の女性の人生に寄り添いながら読むことができた。
0投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログ友人に勧められて読み出したネコ本です。 7つの短編小説集で、各作品のポイントでネコが登場します。 すべての作品の主人公が女性というのも印象的でした。 私は、1作目の「ミャアの通り道」が一番好きです。ネコの最期に家族が全員集合する話ですが、少しうるっときてしまいました。ミャアを飼うことに反対した父親が、一番最初に泣くんです。男泣きには弱い・・・。 それぞれの作品に出るネコたちは、どこか寂しげだったりする人たちや困難を抱える人たちのもとにふらりとやってきます。そんなネコたちを相棒に、人生の旅路を進んでいく人々。 ヒトからみれば、まさに<みちづれの猫>というわけです。 どの作品も、ヒューマンドラマ的要素も強く、人生について考えたりもしました。 読みやすい作品集だと思います。 余談ですが、「祭りの夜に」という作品では、ネコ神社だったり、ネコ神様が出てきます。お祭りもネコの仮面を被るネコ祭りです。 ネコを祀る神社、調べてみると実際にありました。 いつか行ってみたいなと思っています。
11投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログ唯川恵作品を読むのが、「肩ごしの恋人」を読んだ以来20年振り 昔から名前はよく聞くのにこんなにも読んでこなかったか あたたかい短編集で読みやすかったが、次読むのも20年後かも…
0投稿日: 2025.04.06
powered by ブクログ猫に教えられ猫に救われる。唯川さんの優しくストレートな言葉遣いが身に染みる。猫の心は深いところで人間の心と繋がっているのだろう。
0投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ猫を起点にして、機転にして、気転にして、終点にしたり。人生に猫がいることで心が落ち着いたり、猫がよりどころだったりする人達の前向きになれる短編集。決して明るい作品が並んでいるわけではないが、きっとどこかで自分を投影できるはず。少なからず私はほぼ泣きました。世界から猫が消えたならなんて、残酷に過ぎる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最近、読書体験が充実に過ぎる。読む本が好みに合う。琴線に触れる。ドストライク。心が洗われる。良い傾向。
11投稿日: 2024.10.04
powered by ブクログいつもかたわらに猫がいた ──猫と女性の七つの物語 愛猫の死期が近づき、離れていた家族が再び集まることになる「ミャアの通り道」。 離婚以来、荒れ放題の生活を送っていた女性の家のベランダに現れた茶トラが、生活を思わぬ方向へ変えてゆく「運河沿いの使わしめ」。 など7編を収録した短編集。 • 〈感想〉 この本は図書館でジャケ買いならぬ ジャケ借りをした一作です。 我が家にも保護猫が3匹いますし 道端でねこちゃんをみると 立ち止まって微笑むほどの猫好きのわたしが 表紙のねこちゃんの黄昏猫ちゃんに 惹かれて借りた本です。 全7話、どれも心温まるお話で 癒しに癒されましたが 特に好きだったのが 小さい頃に拾って飼い始めた猫が老いのため、 看取るために再び集結した家族のお話、 「ミャアの通り道」、 年に一度、猫をまつるお祭りが行われる村でのお話「祭りの夜に」、 猫に寄り添い生きてきた女性の人生を振り返る 「約束の橋」の3編です。 心の真ん中からジーンとあったかくなるような 感覚が好きでした。 \おすすめポイント/ 1話あたり10分ほどで読み終わり、 スキマ時間にもさくさくと読めたので 時間がない方や 短編集を読みたい方、 猫や動物が好きな方にもおすすめです。
4投稿日: 2024.09.19
powered by ブクログ猫が主人公ではないが、猫がいないと成り立たないといった感じの猫にまつわるお話。 本物の猫だったり、ぬいぐるみ お面 と、様々な形で登場する。 女性の主人公たち心の内には悲しみや苦難がある。それを猫を通して静かな感慨 心の安寧を感じることができる。 猫を飼いたい気持ちがさらに膨らんできた。
8投稿日: 2024.08.10
powered by ブクログあなたは、『猫好き』でしょうか? 犬のようには登録制度が存在しないため、実際に飼育されている数はわからないとされる『猫』ですが、一般社団法人ペットフード協会の調査によるとその数は2022年度で884万頭と推測されているようです。犬と違って部屋の中で飼育される割合が高いこともあって街中で目にする機会は限られている『猫』。 しかし、ここ四年半ほど私には毎日そんな『猫』を見る日常が訪れました。それは、ブクログの場です。私は恩田陸さん「蜜蜂と遠雷」が今の”読書&レビュー”の日々のきっかけだったこともあって、それをモチーフにしたアイコンを作って使っています。一方でブクログの場で他の方が使われているアイコンを見て気づくのは、『猫』の写真を使われていらっしゃる方の多さです。そうです。私はブクログの場を訪れるようになって、『猫』を目にする機会が一気に増えたのです! とはいえ、私は『猫』を飼育した経験がありません。餌をやったこともなければ、撫でたことさえないため『猫』といってもイメージでしかピンと来ません。しかし、これだけ『猫』を身近なものとされている方がいらっしゃる以上、そこには私がまだ知らぬ未知の感覚世界があるのだろうと思います。 さてここに、そんな『猫』を最前面に登場させる7つの短編から構成された物語があります。 『ただいま、と声を掛けると、目を細めてにゃあと鳴く。抱き上げると香ばしい匂いが鼻の奥に広がった』。 そんな風に『猫』との触れ合いがリアルに描かれていくこの作品。そんな『猫』との密接な日々の中に、『愚痴も弱音も涙もみんな知っていた』という『猫』を大切に思う主人公たちの人生が描かれるこの作品。そしてそれは、”いつもかたわらに猫がいた”という唯川恵さんが描く『猫好き』な方必読の物語です。 『はくたかに乗るの、きっとこれが最後ね』、『ああ、春には新幹線が繫がるからな』という『中年の夫婦連れ』の声を耳に『私の故郷である』金沢へと向かうのは主人公の『私』。『十四年前、進学のために十八歳で上京した時』のことを思い出す『私』は、『自分の前途もまた、金粉をまとったように輝けると信じてい』ました。『もちろん、実際のところはそうでもないと、すぐに気づ』いた『私』でしたが、『大学を卒業して、希望していたイベント企画会社に就職』、『三年後には念願の企画業務に就』くことができました。そんな『私』は、『そう言えば前に帰ったのはいつだったろう、と、ぼんやり思い返し』ます。『確か三年、いや四年前だ。あれは祖母の法事だった』と思う『私』は、日常の忙しさの中に『ついつい帰省』が後回しになってきた過去を思います。そして、それは『大阪に嫁』ぎ、『舅姑と共に家族で料理店を経営している』姉、『メーカーの営業』で『盆暮れなく全国の支社を飛び回っている』弟も同じことでした。『きょうだい三人が揃って帰省し、家族全員が顔を合わせたのはいつだっただろう』とも思う『私』。そんな『私』が、『急な休みを取ってまで帰省を決めたのは、昨夜、母からメールがあったから』でした。『ミャアがそろそろ旅立ちそうです』という文面を見て『思わず、スマホを持つ手が冷たくなった』『私』は、『実家で飼っている雑種の雌猫』ミャアと出会った時のことを振り返ります。『あれはもう二十年も前、ちょうど今頃の時期だった。外には真綿のような雪が舞っていた』という中に、『庭先で何やら妙な声がする』と言う弟は、『縁側の戸を開けて』見に行くと、『すぐに慌てて戻って来て、「子猫がいる」と叫』びます。『次に飛び出した』『私』は、『植木の根元で、子猫が蹲ってい』るのを目にしました。『何かを訴えるかのように必死な形相で鳴』き、『弟と私を見上げ』、雪の中、『身体が小刻みに震えている』子猫を『思わず抱き上げ』た『私』。『縁側で』『すでにタオルを手にして』いた姉に渡すと、『焦げ茶と黒の雉模様が浮』かびあがります。『生まれて二、三か月』、『迷ったのか、捨てられたのか』と思いを巡らす『私』。そして、子猫は弟が持ったきた牛乳を『ぴちゃぴちゃと音をたててうまそうに飲』みます。『その愛らしい姿に』、『瞬く間に魅了された』私たちは、『飼いたい』、『飼わせて』、『ね、いいでしょう』と母親に懇願します。『おとうさんに聞いてみんと』と困惑する母親。『一時間ほどして』帰ってきた父親に訴える三人。『どうせ、おまえたちは面倒をみられんがやろう。かあさんに押し付けるに決まっとるさけな』と意志の固さを見せる父親でしたが、『泣きじゃくる三人の子を前にして』、『姉には食器洗いを、私には風呂掃除を、弟には玄関掃除を約束させ』ることで子どもたちの要望を受け入れます。そして、『鳴き声から名はミャアに決まった』という中、『たった一匹の猫』の『存在が、こんなに家の雰囲気を変えるとは思っても見なかった』と猫のいる暮らしがスタートしました。そして、そんな思い出残るミャアの旅立ちの場へと立ち会うために実家へと急ぐ『私』の姿が描かれていきます…という冒頭の短編〈ミャアの通り道〉。まさかの熱いものが込み上げる瞬間、ミャアに対する家族の想いに触れる好編でした。 “ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。離婚して傷ついた時、肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語”と内容紹介にうたわれるこの作品。それぞれに関連性を持たない7つの短編が収録された短編集です。ただし、関連性を持たないというのはあくまで連作短編の作りではないという意味であって、内容的にはすべての短編が同じ雰囲気感を持っていることに気づきます。それこそが『猫』の存在です。内容紹介にある通り、この短編集に収録された短編には何かしらの形で『猫』が登場することが共通しています。 小説に『猫』が何らかの形で登場する作品は数多あります。そして、その中でも、より『猫』という存在を物語の中心に引き上げた作品もたくさんあります。これは、一つには『猫』好きな方がそれだけ多いということの表れなのだと思いますが、それ以上にその作品を書かれた作家さん自身が無類の猫好きでいらっしゃる、それあってこその作品の誕生なのだと思います。 そして、ここブクログを見ても『猫』の写真をアイコンにされていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。そんな皆様のために、『猫』が登場する小説をここにまとめておきましょう。『猫』がちらりと登場する作品は数多ありますので、ここでは、『猫』に焦点がより強く当たる作品を集めてみました。作者五十音順でご紹介します。 ● 『猫好き』なあなたにおすすめしたい作品一覧(永久保存版(笑)) ・青山美智子さん「猫のお告げは樹の下で」: 樹の周りを竜巻みたいにぐるぐる何周もするとぴたっと止まり、樹の幹に肉球を当てるのは猫の”ミクジ”。ひらひらっと舞い落ちる葉っぱにはカタカナ四文字で”お告げ”が書かれているというファンタジーな物語が展開します。 ・有川ひろさん「旅猫レポート」: “額には八の字にぶちの入った”、”7の形の黒いカギしっぽ”の猫である”ナナ”。そんな”ナナ”を連れて、”僕の猫をもらってくれませんか?”と旅する主人公の悟。”この本はヤバイやつや!電車の中で読んだらあかんやつや”の極みを見る物語が展開します。 ・標野凪さん「伝言猫がカフェにいます」: “お客さんに伝えてあげたい言葉を相手から聞き出して、魂だけを連れてくる”という”伝言猫”のふー太が大活躍する物語。これでもか!というくらいにもう何でもありのファンタジーの極みを見るかっ飛んだ世界が展開していきます。 ・名取佐和子さん「江の島ねこもり食堂」: “江の島は猫の島なんて一部で言われるほど、野良猫が多いのよ”という”江の島”を舞台に5代102年に渡って受け継がれていく”ねこもり”という役割に就く佐宗家の女性たちの生き様を『猫』と共に描いていきます。 ・西加奈子さん「しずく」: 短編集ですが五編目に表題作の〈しずく〉が登場します。そこに展開するのは、”大体人間ってのは、肉球がないもんだから、足音がうるさくて、いけないわね”と会話する、まさかの『猫』視点のファンタジーな物語が展開します。 ・姫野カオルコさん「よるねこ」: 短編集。“深夜の寄宿舎を徘徊し、出会った者のたましいを奪うという巨大な青い猫”という噂が残る学校。よくある”学校の怪談”だったはずが…という先にホラーな物語が展開します。『猫』のシルエットが短編タイトルを彩る仕掛けもあります。 ・村山早紀さん「ルリユール」: “青い目が宝石のように光り、揺らめいた”というその声の先には、”わあ、猫がしゃべってる”という、門の周りにいたまさかの七匹の黒猫でした…と展開する絶品のファンタジーに魅せられる”風早の街”を舞台にした物語。 ・群ようこさん「パンとスープとネコ日和」: “抱っこして体を撫でてやると、素直に体をあずけけ、「くぉぉぉ、くぉぉぉ」とうれしそうに小さな声で鳴く”という『猫』の”たろ”。そんな”たろ”と飼い主であるアキコのどこまでもほっこりとした日常が描かれていきます。 ・望月麻衣さん「満月珈琲店の星詠み」: “顔はまんまるで、目は三日月のように微笑”みながら、”エプロンを着けた大きな三毛猫”が、まさかの”マスター”を務める”満月珈琲店”を舞台に”占星術”に光を当てるファンタジーな物語が展開します。 いかがでしょうか?西加奈子さんの「しずく」はあまり知られていないと思いますのでこのレビューを読んだ甲斐があったと思っていただけると幸いです(笑)。ということで、9つの作品を取り上げましたが、どちらかというとファンタジーが多いように思います。もしかすると、『猫』好きな方としては、そうではなくてもっと猫を身近にしたリアルな小説を欲せられるかもしれません。そういうあなたには、群さんの作品が兎にも角にもほっこりと『猫』と過ごす時間の素晴らしさを感じさせてくれます。そして、今回取り上げた唯川恵さんのこの作品もファンタジーではなく、リアルな日常にある『猫』の存在を描いていきます。 では、そんな『猫』の描写を見てみましょう。二編目〈運河沿いの使わしめ〉から『猫』の『茶太郎』を見る主人公・江美の表現を見てみましょう。 『身体は薄茶色の縞模様で、足はソックスを穿いたように白く、耳がピンと立ち、眼は深い琥珀色』。 ある日、ベランダに突然現れたことを起点に、そんな『猫』を飼育することにした江美。『日中外に出ているが、江美が部屋にいる間はいつもそばにいる』という『茶太郎』との暮らし。 『初めて膝に乗られた時、どう扱えばいいのかわからず緊張した。おずおずと背中を撫でると、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らした』。 『猫を飼ったことは一度もない。飼おうという気になったこともない』という江美ですが、『江美の気持ちを見透かすような目に心惹かれ』ていきます。 『猫の毛がこんなにしなやかだなんて知らなかった。身体の温かさにも驚いた。毛の中にそっと顔を埋めると、香ばしい匂いが鼻の奥に広がった』。 初めて『猫』を飼う江美の戸惑いと驚き、そして喜びが鮮やかに伝わってきます。 『夜はベッドで一緒に眠り、週末は朝から晩まで共に過ごした』。 すっかり『茶太郎』との生活が板についた江美。物語は『茶太郎』が家に来たことによって大きく変化していく江美の日常を描いていきます。他の短編もそうですが、『猫』というものの存在が、単なるペット以上の大きさをもって物語に影響を及ぼしていく様がとても印象的です。私は『猫』を飼った経験なく今日まで生きてきましたが、もしかしたらこの短編の主人公・江美のような思いに包まれることもあるのかもしれない、この作品を読む中でそんな風に思いました。 「yomyom」、「家庭画報」、そして「小説すばる」に掲載された7つの短編が収録されているこの作品ですが、その密度の濃さとドラマティックさは特筆すべきレベルです。この世には数多の短編集がありますが、こんなにも心揺さぶられた短編集は記憶になく、何度もあたたかいものが込み上げる瞬間を味わいました。では、その中から三つの短編をご紹介しましょう。 ・〈陽だまりの中〉: 『おかあさん、落ち着いて聞いてください』と群馬に暮らす富江の携帯に突然かかってきた息子・辰也の上司からの電話。『死因はくも膜下出血』という中に三十一歳の生涯を終えた辰也の突然の死に打ちひしがれる富江。ガンで夫を亡くし、今度は息子…という先の日々を生きることになった富江は毎日決まった時間にやってくる『番いの野良猫』に向き合います。そんなある日、『突然お訪ねして申し訳ありません』、『私、元村千佳と言います。辰也さんにお線香を上げさせていただきたく…』と『見知らぬ女性』が訪ねてきました。思い出話をする中に、トイレに立ち戻らない女性を見に行くと扉の『中から苦し気にえずく声が聞こえ』ます…。 ・〈祭りのよるに〉: 『おじいちゃん』、『おう、よう来たな』と『母方の祖父、嘉男』に改札で迎えられたのは主人公の鞠子。『今年八十一歳になる』嘉男に、『おばあちゃんの具合はどう?』と訊くも『まあまあってとこだ』と返されます。『少し前に届いた母からのメールで、祖母、千代の認知症がずいぶん進んでしまったことを知らされた』鞠子。かつて『養蚕が盛んだった』『人口五百人ほどの小さな村』では、明日、『里山の麓にある猫神社』で恒例の祭りが行われます。そして、家へと着いた時、『最近のことはみんな忘れて、心はすっかり娘時代に戻ってしまった。千代は今、その中で生きている』という祖母と向き合う鞠子は…。 ・〈約束の橋〉: 『北関東の田舎町』で生まれ育った主人公の幸乃。『いつものように川で遊んでいた時』、『木箱が流れて来』ます。『にゃあにゃあとか細い声が聞こえ』る箱の『中にはずぶ濡れの子猫』を『どうしても飼いたい』と強く懇願する先に『マル』と名付けて飼えることになった幸乃。中学、高校、そして『地元の信用金庫に勤める』ようになってもマルと寄り添う日々は続きます。『マルは幸乃の愚痴も弱音も涙もみんな知っていた』という日々。そして『十二年生きた』先に亡くなったマル。そんな日々を『人生でいちばん幸せだった』と振り返るのはマルを拾った時から『七十年以上』経つ幸乃。そんな幸乃が『猫』と共にあった人生を振り返ります。 三つの短編をご紹介しましたがいずれの作品にも『猫』が何かしらの形で登場するのがこの作品の特徴です。そして、そのいずれもがファンタジーではないリアルな『猫』の姿です。それぞれの短編は読めば読むほどに『猫』のある暮らしが当たり前の日常として描かれていることに気づきます。そして、それは『ペット』という短い言葉で言い表されるものでは決してなく、それぞれの主人公にとって、それぞれの主人公の人生にとって、一つの大切な存在になっていることにも気づきます。〈陽だまりの中〉に登場する『番いの野良猫』は、夫と息子を相次いで亡くした先の人生の中で一つの気づきの瞬間を富江に与えます。〈祭りのよるに〉では、養蚕の暮らしの中でネズミを退治してくれることから『猫』が神として祀られた村が舞台となりますが、そこで毎年行われる『猫のお面』をつける祭りがクライマックスを絶妙に演出します。そして、最後の短編〈約束の橋〉では、幼き日に拾った『猫』のマルの他、何匹もの『猫』と暮らして来た主人公・幸乃の『七十年以上』にもわたる人生が大河小説のように描かれていきます。いずれの物語の主人公たちの人生も『猫』なくしては語れないもの、『猫』があってこその物語が展開していきます。 『猫って気まぐれで何を考えているのかわからない生き物と思っていたんですけど、一緒に暮らすようになって、こんなに人の気持ちを読むんだってびっくりしました』。 『猫』が実際に『人の気持ち』を読んでいるのかどうかはわかりません。しかし、そこに『何だか守られているような気が』すると感じる主人公たちの思いは『猫好き』なみなさんには痛いほど伝わってくるものなのだと思います。そんな物語にはこんな言葉が記されています。『猫と暮らすようになってわかったことがある』という言葉の先に続くものです。 『猫好きは、すべての猫を好きになる…すべてが愛おしく、すべてに心躍る。もう、猫のいない人生なんて考えられない』。 いかがでしょうか?『猫好き』なあなたの心の内を代弁するかのようなこの言葉。そんな言葉が強い説得力をもってひしひしと伝わってくるこの作品。『猫好き』なあなたには、他のすべての小説を積ん読に回してでも、まず手にすべき一冊、『猫好き』な方必読な物語がこの作品には描かれていました。 『猫の匂いにはきっと魔力がある。身体の奥底の強張りがゆるゆる解けてゆくようだった』。 さまざまな形で『猫』が必ず登場する7つの短編が収録されたこの作品。そこには、『猫』と共にある暮らしがさまざまな視点から描かれていました。『猫』の飼育経験のない私にもそんな『猫』との暮らしの魅力が存分に伝わってくるこの作品。『猫』という生き物に対する見方が変化していくこの作品。 『猫好き』な方には必読と言い切ってよい、『猫』に始まり、『猫』に終わる、読み応え抜群な素晴らしい作品でした。
254投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ猫が出てくる7つの短編集 20代に唯川恵さんの本を読むことが多くて 久しぶりに図書館で借りて読んだ 唯川恵さんは男女の恋愛のイメージが強いが 家族 生と死 老い 温かみ 新しい面をたくさんみれて良かった 『陽だまりの中』 『最期の伝言』 が良かった 他の唯川恵さんの小説も読みたくなった
5投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ猫がいろんな形で人々に関わる短編集。 どの話も引き込まれて人生について考えさせられるものでした。読んで良かった。
0投稿日: 2024.02.19
powered by ブクログ猫に関係した7つの短編集だが、どれも良く書き込まれていて、読んでいてすぐに引き込まれた。 出会いがあれば別れがあるという事を考えさせられる物語。 自分が今生きているという事がどれだけ大切かを教えてくれた作品。 色々な人との関わり、いつ別れがくるかわからない疎遠になっている人達と連絡を取ってみようかな?と思わせてくれました。
0投稿日: 2024.02.09
powered by ブクログ猫をモチーフにした短編集。 猫と暮らすということはいつも喪失を伴うのか。 愛と別離と、喪失の物語だと思った。
0投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ様々な日常の中での猫との生活。転機もあればそうでないこともある。大きな悩みも小さなきっかけで解れることもあることを思い出させてくれた作品。特に最後の川沿いを歩く作品が印象的。一言であらわすならば、少しだけ心に風が通る爽やかな短編集でした。
0投稿日: 2023.12.08
powered by ブクログ7つのネコ短編集。 ほわほわするようなおはなしではないけど、 また、がんばろうって思える作品でした。 こんなに泣くとはきいておりません笑 電車の通勤時間に読んでいたので、車内で泣いてしまって 周りの人にみられたかもしれないです。 読む際には、お家がおすすめです。
0投稿日: 2023.12.06
powered by ブクログ猫好き必読です。 短編なのですが、どのお話も猫への愛が溢れてる。 読んでいて、「分かる分かる!」ということばかり。確かに、猫って気まぐれだけどその分敏感で。 人間が言わなくても、辛い時は察知して寄り添ってくれる生き物。 我が家のニャンズとも、彼らが虹の橋を渡るまで、一日一日を大切に生きようと思いました。 なお、猫好きさんなら100%泣くので、電車の中で読むのはオススメできません。笑 (特に一番最初のお話「ミャアの通り道」は、我が家のニャンズの来る日を想って号泣したし、何なら実家にいる老犬を想って泣いた)
1投稿日: 2023.12.03
powered by ブクログいずれの短編も猫がモチーフになっている別離や喪失の物語なのだが、どの登場人物もなんというか、非常にまっとうで、物語もひねたところや複雑さがなく想像を覆さない。この”ちゃんとした感じ”がどうも猫っぽくない・・・と思いながら読了して藤田香織氏の解説を読んで、あっ!そうだったのか!!と腹落ちした。著者は実は大型犬を飼っていた犬派なんだそうである。なるほどなるほど。 藤田氏が書くように作家というものは必ずしも自分の志向や経験の有無でものを書くわけではないから、それがかえっていいのかもしれない。猫好きは猫を使ったまっとうな人々のほんのりした物語は書けないかも・・・どの作品も幅広い読者に支持されるであろう温かい小品になっていると思う。 30年前に別れた余命いくばくもない恋人が軽井沢でフラワーショップを営む自分を訪ねてきて・・・”ハーレクインロマンス”ってあったなと久しぶりに思い出した「残秋に満ちゆく」は奥付を見ると初出が家庭画報というので著者の読者ニーズをとらえる力がさすがである。猫を支えに独りで人生を切り開いてきて死を控えた女性が、見送った猫たちを回想し終えたとき、まさに彼岸に渡ろうとしている「約束の橋」もよい。
0投稿日: 2023.12.01
powered by ブクログ猫にまつわる7つの短編集。 若い頃によく読んだ唯川恵さんの本は久しぶりでしたが、最高でした。 電車の中で何度も涙が溢れそうに… 悲しい涙ではなくて、全てじんわり切なくて温かい涙という感じ。 我が家も2匹の猫がいるので、 彼らの毛の温もりや匂いに癒される幸せを改めて感じます。 全猫好きに読んでもらいたい。
5投稿日: 2023.10.10
powered by ブクログ猫にまつわる短編集。 優しくて温かいながらも、どこか別れの寂しさや切なさが心に残る素敵な話ばかりだった。 猫飼いとして特に心に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」 生きる気力を無くして汚部屋に住んでいたのを、猫との出会いで変わる江美。紆余曲折の長い人生をさまざまな猫と共に過ごしてきた幸乃。 側から見たら「猫を飼ってる、猫の世話してる」なんだけど、実は生かされてるのは自分の方だったりする。自分にも心当たりあるなぁ。 話として好きなのは「祭りの夜に」 祭りの夜に待ち合わせするそれぞれの思いが切なくて美しくて、ほろりときた 猫のために少しドアを開けておく、とかの細かい猫描写もよくて、「そうそう、猫ってそうだよね」なんて思いながら没入して読めてよかった
1投稿日: 2023.10.06
powered by ブクログどこまでも優しくてあたたかい、猫と一緒に過ごしたお話7編。心にすーっと染み入るような読み心地でした。特に印象に残ったのは「運河沿いの使わしめ」と「約束の橋」です。 ちょっと不思議なお話もあって、とても楽しめました。
52投稿日: 2023.09.28
powered by ブクログ軽井沢の話と最後の話が好きです。最後の話はどこに向かって歩いてるかわかったけど、そこまでの筆運びがとてもいい。最期は私もそうだといいな…。
2投稿日: 2023.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
様々な年代の女性の些細な心の揺れを、静かに、丁寧に描写されているからか、切なく穏やかな気持ちで読み進めることができた。 猫飼いならきっと、たとえば最初のお話ならば「扉を少しだけ開けておく」という習慣は身に覚えがあるはず。そんな些細な猫との暮らしあるあるが、まさか物語に活きてくるとは。 どれも胸にグッときたが、個人的には『最期の伝言』は人目を憚らず電車内でぼろぼろと泣いてしまった。 なんて魅力的なお話なんだろう。 この物語に、唯川恵さんという作家に、出会えたことを心から感謝したい。 2023.8.24 読了
2投稿日: 2023.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
唯川さんの作品を読んだのは十数年ぶりになるだろうか。 若い頃、アラサーと呼ばれる世代に唯川さんの恋愛小説の大ファンだった。 同世代のヒロインの心の動きを繊細かつリアルに描く作風に強く魅力され、深い共感を得た。 本書はたまたま書店店頭で見かけて、タイトルと表紙に惹かれて購入した。 特に印象に残ったのは「祭りの夜に」。 認知症の祖母が今なお待ち続けている男性の正体が実は夫である祖父だったー。地方の田舎でひと夏の休暇を過ごすヒロインの目を通して、幻想的、情緒豊かに祭りの夜が描かれる。 「最期の伝言」。幼い頃に母と自分を捨てて他の女性に走った父。ヒロインは父を恨めしく思ってきたが、父が家庭を捨てた事情の裏には、意外な真実があったー。 全体的な感想としては、相変わらず今も昔も唯川さんは女性の心理描写が秀逸だなと改めて思った。 唯川さんも歳を重ねられ、読む側の自分も歳を取った分、昔とは違う作風なり感じ方なりがあるのは当然かもしれない。 私が唯川さんの作品にハマっていた頃、小説のヒロインは若い女性が多かったが、今は、あらゆる年代の女性たちが生き生きと作品の中で息づいているように思った。また機会があれば、唯川さんの作品を是非読んでみたい。
1投稿日: 2023.08.21
powered by ブクログ病院の待ち合いで読んでいた、 冒頭の『ミャアの通り道』の最後でいきなり泣けた。 どのお話しも『猫ってそうだよな〜』と納得しながら、 いつもそばにいてくれるウチの猫への愛しさが、 読み進めるごとにどんどん強くなるのがわかるし、 猫と暮らす人はみんな同じ想いなんだなぁと、 改めて実感する。 ストーリーで描かれる猫との別れや死別を 自分の事としても捉えると悲し過ぎて考えたくはない。 でもその時はいつか必ず来る…と教えてもくれている。
3投稿日: 2023.08.13
powered by ブクログ読み終わりました。 様々な女性たちが猫たちに関わる7話の短編集。 ひとつ泣きました。 7話それぞれどこかしらで泣きそうになり、最後は泣いてました。 心あたたまるお話でした。
2投稿日: 2023.08.10
powered by ブクログ集英社文庫のナツイチフェアで表紙買い。 7編のオムニバス。 何れも猫が登場し、主人公の心を揺らす。 別れがあり、新たな出会いや門出を予感する。 辛い時に猫がいる生活はいい。
1投稿日: 2023.07.25
powered by ブクログ猫をテーマにした短編小説集。 猫のいる暮らし、羨ましいなと思いました。 辛い時、苦しい時に猫は寄り添ってくれる。それぞれの物語でそんな安心感がありました。 特に、「運河沿いの使わしめ」での猫ちゃんの行動がとても好きでした。 辛い時には寄り添ってくれ、立ち直ったら次の人を救いに行く。 猫ちゃんの自由気ままなだけではない行動がとても素敵でした。
2投稿日: 2023.05.18
powered by ブクログ色んな人生、色んな旅。 色々な人達の物語に猫達がいた。 人と人を繋げる猫。 ほっこりとする短編集。
3投稿日: 2023.03.23
powered by ブクログねこがいる人生の様々な場面が描かれた短編集。 「ミャアの通り道」では導き教えられる。 「運河沿いの使わしめ」では心を癒される。 「陽だまりの中」では見守られる。 「祭りの夜に」では神様として。 「最期の伝言」では思いを伝える。 「残秋に満ちゆく」ではぬくもりを届ける。 「約束の橋」では共に暮らす。 そんなねこたちがでてくる素敵な1冊。
3投稿日: 2023.03.05
powered by ブクログ人生の曲がり角を何度か曲がった7人の女性、それぞれの物語。(うち一人は、その夫が語ってます) 歩く道のどこかに猫がいます。同行してたり、塀の上でひなたぼっこしてたり、一定の距離をついてきたり・・・。生きることを描く物語だから、当然、後悔や苦みもあるのだけど、どこか暖かいものを感じるのは、そこに猫がいるから、かも知れません。
0投稿日: 2022.11.12
powered by ブクログホロッとして思わず涙が、の短編が7編。 なかには 猫の絡ませ方が不自然かなと 思う話もあるけど 自分が最後を迎えるとき 虹の橋であの子たちが待っている、と思うと それはひとつの楽しみになるかも、、
1投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログAmazonの紹介より 帰省するのはいつぶりだろう。大学進学を機に上京して十四年、忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、新幹線で金沢に向かっていた。まもなく旅立つであろうミャアを見送るために──。(「ミャアの通り道」) ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。離婚して傷ついた時、肉親を亡くした時、家庭のある男を愛した時、人生の様々な場面で猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。 各話に必ず猫が登場する7つの短編集。一つ一つの作品は短い話なのですが、とても癒されましたし、動物って良いなと心が温かくなりました。 どうしても、悲しみの状態になると、癒される「何か」を欲してしまいます。その隙間を埋めるべく、猫によって心が潤っていく描写は読んでいて、自分にも潤いがきたように感じました。 どの作品も感動的な話ですが、意外性のある展開で気づいたらあっという間に終わっていました。 猫のみならず、「別れ」は必ず訪れますし辛い気持ちになりますが、新たなる一歩の始まりを応援してくれるような終わり方になっていて、自分の心も前向きな気持ちにさせてくれました。 しばしの時間でしたけれども、幸せの時間をありがとうと言いたくなりました。
3投稿日: 2022.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
猫にまつわる7つの短編小説。 人と人の関わり合いに猫が繋いでくれている。猫好きは時に胸が痛いお話もあるかもしれない。 私は特に「祭りの夜に」が辛く苦しかったが、祖父を見て、罪滅ぼしとはいえ支えている優しさが素敵に思えた。 悲しい話が多いが、重いわけではなくて、前向きなお話が揃っています。
0投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログどのお話も愛猫との別れや、 家族とのツラい事情がテーマなんですが、 切なくも読み終わりは温かくなる 素敵なお話ばかりでした。 涙が止まらないお話もありました。 唯川恵さん、初めてでしたが、 他の作品も読んでみたいです。
5投稿日: 2022.09.23
powered by ブクログ温かい涙がこみ上げてくる物語がいっぱい詰まった作品でした。 愛犬を失ったばかりでこの本に出会い、個人的にも込み上げてくる感情がありました。 また、最近自分の想い、相手の想い、に敏感になっている部分があって 親子や、家族や、全く接点なかった方と 繋がったり、秘めていた事や気持ちが通じ合う瞬間がうまれるきっかけになっていく存在だなって、改めて猫もだけど、人ではない愛しい存在を大切にしたいと想えた作品でした
2投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログネコが好きな方は勿論、ネコが好きではない方にもお薦めする。ネコをモチーフに、「別れ」をテーマにした短篇集。いづれも女性が主人公。じわーっと心に沁みてくる七編。 自分は最初と最後の話が特に好きだ。うちでもネコを飼っているが、20年も経っているわけではない。やっと1歳だ。 あと、自分も齢を重ねてきたからだろうか。いろいろと思うところがある。
32投稿日: 2022.08.25
