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powered by ブクログ一人の若き棋士の成長物語。 奨励会同期の親友には先を行かれ燻ってる主人公。 そんな棋士が師匠や知り合った少年棋士などと関わりながら上を目指す。 将棋界を取り巻く人物やその将棋界の力関係等も読んでいて興味を惹かれる。 ただ、やっぱり対局の熱さがいい。 これはやはり作者が奨励会に身を置いた事があるから書けることなのかな。 将棋界の政治について書けたのもその辺りか。 おもしろかった。 AI時代の将棋、人が指す面白さみたいなものも表現されていたのが良かった。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ幼き頃からの友人でありライバル。将棋という優劣を意識せざるをえない世界で、棋界政治や派閥、スポンサーなどしがらみもあるが、圧倒的な強さへの憧憬と嫉妬。後半になればなるほど静謐な盤前で各人の内部に吹き荒れる大嵐に呑み込まれる。
0投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ『小説現代2024年11月号』が将棋特集で、将棋をテーマにした本が色々と紹介されていた中でまだ読んでなかったのがこれ。 著者は元奨励会員。 藤井聡太は天才と言われるが、観る将の私にしたらそもそもプロ棋士は全員天才だし、それ以前の奨励会に入れる時点でものすごいことという認識。 少し前に読んだ将棋小説はこれって誰々さんだよねと丸わかりの、それはそれで面白いけど小説か?という感じだったけど、こちらはちゃんと小説になってて物語としても面白かった。 読みながら何となくギタシンこと佐藤慎一六段が思い浮かんで…昇給見たいなぁ。
1投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ落ち目の将棋棋士の再生への道のり。 最近あまり知らないくせに将棋の話を選ぶ様になってる。3月のライオンで知ってる程度。 はじめ、生意気な拓未がメインとなり直江が支えていくものだと思っていたら直江の再起の話に。 中々将棋用語がついていけずわからない所もあるがそれにしても熱い展開でそれも関係なしに楽しめた。 剛力ははじめは小物感があり嫌な奴だったが棋聖戦から、黒いなりに大物に変貌して印象が良い方へと変わっていった。簡単に仲良くならず当人同士しかわからない関係性が男らしく、いかにも勝負師だ。 最後の一番の終了後、互いの心理描写が細かく出し切った感が迫ってきたが、やはり続編も期待したくなる作品だった。 作者さんはあまり作品を出してないらしいが是非期待したい。
14投稿日: 2024.09.07
powered by ブクログ最後の対局の場面は手に汗握る… 個人的にはひとにお勧めしたいし、もうちょっと話題になってもいい作品なのでは?とも思う。 展開が読めちゃう…というところはあれど、逆に時々冷静に読めるようになって個人的にはそんなに気にならなかった。 "何者でもなく伸び悩んでいた将棋棋士が覚醒し、何者かに化け、トップへと至る遠い道のりへの第一歩を記した作品"(解説より) ライバルや師匠、弟子も全部キャラが濃く、それぞれのサイドストーリーもみたいくらい。 また、対局の描写が丁寧だけど読みやすくて、臨場感があった。 日本将棋連盟の政治も… これはフィクションだけど、いろんな連盟でこんないざこざはあるんだろうなと思ってしまった。 将棋は小学生の時クラブ活動で齧っただけだが、やはり奥深そうで魅力的で。 もう少し詳しくなりたいと感じた。
136投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログ初めの数行を読んで「これはヒドイ」と思う位先がわかってしまった。 ところが読み進めていくと主人公の成長に合わせるように文章力も上昇しているように感じ、最後は終わるのが名残惜しい作品に変わっていった。
0投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログ藤井君の八冠の活躍に興奮して将棋の小説を読みました。全く将棋の知識のない私ですが大変面白かったです。 知能ゲームである将棋が実はリアルな格闘技と同じく駒を使っての殴り合いだと初めて知りました。将棋面白いやん!
1投稿日: 2023.10.24
powered by ブクログ将棋モノには目がないため、本屋で見かけて即購入。 シンプルながらも迫力ある作品名と、重厚感漂う表紙のイラスト。押し寄せる期待のままにページを捲り始めた。 将棋を題材にした作品はいくつか読んできたが、その中でも驚異的な熱量を感じた作品だった。 特に棋譜や図面がないにもかかわらず、ここまで対局者の心象や局面の難解さを表現できるのは単純に凄い。盤上のせめぎ合いでは喉元に切っ先を突きつけられたような、常にはらはらとした気持ちで読み進めることとなった。 才能人ながらもここ一番で力を出せないプロ棋士・直江大と、直江と同年代でありながらすでにタイトルホルダーの若き天才・剛力英明。その他にも天才小学生・高遠や『孤剣』の異名を持つ直江の師匠・師村、当代最強の女流棋士・江籠と、個性豊かな登場人物も光っており、そんな棋士たちとの出会いを経て直江が成長する過程も非常に読み応えがあった。 著者の橋本氏は奨励会に所属していた経歴の持ち主とのことで、将棋の世界に身を浸した者にしかわからない過酷さ・壮絶さの表現力にただただ脱帽。 藤井壮太竜王・名人のご活躍により盛り上がりを見せ続ける将棋界。そんな勝負師たちの世界に興味を持った方にはぜひ読んでほしい。
18投稿日: 2023.10.10
powered by ブクログ読書記録 2023.7 #覇王の譜 凄い作品に出会った。 本物の将棋を知っているから、対局の一手一手の描写が刃物で切り付けるように鋭い。 主人公も劇的な覚醒でなく、周囲との関係の中で、傷つきつつも成長し、自分の将棋の凄みを増していくところがいい。 #読書好きな人と繋がりたい #読了
6投稿日: 2023.07.08
powered by ブクログストーリーは、特定の業界を紹介するエンタメの定石通りだと思う。特徴は、スピーディーに読ませる、その流れの作り方が凄いということか。
3投稿日: 2023.05.04
powered by ブクログAmazonの紹介より 「WEB本の雑誌」オリジナル文庫大賞受賞作! 王座としてトップ棋士の一員となった旧友。 一方こちらはデビュー以来7年間、最底辺。 「お前は一流にはなれんよ」。 プロになって7年、C級2組に留まっている直江大に、奨励会同期の剛力英明・現王座は、そう言い放った。旧友との間に開いた目も眩むような格差。だが、京都の天才少年・高遠拓未との邂逅、棋界の第一人者・北神仁との対局、そして現在の師である〝孤剣〟師村柊一郎の猛特訓が、〝賞味期限が切れたはずの元天才棋士〟を覚醒させる。そして史上空前の逆襲の先には、運命の一局が待ち受けていた──。将棋を深く知る小説家がひとりの青年の成長と個性あふれる棋士群像を描く。最も鋭利で、最も熱い、将棋エンターテインメント。解説・西上心太 今まで色んな将棋をテーマにした作品を読んできましたが、他の作品と違うのは、経験者だからこそ将棋における熱意や棋士の苦悩などが、詳細に描かれている印象でした。 さらに泥臭さ・男臭さといった野心が漂っていて、一味違った空気感でした。 あまり将棋の知識はなかったでのすが、知らない自分にとっても楽しめました。ただ、一つ一つ将棋を打つとき、文章だけで将棋の動きが描かれているので、なかなか魅力の半分しか味わえなかったなと思いました。 それでも対局のシーンでは、より丁寧に描かれているので緊張感がとても伝わりました。 静かな行動である分、相手との心理戦に躍動感があって引きこまれました。
3投稿日: 2023.04.18
powered by ブクログ心情と対局が動画で浮かんだ 動作が少ない将棋の対局が、動画で浮かぶほどの臨場感。棋士の心情の揺れ動きが手に取るようにわかるすごい描写だった。人間は誰しも他人と比較しがちになる。それによって不遜になることもあれば、卑屈になることもある。この本は、誰でも持つそんな生臭い感情を、棋士の人生から浮かび上がらせ、そして教えてくれる。大切なのは「今」だということ、そしてプライドを捨てて「いろんな人に教えてもらうこと」。うまくいかない人生に、背中を押してくれるリアリティある震える一冊。
0投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログだいぶ前の新聞広告に『WEB本の雑誌「オリジナル文庫大賞」』とあったのを見て「読みたい」に入れていた将棋のお話。 AIの進化は将棋を観るハードルを劇的に下げましたよね。 私のような素人でも、AIが示す最善手を見ながら次の一手を待ち、優劣も知れ戦況を楽しむことが出来るようになった。 ひと月前の棋王戦第三局など、互いに一分将棋にもつれ込む中、一手ごとに評価値が激しく揺れ動き、竜王のまさかの詰みの見落としまで重なる劇的な展開に、終局後はしばらくこちらまで放心してしまった。 5日からは名人戦七番勝負が始まるが、どのような勝負が繰り広げられるか、今から楽しみ。 さて物語はと言えば、かつては将来を嘱望されながら、プロになって7年、いまだC級2組に留まっている直江が主人公。 かつてプロ棋士を目指し奨励会に所属していたという作者だけあって、『棋士は自分より弱いとみなした同業者を軽くみるところがある』とか『対局で負かし、感想戦で負かす。それで初めて相手に強さを認めさせることができる』など、観ているだけでは分からない棋士の心理がちりばめられているところがまず興味深い。 奨励会同期で今は遥か先を行く現王座の剛力、最初に師事した三木、兄弟子にして現師匠の師村、棋界の第一人者・北神、京都の天才少年・拓未、女流を捨て奨励会から棋士を目指し直す・江籠など直江を取り巻く面々がそれぞれ個性溢れて魅力的。 話はやや詰め込み過ぎで、描写も力が入り過ぎのところもあって、テンポもあまり良くないように思えるのだが、それでもずんずんと読ませる。 何度か描かれる対局の場面もそれぞれ勝負の機微がよく描かれているが、最後の“蒼天戦”における剛力玉への詰み筋と三木が遺した詰将棋「早春の譜」第百番「命」が繋がっていく場面が白眉。 今日紡がれる局面は、これまでの数多の時間が積み重なって出来た結果の、それぞれが奇跡的な局面であることを描き切っているように思えた。
37投稿日: 2023.04.02
powered by ブクログ本当に驚くくらいの作品。クシャくしゃにされてからのサクセスストーリーだ。将棋小説の中でも人間らしさに溢れる名作。
0投稿日: 2023.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
元奨励会員による将棋小説だけあって、将棋界や棋士の実状がこと細やか。 なかでも対局場面の描写は、それを知らない者もじゅうぶん引き込まれる。最終局は手に汗にぎりました。 ただ人物設定や対局中の会話などは小説的というか、わかりやすい場面が多いのは仕方ないのかな。 派閥いじめやトイレでの偽会話、裏ではヤンキーのような女流とか、本当にあったらイヤだなぁ…
0投稿日: 2023.03.23
powered by ブクログ対局シーンの熱さは、さすが元奨励会といった感じ 登場人物が皆、実年齢より高齢な感じがするのが気になるが・・・ 続編(弟子、彼女)も期待したい
0投稿日: 2023.02.27
powered by ブクログ元奨励会会員の著者が書いた将棋本ということで購入。 AIを取り入れた後の本格的な将棋小説ということで、かなり面白かった。 最後の場面は、控え室の人は評価値を見て詰みがあるとわかってたんだろうけど、プロでも詰みの手順がわからない局面だったということなんだろうと。この辺の表現がすごく上手いと感じました。
0投稿日: 2023.02.19
powered by ブクログ出版が新しく、レビューも少なかったが本屋でサイン本が売られていたため衝動買い。結果から言うととても満足した。 将棋については基本ルールを知っている程度だったが、将棋用語を知らなくとも大きく困ることも無く、話も非常にテンポがよく、ページ数は多かったが盤上・外で間延びすることも無くサクサク読めた。対局のシーンの描き方も工夫されていたと思う。 p.407~408の極限状態の2人の描かれ方が愛おしい。
0投稿日: 2023.02.12
powered by ブクログ奨励会に所属したという作者。 対戦場面での心理、情景描写は真に迫る。 棋界にこれほど政治的な動きがあるかは不明だし、対戦時に露骨に心理的揺さぶりをかける棋士がいるかもわからないが、小説としては面白い。 終盤のタイトル戦の大詰めで追い詰められた主人公が、無駄と言われた師匠の詰将棋をヒントに活路を見出す瞬間もいい。 初めは下位に燻る主人公がたまたま出会った天才少年棋士を育てる話かと思ったが、主人公が逆境を切り拓き開花する王道のストーリーで、安心して楽しめた。
0投稿日: 2023.02.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『盤上の向日葵』に続く2冊目の将棋小説。盤上の向日葵が将棋をモチーフにしているが真剣師の生き様を描いているものに対し、こちらは、元奨励会員の作者が描く将棋棋士。 ストーリーとしては、天才といわれた棋士が奨励会同期に敗れたことをきっかけに、一人はタイトルホルダーへ。もう一人は下位で燻る棋士へと。 その彼との繋がりを断ち、少年天才棋士や師匠、序列一位の棋士との研究会などを経ることによって実力を高めていくことに。 終盤のタイトル戦の挑決で主人公を負けさせるところなどは、驚いたが、百折不撓を表しており、主人公が強くなっていくところを描いているのかなと感じた。 元奨励会の先生が描いているだけあって、棋士の先生たちがこのような感情や思考で将棋を指しているのか?と想像できてとっても臨場感が出ており良かった。
3投稿日: 2023.01.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かった。 観る将の自分にしてみたら棋士の苦悩が分かる気がした。 実際はこんなもんじゃないのだろうけども。
0投稿日: 2022.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
格下だった奨励会同期の親友に追い抜かれ、プロ棋士の底辺に漂っていた主人公が、親友と決別して、いろんな人と関わりながら気力、精神力を高める。そして棋界トップの一人となっていた元親友とタイトル戦で戦う。 最後の最後に、師匠が残した芸術的詰将棋(元親友は否定的だった)の考えが役にたって奇跡の逆転勝ちとなった。
0投稿日: 2022.12.10
powered by ブクログ大学時代の将棋大会を想起した。 キリキリと胃が痛くなるような切迫した詰むや詰まざるやの終局場面は圧巻。 個性的で魅力的な登場人物が多いが、主人公との絡みをもっとみてみたかったかな。 そこはスピンオフも含めシリーズ化を期待。 一気読み作品。
1投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奨励会を退会し、将棋に関する小説家を歩む橋本長道氏の「覇王の譜」、2022.9発行、421頁の大作です。実在する棋士をモチーフに、将棋界の習わし、棋士たちの強烈な個性と生き様を描いています。昔は棋士の対局を観戦するには、対局場に行くか、TVのNHK杯戦を見る位しかありませんでしたが、今はAbemaTVなどで沢山の生の対局がリアルタイムで楽しめます。有難いです。A級10人の棋士たちの対局姿、素晴らしいです。今日は、10時半からNHK杯、16時からJT杯の決勝、藤井五冠と斎藤慎太郎八段の対局を楽しみます。
0投稿日: 2022.11.20
powered by ブクログ多くの他の将棋をテーマにした作品と同様に勝負の世界で勝ちきれずもがいてる主人公が様々なことをきっかけに強くたくましくなっていく話 将棋自体の楽しさ、棋界の政治・人間関係、クセが強くてきながら憎めないキャラクター、現代の将棋とAIの複雑な関係性と多くの要素がうまく詰め込まれた傑作だった
0投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログ将棋をテーマにした小説にまた忘れられない作品が現れた。 18歳でプロ棋士になり、真っ直ぐに攻めて最短で勝つという将棋を求めながら、ここぞという一番でことごとく負け7年間もC級2組で燻っている直江大。才能がありながら壁を突き抜けられない主人公が、天才少年拓未との出会い、女流棋士との関わり、四冠棋士との研究会、師匠との対局などを通じて成長していく姿を描く物語。 脇役たちのキャラが際立っているのも魅力だし、AIが棋界にもたらすもの、タイトルとスポンサーの関係、日本将棋連盟の棋界政治というものの存在など、今までにない切り口も新鮮。 圧巻は元奨励会員ならではの緊張感あふれる対局シーンの描写で、今までに読んだ将棋小説の中でも群を抜いている。特に終盤、新タイトル「蒼天」戦で一分将棋になってからの1秒を刻む展開を言葉で表現しきった筆力は凄いのひとこと。 そして最後は泣きました。 やっぱり将棋の小説はいいな〜。
0投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログプロ棋士デビュー以来最下級クラスで燻り続けていた主人公の開花の物語 面白そうだなと手に取って読み始めたが、将棋知識がゼロに等しい私でも大丈夫かと不安になったものの、めちゃくちゃ面白かったし熱かった むしろ将棋に触れてみたくなった 見所は巻末解説に載っているのであまり書きたくない前半のテンポの良さ、後半の濃すぎる一幕 一冊まるまる面白い
0投稿日: 2022.09.12
