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いまは、空しか見えない(新潮文庫)
いまは、空しか見えない(新潮文庫)
白尾悠/新潮社
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総合評価

8件)
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    君主として家庭を支配する父親を恐れる少女と、暴力とともに深い傷を受けた少女が、大人になっていくまでの物語。 綺麗事だけではないけれど、希望があって明るい世界。

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    投稿日: 2025.05.19
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    父親を喜ばせるように振る舞い、父親の思う通りに生きることを強いられた智佳を中心に、智佳の母、大学の同級生の翔馬、高校の同級生の優亜、それぞれの内なる闘いを描く連作短編集。 中でも、高校生の頃にレイプされ、美容師になった今でもPTSDに苛まれる優亜の物語は秀逸。 男性恐怖症の優亜を心配して、大人になりたくないと泣いた少年のくだりは泣けて泣けて。 物語それぞれの主人公が、今ある状態に留まり流される安易さを選ばず、前に進むために闘う姿が清々しい。 閉塞感から抜け出すには闘うしかないこと。闘えば、傷ついても次にもっと広い場所に行けること。そんなエールを贈ってくれるお話でした。 気がかりだったのは、智佳の父親だけが最後まで悪者扱いだったこと。智佳の母と同じように、父親目線の物語も書いて欲しかった。父親にも彼の立場なりの言い分があるのでは?と思うのは、自分が智佳の父の年齢に近いからかなぁ。

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    投稿日: 2025.02.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    父親からDVを受けている智佳と、過去のレイプ体験に怯える優亜の二人を主人公に据えたお話で、有り体に言えばつらい体験を克服していくお話。つらい過去のお話は読んでいても辛いのだが、希望を持って生きようとする姿は読んでいて応援したくなる。良作。

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    投稿日: 2024.05.31
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    ぜったいにつらいのに、どうして何度も闘う物語に手を伸ばしてしまうのだろう。それはきっと、いつかのじぶんを救いたいからだ。繰り返し立ち上ってくる恐怖と暴力に、なんどでも立ち向かわなければならないからだ。こんな理不尽なことはない、膝をついてもう立ち上がれないと涙も渇れるとき。それでもおもいだすため。ひとびとが繰り返し綴ってきた、絶望とのあまりに尊い闘いの記録と、意志の有り様を。息ができなくなるような苦しみのなか、息をするように求めている。闘い、闘い、疲れはてても。闘う限り「いつか」はくるかもしれないと信じて。

    1
    投稿日: 2023.03.13
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    わーー。。 はじめましての作家さんだった。 よかった。とってもよかった。 痛みや苦しみを力強く打ち砕く。何度でも立ち上がる彼女たちの力強さがまぶしい。 どうにもならない壁にぶち当たった時に、ぜひ読み返したい。 * 父親に抑圧されつづける智佳。大好きなホラー映画監督の講演を聴きに密かに向かう東京への道中で遭遇する、同級生のギャル、優亜。 娘に手を上げる夫を止められない母親、雪子。 父親から異常な抑圧を受けたり、レイプされた過去があったり、母親に愛されなかったり。まあまあハードな傷を抱える彼女たちが、閉塞を切り裂いていく。 それも、独りで闘うのではなく、周りの“味方”の力を借りて。 味方。“誰かが手放しで応援してくれる”ってこと。 味方に支えられて飛び立つ。過去と決別する。踏み出す。切り拓く。 * 「夜を跳びこえて」 “あんたは悪くない” 嫌なら逃げればよかった、とか、よく知らない男と二人きりになる方にも非がある、とか。いい加減見飽きた構文だけど、私たちは絶対に負けてはいけない。 優亜がかわいくてつよくて、とっても好き。 自分の弱いところを認めて、信頼した人にさらけ出せる人はとても魅力的だと思う。 最後の書き下ろしショートの優亜が特にかわいくて。幸せになって欲しい。 * そして、山梨という絶妙な立地の閉塞感。県内の大学に進学して、地銀に就職するというエリートコース。

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    投稿日: 2022.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後智佳が父親に電話するシーンかっこよかった 無茶苦茶な人間に何を言ってもこちらの声なんて届くことはないけど、智佳の最後まで貫き通して冷静に話す言葉。父親は支配出来なかったことに絶望を覚える。最高の復讐。 あと智佳の母の回が個人的に1番好きだった。 望まれず産まれた 無関心な母親の元で育った雪子 そんな雪子の母親の危篤を聞いて重い腰をあげて尋ねる。この人に以前は認められたかった。でもそれをやめて自分の家族を作れた時 息が吸えたような感覚。亡くなった母親に自分を見て欲しかったと最後ビンタするシーンに雪子の苦しみが溢れてた。 そしていま自分の家族も危ういことを認めざるえなくて、でもそれが果たして最悪のことなのかと、娘を縛りつける夫に加担することは正しいことなのか?そうではないと認めたとき、また春がみえた気がした。 かっこいい。

    0
    投稿日: 2022.11.22
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    何のために頑張っているのか、 頑張った先に何が待っているのか。 誰しも漠然とした将来への不安を抱えたことがあるのではないでしょうか 人は生きている限り悩み、苦しむ運命にあるんだと生々しい現実が描写されるとともに、そっと背中を押してくれる、そんな応援メッセージのような小説です。 個人的には解説の彩瀬まるさんの闘わずに誤魔化すのか、という言葉にも考えさせられました。

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    投稿日: 2022.09.29
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    痛々しい。 家族をコントロールしたがる父親。その娘、妻。 一方で男に酷い仕打ちを受けトラウマと戦う女子。 それぞれが現状から逃れ、新しい世界を切り拓けるかの物語。

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    投稿日: 2022.09.03