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ラーゲリより愛を込めて
ラーゲリより愛を込めて
辺見じゅん、林民夫/文藝春秋
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総合評価

78件)
4.5
40
26
6
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    とても良かった。 映画は見ていなかったので、展開が分からないまま読めた。 シベリア抑留、我々の世代から見れば過去だが、紡いでいかなければいけない真実なのだろう。 この話は泣けました。 電車の中で読んだので、涙をこらえて心で泣きました。 山本幡男、すごい人物です。 同じことはできないけど、せめて毎日頑張って仕事して、家族と笑い合って、大切な日々を過ごしたいと思った。

    41
    投稿日: 2025.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実話をもとにしたシベリア抑留のお話。 いつ日本に帰れるかわからない。 雀の涙しか与えられない食事。 過酷な労働環境。  逃げ出そうものなら即射殺。 先の見えない壮絶な環境で、それでも希望を手放さず周りを鼓舞し続ける主人公の山本。 心が荒んだ兵士たちが山本の言葉や行動に突き動かされ、強くたくましくなっていくのが印象的。 日本で4人の幼い子供とともに山本の帰りを待ち続ける妻モジミも、希望を捨てず強かに生活している姿に胸打たれた。 最後、このたくましい夫婦に待ち受けるのは切ない別れ。 あまりに残酷だと涙せずにはいられなかったが、同時に戦争の恐ろしさをひしひしと感じた。

    23
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ソ連という国やソ連兵、自分を裏切った者を憎むでもなく、ひたすら家族と再会できることを信じて、人間らしく生きた山本幡夫さんに頭が下がる思いでした。 今の日本は、戦時中に命を落とした人達が願っていたような国になっているのか?自分は今の平和な生活を享受しているにもかかわらず、真っ当な人間として生きているのか?と色々なことが頭をよぎり、その度に考えさせられました。 残念ながら国家というものが存在する限り、国同士の戦争はなくならないと思う。 だけれども、人が人として在り続ける限り、他者への敬いを忘れず、また他者の生や自由を冒涜してはいけないと改めて思いました。

    0
    投稿日: 2025.10.30
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    戦後にロシアに収容されてしまう話ではあるから、辛いし悲しい内容も多いんだけれど、そんな環境でも人生を楽しみ人間や人生を愛し、希望を忘れない、そんな強い山本さんに本当に勇気をもらえる話。 戦争による悲しみや理不尽な事柄に比べたら、自分の悩みなんてちっぽでもっとがんばらないとってエネルギーが沸いたし、しんどいことがあっても山本さんのように楽しむ気持ちが溢れ出して周りまで楽しくさせられる人になりたいと思った。

    9
    投稿日: 2025.07.31
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    シベリア抑留の本当に酷い物語。 山崎豊子の不毛地帯でもかなり詳細に書かれていたが、地獄と呼ぶに相応しい。 十一年の歳月で急に帰国になり、山本の想いもしっかり届けられるが、やるせない気持ちになるので、当分再読することはないな。 こういった歴史的犯罪が行われてきたことは、しっかりと胸に刻んでいきたい。

    20
    投稿日: 2025.06.03
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    感想を書くのも気が重いぐらい、読んでてしんどい内容だった。しかも実話だという。 山本幡男がなぜここまで強く生きられるのか理解ができなかった。 正しいことを絶対的な権力や暴力によって捻じ曲げられても、逆らって意見を主張する。その結果、拷問が待ってても主張する。 そんな強さが欲しいと思った。

    13
    投稿日: 2025.06.01
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    人間らしく生きる。自分らしさを失わない。 もう全てを諦めてしまいたくなるような状況の中でもそれを貫ける、希望を持つことができる人。 こんなことが現実であったと思うと言葉が出ない。 自分の記憶を大切に希望を忘れない人でいたい。 詳しいわけではないけれど、ガンジーみたいな人だなと思った。

    1
    投稿日: 2025.04.07
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    最後、生き残った仲間たちが行うシーンは涙堪えるのが困難なホド素晴らしい展開でしたー 本作は2022年に映画化されてるので是非観たいって思える一冊です。

    13
    投稿日: 2025.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦中、主人公の山本幡男は妻と4人の子供と別れる。その時、「日本で落ち合おう」と約束した。戦争後は戦犯犯罪人としてシベリア強制収容所(ラーゲリ)で10年以上強制労働させられる。共に強制労働させられていた人たちは帰国できずに極寒のシベリアで死ぬと諦めていた。山本は必ず帰国できると信じて、周りの人に希望を与え続けた。山本の周りには原、新谷、松田、相沢という強制労働させられていた人達がでてくる。山本を中心に帰国を信じ、ささやかな楽しみである句会を楽しむ腹や新谷。厳しい環境でも諦めない山本に嫌悪を示す松田や相沢。帰国を信じていた山本だったが喉の癌になってしまう。衰弱していく山本に原たちは遺書を書かせ、山本の意志を日本に持って帰った。収容されてから約12年後日本に帰国した原、新谷、松田、相沢は遺書を家族に渡すことができ、山本の魂は日本に戻ってくることができた。 山本を1番嫌っていた相沢が妻モジミに、モジミ宛ての遺書を届け、モジミが「お帰りなさい、あなた」と言ったところからモジミは辛い思いを子供たちには見せずに耐えてきたのだと思った。 どんな状況でもポジティブに考えることで、それが原動力として働くこと、それが周りを巻き込んで良い方向に進むことをこの本を通して感じた。

    1
    投稿日: 2025.02.08
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    戦争がどんなに酷いものか、色々な映画や本で 伝え続けてほしい。人間の強さと家族を思う気持ち 一生懸命生きる姿に感動。 でも戦争は無くならない。政治が絡むと戦争になる。 個々の国民同士は殺したいほどの憎しみなんてない。

    1
    投稿日: 2025.02.05
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    妻へ宛てた手紙(遺書)は涙なくして読めませんでした。 希望を持つこと、信じることは簡単そうで難しいこと。 でも、とても大切なものであるとすごく感じました。 読み終えて聴く 『soranji』がすごく心に沁みました。

    1
    投稿日: 2025.02.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画を鑑賞してから読了。 いまだに頭の中が整理できてないけれど、印象に残ったのは・・・ ①戦争の悲惨さ、捕虜の扱い、また戦後の混沌の中での人々の生活 ②希望を持って生きようとした山本幡男さんの人としての強さ・純粋さ・高潔さ ③遺書を思いもよらない方法で持ち帰った責任感(情熱) ④リベラルアーツの重要性 ⑤山本幡男さんに限らず、この時代の人々の強さ、人間の強さ ⑥ロシアの気候の過酷さ このあたりが色々と想像を絶する感じだったので自分の中に名前がつけられない感情がわだかまっている。 一言で言い表すならばショック、信じられない、という表現が的確か。 先に映画で見ていたのであらすじなどは分かっていたはずだけれど、映画を見たときよりもショックは大きかったかもしれない。 映像は過酷な状況が視覚的に表現されていたので過酷さをよりリアルに想像することはできたが、温かみのある場面もあり、またどんどんストーリーが進んでいくためそこまで自分の頭で考えたり感じ取ったりという部分はそこまで大きくなかった。 書籍で読むと悲惨な状況や過酷な情景にじっくり向き合わないと読み進められない。何度もページをめくる手が止まりそうになってしまった。 この本の感想とはズレてしまうが、いかに自分が今まで何も知らずにのほほんと暮らしていたかが身に沁みた。 こんな悲惨な過去があるのに知らないことは罪だと思うし、知らない人が増えることでまた悪夢が繰り返される可能性があるとも思った。これを機に色々勉強したいと思う。 私が一番興味を持ったのは、なぜ日本が満州を手に入れたかったか、満州での当時の生活はどのようなものだったのか、どのような人が満州に渡ったのか、その後満州から帰った人はどのような生活をしていたのか。 これまでは満州にはある程度裕福な資本家層が移り住んで現地でビジネスをしていたという印象だったが、半強制的に移住させられ開拓させられた人々がいるらしい。この移民についても色々と知りたくなった。日本からの移民といえば南米が真っ先に思い浮かぶが、戦時中には満州はもちろんアジア各地に移民がいたのだろうと思う。どのような経緯で移民が行われて現地でどのような生活をしていたのか、その後はどうなったのかがとても気になる。これについても調べてみたいと思う。 ちょっと長くなりそうなので各テーマについて掘り下げたいと思う ①戦争の悲惨さ、捕虜の扱い、また戦後の混沌の中での人々の生活 まずこの本を読んで、人道的にこのような行いが許されて良いはずがない・・・というのが最初の感想だった。 この本を読むとロシア人が非道な民族のように映ってしまうが、必ずしもそうではないのだろう。日本人だって同じ状況であれば同じことをするのだろうと思う。戦争というものが人を狂気に駆り立てるのだろうと思う。戦争では誰かが死んだり傷ついたり、物理的に何かが破壊されたり、ということはもちろん悲惨だが、それよりも人間心理への影響のほうがより深刻なのではないかとも感じた。色々な意味で影響が甚大だと感じた。

    1
    投稿日: 2025.01.17
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    「こうして久しぶりに家族全員でいられること。みんなの笑顔。美味しい食べ物。ハルビンの午後の日差し」 こういう父親になりたいと思う。 私の職業柄私と家族ももしもの時一緒にはいられない。 だから会えるときには必要なことは伝えたい。

    5
    投稿日: 2025.01.15
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    私の遅めの二宮ブームによって選ばれた本! 戦争の話って苦しいからやっぱ苦手だなぁって思うけどそれでもサクサク読めてしまった 戦場に本当にこんな太陽みたいな人いたのかなって思うくらいすごい人 映画観る勇気はまだない

    1
    投稿日: 2024.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画の余韻から冷めやらず、この本を購入しました。山本幡男さんの強くてピュアな生き方が素敵でした。暗記した遺書を仲間が遺族に伝えに行くシーンでは、仲間自身の家族への思いも伝わってきて涙が止まりませんでした。

    2
    投稿日: 2024.11.03
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    山本さんの、強さや優しさ、ピュアさに、皆が惹き付けられていく様子が、心強くもあり、儚くもありました。 相沢さん推し。 序盤で、映画が気になりすぎて、予告動画を見てしまい、読み進めていく中で、私の頭の中の想像ではなく、予告の映像に引っ張られて…ネタバレの自爆というのでしょうか…自分自身に残念。

    25
    投稿日: 2024.07.19
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    アウシュヴィッツを読んでからのこちらの作品を読ませて頂きました。辛い描写が多々ありますが、度は違えど拷問の仕方は何処の国もさほど変わらない。まだドイツ兵よりロシア兵の方が人間味があるような。(アウシュヴィッツが酷すぎる…)辛い人に、生きてれば希望があるとは私は思いませんが、希望を諦めていない人から希望は貰えると感じた一冊でした。

    3
    投稿日: 2024.06.22
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     これが創作ではなく実話であることに驚く。夜と霧でもそうだが、収容所つまり絶望的な環境下でも希望を失わない人間がいる。彼らの精神力はどこから来ているのか気になる。私も希望を失わない人でありたい。

    3
    投稿日: 2024.06.19
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    理不尽な戦争物語で本当に実話なのか?と疑いたくもなる内容で夫婦愛、捕虜仲間との友情の感動よりも戦争そのもの特に不可侵条約を破って勝ち馬に乗り満州日本人をシベリアに過酷な捕虜として抑留したロシアに対しての反露感情が募る。過酷な捕虜生活を10年以上耐えて帰国した人、英霊に対して敬意を抱く。シベリア抑留は耳にはしていたがその時代背景、対象となった人達を学べたと同時に捕虜として戦後も生きた人達の苦しみ、悔しさを強く感じる内容。今も世界で戦争が起きており同じ様な理不尽な世界が有ると思うとやるせ無い気持ちになる。

    3
    投稿日: 2024.06.02
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    これが事実に基づいている出来事とは信じたくない ソ連の非道さが伝わる きな臭い現代においても何をしてくるかわかったもんじゃない国家は数多くあるし、日本の周りでも油断できない それなのに、平和ボケの日本は果たして大丈夫なのか不安は募るばかりだ

    2
    投稿日: 2024.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻への手紙の冒頭 ”妻よ、よくやった。実によくやった” から始まるのが本当に素敵。 他の方たちがこれら一語一句を覚えるにあたって、何度山本さんを想って涙を流したんだろう。 どっしりと心が晴れる、背を伸ばさずにはいられないお話でした。

    10
    投稿日: 2024.05.07
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    過去一の感動をありがとう 謙虚で誠実なお、心の底から感じられる信念や闘志を抱き、人生の全てを楽しむ山本に感銘を受けた。彼を機に変化した周りの人々、どんな環境でも人間らしさを捨てなかった彼ら全員あっぱれ。モジミやマサトの努力の甲斐で、顕一ら子供たちに価値観を受け継ぐあたりも、素晴らしい。

    3
    投稿日: 2024.04.12
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    幸福とはなんだろう。 不幸とはなんだろう。 他者が他者の幸不幸を評するのもおこがましいとは思うが、その人の人生がどちらであるか、と見る時、その人生の締めくくり方を見て、この人は幸せなだったろうな、可哀想な人だったな、と思うことがある。 けれど、その人生の途中を見れば、その通りとも限らない。 何よりその人自身がどう感じているか。 幸不幸は他者が測るものではない。 それを踏まえて『山本さん』を思えば、どうだろう? どう捉えても不幸としか見えないが、本人はそう感じていただろうか? 人は辛い時、苦しい時、自分のその闇の部分しか見えなくなる。 どうしたって周りを見る余裕などなくなる。 この人はどうして、地獄とも呼べる中にいながら『希望』を見失わないでいられたのだろうか。 もっとたくさんの人に、多くの人に知ってほしい話だと思った。

    26
    投稿日: 2024.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画の予告を見て気になっていたのだが、結局映画よりこちらを先に読むことになった。 こんな悲惨な出来事はフィクションであって欲しかったけど、主人公の山本幡男は実在する人物で、第二次世界大戦後にシベリアに抑留されていた60万人のうちの1人だ。 強制収容所(ラーゲリ)で約11年間過ごした。過酷な条件下の中、11年も強制労働させられるなんて想像もつかない。本では「それから2年半が過ぎ」と簡単に書けるけど、彼らにとっては絶望の中生きるか死ぬかの2年半で、とても長く感じただろうと思う。 故郷に帰れず、強制労働を強いられ皆が絶望に打ちひしがれている中、どんな理不尽な状況であっても喜びや楽しみを見出してくれる山本幡男がいたことで、どれだけの人の心が救われたか…。 結局日本に帰ることは叶わなく、家族にも会えなかったけど彼の存在は、多くの抑留されていた日本人に勇気を与え、救ったのだと思う。 彼だけじゃなく一人一人に人生の物語があり、戦争に囚われた中無念にも死にゆく人がたくさんいたことを再認識できた。 こういう歴史を知ることはきついけど、今生きている私たちは知らなければいけないと思う。読んでよかった。

    4
    投稿日: 2024.02.09
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    私たち現代人の思い描く、絶望とは、失恋、リストラ、落第、などであろう。豊かな生活を送ることのできる私たちはいよいよ承認欲求、自己実現欲を満たさんとする中に生まれる挫折で絶望を感じうるだろう。そんな現代人が想像するに難い戦時中の絶望とは…。常に死と隣り合わせ、気を抜けばすかさず命を失う状況。いつ祖国に帰れるか、そもそも我が身を待つ者は、いるのか。絶望の中においては、日々の当たり前が貴いものであるのは、頭では理解しても、身をもって体験できないならば、我が身に置き換えて考えることもできない。現代人には語り尽くせぬ逆境に打ち勝とうとするものに心を打たれた。

    5
    投稿日: 2024.02.05
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    195 人間を、「捕虜」という扱いやすく管理しやすいものに変えようという圧倒的な暴力の中で、ずっと人間であり続けた人。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 ネタバレあるので映画まだ見てない方は読まない方がいいです! 一昨年たまたま渋谷の蔦屋書店で見つけて買った本。 映画『ラーゲリより愛を込めて』のノベライズ本です。 1回読んで、ボロクソに泣いて、映画も見て、ボロクソに泣いて、去年末に再読。 映像も好きだけど、ノベライズは文章で登場人物の気持ちが追えるのでより好きです。 僕は登場人物の中だと相沢さんが一番好きです。松田さんもすごく人間らしくて好きです。 なんか、感想を書こうとしても野暮な言葉になってしまいそうなので是非読んでください、とだけ。 心からおすすめできます。 プライムで映画も観れるのでそちらもぜひ。俳優陣の演技が本当に素晴らしいです。 1つだけ。今の社会は非常に豊かで日本はすごく平和な国だと思います。 そのせいか当たり前のハードルがすごく上がってしまっていて、家族の存在とか、平和な社会に対する感謝を抱きづらい環境だなと読んで感じました。 ただ、その平和は時に脅かされる時があります。 コロナ、震災、戦争、突如として日常が奪われてしまうことがあります。 そのことは頭の片隅に置いておいた方がいいのかもしれない、と思いました。 人間は失うことでしか気づけないものだと思います。 当たり前の尊さを、見失わないように日々を過ごしていきたいです。難しいけど。 あと、一度でいいから山本さんにお会いしてみたかったなあと思いました。人生観が変わりそう。 あと、もし死にたい、と思い悩んでいる子がいたらこの本を渡したいです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ↓印象に残ったところ↓ 38 松田 ダモイかと思った。日本海だと思ったものがバイカル湖だったとわかった時から、松田は帰国のことを考えることをやめていた。それだけ落胆が大きかった。 また無駄に希望を抱いて、叩き落とされることが怖かった。だったら、心を殺して、頭を低くして、一日一日生き延びることを考えた方がいい。そう思っていた。 69 「美しい歌に、アメリカもロシアもありません」 112 辛いことや理不尽なことがあると、山本はそれをどう俳句にしようか考えるようになった。そうすると、苦しみや苛立ちが自分からぽんと切り離されたように感じられて、少し楽になった。 119 モジミは山本から教えてもらった「希望」という言葉が好きだと、顕一たちにも口癖のように言っていたけれど、顕一はこの言葉が嫌いになりつつあった。だらだらと希望を抱き続けるのはつらい。四年はあまりに長かった。 「僕が母さんを助けるから。そう父さんと約束したから」 134 …書いたものは新ちゃんの記憶に残ってるだろう。記憶に残っていればそれでいいんだ。頭の中で考えたことは、誰にも奪えないからね。 146「…希望が必要なんです。生きるためには希望が必要なんだ。それがどんな小さなことでもです」 176 日本に帰って、幸子と、そして、我が子の名前を呼ぶ日のことだけを考えて生きてきた。しかし、そんな日はもう来ない。子供の名前を呼ぶことも、もうできない。 199 「生きてるだけじゃ駄目なんだ。ただ生きてるだけじゃ。それは生きていないのと同じなんだ。俺は卑怯者をやめる。山本さんのように生きるんだ」 226 理不尽だと思った。子供の大事な場面に立ち会うこともできず、結果すら知ることができない。癌になったことは、仕方のないことだ。どうしようもない。しかし、山本には心配してくれる妻がいて、子供がいて、母がいる。それなのに、彼らと一目会うこともできず、遠い地で死んでいこうとしている。 理不尽だった。 それもこれも、戦争のせいだ。戦争の理不尽のせいだ。 人を殺してはいけない。人の自由を奪ってはいけない。人の尊厳を冒してはならない。国籍や人種が違っても、ある程度、共通の認識を持っている「人間の当たり前」が、戦争となると、まるで通用しなくなる。ぐるんと反転しさえする。 239 「私はね、自殺なんて考えたことありませんよ。こんな楽しい世の中なのに、なんで自分から死ななきゃならんのですか。生きていれば、必ず楽しいことがたくさんあるよ」 自由を奪われ、厳しい労働を強いられ、過酷な懲罰を受けてなお、そんなことを言うのかと、その時はやはり正気ではないと半ば呆れていた。今思えば、あの言葉を山本はその生涯をかけて体現していた。生きることは楽しいのだと身をもって示していた。 240 松田は、シベリアの凍土の下に眠る人たちのことを思い、そして、誰よりもダモイを信じ続けた男のことを思う。 一緒に、この日を迎えたかった。そう心から思った。 245 「海原の沖辺にともし漁る灯は明かしてともせ大和島見む」 中略 実際にこの光景を見たら、山本は何と言ったのだろうと新谷は思う。その隣にいたかった。一緒に、ダモイの日の歌を、口にしたかった。 279 どういう状況におかれてもなお人間らしく生きるとはどういうことか。父は、それを多くの人々の記憶の中に遺した人でした。その生き方こそが、父が私に遺した未来でした」

    16
    投稿日: 2024.01.20
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    映画のノベライズ版。映画を観ていたが、映画ならではの表現があることがわかって、より良い映画だったことがよくわかった。希望を持ち続けた人たちの行動に涙腺が緩む。

    2
    投稿日: 2024.01.04
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    とても泣けました。最後は電車の中で号泣しそうでした。帰還者の思いも合わさって思い出すだけで切なくなります。シベリア抑留は本当にあった残酷な話ですが、人を人として見れなくなる戦争は悲惨で理不尽なものだとつくづく思います。 「よく覚えておくんだよ」 日頃のたわいもない幸せと人への愛情を大切にしたいと思える本でした。また、再読したい。

    6
    投稿日: 2023.12.19
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    二宮和也さん主演の映画にて 第二次世界大戦終了後、約60万人の日本人がシベリアの強制収容所(ラーゲリ)に不当に抑留された。 この事実を、戦争を体験していない私たち世代にとっては衝撃過ぎる事実であり、今の日本があるのはこういった事実があってのことなのだと改めて思い知らされ、若い世代へも語り継いでいかなければならないことではないかと思った。 文字が苦手な方にも是非 映画化されたものを見ていただきたい

    4
    投稿日: 2023.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに号泣しました。 そして読み終わった今、 「さよなら」という言葉の重みを しみじみと感じています。

    57
    投稿日: 2023.12.15
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    人間の生き様の究極形を目の当たりにした。 人としての尊厳の一欠片も許されない死との隣合わせの日常の中で、ただただ゛希望゛を持って生きた日本人の男。山本幡男の壮絶な半生と、夫の無事を信じ11年間待ち続けた妻との夫婦愛、捕虜となった仲間達との絆を描いた一冊だった。 そんな事実が戦後の日本に存在していたことがにわかに信じ難い。後世の人々に今の私達は何を遺していくべきだろうか。人間の底力には計り知れないものがふつふつと浮かび上がってきた。

    2
    投稿日: 2023.12.01
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    情緒不安定な時に読むと感情が大変なことになるからお気をつけてください。そして、ずっとこの先も平和であると同時に、希望を持って生きようと思いました。

    2
    投稿日: 2023.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シベリアに抑留されても、希望を失わず帰国を信じて強く生きる捕虜のお話。人間の持つ強さと、しなやかさ、お互いを信じる力、心を打たれて涙なしでは読めない。 真にひたむきな姿勢はどんな過酷な環境においても人を巻き込み、正しい影響を与える強さがある。こういう人間に私もなりたい。

    2
    投稿日: 2023.10.15
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    映画のノベライズではありながら、主軸はノンフィクションであることに驚いた。 映画を観てから読むも良し。 読んでから映画を読むも良し。 また、辺見じゅん氏、山本顕一氏が書かれた関連書籍も、ぜひ読んでいただきたい。

    2
    投稿日: 2023.10.12
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    とても切なく、また生きている喜びを同時に深く感じました。 私が知っている戦争とは違った、戦争が生み出した一面を知りました。 知らなかった。恥ずかしいと思ったし、今知れて良かったとも思いました。 私の今ある命は、ただただ大切で愛おしい命なのだと深く心に響きました。

    1
    投稿日: 2023.10.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    仕事を真剣にするがあまり、上司に従うがあまり、余所者(新入りの後輩)と優しく関われなかった自分は、読んでよかった一冊になった。 本で読むからこそ頭の中でより痛々しく、そしてむごく想像してしまった。そんな中、自分ならすぐにでも命を投げうっていたと思う時も、前しか見ない山本幡男さんの人格に胸を打たれた。 山本さんは、決してぞろぞろ率いるタイプでないが、芯のある人格により信頼を寄せている。どんな卑怯者にも真正面から立ち向かい、その人すらも敵(悪者)にしない。そんな人間。 果たして今の自分が山本さんを目の前にして、対峙できるか。 時代は違えど、彼らのように時間と人と全てを大切にしたいと思った。

    1
    投稿日: 2023.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「頭の中で考えたことは誰にも奪えない」 私にとってはこの言葉がすごく心に残った。 それは現在でも変わらないし、自分の思っていることは誰にも奪うことはできない。 だからこそ見かけのものを大切にして増やしていくのではなく、自分を磨いていきたいと思った。

    5
    投稿日: 2023.06.26
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    最後まで帰国を諦めず、収容所の中でも句会等でささやかではあるけど、『楽しみ』を創り出す主人公を尊敬します。言葉では表せない気持ちが渦巻きます。どんだけ絶望をあじわったかとか、、 本当に戦争はダメです

    3
    投稿日: 2023.06.18
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    最後の引揚船に捕虜たちが乗船するあたりから、最後まで涙が止まらなかった。 山本の人間としての誇りや、どんな過酷な状況にあっても希望を持ち続けられる心の強さ。それらが、山本本人だけではなく、周りの仲間たちや家族をも強くさせる。 そして、クロを含む山本の仲間たちが、どれほどまでに山本を大切に思っているのか、自分の命をかけてでも守りたい山本の存在価値を示すために、山本の家族に会いに行く。山本の家族もその想いを真正面から受け止める。 言語化できないほどの、山本とその関係者との心のつながりや信頼関係を目の当たりにし、涙せずにはいられなかった。 自分と向き合うにあたり、これから定期的に読み返す一冊になる予感です。

    2
    投稿日: 2023.06.17
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    最後の遺書で泣ける 希望を失わずに必死に生きている姿から、こういう人たちがいたからこそ、今私たちが生きていけるということが分かった

    1
    投稿日: 2023.06.01
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    どんな状況でも人は希望を持ち、思いやる気持を忘れずにいられるのか。 過酷な環境でも、楽しみを見つけ、自分に何が出来るのかと思えるのか。 もしかしたら人は満足して死に行くためには恵まれた環境の中ではなく与えられた場所でどれだけ自分に嘘をつかずに生きてこれたかによるのかもしれない。 この本は実話なんですね。 映画も機会があれば観ようと思います。

    19
    投稿日: 2023.05.30
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    ・ この過酷なフィクションにのめり込んで、通勤の車内で涙ぐむこと数回。うっかり乗り過ごしそうになることも数回。 今もこの世界で、理不尽な戦争が行われていること、何十年か前の日本でも行われていたという事実を、普通に暮らしていると忘れがちな自分がいます。 シベリア抑留という熾烈な状況下、身体的にも恵まれてるとは言えない中で「こういうのはどうだろう?」と、気持ちが豊かになれる提案を同僚にできる主人公・山本幡男さんの人間としての矜持(という言葉すら軽く感じる)と尊厳ある生き方に、ただただ敬意です。 本当に大切なことをやりとげたり、信じ続ける胆力って、どうやって培われたのだろう。 映画のノベライズなので、サクサク読めますよ。 敢えて読みやすくすることで、歴史を知ってもらう間口が広がるなら、それはそれで良いんじゃないかなって思います。

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    投稿日: 2023.04.18
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    映画化されている情報から入り、原作を読みたくて図書館で予約したのだけどこちらはノベライズだった。 終戦間際にシベリアの強制収容所に抑留されたひとりの一等兵、山本幡男が生き別れた妻と母、四人の子どもたちとの再会を命の拠り所にして、ひたむきに、前向きに過酷な境遇を生き延び、その行き様で、まわりの人々をも変えていった実話に基づいたお話。 強制収容所での体罰や強制労働の描写や、それまでの境遇から同じ日本人同士であっても分かり合えない状況にひたすら胸が痛み、読み始めてから最後まで心穏やかに文字が追える時間は、ない。 詳しくは書かないが、私の祖父は志願兵として16歳で出兵し海軍として戦った。祖母は東京大空襲を生き延びた。そうした戦争の四方山話を聞くことは、小学生の頃の、夏休みの宿題のひとつだった。祖父はあまり話してくれなかったけれど。 両親は一時期、家族旅行でよく沖縄に連れて行ってくれた。ただ綺麗な海や砂浜、沖縄料理を堪能するだけではなく、戦争の傷跡を、怖がる小学生の私と妹にしっかりと見せ、色々と教えてくれた。 結婚して広島市に住むことになり、友人や家族が来る度に案内するので、想像してた以上の回数、原爆資料館や呉の大和ミュージアムに足を運ぶ機会があった。 通えば通うほど、新しく知ること、何度でも胸に迫り来るものがあることを知っている。 原爆投下が、戦争が、人ごとではないことを強く感じるようになった。 アムステルダムに転勤になった。 ある日、歩道に点々とながら、綺麗にお花が置かれているのを見つけ、何かな?と見てみたらタイルに名前が。そのタイルの傍らにある住居から、第二次世界大戦中に連行されたユダヤ人家族の名前だった。 アンネの家も二度、見学に行った(英語と蘭語での理解が乏しくて)。 私にとって、戦争の話は、遠いのに、身近。 平和な日本の平和な時代に何不自由なく生まれ育ったけど、その過ちと犠牲を伴う礎を知ること、忘れないことが、生涯大切にしたいことのひとつだと思っている節があり、こういった本は読まずにはいられない。逆に、映像を伴うものはよほど覚悟しないと観られないので、この作品の映画も観られないかもなあ。 改めて原作も読もう、と思った。 今この瞬間も、世界のどこかで同じことが繰り返されていることに苦しくなる。 早くやめて。

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    投稿日: 2023.04.09
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    生きるとは何か。 人生とは何か。 理不尽な目にどれだけ遭おうともただただ家族に会いたい、と強く願い続けること。どんな状況でも希望を持って楽しむことが大切。 山本幡男の生き様とその影響を受けた周囲の人々を思うと涙なしでは読めません

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    投稿日: 2023.04.04
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    こんなにも理不尽なことがあろうか。 ただ日本へ帰りたい、待っている人と会いたいだけなのに。 何人も仲間が死んでいき、自分もいつそうなるか分からない。常に空腹で、句を詠んだり文字を書くことすら許されない。 もし自分の愛する家族が収容所で暮らしていたらと思うとやり切れないし、この世の全てを呪ってしまいそうだ。 しかし、この苦しい状況の中、山本は違った。 諦めない姿勢、ダモイを信じる心、希望を失った仲間を元気にするカリスマ性を山本は持っていた。 山本だけではなく妻のモジミも凄かった。女手一つで子どもたちを育て上げるのにどれだけ苦労したのだろうか。 山本の遺書の内容では、モジミへ向けて書かれた言葉も勿論良かったのだが、母ヘ向けての言葉がグッときた。一目逢いたかった、と切に願う気持ちがストレートに書かれていて、彼の素の部分が初めて見えた気がした。 山本幡男は立派な人だったとしか言えない。彼ほどの人物はなかなかいない。

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    投稿日: 2023.04.02
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    映画を見るようにぐんぐん読み進めた。 時の流れがわかりやすい。 山本幡男という人物は、どんな時でも人間らしく生きていた。 遺書に込められたメッセージが響いて、最後のほうは泣きながら読んだ。

    1
    投稿日: 2023.03.04
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    一気に読んだ!久しぶりに先が気になってどんどん読み進めたくなる本に出会えた。 ラーゲリの凄惨な日々が生々しく描かれる。読み終わったあと、この時代の日本でなに不自由ない生活をしている幸福感に包まれた。またこんなにも情熱的で聡明な人物が実在したことに想いを馳せ、さぞ魅力的な人物だったのだろうと思った。

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    投稿日: 2023.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    これは胸熱だわ。 しかも実話ってのがすごいな。いい一冊に出会えた。山本さんの正義感、強さ、マジ見習いたい。 子供に向けた遺書のとこ、もう一回読んどこ。 ってか、ソ連(ロシア)ってほんま最悪やな。 他にも最悪エピソードあるんよね? この当時にソ連に寝返った日本人てどうしてんのかな?色々疑問が出てきた。

    3
    投稿日: 2023.02.28
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     読書感想というより、映画感想になってしまいますが、安田顕が美味しいとこザックリともって行きました!ブルーレイ買います!!

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    投稿日: 2023.02.26
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    自分は映画を観た後に読んだが、映画では描かれていない部分も書かれているので映画を観る前に読んでもいいと思います。特にモジミさんや子供たちの心情、ラーゲリの仲間たちの背景や心情については細かく描かれていません。映画を先に観た後の余韻とノベライズを先に読んで観た後の余韻では感じ方が違うかもしれません。 この作品を先に読んだ方は、読んで満足をするのではなく是非とも映画館に足を運んでいただきたいです!!時間に余裕のある方は、役者の皆さんの"表情"と"声"を堪能してきて欲しいです! それぞれの立場によって感情移入する人は違うと思うが、自分はまだ親になる経験をしていないからこそ山本さんの娘であるはるかちゃんに感情移入してしまいました。はるかちゃんが山本さんのことを覚えていないって言う場面があるんですね。自分も父方の祖父を物心つく前に亡くしているので、どんな顔をしていたのか、遊んでもらった記憶などがありません。親に話を聞いても記憶に無いのでいまいちピンとこないんですよね。 はるかちゃんの場合、山本さんの遺書があるしラーゲリでどんな暮らしをしてきたのか、その"記憶"を覚えている人たちがいる。本人からの言葉や家族以外の人に記憶が残っているのは、はるかちゃんにとってどんな人であったのかイメージしやすいはず。 どうか、山本さんがどんな人であったのか沢山話してあげて欲しいと思った。

    2
    投稿日: 2023.02.18
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    通勤電車の中で泣きました。 山本がみんなへの影響力があったからこそ遺書が届けられた。山本の生き方が素晴らしい。背中を押された気がします。 映画も観たい必ず観ようと思います。

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    投稿日: 2023.02.17
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    偶然ですが、満州で終戦を迎えたエンディングの「地図と拳」を読み終えた後に、この本を手に取ったため、まるで、続きモノのように、ハルビンにいた山本が終戦後、シベリアに送られるところから始まりました。 映画は見てませんが、シベリア抑留の悲惨な映像が想像できて辛くなります。果たして泣けるのか? Wikiによれば、映画の脚本は「正直なところ、映画はやっぱり実際とは違ってはいる(長男の顕一談)」らしいですが、ネット配信が始まったらやっぱりちょっと観てみたいところ。 ノンフィクションなだけにインパクトは強烈。今の日本は、当時、山本さんが遺書にしたためた希望にあふれた未来を実現しているのか。。。高度経済成長期あたりまではきっといい線いってたのかもしれませんが、閉塞感に溢れたイマはどうでしょう? あと、これまたどうしても、ウクライナ禍を思い浮かべてしまいます。この瞬間にも、捕虜となった兵士が祖国や家族を想い耐えている現実に、我々自身や国際社会はどう向き合ったらいいのでしょうか? エンターテインメントなノベライズ本、というにはあまりに重い内容でした。

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    投稿日: 2023.02.15
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    ソ連の収容所での過酷な状況においても希望を失わずに生き続けた男と、収容所仲間との十一年に及ぶ収容生活を描いた物語。 ロシア許すまじ。

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    投稿日: 2023.02.12
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    映画を観に行きたかったのになかなか行けずに今に至る。 ノベライズと原作は絶対読むと決めていたから、まずノベライズ読めて良かった。 山本さんのメンタルがすごい。 私ならへこたれるはずだから。 原作も必ずきちんと読みます。

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    投稿日: 2023.02.09
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    2023/2/3 読了 映画を見て、原作を読んで、という流れだったので、すごく読みやすかったし、2ヶ月前くらいに見た映像を思い出しながら読めた。 戦争を体験した人たちが減っていく中で、この作品を通して、戦争がもたらすものを若い世代に伝えていこうとしているのが伝わった。 「なにもなくても、そこに希望は絶対ある」 「頭の中で考えたことは、誰にも奪えない」 という言葉が印象に残った。

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    投稿日: 2023.02.03
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    映画のノベライズ本。 原作の「収容所から来た遺書」と読み比べることをお勧め。 原作の方に詳しい感想を書いたので、ここでは簡単に。 ノベライズなので、スラスラ読めるし、映画を観た後に読んだので、先の展開も読めてしまう。 それでも戦争を知らない世代に、「シベリア抑留」と言う史実があったことを知ってもらうには、いい作品だと思う。 分かっていても、ラストは泣ける。 でも、映画はもっと泣ける! よくある戦争もののような派手な展開はないものの、映画は中盤からずっと泣きっぱなし。 シベリアで辛い思いをした人々、生きていることを信じて11年待ち続けた家族の愛が心に沁みる。 そして、やはり思う。 何の罪もない人の命を奪う戦争はあってはならない。 今、この世界にも戦争でバラバラになった家族がいることを忘れてはいけない。 多分映画自体はウクライナ侵攻前に撮影されたものだと思うが、やはり旧ソ連の話だと思うと、今のロシアの悪行を憎いと思ってしまう。 日本人全員の帰国まで11年引っ張った旧ソ連。 ウクライナ侵攻の終わりは、どこにあるのだろう・・・

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    投稿日: 2023.01.28
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    最後のやり取りが心に残った 山本の信念がある意味狂気に近いw 私なんか絶対一発目の拷問でギブアップしてる自信がある。 松本の気持ちにとても共感できる。 2時間程度で読めるし、是非最後まで読んでほしい

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    投稿日: 2023.01.27
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    母から借りた本 ・ 現在公開されている同名映画のノベライズ版 第二次世界大戦中、シベリア収容所に捕虜として抑留された山本 妻と幼い4人の子供と離れ離れとなり消息もつかめない 過酷な労働作業を強いられ、劣悪な環境での生活の中、命を落とす者、自ら命を絶つ者が続出する そのような厳しい状況下でも希望を捨てず、周囲の人々の生きる希望となっていた山本 実在していた人だということが更に胸に迫る どんな状況でも周囲の人達も巻き込んで日々を楽しもうとする山本は真に強い人だと思う 山本は自分達捕虜に劣悪な労働を強いるソ連の軍人に対しても恨みはしていない 戦争が悪いのだと分かっていたからだと思う 本作を読んだだけで当時のシベリアの捕虜の方達のことを分かった気になってはいけないことは当然分かっているけど、山本の生き様は私の人生の指南本の一冊になりそう ・ 映画も観に行こうか悩んだけど… 絶対号泣だし バスタオル持参だな

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    投稿日: 2023.01.26
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    ノベライズされたと言う理由からか、余りにも簡便で文章に切れ味がないし群像の深みもない。 文章が稚拙で浅薄過ぎる。 小説としてはB級作品だ。 勿論原作がということではないが。 内容はといえば、確かに真実が描かれている。 何故そうと断言できるかというと、 私の父も抑留されており、 たまに話を聞かされていたからだ。 まさにバイカル湖が見えた時は日本海だと歓喜したという。その後にバイカル湖と知った時の落胆は尋常ではなかったという。 ハルピン近郊で貨車に乗っていた際はシベリア奥地へ連れて行かれるとも知らず、満州を逃げ惑う日本人たちに貨車の中から大量の缶詰めなどの食料品を投げ与えたそうだ。 ラーゲリでは有刺鉄線に近づき射殺された者も目の前で見たそうだ。 この作品には描かれていないが、舞鶴港に帰還した時に皆大枚の慰労金みたいなものを国から頂いたそうだ。 父はそれで家でも建てられると思ったらしい。 そのお金の一部で羊羹を買ったらとんでもない金額で そこで初めて満州・ソ連にいる間にとんでもない物価の上昇を知ることになったそうだ。 勿論家を建てるどころか柱一本買える金額ではなかった。 また、抑留者たちは帰還後も日本人から偏見の目で見られることになる。 いわゆる赤になっているという誤解だ。 その為に父は就職にも苦労したという。 抑留者は日本へ還ってきてからも苦労の連続だったのだ。 映画を観て泣いた方々に言いたい。 抑留者の方々は高齢者になってやっと国から20万のお詫びを支給された。 しかし、日本に還ってきてなん十年も経てやっとちょっとばかりのお詫び金。 これが日本人の抑留者への興味のなさや他人事ということを如実に表している。 こんな単なる御涙頂戴映画や凡庸なノベライズを作った日本に天国の父は怒っているかもしれない。

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    投稿日: 2023.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ラーゲリでできた仲間たちそれぞれが、それぞれに対して未練のある、山本さんの間柄に、遺志を伝えることができたシーンで涙がでた。 生きているだけではダメで、何かを誰かに伝えることではじめて生きた証となるんだなと感じた。

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    投稿日: 2023.01.18
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    大東亜戦争後、シベリアで捕虜となり、帰国目前に病で命を落とした山本幡男の仲間たちとの絆、家族への想いを描いた話。ラーゲリ(収容所)での生活の一端を知ることはできても、実際には想像もできないほど過酷で苦しく耐え難いものだったに違いない。そんな状況でも、希望を失わず、人を思いやり、道義を通した山本。彼の人柄が素晴らしく美談として扱われる類かもしれない。でも、このような事は程度の差こそあれ至る所であっただろう。やはり戦争は苦しみや悲しみなど負の物しか残さない。先人から託された現在を生きる私達は何をすべきか真剣に考えなくてはならないと思う。

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    投稿日: 2023.01.11
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    映画が気になったのでノベライズ本が出ているというので手に取りました。 第二次世界大戦でシベリア強制収容所に捕虜として抑留された山本幡男の 壮絶な半生と、夫の無事を信じて十一年待ち続けた妻モミジとの夫婦愛、 捕虜になった仲間達との絆が描かれている実話。 シベリア抑留は映画や報道などで見聞きして知っていたつもりですが、 読み進めていると抑留された人達を人間と扱うことなく、 寒さの厳しい中過酷な労働、劣悪な環境、そしてソ連兵からの 暴力や拷問が酷く読んでいるだけでも苦しく辛いもので これが現実にあったというのが恐ろしかったです。 中にはソ連兵でも日本人に対して同情的な人がいたというのがせめてもの救いでした。 けれどこんな過酷な状況下であっても、 人間としての尊厳を忘れずに生きる希望を どんな時でも持ち続けている山本幡男は本当に素晴らしく、 どうしたらこんな強い心を保っていられるのだろと 思うくらいでした。 こんな山本がいたから窮地の場面でも仲間たちと 乗り越えることができ、こうやって仲間達の計らいで、 妻に大切なものを伝えることが出来て、 後世に伝え残すことが出来たのかと思います。 山本の口癖のように言っていた 「生きていれば、必ず楽しいことがあるよ」 「頭の中で考えたことは、誰にでも奪うことはできない」 という言葉がとても重く心に響きました。 いつシベリアから帰国するのかと待っていた モミジは悲しさ、寂しさを振り切って子供の前では 明るく振舞い、絶えず希望を持って日々を過ごして いた姿にも感銘しました。 きっと二人は似たもの同士の良いご夫婦だったのかと想像しました。 後半に入ると山本の病状がどんどんと悪化していき、 遺書を書いていく場面になってからは、 涙をこらえながらやっと読んでいました。 これ程までの内容なので映画を観てみたい気持ちもありますが、 とても最後まで観る自信が無いのでここで留めておきます。 とかく戦争映画というと残酷さやむごたらしさなどが 強調されがちですが、このように一人の人間を焦点に 合わせることがより戦争の恐ろしさが身近に感じて 日々なにげなく生きていることへの感謝を忘れては ならないというのを更に思います。 今まさにロシアがウクライナ侵攻をしている最中で、 報道されている事柄がこの当時の事と重なる部分もあり、 それが更に戦争への辛さや憤りが募ります。 一日でも早く終戦が来ることを祈りたいです。 そして世界中で争いのない時が早く訪れることを願いたいと思いました。

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    投稿日: 2023.01.11
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     映像や書籍などを通じて戦争を知る時、私は自分に対して無力感に似た感情を抱く。というのは、いくらそうしたコンテンツで戦争の残虐性が訴えられようとも、戦争に付随する真の残虐性というものを私は知り得ることができないと思うからである。  このことは戦争をテーマに何かを主張しようとする作り手を決して非難するものではない。それどころか、そのような人たちが取材に取材を重ねて労力を惜しむことなく心血を注いで作り上げるからこそ、その残虐性を最大化し、戦争を経験したことのない私をして戦慄せしめるのである。彼らのおかげで私は戦争の一端を知ることができるのだ。  ただどうしても、命儚く散って逝った先人たちの無念さを考えると、戦争の本当の怖さを知った気には到底なれないのである。そのギャップに私は一種の無力感を抱いた。  この本の主人公、山本幡男はいかなる逆境に陥ろうとも決して希望を捨てることはなかった。己が末期のガンに蝕まれていることを告げられても、いっときは絶望したものの、未来を見据えて生きようとすることをやめなかった。  山本の抱く希望。それは生に対する執念でありある種の狂気とも言えるかもしれない。  狂気には狂気を。ラーゲリ(露語で収容所の意)にて過酷な環境のもと、重労働を強いるソ連側の狂気に立ち向かうためにそれは必要だった。  山本の希望はやがては同胞たちを勇気づける。「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」と励まし続け、何度裏切られようとも希望を持ち皆に与え続けた。風前の灯とでも言えるかすかな希望を山本は決して捨てなかったのだ。  これは常人にはなかなか真似できることではない。  ラーゲリにて希望の源泉である山本は、残念なことに、ダモイすることなくソ連の地でその生涯に幕を下ろした。愛すべき妻子に会うそのためだけに山本は懸命に生きてきた。しかし、その願いは結局叶わなかった。  彼の無念さを言い表せる言葉を私は持ち合わせていない。  その後、彼が記した遺書を数人の同胞たちが暗記し家族に届けるのであるが、それらの詳細は各自その目で確かめるのが良かろう。私がここであえて詳にすることは、この駄文を読んだ人に奇妙な色眼鏡をかけてしまうことにもなりかねないし、何より作者に対する冒涜になるでせう。  このドラマのようなお話は決してフィクションではなく、純然たる実話である。お恥ずかしながら、私は山本幡男氏をそれまで知らなかった。こんなにも偉大な人を、だ。それどころか、シベリア抑留についてさえ、その意味内容をまるで認知していなかった。全く情けない話である。  山本幡男氏のような無名の英雄を掘り出し伝えてくれた作者に心からお礼申し上げる。それと同時に、これのような無名の英雄がまだまだたくさんいるのだろうと考える。そう思うと世の中捨てたものではないなと一種の希望に似た何かが私の胸に灯ったのである。  

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    投稿日: 2023.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画のノベライズ版やったけど、本でこんなに泣いたんは初めてやったなぁ。 めっちゃいいお話やった。 事実っていうのが悲しいな。 でもめっちゃイメージしやすかったし、山本が最後帰ってこれへんのほんまに残念でしかない。 いやー、映画見に行きたいなぁ。

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    投稿日: 2023.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画が公開されているので、気になって購入。 初めて本を読んで号泣した。 日本の過去の戦争について、わたしは無知で こんな悲惨なことがあったのかと胸が苦しくなった。 山本さんと妻モジミさんの絶対的信頼。 何年もの間、絶対無事に生きていると信じ続け、手紙のやり取りができるようになったとき、モジミさんが子供たちに「ほら、」と得意げに伝えたところが、本当に嬉しくて涙が出た。 また、山本さんの人柄・人間性が本当に素晴らしく、周りから初めは反感を買うこともあったが、みんなが山本さんのために!と動き、山本さんがどれだけの人の心を動かし、勇気を与えて来たかが伝わって来た。 山本さんの遺書をなんとしてでも家族へ伝えようと奮闘するみんなの努力にも胸を打たれた。山本さんにずっと寄り添い続けたクロも一緒に日本に帰ることができて本当に嬉しかった。 いま、ロシアとウクライナの戦争が長く続いていて、かなり多くの犠牲者が出ている。 戦争とはどうしてなくならないのか。なぜ無惨に人が殺されるのか。 わたしがいま、平和に生きて来れているのは当たり前ではないのだと、もっと日頃から生きていることへの感謝や周りに対する想いを言葉にした方がよいと感じた。 わたしは、教師を目指している。 山本さんや妻モジミさんのように、希望を持って生きていってほしいと子どもたちに強く伝えていきたい。 後日映画を見に行こうと考えているが、 CMだけで涙が出たので、おそらく涙なしには見ることはできないと思う。

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    投稿日: 2023.01.01
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    人間が一人死んだところで世界や日常が変わるものではない。でも、そんなちっぽけな人間でも大切な人にはとても大きい。

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    投稿日: 2023.01.01
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    泣いた。 はぁ〜、つらい。つらすぎるよ。。。 胸が苦しい。読み終わった時の感想。 実話に基づく、ってこれ本当? こんな恐ろしい、おぞましい世界があっていいの? 大した罪もなく戦犯として留められ9年。 強制労働と過酷な環境。大切な人たちにも会えず、人間としての尊厳も認められないような、そんな扱い。 そんな闇のような日々の中でも、人として、1人の人間として希望を失わずに生きようと、帰国を叶えようと、力強く行きた主人公。 最後、こんな悲しい終わり方ってないよ…と正直思ったけど、戦時中はそういうこともザラにあったんだと想像すると、ただただつらい。 しかも、70年ほど経ってなお同じように戦争を起こし、正当化するロシアに憎しみの気持ちが沸いてくるよね。。。大切な人をあんな理不尽な行為に晒したくない。

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    投稿日: 2022.12.30
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     映画が気になったので、見る前に読んでみようと思い購入。2日にかけて、4時間くらいで一気に読んでしまった。最後の方は、涙なしには読めない。嗚咽しながら読み進めたほど。  学校で学ぶ戦争の知識以外にも、あらゆるところにそれぞれの戦争があることを思い知らされた。シベリア抑留など、史実として知ってはいたが、こんなにも過酷な状況があったのだとリアルに感じられた。終戦の日以降も、まだまだ戦争が続いていた人々がこんなにもいたことは知らなかったし、実感できなかったので、もっと勉強しないとなと思った。  主人公の山本幡男さんの、生き方にも感銘を受けた。山本さんは、戦争と言う絶望の中、希望を失わない人。そして、周りをどんどん巻き込んで、ほぐしていく人。ここまで、自分を強く持てる人は凄い。私もこんな人を目指したいと思った。  この本にも原作があり、事実に基づいたストーリーであることに驚く。同時に、やっぱり人ってこんな素敵なこと起こせる存在なんだなと、勇気づけられる。原作も読んでみたいし、映画も見たい。

    8
    投稿日: 2022.12.24
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    記憶したことは誰にも奪えない。4人の仲間が山本さんの遺書を記憶して家族に届けるって素晴らしい。道義を大切にという父からの遺書は子供たちの一生の財産。またもや記憶という誰にも奪えない記録で引き継がれていく。 強制労働を強いられ、人間扱いされない中でも絶えず希望を持ち続ける山本さんの姿には生きるということを学ばせてもらった。 家族が一緒にいられる幸せも本当にありがたいと思う。

    7
    投稿日: 2022.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022/12/20リクエスト 3 第二次世界大戦でロシアに抑留されていた日本人、山本幡男の生き様を描いてある。 4人の子ども、妻と母親を思いながら、ラーゲリ(収容所)で過酷な強制労働を行う山本。 列車に乗せられ、日本海かと思ったら、それはバイカル湖だった…その落胆するたくさんの日本人の中で突然歌を歌いだす。 それは、生きていることは楽しいことだ、それを自ら捨てるなんて、というポリシーのもと生きる山本だった。 厳しい労働の中、生きる希望を捨てない、辛い状況の中でもわくわくすることを考え、人間らしく生きる。学ぶ機会のなかった若い人に文字も歴史も俳句も教え、ささやかな楽しみとして句会を催す。 そんな人が、存在した事に驚いた。 このような地獄で、この様な状況なら大半の人が、松田と同じ思考になるのでは。 それでも、諦めず、必ずダモイはあります、と言い続ける山本に、反発している人も、心動かされる様子は心が震える。 それなのに、最後に命を落としてしまう。 喉の癌でまともな医療も受けられず、衰弱していく様子は読んでいてもとても辛い。 山本に遺書を書かせ日本に持ち帰ろう、としても、全て奪われてしまう。みんなで分けて保管しても、服の縫込みに入れても、何をしても奪われる。 そこで山本の 記憶というのは誰にも奪われずにしまっておける を実践する。4人で分割して覚え必ず伝える、というのは気持ちだけでできるものではない。 通常の精神状態ではなく、人間が生きるか死ぬかの瀬戸際の体力の中、山本のために覚えることが、どれほど困難だったか。 その4人は、本当に記憶の遺書をモジミに伝える。 山本の妻のモジミが泣くシーンは本当に何度も無い。 あなたに会いたい そう願い続け、舞鶴に迎えに出かける直前に電報で山本の死を知る。その時と、記憶の遺書を届けてもらったとき。 希望が人を生かすのだ この言葉をしっかり覚えておこうと思う。

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    投稿日: 2022.12.20
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    ロシア抑留での厳しい寒さや容赦のない毎日の労働の過酷さだけでなく、日本軍の上官のいじめとも取れる下士官への暴行。 読み続けるのも大変な状況があるものの、主人公である山本氏のぶれない人柄と明るさは救いです。 どんな状況下でも希望を失わないだけでなく、周りの人々をも元気づける力強さ。 また、病に倒れた彼を助けようとする仲間たちは、手分けして遺言を日本の家族に届けるのです。 読む者は、残された家族もまた、決して希望を失わないだろうと思えて、清々しい読書感を味わいます。いい本に出会えたと思います。

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    投稿日: 2022.12.19
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    胸が痛くなるシーンも多かったけど、こんな素晴らしい日本人もいたんだと、日本人であることに誇りや希望を持たせてくれる。 絶望の中にも希望となってくれるものは学び。記憶。

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    投稿日: 2022.12.14
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    原作を先に読んでいたので話の筋はわかってるんだけど、映画用にうまく脚色されていて最後なんて原作よりも泣いちゃった。映画館で観るのがより楽しみになったし、泣いちゃうかも、やばい。

    0
    投稿日: 2022.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生きようとした山本がどれだけ素晴らしい人だったか ‘戦争’という、私たちに忘れかけていた気持ちを、絶対に繰り返してはいけないという思いを思い出させる話でした。 山本に影響を受けて変わっていく、松田や相沢も最後は山本の遺志を伝えにいく 日本に戻りたかっただろうな、、、

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    投稿日: 2022.11.08
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    久しぶりに熱中して一気に読めた。 人間は儚い。それでも人間の記憶力は偉大。 辛い状況下、それでも、目の前の「生きる」ということをいかに明るく捉え、限られた中で楽しみを見つけられるか。 「生きる」ことを、強く強く感じた一冊。

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    投稿日: 2022.11.08
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    最後に勝つものは道義だぞ。 希望が必要なんだ。それがどんな小さなことでも。 想像を絶するような、ラーゲリでの生活。 その中で、人間らしさを失わないような、まっすぐな山本。 「そうでありたい」と思う姿が山本に重なる。 周囲の原、松田、相沢の山本のように生きられない姿に自分自身が重なる。 どんな状況でも、最後に人の心を動かせるのは、暴力や罰ではなく、山本の生き様のような「道義」なんだろう。

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    投稿日: 2022.10.26
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    松坂桃李の演技が見たくて購入したけど,配役見らずとも松田って1発でわかった笑もうめちゃくちゃよかった。映画もすごいたのしみ!!!早く松坂桃李の演技で松田がみたいなー

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    投稿日: 2022.10.06
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    【感動の実話を二宮和也主演で映画化! 完全ノベライズ版】戦後のシベリア強制収容所で過酷な日々を過ごしながらも、家族や仲間を想い、生きる希望を持ち続けた山本幡男の生涯と夫婦愛を描く。

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    投稿日: 2022.07.01