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その丘が黄金ならば
その丘が黄金ならば
C・パム・ジャン、藤井光/早川書房
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総合評価

4件)
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    アメリカの大地で生きる移民のこどもたち。その土地で生まれたのに、外見上で受け入れてはもらえない。「この土地は誰のものか」。土地に執着して、黄金を追い求める。 父親最悪だなと思って読み進めると、父親の回想録の章があって、家族の歴史が回収される。賢い女性がゆえの母親の強かさと、それを引き継ぎ結局はサムのために身を挺するルーシー。彼女の毅然とした姿。

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    投稿日: 2025.10.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かった。 家族の話、そして2人残された姉妹の物語。 悲しい現実の中で、家族のために生きること。ルーシーは最後に何を願ったのだろう?サムはルーシーの嘘に気づいているのかな?それとも海の向こうでルーシーが来ることを信じているのか?そもそも無事に海を渡れたのか。 サムとルーシーが船に乗るために2人で旅をするシーンが心に残った。

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    投稿日: 2023.10.06
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    最初から最後まで不幸な物語が続く、でもなぜかのめりこんで読んでしまう。 父親が死亡するまでは貧困と墓力によって苦しんでいくルーシーだが、スィートウォーターに住み始めてからは憐れみを含んだ友情にも表面上は穏やかだが内面は反骨心を持って生きていく様子が美しい。それが成長とは言えないかもしれないが父親と母親の自立して生きていくという信念を引き継いでいる女性になっている。彼女が唯一幸せだったのが父親の遺体を埋葬する旅の間だけだったのでしょう、死んでからのほうが人間の本音が伝わってくることはあると思います。

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    投稿日: 2022.11.27
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    土ぼこり舞うゴールドラッシュ黄昏のとある国、とある時代。 二人の子供が父親の亡骸を葬りに街を出る。 黄色い肌の子供達が向かうは荒野。 バッファローに虎の骨が転がる乾いた世界で彼ら彼女ら(原文の少女の1人は“he”や“she”を避けて語られるらしい)はそれでも流離い生き延びていく。 新しい肌の色や性差で語られる西部は、例え題名の通りであったとしても、マイノリティであるならそれが幸福に繋がるわけではないことを物語る。 トニモリスンもコーマックマッカシーも、ジャスミンウォードなんかも、きっとこの本読んで手を振ったり、拍手してる。

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    投稿日: 2022.09.02