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渋滞学(新潮選書)
渋滞学(新潮選書)
西成活裕/新潮社
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総合評価

63件)
3.9
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13
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    渋滞学で有名となった大学教授が続編で無駄を題材にペンを取る。 あいにく、無駄学と掲げる題名ほどに、本書の構成は体系だっていない。トヨタのカイゼンに相当の書面を割くなどしているが、それについてはすでにたくさんの書籍が出ているので二番煎じの印象は否めない。 「無駄」は広範囲に及ぶところであり、十把ひとからげに語るには適していないのだろう。もう一段階細分化する必要がありそうだ。

    0
    投稿日: 2025.10.26
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    そしてネットワーク理論にとってもう一つの重要なアイディアがその後すぐに物理学者バラバシらによって発表された。彼らは航空機やインターネットなどのネットワークを詳細に調べ、ハブという多数の接続道路を持っているものがいくつか存在していることに注目した。このようにある程度ランダムなつながりのネットワークの中にも、実は多数の接続を持つ中心的な役割のものが少数存在することもある。このようなネットワークをスケールフリーネットワークと呼んでいる。長いバイパス枝も短い枝も同じ1本と数えると、ある点から別の点まで行くのにたどる枝の合計数は、スケールフリーの場合、バイパスやハブの存在のために少ないものから多いものまでいろいろあって、ネットワークを特徴付ける代表的なスケールがないことからスケールフリーという名前がついた。 スケールフリーとは、簡単にいえば次のようなことだ。ある100人のクラスのテストの成績は全員異なっていて1点から100点まで分布していたとすると、このクラスにはいろいろな人がいて特徴づけができずスケールフリーになる。この場合、平均点は 50.5点だが、この数字にはほとんど意味 はない。また、高得点の人がハブに相当していると考えてよい。それに比べて、もし全員30点ならばそのクラスは「要努力クラス」と特徴づけられるのでスケールフリーではないし、また高得点者であるハブも存在しない。 <図3>を見るとそのネットワークの様子がわかると思うが、スケールフリーネットワークでは、多数の接続を持つハブとなる点がいくつか存在するのに対して、ランダムなネットワークでは全体としてとくに際立った点はなく、全体がランダムに結びついているだけだ。 航空路線図はこのようなスケールフリーのネットワークを形成しており、その他映画俳優の共演関係のネットワークもこのようになっていることが知られている。つまり一部の際立って有名な俳優がハブになっているのだ。これらの例の場合、一つの点から出ている接続枝の数がその点の「得点」だと思えば、テストの成績のたとえ話と直接対応して考えられる。 スケールフリーとスモールワールドはともに碁盤目状の規則的なものに比べてお互いの距離が近くなるネットワークだ。それではそのちがいは何かというと、まずスモールワールドにはハブは存在しない。そしてスモールワールドの場合は自分の周囲ともある程度強く結びついているのに対して、スケールフリーはそのような周囲との接続に関しては保証していないという点だ。したがってこの周囲との結びつきの強さという意味では、スケールフリーはランダムなネットワークに近い。最近では、自分の周囲ともちゃんと結びついて、しかもハブが存在するような両方の性質を備えたネットワーク も見出され、その性質の研究が進められている。 スケールフリーのネットワークは、ハブの故障に対して弱いと考えられる。 そしてハブの不調にどれだけこのネットワークが耐えられるのか、などが理論的に研究されている。これはインターネットでの悪意のあるネットワーク攻撃に対する安全性を増す上でも重要な研究だ。 近い将来、渋滞学にこのネットワーク理論の結果が生かされて、新しい渋 滞解消システムが生まれてくることを大いに期待している。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    会社の研修時に参考本で挙げられていたので興味があり、読んでみた。 理系でない自分が読むと、理系の人の考え方が多少なりとも理解できたような。ただし、結構真剣に読まないと頭に入ってこない内容。電車の渋滞理由やインターネットの渋滞など興味深い事例もあり。 手にとって理系の内容に挫けず、最後まではきちんと読み終えられて、一安心できた。

    0
    投稿日: 2022.10.07
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    頂き本。 大学自体に先輩が検証してましたね。 渋滞とは何かと高速道路で渋滞が発生する理由から始まって、 人、アリ、世界、ネットワークなど様々な渋滞について原因を含めて説明してくれている本。 一部は流し読みですが、勉強になりました。

    0
    投稿日: 2022.07.31
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    普段た体験したことのある渋滞や待ち時間を計算や式に表して説明しているのがすごいと思った。イライラすることもここまで式にしたり、何で起きるのか分かるようになったなると怒りなどの感情はなくなると思う。だから勉強しようと思った。

    0
    投稿日: 2021.12.29
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    理系分野をあんまり勉強してない人にも読みやすい本かと思ったら、結構ちゃんと読まないと次の内容を理解できなかった。多分普段から触れてる人はめっちゃすらすら読めるんだろうなって思いながら... 事例紹介は楽しかった。

    1
    投稿日: 2021.11.20
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     少し前に筆者の『クルマの渋滞 アリの行列』を読んでおり、本書とは大体半分ほど内容が被っているので、感想はそちらの方で。  最終章で筆者が述べている「理学と工学の乖離」については、これは全くその通りだと思う。僕自身の今の興味が理論の中でもどちらかというと応用寄りのところにあるので、大学にいるうちに少しぐらいは工学系も勉強してみたいと思っているのだが、目の前の授業や課題をこなすので精一杯でなかなか難しい… 1 渋滞とは何か 2 車の渋滞はなぜ起きるのか 3 人の渋滞 4 アリの渋滞 5 世界は渋滞だらけ 6 渋滞学のこれから

    8
    投稿日: 2021.09.18
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    各章、お手軽な分量で面白く読めた。 これからは通勤で使っている駅の、エレベータ付近の混雑を面白く観察できそうだ。 最終章の文章が熱くて印象は悪くない、、、が、欲を言えば理学と工学以外にも言及して欲しかった。

    0
    投稿日: 2019.01.20
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    Vol.50 競うから逃げられない!?2方向避難の原則。 http://www.shirayu.com/letter/2009/000049.html

    0
    投稿日: 2018.12.20
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    渋滞の原因て聞いたことはあったが、この本がネタか。 モデルで考えることの効率と効果をいろんな事例で語っていて面白い。 理学部と工学部の違いなんて触れてるのもいかにも現場の先生みたいで。 でもこの本で、誰かが仕事の提出を遅らせると、後の工程がどんどん遅れるという話に還元させる上司がいるのも困ったもんだりした。

    0
    投稿日: 2018.12.17
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    ニュートン粒子=慣性の法則・作用反作用の法則・運動の法則が当てはまるもの 非ニュートン粒子=自己駆動粒子 群衆の状態 *会衆:興味の対象への直接行動には訴えず、受動的関心から集まっている【対象に対して行動に訴えない】 ex音楽会の聴衆 *モッブ:強い感情状態に支配され、抵抗を押しのけつつ敵対する対象に直接働きかける【対象に対して攻撃的】 ex集団テロ *パニック:強烈な恐怖から群集自体が収拾しがたい混乱に陥っている 【対象に対して逃避的】 exビル火災 ブラジルナッツ現象=直径の大きい玉と小さい玉を容器に入れておくと、自然に大きい玉が上に集まってくる現象 メカニズムは解明されていない ライン生産とセル生産 規則的なネットワーク 不規則なネットワーク(ランダム) 規則と不規則の間のネットワーク(スモールワールド) 人間関係のネットワークは、スモールワールドネットワークモデル スケールフリーネットワーク=ところどころにハブがあるモデル 単純なものからは単純なものしか生まれないというのは誤り。カオス理論によりごく少数のルールの組み合わせでも、デタラメな現象ができうる 複雑な対象を複雑なまま理解する、ということができる人は果たしているのだろうか。人間は少数の組み合わせしか理解できないと信じている。わかった、といえる瞬間は非常に単純な要素の組み合わせで現象が理解できたときだ。 新しい人材は、基礎と応用両方の精神がわかる人材。言葉を単に右から左に通訳するだけではなくて、両分野の専門的知識をある程度細部まで理解しつつ、その結果を今度は細部にとらわれずに生き生きしたイメージで捉えるような能力がなくては ならない。 単に、AのプロとBのプロが手を組むのでは意味がない。一人の人間の頭の中に両方を入れることが重要。 異なる専門家同士が集まって意見交換するブレストはたいていうまくいかない。少なくともかなりの程度までお互いの分野のことを知っていないと、議論が本質的にかみ合わないし、真に新しいものは生まれないのだ。

    0
    投稿日: 2018.10.18
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    渋滞に関する最新研究。アリや人や車などの自己駆動粒子の動作分析を排除体積効果を使ってモデル化している。なかなか渋滞の分析というのは面白くまた難しいものである。

    0
    投稿日: 2018.10.11
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    文字どおり、渋滞を真面目に論じている。渋滞を数式モデル化し、交通渋滞のみならずインターネットのトラフィックの渋滞など、話はどんどん広がる。 ヒト、アリ、パケット、エレベータ。 ニュートン粒子と自己駆動系粒子という二分化は単純だがわかりやすい。 かかれたのが2006年と10年以上前。その後の交通網の整備、ネットの発達、AIや機械学習の導入事例増加、という現状を受けて、この筆者現在の考えがどうなっているか聞いてみたい。

    0
    投稿日: 2018.05.20
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    素晴らしいの一言。 渋滞の解明には、いろいろなアプローチがありますが、まずは適切なモデルの構築がカギ。 そのモデルを用いた説明をしているわけですが、シンプルかつ丁寧で、非常にわかりやすい。 また、そのモデルの応用も素晴らしい。 そして何より、西成先生の、基礎科学と応用科学に対する姿勢、自然科学観には、強く共感します。 是非、たくさんの人に読んでほしい本です。 そして、不快な渋滞を、みんなでなくしていきましょう。

    1
    投稿日: 2017.11.12
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    『渋滞学』読了 ★4つ(5点満点) 渋滞が理論的に研究されているらしいことは知っていたが、「渋滞学」というニッチな学問領域ができていたことを初めて知る。 まだまだ未完成の部分が多いが、新しい学問領域として、成立させたのは著者はなかなかすごい。 あと、渋滞学のちょっと面白いところは、物理学や数学の理論を、社会科学に応用している、クロスファンクショナルな学問ということだろう。 統計学ぐらいは使われるが、ここまで数学を使い倒す社会学領域は、自分の知る限り他にみたことない。 2006年発売の本なので、その後10年の進化が、どうなったか見てみたいところ。 https://www.amazon.co.jp/gp/product/4106035707/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4106035707&linkCode=as2&tag=hitoshiebih0a-22&linkId=beae585b5b5cd64c51fa3b94d7c645ac

    0
    投稿日: 2017.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2006年刊。交通渋滞の要因、解消方法等を統計力学(複雑系)の観点から解明。数理的な解析に、実証実験も加味され単なる机上の論と化していないところがいい。また、統計力学・渋滞学は、単に交通渋滞の解消だけでなく、情報ネットワークの改善、航空機・鉄道の運用改善に役立つばかりか、噂や世論形成の統計学的アプローチや分析も可能とし、渋滞学の負の側面(否定的意味ではない)は、広域的な感染問題・森林火災等事象伝播の防止策を提供するなど意義深い研究と判る。ちなみに、蟻のような社会性昆虫も参考になるとのこと。読みやすい良書。 なお、著者は、基礎研究系の理学部と応用実践系の工学部の発想の融合を説き、これらの横断的な学習カリキュラムの必要性を訴えているようだ。首肯できるところ。

    0
    投稿日: 2017.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クルマ以外を扱ったのが、個人的にはマイナス評価。純粋に学問的探求が目的なら、高評価かと。 ただ、難しいけど単純化をしすぎる感じもしました。

    0
    投稿日: 2016.11.07
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    以前読んだ本と大して変りない感想しかないので何を書こうか迷っているのですが(笑)、本書が出版されて10年経過した現在、渋滞学はどこまで進展したのでしょうか。 応用範囲が極めて広いのが渋滞学で、それゆえ本学問の発展は他分野の進展も必要なので、時間がかかってしまうのは仕方ないのですが……今後の発展に期待です。 僕の評価はA-にします。

    0
    投稿日: 2016.08.28
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     渋滞はなぜ発生するのか。人込み、車、アリ、インターネットの渋滞を科学する。  特に第一、二章の車の自己駆動粒子系をモデル化して渋滞を計算するところが参考になった。  この最新の論文が読みたいところだが、流体力学なんかまったくわからない門外漢なので困る。

    0
    投稿日: 2016.05.30
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    NHK「視点・論点」で著者を初めてみた。テーマはもちろん「渋滞学」について。 高速道路で渋滞が発生するメカニズムを、10分という短い時間で簡潔に話していて、その「渋滞学」という耳慣れない言葉と、身近さに引かれ、著者にも関心をもった。 そこで一番興味深かったのは、高速道路で渋滞しないための策が「やさしい運転をすること」だという。 つまりごく簡単に言うと、高速道路ではある一定の車間距離より間隔が短くなると、前の車両のブレーキングなどが微妙に直後の車両の運転に影響を与え、余計な減速や加速が繰り返され、それが後続へと連なることでダンゴが発生するのだという。 そこで前へ詰めるのではなく、前の車両とは余裕をもって距離をあけることが、一見、車列が延びて渋滞がひどくなるような気がするが、逆にマクロで見るとかえってスムーズに運転できる結果となるのだという。 オンエアや本書ではもちろん、学術的な論拠も示されており、きちんと自然科学的アプローチから渋滞という現象が解析されている。一方、車の渋滞をはじめとした身近な現象の原理で、いまだ論理的に未解決なものが多いという。 本書では我々の日常のまわりから多くの「渋滞」現象を取り出し、笑うくらい身近なところからも、まじめに学問している。硬と軟、まじめと遊びが絶妙にブレンドされている。研究者らしからぬ“サービス精神”を感じた。著者はメディア向け?なのかもしれない。 (2007/9/10)

    0
    投稿日: 2015.11.08
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    書評などで見て買いたいと思いながら、買いそびれていた本。図書館で借りて読み出したのだけれど、おもしろすぎて即購入。渋滞についての研究。しかしそれは何も自動車の渋滞だけではない。緊急避難時の人間の動きであったり、アリの行動パターンであったり、コンピュータのネットワークだったり、血液の循環の話だったり。とにかく、渋滞を発端に、いろいろな話に広がっていく。しかしモデルとして出てくるのは、本当に単純な箱と○。本当に簡単なルール。そこから、次々に新しい動きが見つかってくる。少しルールを変えるだけで新たなことが分かる。どんなモデルを作るか、それが研究者のカンの働かせどころ。安全学など新しい学問との融合も期待できる新しい領域だと思う。

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    投稿日: 2015.04.16
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    交通の渋滞から、人の渋滞、アリ、ネットワークの渋滞まで色々な渋滞があり、様々な分野の問題を単純化して画一的に捉える面白さ。締めに、理学と工学を横断的に理解のある人が今後必要だと作者は説いている。

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    投稿日: 2014.07.18
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    ●『渋滞学』(西成活裕/新潮選書)  渋滞というのは、目の前にあれば不快だし、どっから始まるかもわかんないし、なんだか正体がわからない「ぬえ」のようなモノという認識だった。ところが、近年ではこの「ぬえ」のしっぽをつかまえているっぽいつーか、ちゃんと「学問」になってるっぽい。  具体的には、簡単なモデルをつくって、それを動かしながら検証していくと。そのモデルというのは、こんなの。 □□●●□●□□●□□□  四角い箱□の1コマに、●は1個だけ入ることができる。で、1コマ先が空いてれば移動できる。こんなふうに。 1)□□●●●□●□□●□□□ 2)□□●●□●□●□□●□□ 3)□□●□●□●□●□□●□  もちろん、□を0、●を1として(0010101010010)と表すこともできる。こうして渋滞をモデル化することで、コンピューターにのっけてシミュレーションして……ということができるようになって、渋滞を物理学的に研究できるようになってきた。なるほどね~。  で、この本では、車の渋滞に限らず、人の渋滞、アリの渋滞、インターネットの渋滞、はては人の細胞の中での渋滞なんかをとりあげて、それがどういうしくみで起きてるのかを明らかにしてる。「渋滞」という不快な現象の裏に、どんな法則があるのかというのがわかってくると、ちょっとなんだか楽しいぞ。  科学の先端の話というのは、現実生活とどう結びついているのかがわかりにくい話が多い。そこんところ、この「渋滞学」というのは、すぐに役に立つので身近に感じるし、メリットもわかりやすい。最後まで退屈しないで、楽しめる本だった。

    0
    投稿日: 2014.03.30
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    ≪目次≫ まえがき 第1章  渋滞とは何か 第2章  車の渋滞はなぜ起きるのか 第3章  人の渋滞 第4章  アリの渋滞 第5章  世界は渋滞だらけ 第6章  渋滞学のこれから ≪内容≫ 横須賀図書館。予想外の展開…最初から。それは、「渋滞学」は車に関することだけでなく、人やネットやエレベータなど幅広い分野に関連すること。さらに、中心的な考えは、”複雑系”であること(数学ですね…)。したがって、理解は半分くらいだったかも?まあ、難しいこと!ってわかっただけで十分かな。 ネタとしては、  待ち時間×人の到着率=待ち人数(リトルの法則)  渋滞の一番の原因は、サグ部(ちょっとした上り坂)であること  車間が40m以下で渋滞が発生すること  2車線道路では追い越しの方が遅くなること(原則)  車は止まると発進まで車1台あたり1.5秒かかること こんな感じかな?

    1
    投稿日: 2014.01.24
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    車や人を自己駆動粒子をみなしてモデル化・シミュレーションする、待ち行列理論以上のスタンスが渋滞学だということか。インターネット上のパケットの輻輳や生物内のミクロ系で見られる渋滞などの事例も紹介されている。著者の立場は複雑なシステムもできるだけ単純化して見ていこうといった感じで紹介されている数理モデルは離散的なかなり単純なものなが多い。巻末には理学と工学を融合できる人材の必要性なども述べられている。

    0
    投稿日: 2013.12.28
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    理学と工学をまたぐ学際的な研究と人材の重要性について、この頃から提唱していたのですね。 著者は領域横断に活躍したフォン・ノイマンに憧れていたのだろうか?セルオートマトン、ゲーム理論とノイマンにちなんだ話題が多い。 ウィーナーの『サイバネティクス』やサイモンの『Artificial』を読んでいるような感じ。

    1
    投稿日: 2013.03.22
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    「渋滞学」なる学問があるとは知らなかったので、手に取った本。  第一章「渋滞とは何か」は渋滞自体の説明というよりは、渋滞を説明する理論及び用語の説明が多く見られる。  「ホースで水を撒くときに先を細めると勢い良く水が出るが、人間の場合は当てはまらない」という誰にでも想像できる例をうまく用いて、物理学に疎い人でも容易に読めるように見事に書かれている。この他にも、慣性の法則、作用=反作用の法則を用いて人と水の違いを説明したり、管の中を通る空気の流れも超音速になると管を細くすると遅く、細くしなくても外部から温めると遅くなるという事を、人間は興奮・パニックに陥ると「人の温度」が上がり流れの速度が遅くなるという説明につなげたりとユニークである。  現実を表す「良いモデル」として、更に渋滞の説明にも役立つASEP(Asymmetric Simple Exclusion Process:非対称単純排除過程)という、セルオートマトン法の一種の解説がなされている。  第二章は、年間約12兆円という経済損失を発生させている交通渋滞が起きる原因を考察している。  高速道路で渋滞が起きる原因の第一位は「サグ部・上り坂」であり、すぐには気がつかない程ゆるやかな坂道の為に自分と、その後ろにいる車がどんどん減速してしまい、ブレーキを踏む強さもどんどん大きくなってゆくという連鎖反応で渋滞が発生するのだという。  交通の流れを分析する際に「基本図」が使われ、渋滞していないときのデータは右上に伸びる直線となり、渋滞が発生する所(右下がり:渋滞への相転移が見られる)を見ると、車間距離が40m以下(急ブレーキを踏んで止まれる制動距離)になった時が渋滞になるという。そして、この状態でも自由走行の80km/hを保っているのを「メタ安定」といい、通常10分程度しか持たず、渋滞に変化してしまう。  このメタ安定が現れやすい道路がサグ部であり、これ以外にもカーブ(見えづらい場所にあるとき:夕方の西日の影響)、トンネル(暗さ・閉塞感・水が溜まらないよう為のサグ:夜よりも昼のトンネルのほうが渋滞が多い)、合流部(ただし「弱いメタ安定状態」という60km/hで走れる状態が続くことがある)が主な地点である。また、混んできた時は追越車線でなく走行車線を走った方が良い、というお得な情報が明かされている。  この本が出版される8年前は、料金所が高速道路で渋滞が起きる原因の第であったらしく、それを解決したのがETCの導入であったそうだ。その効果を認める一方で、個人負担が未だに高額であること、ETCゲート通過時に速度を20km/h以下に落とさなければならないという課題が解決される必要があると述べている。  都市交通における基本図は台形をしており、ボトルネック型と呼ばれている。青信号に変わったときに自分が動ける番になるまでには、車一台あたり1.5秒かかることや、よく赤信号に引っかかる人は速度を落とすと解消できる可能性があること、先日日本でも導入されたラウンドアバウトは、交通量が適度に少ない時に最も効果があると述べられている。  第三章は人の渋滞についてである。  明石歩道橋事故の事例を参考に、通常人間は自己駆動粒子として振舞っているが、集団が極端な密着状態になっているとニュートン粒子として振舞うようになってしまうという。そして、群衆の状態は動因によって「会衆」「モッブ」「パニック」の三つに分けられている。  超満員の電車から一斉に出ようとすると詰まってしまう(ボトルネック)構造を「アーチアクション」といい、眼鏡橋はこれを応用している。避難の際に発生するボトルネックは「ミンクの実験」でも追試が行われれおり、競争でなく譲歩し協調することが大切であることを示している。  航空機からの避難には、90秒以内に脱出が可能でなければならないという基準があり、実験ではドアの幅が約70cmより広いと競争し、狭いときは譲歩協力したほうが早く逃げられるという結果になったという。さらに、競争しながら逃げている時には、避難口の付近にわざと障害物を置くことで避難時間が短くなるという、意外な結果がある。  パニック状態でないときの移動では、お互いに衝突を避けようとして自然に進行方向ごとのレーンが発生し、そのレーンがどちらの向きになるのかはその国の走る方向と一緒だという。また、駅構内において歩行速度が遅くなるところでは、周囲に気を配れることもあり広告をみる機会も多くなるため、近年注目されているという。  第四章はアリの渋滞の話である。  アリは車と違い、自分と仲間のフェロモンを利用して移動することもあり、お互いの距離が近いほうが早く動ける、適度に混み合ってくると通常動きが遅い先頭のアリが早く動けるようになる(列が長いので末尾のアリのフェロモンを嗅ぎつけるようになるため)という筆者の推測がなされている。  アリも渋滞問題を抱えていたこと自体初耳だったこともあり、興味深い章だった。今後の研究に期待したい。  第五章は幅広い領域における渋滞問題を考える章である。  インターネットの渋滞は、大量のパケットが「ルーター」という交差点に集中することで引き起こされるが、車が交差点で待たされるのに対し、パケットは物理的実体がないため渋滞すると捨てられるという違いがある。現在、輻輳状態に応じてウィンドウ数(ホストが一度に送り出すパケット数)を変化させる制御を効率的に行うための研究が行われているという。  粉粒体は一つ一つは固体だが、ある程度集まると液体の動きもするようになる(例:アリジゴク)。砂時計で1分を測るための理論的な計算、ブラジルナッツ現象のメカニズムの解明が、まだ出来ていないという事実があるが、その理由には遠くの場所まで瞬時に情報を伝える「非局所性」(例:金属の玉のおもちゃ)と、三つ以上の物が同時に衝突する際にはその動きを予測できない「多体衝突」(例:ビリヤード・カーリング)による「非可換性」(順序を入れ替えると結果が異なる事)によるもと述べられている。  乗り物の渋滞についても触れられている。電車や地下鉄で「時間調整のために停車」しているのは、四章のアリと同様に、ダンゴ運転状態となり渋滞が発生してしまうのを防いでいる(先頭はギュウギュウ詰めで乗り降りに時間がかかるが、末尾はガラガラですぐに発車できてしまう)、エレベーターが勝手に動くのは「群管理」が行われているため、飛行機が離陸許可を得るのに時間がかかるのは、「滑走路の奪い合い」と「航空機が使える空域が限られている」という大きく二つの理由によるものだという。  第六章はこれからの渋滞学をどう考えるかという話である。この章には日本の理科系大学の未来の展望と、数学の重要さが分かる情報が豊富に載っているので、「数学を勉強して何になるんだ!」という人こそ読むべきだと私は思う。  ネットワークをつながりの様子によって分類することをネットワークの「トポロジー」といい、本章ではバス型・リング型・スター型の3種類が説明されている。この考え方は高速道路の建設(首都高速道路とその他の関係)や航空機の路線(高い空港使用料を取るか否かで直通・乗り継ぎに分けている)にも応用されている。  ある程度ランダムな繋がりのネットワークの中に、実は多数の接続を持つ中心的な役割をもつものが少数存在するネットワークを「スケールフリーネットワーク」というが、これは現在悪意のあるネットワーク攻撃にどこまで耐えられるか研究が進められているという。  何でもコンピューターで計算するのではなく、数学的に「紙と鉛筆で」計算しておおよその値を算出してからコンピューターで計算し、さらにその結果を「紙と鉛筆で」計算するという、得られた結果を要素還元的なアプローチをする重要性を、カオス理論である「パイこね変換」の例を用いて解説している他、大学が独立行政法人化している昨今だからこそ、一見お金にならないような数学の基礎分野の研究を国がサポートするべき、理学部と工学部の乖離化が進んでいる今は、両分野を修めた人材が育つことが望まれると述べている。  興味本位で手に取った本が大当たりだったときの喜びは、どう書き表して良いのかわからなくなる。この本も、その一冊だ。 自分用キーワード 定量的 定性的 自己駆動粒子系 臨界状態 臨界密度 相転移 待ち行列理論(リトルの公式) (非)平衡状態 プラトーン走行 映画『スピード』 スルーバンド:グリーンウェーブ(信号機) 個別要素法 ル・ボン『群集心理』 建築基準法施行令(長さ60mを越える地下道では直通階段が設置されている) 二方向避難の原則 ハリネズミのジレンマ 自発的対称性の破れ ボトルネックでの振動現象 Swarm Intelligence ブラジルナッツ現象 排除体積効果 跳ね返り係数 in vivo(in vitro) ロードプライシング ルーティング問題 ワッツ「スモールワールド」(たった6人を通して世界はつながる) パイこね変換 

    1
    投稿日: 2013.03.11
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    車だけでなく人の混雑,アリの群れから森林火災やたんぱく質の合成まで,ありとあらゆる渋滞現象の発生原理が分かりやすく解説された名著。あなたが渋滞に直面した際取るべき行動のヒントがここにある。終盤,デジタルコンピュータの限界をカオス理論におけるパイこね変換に基づき紹介し,数学の重要性を説くあたりは秀逸。 *推薦者 (工教)S.H. *所蔵情報 http://libra.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00324926&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

    0
    投稿日: 2013.02.12
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    一番心に残ったのは、自然渋滞の発生する原因。体感しない程度の緩い勾配・サグによってもたらされるのね。確かに考えてみればなるほど納得。気づいたら10-20kmスピード落ちてること、確かにありますもんね。

    1
    投稿日: 2013.01.20
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    半分わかったかどうか。全体を通して思ったこと。何故か会社の会議の動員予測について、「うちの会社の会議は微分化し過ぎかとおもう。得られた結果を要素還元的なアプローチで料理できてないなあ、科学的でないな〜」と、しみじみおもってしまいました。

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    投稿日: 2012.09.17
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    世の中で話題になっていた時期に当時の上司に借りて読んだ一冊。 渋滞を起こさない一番簡単な理由であったり、混雑をどう解消するか、を学問にするだけでこんなに面白くなるのか、という点で目からうろこでした。 東大の先生が本気になればこんな実験もできるのね、ということで、社会のためにこの学問をもっと効果的に使って欲しいものです。

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    投稿日: 2012.08.22
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    ASEP セル・オートマトン法 ブラジルナッツ現象 時間調整のため停車します 高層ビルのエレベーター コンピューターが間違える計算

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    投稿日: 2012.03.20
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    さまざまな流れの停滞を数理モデルによってシミューレーションしている。内容は、高速道路の車の渋滞、地下街や航空機から避難する時の人の渋滞、アリのフェロモン走行による渋滞、ネットのパケット渋滞、山火事(渋滞が起これば拡散しない)、人体内の分子モーター(神経繊維内部でタンパク質を運搬する)などである。基本的には、人や車は自己駆動粒子であり、ニュートン力学に従わないし、流体の運動法則であるベルヌーイの定理(流体の速度は通過する部分の断面積に反比例する)もなりたたない。数学的モデルとしては、ASEP(前方が空きならば進め、同じ場所には一つしか入れない)で解析するのだが、高速道路の渋滞などはスロースタートルールを加えると、渋滞特有の「人」字カーブがあらわれるそうである。しかし、アリでは追い抜きが怒らず、バッファに収まらないパケットは破棄されるなど、流体によってそれぞれに特長がある。また、建築法も引いており、一つの非常口から逃げられる人数は幅1mあたり1.5人/秒、60mをこえる地下道では、どの場所からでも30m以内(普通に歩いて23秒)に直接地上へ抜ける道があり、粒体でも人でも出口が粒体の直径の6倍あれば、「目詰まり」がおこらない。こういった知識は渋滞がおきた時にどれくらいで逃げられるかを計算できるので重要な知識だろう。粉粒体の運動は「ブラジルナッツ運動」(大きな粒が浮く)などまだ数学的に解けないものが多く、砂時計の内部の動きもまだ嚴密に示す式がないそうだ。今後の渋滞学はネットワーク理論やゲーム理論(協力や譲りあい等)と連携して進める必要があると指摘している。お金が貯まるなどといった現象も渋滞として考えられるそうだが、これはまだ分からないらしい。

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    投稿日: 2011.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    セルオートマトンって役に立つんだなぁと実感。 本筋とはあまり関係ないのだが、最終章の「複雑系科学においては、複雑な対象を複雑なまま理解する、というフレーズをよく耳にするが、これを文字通りできる人は果たしているのだろうか。」に始まるくだりには、全くそのとおりだと思った。自分自身始めてこの言葉を耳にした時の違和感と、またその時考えたことと同じことを考える人は結構いるのだろうな。

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    投稿日: 2011.12.17
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    身の回りにありふれて存在する「渋滞」という現象を力学的、数学的アプローチで分析する試みを紹介し、「渋滞学」という横断的な分野確立のビジョンを示しています。サグによって発生する高速での車の渋滞も順番待ちの行列も山火事の防止も数学的モデル、とくにセル・オートマトンでモデル化できるというのは目からウロコです。どんどん広がって欲しいと期待したい新しい学術分野です。

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    投稿日: 2011.11.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【道路での渋滞】 高速道路において、大体車間距離が40mになるとメタ安定状態となり、渋滞が発生する。これは、制動距離に依存しているとみることもできるという見解もあり、 渋滞とは、単に道路の形状だけでなく車の性能や心理的な働きも考える必要がありとても奥深いものだった。 みんが同じように渋滞を回避しようと行動する→そこでまた渋滞が起きる。 高速道路に置いてETCの性能を含めまだまだ課題があると感じた。

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    投稿日: 2011.11.05
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    渋滞をシミュレートする理論として有効なセルオートマトンモデル。その単純版ともいえるASEP(非対称単純排除過程Asymmetric Simple Exclusion Process)。もっとも単純な例ではセルの半数以上に玉があれば、どんな初期状態でも最後はクラスターが発生するという。おもしろい。臨界状態で1/2おきる。閾値か。 平均速度×交通密度=交通流量。これが基本式だと。フジテレビでやっていたサーキット場で渋滞を再現した実験は、筆者たちがやったんだ。 これらはおもしろかったが、本書ではアリ、インターネットの渋滞にも議論がおよび、これらの渋滞もセルオートマトンモデルで再現、解析が可能という。 ただ、個人的には車の渋滞の発生過程をもう少し突っ込んで解説してほしかった。 坂道などのサグとブレーキの連鎖はよく言われる理屈と変わらない。驚くような解説を期待したこちらが間違っていたか。

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    投稿日: 2011.10.29
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    渋滞学って色んな分野で応用が効くんだな。所謂渋滞の仕組みから始まって、電車の混雑、蟻の隊列、ネットワークの伝送速度、電車の運行などへ。まだまだ分からないことが多い分野の様だけど、研究が進んだら経済に与える営業は計り知れないよね。こういった基礎研究にもちゃんと予算がつけられるような社会にしないとね。

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    投稿日: 2011.09.11
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    これは久しぶりに面白かった。 もちろん、渋滞の一番前の車はなにやってんだろうとか、渋滞を起こさない方法ってないんだろうかとか、「渋滞」のもろもろが面白いのはもちろんだが、それ以上に、「渋滞」が科学で解ける、というのが素晴らしく面白い。 ゾウリムシって不老不死なんだろうか、とか、缶詰のミカンって誰が剥いているんだろう、とか思っている、なぜなぜ小僧、なぜなぜ大人はぜひ。

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    投稿日: 2011.06.22
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    すごく参考になりました。物事は色々な見方があって、読書をすると、知らなかったことに気付き、読書の大切さが分かる。 「新潮選書」というと、難しいイメージがあるが、とても楽しく読むことができた。 「メタ安定」という概念が出てきたが、渋滞する前の仮の安定というような意味で、興味を持った。 この「メタ安定」を持続することが、交通量を増やすためにも大切で、現在盛んに研究されていることが分かった。 「渋滞学」はこれでひとまずおいといて、今後さらにいろいろな分野の本に挑戦してみたい。そういう意味でも、いろいろなことに興味を持つきっかけになったこの「渋滞学」は貴重です。

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    投稿日: 2011.05.07
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    渋滞学って筆者の造語かと思いきや、かなりまじめに(といったら失礼だけど)やっている。 渋滞を単純なモデルにして数学的解析をするという方法で、とてもおもしろい。 行動経済学でもそうだったけれど、最近は人間のファジーさをいかに科学的に解析するかが進んできているのだろうか。 これから必要とされる人材は、各分野の横断的な知識を持つ専門家だ、というのには納得。

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    投稿日: 2011.03.14
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    子供の頃から行列や渋滞(を観察するの)が大好きで、好きが高じて「渋滞学」という新しい学問分野まで作ってしまった西成先生の著書。渋滞のメカニズムを科学的なモデルを使って解明し、「渋滞の先頭はどうなっているのか?」とか「渋滞時は追越車線より走行車線の方が早く進むのは何故?」といった素人的な疑問にも科学的で分かりやすい解釈を与えている。さらに、車の渋滞のモデルを変形することで、アリの行列や人混みのメカニズムについても説明する。とにかく分かりやすくて面白い。 西成先生は、科学者としては稀有なほど物書きとしての能力に恵まれている。数学的なモデルを噛み砕いて分かりやすく説明できるだけでもすごいのだが、本当のすごさは、各段落の「締め方」(すなわち各段落における最後の一文)に現れているように思われる。ここで、ときどき意外性のある文章を入れてみたり、思い切ってハメを外したりボケてみたり、とにかく読者を飽きさせないのである。工学と理学の境界領域で苦労して活動しているうちに、このような表現力を身に付けられたのかもしれない。

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    投稿日: 2011.02.26
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    これも読みたいと思いながら、机に放置していた本。本当に素晴らしい、なんとも面白い本だ。渋滞という現象を数学的、生物学的、物理学的に多様な側面からアプローチしている。横断的でもあり、縦断的でもある。文章も読みやすく、ときおり「トリビアの泉」とか、料理の作り方みたいな小ネタを交えながら難解な化学的叡知を説明する。抜群のバランス感覚である。ノイマンのゲーム理論の分かりやすい解説やパイコネ変換も面白かった。 248ページから引用。素晴らしい文章である。 「私ももちろん専門家のはしくれなので、たとえば非線形現象について細かいことを一応いろいろと知っている。クイズ王と専門家のちがいは、例外まで含めてある分野の原理原則を知り尽くしているのが専門家で、専門知識の一部を例外抜きで満遍なく知っているのがクイズ王である。例外を知ることは、知識の適用限界を知ることにつながり、実際に知識を実生活に応用する際にはとても大切なのだ。その意味では、ものごとがうまくいっている場合には実は専門家はほとんど必要ない。しかしうまくいかないことが出てきたときに、それを解決できるのが専門家で、その存在は大変重要である。  しかしこれだけではまだ不十分で、新しいタイプの専門家がこれからの高度技術化社会には必要だ。(中略)自分の専門分野以外に、クイズ王よりは深く工学と理学のいろいろな分野を知っていることも必要なんのである。その上で専門家の友人を多く持ち、その内容を理解してお互いの精神を共有できる人材こそ、これからの社会を担う人材である。異分野の知識が有機的に結びつくのは、結局一人の人間の頭の中にそれらが入り込んで混ざったときのみである。  専門分野によっては、他の分野に対してなかなか友好的でない集団もある。これでは長期的に見てお互いのメリットにはならない。我々は科学者なので、真実のもとに一致協力して理学と工学が分野を超えて一つになれれば素晴らしいと思う。そうすれば必ず渋滞問題は解決する」 All agreed.

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    投稿日: 2011.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ニュートン力学の三つの法則(1.慣性の法則・2.作用=反作用の法則・3.運動の法則)に乗っ取っているものは「ニュートン粒子」といい、ほとんど全ての物体の運動を解析ができる。しかし人間の動きは、これらに当てはまらないため「非ニュートン粒子」あるいは「自己駆動粒子」という。「自己駆動粒子」はニュートン粒子でないため、自分自身の意思を持っていて自発的に動けてしまう。別の分子から「力」を受けても、社会心理学的なものであり同じ力を返すことはない。そしてその力を見積もることもできない。運動方程式に当てはめられないので計算ができない。 従来の渋滞理論では、サービスカウンターやネットワーク上の渋滞に対応する「待ち行列理論」が存在し、特徴的な「リトルの公式」とは「待ち時間×人の到着率=待ち人数」。しかし、他人とぶつからないように無意識に動くなどの「排除体積効果」のような人の実際の動きは考慮されない。新しい渋滞学は統計力学的に「非平衡状態」(常に粒子が流れている)である「自己駆動粒子」(つまり人間)そのものの動きを考慮している。これはアインシュタインの「ブラウン運動」(ランダムに動くものの規則性をとらえる)が基盤となる「確率過程」とも密に関連する。 渋滞学は、基礎研究と応用研究が直接結び付く研究である。数学的には確率過程論・グラフ理論など、基礎物理学的には非平衡統計力学・機能性流体力学が関わっている。応用としては渋滞解消とそれに伴う環境や経済の効果などが関係する。分野横断型研究こそが今後重要になってくる。

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    投稿日: 2010.12.22
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    インターネットの輻輳も渋滞の一種だが、世の中にあふれるあらゆる「渋滞」の共通点を考えて、genericな学問にしようという試み。

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    投稿日: 2010.12.12
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    渋滞学とはどんな学問かを知るには一番適した本です. 渋滞学関係の書籍を読み始めるなら,最初に読むべき本だと思います. タイトルが渋滞シミュレーションでなく,渋滞学であることに注目してください.渋滞学は西成先生の構築した学問で,単なる渋滞シミュレーションでなく,あまたある「流れ」を取り扱うことができます.「流れ」には必ず渋滞が存在し,その渋滞が良い渋滞ならより渋滞させる方法を考え,悪い渋滞なら渋滞を軽減する方法を考えるということが基本精神です.実際,例としてアリの行動や脳内の神経細胞の栄養分の渋滞など様々な渋滞を扱っています. 非常に壮大な研究だと思います.読む価値十分です.

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    投稿日: 2010.12.02
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    著者と渋滞学という分野に興味があり読書。著者とは学生時代に一回お会いしたことがあるが、とてもバイタリティがある方といった印象。さて、肝心の渋滞学というところは単純な離散的な数理モデルに収まらず、本作では車、人混み、アリ、インターネットを特に多く取り上げ、生物学や粉体モデルなどのより複雑な事象の分析をも動機を与えている。一つに渋滞という現象だけをフォーカスしているのではなく、制御不能(可能)な多体モデルにおいて、科学に基づいた分析をし、より適合できるルールを生み出しているのが面白い。一見すると単純なルールの集まりが複雑な現象を生み出し、それを理解し、最適なコントロール原理を抽出するようなヒントもそこに隠れているのかもしれない。理工の問題は著者の問題意識には根強いことが終章を読んでも分かる。私自身も、理学、工学とそれぞれを学んだ経験から、新しい形の理工学のあり方というのも考えたいと思った。学生時代に触れている分野とはいえ、やはりこうした複雑系、数理系のモデル解析は面白いと素直に感じた。

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    投稿日: 2010.11.25
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    渋滞はくるまばかりでなく、インターネットのデータや駅の改札口でも発生しています。いかに単純なモデルで渋滞を表現できるか、なんか物理学にも通じる考え方です渋滞をシステム工学的にかんがえて、いろいろな分野に応用するのは、けっこうおもしろいと思いました。

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    投稿日: 2010.11.13
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    極めて平易な文で渋滞が解説されていて、渋滞についてもっと知りたくさせる。 何より社会のことが分かるって、楽しいですよね。

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    投稿日: 2010.11.03
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    [ 内容 ] 人混み、車、アリ、インターネット…世の中、渋滞だらけである。 生まれたばかりの研究「渋滞学」による分野横断的な発想から、その原因と問題解決の糸口が見えてきた。 高速道路の設計のコツから混雑した場所での通路の作り方、動く歩道の新利用法まで。 一方で、駅張り広告やお金、森林火災など、停滞が望ましいケースでのヒントにも論及。 渋滞は、面白い。 [ 目次 ] 第1章 渋滞とは何か 第2章 車の渋滞はなぜ起きるのか 第3章 人の渋滞 第4章 アリの渋滞 第5章 世界は渋滞だらけ 第6章 渋滞学のこれから [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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    投稿日: 2010.07.13
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    先日読んだ、同著者のもうちょっと詳しい本。 たまたま今日、明石歩道橋の事故の判決が出てましたが、あの事故についても語られてて興味深かったです。 渋滞が起こるメカニズムはわかってきたけれど、じゃあ渋滞をどう解消するのか、というのはまだまだこれからの分野。 実生活に密接に結び付いた研究は面白い。

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    投稿日: 2010.06.03
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    読んで良かった。大学院へ行って研究を続けるモチベーションをくれた本。 将来立派な研究者なれたら、「この本が私の人生を変えました」と言うと思います。もし研究者になれなかったとしても、やはり同じ事を言うと思います。 セル・オートマトンを用いて車の渋滞を説明するモデルを提示。シンプルなミクロの動きが不思議なマクロの現象を導く、複雑系の世界に触れられる。経済への応用についても少しだけ触れられているが、そこはあんまりピンと来ない。そこまでやられてしまってはこっちは商売上がったりなんですが。

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    投稿日: 2010.05.24
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    自己駆動粒子という自由-『渋滞学』 http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100428/1272405002 http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20091127/1259291863

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    投稿日: 2010.04.22
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    星を4にするか5にするか迷ったけど とりあえず5で  世の中には「相転移」と呼ばれる、秩序とも無秩序とも言えないような不思議な状態がある。 本書はそれをASEPと呼ばれる数理論を用いて行なわれた研究を一般人向けに書いてくれた大変ありがたい本である。  ASEP自体は1970年代くらいにはもうあって、自分の研究室の教授もこの理論でその頃には人の行動モデルの作成を行なっていたようだから特別に新しいわけではないようだが、それがここに来て一般に知らせられるほどの成熟と他分野、ネットワーク論やパーコレーション論などとの相性の良さや、扱う問題の共通性によって注目を集めているようだ。  実際に80:20の法則で有名な「ベキの法則」に始まり、スケールフリーネットワークなど、現在のホットな話題の陰には「相転移」という状態があり、その情報の受け渡しシステムがどのような仕組みになっているかを知るには非常に便利な本と言える。  渋滞とはブレーキを踏むと言う情報の連鎖の結果である。このときネットワークが密である事で情報は後方に伝わって行く、そして情報とは機械情報・日常情報でなければ、そこに観察者の解釈が加わる、その解釈によってブレーキ量は変化していって最終的には渋滞にまで到達する。ようは、伝言ゲーム  スケールフリーネットワークとはまさに密な「小さな世界」を構成するネットワークである。そこに流れる情報は伝言ゲームのように伝わって行くものである その仕組みを理解する一つのアプローチがここにあると個人的には思っている。 一般の人に対して分りやすくを心がけたと言う筆者の言葉は非常に良く伝わってくる。 ぜひとも、一度読んで欲しい本であるし、買って欲しい本である。

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    投稿日: 2010.01.19
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    どのような条件がそろうと渋滞が起きるのかが、「モデル」や実験に基づき解明されている。渋滞と一口に言っても、交通渋滞、人の混雑、アリの行列、コンピュータのパケット送信・・と様々な渋滞が扱われている。 個人的にもっとも興味がひかれたのは、交通状態の章。 平均速度×交通密度=交通流量という公式に基づき、流量を縦軸に、密度を横軸にしたグラフを用意する。そのグラフに、実際の高速道路で観測したデータをプロットしていく。そして、そのグラフから、渋滞のメカニズムを探って行く。 私自身は、このようなグラフを読み解くことに不慣れだ。縦軸が金額で横軸が時間、というようなグラフは見慣れているが、流量と密度が軸になったグラフを見たとき、それがパッと何を意味するか理解できない。そこで、スピードを落として説明を読むことになる。しかし、本書では、常にわかりやすい説明がされていて、1、2度読めば意味が必ずわかった。 交通渋滞のメカニズムを探る過程を読みながら、科学者の方がどのような思考展開をしているのか、ちらっとだけど垣間みることができたような気がした。その意味で、なぜ交通渋滞が起きるのか?に対する答えそのものだけでなく、その検証の過程の説明を読むのがとても楽しかった。 科学者の方で、説明が上手な方というのは、明晰な頭脳とそれを伝える力の両方を持っている訳で、西成先生のような説明の上手な科学者が日本にもっともっと増えるといいな。 ※知識をたくさんいただき、内容もわかりやすく楽しめる1冊でした。 私の★の付け方の基準は、「私の考え方にどれだけインパクトを与えたか?」にしたいと思っているので、その意味で星3つです。 読んだ日: 8月13日 読んだ場所: 平塚→東京の東海道線内

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    投稿日: 2009.08.14
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    渋滞の可視モデルの話や、物質の液体、固体のように、渋滞にも相があるという話。自然渋滞はなぜはっせいするのかなど。

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    投稿日: 2008.02.01
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    ある状況下では渋滞は必ず起きる。それを数学的な簡単なモデルで示す。条件を変えるとどうなるかを調べる。頭の中の実験場でモデルを動かす。結果を見る。渋滞が起きる。もしくは渋滞にならない。その変化の起きる条件を導き出す。こうして少しずつ渋滞が起きる原理をつかんでいく。 面白い本だ。待ち行列なんて考え方が私がまだ学生の頃に登場した。それが少しずつ変化して、手法を加えて、渋滞学になった。さらに、様々な分野で、どういう原理が働いているのかを解明するための手法として使われ始めている。面白い。神経の中の物質の動かし方、山火事の広がり方、ネットワークでのトラブル。様々なところへの応用がすでに始まっている。うん、面白い。

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    投稿日: 2007.08.09
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    「なにやってんだよ」。高速道路で誰もが体験したことのある、あのワケがすっぱりとわかる。渋滞は、科学(化学?)反応なのだ!

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    投稿日: 2007.03.05
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    渋滞については、いろいろ実験や考察がなされているらしい。 しかも結構わかりやすい単純なモデルで表現できるらしい。 道フェチとしてはかなりおもしろかったが、途中で挫折してしまった。

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    投稿日: 2007.01.09
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     「渋滞学」っていうと、何それって言う感じですが、奥が深い。題名から待ち行列のように感じますが、その適用範囲は広く車の渋滞からネットワークの輻輳まで扱っています(車もネットワークも同じようなものですが)。  渋滞と名の付くものの原因および解決方法が列挙されていますが、やはり原因の部分がなぜこうなるのかという部分を丁寧に書かれているので、非常に面白い。

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    投稿日: 2007.01.03
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    交通渋滞はなぜ起きるか、それ以外でも人ごみの仕組み、蟻はなぜ一列で歩くのか、そしてインターネットの渋滞まで。さまざまな渋滞についての多面的な考察がおもしろい。

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    投稿日: 2006.12.14
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    セルオートマトンと呼ばれる計算の難しい自然現象の模型の作り方とそれを応用すると面白そうな分野への解説。わかりやすい科学啓蒙書。

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    投稿日: 2006.11.24
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    大げさかもしれないけど、自分にとってこの本は衝撃的な一冊だった。工学的な渋滞という問題に対し、そこから共通点を見つけ出し分野横断型の新しい学問の創出をしてみせている。 ニュートン力学と非ニュートン力学の違いを明確にして自己駆動粒子を定義し、セルオートマトンの一つであるASEPというモデルを利用して様々な渋滞問題にアプローチしていく姿は、まさに学問の素晴らしさを物語っている。また、理学・工学の本質にも焦点が当てられているので、とてもためになった。

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    投稿日: 2006.11.10