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ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?
ポール・ヴァレリーの遺言 わたしたちはどんな時代を生きているのか?
保苅瑞穂/集英社
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総合評価

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    このレビューはネタバレを含みます。

    ヴァレリーの講演と自身のパリでの生活や男爵夫人の家での下宿生活、ワーズワースの水仙に出会い文学を志したことなど個人の経験を織り交ぜながら、深く広い知識を持って近代フランスの科学、文化と伝統、国民性の成り立ちと世界大戦による荒廃という試練、現代フランス、現代社会・文明が置かれている機械化と物質による支配について綴る。 ヴォルテールが異端審問を糾弾し言論の自由、人権の意識が上流階級のみならず市民に萌し、革命の素地を育んだ。 ヴァレリーの講演から、ヨーロッパの科学と知識による優位が20世紀になり失われてゆき大戦により深刻なダメージを受けたという。また現代文明により物質と機械により人が支配され追い立てられている。芸術も人を驚かせること、新しいことを主眼に置いており言論の質も低下してきていること。ルネサンス絵画ののち風景画が流行し高度な技法が不要となり質の低下を招いているなど。 ヨーロッパの知識人がどのように世界を捉えていたか、その主張の底流を知ることができた。

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    投稿日: 2023.05.19