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悪魔 乙女の本棚作品集
悪魔 乙女の本棚作品集
しきみ、江戸川 乱歩、芥川 龍之介、萩原 朔太郎、夏目 漱石、谷崎 潤一郎、坂口 安吾/リットーミュージック
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総合評価

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    イラストレーターのしきみさんが乙女の本棚シリーズで描いた作品を集めた画集。 全部で6作品収録だが全文収録は芥川龍之介の「悪魔」のみ、他は抜粋して収録している。 悪魔は初めて読んだが短い文章になんとも言えない感情を詰め込んだ作品。イラストの宣教師と悪魔との対比が良かった!

    8
    投稿日: 2025.10.07
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    イラストレーターのしきみさんの、乙女の本棚作品集です。どこか怪しい美しさのある、しきみさんのイラスト。作品の冒頭に、どういう意図でこのイラストを描いたのか、解説が入っていて、一度読んだことのある作品でも、新たに楽しむ事が出来ました。 新規収録作品は、芥川龍之介の悪魔。短い作品ですが、インパクトがありました。最後の悪魔の表情が、文章を底上げしている気がします。 素敵な作品集でした。

    8
    投稿日: 2025.09.26
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    『乙女の本棚』シリーズで知ったイラストレーター・しきみさん。 「猫町」「夢十夜」「桜の森の満開の下」は図書館で借りて読んだことがあります。 小説の世界とイラストがとても合っていて魅力的な1冊です。しきみさんのイラストはカラフルで可愛いけどどこか不思議な世界観なのがまた良いです!

    16
    投稿日: 2025.05.05
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    しきみさんのイラストは、シンプルだけど可愛くて、怪しさもあり、どこか不安も感じる。しきみさんのイラストを見ながら古典文学が読める「乙女の本棚」シリーズは贅沢でとても良い企画だと思います(もちろん他の方がイラストの本も素晴らしいです)。

    3
    投稿日: 2025.01.13
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    しきみ先生…、押し絵と旅する男好きなんだろうな…、と他作品と並列されて思った。 いや、だって押し絵の2人…どっちも美しく描きすぎだよ…。

    0
    投稿日: 2024.08.20
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    「堕落させたくないもの程、益(ますます)堕落させたいのです。」 美しい顔をした悪魔はこう言って、涙を流した。 美しいものはそのままにして愛でたい、という思いはあるのに、それを汚してしまいたいと思う己の醜さに悪魔は涙した。悪魔は、人を堕落させるのが仕事なのだろうから、そう思い悩んでしまう辺りが悪魔に似つかわしくなく、哀れんであげたい気持ちになった。 大切にしたいけど、悲しませたい。 清くいてほしいと思うけれど、真っ黒にしたい。 この欲望はどこから来るのだろう。 占有したい感覚、所有して支配したい気持ちは、どうして生まれてくるのだろう。 どうして、美しいものほど、汚したくなるのだろう。 多分、それは、自分を汚れたものだと心のどこかで思っているから。美しいものを妬ましく思っているから。 プライドが高くて自己肯定感低めの私と、この悪魔はシンクロするところがある。 自分より優れているものは、そのまま清く気高くいてもらいたい。だけれど、引きずり下ろして、結局自分と同じ場所の人だったと思って安心感を得たい思いも持ち合わせている。 そして、自分が引きずり下ろしたという、自分の影響力に優越感を感じたくもある。 毒された相手が回復しようものなら、嬉しい反面、より多くの苦しみを与えて堕落させたいと思ったりもする。 自分に満足していれば、そんな酷いことはしない。 でも、誰かに愛されたくて、かまってほしくて、仕方なくそうしてしまうこともあるのも、分かる気がする。 勿論讃えることはできないけれど、こういう矛盾や葛藤が人間らしさなのだと思う。だから真っ向から否定はしたくない。 悪魔も人間も、自分は醜いと思って涙できるのなら、醜くなんかなく、寧ろ美しい部類に入れるという考え方もありそうだ。 湧き上がる気持ちを無理に矯正しようとするのではなくて、自分を含めた悩める人に対し、手を差しのべて、理解しようとする人になりたいなと思った。

    8
    投稿日: 2024.06.24
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    乙女の本棚シリーズでお馴染み、イラストレーターのしきみさんがこれまで手掛けてきた作品の中から、ご本人が厳選したカットを一冊にまとめたイラスト集。 ずいぶん前に読んでいたものをこうして見返すと、イラストの素敵さにまた溜め息がでるよう。 萩原朔太郎「猫町」の、可愛いながらも妖しく奇妙な世界観。 坂口安吾「桜の森の満開の下」の綺麗な女性と、般若の老婆の恐ろしさギャップ。 この二作は特にお気に入りです。 また、描き下ろしで芥川龍之介「悪魔」も収録されている。赤い瞳に赤い髪をもつ悪魔の悲しさが、普段よりも大きなページにとても美しく表れている。

    5
    投稿日: 2023.12.05
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     乙女の本棚シリーズから、しきみさんの「悪魔 乙女の本棚作品集」です。収録されてのは萩原朔太郎『猫町』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』、坂口安吾『桜の森の満開の下』、谷崎潤一郎『魔術師』のイラストの中から、しきみさんが選んだものになっています。で、この作品には、描き下ろしとして芥川龍之介さんの「悪魔」が新たに収録されています。“小説とイラストの出会いを祝福する、魅惑の1冊。名作は、かわいい”とあり、期待も高まります!  この作品だけだと、『猫町』『押絵と旅する男』『夢十夜』『桜の森の満開の下』、『魔術師』のストーリーは正直わかりません(汗)。でも、私のように一度読んだことのある方にはお薦めしたいです。  で表題作の芥川龍之介の「悪魔」なんですが、ストーリーはキリスト教の宣教師うるがんが、姫の輿の上にいた悪魔を捕らえて会話を交わすというもの…。ここで登場する悪魔は、美しい顔だけれど蝙蝠のような羽があって両足はヤギのような、そんな悪魔なんです。悪魔は、姫の心の清らかさに触れ、その心を汚したいけれどそのまま汚したくないような…そんな風に悩んでいたというものでした…あれ、この解釈でいいのか?ちょっと難しい文章だったので自信はないです(汗)。こうしたいけど、こうしたくない…この葛藤が描かれた作品なんでしょうね。この「悪魔」のしきみさんのイラストもとっても雰囲気がいいんです。  今まで読んできた乙女の本棚シリーズは、みんな図書館から借りたものです。でも、この作品だけは自分で持っているのもいいかなって、お取り寄せしちゃいました!ちょっとした、自分へのご褒美になりました(*^^)v

    53
    投稿日: 2023.10.08