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ロボットと人間 人とは何か
ロボットと人間 人とは何か
石黒浩/岩波書店
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総合評価

23件)
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    自分そっくりのアンドロイドとよくメディアに登場するロボット工学者による本。副題にある「人間とは何か」というテーマを分かりやすく語る。技術的な話や哲学的領域の話も出てくるが、読みやすい。 数々の実験のうち、ロボットを使った演劇があることに驚いた。人間がロボットを演じることは多いが、アンドロイドに会話や動作をさせて「共演」したというもの。正常に作動しなければ話を台無しにしかねず、かなり緊張を強いられたようだ。 筆者は人間が技術を進歩させるのは「いずれ来る地球環境の激変に耐えられる肉体(機能)を手に入れるため」という見方をしている。肉体の一部(あるいは大半)が機械に置き換えられる未来を肯定的に見ていて、ちょっと恐ろしいと思いつつも「あり得ない話ではない」とも思えた。

    7
    投稿日: 2025.10.13
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    石黒氏のシグネチャーパビリオン「いのちの未来」を見に行ったときは、描かれる未来は石黒氏にとってディストピアなんだろうか?と疑問に思ったのだが、本著を読んで、石黒氏はパビリオンで描かれるものをポジティブに受け止めていることがわかって面白かった。

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    投稿日: 2025.10.01
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    どうせロボットを造るなら、自分そっくりのアンドロイドを造ってみよう。発想が秀逸。しかもそれをすぐに実行に移すのがすごい。 できあがったものを動かしてみると、予想もしなかった驚きの発見。自分とはなにか、心とはなにか、体とはなにか、人間とはなにかまで、いろんなことがわかってくる。 アンドロイドの遠隔操作、アンドロイドによる講演、アンドロイド演劇……どのようなものになるかは、やってみなければわからない。なにが出てくるか。哲学的思索や心理学の実験では得られない貴重な示唆が詰まった一冊。

    0
    投稿日: 2025.05.02
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    2023 群馬大学 医学部 保健学科 看護学専攻 検査技術科学専攻 理学療法学専攻 作業療法学専攻(後期) 2023 静岡大学 情報学部 情報社会学科(前期)

    0
    投稿日: 2025.03.07
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    ロボットと人間がどのように発展していくのかという話を予想していたが、ロボットに心はあるのか、その心はどのように認知されるのかと言った哲学的な内容が印象的だった。

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    投稿日: 2024.04.03
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    ロボット開発者は、結局人間そのものと向き合っている。彼らが創作しているのはロボットなのか人間なのか。 これはロボット開発者でなければ分からない苦労なのだと思う。 ロボットを開発する上で、開発者は結局「人間」そのものと向き合わざるを得ない。 その開発されるロボットの目的や、ゴールをどこに設定するかによって、意味合いは相当に異なってくる。 大量生産する工場の中で働く工作用ロボットは、これはこれですでに完成されている。 人間のような意識を持つ必要はないし、工作用ロボットを人間側に似せる必要すらない。 しかし、我々が一般的にイメージする今後のロボットは、いわゆる汎用型だ。 人間をサポートしたり、人間とのコミュニケーションが必須の能力になる。 当然、ロボット開発の難易度は格段に高くなる。 現時点でも人工知能の進化は目を見張るものがあるし、企業の事務作業の代替や、サポートセンターの応答などは確かにAIの実装が進んでいる。 この状況で、社会全体にAIが普及し浸透するのには、一体どれぐらいの時間がかかるのだろうか?(我々人間にとって、どれぐらいの時間が残されているのか?) 著者の研究の中で一つに、人間にロボットを遠隔操作させることで、人がロボットと接した際、その人がどう感じるか、というのがある。 これは非常に面白い研究だと思う。 AIのLLM(大規模言語モデル)の進化が進めば、いずれロボットが自律して、対話なども人間が介さずにすべてロボットだけで完結する時代が来るだろう。 その来たるべき時代を見据えて、どういう点に気を付ければよいかを、遠隔操作の人間を使ってシミュレートしているということだ。 このシミュレーションによって、様々な発見があったというのが興味深い。 裏側で人間が操作をしていることを事前説明しないとして、人に相対するのがあくまでロボットである場合でも、人はそのロボットに対して「人間性」を感じることが多いという。 これは会話しているのが実際の人間であるのだから、電話で喋っているようなものと考えれば合点がいく。 つまり目の前に存在するものが、ロボットだろうと人間だろうと関係ないとも言えるか。 この「人間性」というのが曖昧な表現であるが、要は「何を以って人間っぽく見える。感じるのか?」ということかと思う。 こう考えると、ロボットの存在をどう定義するかが、非常に重要な気がする。 果たしてロボットは、人間をアシストしたりサポートしたりする存在だけなのだろうか。 もしくは、人間と寄り添って、一緒にいることで人間の能力を拡張させる存在なのだろうか。 人間自体がロボットをどう使いこなしたいのか。 それによって機能させるハードウェアとしての形式や、制御するソフトウェアも変わってくると思う。 「ロボットをどうしたいか」よりも「人間自身がどうなりたいのか」という部分に踏み込んでいく必要があるということだ。 ロボットを使ってどうやって自分自身を成長させていくのか。能力を拡張させていくのか。 単なる便利ロボットの開発に留まらず、非常に難しい問題を突きつけられているような気がする。 本書の中では一律の答えはなく、様々な実験を通して試行錯誤している様子そのものを紹介してくれている。 一つの回答例で言えば、「人間のようなロボットを作る」もあると思う。 必ずしも、人間型ロボットだけが正解ではないのだが、研究としては一つの目指すポイントだと思う。 ロボット自身をもし人間に似せて作るのであれば、より人間らしく、より人間の心が分かるように作る必要があるだろう。 そうなると、益々「人間自身のことを詳しく知る必要がある」ということに帰結する。 こんな簡単なことに私自身気が付かなかったというのも盲点なのであるが、これからのAIそしてロボット科学技術が進化した社会というのは、より人間のことを理解しようとする意識が重要ということだ。 ロボットの技術的な課題は、今後徐々に解消されていくのだろうと思う。 ネットワークはどんどん早くなり、遅延も少なくなる。 大容量のデータを一度に送るということも可能になってくる。 今リアルで目の前で受け取っている情報量と遜色ないだけの情報が、ネットワークを通じて送られてきた場合、人間はリアルとバーチャルの違いを認識することが出来なくなってしまうだろう。 そんな時に、リアルとバーチャルを分ける境目が、この「人間っぽい」という感覚に頼るような気がしてしまう。 バーチャル世界でアバターが喋りかけてきたら、それは人間がアバターを通じて話しかけてきたのか、それともAIアバターが自動的に話しかけてきているのか。 私のような昭和世代の人は、リアル・バーチャルの区別をついつい付けたくなってしまうが、次世代の人たちにとっては、「人間でもAIでもどっちでもよくない?」ということになるのかもしれない。 そういう時代になった時に、ロボットやAIアバターに対しても「人間っぽさ」を感じることで、友情や愛を感じたりするのかもしれない。 こんなことを考えると、ロボット製造の目的が非常に広い範囲を示していて、寧ろ理解しづらくなる。 あくまでも自己の能力の拡張と捉えれば、人間のサポートをするイメージが強いが、自分に良いアドバイスをくれる人生のパートナーのような存在と受け取れば、それも「自己の能力の拡張」と言えるような気もしてくる。 この辺のモヤモヤしたものが残りながらも、結局ロボットは、より人間に近づいていくというのが必然な気がする。 その時に問われてしまうのは「結局人間とは何なのか?」ということか。 本書の中で印象に残っているエピソードだが、必ずしもロボットにリアルな人間の顔がなくても、抱きしめてその耳元から囁かれる声を聞くだけで相手の人を感じることができた、というものがある。 結局人間が人間を認識するのは、いい加減なものなのかもしれない。 今までだって相手と電話で喋っていても、我々はそれに慣れてしまい、違和感を持たない。 コロナ禍によってオンライン会議が普通になったが、改めてその様子を考えてみると不思議なものだ。 江戸時代の人が現代にタイムスリップするという物語があるが、電話やPCというものが存在しない時代の人から見たら、その様子は滑稽でしょうがないことだろう。 つまり、今現在不思議だと思うことも、時代が変われば当たり前になることだってあるということなのだ。 本書内で、ロボットと人間が自然な会話をするための様々な実験がされていると紹介されていたが、この辺も非常に興味深かった。 ロボットと人間とで1対1で喋るだけでなく、人間1人に対してロボットを複数台設置して会話をすると、意外と会話が途切れずに話が続くという。 これは人間が喋らずとも、話が詰まったらロボット同士が会話を繋いでいくから、話題が尽きず会話が成立するのだという。 これらのことから、人間の会話というのは話の中身が重要ではなく、連携プレーのような作法でどうとでもなるということなのだ。 これも実は大きな発見で、今後は独居老人が益々増え、1人でいることで認知症を発症する確率が高まっている中で、話の中身は別としてとにかく会話に参加させて脳を活性化させるということに意味があるのではないか、ということだ。 当初想像していたロボットの使い方だけでなく、開発の過程で様々な社会課題を解決する方法を見つける可能性がある。 そんな副産物も得られながら、今後もロボットとAIは進化して、徐々に社会実装されていくのだろうと思う。 その中で世界を見渡すと、やはり日本というのは特殊な国ではないかと改めて感じてしまう。 西洋では「神が生命を作った」という宗教の力が強いために、ロボットはあくまで「道具」という位置付けでしかないらしい。 日本人のように、そこに生命が宿り、ともすれば自分のパートナーとなり、自分を成長させてくれる存在になる、という感覚を持つことは難しそうな気がする。 逆に言えば、日本人はそのハードルが極めて低いということだ。 これはマンガ・アニメの影響も大きいかもしれないが、根本的に八百万の神が当たり前の宗教観を持つ中で、ロボットに生命が宿ったとしても、我々は不思議に感じにくい。 昔話でも地蔵が生き物のように振舞ったり、妖怪の存在なども普通に受け入れてきたという文化の背景がある。 この「モノに心が宿る」ことに対して違和感がないという感覚は、非常に面白い文化なのではないかと改めて感じてしまう。 そういう特徴を持った日本人こそ、ロボット開発を世界に先駆けていくべきではないだろうか。 そもそもロボットのハードウェア面を見ても、日本のモノづくり技術こそ優位性があると思っている。 ガソリン車がEV車にシフトすることで、日本は苦境に立たされるという指摘がある。 ガソリンエンジンのポイントは「すり合わせ技術」であって、そこは日本に一日の長があるという。 これがEV車になると、部品そのものがモジュール化されて、組み立てるだけで性能が変わらないクオリティのものが出来上がってしまうため、日本は優位性が発揮されず苦しくなるという論理だ。 自動車はそうかもしれないが、ことロボットに関して言えば、当然同じように電気とモーターで動くとしても、これこそすり合わせ技術が必要な機器ではないだろうか。 人間と接する上で、相手を傷つけないように、最新の制御で稼働することが必要となる。 特に手と指の動きについては、部品を組み合わせただけで動くようになるとは到底思えない。 足においても、ゴツゴツした場所を倒れずバランスを取りながら歩くことも、様々なすり合わせ技術が必要なのではないかと思う。 さらにそれらを制御するソフトウェアという面でも、単純にAIを実装して動かすということでは済まないような気がするのだ。 ロボットが人間を傷つけないためのソフトウェアの設計はどうするのか。 難しい課題はまだまだあると思うが、ホスピタリティに溢れる日本人こそ、こういう点は得意なのではないだろうか。 ロボットが人間社会に普及するまでには、まだまだ時間がかかるかもしれない。 逆に、意外と時間がかからずに普及するかもしれない。 人間は技術を使うことで、自身の能力を拡張してきたというのは、歴史が証明している。 これこそが人間の特徴そのものと言っても過言ではない。 だからこそ、今後ロボットやAIを脅威と思うのではなく、自分の能力の拡張のために使えばいい。 そのためにどうすべきか。 どういう使い方をすれば、ロボットとAIの能力を最大化して、自身の能力の拡張に取り込んでいけるのか。 そういうことを真剣に考えていかなければいけないのだと思う。 (2024/3/12火)

    8
    投稿日: 2024.03.25
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    次の人間の進化はロボットとの融合。そして最終的には、ロボット化し無機物戻る。人間は無機物から生まれて無機物に戻る過程の一つ。この考え方、恐るべし。

    6
    投稿日: 2023.06.25
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    石黒先生の本2冊目。 こちらはかなりロボットと人間を比較して、ロボットを人間を映す鏡として考察した内容かなと思います。 構成的方法という言葉が何度も象徴的に出てきます。 人間の根源的な欲求や意図についての考察、ロボットと対話するということから考えるそもそも「対話」とは何かという話が非常に面白い。 『大事なことは、未来は幸せにならないかもしれないけど、それでも未来に向かって人間は生きていくということである』 小学五年生の時に大人に「人の気持ち」を考えなさいと言われ、どうしていいのか解らなかったというのが非常にいい。では人の「気持ち」とは何なのか、「考える」とは何なのか、この問いは根源的であるがゆえに機械的にも感じるところが複雑で面白いなと思います。 これを突き詰めた結果、ロボットを作り出すというところがリアリスティックでありながらロマンティックだなと思いました。

    0
    投稿日: 2022.08.23
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    ロボットの研究開発者が見ると、人間自体 分かっていないことがあまりにも在りすぎて、どれから手を付けて行けば良いのか苦労しているのがよくわかった.一般的に例えば脳の動きを考える場合、解析的な方法で追及するとあまりにも奥が深くまとまらなくなるが、構成的方法で対処するとなんとかなる由.重要な点をかなり早い時期に会得した石黒さん、素晴らしい! いろいろなロボットを開発した経緯を紹介しているが、失敗した点をある意味で自慢している感じで、非常に好感が持てた.人間に役立つロボットの出現は近いと思う.

    1
    投稿日: 2022.07.04
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    石黒先生のお名前は以前からお見かけしてたけど、本を読んだのは初めて(だと思う)。 ロボット開発していくことで、人間とは?心とは?を探求していくのは非常に興味深かった。 ロボット演劇で、ロボットにも心があると感じる人が多かったのも、気になるところ。 最終章の、人間に肉体の要件がないなら〜の件も可能性が広がって面白い。

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    構成的方法というロボットを用いた人間理解について解説。著者の研究は単なる工学的領域に留まらず学際的で興味深いものがあるが、その応用範囲は現時点では自然科学系に留まっているように思える。今後、本格的なロボット社会がくるようになると、社会科学系や人文科学系の領域も無視できなくなると思われるが、これらの領域の研究者が「ロボット学」にどれぐらい興味をもって横断的に取り組むのかが未知数であり、課題であるように思える。個人的には科学哲学や倫理との関係に興味があるが、ロボットには意識や心がないのは明らかなので、どこまで近づけるのかがチャレンジだとは思うが、そこから「人(の意識や心)とは何か」についてどのような発見が生まれるのかに期待したい。

    0
    投稿日: 2022.05.07
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    エピローグにある、石黒さんの「ロボット社会を通して実現したいこと」に驚嘆した。 全体を通して言えることだけど、工学的な話ではなく考え方に重きを置いた本なのでど文系の私でも入りこむことができた。読んでよかった。

    0
    投稿日: 2022.05.02
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    読みやすい 著者はロボット工学者だとばかり思っていたけれど、サブタイトル「人間とは何か」にあるとおり、人間を理解したいという思いで非常に学際的に(認知心理学、演劇etc.)活動されている方だとわかった。 ロボットを用いた構成的方法による人間理解(開発したロボットから人間らしさを感じるとすれば、そのロボットには人間らしさの何かが実装されており、そのロボットを分析することで人間らしさとはなにか理解することができる)、おもしろい

    1
    投稿日: 2022.03.09
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    石黒教授は最高に面白い。アンドロイドを 通して、ずーーっと 人間とは何かという謎を考えすぎて、 この本を読むと ちょっと狂った領域に 到達しちまった発言もあるように 感じました。

    2
    投稿日: 2022.02.27
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    幸せとは相対的な価値観であって過去にも未来にも幸せも不幸もある。大切なことは未来は幸せにならないかもしれないけれど、それでも未来に向かって人間は生きていくということである。未来を考える力を持ったがゆえに、未来について期待が持てなくなったとき、人間は動物よりももろく生きる力を失ってしまう。そこに人間の悲しい差ががあるように思う。

    1
    投稿日: 2022.02.26
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    ロボットの制作を通して人間を探求する。構成的方法って言うのだそうな。確かに。すごく納得できる。 驚いたのは、命令伝達システムの研究成果として、脳波で機械に命令を伝えることは既に実現できているらしい。これってガンダム世界のサイコミュシステムだよね。さらに脳の機能を機械を使ってパワーアップすることも可能なんだそうだ。つまり電脳化の技術も夢物語ではないってこと。いよいよ人間を再定義することが求められる時代になってきたんだね。

    1
    投稿日: 2022.02.24
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    アンドロイドと言うと、実物を見たのは 桂米朝のみ。 ロボットと人間 といえば、鉄腕アトム の苦悩を連想してしまう。 あるいは、スピルバーグのAIの主人公の苦悩を連想してしまう。 あの個性的な風貌の石黒浩博士/栄誉教授の著書が岩波新書赤版におさまっている。 体調の良い時にサブノートつけながら読まなければ、 十分に理解できないだろう。 工学書、それもロボット工学というよりは、 心理学の本/人間研究の本ではないかという気がしている。

    1
    投稿日: 2022.02.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    新書なので箇条書き感は否めないけど面白いトピックばかり。 脳と身体の繋がりはかなり曖昧で、ロボットアームや羽を生やしても脳波で制御できるらしい。ピーター2.0もいるし可能なのか。 ロボットの演劇や詩の朗読はかなり感動的ということでいつか見てみたい。人間性は外面に表れている情報を受け取った人の中で処理して感じるもの、ロボットにも感じうる。 人はロボットに視覚、聴覚、触覚、嗅覚など様々な要素で人間らしさを感じるが、全てを人に似せなくても視覚と触覚など2つ程度の要素を感じられれば人のほうで補完して人気らしさを感じることができる。あまり似せすぎると却って機会らしさが目立つし、不気味の谷という現象もある。

    1
    投稿日: 2022.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりにスゴイ本に出会ってしまった。 ロボットの研究を通じて人間の本質が浮き彫りになる。 なかでも8章の「体とは何か」におけるアンドロイドと人間の間におこる脳波のシンクロはとても興味深い。 非常に興味深い内容で夢中で読んでしまいました。 おすすめです。

    0
    投稿日: 2022.02.07
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    プロローグ   人間への興味 ロボット学 ロボット研究と社会の期待 人と関わるロボットの普及 コロナ禍とロボット リモート会議システムの問題点 遠隔操作ロボットへの期待 遠隔操作ロボットと自律ロボットの違い 1章 ロボット研究から学ぶ人間の本質 ジェミノイドの研究開発 アイデンティティとは何か ロボット社会 なぜ人間型ロボットが必要なのか 知的システム実現のための構成的方法 ロボットを用いた人間理解の研究 知能 身体性 マルチモーダル統合 意図や欲求 意識 社会関係 ロボット開発のロードマップ マルチモーダルチューリングテスト 2章 対話ロボットとロボット社会 対話サービスロボット 家庭内対話ロボット ホテル対話サービスロボット 語学教師ロボット 高齢者用の対話サービスロボット 自閉症対話サービスロボット レストラン対話サービスロボット ロボット社会の実現 3章 アンドロイドの役割 アンドロイドとヒューマノイド アンドロイドの構造 偉人アンドロイドの例 アンドロイドの製作方法 声と語り アンドロイド製作における重要な問題 アンドロイドの基本原則 社会的人格とプライバシー アンドロイドになることによる人間の進化 4章 自律性とは何か 人間の意図や欲求 サブサンプションアーキテクチャ ロボットの意図や欲求 音声に伴う人間らしい動作 対話を続ける傾聴機能 間違いを正す機能 自律対話アンドロイド「エリカ」 マルチモーダルチューリングテストへの挑戦 選好モデルと人間関係 自律性の本質 5章 心とは何か ロボットに感じる心 ロボット演劇「働く私」 アンドロイド演劇「さようなら」 アンドロイド演劇「変身」 心とは? 6章 存在感とは何か アンドロイドに感じる存在感 不気味の谷 遠隔操作ロボット「テレノイド」に感じる存在感 対話ロボットのミニマルデザイン「ハグビー」 想像を引き出す二つのモダリティ 7章 対話とは何か 二体で対話するロボット「コミュー」 音声認識なし対話 意図認識なし対話 洋服を販売するアンドロイドアンドロイドとのタッチパネル対話 人間どうしのタッチパネル対話 対話の本質 8章 体とは何か 遠隔操作アンドロイドへの操作者の適応 脳波による遠隔操作 脳とアンドロイドの体の繫がり 侵襲型ブレインマシンインターフェース スマートフォンと脳 第三の腕 体の本質 9章 進化とは何か 進化における二つの方法 人間と技術の関係 人間は無機物から生まれて無機物に戻る 新たな人類の誕生 無機物の体によるカンブリア爆発 10章 人間と共生するロボット スマートスピーカーの発展 命令する関係から共生する関係 自動運転の電気自動車と対話ロボット 対話ロボットが変える未来 アバターの研究開発 新たな社会問題 人間アバター・ロボット共生社会 エピローグ 未来を考える力 未来は自分で創るもの ロボットを通して人間を考える 未来は可能性に満ちている

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    投稿日: 2022.01.24
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    ロボットの研究で有名な石黒浩氏による、ロボット研究者の視点で「人間とは何か」という疑問に答えることに挑んだ1冊。 著者が究めたいのはロボットではなく、あくまでも”人間”そのものであって、そのための手段としてのロボット研究だ、との印象を受けます。 人間の”心”とか”意識”のメカニズムをまず解明し、それをロボットに実装するという進め方ではなく、出来るだけリアルな人間の動きや外観をまねて(本書によれば文楽人形の動きも参考にされたとの事)、結果としてそのロボットを見た人がそのロボットに”心”や”人間らしさ”を感じたならば、その段階でロボットに実装された機能を再検証して”心”や”人間らしさ”を再定義しようという方針で進められていることが説明されています。 より人間らしいアンドロイドを目指して、顔や表情をよりリアルに作りこもうとすると、完全に人間のコピーと言ってよい水準に達しないと、却って不自然に見える”不気味の谷”という現象に陥るというのは興味深いトピックスでした。リアルさよりも、表情は抽象的にして、人間の想像力に委ねるほうが、より好感度を持たれて受け入れられるという結果が出ているそうです(アイボなんかがその例かもしれません)。誰をモデルにしたところで、人間の好き嫌いはありますから、その方が広く受け入れられるという事ですね。 本書後半では心、存在感、対話、体、進化に細分化して述べられています。特に興味深いのは”体”についての記述で、将来的には人間は自分の体以外のロボットの手や足も自らの手足のように感じて操れるようになるだろうとのこと。ここまでくれば、もはや障害を持っておられる方も普通の生活が実現できる世の中だと言えます。 非常に興味深いテーマについて、その研究の第一人者による著書ということで面白かったです。ただ、多くの人が手に取りやすいように著者としてはかなり大胆に簡略化されたのではないかと言う気がします。それぞれのトピックスについて、もう少し深堀してもらっても良かったように感じました。

    1
    投稿日: 2022.01.13
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    すこぶるおもしろい!石黒浩先生は良く見かけるのだけど、ロボットに取り組む意味を理解していなかった。 この本でその意味がよくわかりました。 特に最後の二章は大いに目を開かされました。

    1
    投稿日: 2022.01.02
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    <目次> プロローグ 第1章   ロボット研究から学ぶ人間の本質 第2章   対話ロボットとロボット社会 第3章   アンドロイドの役割 第4章   自律性とは何か 第5章   心とは何か 第6章   存在感とは何か 第7章   対話とは何か 第8章   体とは何か 第9章   進化とは何か 第10章   人間と共生するロボット エピローグ <内容> ロボット工学者の研究の大成的な本。著者はロボットを研究しているが、そこに目的があるというより、「人間を知りたい」のでロボットを作っている感じ。この本でも、4章から9章まではそんな様子を描いている。エピローグではそれがさらに明らかになる。そして著者の研究はユニークな結論を導き出している。常識的には意外である。

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    投稿日: 2021.12.22