
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
オードリー・タンが行う民主主義「システム」の根幹とされる「協働ガバナンス」の概念が特に印象的だった。(P87〜) 協働ガバナンスでは「大まかな合意」「徹底的な透明性」「マルチステークスホルダー・プロセス(多様な利害関係者が参加して協働で課題解決するために意思疎通を図るプロセス)」が重視されている。 同文脈で「すべてのステークホルダーの行動は、ほかのどのステークホルダーの意見や行動に対しても相互依存するものであり、それゆえに、たった1回の投票による過半数票での合意の到達・解決はあり得ない。我々はお互いの意見に耳を傾け、探索しながら大まかな合意に達するという理解のうえで民主主義を実践する」ともある。 第一章の「開かれた行政府をつくる」からも、実際の政策にも上記の概念があることがわかる。 例えば議事録が公開されていることや、コロナ禍に導入したシステムの基本的な考え方※は当然のように感じるけれど、意外に出来ていないことではないかなと思った。 ※国民の安心感を優先していること(使い慣れたシステムやデバイスを用いる、信頼関係を考慮し個人情報を提供することなく行動履歴を登録できること)(P59) 第三章、第四章でも続く。 誰でも電子請願できる「Join」(提案後60日以内に5000人以上の賛同者が集まれば、行政の関連部門は、必ず書面で回答しなければならない)や総統杯ハッカソン(受賞すると1年以内に正式に国の政策として取り入れられる)も同様の思想が根底にあるよう。 上記二つの取り組みは、民主主義そのものや台湾の民主主義の制度を変更したり破壊したりすることなく、より国民の政治参加機会を増やすために考えられたのだと思う。 台湾という難しい場所で、民主主義をより強く国民に根付かせたいという強い思いがあったのだろうかと想像して、強いな、すごいなと思った。 そして、正直なところ投票方法やデジタル技術的な説明はよく分からなかったのだけど、上記の思想を実現させるためにはかなり高度なデジタルコンピテンシーが必要だということはわかった。 話は変わるが、以前軽くルソーに触れたときに、今の民主主義では全体意思の実現はできないよなぁと思った記憶がある。しかし、いま実現できないことは、いずれテクノロジーの発展によって実現可能になる。というのがZ世代の私の感覚としてあり、この本の話はそれっぽいなと思った。 以前に読んだ成田さんの「22世紀の民主主義」もテクノロジーの力で民主主義が変わるみたいな話だったと思うので再読してみようと思う。
4投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログ<目次> はじめに 序章デジタルで民主主義を改良する 第1章開かれた行政府をつくる 第2章私はなで民主主義に関わるようになったのか 第3章市民参加型の討論を実現 第4章投票方法のアップデート 第5章さまざまな問題をどう乗り越えるか 2022/2/10発行 コロナ対策で有名になった、台湾のオードリータン氏 へのインタビュー本。 見ている世界が違う。このような”民主主義”が 実現して国民がそれを受け入れているのであれば、 隣の独裁主義を自ら迎合することはないだろう。
0投稿日: 2023.09.04
powered by ブクログ本人が書いたわけでは無いが経歴と政治家としての思想が伝わる。 1票の重みではなく政策評価でポイント制な票を取り入れるという斬新さは恐らく日本にはできないであろう。デジタルの権化みたいな人かと思っていたが「できない人に合わせるのが真のデジタル利用」という極めて柔軟な考え方な事も窺えた。
0投稿日: 2023.04.18
powered by ブクログ以前読んだ本で知っていた内容も多かったですが、改めてオープンガバメント(透明性)、双方向の政治(Join)、個人情報を読み込んだ記録を自分で確認できること、準同型暗号、意見の異なるそれぞれの立場を理解しようとする姿勢など、日本でも浸透していくといいなぁって思いました。 特にPol.isとかはあったら応援すべき政党とかもわかりやすくなれそう。分母を見れない人にも効きそう。 シヴやってるのかガチじゃんwシヴは間違いなく社会勉強になるわww たまに本名で活動することを推奨する人いるけど、本人確認できてて、1人の個人として認知できる状態であれば同じことなはずなんだよなぁ、といつも思っていたので、ハンドルネームであってもまったく問題はありませんにすごく共感。
0投稿日: 2022.12.22
powered by ブクログ発想がすごく勉強になる。 民主主義の基本的人権にネット環境を含めて、それを行き渡らせていくことを大前提としていることが素晴らしい。台湾にはできて日本にできないのは何故なのか?ちょっとずつでも変わってほしい。 ジョインの素晴らしいと思うのは、誰でも参加できること。そして少数意見もバカにされず、5000人という公平なハードルの賛同があれば政府に正式に検討してもらえること。安心して意見表明できる仕組み(コメント機能の排除)。 もっと凄いのは、政府の側の向き合い方で、きっちり請願者のニーズを聞き取り、理解した上で解決点を見つけ、フィードバックしてるとこ。 日本はきっと、形はやってるふりはするけど、本気で市民の声に耳を傾けようとしてないんでしょう。 民主主義のことを真剣に考えているのがよくわかる。市民が日々政治と関わる手段としてデジタル化された投票方法を使って継続的な政治参加を促進する一方、紙の投票をデジタル化するのは否定的なのは驚く。しかし背景に徹底した透明性と市民からの信頼の確保があることを理解すれば納得である。
1投稿日: 2022.11.11
powered by ブクログオードリータンさんの本は何冊が読んでいるが、わかりやすいインタビュー集。 印象的な言葉は、 「誰一人置き去りにしない」 デジタル化しても、デジタルに弱い高齢者を置き去りにしないよう、慣れた仕組みを利用し、どこでもいつでも利用できるようにする。 「徹底した情報公開」 徹底した情報公開が協働を生み出す。 全てのステークホルダーは、相互依存しているので、一つの意見や行動で解決できないから、お互いの意見に耳を傾けて、大まかな合意に達するとの理解で、民主主義を実践すると、皆の合意の上、アイデアを実行に移せる。 「クアドラティックボーディング」 複数の提案があった時、どれに賛成か、複数に投票でき、一つに集中させない方法。 共通のプラットフォームで、意見を誰でも言うことができる環境を整える。 ただし、返信機能を付けず、意見に対しての賛成か反対かのみ、反応できる仕組みとする。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログデジタルの可能性を感じた。善にも悪にもなるもの、使う人間次第といった考え方やテクノロジーとか様々あるけれど、台湾の事例を大きな検証がされたと思いました。人間への信頼と公共的であろうとする改善や実践が台湾の参加型民主主義を築いたと思う。 オードリー・タン氏が受けた親からの教育、数学的思考とプログラミング技術など、がデジタル化された参加型民主主義を築くために全て活かされてるのが興味深い!
1投稿日: 2022.05.27
powered by ブクログオードリータンが語るデジタル民主主義 皆さんの評価はあまり高くないようですが 調和を目指す社会を考える上で 無くてはならないヒントの山です 確かに頭も良いし公明正大で 淀みなく語る中身も超面白い しかしその反面机上の話ならば兎も角 競争原理真っ只中の世界なのに 台湾だけ全てが順調で 非の打ち所がないのが気に入らない それだけでなく例え話で出される マスク対策の成功話は良いとしても ウイルス対策にマスクが有効なのか? 手洗い消毒に 人間同士の距離を開ける事が必要なのか? 甚だ疑問だ 更にはPCR検査やワクチンの不自然さや 危険性についての話が 抜けているのはどうしたわけなのか? 肝心要の調査と対策を省いていないか? まるでDSの工作員の如くに 問題をスルーしているようにさえ見えてくる デジタルシステムが便利なだけでなく 道具として画期的なのはわかるけれど 公務が信頼関係にある公僕とは程遠く 権力機構になっている現状において なぜいきなり信頼関係を作れたのか? 複雑な利害関係にある多民族国家の 台湾における個人情報の開示で 悪用される問題が発生していないとは 思えないのだが? 負の部分にはまるで触れていないことに 不安を感じる ドイツやスエーデンで 異文化の移民を大量に受け入れた場合に起こる倫理観の喪失や無法地帯への移行を 一方的なインクルーシブルな体制のままでどう食い止められるのだろうか? かつてのペルーを始めとする米大陸がスペインに蹂躙されたことにも学ぶ必要がありそうだ とは言うものの 民主主義を建前にしながらの 管理支配の政治を透明化しようとする オードリーたちの冒険には感謝ですね❣️ 助言に従い まずSNS依存症を意識的に避ける事 毎朝一時間以内に絞りたいと思う 又分断に陥らないように 広く読むことと己の発信に限定し 反論による返信を控えることに気をつけたいと思う リテラシーはメディアや資料を読解する能力を意味し コンピテンシーは 能動的に自発的に作り出す能力を意味し 誰もがメディアやジャーナリズムの担い手であると言う考え方を 幼稚園から教え始める必要を感じる
1投稿日: 2022.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
台湾のデジタル大臣。オードリー・タン氏が取り組むデジタルを駆使した市民参加型の新しい民主主義について語った本。 台湾では、選挙権は20歳にならないと与えられないが、選挙権のない若者も外国人も誰でもネットを通じて意見を述ぺ、など政治参加ができる"デジタル民主主義を実践している。 その際、ネットでの請願も5000件を超えると、議会で議論しなければならないとか、様々なイシューに人々の注目を集め、社会に広めるには、"3つのF"(Fast, Fair, Fun)が必要だからと、政治にもスピード感と楽しさを入れるなど、市民に政治参加させる工夫がなされている。 その他、デジタルやsnsを利用する際の注意点など、参考になることも多かった。
12投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログSNSとの付き合い方、特にTwitterは日本向けで台湾向けにはあまり使っていないとのこと。 それでよいと思いますね。
0投稿日: 2022.03.18
