
総合評価
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powered by ブクログ突然、虫になった主人公の目線と取り巻く人々の言動、、うーん不思議。 今で言うひきこもりを主人公に置き換えたら、なんとなく読めた。 多分、、名作と言われているし、何度か読んで深めるべきなんでしょうが、、 虫の描写がキモすぎて無理。
19投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ有名な出だしの意味不明さと、海外古典の敷居の高さ、さらに『海辺のカフカ』の影響でなんとなく敬遠していたのだけれど、思い切って開いてみたら意外にも軽やかな世界。虫は何の象徴か、と考えると底なし沼なのだろうけれど、素直に物語が面白い。 「虫けら」がどんな姿なのか、あえて詳しく描かれていないところがいい。 家族が虫を嫌悪しながらも同居を続けてしまうあたり、現代の引きこもりや介護の問題と重なる。でも、書かれた時代にはそんな社会的背景はなかったはずで、では一体何の象徴か。考えたらハマる深くて奇妙な読書体験。おすすめ。
0投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログ虫の描写が鮮明ですげー気持ち悪い ただインパクトに残る内容ではあった 表紙見ただけで思い出せる 感想でなくても心に残れば名作
0投稿日: 2025.10.15
powered by ブクログ「朝起きたら虫になってた!」あらすじを読んで 勝手に蝶のような虫だと想像して購入。 読み始めたら思ってた虫と違う……ってなった。 読了後はなんとも言えない気持ちになった。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログ表現力が秀逸で、虫が苦手な者としては終始鳥肌。 主人公のおかれた状況はファンタジーであるが、ストーリー上で主人公やその家族が抱く感情は、とてもリアルだと思う。 家族との向き合い方について考えさせられる作品。
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクロググレゴールにしたらやるせない。 家族にしたら最後はスッキリ。 短い作品だが、なんとも言えない気持ちになる、心に刺さる内容
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ始まりから、びっくりしました。そして、人間として扱われなくなり最後は、、、 終始、絶望・孤立を感じる内容でした。
6投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何回も読んでいます。 はじめは虫になった描写が何よりもきつかった。しかし読み返すたびに、主人公が死んだ後に前に進んでいく家族を見るのがきついなと感じます。 あんなに必死に繋ぎ止めようとしていた家族の幸せは、自分なしでも存在する。そしてそれを主人公は知らないまま。 後味の悪さと家族が幸福になっていく眩しさの対比がくせになっています。
2投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログカフカが評価された理由は、人生は不条理なことが起きるし、主人公はどうすることもでない、という事実に安心できる(不条理主義)という点なんだろう。自分ももれなくそう思った。弱くてずるい自分を認めてあげたいんだね、みんな
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ非常に読みにくい物語だった。 カフカの自伝とよばれているもの。 突然変身した「巨大な褐色の虫(むかで)」はなにを象徴しているのか?誰も不思議に思わない奇妙な空気。なぜその必要があったのか一才説明はなし。 この奇妙さをどう解釈しよう? 一家の大黒柱だったのに、奇妙な姿になり家から出なくなったことをきっかけに家族揃って退治するのは残酷すぎました。
0投稿日: 2025.08.16
powered by ブクログ●2025年8月11日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。 「角川文庫出版の『変身』、最初の数ページで読むのを断念してしまいました…。 本書にて描かれる虫に変った男。彼は確かにグレゴールではあるのだけれど、どうしても''たまたまグレゴールと同じ境遇に置かれただけの別人''に見えてしまうのです。 同じ環境、同じ名前、同じ生き方…けれども、その男の発する一言一句、それが紙面上に浮かび上がらせるのは全く違う環境や価値観で育った別の誰か。2、3個彼の台詞を読んだだけでもそう感じてしまうのです。 …もっとも、私の抱いているイメージがそもそもとして間違っている可能性だってありますし、数ページで判断するのは早計なのだから最後まで読まなければいけないですね。」 これに対してレスがついてて、 「あの小説は、障害者を書いたそうです。家族に一人障害者がいると大変なのだと。やはりカフカは現代的で普遍的なテーマを描けた天才でした。」 障害者の私はちょっと気分悪い。
0投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
グレゴールの変身する、しないに関わらず、グレゴールがいない方が家族にとって良い事であったように思われるラストで後味が悪い~~~
0投稿日: 2025.07.04
powered by ブクログ面白かった! グレゴールって名前が蜘蛛っぽいのはなんでだろう 確かな正解が書かれてなくて読者の想像に委ねられている なんなんだろうと気になりながら一気読みできた てっきり700pあるのかと思ったけど、短くてよかった
0投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
特に印象的だったのが、グレゴールの家族がもっと手頃な家に引っ越せば成り立つにも関わらず「良い家」に住み続けることの描写と、グレゴールという大黒柱が不在になったことで逆に家族がそれぞれに出来る仕事で家計を成り立たせていく描写。 与えられ続けた恵まれた環境を手放せない執着と、頼るべきところが無くなってもそれなりに現実を維持させ続けられる強かさを感じる。 人間の弱さと強さの両面が描かれていて、とても印象深く、何度も繰り返し読みたくなる。 人は何をもって他者をその人と見なすのかという点でも考えさせられる。 なぜ家族は虫になったグレゴールを彼であると認識できたのかというのも、その思考材料になりそう。朝起きたら家族がいなくなっていて代わりに巨大な虫がいたとすると、虫になったという解釈ではなく、虫に食われた、乗っ取られた、呪いで姿を変えられたなどと考えるほうが、虫になること自体よりは理解が通りそうな気が。。 考えれば考えるほど、人間の存在や営みについて思考が深まりそう。
1投稿日: 2025.05.02
powered by ブクロググレゴールの立場、ザムザ一家(グレゴール以外)の立場、どちらの気持ちも分かる。…お互い、思う通りの結末を運ぶのは難しすぎるこの世の中。昔も今も、変わらずどうしようもないことってありますね。
1投稿日: 2025.03.27
powered by ブクログ青年が忌み嫌われる虫に変化してしまう名著の極み 外見が変わるだけで周りから煙たがられ、虚しく息を引きとるという現代社会を風刺したような暗く重い物語 城といい、カフカの作品は読み終わると鬱々となる
0投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログ論理的な理由づけを放棄して読める本は貴重で好きだ。作中に散りばめられている全ての要素に想像の余地があり読んでいて楽しかった。
0投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログ<ある朝、グレゴール・ザムザが落ち着かない夢にうなされて目覚めると、自分がベッドの中で化け物じみた図体の虫けらに姿を変えていることに気がついた。(P5)> おお、いきなり始まっていた。 最近カフカ読んでいますが、以前は、わけが分からないし話は堂々巡りだしちょっと気持ち悪いし苦手だなあと思っていたのですが、慣れてきたのか読書として楽しく『変身』は他の小説よりも読みやすいですね。「不条理小説」などと言われますが、突然虫になっていた以外は、言い回しが回りくどくないし、話はちゃんと進むし、登場人物もはっきりしています。 このKADOKAWA版は最新のカフカ研究を踏まえた新訳だそうです。 グレゴールが変身したものも、他の版では「毒虫」「カブトムシ」のような描写だったのですが、こちらでは「虫」「クソ虫」と約されています。原語では「供物にも使えない汚れた虫」という言葉なんだそうです。 カフカは、虫の姿は読者それぞれに想像してほしいのだそうです。それなら私は、たくさんの足からネバネバを出し、背中に殻があり頭は重いというので、大きいダンゴムシ、いやせっかくだからナウシカに出てくる大蟲を想像して読んでいきました。(なんか可愛く切なくなったぞ) 本文は100ページ程度で、本の後半の解説ではカフカ自身のこと、『変身』のこと、翻訳のことが書かれています。 カフカは早死して、複数の妹さんがいるのは知っていましたが、カフカの死後に妹さんたちはユダヤ人強制収容所で亡くなったというのはここで知って胸が痛くなった…。 そして「カフカは生前売れなかったが、死後原稿を預かった親友ブロードが、カフカが『出版しないでくれ』というのを裏切り(?)勝手に出版した」といわれますが、それもブローはカフカの遺構をトランクに入れて命からがら亡命した…と読んだら「本当に大切だったんだね!」という気持ちに(T_T) では本文に。※※※ネタバレしています※※※ このグレゴール・ザムザ、セールスマンをして両親と妹を養っている。グレゴールの家族は、事業に失敗して病を得て隠居した父親、ずっと主婦の母親、音楽が好きな妹のグレーテ 兄妹の仲は良く、グレゴールはもっと金を貯めてグレーテを音楽学校に行かせる心つもりだった。 しかしある朝目覚めたら汚れた虫になっていたわけ。 自分の変身に気がついたグレゴールは、焦ったり困ったりしつつも「一度寝てみたら解決するかな」「今から急げば仕事に間に合うから大丈夫だろう」などと考える。 これは、わかるなあ。一見呑気っぽいのですが現実逃避というか、日常にすぐ戻るだろうって思うことで自分を保つことはありますよね。私もアクシデントにあってそれどころでないのに「今この瞬間に問題が解決すれば、30分遅れで着く」なんて考えてしまうことはあります。 そんなわけで「いまから着替えればまだ仕事に間に合う」などと考えていたグレゴールだが、家にまでやってきた業務代理人に責め立てられ(厳しいなあ…)、彼と家族の前に対して巨大な虫の姿を晒すことになる。 家族も業務代理人もこの汚らわしいクソ虫をひと目見て「この虫はグレゴールだ!」と分かる。このあたりが不条理と言えばそうなのですが、読者としては「虫に変わった」ことを受け入れれば、他は起こるだろうことしか起きないわけで。 家族は虫に変わった息子・兄を心配する余裕も無く、部屋に引きこもらせておく。この日からグレゴールは自分の部屋に虫として潜んで暮らすことになる。部屋に入り食事を運んだり簡単な掃除をするのはグレーテ。とはいってもだんだん接触を避けるようになり、扱いも粗略になっていく。 グレゴールは、身体は虫になり、言葉を発することもできず、目も見えなくなっていく。食べ物も生ゴミを好むようになり、壁やら天井やらを這い回ることが案外楽しい。 しかし意識は人間のままで、人間の言葉を聞くことはできる。だから「自分は人間なのにこんなことをしていいのだろうか」「食事の用意(生ゴミだけど)、部屋の掃除をしてくれる妹に感謝を伝えたい」などと考える。妹グレーテには全く通じないんですけどね。 グレーテはグレーテなりに、グレゴールは虫として部屋中を這い回りたいなら、部屋の家具を全部どかしたほうがいいんじゃないの?と考えた。 なお、父母はグレゴールが虫になってからは彼を見ないようにしているし部屋にも入っていません。 葛藤が書かれます。 虫のためには移動した方が良い。しかし母親は「きっとグレゴールは元に戻るのだから、家具をどかしたら人間に戻ったときに傷つかないかしら」と言うしグレゴールも人間と虫の間の間にいることを自覚する。 この時うっかり母親がグレゴール虫を見てしまい、悲鳴を挙げて卒倒する。聞きつけた父親はグレゴールに容赦なく林檎を投げつけ追い立て、グレゴールは林檎を背中に埋め込んだまま部屋に追い立てられることに。このままグレゴールは背中の林檎を取ってもらうことはない。 家族は、唯一の収入源のグレゴールが奇病の引きこもりのようになり、はじめは戸惑いと怒りと困惑を覚えるが、やがてそれぞれが仕事を持つようになった。そしてグレゴールがいなくても充分やっていけることが分かり、グレゴールは完全に邪魔者になってゆく。 それまではグレゴールの虫としての活動にも合わせたり、グレゴールの人間としての痕跡を残しておこうしたけれど徐々に「こんな虫はもうグレゴールではない。もしグレゴールの心を持っているなら、自分たちに迷惑をかけずにサッサと消えるはずだ」という気持ちになってゆく。 新たに年取った家政婦を雇うんだけど、この家政婦が案外面白い。グレゴールを見ても全然動じず、彼女なりに「クソ虫ちゃんや」と箒で突っついてくる。扱いは酷いがこの動じなさは話の中でユーモラスだ。 家族は、収入のために三人の間借り人を入れる。この間借り人は読むだけでなんか不愉快なんだよなあ。 グレーテが彼らに言われて彼らの前でヴァイオリンを弾くんだが、見る間に彼らは退屈しだす。まったく失礼なやつらだ。 部屋の中でグレゴールは妹の音色に感動する。もともと仲の良い兄妹、グレーテを音楽学校に活かせることこそグレゴールの希望だったのだ。グレゴールは「自分だけのためにグレーテにヴァイオリンを弾いてもらいたい。そして自分の部屋で共に過ごしたい」と願い部屋から出た。だがその姿を間借り人たちに見られ、決的的な破綻が生じるのだった…。 うーむ、読者にはグレゴールが言葉を理解し、考える事ができるとわかっているので、「虫」とは書いてあっても人間として考えてしまう。そしてどんどん扱いが悪くなること、家族への慕情が全く通じないどころか完膚なきまでに拒絶される場面は、切ない。 しかし家族は、グレゴールのほうが家族に酷いことをしていると感じている。もし人間の心が残っているなら黙って消えるはずなのに、わざわざ間借り人の前に出てくるなんてやっぱりただのクソ虫じゃないか。このままではグレゴールの綺麗な思い出さえなくなってしまう。 それでも、なぜか、読了感は悪くないんですよ。まずは家族はグレゴールを消し去ることで「解放」される。それまでのグレゴールの献身は無かったことになるし、誰もグレゴールにコミュニケーションを取ろうともしない(家族は、グレゴールが身も心も虫になったと思っている)。しかしなぜか一家の稼ぎ頭の彼が引きこもったことで病気引退した父親も、働いたことのない母親も、甘やかされてきた妹も、仕事を持ち性格はなんだか強くなって身体も健康になってるし。 そしてグレゴールも家族からの扱いを実に静かに受け入れていた。読了感が悪くないと思ったのは、後書き解説で紹介されたカフカの文章「ぼくの小さな物語の主人公が、少し前に死んだ。せめてもの慰めになるなら言うけど、平和に、誰のことも恨まず死んでいったよ。」というように、ただただ静かだからかなあ。
49投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログ難しかった 解説を読んでから、扉絵と本編におおおってなったな グレゴールのことばかり考えながら本を読んでたけど家族の気持ちになってもう一度読んでみたらもっと面白そう!
0投稿日: 2025.01.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
しっかり読んだことがなかったのと、プレミアムカバーのとても鮮やかなオレンジ色に惹かれて購入。 ある日突然自分が虫に変身し、最終的には衰弱死してしまう…簡単にいうとそういう話。 家族のために真面目に働き、妹の夢も叶えようとしていたのに、そんな家族からも目を逸らされ、むしろ疎ましく思われる存在になってしまうことも、最終的に家族は彼の死によって日々の苦しみから解放され、前向きに生きていけるようになるのも、どちらの視点で考えても良い答えは浮かばず、何とも言えないどんよりとした気持ちに。
0投稿日: 2025.01.18
powered by ブクログ文庫本の3分の1が解説を占めてたから意外と短い物語で驚いた。 カフカ的なんて言葉が出るくらいには人々に衝撃を与えた作品、なるほど確かに他にないキレと視点がある。 家族とは?自分とは? 「起きたら虫になってた」という究極の不条理が、誰でも抱えうる不安や恐怖を紐解いて行く。 走ってたら虎になった訳でもなく、悪い魔法使いにカエルにされた訳でもなく、なんの理由もなく虫に。 振り切れた不条理が面白い。 個人的にはカフカの陰鬱な自己嫌悪が如実に出た作品に見える。 かなり好き。 訳した川島隆さんの解説がかなり読み応えがあった。 「ああ神様」の翻訳者により異なる訳が面白かった。 表紙絵の変遷も面白かった。 角川文庫の表紙も良い表紙だなと思う。 ザムザが変身した虫はゴキブリってのが日本でのイメージらしいけど、なんとなく甲虫をイメージして読んでたからフンコロガシって解釈には納得。 個人的にはコガネムシ的なのだと思ってる。 色んな映画、アニメ、ゲームに与えている影響が多い。 個人的には「東京喰種」で見たのが1番最初かも。 「ゴジラ シンギュラポイント」でも言及があるけど、その時例としてペロ2というキャラが虫に変身するんだけどそのときは芋虫なんだよな。 あと自分が1番好きな映画、「佐々木、イン、マイマイン」にて、主人公悠二が佐々木から受け取る文庫本が「変身」らしい。 佐々木の家庭を考えると彼がこの本を好んで読んでたのもなんか分かるし、悠二に託したのもまた新しい意味が見えてくる。
1投稿日: 2024.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あんまり好みではないかなー 翻訳が読みづらいのかな? 鬱病とか引きこもりとかそんなものを 虫に例えているのか? 介護疲れの末 死んだ時の家族の解放感がなんともリアル…
5投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ショートストーリーなので読みやすい。 両親と妹と4人で暮らす主人公は、ある朝目が覚めると虫になっていた。 まずはじめに思ったことは、「やべー仕事に遅刻してしまう、体が虫になってしまったしこのままだと仕事に行けない」だった… 長男の稼ぎで家計が成り立っており、いい暮らしが出来ていた。しかし虫になってしまうと贅沢はできず妹も音楽の道に進めない… 虫に変身した長男。それに対する家族の接し方、扱い方が「変身」していく
1投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
高校の時の課題図書で1回読んでいる。そのときの感想は覚えていないが話はよく覚えている。今回読み直しても特にストーリーに違いは感じられなかった。起きたら虫になっていた。そして社会から隔絶され、最後は家族からも見捨てられ、主人公が死んだら家族が幸せになっていた、という話である。 不条理極まりない話で、後味も確かによくはない。ただ、今回感じたのは、虫になった主人公をおいといて、家族はそれなりに苦労を超えていくところである。主人公が死んで(直前には処分しようとしている)、人間の尊厳もなくなったのが幸せにつながるというのは作家としては何がいいたかったのだろうか。
2投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログずっと読みたいと思っていたのと、某ゲームのキャラクターの元ネタということで購入。 主人公に降かかる何もかもが不条理で、家族に尽くしてたのになんで……っていたたまれない気持ちになりました。
2投稿日: 2024.09.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
不条理と言えばカフカ。 まさにそんな小説。 何の虫になったのか、なぜなったのか全く書かれていないし、今作の場合周りの家族の非情さが際立つ。 カフカはどんな意図でこの本を書いたのだろうか。 この世界の非情さ、残酷さなのだろうか。
2投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ主人公は何も悪くない。ただ虫になってしまっだけ。だが、"虫になっただけ"で邪険扱いされる。至極当然のような、残酷なような…。
1投稿日: 2024.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とにかくグレーゴルが可哀想だと思った。今まで1人で家族を支えていたというのに、虫となり働けなくなったグレーゴルを拒絶した家族は酷いと思う。 グレーゴルが使い物にならないとわかった途端、自分たちで働き始め、彼以外の家族はどんどん前を向いていく所がとても皮肉だった。
1投稿日: 2024.05.05
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変身 フランツ・カフカ ∞----------------------∞ あっさり読めてビックリ!それもそのはず?本文100ページしかない上に新訳もいいところの令和訳。現代のものかなと思えるくらい読みやすかった。 訳者さんの解説が本の3/5ほどを占めてたけど、カフカさんの生涯もじっくり読ませていただいた。 この「変身」は、朝目が覚めたら虫になってたって言うのはどこかで読んだことがあったんだけど、その虫はどうも私が思ってたのよりもかなり大きい。それって虫?って思う大きさ、というのはソファーに隠れても横がはみ出すくらい。なるほど、人の大きさくらいなのか。 そして解説にある通り、なぜ虫になってしまったのか理由が最後まで分からないのだけど、グレゴール自身がなぜと思っていない。それどころか、初めのうちは会社行かなきゃと思ってる。 読み進めていくと食の好みも変わり、壁や天井を伝うのが心地良かったり、身も心も虫になっているようだった。 家族と言えば、部屋に入ったらそこに巨大な虫がいた。それは兄?息子?どうしてそう思えるのか分からないけど、息子の代わりにいたのならそうなのかとしか思えないのだろう。 世話をする妹は、見たくもない!と思いながらも部屋に入って真っ先に窓を開けて(臭いんだろうね、虫にもあるはずの生理現象的なことも含め)、食の好みを探り、食事(餌?)を与え、兄の居心地が良いようにと部屋の模様替えまでするのだからかなり優しい。 でも、負担は負担。 そもそもこれって兄なの?息子なの? 違うんじゃないの? 最後に自分がいなくなることでみんなが幸せになるならと感じとって息を引き取るところは切なかった。 その後、幸先が良いと感じる家族。介護疲れってこういう感じなのかな。いっそ...とか思ってしまうんだろうな。 何よりも虫の大きさばかりが気になった読み物でした。 2024/05/02 読了(図書館)
2投稿日: 2024.05.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
虫になったことに意図があるとか最後に変身が解けるとか意思疎通できるとかでもないラスト。 主人公の内面も人間じゃなくなっていく感じが怖い 亡くなってやっとほっとして愛を再確認できるような感じが障害者とか認知症の介護とかにも通じる。寒々しい気持ちになる小説だった
1投稿日: 2024.04.30
powered by ブクログ100ページほどしかない短い話だったが、とても面白く救いのない話だった。 この本の素晴らしいところは訳者解説がついているところだろう。70ページ近い訳者解説により「変身」だけでなく、フランツ・カフカについても学ぶことができる。
1投稿日: 2024.03.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
理不尽を煮詰めた作品。 凡人の中に混ざった天才、天才がいなくなった後にまとまる凡人という表現がしっくりくる内容でした。自分が虫になったのに、意外にも冷静に現実を見ている部分が妙にリアルでした。 訳者解説のおかげで、当時の時代背景やカフカの人柄、交友関係や思考がわかり、作品理解をしやすかった。他の作品も読んでみたい。
2投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんか聞いたことあるな、くらいの感覚で手にとって読んでみた。 初めてのカフカ作品だったけど、読みやすい訳のおかけでスラスラと読み進められた。主人公の言葉から、変身した自分に対する絶望感があまり強く感じられず、ある種ひょうひょうとしているのが面白かったし、そのおかげで家族達の主人公に対する介護疲弊が進んでいることに全く気が付かなかった。確かに不条理な結末だけど、後味の悪さも特にない
2投稿日: 2024.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
グレゴール虫になった事にはそこまでパニックにならずにいつも通り仕事に行くために慌てている様がなんだろう、メンタルが強いのか弱いのか。 普通虫になってたら会社とか生活とかより、虫化の方に思考の全部持っていかれるのではないかなぁ。 虫になったことないから知らんけど。 結局何も分からんまま何も伝わらんまま息絶え、家族は明るい未来へ旅に出る。 ハッピーエンドなのか知ら?
18投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ(あまり真面目には読んでないです。 それを踏まえて……) この虫の大きさ・種類が気になった。 あと、まあ取り立てられるのは、「なぜ虫になったか」の部分かな。 そこらへんが気になってしまって、肝心の中身になかなか入り込めなかった……苦笑
4投稿日: 2024.01.09
powered by ブクログダウンタウンの"トカゲのおっさん"の源流ってコレ? 私はこの作品が世界的に有名になって以後に生まれました。いくら読んだことがなくても、それなりの年数を送ってきた人生の中で『変身』がどんな物語なのか1ミリも知らない、という方が難しいでしょうから、どこまで新鮮に楽しめるかが気になりましたが、結果的にはとても楽しく読めました。ちなみに私は「主人公がある日、虫になった」としか知りませんでした(「しか」と書きましたけど、それがほぼ全てだった、というのが読後の印象)。 『変身』の新訳版が出たと聞き、海外の純文学に不慣れな自分でも読みやすいかなと手に取ったのがキッカケでしたが、その予想はドンピシャ当たりました。とても読みやすい!と言っても他の訳を読んでいないので比較はできませんが。 物語の舞台はずっと主人公の実家、9割以上が主人公の部屋の中です。しかし閉塞感や停滞は感じませんし、ストーリーの割に文体そのものには重さがなく、文章のテンポも一定で、まったく絵変わりしないのに不思議と飽きずにサクサク読めます。 ネタバレになりますが、印象的だったのは最後の場面です。訳者解説でも触れられていますが、それまでは地の文で「父親」「母親」「妹」と書かれていたのが、主人公が死んだ瞬間から先は「ザムザ氏」「ザムザ夫人」「グレーテ」に置き換わっていて、主人公と家族の関係性が完全に断ち切られたことが文体そのものから明確に伝わり、残酷さが際立っています。生前の主人公に対する疎みや憎しみを隠さなくなっていった家族の描写も怖いですが、まるで最初から主人公なんて存在していなかったかのような白々しい晴れやかさに溢れているラストの方が圧倒的に恐ろしいです。まるでマネキンが演技しているような絵が浮かんでゾッとします。 読後ネット検索して、『変身』には古今さまざまな解釈があることがわかりました。私には実存主義やシオニズムなど難しいことは分かりませんが、様々な解釈が可能なくらい、メッセージがない空っぽなもの(ディスじゃないつもりです!)なのでは?と思いました。カフカが読者の解釈をリードするような意図もまるで感じません。シュールなコントを見てるような気分で、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の後期の名作コントとされている『トカゲのおっさん』にも似た不条理性を感じました。 私もあえて何か見立てのようなことをするとしたら、ストレスによる心身の不調から、主人公が自分が虫になったと思いこんだ物話ではないのかと想像しました。朝、目を覚ますと出発時間をとうに過ぎており、体を起こそうにも虫の体躯に慣れていなくて起き上がることも困難な様子は、抑鬱状態で朝がつらい人の典型に見えます。虫の脚からでる毒液が、部屋をはいずりまわったせいで部屋の床や壁にこびりついた描写がありますが、それはトイレで排泄をすることが叶わなくなった主人公の便だったりするのかなーとか。 なぜ虫になったのかの理由は明かされず、遠因を匂わせるようなことも一切なく、気持ちいい不条理さでした。出だしの一行目からもう虫になっているのもとても気持ちがよくて思わず吹いてしまいました。唐突すぎる!っていう(笑) 巻末(と言うにはページ量が多すぎる!"併載"と言うべきか)の訳者解説も本編と同じくらい読み応えがあり、はじめてカフカに触れるカフカ入門者にもうってつけです。
1投稿日: 2023.07.12
powered by ブクログフランツ・カフカ作 川島隆 訳 令和4年2月 初版発行 角川文庫 原作は1915年と古いですが、昨年新訳された新しい本です。以前読んだ時は何が面白いのか全く分からなかった本でもあります。 主人公グレゴール・ザムザがある朝虫けらに姿を変えている有名な出だしで話はスタートしますが、これって今の世の中と似ているなと改めて思いました。 普通に生活していたのに事件に巻き込まれたり、炎上騒動で、周囲の人や世間の見方が180度変わってしまう…。姿こそ虫にはなりませんが、何を言っても聞いてもらえない、ザムザと同じような立場になる可能性は誰にでもあるのではないではないかと。 また意識を残したまま虫になるのは最近流行りの転生系の話に似ているし、周りと違う姿になるのは多様性の要素も含んでおり、今風に解釈すると、姿形が違うからと差別してはいけないというメッセージにもなっているのかなと、以前読んだ時とは違った読後感でした。100年前の本だけど読む時期、年代でこんなにイメージが変わる本もあるんだなと再認識しました。
1投稿日: 2023.06.02
powered by ブクログ最初に新潮文庫の方を読んだので、別な方の翻訳を読んだ形になるんでしょうが、あんまそんなの気にしないで読めたので違和感はないんでしょう、たぶん。小説自体の感想は新潮文庫の方にあげたので割愛。 むしろ巻末の解説が多かった気がするので、そっち読みたい人オススメ。この人の伝説エピソード好きなんだよね。
1投稿日: 2023.05.16
powered by ブクログ『100分de名著』で取り上げられた川島隆氏の新訳。 ある朝目覚めたら、巨大な虫に変身していたグレゴール。虫になった理由も、回復の方法もわからない。無論仕事にも行けない。一体彼はどうするのか…? ものすごく大変な出来事に遭遇しているのに、グレゴールが淡々と落ち着いているのがシャープで怖い。彼が気にするのは、もっぱら遅刻した出張や、実家の借金や、妹の進路であって、自分の変身の回復法ではないのだ。まずそこで、私たちは驚き、この作品に釘付けになる。 まるで身体障害のある人を急に抱えた家族のような様相を呈する家族たち。困惑するなという方が無理な、想像し難い現実に、一家はかつての和やかな家庭から、貧しい家庭に変貌し始める。 嫌々世話をしながら、だんだんグレゴールは疎外される。ついに彼は、父親が反射的に投げたりんごで大怪我をし、誰にも見捨てられて衰弱死する。 りんごが、グレゴールに対する社会的追放の鉄槌であり、家具の剥奪が、彼が『人間であった』ところから、ものの役に立たない生き物へ、その立場が転落させられるのが、無情であり、無常でもある。まだ彼には、美しい絵に心惹かれ、妹のヴァイオリンに思いを寄せる知性があるというのに、それは誰にも気づかれず、顧みられることがない。淡々と滑稽味さえにじませて描かれているが、なんと絶望的な悲劇だろうか。もっと怖いのは、読んでいるこちらまで、淡々と事態を観察していることだ。ふと気づいた自分の眼差しが恐ろしいのだ。だが、衝撃はそこで終わらない。 虫に変わってしまった家族の一員を持て余すのは想像できるとしても、後半に妹がグレゴールを放逐することを提案するところ、鈍器で殴られたような驚きが走る。 グレゴールが家族を『いじめて』いるというのだ。虫に変身した責任は、グレゴールにはない。不慮の事態だし、基本彼は身を隠している。それでも、ヴァイオリン、いや、愛妹に心惹かれて、団らんの場に思わず出てきてしまっただけなのに。『いじめるばかり』と非難されるとは。たった数行の妹のセリフの、破壊力といったら。解釈や鑑賞を、一瞬吹き飛ばす衝撃がある。 グレゴールの死後の家族の外出が、輝かしく楽しげでヨーロッパ的近代市民層の典型的憩いの姿で描かれているのも、冒頭からずっとモノクロームの世界だったところに、急に色がついて彩りが差したようなのが、また変に美しくて、なんとも言えない気持ちになる。美しいと感じる私が、やはり怖い。 ラスト、絶筆のように幕切れとなる。妹のぐっと伸ばした背。その靴の下で、今しもグレゴールと私が、一緒に踏まれて消えた。彼女の靴底には、もちろん汚れなどついていない。かがやくような豊かな若さがあるだけだ。 実存主義って諸刃の剣。なんて怖いんだろう。この小説に対して『答え』なんて出るのか?あの、読書から来ると思えない殴打感のある衝撃。それが答えではないだろうか。次は『城』読んでみようかな。ヤバい。中毒になりそう。 巻末に川島氏による、懇切な作品解説とカフカについての評伝が付されていて、非常に充実した内容だった。これを読むと、カフカの書簡集も読みたくなるだろう。非常に読みやすく、明晰な訳で、強くお勧めしたい。
7投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の姿が毒虫に変わった瞬間から続く、地獄の日々。虫になっても人間の言葉は理解でき、思考も残っているのだが、家族には言葉も思いも伝えることが出来ない。本人にとっては、家族に甘えたい気持ちが残っているので、家族の前に姿を表し接触しようとするが、害虫扱いされ、攻撃を受ける。 予想通り、本人にとって悲しい結末となるが、家族にとっては明るい結末である。それくらい、毒虫に変わり果てた姿を、家族であると信じ続けることは苦痛だったのだろう。 毒虫は極端であっても、家族が突然難病になって長期間介護が必要な時に、傍でサポートし続けることができるのか、カフカに試されている気がした。 後半の『ある戦いの記録』は、自意識過剰で心の不安定な主人公(青年)が人々を観察して捕まえ、禅問答のようなやり取りを繰り広げるもの。寒い冬のプラハ旧市街の路地を思い浮かべながら読んだ。 両作品併せて、悲壮感、閉塞感、孤独を強く感じた。
13投稿日: 2023.03.22
powered by ブクログ珍しく外国人の方が書いた本を読んでみた。淡々とストーリーが進む。 私はいつもわかりやすい文章の本を読んできていたので、これだけ淡々としていると感想が持ちにくかった。(持ちにくかった?笑) でも世では大作と言われているので、私が合わなかった、ついていけなかっただけだと思うのですが。。
3投稿日: 2023.03.14
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カフカの主人公っていつも死んで終わるんだな… 昔はザムザに感情移入していたが、今は家族の気持ちがわかるようになってしまった
2投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ本来、こういう不条理ものは苦手な方なんだけど、なぜかこの「変身」は好きだなぁと思った。 私はカフカの文体が好きなのかもしれない。 最初は「ある朝起きたら虫になっていた」という常人では思いつかないような突飛な発想に気を引かれるが、そのうちこの「虫になっていた」というのは何かの比喩でもあるのでは?と思い出したりする。 「虫」というのを「人間だと思えない」「(それがたとえ気心知れた兄だったとしても)なるべく関わりたくない」と思わせるような何か、に置き換えて読むとどうもこの話がただの「ゾワっとする話」には思えない。 この「変身」はある意味残酷・不条理極まりないと言えるのに、読み終わった時にはなぜか満足感があった。本当になぜなんだろう。 自分でもよくわからない。ただ、こういう感覚でいろんな人がカフカ文学の虜になっていったんだろうとなんとなく思った。
2投稿日: 2023.01.24
powered by ブクログあらすじは知ってたけど、読んだことがなかったので思い立って読了。内容については考察され尽くしてきていると思うので割愛。ラストシーンで憑き物が落ちたようになる家族のシーンが印象的。 本文が100ページなのに、解説が70ページほどある。 翻訳はあえて原作の初版に準拠したなど、こだわりのある作られ方をしていて好印象。こんな不条理な内容でも、人の心を長く掴み続ける作品になるのは面白いですね。
2投稿日: 2022.11.22
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こんな気持ち悪い(良い意味で)作品出会ったことない! 虫の表現がほんとに事細かくてページめくるのもためらった!良い意味でゾワゾワして気持ち悪い! もちろん主人公に同情するけど、主人公の家族の気持ちも分かっちゃうから「す、救われねぇ〜!」感が満ち満ちててたまらなかった。 読了した時の「はぁ、気持ち悪かった…」って感想を充実感と共に持つことができた。良き良き。
2投稿日: 2022.08.05
powered by ブクログ100分で名著を見て、そんな話だっけ、と思い再読。色々と難解な解釈があるらしいけれど、浦島太郎だって不条理な話だし、現実問題として不条理なことは起きうるし、そこに無理に意味をつける必要はないと思った。グレゴールの顛末は悲しい物語だけれど、なぜか切迫感がないのが面白い。虫のくせに出勤しようとしたり、妹と駆け引きしたり、天井からぶら下がったりして楽しんだり、とってもシュール。
2投稿日: 2022.06.05
powered by ブクログ『この早起きというのは、人間をまったく薄ばかにしてしまうのだ。人間は眠りをもたなければならない』 『ただ我慢することだけが家族の義務の命じるところなのだ』 『音楽にこんなに心を奪われていても、彼は動物なのだろうか』 『これで神様に感謝できる』 グレゴールはある朝、目が覚めると自分の姿が毒虫になっていた… その姿を見た家族の反応はどうなのか? 見た目は毒虫だが、間違いなくそれはグレゴール本人。最初は妹も母親もらしく接してくれるが、徐々に毒虫としての扱いを受けるようになる。 いずれ毒虫の死、つまりグレゴールの死が訪れる。家族の反応は… グレゴールには「死」の選択しか残されていなかった。 この小説を通じて、カフカは何を言いたかったのか。 時代背景。見た目と心の相違。 そして人間である尊厳。 単なる、朝起きたら姿が変わっていたSF小説ではない。
3投稿日: 2022.05.12
powered by ブクログ「もし、あなたの家族が「虫けら」の姿に変わってしまったら… あなたはどこまで耐えられますか?」 主人公とその家族、どちらの不条理も同情してしまう こんな人にオススメ: ・家族との関係が上手くいっていないと感じている方 ・海外文学で短めだけど考えさせられる作品が読みたい方
2投稿日: 2022.04.13
powered by ブクログ訳者解説が面白い。 文字を追うことは読者誰でもできるけど、ドイツ語で書かれた、他の版から、技術がどう変遷しているか、というのは、一人の読書では絶対に読み解けない。ということを思い知った。 訳者ってすごい。キーワードとか、宗教的背景のある表現は日本語訳難しいらしい。確かに言われてみれば、絶対にそうだと思う。本作でいう「虫」だって、様々な訳がこれまで当てられては変えられて、らしい。虫ではニュートラルすぎるので、毒虫、でも攻撃性はないから、毒は違うんじゃない?っていって虫に戻るとか。虫けら。ごみ虫。なんてのもあるらしい。
2投稿日: 2022.03.29
powered by ブクログ伊集院光さんの『名著の話』がとても良くて、改めてこちらを手に取った。100分de名著の講師をされていた研究者による新訳。充実の解説がうれしい!
2投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログ『変身』 体中のいたるところが痛み、左肩などは自分の思うようには動かせない自分と"虫けら"になったグレゴールとを重ねて読む。 グレゴールを包囲する家族全員がピリピリとした空気に包まれている状況は、認知症の祖母に対峙していた当時の我が家の状況とピタリ一致する。 『変身』を読むきっかけは『文學界』での頭木さんたちの鼎談を読んで。身体的な痛みに照準して「当事者批評」的に文学を読む楽しさを味わってみたいなと思い立ってのことです。あぁ自分の体なのに動かせなくなることあるなぁと共感しながら、大変おもしろく読むことできました。 #読了 #君羅文庫
2投稿日: 2022.03.16
powered by ブクログ名著といわれれば必ず出てくる作品のひとつであろう「変身」。誰しもが知っているであろうあらすじは割愛します。 どう解釈されてるかは勉強不足なのでわからないのであくまで私の感覚だけでここは書きます。私にとってグレゴール・ザムザはどうしようもない人間です。当時はどうだったかはわからないので現代に住む私の感覚です。 虫になったとわかっても仕事のことを考える。ひきこもる。私にとってはなんで虫になってしまったのか?ということよりも、なんでそんなに仕事のことを考えるのか?言い方を変えればなんで家族のことをそこまで重要視しているのか?ということが疑問に思ってしまいます。 義理堅い人間であれば、血は水よりも濃いという話をすることもあるでしょう。現代でもそういう話はよく聞きます。でもそれはあくまで日常生活の延長線上の話でしょう。 わけのわからない状況になってまでそこを気にしなければいけないのかというところがまず私の理解を超えています。 カフカは今でいう子供部屋おじさん、ひきこもりニート、という問題が一定数の人にとっての普遍的な問題だということをていしていたのでしょうか。 もちろん彼が生きていた時代まで(1950年代より前)においてはひきこもりなんてしていたらほぼ生きいけてないでしょうから、自然淘汰されていただけの人たちだったのかもしれません。 それにしてもこの変身という作品は異質だと感じます。理由もなく虫(役に立たないもの)になり、家族のガンになり、そのおかげで家族が仕事し始め、最終的にはやっかいな存在なだけでしかなくなる。見るのも禁忌に触れるようなものとなる。 作品内でのグレゴール・ザムザはあまりにかわいそう。50代ヒキニートの最後をみているようです。 現代にも通じる作品ですが、あまりにも救いがない作品。それが私の変身を読んだ感想です。 私にとっては共感するような作品ではなかったですが、豊かになった社会にとってこの作品は語り継ぐに値する作品なのかもしれません。
2投稿日: 2022.03.12
