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powered by ブクログ彼らの方が自由で楽しそうにみえるが、彼らが捨てた何かを我々は捨てることが難しい。黒綿棒さん、新宿にまだいるのだろうか ちょっと体験してみたい
0投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログホームレス生活。 この本を読む前に思っていた印象は常に食べ物に飢え、お金をねだり、自転車操業を繰り返していると思っていた。 しかし自分が想像しているよりどうもそこまで困窮している訳ではないのかもしれない。 西新宿の近くの代々木公園や都庁下ではこういったホームレスの方、生活に困窮している人を対象に炊き出しを頻繁に行なっており、食べ物には全く困っていないように見受けられた。しかし炊き出しを利用している大半はホームレスではなく、生活保護を受給している人らしい。生活保護で最低限の生活を保障されているにも関わらず、炊き出しを利用するのは本来炊き出しを必要とする者にまで行き届いていない可能性がある。 なぜ生活保護を受けず、ホームレスを続けるのか。 ホームレスを続ける理由は十人十色であり、過去を詮索するのは御法度とされている部分もあり本書ではあまり言及されていない。この部分については致し方ない部分もあるがもっと追求して欲しかった。
0投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログ実際に路上生活者の社会に入り込んで生活しながらのルポルタージュなので、描写がリアルであった。世間一般の概念としてホームレスは生きるか死ぬかのギリギリの生活を余儀なくされていると自分も思っていたが、炊き出し等ホームレスとして生きていくシステムが確立されていることや、一括りにホームレスの人達でなく、ホームレス社会のヒエラルキーではない、それぞれの生活スタイルが千差万別であることが意外であった。しかし期間限定のルポルタージュなので仕方がないが、ホームレスの人生観や将来観についての考察というかリアリティが弱く感じた。
11投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ【感想】 「ホームレスになってみた」。真夏の2か月間都内で路上生活を送り、実際のホームレスはどのように日々を生き抜いているのかを綴ったのが本書『ルポ路上生活』である。 ホームレスの日常というと、まさに餓死と隣り合わせの過酷な生活を想像してしまうが、実はご飯に困ることはないという。炊き出しは都内なら至るところで行われているため、それをはしごすれば十分食べていける。むしろ食料のストックすらできるのが現実らしい。 ホームレス生活は情報戦だ。炊き出しがどこで行われるか、どこの水道から冷たい水が出て、どこのトイレが利用者の数が少なく使いやすいか。無料のシャワーサービス、銭湯券の配布など、様々なお得情報を集めれば、生活レベルが向上していく。そのため、橋の下で身動きせずに生活しているというよりも、どちらかと言えば、食料や快適な場所を求めて練り歩く、という行動を取っていることが多いという。 印象的だったのは、ホームレスの人々は意外と貸し借りやモラルに物凄い気を遣っていることだった。ホームレス仲間の黒綿棒は「ホームレス同士で金の貸し借りをすると、どうしても貸したほうがホストで借りたほうが子みたいな関係性になっていく。今までもそういう失敗を何度かしてきたものでね」と、人間関係を気にしていた。また、ホームレスは一般人の目線をかなり気にし、食料をくれる人やお店に対しても極力迷惑をかけないように自分を殺している。 ホームレスの心を蝕むのは、やはり「世間の眼」なのだろう。ホームレスの中には、生活保護を受けるのを断ってホームレスになって、空き缶拾いなどでささやかな生計を立てている人もいる。彼らは弱者ではあるが立派な一人の人間であり、「恥」を感じながら生きているのだ。 ――都内のホームレスは飯に困ることはまずない。むしろ、飯を取捨選択する余裕すらある。金を稼ごうと思えばそれとなく稼ぐことはできるし、その金で酒やタバコを買うこともできる。しかし、私はこの状況を「過剰支援」だと唱えるつもりは毛頭ない。「ホームレスはそこまで困っていないのだから助ける必要はない」と言う人がいれば、それは間違いだ。助けてくれる人がいるからこそ、この生活が成り立っているのだから。 ―――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 0 まえがき ホームレスの生活とはいったいどんなものなのか? 本書は、東京五輪の開会式が行われた2021年7月23日から9月23日まで、「東京都庁下」「新宿駅西口地下」「上野駅前」「上野公園」「隅田川高架下」「荒川河川敷」の約2カ月間をホームレスとして過ごした記録である。 1 新宿 これからホームレスになるために選びだした荷物は、下着4日分、上着、タオル、タオルケット、歯ブラシ、ハサミ、ビニール袋、チャッカマン、傘、本。そして現金7,000円だ。 まずは都庁の第1本庁舎と第2本庁舎の間にある「ふれあい通り」に腰を落ち着かせた。 私がタオルケットを敷いている共有スペースには、ホームレスが5人ほどダンボールを敷いて眠っている。その中にはダンボールハウスを持っていない人もいれば、ハウスの中が暑すぎて避難しに来ている人もいる。 夜になると夕方吹いていた風がピタッと止み、アスファルトからも熱気が発せられているような気がする。どれだけ濡れタオルで身体を拭き、微動だにせず横になっていても、3分もすればダラダラと汗をかきはじめ、首のあたりはハチミツでも塗りたくられたかのようにベットリとしてくる。 途中身体が痛すぎて、路上で段ボールとクッションを拾った。深夜3時にはようやく浅い眠りにつくことができたが、朝5時には日差しと車の音と蝉の声で目覚めてしまった。 9時頃になると、真横を無数の革靴やパンプスが行き来している。恐ろしいくらいの通勤ラッシュだ。しかし、私たちに視線を送る人はほとんどおらず、風景の一部分になっているようで人の目は意外にも気にならない。ただ、それは寝たふりをするなどして、じっとしていればの話である。荷物を整理するなり、水を飲むなり、何か動きを見せると、「動いた!」といった視線が一気に集まる。 ホームレス仲間の黒綿棒は言う。「路上で生活を始めてから気が付いたのだけど、得てして冬より夏のほうが辛い。冬はNPOが寝袋や毛布、防寒着を配ってくれるので包まっていれば問題ない。でも夏は対策のしようがないからね」 私はこの黒綿棒の話を機に、ホームレスと話をするときは「夏と冬どちらが辛いか」と質問をするようにしたのだが、ほぼ全員が「夏のほうが辛い」と答えるのだ。その理由はやはり、「冬はNPOやボランティアが防寒具をくれるから」だ。 防寒着は毎週やっている衣服の配給でもらえる。寝袋や毛布は基本的にキリスト教会の人たちがシーズンになると配り歩いてくれる。 飯の心配は、意外といらなかった。各所で炊き出しや食料配布が行われているため、おにぎりやパンをストックできたほどであった。たとえば、ある日の献立は、代々木公園でカレーを2杯食べる→14時から都庁下で食料の配給→夜8時頃キリスト教系団体がパンを配りに来る→夜9時頃「スープの会」がスープを配りに来る、といった具合だった。都内で生活するホームレスは食べ物には困らないのだ。 また、シャワーは、新宿区役所に行けば無料でシャワーを浴びることができる。新宿連絡会というNPO団体が行うサービスであい、無料で洗濯もできる。 ところで、都内の路上にはキャリーケースが電柱に鍵でくくられていることが往々にしてある。これは付近に住むホームレスの荷物だったりする。では、ホームレスたちが暮らす村から離れた場所にポツンと置き去りになっているキャリーケースは一体何なのだろうか。 黒綿棒は言う。「ホームレスというのは得てして入れ替わりが激しいからね。生活保護に移行したりシェルターに入ったり、路上から出て行った人がこうやって荷物を置いていくんだよ」 ホームレスと生活保護というものは非常に密接な関係にある。施設の環境に我慢できずに逃げ出して再びホームレスになってしまう人もいれば、アパートを契約したりドヤに住み始めたりするも、ほかの住人もほとんどが生活保護受給者であるため金の貸し借りなどのトラブルが発生し、再びホームレスを選択する人もいる。路上に置き去りにされたキャリーケースは、そういった人たちが路上に残していった残骸である。再び路上に戻る可能性を見越して、鍵をかけるなり、村から離れた場所に置いて漁られないようにするといった対策を取っているのだ。 あるとき、スープの会というNPOが、子どもをあやすような口調で筆者に話しかけてきた。上手く言葉には表せないが、「あなたも私たちと同じ社会で生きている」「あなたは一人じゃない」といった綺麗ごとのメッセージを強制的に受け取らされているような気分だ。何か一つでも認めてあげることで、「ホームレスのあなたも社会の一員である」ということを押し売りしている。正直、「紙めるなよ」と思った。 2 上野・墨田 上野でホームレスを始めた初日に、ホームレス先輩の四郎は言った。「上野っていう街はな、本当に手癖が悪い奴が多いんだ。盗みを専門に生活をしているようなホームレスが何人かいる。携帯電話、財布、身分証、取られて困るものは寝るとき絶対に身体から離さないこと。腹に抱えるか枕にして寝ないとダメだからな」「周りに誰もいない場所には寝ないこと。みんなが寝ている場所に寝るんだ。誰かに一言声を掛ければ大丈夫だから。頭のおかしい人間っていうのは一定数いるんだから、本当に殺されるかもしれないぞ」 上野は24時間ベースを張ることができないので、朝の4時半に荷物をまとめ、いらないゴミなどを捨てて上野公園などに移動する。高架下や道路など、ホームレスが保管している荷物の群はあちこちにくくり付けられている。 上野では手配師の京太郎が、若いホームレスに声をかけて仕事をしないかと持ちかけてくる。いつまでもこんなこと続けてられないだろ、働かないといけないぞ、若いんだからやり直せるぞ……毎日のように目の前に来ては、胸を突き刺すような言葉を投げかける。そうして罪悪感を煽って使い捨て要因をスカウトし、肉体労働の現場に斡旋することで収入を得ている。 ちなみに、実際に炊き出しに来ている人たちのメインはホームレスではなく生活保護受給者だ。生活保護を受け、金がなくなったら炊き出しに行って恩恵を受ける。ホームレスの多くは生活保護というシステムに対してマイナスなイメージを抱いているそうだ。 ホームレスの「コヒ」は、ホームレスの収入についてこう語る。 「世間の人たちはホームレスのことを悲惨だと捉えているでしょう。もちろんそういう人もいるんですよ。だけども、今となってはそういう人のほうが少ない。昔はそういう人ばかりだったけど、辛い人は生活保護に行けるようになった(2008年の年越し派遣村を機に)んだから。今でもホームレスやっている人っていうのは、僕らみたいに年金をもらっている人が多いんですよ」 私はホームレス生活中、年金を受給しているホームレスに多く会ったが、彼らの受給額は全員が7万円であった。その理由をコヒは非常に分かりやすく説明してくれた。保険料の納付月数が短く受給額が少ない場合、たとえば3万円/月で貯蓄がない人であれば、多くは生活保護を受けるはずだ。しかし、厚生年金にも加入しており、たとえば14万円/月を受給できる人であれば、生活保護を受けることはできないし、そもそも部屋を借りることができる。 では、7万円/月の人が生活保護を受けるとどうなるか。月12~13万円もらううち、少なくとも家賃・光熱費で6~7万円の金が消え、自由に使える金が7万円を切るという現象が起きてくる。「だったら路上でもいいから7万円自由に使えたほうが俺はいい」。そう考える人がホームレスになっているのだ。実際にホームレス生活をしていると分かるが、路上で暮らしながら月7万円の収入があれば相当リッチな生活ができる。 「言葉が悪いけど昔のホームレスというのは乞食でしょう。今のホームレスはただ家がないというだけなんだけど、昔の考え方で止まっている人が多いんだよね。このおじさんなんて成城石井で買い物してるんだから」 3 河川敷 ホームレス生活をするうえでは、24時間ベースを張れるのが最も便利である。逆に夜に来て朝に出ることほど不便なことはない。 といっても公園に小屋を建てれば即撤去だし、隅田川も小屋を建てようものなら警備員がすっ飛んでくる。しかし、ホームレスに聞いてみると「河川敷は他の場所みたいには取り締まりがない」らしい。そこで、8,000円のテントを買って、八広駅徒歩5分の野球場の奥にある茂みを定住地にすることにした。 東京五輪が開催される以前の私は、街でホームレスを見かけたとき、都庁下にいる人も上野公園にいる人も河川敷にいる人も、まとめて「ホームレス」として見ていた。しかし、ホームレスとして同じ目線から彼らを見ていると、ホームレスには「ホームレスレベル」というものが存在するように思う。 都心の路上で炊き出しに預かりながら生活していた私は、50年間空き缶拾いで生きているホームレスや、河川敷の一角にある森の中に小屋を立て、誰にも知られることなくひっそりと猫と一緒に暮らしているホームレスなどを見たとき、自分とのレベルの差に感嘆してしまう。そして、炊き出しに預かることを前提に生きているホームレスたちが皆一様に空き缶拾いには手を出していないことから考えると、ホームレスの代表的な稼ぎ口として見られている空き缶拾いは、実はかなりハードルの高いもので、言わば本気 でホームレスをやっている「ガチ勢」にのみ許された仕事なのである。
42投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログホームレスのイメージがだいぶ変わった。 少なくとも本書には”かわいそう”なホームレスは出てこない。 むしろ、しがらみなく自由に生きているようにさえ見える。 新たな世界を知れて良かった。
0投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ夏は公園やビルでペットボトルに水を汲む。 ホームレスはすぐに歯をだめにしてしまうため、砂糖を食べない人もいる。 無料低額診療事業。経済的な理由で医療を受けれない人は、無料・低額で医療を受けることができる。 アルファ化米。ご飯を急速乾燥させたもの。水や熱湯を注いで食べる。非常食用。炊き出しに使われる。 ホームレスの荷物をホームレスが盗んでいく。 激減したとは言え、ホームレス狩りの危険がある。周りに誰もいない場所では寝ないこと。 上野公園でホームレスをしていると、キリスト教や信仰宗教に勧誘される。 パチンコ屋の朝。並んで抽選を代行して千円もらう。
13投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログホームレスの実態というよりかは特定の立場に置かれた人間のそれでも譲れない部分、個人の尊厳、矜持、そういった部分がとても重要な気がする。 この本を読んで「あー意外と面白いアトラクションだったねー」で終わるのは違うんじゃないかなあと思いつつ、そのように感じている人の多さよ… 勿論私も含めそれでいいのかなあ…
0投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログ國友さんがとうとうホームレスの世界に飛び込んでしまった…笑。 働くのが好きではないから将来的にホームレスになるかも、とリハも兼ねて自らホームレスに。 ルポや特番ではホームレスって悲観的な印象を得ますが、いやいや彼らはとてもたくましい。 炊き出しツアーに行ったり時々お小遣い稼ぎをして、あとは好きなように過ごす。年金や生活保護もからめた知られざるホームレスの生活を知ることができます。 手持ちのお金が少なくて家賃が払えない…好きなことにお金を使うために家を持たない選択をした人もいる。 もちろん情報が得られなかったり、体や心の問題が原因でホームレスにならざるを得なかった人もいる。 淡々と書かれているホームレスの生活ですが、時々國友さんの心の動きが描かれているのもとても良い。
14投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログ同じ立場、視点に立たないと分からない世界を見せてくれます。こういう本大好きです。 おわりに に書かれている"ホームレス生活中と元の生活に戻ったときでは表情が違う"といった一文を読み、妙に納得しました。あと黒綿棒のあだ名は笑いました。
4投稿日: 2024.03.28
powered by ブクログ社会問題を考えるヒント。ホームレスは減少傾向だが,見えない生活困窮者が増加。若者の貧困化も見逃せない。生活保護より路上で自立生活を望むなど生き方は千差万別。※保険証無→無料低額診療
19投稿日: 2024.03.05
powered by ブクログ★★★ 今月5冊目 いや、凄いよこの人は。2ヶ月実際ホームレス生活をしてみたというルポ。 とりあえず都内にいる限り炊き出しはあるし新宿なんてサイコーの住処らしい、 稼ごうと思えば缶広いとか色々あるし、教会から食料や寝袋、現金ももらえるし生きているそう。
3投稿日: 2023.12.21
powered by ブクログ29歳の筆者が3ヶ月間ホームレスとなって暮らした日々のルポ。 読む前は、荒れた暗い気持ちになってしまうかもと心配したが、そんな気持ちにはならなかった。 わたしが想像すら出来ないような辛いこともたくさんあるだろう、けれど意外と彼らは逞しく生きている。 都内にいれば、炊き出しがあるし、冬になればボランティア団体から寝袋や防寒着をもらえたりする。 中途半端な田舎よりも大都市にたくさんホームレスがいる理由がここにある。支援が手厚いのだ。 わたし自身としては、なかなかそういうボランティア活動をしようという気持ちが起きず、はなはだ後ろめたい気持ちになった。 わたしの狭い行動範囲ではホームレスを見ない。炊き出しに遭遇したこともない。近くにないから遠い存在なのかもしれない。 が、排除建築は見たことある。 なぜこのベンチにこんな柵が?と不思議に思っていたのだが、そういうことだったのか。 インドに通っていたとき、様々な人を見た。 スラムで生活する人、路上で生活する人。 過酷な暮らしではあるだろうが、どんな人にも場所があった。 差別は厳然と存在していたけれど、排除されることなく、場所はあった。 どんな境遇の人も認められて生きていける世界になればいいと思う。 どんな気持ちを持って生きていくか、ということが大事だと思った。 それは路上生活者だけでなく、全ての人に言えることだ。
3投稿日: 2023.12.09
powered by ブクログ事実に即した、というべきか都心に住まうホームレスの実態を解き明かしたルポとして、新たな情報への知見を得るものと一般には捉えるのだと思うが 地名があり、人があり、(商業出版としての業ゆえかもしれないが)そこに物語があるのだと思うと、時事問題を主題にした(文学賞で取り上げられるような)小説の読後感に似たものを感じた。 個人的な嗜好として、こういう淡々とした語り口が好みだということに過ぎない気もするし、体当たり的な取材をもとに物語然としたものを量産することはまた異なる段階の課題だと思うが、本著の登場人物たちへの記憶はフィクショナルな衣装を纏いながら長く息吹き続けると思う。
3投稿日: 2023.10.08
powered by ブクログ自分には絶対に出来そうにもないことを、仮体験させてもらい楽しかったです!東京のホームレスは、食料に困らないこと、冬より夏の方が路上生活は辛いことなど、いろいろな発見がありました。作中に出てくるホームレスもいろんな人がおり、特に、黒綿棒は面倒くさいけど、憎めないキャラでした。あと、宗教団体は良くも悪くも人の弱みにつけ込んでくるものだなと(笑)生活保護の問題は複雑ですね。でも、日本は本当に良い国だと思います。私自身は路上生活は衛生面で無理かなと思いますが…。
1投稿日: 2023.03.21
powered by ブクログ路上生活ルポはいくつか読んだがこれはコロナ禍でのリアル最新事情等がわかって興味深かった。 吾妻ひでお氏の失踪日記をこんな若い人が読んでる事にびっくりした。あれ10年以上前の作品だよね。 思った以上にタフな方みたいで蟻が集ってる弁当を平気で食べてたシーンはなかなか。 気の持ちようで天国にも地獄にもなる東京での路上生活。なんとなくベーシックインカムとはこんな感じなのかな?と考えさせられた。
2投稿日: 2023.03.20
powered by ブクログ2ヶ月間、ホームレスとして路上生活を送った 体験記です。 まさに究極のノンフィクションです。 ホームレスたちの視点からすると、生活保護を 受けるのはホームレスの「成れの果て」らしい のです。 つまりホームレスは生活保護者に対して、「あ あはなりたくない」と思っているそうです。」 生活保護を受給するためには家を借りなければ ならない。それには当然家賃が必要ではあるが、 住環境はフロトイレ無しなので、ホームレスと 変わらないそうだ。 また生活保護は貧困ビジネスの餌食になる恐れ もあり、かたくなに生活保護を拒むホームレス もいるそうです。 ある著名人が「ホームレスなんて支援するな」 と言って炎上したことがニュースになりました が、確かに色々な手厚い保護があり、ホームレ スが飢えることはないようです。 むしろ食べきれないくらいの食料配給もありま す。 それを「やりすぎ」「甘やかしている」とみる か、本当に必要としている人に届けるには、そ のくらいしないといけない、とみるかは意見が 分かれるところです。 ただ読んでいて感じたことは「ホームレス」に 陥ったのではなく、その生活を自ら選んでいる 人が一定数いることです。 その時には「幸福って何?」と考えさせられる 一冊となります。
2投稿日: 2023.02.15
powered by ブクログ私は非日常体験のつもりで読んだ。とても面白く一気に読んだ。日本が抱えるホームレスの問題等の視点は置いて、筆者が交流したホームレスの方々が皆キャラ立ちしていて、読んでいて愛着がわいた。(個人的にお気に入りは寅さん) 強烈な個性の持ち主であるが故に、過酷な路上生活の道で生きていけるのだろうなと納得。と同時に路上生活から脱出して生きていって欲しいとも願う。筆者はまだ若くこれからの活躍に期待。新刊も読みたい。
0投稿日: 2023.02.15
powered by ブクログ行政や支援者からでは分からない路上生活の実体験は読んでいてとても面白かった。 ホームレスの生活もどこに住むかで変わること、ホームレスの中でも格差やヒエラルキが存在することなどは、実際に体験した著者ならではの気付きだったと思う。 自分は先日の大雪で電車が止まってしまい自宅に帰れず、なかなか宿が決まらず苦労したが、ホームレスはずっとこういった悪天候を耐えていると思うと、そのバイタリティには決して敵わないと身に染みて感じた。
0投稿日: 2023.01.29
powered by ブクログ2か月の路上生活で見えたもの。 テレビ等で伝えられる、ホームレスの悲しさなどとは違う、生きることに対して貪欲な人、状況を楽しんでいる人が紹介されていて興味がわいた。 最後に紹介された、河川敷でのお隣さんの話では、情報を受け取る力の違いを感じた。
0投稿日: 2023.01.23
powered by ブクログ東京都内ならば、路上生活でも必要最低限の生活をすることができる。それだけ、NPOや宗教などボランティア団体からの援助があり、炊き出しツアーなども組む事ができ、何を食べるのかを選ぶこともできる。そんな路上生活者がいる反面、そういった情報を手に入れる事ができずに、貧困に喘ぎ、貧困ビジネスの餌食になる路上生活者もいる。 路上生活者は可哀想と一括りにできない、多彩な背景があり、収入では左右されない、気持ち次第で幸福にも不幸にもなる生活がある。 援助とは何か、幸せとはなにか、考えさせられる本だった。 でも、難しいことを考えずに読んで楽しい本でもある。
0投稿日: 2023.01.05
powered by ブクログこれ読むと路上生活できてしまうのではないかと思ってしまいそうです。東京23区に居れば色々な支援が有って、餓死したり凍死したりすることはそうそう無さそうです。冬も防寒着と寝袋がもらえるので寒くないらしいし、日替わりで色々なところで炊き出しがあるらしく、食いきれないレベルらしいと聞いて衝撃でした。 まあ、だからと言ってそういう生活したいわけではありませんが、昔は自分もホームレスになってしまったらどうしようと怯えていましたが、変な話なんとかなっちゃいそうですねえ。
3投稿日: 2022.11.28
powered by ブクログ『ホームレスになってしまう』というフレーズは子供の頃から恐れの対象、情けないという感情でした。 この本を読むと恐怖や感情が薄れます。なかなか快適では?と間違った(?)感情すら沸いてきます。 でも、このルポは都心だけの話であり、地方ではまた違った話になるのだろうな。 地方は炊きだしとかあるのかな?
1投稿日: 2022.11.19
powered by ブクログ2022,23 図書館 ルポ西成著者の新たなルポで楽しみにしていたが、予想通り面白かった。 自分と同年代の人が実際にホームレス生活をして、ホームレスの人たちの交流や生活を通じた生のルポが読めるのは本当に興味深かった。 ・都庁や新宿上野周りで意外と食には困らない ・冬より夏がキツい(寝袋や防寒具をもらえる) ・空き缶集めはホームレスの中でもかなりガチ勢 次も何かルポが出たら読みたい
0投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ面白い。 面白いと書くと不謹慎だと叱られそうだけど。 Twitterで排除アートとかの活動をしてる方と意見交換したい内容。 ホームレスにもプロとアマがいるんだなぁと思いました。
0投稿日: 2022.10.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1992年生まれ、筑波大卒、國友公司「ルポ路上生活」、2021.12発行。貧困の最前線とも言えるホームレスは一体どんな生活をしているのか。2021年7月から9月までの約2か月間を、都庁下、新宿西口地下、上野駅前、上野公園、墨田川高架下、荒川河川敷の6つのエリアで過ごした。そこで見たホームレスの生活を描いた書。飯は困らない。冬よりも夏がきつい。空き缶拾いで1日3000円程度。年金ホームレスは生活保護を受けない。(12~3万円から年金分は引かれる)女性にとってはホームレスはリスクが大きい。
1投稿日: 2022.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
以前幡ヶ谷に住んでいた為、新宿に出向く機会が多く、ホームレスをよく見かけた。 確かに区画によってカーストがあるような感じもしたが実際にそうだったのか。 この本が書かれていたであろう時期にも何度も新宿に行っていたので、もしかしたら黒綿棒や著者に遭遇していたのかもしれない。世間は狭い。 幡ヶ谷の女性殺〇事件の事も書かれていて、当時よく通っていた居酒屋のママさんがインタビューされていた事を思い出すなどした。 炊き出しに何度も訪れる人が居るというのは知っていたが、あそこのはダメ、ここのが美味しい、お小遣いが貰えるなどという事は知らない情報だった。 また、炊き出しにはホームレスしかいないと思っていたのだが、生活保護受給者もかなり多く含まれていて何のための保護を受けているのかと何に対してか自分でも分からない憤りを感じた。 無知とは恥ずかしいものである。 私は趣味でポケモンカードをやっているが、本当に本当に買えない時期があった。 元は子供向けのおもちゃなのに大人達がムキになってしまう程に。 ヨドバシカメラの列にホームレスを雇って買いに来ている転売ヤーが居るというのも知っていた。 大体平日にゲリラで販売する事が多い為に平日出勤の社会人は勿論行けない。 買えない怒りから転売ヤーに雇われていただけのホームレスを憎む時期もあったが、本は面白く読めた。 また、著者の友達となる人物の個性が豊かで面白かった。
0投稿日: 2022.06.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2021年夏、オリンピックの年。東京でホームレスとして過ごした著者のドキュメント。 前回に続き飾らないルポが面白かった。 意外に快適に過ごしているような気配もあったけど、実際自分には真似できない。 黒綿棒さんとの再会や、最後のおとなりさんとの別れが、切なかった。 宗教関係の炊き出しで、布教活動の一環であるのが驚き。考えてみればそりゃそうかと納得なのだけど、自分は全くと言っていいほど無宗教なので、そこまでして布教するもんなんだなと思った。 価値観は人それぞれだな、と改めて思った。 冬の生活も読んでみたかった。 また、皆がどうしてホームレスになったのか、もう少し深く知りたいと思った。難しいかもしれないけど。
0投稿日: 2022.04.27
powered by ブクログ新宿西口、上野駅前、荒川河川敷など。ホームレスの生活を実際に体験する2ヶ月のルポルタージュ。 オリンピックが開催されている頃、ホームレスを体験する。炊き出しや無料シャワーなどの支援もありつつ、一方では生活保護者を食い物にする貧困ビジネス。 出身が西新宿なのでホームレスはある意味身近な存在。公的機関のほか、ボランティアによる支援がことの他充実している。
0投稿日: 2022.04.07
powered by ブクログ読んでビックリだった。 自分がイメージしていたホームレス生活 とは違っていたから。 食事に困ってる人はほぼいないし、 あえてホームレスを選んでいる人も いるらしいこと。 いままでなら不憫な眼差しで観ていたような 気がするけど、そんな目でみなくて 良いのだと思った。この生活を選択したんだと。 それは性善説に基づいて、宗教団体や ボランティアの方々が彼らの生活を 支援してくださっているからなのだけど。 ホームレスの方々に貧困ビジネスには、 ひっかからないようにして!と思った。
1投稿日: 2022.03.28
powered by ブクログ2021年の日本経済は、前年に続きコロナ禍で大荒れだ。 その煽りで、どうしようもなく路上生活、いわゆるホームレスになった者もいるだろう。 著者は、ホームレスの実態がどうなのか、自ら東京の各地で2021年7月23日〜9月23日までの約二か月間をホームレスとして過ごした。 どうやったら暑さを凌いで、少しでも快適に路上生活できるか、どこで炊き出しをやっているのか、どの地区が雨風凌げるのか…などなど。 やはり、これも情報がないと何も分からず、食べものにもありつけないということ。 そして、ホームレスであってもコミュニティーがなければ、上手く生活できないのだろうということ。 なりたくてなっているわけではないが、抜け出せない人。 すべてを諦めている人。 確かに一括りにして、ホームレスはこうである…とは 言えない。
21投稿日: 2022.03.09
powered by ブクログ案外食べるものには困ってないんだなというのが驚き。以前はもっと近所にもたくさんいて、近くの河川敷にも家があったけど、河川敷の工事やらでいつの間にかいなくなったなぁ…。
1投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ〈ホームレスは果たしてどんな状況に置かれているのか?〉 2021年、東京の路上で約2ヵ月間をホームレスとして過ごした ドキュメント。 生活保護を受給し、炊き出しに並ぶ。 アルミ缶を山のように積み上げ 自転車で移動するホームレスの姿。 ここには、本当のホームレスが書かれている気がした。 読んでいて(え?どういうこと?)が頭の中を占めていく。 生活保護も炊き出しも、本当に困っている人を助けるための制度。 國友さんも書いているが 〈不正をする人のことをメインで考えていたら、救いたい人を救えない〉 もう「ホームレス」と一括りでは言えない気もする。
0投稿日: 2022.02.14
powered by ブクログ薄々わかっていたのだ。やはり真に困窮した路上生活者は刹那的にしか存在していないと言う事実。 不潔さや匂いや世間体や他人の視線や自尊心の葛藤。そんなことに多少耐性があればむしろ快適で栄養過多で持て余す時間を抱えた自由な暮らしである。 社会的に言えばセーフティネットはもちろん必要でこれを無くしてしまえばわずかばかりとはいえ確実に困窮している人たちを救うことはできないだろう。 そしてそういうシステムには必ず余剰が生まれ、そこには喜怒哀楽を伴った社会的な共同体が生まれてしまう。いや悪いことではない。筆者の言うように、ここまで養生があるセーフティネットを整備できる日本は確かに成熟した国なのだと思う。 自由とか幸せとは一体何だと言う究極的な問いも内包している。
1投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログこれこそノンフィクション、いや敢えてルポルタージュと言おう。社会の最底辺と思っていたホームレスの驚くべき生活・実態が赤裸々に綴られている。もっていたイメージが崩壊する衝撃に言葉もない。これぞルポの醍醐味。
0投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログ自分が何に惹かれてこの本を手に取ったのか。 それを問い直すところからはじめたい。 路上生活、つまりはホームレスへの関心は長いことある。坂口恭平の3万円モバイルハウスからはじまり、お金のこと、家のことを考えるときに、そもそも、それらは必要なのかを省みるときに、いつだってホームレスの存在があった。 不潔とは思わなかったが、その路上にいて、普通の人間生活ならざる、佇まいがいつだって僕の脳裏に焼き付いていた。 フィクションよりはノンフィクションに興味はある。ある現実を、ある偏見をもったひとりの人間が描き出す。それを見るのが面白い。観察する対象だけでなく、それを書く人もまた観察する対象になる。 内容のボリュームや筆致は思っていたほど鋭くはなかったが、日記調で書かれており、スピーディーに読むことができた。1時間ほどでもよめるだろう。 いつかみたキリスト教系の上野公園の炊き出しの風景を思い出す。あの景色のなかに、本で登場した人が僅かにでもいるかもしれない。 ホームレスは自由だ。 僕はまだそう思っている。 現実は制度や人の恩恵にあずかっているだろうが、それでも生きていける。そのエッジに住む人たちえの関心はまだ続いていくだろう。
0投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログホームレスは常に飢えに苦しんでると思ってました。 しかし実際は炊き出しや自治体のサービス等のセーフティーが充実しており、意外と生きていくには困らないようになっていて 自分の思ってるホームレス像とだいぶ違う印象を受けました。 普通に暮らしているとホームレスに対して可哀想とか感動ポルノとかそっちに繋げたくなりますが本書ではそんな部分は無く、ただただリアルなホームレスを感じれます。 最後の章にも少し出てきましたが、どこにいっても「情報弱者」は良い事無いので気をつけようと思いました。
0投稿日: 2022.02.01
