
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太陽が一切昇らない期間が40日間もある北欧サプミの地。 トナカイ放牧が生業としてあるこの地にて、トナカイ警察として、放牧者たちのいざこざを捌く(やれトナカイの群れが決められた範囲を越えて移動したがためにほかの群れと混じってしまっている、やれトナカイが盗まれたなどなど)クレメットとニーナ。 待ちに待った太陽がまた昇るその日、トナカイ放牧を担う土着民族サーミ人のマッティスが両耳を切り取られた状態で死体で発見される。 また、時をほぼ同じくしてサーミ人のアイデンティティ、差別受難の歴史のアイコンとも言えるサーミの太鼓が何者かに博物館から盗まれる事件も発生。 めったに事件らしい事件の起きないこの地にて立て続けに2件も。 儀式殺人かのような様相を見せる殺人事件と民族を象徴する民芸品の盗難、そりゃ関係ないわけないのだがどこに接点があるのかわからない。。 北欧の先住民族、土着生活を深くストーリーに絡ませるところが特徴的。 サーミ人とかラップ人とかの呼称はジョー・ネスボの作品で出てきたのを覚えているが、コタ(テントみたいな一時的な住処)とかグンピ(ググってもよくわからなかったけど、山小屋的なもの?)、ヨイク(伝統民謡)など見知らぬ用語が飛び交い濃密な民族色。 加えて0時間から次第に伸びていく日照時間というこの土地ならではの雰囲気固め。 ここにもう一声とばかりに意味深に織り込められた鉱物採掘の利権闘争(なのか?)が後半どう物語を盛り上げていくのか?ってとこでしょうか。
47投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログラップ人と言ってはいけない、サーミ人なんだって! 極北地方に住む人たちの呼び方は。知らなかったぁ。 何となくスカンジナビア半島の現在の住民はバイキングの子孫だから侵略者かもって思っていたけれど、日本におけるアイヌ人と同じ立場にサーミ人はなるらしい。 サーミ人はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアと国境を超えて住み、独自の文化を持つ。 主人公はそのサーミ人のトナカイ警察官。 トナカイ警察ってあるんだ! トナカイって放牧なんだ! 知らない事ばかり。 しっかりしたミステリだけど、背景がおもしろ過ぎて‼️
6投稿日: 2024.05.03
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ネットで見かけて。 ヨーロッパの北の果て、 ノルウェーとスェーデンとフィンランドが接するところ。 先住民サーミ人のシャーマンが使っていた太鼓が博物館から盗まれる。 トナカイ警察のクレメットとニーナも捜査に駆り出され、 トナカイ所有者のところに聞き込みに言った直後に、その所有者が殺される。 先住民サーミ人が暮らしていた地域で活躍するトナカイ警察のクレメットとニーナ。 トナカイ警察は、トナカイの密漁や盗難、 決められた放牧地からトナカイの群れが出たり、 春の群れ分けでもめたりすると駆り出される。 クレメットが、 所有者が殺され残されたトナカイの群れを集めていく様子が、 興味深かった。 他にも、四十日間の極夜が終わった日は37分間しか日が差さないとか、 そのあと、昼が42分づつ長くなっていくとか、 トナカイの数を数えられるのを、銀行口座の残高を知られるように嫌がるとか、 煙草を買いに100キロぐらい平気で車を飛ばすとか、 サーミのシャーマンが太鼓を使うとか。 太鼓は最初にどういう形状なのか説明がなかったので、 よくわからずいわゆる大太鼓を小さくしたような、 胴の両方に革がはってあるようなものを思い浮かべてしまった。 しかも模様が描かれているのが、革の表面だっとは。 (下巻へ)
1投稿日: 2023.07.03
powered by ブクログ北欧3カ国共通に「トナカイ警察」ってのがあるそうで。その人らが事件を追う作品。あらすじはよさげなんですけども、日本でいうとアイヌ的な差別が背後にありそう、なんだが、全然頭に内容が入ってくる前に、返却期限過ぎてしまった(相性絶対あるよね。久々にボラーニョでも読もうかなーと思って、絶対に確実に50年先も文庫化はしないと思うんだけど、じゃあ電車のあの落ち着かない環境で読めるかというと、多分自分には無理で、結局内容スカスカの本しか頭に入って来ないのに、そういうのをつかまえては、悪口言っていて、なんかヤンキーみたいだ。
2投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログCL 2022.5.4-2022.5.6 北欧の原住民サーミ人というのをはじめて知った。 それにしても差別、偏見が酷くて驚く。 ブラッツェンはもはや犯罪者となんら変わらない。 でも、次期署長候補なんだよね。なんとも納得のいかないことだわ。
0投稿日: 2022.05.04
powered by ブクログ先日NHKで放送されたテレビ番組(早春のヨーロッパ鉄道旅)にて、スウェーデンのラポニア地域に居住するサーミ人の暮らしぶりが紹介されていたので、作中の風習は割かしイメージし易かった。<トナカイ警察>とは随分と可愛らしいネーミングだが、調整役さながらの業務は必要以上に神経を擦り減らしそう。サーミの伝統的な太鼓の盗難事件に始まり、トナカイ放牧者の殺人事件、そこへ金鉱の在処を示した地質図が登場し、上巻の時点ではまだ着地点が見えない。派手さの欠片もない地味な作風だが、こういうの嫌いじゃないんですよね。続けて下巻へ。
1投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログフランス人の書いた北欧ミステリー。そう言ってよいのかどうか? いずれにせよ、内容は、都会とは遠く離れた場所に展開する辺境エンターテインメントである。しかもそんじょそこらの中途半端な辺境ではなく、北極に一番近く、地の果てもいいところ。白夜とは真逆となる<黒昼?>。無論そんな言葉は作中にはない。しかし一年に四十日間も全く太陽が顔を見せない季節が地球上にあるなんて! 地軸の傾きが作った宇宙の奇跡としか言いようがない。そんな四十日間の長い夜が明ける瞬間に幕を開けるのがこの物語である。多くの人々が極寒の暗闇で日の出を待つシーンで! どうです、神秘的でしょう? しかも初日は日照時間は4時間ほど。日が経つにつれ日照時間が伸びてゆく。日が変わる毎に日照時間が小題に記されるのも本作の特徴。太陽は地平近くを横に移動して四時間後にはまたすぐに沈んでしまうのだそうで日照時間は実に重要。むしろそんな場所でそんな時を経験してみたいくらいだ。 ともあれ、そんな季節に起こってしまうトナカイ牧場殺人事件。調べるはトナカイ警察。トナカイ業を営む多くはサーミ人という少数民族。日本ではアイヌ人、もしくはいわばイヌイットなどの海洋民族を想起させられる。いずれも人種差別や迫害を免れない先住民族共通の国家的課題を抱えている状況もしっかり描かれてゆく。差別を日常的に口にする警察官の存在が鼻につくが、それはきっとリアルなことでもあるのだろう。 長い夜。極寒。差別。そういった逆境を背景に、描かれた警察小説が、本書なのである。警察小説と言っても、本書の主人公クレメットとニーナが所属するのはトナカイ警察。トナカイ猟に関わる事件を専門とするので、一般の捜査陣よりはワンランク下に見られているようである。本作では、トナカイ業経営者の殺人事件を彼らは特別に担当する。また同時に村の博物館ではやはり先住民族の史的文化財とも言える太鼓の盗難事件が発生し、二つの事件の関連が疑われる。 ノルウェイ、フィンランド、スウェーデンが国境を接する北欧の最北端を舞台に、二人の若いトナカイ警察と、彼らを取り巻く一般警察、役場、さらには利権を企んで集まってくる有象無象の輩、性犯罪の常習犯である地質学者などが入り乱れる中、静かなはずの北辺の地が一気にざわめく。 穏やかならざる犯罪の気配に連続して巻き込まれゆく極光の雪原を舞台に、零下40度を軽く超える極寒の地で、二人の捜査が展開される。クレメットは先住民族の血が流れ、ニーナは南ノルウェイの出身でこの地へは配属され初めて足を踏み入れたばかりの新任である。 ちなみに、作者は『ル・モンド』紙の北欧特派員としてストックホルムに在住しているフランス人であるそうだ。ゆえに本書はフランス語圏で出された北欧舞台のミステリー。いわゆる北欧ミステリー特有のエンタメ性というよりは、サーミ人という知られざる北方民族の存在、また彼らに対する差別、金鉱・ウラン鉱の発掘のために自然を虐げようとする先進国の文化的暴力、悪徳企業による自然破壊への怒り等もろもろをモチーフとした社会小説的側面が強い善良な作品であるように思われる。ストーリーの面白さやリーダビリティは、北欧エンタメの快適さには遠く及ばない。 それでも、武骨ながら独自の題材に迫ってみせる作者の気概がストレートに伝わる意欲作として評価したい上、さらなるこの地を舞台にした続編にも個人的には期待したく思う。少なくともワイルドな地の果てが大好きなぼくにとっては、心惹かれる個性的な一作であった。
4投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ北欧の先住民族が住む地域を舞台にしたミステリ。トナカイ警察のクレメットと新人のニーナの2人が殺人事件とシャーマンの儀式に使う盗難事件の解決に挑んで行くと言う内容。本作を読むにあたり、サーミ人について調べたが、極寒の地でのサーミ人と北欧人の軋轢は根深いものらしく、それがそこかしこに描かれていて辛かった。
1投稿日: 2022.01.11
powered by ブクログ「トナカイ警察って、いったい何をやる警察? 聞いたことないけど」(下 58頁) 「トナカイ警官とな!・・・・・・名前は何度も聞いた。だが実際に会うのは初めてだ。」(下 204頁) トナカイ警察とは、なんともコージーかファンタジーの響きだ。 お巡りさんは、相棒のトナカイと共に、極北の土地を走る。 そして、盗まれたクリスマスプレゼント、いなくなった愛猫を捜して、送り届けるのだ。 「ありがとうおまわりさん! トナカイさん!」 笑顔で言われて、事件は解決―― ではない。まったくそんな話ではない。 心温まる何かのまったくない、寒くて辛い暗い話だ。 トナカイ警察とは、トナカイにまつわる事故事件を扱う警察だ。 よって、残念ながら、彼らがトナカイを連れてどうこうということはない。 乗っているのも、トナカイ橇ではなく、ごついスノーボービルだ。 扱うのは、トナカイの交通事故、密猟、窃盗、そして、トナカイ所有者たちのもめごと――他所のトナカイがうちの放牧地にいる! などである。 C・J・ボックスの猟区管理官シリーズをご存じの方は、その仕事を思い浮かべるかもしれない。 厄介なのは、担当地域が広いことだ。 ラップランドと呼ばれる極地全部である。 そして、当然、寒い。 『マイナス三十五度、いや四十度になることだってあるのだ。』(上 29頁) さらに、トナカイ所有者は、皆、ラップランドの先住民サーミ人なのである。 警察とは、白人のシステムだ。 サーミ人は、サーミ人の間で、もめごとを解決しようとする。 トナカイ警察の警官、クレメット・ナンゴはサーミ人に属している。 だから、トナカイ牧夫を相手にするとき、それがいいように働くこともある。 話の聞き方、もっていき方、サーミ人独特の習慣を知っているからだ。 しかし、いっぽう、サーミ人同士のヒエラルキーで、それが悪く働くこともある。 クレメットの相棒は、ニーナ・ナンセン、トナカイ警察にやってきたばかりの若い警官だ。 ノルウェー南部のフィヨルド地方から来たので、このあたりの勝手はまだ分からない。 定年近い男性と、若手の女性のコンビは、トナカイ警官らしい仕事をしていたが、そこに、窃盗と、殺人がおこった。 本来担当することのない事件だが、二人はその捜査にあたる。 作者オリヴィエ・トリュックは、フランス人ジャーナリストである。 1994年からスウェーデン在住で、そこでサーミ人に関心をもった。 トナカイ警察については、2ヶ月間取材をして、フランス5のドキュメンタリー番組を制作している。 その取材をもとに書かれたのが、この『影のない四十日間』で、 これは、オリヴィエ・トリュックの小説デビュー作なのである。 ジャーナリストだけあって、トナカイ警察のありよう、サーミ人の暮らしについて、たいへんに詳しく書かれている。 サーミ人の神話にまで言及されていて、この1冊を読むだけで、いっぱしのサーミ人研究者になれるほどだ。 いっぽう、ミステリーについては、いくぶんの粗さがみられる。 しかし、デビュー作にはありがちなことで、作品全体の出来からして、もはや些細な点だ。 私がなにより感心したのは、悪役たちの下衆っぷりである。 ここまで性質の悪い、性根の曲がった、クズ人間を、それも複数人、よくも描けるものだと、彼らのしざまにカッカしつつ、唸るほかない。 フランスで出版されたこの本は大絶賛され、シリーズ化された。 英語、スウェーデン語などに翻訳もされ、現在、4作目が出版されているという。 日の昇らない冬の話だった1巻とは逆に、第2巻は白夜の夏が舞台だという。 ぜひ日本でも続々と翻訳してほしい。 https://www.youtube.com/watch?v=Ovt7YGHAj8I 欧州の音楽祭ユーロヴィジョンで、2019年のノルウェー代表が、こちらのグループ KEiiNO。 メンバーの一人は、話の舞台カウトケイノ出身のサーミ人である。 曲の中盤に彼のソロのヨイクがあり、これが、ユーロヴィジョンにサーミ語が歌われた初めてのことだった。
1投稿日: 2021.12.06
