
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【収録作品】 Surfin' Of The Dead (邦題:サーフィン・ゾンビ) 弟のデート 泥侍 ジャッキーズの夜ふかし ゾンビ、座敷童子、泥田坊、邪鬼たちが現代に現れる。ドタバタしながら迎えるほっこりした結末。
2投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ“まれびと”(現世ではない異世界からやって来る人間ではない者たち)を描いた4つの短編集。 1 『Surfin' of the dead』(邦題:サーフィン•ゾンビ) 両親の営む活魚料理店で働くミナミのもとに、一年前にサーフィン中行方不明になったコータ先輩が戻って来た。先輩は既に死んでいて身体も腐敗しているのにどうして…? 2 『弟のデート』 高校2年生の宮内紗良には弟がいる。中1の健人は不登校で、自宅新築工事中の仮住まいに引きこもっている。その弟が、古い借家の中で誰かに会っている事に気付いた紗良は一計を案じて…。 3 『泥侍』 河鍋市役所勤務の大宇巨青空(これで“おおうごふぁいん”と読む)は、ショッピングモール建設予定地でこの土地の持ち主だと言う“泥田坊”作助に会う。何と彼は青空の御先祖様だった…。 4 『ジャッキーズの夜ふかし』 奈良興福寺東金堂の国宝四天王像は“邪鬼”を足で踏んでいる。ところがこの四匹の邪鬼は、四天王と御本尊薬師如来に許可を得て、たまに連れ立って外を出歩いていた。人呼んで“ジャッキーズ”である…。 四遍に共通するのは、この著者の作品によく出て来る“裏の無い”気の良い人々の醸し出す温かい雰囲気です。安心して、気楽に読むには最高ですね。個人的には第ニ話が一番気に入りました。主人公の紗良は、実は大きな葛藤を抱えていました。古い借家に住み着いていた“座敷童子”と交流する事で、わだかまりが少しずつ解けていく様子が胸に迫りました。 【余談】 夏になると決まって読み返す本がたくさんあるのって、私だけ? どうしてもそっちの方がメインになってしまうので、ブクログの更新が疎かになるのって、私だけ? …ま、いいか。これから藤沢周平の『蝉しぐれ』。たぶん百回以上は読み返してるけどまた読もう。ほぼ暗記してるけどまた読もう。レイ•ブラッドベリの『華氏451度』に出て来る“ブック•ピープル”になったら『蝉しぐれ』と呼ばれるようになろう!
48投稿日: 2025.08.06
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Surfin' Of The Dead ミナミ 東京でのOL生活に見切りをつけ、同郷の人と結婚して故郷に二年前に戻った。 ミナミの母 「繁盛店の陽気な女将さん」だったけど、今は見る影もない。 ミナミの父 漁に出た後の昼寝が日課。 コータ ミナミの先輩。一年前の台風の日に行方不明になった。ゾンビとなってサーフィンをしているところ、ミナミと再会した。 はなたれ八郎 鎌倉時代あたりに実在した漁師らしい。腐乱した鼻そのものをぶらりぶらりと垂らしているそうだ。 アキオ ミナミの夫。漁協職員。ミナミの二つ年下。 漁協の組合長 弟のデート 望月 もっちー。野球部の補欠部員。宮内を稲荷神社のお祭りに誘った。 宮内紗良 敬英高校二年生。園芸部。 健人 紗良の弟。不登校になって七ヵ月。中学一年生。 紗良の父 社会保険労務士。 紺野 健人の担任。 細田 深沢 座敷わらし 赤い絣の着物を着て、山吹色の帯を締めている。 古川先生 もうすぐ引退するおじいちゃん社労士。 泥侍 大宇巨青空 河鍋市役所の「暮らしのあんしん課」課内最年少。 並中 主任。 大宇巨作助 郷士。貞享三年に五十二歳で死んだ。死んでも死にきれぬ恨みがあり、化けて出てきた。 小細 市長。 影無 課長。 ジャッキーズの夜ふかし タクシー運転手 夫婦 六年ぶりの二泊以上の旅行。 モチクニ 持国天立像の下にうずくまる。 リーダー 多宝塔と戟を手に佇む多聞天立像の足元で限界までひねって曲げた左膝の外側を踏まれている。 ぞっちょん 増長天立像の足元でエグいポーズで踏まれている。 コーちゃん 広目天立像の足元でとっともつらい姿勢でいる。
3投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ面白かった話と要点しか理解できなかった話があったかな。 要は。。。って感じなんだかけどね。 ショートショートの良いところが出てました。
2投稿日: 2024.06.15
powered by ブクログ「まれびと」人ならざる者の登場する短編集 1 サーフィン・ゾンビ サバが獲れなくなって寂れたロメロヶ浜、ミナミは1年前に海で死んだコータ先輩が「はなたれ八郎」になって帰ってきたのを見た。コータ先輩は腐った体でケロッとした態度でミナミと接し、廃れた地元を心配していた。 2 弟のデート 気になる補欠部員の望月に告白された紗良は引きこもりの弟、健人の事で元担任の紺野先生を訪ねた。健人が規則正しい生活に戻ったがリフォームのため一時的に住んでいる家では小さな子供の足音が聞こえた。 3 泥侍 市役所勤めの大宇巨青空(ふぁいん)はスーパー建設予定地のうめき声の調査のため現地に向かい、泥から上半身だけを出す泥田防、大宇巨作助を発見した。妖怪のたぐいと思っているとどうやら青空の先祖だったらしい。 4 ジャッキーズ 奈良の東金堂の薬師如来の四天王にいつも踏みつけられている邪鬼、その4人が人の寝静まった深夜に大冒険をする。
2投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ「陽だまりの彼女」がよかったので作者さんを信じて買った一冊。 非常に面白かった。 四話からなる短編集。 短編といっても一話が約70ページ。50ページくらい短編が多いイメージだからすこし長め? 各話において主人公の葛藤や心の移り変わりが丁寧に描かれていて、ストーリー展開にも無理がなかった。 プロが書いた小説に対してこんなことを言うのもあれだけど、文章もきれい。会話文は思わずくすっと笑ってしまう箇所がいくつもあった。シリアスとコメディのバランスがよく、本当にお上手だとおもう。 そしてなによりよかったのが、「まれびとパレード」というタイトルからも分かるように、各話においてゾンビだったり、座敷童だったりといった「ちょっとかわった存在」、すなわち「まれびと」が登場するところだ。この「まれびと」たちがなかなかクセがあっていい。 第一話のゾンビの話は特に印象的だった。 漁業や果樹園いった一次産業だけで成立している田舎街で、とつぜんサバがとれなくなってしまった。そのことで主人公の家族が経営している食堂は経営難に陥ってしまう。 そんなある日。主人公が浜へ行くと、海で行方不明になったはずの先輩がゾンビとなってサーフィンをしていて…。 と、あらすじをちょっと書いただけでも「おいおい。それ、どんな話だよ」と思わずつっこみたくなる今作だが、ぶっとび設定の物語もラストでは終着点へときれいに着地するのだから「すごい」の一言に尽きる。 あと、巻末の「解説」にも書いてあったけど、収録されている四話はそれぞれ、物語の「その後」を想像したくなる。それもちょっとだけほほえましい気持ちで。 現実世界にちょっと疲れたぜ、っていう人にはおすすめの一冊。
1投稿日: 2021.11.03
