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職業は専業画家
職業は専業画家
福井安紀/誠文堂新光社
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総合評価

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    個展を中心に絵を販売して生計を立てている著者が、どのようにお客様を得てどのように絵を売っているかを綴った一冊。気になるお金のことも具体的に書かれている。正直いってこの内容をnoteなどの情報商材にすればその情報代は一冊1800円よりもはるかに高いものとなっただろうに、そうはしなかったのは、専業で絵を描ける人が増えればその分文化も豊かになるだろうという視座を著者が持っているから。私自身はとてもじゃないけど絵を買う財力は持ち合わせていないけれど、画廊を覗いてみたくなった。

    8
    投稿日: 2025.11.28
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    専業画家である著者が自身のノウハウをまとめた本。ちょうど身近に作家活動をしている者がおり、その考えの一端が掴めれば、もしかすると彼への何らかのヒントになるかと思い読んでみた。 著者は自身のことを以下のように書いている。  - 美術団体に所属せず、画商に取り扱われることもなく、ほぼ専業主婦の妻と娘の三人が地道ながら生活できる状態を作り出した。  - 1970年生まれで30歳の時に専業画家になった。  - 35歳の時に絵の収入で食っていけるようになった。 一般のイメージに違わず、作家活動のみで生活していくのは簡単なことではないようだ。「地の章」では、30歳で会社を辞めた後のお金のない生活や将来への不安など、生々しい記述がいくつもある。だが、それでも若い作家には最初から諦めることなく専業を目指してみて欲しいという強い思いが書かれている。著者と今の若い作家では時代も違い、同じように上手くいく保証はないだろうが、専業を目指す作家にとってはそういった記述は心の支えになるのかもしれない。 著者がとった戦略は端的に言うと、貸し画廊での個展を重ね、自身のファンを地道に増やしていったということらしい。具体的なノウハウもあり、納得できる内容だった。細かな接客のノウハウを読むと、著者は作家であると同時に優秀な商売人のようにも感じた。いかに顧客とコミュニケーションをとり、自分の作品や作家としての自分を知ってもらい、購入してもらえるか。そんなことが書かれている。 「人の章」では作家を歌手に例えている。芸能事務所に所属するメジャーの歌手と地下アイドル。業界内、あるいは世界で名の通った現代アーティストと、直接会って話を聞ける「地下絵描き」。それぞれで求められる価値は違う。メジャーだけが良いわけではない。アート作品を楽しむ側から見ても、距離感が近く会おうと思えば会える「地下絵描き」で推しを見つけて作品を買うというのも面白いかもしれない。 -------------------- その他、印象に残った点を箇条書き。 ・制作場所を確保することの大事さ。ある程度のサイズの作品を制作するには、それなりの広さがいる。著者は最終的に、築10年の店舗付き住宅をローンで購入し、店舗部分を画室として改装したとある。 ・作家の活動の方向性として3タイプ。あくまで大まかな分類だろうが、作品をどう出すかで作家人生が大きく変わりうることがわかる。   - 美術団体の公募に出品していくタイプ   - 個展を開き、販売を含め展開していくタイプ   - グループ展に出品するなどの活動をメインとするタイプ ・作品を求めるのは身内や友人など、作家に近い人ばかり(作品はそう簡単に売れない)と考えている作家が意外に多いとある。作家を取り巻く環境の厳しさを感じる。しかし、それに対する著者の言葉は『他人が作品を求めることは、特別なことではない』。逆に、個展に知人を呼ぶのは未知の人との出会いを失いかねず、控えるべきとある。全体を通して、新たな顧客との出会いを多く得ることを中心的な戦略としているようだ。 ・著者は『作家も商品である』と書いている。1作目は作品を気に入って購入し、その後作家自身を気に入り2作目を購入されたという自身の経験の中での言葉。  →アート作品の価値は複雑で、単に作品の良し悪しだけでなく制作の背景や作家の人間性も重要な要素になる。作品に込めた想いや自分の考えを表現し、そしてそれを発信するような能力が作家には重要なのかもしれない。 ・作品が売れたとしても、必ずしもそれは「自分のお客さん」ではないとある。顧客が作品を買うのは、作家ではなく企画画廊や百貨店という場に価値を感じている可能性があるため。  →この考えは「地下絵描き」として活動を続けた作家ならではと思う。企画画廊や百貨店で売れた作品にももちろん価値があるだろうが、「地下絵描き」として、絵で食っていくということを考え抜いた戦略なのだろう。 ・個展での顧客への接し方が具体的だった。自分が著者を優秀な商売人だと感じた理由はこれだ。  - 個展には必ず在廊する。  - 絵を見る顧客との距離感。積極的に声を掛けすぎるとプレッシャーになるし、逆に声を掛けなければ関係性が生まれない。画廊を百貨店のジュエリー売場に例えていて、納得感があった。  - DMの出し方。興味を持ってくれていそうな客へはアプローチを増やすなど、顧客管理もしている。  - 単に制作した作品を売るだけでなく、受注制作も受ける。名刺などでそれをさりげなくアピールする。

    7
    投稿日: 2025.06.05
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    個人的にもものすごく好きな本。著者のユーモアが伝わる細かい手描きイラストと誠実なお人柄が滲み出た丁寧な文章が読んでいて心地よかったです。

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    投稿日: 2022.08.12
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    これはとても良い本で、画家に限らずアートで生きたいと願う人には良いアドバイスになる。 画家で生きるには、作品を買ってもらう必要がある。 そのためには、ある程度マーケティングの知識も必要だ。 画廊との付き合い方、客との接し方、自分の作品の価値など、作品を買ってもらうためのノウハウが沢山記載されてあり、イラストや図の説明も分かりやすい。 アートで自立したい人には、一読の価値はあると思う。

    3
    投稿日: 2021.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    メジャーでないインディーズ的絵描き 売れっ子地下アイドル 画商がついていないので量や方向性は自由 小さくても多面的な活動 自分の書きたい美を鮮度良く追及する 美の要素、喜びの要素 生活費150万円、5万円の作品50作品、6割が利益 売上250万円が最低ライン 実際の平均価格は8万円 生活費240万円 年間10回前後の個展を日本各地で 襖絵プロジェクト  襖絵1枚 18700円(税込み) 未来の人の文化力を支える小石の一粒

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    投稿日: 2021.08.11