
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良〜〜〜 映画よりラスト好きすぎる結局本人は国宝認定を知らないまま、歌舞伎に取り憑かれて死んでしまう ラスト好きすぎて読み返したいし映画見直さねば、、、小説の方が歌舞伎に対する狂気性が浮き彫りになってる。映画は芸術作品だけど小説は人間をしっかりと描いてるなあ
0投稿日: 2025.12.22
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上下巻、読み応えあった! 歌舞伎の世界って独特だと思ったけど、すごくその世界観が伝わってくる話だったな。 なんか小説ではないみたい、現実の話みたいな。 映画みたいなと思った。 あの壮大な世界観を映像で見てみたい。 わたしの中では勝手に喜久雄と俊介が逆の配役だったな。 最後の徳ちゃんの再登場の仕方がグッときた。 そして物語の終わり方。あれは結局喜久雄がどうなったんだろう。映像でぜひ楽しみたい。
0投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログ上の青春篇も下の花道篇も、どちらも怒涛の展開で、主人公の歌舞伎に賭けた喜久雄の波乱万丈の人生が描かれていてとても読み応えがあった。 歌舞伎のシーンを映像ではなく文字で描写するのは難しいと思うが、それをやってのけた吉田修一さんはすごいとしか言いようがない。 歌舞伎は伝統芸能だけに才能というよりは血筋で継承されるものとばかり思っていたが、そうではないことも知ることができた。 個人的には喜久雄の兄弟のような存在の徳次が好きで、徳次がいたからこそ喜久雄は歌舞伎役者を続けることができたと思う。 瀧晴巳さんによる歌舞伎の演目の解説も面白かった。 この小説のおかげで、今まであまり関心がなかった歌舞伎に少し関心を持つようになった。 心に残った言葉 ・幕が上がった京之助一門の追善公演で、喜久雄が六年ぶりに踊りました『藤娘』の、あらゆる美を彫琢した世界観がさらに研ぎ澄まされていくさまは、まさか綾乃の言葉ではございませんが、その完璧な芸の底に、死屍累々の生贄たちの姿が見え隠れするもので、とにかく、このころの喜久雄の芸といいますのは、他の追随を許さぬのは当然ながら、孤高と呼ぶのも憚られるような神々しさに満ち満ちておりまして、指を動かせば鈴の音が鳴り、髪を乱せば嵐が起こるほど神がかり、一人の客を狂わせて舞台に上がらせた六年まえが完璧の出来だったとすれば、今ではその完璧も遥かに超えてしまっているのでございます。 完璧を超えた完璧な芸。
21投稿日: 2025.12.22
powered by ブクログ映画にすごく見応えがあり、見終わった直後に小説も読みたい、いつか歌舞伎も見てみたいと思ったのに、半年経ってしまい、すっかり感動を忘れていました。小説で映画と同じシーンが出てくると、映像が鮮やかに蘇って楽しめました。映画には描かれていない登場人物との深い関わり、数多の苦難と犠牲によって到達した境地としての国宝。そこが映画ではあっさりしていて全然違うように感じました。
0投稿日: 2025.12.21
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難しい部分もあったけど、映画を観たあとに読んだから歌舞伎の場面も頭に入ってきやすかった。 あと、映画では語られていない人物たちの人生を描いていて、より面白さがあった。 喜久雄の人生が壮絶すぎて言葉が出ない。極道の世界から歌舞伎の世界に移り、歌舞伎に人生と自分自身を捧げた最後の喜久雄には言葉が出ない。稲荷神社で悪魔との取り引きで言った「歌舞伎を上手うならしてください。日本一の歌舞伎役者にならして下さい。その代わり、他のもんは何もいりませんから。」という言葉の通り、歌舞伎役者としての芸は日本一になったが、喜久雄は幸せだったのか。喜久雄のように没頭できる何かがあることは幸せなことだと思うが、その果てまで行った喜久雄は何も感じ、何を思ったのか。 また月日が経った時に再読したいと思う。
0投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ映画が話題となり、本屋でも激推しされていたので試しに読んでみた。 前提として、歌舞伎に興味がない。 テレビで観てる歌舞伎役者もだらしが無いイメージしかないから正直読了できるか、絶望的だった。 その上、私は本の評価を少々厳しくするきらいがある。 ところが、読み終えてこの評価である。 吉田修一が凄いのか、歌舞伎がすごいのか。 どちらに魅せられたのかは今でもわからない。 とにかく多くの人に読んでほしい。 ニッポンの強さ、美しさ、その原点がこの小説に詰められていると感じた。
0投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログ下巻はスルスルと読了。 上巻を読んだところで映画を見て、 映画を見終わってから読んでやや衝撃。 喜久雄の悲しさが淡々とかかれているけど、悲壮感は全くない。 映画版より、彼の人生にもより色がついていて、人間味がある。登場人物の心情や気持ちの変化なんかは全く描写がないのも面白いと思う。 国宝の特異な人生。 彼とその周りの人のそれなりに筋の通ったそれぞれの生き方が面白い。
1投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログ映画がめちゃくちゃ面白かったので、 映画→小説→映画のルートで楽しみました。 小説版は、歌舞伎の演目を知らないとなかなか描写が浮かばず、歌舞伎シーンはほぼ全部飛ばしたようなものです。笑 面白いけど、難しい〜
1投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログこれはものすごい大作です。私は歌舞伎に関する知識がほとんどなかったのですがそれでも楽しんで読むことができました!独特な語り口が世界観を作っているしなにより文章を読むだけで映像が頭に流れ込んでくるような感じがします。また、50年というながいながい物語だったのでこの物語の最後の文を読み終わった時は1人の人生をずっと見守っていたような感覚になりました。
76投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログここまで極端じゃなくても、寝ても覚めても頭から離れない、打ち込めることがあるって羨ましい。 それもひとつの才能なんだろうな。 天才と狂人は紙一重、なんて言葉が浮かびました。
9投稿日: 2025.12.18
powered by ブクログ中弛みを感じる場面はあるものの、それ以上に一人の人間の壮大な人生を最後まで見届ける満足感が勝る。 芸に人生を捧げる覚悟と、その代償として背負う孤独や喪失が静かに積み重なり、後半に向かって重みを増していく。 華やかな舞台の裏側にある執念と諦観が読み手にも否応なく向き合いを迫ってくる。そして何よりラストが美しい。 個人的な解釈にすぎないが、全篇においての語り口調、語り手は著者ではなく、喜久雄に取り憑いた悪魔だったのではないだろうかと最後の文「拍手を送ってくださいまし」でふと、そう思った。
2投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログ疲れた 語り口調は気にならなくなり 映画以降のお話が凄くて 流石にこれは映像が難しいだろうと・・・ 「悪人」から10年!! ビックリ
2投稿日: 2025.12.17
powered by ブクログ映画では端折られていて違和感ありまくりだった彰子、綾乃とのくだりが丁寧に描かれていてとてもとても納得。歌舞伎と向き合うたびに孤独になっていく喜久雄の凄まじさも原作を読むことで凄味をましたように思う。徳次と弁天の生き様をみるにつけ、人はあきらめずにもがき続けることで得られるものもあるのだろう。ラストも怖いぐらいに芸事に取り憑かれた喜久雄らしさだったのかな。俊介が生きていたらまた違ったお話なのだろうけど。
16投稿日: 2025.12.15
powered by ブクログ長かった…… あと漢字難しいし内容も本気で集中しないと 難しすぎて頭に入らないので 静かな個室とかじゃないとちゃんと読めないです(私は) 映画からみて 本を読みましたが 内容がとても濃く本も試してよかったです。 また数年後に読みたいなと思います。 読んだ感想としては歌舞伎の世界が思った以上にドロドロだということと、 この本に出会わなければわたしは歌舞伎に興味を持つことはないまま死んでると思います笑 なによりも 歌舞伎一家?(読んだくせに曖昧ですいません)に嫁ぐお嫁さんがめちゃくちゃ大変だと感じました。 もちろん 血筋で将来をきめられている役者も 血筋がない喜久雄のような立場もとても辛く… もっと報われてほしい…とおもってしまいました。 人生を捧げて歌舞伎に向き合う役者の生き様には圧倒されました。 小学生のような感想文…… 語彙力ほしいです…。 難しいですけど本の読む習慣のある方にはおすすめです! 歌舞伎に興味ないひとほどおすすめです!
4投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ映画と話がちょっと違うと聞き、映画を見る前に原作を読了。歌舞伎のことをよく知らないので少しとっつきづらかった。映画を観るのが楽しみ
1投稿日: 2025.12.14
powered by ブクログ映画では徳ちゃんの人生に触れている場面があまりなかったが、徳ちゃん、、この物語でどれだけ孤高となる主人公、喜久ちゃんにとって大事な守護神になったか。また、喜久ちゃんの国宝となるまでの壮大な人生を楽しめました。深い!
1投稿日: 2025.12.13
powered by ブクログようやく読み終わった。映画化されていなければ、手に取らなかった種類の本だったが、読んでよかった。 歌舞伎は過去に一度観たことがあるくらいで下調べもなく観たので、恥ずかしながらよくわからないまま終わった記憶だけがある…。 この「国宝」では、言葉で表現しているのにまるで映像が浮かんでくるようで、女方のすごさが伝わってくるし、素人にも分かりやすく描かれており、歌舞伎の世界がよくわかる。映画も楽しみ。 しかし、その道を極めるということがどれほどいろんなことを犠牲にして成り立つものなのか、表には見えない困難があるものなのか、後半は特に切なかった。
9投稿日: 2025.12.12
powered by ブクログ映画を観る前に原作を読むのが趣味。歌舞伎、梨園の世界が良く分かる本でした。物語としては、やや退屈。 私が勧善懲悪やミステリーやホラーやスポーツ物や北方歴史物が大好きなんで、趣味に合わなかっただけかな。
1投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログ残念ながら歌舞伎の知識はほぼありません。 映画も観ていません。 ただ、読み始めると登場人物達の人生の変転が目まぐるしく、一気に読んでしまいました。「禍福は糾える縄の如し」の“禍”の効かせ方が絶妙過ぎます。 そして、作中に漂う“美しさ”やら“役者の業”が映画で表現されているのだとしたら、是非観てみたいと思いました。
1投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻は概ね映画と内容がリンクしていたが、下巻は映画には無かったエピソードが沢山あり読み応えがあった。自分ではどうにもならない理不尽な環境に直面したり、挫折や偶然的な成功等、様々な経験を通しても一貫しているのは、喜久雄の歌舞伎に対する執念に近い熱量だと感じた。ただただ歌舞伎がしたい、舞台に立ちたい、もっと上手くなりたいと願った行動のせいで、周りの人を不幸にすると言われることがのは、少し同情してしまうが、その経験ですら歌舞伎への執念をより一層強くする糧になっていた。 印象的だったのは藤娘の演目で観客が舞台上に上がってきた場面。映画では喜久雄が狂気に満ちて踊るシーンに繋げる為の場面だと感じたが、小説ではここで喜久雄の舞台と外の世界の膜が破られる大事な場面。ここから喜久雄は舞台と外の世界の境が曖昧になり、更に狂気の淵へと落ちていく。喜久雄が歌舞伎を通して観た景色が他の役者、観客の目にも映し出される。喜久雄が14歳の時から心の奥で望んでいた「きれいな景色」を観る境地にどんどん近づいている。語り部のような文体のため小説の世界に没入してしまう感覚とは異なるが、まるで舞台を観ているような感覚で最後の阿古屋の場面を読み切ってしまった。最後の場面は、映画よりも良かったので、ここを読むために小説を読む価値がある。
2投稿日: 2025.12.11
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素晴らしい作品だった。 映画もよかったけど、それでも原作の3割出来。 すべての背景まで作りこまれた深い作品。 歌舞伎を知らない私でもこんなに楽しむことができた。 シーンが頭に浮かぶのは 映画を先に観たせいだけではないはず。 最後は徳次と会ってほしかったなぁ。
1投稿日: 2025.12.11
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こんなにも人情が報われないことがあるのか。 喜久雄の人生はなんだったのか。 死ぬほど努力して、どんな扱いにも耐え、他人に搾取されても必死に踏ん張ってきた結果がこれなのか。 結局喜久雄を無償の愛で揺るがない愛で愛してくれた人はいたのか。 最後は徳次が間に合っていたら、壊れてしまった喜久雄を止めてくれたのか。 辛くて悲しくて切なくて…映画は大衆向けにしてくれていたのだと実感。
1投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログ上巻で人々の波乱万丈な人生にハラハラしっぱなしで、「こんな勢いのまま下巻はどうなるのだろう」と思っていた。若いころの勢いを失って少し感傷的にでもなるのではないかと危惧したからだ。ところが下巻では物語のスピードがまた一段上がって、読み始めたら一気に読んでしまった。上巻はまだ余裕がある話だったな、と思うくらい。目まぐるしくて、桜吹雪に巻かれていたかのようだった。 子供の頃と大人になってからというものは、時間の経ち方にはかなりの違いを感じるのだけれど、その感覚がそのままこの下巻に詰まっているように感じた。上巻の青春期には芸を磨くことに急いでいた日々だったけれど、年を重ねれば今度は「時間」そのものが背を追い立てて来る。 「いつまで、これを」というように幾度となく繰り返される「舞台」という世界。「ここまでは、ここまではやりたい」と「死」というリミットと競争する芸人たちの姿。 有名人の自分を晒すような生き方は自己主張や自己表現とは全く違う形をとり、社会に紛れて生き残るための手段となるのだと思った。特に喜久雄が社会から綺麗に溶けていくような様は震えるほどだった。公人が世間に見せているのは意図的に選んだ一面だけなのかもしれない。さらに言えば、誰でも、たとえ無名の人間であっても、社会で生きるために演じている部分は持っているのだろうと気づかされた。 歌舞伎のシーンを映像で見れるのだから「国宝」を映画で観るのは凄く良いな、と思ったけれど、「歌舞伎」を取り巻く群像劇のストーリーは小説だからこそ追えるものかも……と思った。これだけ多くの登場人物たちが現れてもテーマの一貫性を保ち、ご都合主義とも感じさせない著者の手腕は見事で、気がつけば夢中で読んでしまった作品。
17投稿日: 2025.12.10
powered by ブクログ映画を見て原作ではどのように描かれているのか気になって読み始めた。映画「国宝」の原作。下巻。 どうしても映画と比べてしまうのだけれど、上巻は大筋、映画と変わらない。けど下巻は結構違った。 映画では「血統」というものに大きく焦点が当てられていたように思う。寺島しのぶさん演じる幸子が夫・半次郎や喜久雄に疑問や不満をぶつけるシーンは印象的だった。けど、原作ではそこまで激しい場面としては描かれていない。 喜久雄と彰子、綾乃との関係も映画とは違う。 映画はかなり刺激的に描かれていたことがわかる。 俊介の姿は横浜流星さんの姿が浮かんで泣ける。 芸に取り憑かれ、ただ一人、どこまでも芸を極めようとする喜久雄の姿が神々しくもさみしい。 映画は映画で良かったけど、原作は原作で、読み終わったあとも余韻がいつまでも離れない。
4投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名作。これを表現してる役者さん達凄すぎる。 藤娘とか、知ってる演目がどんどん出てきて個人的にはそこも面白かった
2投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ歌舞伎役者がさまざまな紆余曲折を経て人間国宝に成り上がっていく所をわかりやすく描いていて面白かったです。2025年流行語にノミネートされたほどの人気とは聞いていたんですが、読み終えて、まさにその通りだと思いました。「国宝」効果によって歌舞伎が人気になっているそうで、これ、歌舞伎だけでなく古典芸能全ての人気が上がると思ってます。読んで良かったと思えた作品でした。
3投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ歌舞伎というなじみのない世界を生きてゆく男の物語。非常に重厚な小説だった。語り口は古典劇の口上を聞くような感じであり、また一般の人にはあまりなじみがなくて退屈しそうな歌舞伎の舞台の場面の描写も非常に臨場感にあふれていて、実際に歌舞伎を観るよりも迫力があるのではないかと思ってしまう。主人公の喜久雄は芸の道を究めてゆくのだが、最初は多くの仲間に囲まれていたのが、年を取ってゆくこともあり、また自分がどんどんと芸の高みに登ってゆくこともあり、それにつれてだんだんと孤独になってゆく。その姿が非常に寂しそうで印象的だった。その姿はこの小説を原作にした映画でも描かれるのだが、映画ではあまり描かれることがなかったのが、主人公喜久雄を少年のころからずっと支え続けてきた徳次だった。主人公の不良仲間のような人物だが、それでも非常に男気があり、また主人公に対する忠義は強く、またチャンスをものにするための思い切りにも富む人物。いずれも私にはないもので、かっこよくもうらやましくも思えた。映画も非常に良かった、原作と映画とどちらがいいかといわれると、甲乙つけがたい感じ。映画を観た人には原作も読んでほしいと思う。
3投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ圧巻だった。それぞれの人物の描写が丁寧でものすご〜く濃い!!奥行きが深い!!! 「ですます」調の独特の文体で読みにくいかと思ったが、すぐに慣れてあっという間に読み終えた。歌舞伎のことはさっぱりだけど、「歌舞伎役者」として生きる者の宿命というか業というかをまざまざと見せてもらった。徳次、春江、彰子、幸子と脇を固める登場人物も良き。 映画を観ていなかったらこの原作は読んでいなかったと思うが、もし逆だったら物足りなく感じたかもしれない。映画には映画の良さがあり、原作を読んでまた改めて映画を観たくなった。
12投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ私は今、凄まじいものを読んだ。最終ページ、そこにははっきりと稀代の女形花井半二郎がいた。読後、熱いものが胸に込み上げるような感覚があった。 歌舞伎を愛し、歌舞伎に生きた天才半二郎の一生を圧倒的な熱量で描き切った本作。 一つの道を究めるために、すべてを懸け、命を燃やす。その真摯な生き様は、読む者の胸を強く打つ。 普段あまり人間ドラマを描いた作品を読まない私だが、本書には大変満足できた。正直、ドラマやアニメ、バラエティのような分かりやすい楽しさや面白さのある作品とはいえないかもしれない。しかし、彼の人生を密着したまるで2時間の上質なドキュメンタリーを見ているようで、読後には理由を超えた大きな感動が残る。 読む人を選ぶことなく、多くの人にお勧めしたい傑作である。
2投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「白河集団公司」!!!(嗚咽) 徳ちゃんって最後の最後まで本っっ当に義理堅くてなんていい奴なの!!! 私は映画が先、原作が後になったけど、結果的に正解だったと思う! 歌舞伎の繊細な大胆な美しさとか、俳優陣の演技の上手さを堪能するために映画がすごく良かったんだけど、映画化で省かれたたくさんの部分があまりにも良すぎるため、「映画に反映されてなくて残念」の気持ちの方が上回ってしまうと思う。 映画では、俊ぼんが逃げて、喜久雄の元カノと子供作って、結構ぬるっと実家と歌舞伎界に帰ってきたようなイメージだったんだけど、原作では戻ることを決めてから父親に許可もらうために踊るシーンもあったし、腕の中で第一子が突然死したショックで廃人になってそこからの復活で糖尿病で結果両足を切断したし、相当苦しみもがいていたのが分かって、すごく感情移入した。つらかったね、がんばったね、俊ぼん。泣 息子の一豊がひき逃げしてしまう俊ぼん譲りな一時の心の弱さも描かれてた。 喜久雄の娘の綾音が、自宅の家事で娘が火傷を負って集中治療室とはいえ、病院に駆けつけた喜久雄に思いっきり”お父さんが成功するたびに私が不幸になる”ってぶつける場面もかなり良かった!映画は「悪魔と取り引きする」っていうシーンはあったけど、原作ではかなりはっきりと喜久雄に対する憎しみの感情が現れてた。(そこの印象がかなり強く残ってるけど、綾乃が付き合ってる関取と結婚を決めたり、孫が産まれたりして喜んでる喜久ちゃんかわいかったな) 狂人となってしまった喜久雄だけど、美しい世界の中で最後まで生きられて幸せだったんだろうなぁ。。
3投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ映画がヒットしているから読んでみた。波乱万丈の人生が描かれている。歌舞伎に興味があると面白さも増すが、残念ながらそれはなかった。でもまた読みたくなる本です
2投稿日: 2025.12.07
powered by ブクログ素敵なお話でした。 読み応えある! 映画とは違うけど、このラストもいいなぁ。 これを書くのは資料集めとか大変だったんだろうなぁ、と最後の「参考資料」を観ながら感じました。 そして、これを映画をするのも苦労したろうなぁ、と感じるのでした。 どちらも素晴らしい! 歌舞伎のことをもっと知ってたらもっと楽しめたのかなーとそこだけが残念です。
2投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログ後半。映画では描かれなかった場面、登場しなかった人々が多く登場し物語の奥行きを広げます。映画では妖艶な歌舞伎のビジュアルを、小説では登場人物の内面や背景を、それぞれの媒体の長所が互いに補完し合い、作品そのものの輪郭がくっきり立ち上がってくる感じがありました。ラスト喜久雄が観た景色とは?映画とはまた違った描写、表現でただただ圧倒されました。
4投稿日: 2025.12.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
任侠の世界から始まる。 主人公の喜久雄は、複雑な家庭で育ち、ヤンチャな少年時代を過ごし、芸能の道へ。 マツや徳次は、派手な存在ではないけれど、喜久雄の最も核になる人物だなと思う。 感情がないわけじゃないけれど、何処か人情の薄さを 感じてしまう喜久雄。そんな喜久雄を熱く支えてくれる2人。そういう人に恵まれて、あぁ、うらやましいなと思う。 妻、彰子は不憫で仕方がなかったけれど、長い年月を経て、変わることってあるんだね。 1番不便なのは「悪魔と取引」を聞かされた綾乃だね。子供にそんな事言うのって、大馬鹿なんじゃないのって思ってしまう。 終わりにかけての喜久雄の変容。 「国宝」って「幸せ」とトレードなんかな。 闇を抱えた多様な人間模様を描きながらも、品のある文章がこの小説の魅力。
49投稿日: 2025.12.05
powered by ブクログ読後、深い余韻に満たされる。 上巻の感想で、主人公のプロ意識と云う表現をしたが、そんな生やさしいものかとでは無い!特に二人の登場人物の「芸」(歌舞伎)に向き合う情熱?執念?そんなものでは無い、鬼気迫る魂!を味わう。 物語も青年期からの何処か危なっかしい、ガラスに触れる様な感情や出来事!これは登場人物全てに当てはまる!人生の栄枯盛衰、最悪の状態から好転すれば、また悪い事が起こるのではないか?危なかしくて観ていられない!という感情が湧いてくる、反面先が気になって仕方がない!一気に読んでしまう。 重厚な大河ドラマを観た想い! 深い感動と余韻、多くの言葉や感想を残そうと思ったが、言葉が見つからない、読むか読まないか?迷っている方がいらっしゃったら是非読んで頂きたい。また、自分の人生を振り返らずにはいられなくなる、 素晴らしい物語に出会えた満足感に包まれる。
22投稿日: 2025.12.05
powered by ブクログ映画からの書籍。 また違ったラストシーン。映画では読み解けなかったシーンも書籍から読み解くことができた。 読んでよかった。
2投稿日: 2025.12.04
powered by ブクログ映画を先に観てから読んだけど、この順番で良かったと思う。 語り口調なせいか?本を読むというよりは、お芝居を観ているような感覚だった。 映像美が圧巻だった映画も良かったが、やはり原作は、本は面白い!と思う作品。 歌舞伎という伝統芸に、複雑な感情が入る血筋という現実が絡み…やっぱり歌舞伎は国宝なんだなぁと思わせられた。 あ〜ちゃんと歌舞伎を観てみたい!
2投稿日: 2025.12.04
powered by ブクログやっと観た映画が面白かったので原作だとどのように描かれてるのか気になり翌日に購入。はじめは語り口調が読みにくいなと感じていたけど、いつの間にかページを捲る手が止まらなかった! 映画は原作と異なるところ、描かれないところがたくさんあり、読みながら思ってたのはよくあの3時間に綺麗にまとめたなと監督たちに感動した。頭の中どうなってんの? 原作での喜久雄は背中に彫ったミミズクのように恩を忘れない人間味を感じられたり、映画であの人どうなっちゃったの?とモヤモヤしていたところが救われたり、とにかく読んでよかった! 歌舞伎のことはちんぷんかんぷんな私は、映画を観たからこそ小説をより楽しむことができたし、それぞれに好きなシーンができて、改めて「映画」も「小説」も好きなだなぁと思えた。
18投稿日: 2025.12.02
powered by ブクログ■はじめに 稀代の歌舞伎役者の生涯を描き切った818ページ。 「あゝ読み切った!」という実感をしみじみと抱いた。読み了えてなお胸に“熱さ”が残る、The芸道大河小説であった。 いざ感想を書こうとすると、「どこを基軸に書けばいいのか…」と立ち止まる。なにしろこの小説、“物語”に加えて“芸道論”と“時代性”が折り重なる三層構造。とにかく入口が多すぎるんです。どこを足がかりに言葉を置くか…思案に暮れながらの感想綴りと相成りました。 ■あらすじ 主人公・喜久雄(三代目花井半二郎)は、貧しい家に生まれた少年。歌舞伎に魅せられ、厳しい世界で研鑽を重ねながら才能を開花させ、幾度も傷つき倒れては舞台に戻る。 その道のりには、競い合い、支え合い、主人公の“影”でも“光”でもあった名門出身の俊介という存在があった。ライバルであり終生の友であった彼との関係こそ、喜久雄が芸を極める上で欠かせぬ試金石であり、芸を映す鏡でもあった。 俊介との別れは喜久雄の芸に深い影と決意を刻み込んでいく。いよいよ主人公が到達した“国宝”の域は、自らの努力だけでなく、亡き友の想いと不在を背負って立つ舞台の上で完成していく。 ■おっさん的読みどころ ① 「芸を磨く」とは“耐える物語”である 作中で繰り返されるのは、「芸は血筋でも才能でもなく、続けた者の勝ち」という残酷な真理。喜久雄は何度もつまずき、恋も家族も不器用である。それでも舞台に立てば“天才”と呼ばれる。このギャップが痛々しくもリアルで、「天才とは、不安と孤独を燃料にする人種」という描写には、思わず痺れた。 ② 歌舞伎は“伝統芸能”でありながら、その裏側は過酷な現代劇 四百年の伝統を背負いながら、その舞台裏には「師弟関係という名の暴圧」「家制度の呪縛」「血筋 vs 実力」「興行としてのビジネス」といった生々しさが横たわり、それらが複雑に絡み合い、「伝統を継ぐとは過去と闘うこと」という真理が鋭く突きつけられる。 ③“型破り”とは、古典の“ど真ん中”まで潜った者にしか許されない 喜久雄は古典を徹底して学び、血の滲む修行を重ね、ようやく自らの型に辿り着く。伝統を破るには伝統の核心に触れ、それを血肉にしていくしかない。これこそが「芸道」の本質であり、「研磨に終わりなし」と言われる所以。 ④ 芸の孤独は、人生の孤独と響き合う 芸に生きる者は、時に人生が壊れることもある。喜久雄もその例外ではない。著者は、その“影”すらも舞台ではまばゆい光に変えてしまう芸の矛盾と美しさを静かな筆致で炙り出しいく。 ■最後に 読み進めるほど胸のどこかがひりつき、喜久雄が歩んだ芸道は、歌舞伎という遠い世界の話ではなく、“生きることそのもの”に重なってくる。 時に残酷であり、孤独さは強まり、それでも舞台へ戻っていく者の背中には、才能よりも“続ける勇気と覚悟”が宿る。最後のページを閉じた今、その静かな熱だけが、心の奥でじ〜んと燃え続けている。
6投稿日: 2025.12.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画→上下巻 映画と小説は別物。でもどっちも良かった。 3時間長いしトイレも心配…と思ってたけど 原作の内容は正直3時間じゃ全然足りてへんなと感じたし、本筋はもちろん同じやねんけど重要なシーンやったり登場人物が違ってたりと、本を読んでみてビックリしたことがたくさん。 上巻の冒頭からの感じてた違和感が、最後の方で解消されて、(あれやっぱおかしいよな?どういうこと?)てのが最後に分かって、でもモヤ晴れ切らんくて、 喜久雄の親父さん殺したのはあの人で…、でもそのシーンを2代目も目撃してたよな? とか、その上で引き取った?とか乏しい理解力でなんとか読み切ったけど、これはもう一度映画も見ておきたい。 国宝ってタイトルも小説の方がしっかり回収されてたかな
4投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ映画は観てないけどとりあえず読了。 歌舞伎の知識がなく舞台の描写などが昇華しきれない部分はあったけど、わからないながらもその世界観に圧倒される作品だった。 それと同時にやはり一度歌舞伎を生で見て日本の文化に触れたいと思ったので来年の目標にしようと思う。
3投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ時間の流れとしては50年以上の長い物語だけれど、ぐいぐい進んで一気に読めた。映画は見ていないが、おそらくだいぶコンセプトが違いそうな気がする。 どこまで行っても、喜久雄が芸(歌舞伎)にどう向き合うか、芸を極めた先に何があるか、という軸が中心にあり、時にそこから大きく離れても、重力に引っ張られるようにまた戻ってきて、むしろ速度は上がっているような、そんな読書感。
3投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ映画も見終わったあと主人公2人の美しさと悲しさに心が躍ったが、原作のこの小説は、観終わった映画のさまざまな感動を呼び起こし、さらに1回の映画だけでは分からなかった各場面とそこで演じられる主人公とそれを支える人たちの心情までも伝わってくる感動を覚えた。 映画は映画、小説は小説、ここまで観客、読者の心をよくぞ掴んだと衝撃を受けた。そして小説は映画で演じられなかった場面さえ浮かび上がらせた。
10投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ映画を見てから小説を読みました。 仕事をしていても出かけていても、早く続きが読みたい!と思う小説でした。 映画を見た後に原作を読むと役者さんの顔がチラホラ見えながら読んでしまいますが、今回はずっと自分なりの人物像が浮かんでいて小説に没頭出来ました。 映画を見てからの原作で良かったと思いました。
2投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ映画を観てから小説を読むと違いはあるものの、どちらも面白かった。印象的だったのは彰子。活躍ぶりが素晴らしい。映画では分からなかった女性陣の生き様がどれも素敵だった。
2投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を観てから読みました。 映画の最後の方は急足になった印象がありましたが、小説では俊介の死以降の喜久雄の状況が詳しく描写されており、映画で感じたモヤモヤが解消されました。 また、映画では出てこなかった歌舞伎の演目も出てきて興味深く読めました。
2投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログ歌舞伎一筋に生きる喜久雄の生涯を描いたお話。 あくまでも喜久雄が主人公だった。何が起きても直向きに芸に向き合う。それは物語として美しいけど家族からすれば寂しくも冷たくも感じるんだろう。喜久雄は言葉にしないから余計に。 それでも家族や仲間を心から大切にしているし暖かい人でもある。…けどもやはり歌舞伎が全て。 生きるうちに少しずつ失っていって狂っていく。その残酷な人生全て含めて喜久雄という作品なんだな。 400頁×2くらいの容量の中に壮大な人生が詰まってた。 俊介もよく頑張った。辛い。
2投稿日: 2025.11.29
powered by ブクログこれぞ国宝 上巻だけでもすごかったのに、下巻も圧巻。でも少し寂しかった。若い頃をふりかえる描写も多く、孤高になっていく様もあり。でも円熟した人物が絡み合っていき、読みごたえは抜群。家事の最中は上巻同様オーディブルに頼み、菊五郎さんの朗読にまた没頭。最後は衝撃的だったが、喜久雄は幸せだったと信じたい。ラストの3行、いいですね。拍手を送ります。
0投稿日: 2025.11.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終盤にかけて周囲から孤立していく喜久雄。読みながら、自分だけが喜久雄の傍らにいるような感覚になっていった。 徳次、なんでこのタイミングなの? ペルシャ絨毯は持ってきた? ラスト25ページくらいからの、息が詰まりそうな展開。 これを超える読書に、これから先いつ出会えるかな…と、楽しみになりました。
5投稿日: 2025.11.25
powered by ブクログ映画がおもしろくて、どうやら原作があり映画とはだいぶ内容が違うらしいという話を耳にして買ってきた本。 なかなかイメージしづらい歌舞伎の世界。本を読んでても、映画で見た映像が頭の中に甦る。先に映画を見てて良かったなと思った。内容もかなり映画とは異なる。ま、確かにこのボリュームを全て映画で作るのは難しいだろうなと思った。欲を言えば三部作くらいで映画バージョンを改めて観たいが……。 まあそれはともかく、喜久雄の人生はまさに「悪魔と契約した」人生だなと思った。娘綾乃が言ったように、喜久雄が良い思いをするたびに周りが不幸になる…最終的には本人も夢と現がいっしょくたになっていくように思えた。もちろん喜久雄も良い想いだけではなく多大なる苦労もしているけれども。 個人的には、彰子の父が喜久雄を認めるところと、春江が弁天の番組に出たいという流れの幸子のセリフに泣いてしまった。春江が番組に出てその後丹波屋はどうなったのか、まで書いてくれたら嬉しかったな。冗長と思えそうなところもまた人間味があって面白かった。 ぜひ、映画を見たあと読んでほしい。
12投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ舞台、映画、テレビと芸能界の激変期を駆け抜け、 数多の歓喜と絶望と享受しながらも、芝居だけに生きてきた男たち。 血族との深き絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。 芸の頂点へと登りつめ、命を賭してなお追い求める夢のかたちとは。 ******************************************************** こんなにまじめに歌舞伎の道を生き抜いてるのに、 ここまでいろんな困難が降りかかるとは。 喜久雄だけでなく俊介もそう。 まさか、病気になるなんて。 せっかく2人でまた舞台に立ち切磋琢磨しているところやったのに。 それを支える妻たちも強い。 私が私がの考えがなく、常に家族のこと、歌舞伎のことを考えてる。 <下>の途中で徳次はおらんくなった。 私はこの物語の中で徳次が一番好き。 ずっと喜久雄やその家族を支えてきて、こんないい人がおるんやと。 最後に登場した時は、約束を果たし感動した。 最後の最後、喜久雄の行動が、 結局どうなったのか理解できないまま終わった。 それでも、お芝居に魅せられ舞台に立つことを生きがいとし、侠客の家に生まれ育ったのにここまで上りつめたことがすごい。 子供の頃から人間国宝になるまでの長い人生、 文章でここまで書けるのがすごい。 実在するかのような、この生き様を目の前で見てきたかのような、小説でここまで成長する姿をリアルに感じたのは初めて。
7投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ遅ればせながら映画を見て感動し、その足で書店にて買い求めて帰りました。 映画と小説は登場人物含め詳細においてはかなり違う点があるため、これはまた別の作品としてとても楽しめました。個人的には、私のように歌舞伎に詳しくない方は映画→小説の順で触れるのが良いかと思います。 語り口調の筋書きがとても耳に心地よく、情景が浮かぶようでした。また何度もゆっくり読み返したい作品です。
3投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を観て、登場人物達の心情をもっと知りたくなり本書を購入した。 読後真面目に「えっ?!」って声が出た。 映画とはまるで違う結末で衝撃的だった。 俊介は歌舞伎から一旦逃げ、更に春江に頼った。 喜久雄はいつも独りで立ち向かい、歌舞伎から少しも逃げなかった。その姿がとても痛々しく、応援しながら読んでいた。 喜久雄が探していた景色。 雪の白。 飛び散った血の赤。 そう言えば文庫版のカバーの背景は「上巻が白」「下巻が赤」。そう言う事なのかと少し鬱々としながら本棚に片付けた私であります。
9投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ狂気と暴力を描き出す吉田修のお話なんだと思う。映画の大ヒットはあれどそれが歌舞伎界の話であろうと、そして人間国宝になった人の話であったとしても…小説でこれだけ世界を描き切っているお話をよく映画に出きたなと思う。未見の映画もぜひ見たいと思った。
4投稿日: 2025.11.23
powered by ブクログ映画を観る前に読んだ。最初は文章が読みづらいかなって感じだけど、慣れると逆にナレーションのような感覚でNHKドラマを観ているようで面白かった。 もっともっと読んでいたい、喜久雄を見ていたいという気持ちにさせられた。こんな1人の男の話に夢中になれる本はなかなか出逢えないと思った。読み終えてしまったのが寂しく感じる。読み終えた後も実際に喜久雄という人物が存在しているかのような気分。 歌舞伎界の光と影、血縁、どこの世界にも実際にある話なんだろうけど、どの立場でも必ず幸せとは限らないんだな。
4投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ喜久雄は天才だけど、幸福な人間ではない。 愛した人を守りきれず、名誉にも振り回され、 それでも舞台に立つことをやめなかった。 彼が選んだのは、「誰かと生きる人生」ではなく「芸と生きる人生」。 孤独なのに強くて、破天荒なのにどこか脆い。 物語の終盤で、彼の演じる姿が静かに胸を締め付けてくる。 “あぁ、この人は舞台でしか生きられない人だったんだ” 読後、静かな余韻と喪失感だけが残った。
2投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログ読み切った。 歌舞伎役者の伝記?海賊と呼ばれた男の下巻と似てる雰囲気があった。 最後、錦鯉になってから物語ラストまでがこの本でしか味わえない感覚をもたらしてくれる。 これまでの長い長い伝記が活きてきて、歌舞伎の凄み、国宝の化け物を圧巻の表現のまま終わる。言葉では言い表せない終わり。 色んな感情のボリュームのつまみが全部だんだん回っていて最後MAXになる感じ。
2投稿日: 2025.11.21
powered by ブクログ決して華々しいだけではないところが魅力的だった。人間の汚い部分もでてくるが、他人事ではなく自分でもそうしてしまうかもしれない、と共感できるところがあった。ただのサクセスストーリーでは無いところが、より作品に入りやすくしていたと思う。
2投稿日: 2025.11.20
powered by ブクログ最高!2日で読んでしまった。 上下2巻を感じさない筆力。さすがだなと。 歌舞伎の世界をもっと知りたいと思わせるいい本だ。 人物一人一人の描き方が凄まじい。 今年一番の本だった。
9投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログとても読みやすく、とても面白かった。 常人の至り得ぬ境地を狂気と言うのなら、大谷翔平やマックス☀︎フェルスタッペンの見る景色もまた狂気なのだろう。 悲しい結末ではない。我々には理解し得ない世界で、彼は至福なのだ。 ただ.彼らと共にありたい、幸せを共有したいと考えていた我々が、そこに一緒に行けないことが、たまらなく悲しいのかもしれない。
5投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ同じ世界観は、伝わっていると思うけど、映画と違うところが結構深いかもと思った。歌舞伎という芸の世界を究めて、ただただ真っ直ぐに生きる、国宝まで登りつめた人の生き様が、ずしりとくる。 喜久雄と辻村、徳次のエピソードが、実は、ぐっときてしまう…
10投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画を見て小説を読んだが、かなり違う話だなと思った、小説の方がやっぱり話に深みがあり面白かったが、最後が悲しかった そんな終わり方はないよ、徳ちゃんが帰って来て、正気を取り戻してくれるよねと、祈るような気持ちになってしまった
2投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ映画は後半の展開が大分早かったため、細部を補完したいと思い読んでみたが、結論としてはほぼ別物。上下巻という大作だけあって、大河ドラマを観たかのようだった。途中で少しだれるような感じもあったが、基本的にはずっと作品世界にのめりこめた。映画ではあまりフォーカスされていない人物も描かれており、物語がより重厚になっている。特に、映画では冒頭にしか出てこない徳次が良いキャラで、気に入ってしまった。 芸、とは何か。音楽や美術などでも指摘されることだが、それらは資本主義社会にあると、商業的なことと結びつかざるを得ない。すなわち演者だけではなく、観客がいてはじめて成り立つこととなる。ショーアップされることで魅力が増すこともあるのだろうが、お金の心配なく自己を表現できるとすれば、すなわち観客を気にしなくて良いとすると、どんな表現になるのだろうか。そこでは他者からの評価は不要になるのではないか。喜久雄は人間国宝などという評価が嬉しいとしても、求めてはいないと思う。ただ自分自身が満足できるか、見たい景色がみれるかどうか。それだけを目指す純粋な芸の高みは、他者から理解されない可能性もある。物語中でもそうした描写がある。究極の芸術は、他者が味わえないものなのかも知れない。現実がそうした矛盾を抱えているとしても、喜久雄には、その芸を味わってもらえる人達がいる。それがこの物語の救いになっているのだろうか。
2投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ喜久雄と俊介に限らず、様々な人物が前進を試みるも苦難に直面したり、迷走してしまう。そんな姿に興味がそそられ、あっという間に読み終えてしまった。 映画も気になるが、彼らが突き進んだ世界を深く感じとりたいので、まずは歌舞伎を観に行きたい。
2投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・あらすじ ヤクザの跡取り息子として生まれた喜久雄は、父亡き後関西の上方歌舞伎花井半次郎に引き取られる。 そこで同い年の跡取り息子の俊介と共に歌舞伎の世界に魅了されていく。 ・感想 「別にそんなに言うほど芸事に命かけてないよね?」が読了後の感想だった…。 孤高で誰からも理解されず芸事にのみ打ち込む主人公の悲劇の話かと思ってたら意外と俗物的だったから、終盤で狂人となってる場面でも「いやいやいや、勝手に会場をでるなw道路に飛び出たら迷惑でしょっw」という感想になってしまった。 あんた十分遊んで楽しく生きてきたじゃん! 全く、芸事に命を捧げてる印象なかった。 ただ環境のせいで「それ」しか出来なかっただけじゃん。 他の職業にも挑戦してみたら良かったのに…。 役者の生き様を描いた作品だったのかもしれないけど全く魅力を感じなかった。 そもそも芸能人に興味もないし、(さまざまなジャンルの舞台演劇も10回程度見たけど)一度としてのめり込んだことがない。むしろ冷める。 観劇中も常に頭の片隅で違うことを考えて、所謂メタ的視点が頭から離れないから「舞台で生きる」とか言われても全然ピンとこない…。 歌舞伎も何百年か歴史があるのかもしれないけど、現在正解とされる「型」だって当然の事ながら時代によっても人によっても変化している。 足運びや手の振りへのいちゃもんだって師匠と呼ばれる人の単なる好みじゃん…と思えてしまって。 お前の指導がなんぼのもんじゃい!って反感を覚えてしまう。 男にだけ世襲とか、ホントに意味わからん。 そもそも歌舞伎の始祖は出雲の阿国、女だろ? 敷居の高い崇高な芸事でござい〜みたいな風潮も嫌い。 血か才能か…? 血っていうかただ運と環境でしょう。 ただ「そこ」に生まれて、ただ「それ」が身近にあって、強要されてきただけ。 そこから自分の意思で「伝統を守りたい」と思うのかどうかは個人の問題ではあるけども、個人的に世襲制が嫌いだから好意的に解釈できない。 あと主人公の娘がデキ婚した時に主人公の反応にもイラッとした。 散々女遊びしてきたんでしょうが、何をデキ婚くらいで戸惑ってんだよw 自分が過去に扱ってきた女と同じように自分の娘も扱われる事を想像して反省するべきだし、そうじゃないなら「いろんな人間に股を開いて1000人斬りを目指せ!」ぐらい言ってろ。中途半端なんだよ。 こういう遊び人の男は自分が過去扱ってきた女のように自分の娘も扱われるかも、とか思わないもんなのかなー? 主人公も意味わからんけど俊介の方も意味わからんし春江も意味わからん。 興味持てない人間の一生とかどうでも良すぎて、後半は消化するために読んでた。 読了後の総括は「自分の事にしか興味ない人間が散々好き勝手に自分のやりたい事だけやってたら、偶々世間に評価された野郎の話だったんだ」。 でも唯一徳二だけはとても好感が持てた。 むしろ徳二が1番命かけてたし、粋な生き方してたよ。 芸事に生きる、とか言いつつくだらねー事ばっかしてた主人公たちとは一段上の場所で生きてた気がする。
3投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログ映画も見たけど、小説も面白かったね、って言う国宝の話。映画はやっぱり映像と音があるってのがとても大きくて、五感で感じることができた。やっぱり役者の歌舞伎の演技が見れると言う部分が非常に面白かったのかなあと。 小説の方は淡々とした語り口で事実が述べられていくけど、それが面白い。時代と時代が短い章でどんどん飛んでいく。テンポもいいし展開が早い。喜久雄がいかに芸に狂っていったかという人生を、そのテンポであっという間に描ききっている。上下巻あるけど、あっという間だった。映画は五感で感じ、小説では歴史を想像し人生を感じる。違いはあるけど、どちらも面白かった。 芸に狂う。他の人には見えないもの聴こえないものを感じるまでに。人間国宝になる位の人はそんぐらい突き詰めないとなれないのかなって思った。万菊さんも、結局最後はなんか狂ったような形の最期だったし。芸を極めるということは恐ろしいことなのかもしれない。 あと、本と映画では登場人物の扱い方が色々違う。特に女性陣の扱い方。映画の方は結構かわいそうな感じに描かれるけど(特に森七菜)、小説ではなんだかんだでみんな幸せそうでよかった。 ラストの場面はまるで違う。作品のテーマ自体がまるで違うのではないかと言うほど違う。 どちらもいいけど、好みとしては小説の方かな。高みに上り詰めた者の末路はどうなるのかを考えさせられた。 激動の人生を駆け抜けた、1人の歌舞伎役者の物語。とっても贅沢な時間を味わえた。 おすすめは映画を観た後に読むことかな。歌舞伎のこと全く知らなくても、映像が頭の中でイメージできるので「ああ、あの場面ねー」と理解しやすい。今年この作品に出会えたことが幸せでした。良書。
12投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ映画鑑賞後に小説を読んだ。 細部まで描かれていて、どんどん読み進めた。 小説も映画もどちらも素晴らしい。 メインとなる登場人物には それぞれの良さがあり もちろん引き込まれるが 陰で支える女性たちの頼もしさが光った。 みんないじらしい。 何かを得るには何かを捨てる、 今も昔もそうなのかもしれない。 没頭するものがあることが うらやましい。 自分もそんな何かに出会えればいいのに。 また、このボリュームの小説を 違和感なく映画の脚本に 落とし込む技術が素晴らしいと感じた。 かなり小説と違う部分があるにも関わらず 違和感がない。
2投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正直、1ミリも感動できなかった。映画を見た時もモヤモヤがすごくて、それを解決出来るかと思って原作を読んだけど「全然映画ちゃうやん」となるばかりで あの映画なんやったん、と思うばかりだった。なんやったん、なんであんな雑に喜久男のこと孤独にしたん、そうせんないかんかったんやったら、あまりにこの小説に出てきた人達の扱いが酷すぎる。て、心の声に関西弁が乗り移った状態で映画にも文句ばっか出るし、小説は小説でみんな頑張ってるけどそれに対する感動が全然湧いてこなかった。「〜でございます。」「〜でございましょう。」ってかなり登場人物の意図とかが語り手の知らん誰かに断定されながら進むから 全くこっちの思考や感情を介入させることができなくて、登場人物の誰とも自分は話せないそれこそ舞台を見てる観客で、とにかく誰も彼も遠かった。ひたすらに合わんかった。合わん合わん、本当にモヤモヤする、万菊さんの「ここにはうつくしいものが一つもなくてほっとする」って言葉がなんか一番残ったし納得しかけたけど、読み終わった今では、一番うつくしいものは そのうつくしいものが無い言うた場所にあったんじゃないんとすら思う。最後の、頂点はここですーみたいに書かれたクライマックスの場面とか全く感動できんかったし何がうつくしいんこれの。と思ってしまった。本当に合わなすぎて憤りすら湧くし 時間を割いて受け取った感動を表現している人達に申し訳なくなってきたもう考えるのやめる
2投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ映画鑑賞後、オーディブルで視聴。 映画もさることながら、読み応え、いや、聞き応えのある大作。 作品を読んだ後、思わず拍手をしたくなったのは初めての経験。 映画以上に、魅力ある登場人物がきくおの存在をさらに際立たせてくれた。 映画を観て感動した方、ぜひこの本を読んで日本一の女方の人生を、もう一度振り返ってほしい。
3投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログ「国宝 下」 読み終えて2時間経っても、まだその世界から抜け出せずにいる。 もしこの本を読むかどうか迷ってレビューを漁っている人がいたら、「今すぐ読んで」と伝えたい。 歌舞伎のかの字も知らない自分がこの本の感想を書くことは、とてもおこがましいことのように思えるので控える。 でも、一つだけ。 50年の歌舞伎人生を生き抜いた喜久雄に心からの拍手を贈りたい。
6投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログ歌舞伎を鑑賞したことはありませんが、この本を読みながらにして歌舞伎そのものを観ているような感覚になり、またそれ故にその芸に捧ぐものの大きさ、尊さを感じることができたと思います。 自分の身に置き換えた時に、これ程までの情熱を注いでみたいと純粋に思いました
13投稿日: 2025.11.12
powered by ブクログ芸を極める。なんと壮絶な道か。清濁併せ呑み、ひとつの「景色」に向けて技を磨く喜久雄の50年から片時も目が離せない。 彼が駆け抜けた道は決して平坦ではなく波乱万丈の見本市のような、喜びも悲しみも、生も死も、全て芸の肥やしとなっていく。 何かを極めるということがそういうことであるならば、私なら尻込みしそうになるが喜久雄は挫折しながらも歩みを止めない。 とても美しくて、とても残酷な、圧巻の大河ドラマである。業という言葉で簡単に片づけられそうにない、魂の輝きを見た。 物事の神髄の、その先へと飛翔するかのようなラストシーンに、震えるほどの感動を覚えた。これ以上の結末は無いだろう。
38投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ歌舞伎を見たくなった。他の伝統芸能も見てみたい。歴史ある芸の道には、それを支える人や様々な役割の人がいて、舞台を作っている。でもそれが生きるのは、主役の輝きがあってからこそなんだろうなと。その世界に生きる人の芸を見てみたい。
5投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ映画を観たからだけじゃなく、この小説からは目頭が熱くなるような描写が多い。色々な感情が次から次へと湧くので読んでいて忙しい。 俊介の最期を見守る春江と幸子、綾乃や一豊がそれぞれ災難と向き合っている様子、いろいろな感情と共に極めに極めた芸により人間国宝になった喜久雄。そして映画と違う、徳次という最高の友の存在感。どのシーンも美しく、強く印象に残った。勿論上下ともに星5です!!
5投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ国宝を支える女性たちもまた逞しいなぁ。 いや支えるというより、これはこれで主人公なんだよな。これは映画とは違う感想。
8投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ芸事に生きる人間の生きざまが読めた。歌舞伎には誠実に向き合い、歌舞伎以外には不誠実でありながらも、そんな人間に惚れる女性がいたり、家族思いでありつつも、家族を顧みない生き様読み応えあった。時代が戦後の昭和から、平成バブルを経て、伝統を受け継ぐ大変さを感じた。ただ、全体の語りかけてくる文体は、誰の主観なのかはわからないままだったし、僕にはわからない狙いがあったと思うが、日本昔話のナレーションのような感覚だった。
5投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ上下読みました。 映画を観て、原作をだいぶ端折ってるよと聞き、なら読んでみようと思い手に取りました。 ラストは映画とは違い衝撃でした。本も映画同様引き込まれ、先が気になる!早く読みたい!となりましたが、私は先に映画を観て、自分の生活とは遠いところにある歌舞伎のイメージが映像としてあったから、本を楽しめたのかなと思いました。
3投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログシンプルに”面白い”そう思える良作でした。 上巻の感想同様にホントに登場人物全員が主役と思えるようにキャラが立っていて、常に躍動感があり、早く先に進めたいという欲が止まりませんでした。 徳ちゃんが一番のお気に入りキャラなんですが、彼の行動を起点として物語に展開が生まれているように感じ、次は何をしてくれるんやと期待しながら読み進めていました。 また喜久雄と辻村の病室での最後のシーンでは喜久雄のこれまでの成長の全てが表現されているように思い、凄く感動的でした。 おそらく読み返す事に新たな感動を与えてくれる、そう感じられる素晴らしい作品でした。
4投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ映画を観ていたので、ラストは衝撃。映画は原作を大胆に省略・翻案していたが、その試みは成功だったと思う。原作もまた、数年単位で時間が飛び、にもかかわらず、決して説明不足ではない。極限まで削ぎ落とされた言葉に、美しさと深い余韻が漂っている。
2投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログ【才能が人間を孤独に昇華させる本】 喜久雄と俊介の快進撃から始まる。彰子の父から勘当されて新派歌舞伎を立ち上げた喜久雄。著名なミュージシャンとのコラボレーションもあり、世界にも名を轟かせていく。 徳次の離別、綾乃の結婚など、歌舞伎以外の人間模様の変容も端々に描かれている。 俊介の病気が判明、糖尿病にのり両足を決断しなくてはならなくなってしまった。その後に隅田川演目で最後の舞台に立つ。思うようにいかない義足をつけて、死に物狂いで役を終える。そして、鎌倉で療養中にこの世を去る俊介。 孤独に歌舞伎界の高みに向かう喜久雄、喜久雄の魅力に取り憑かれた男が舞台に上がったことから、歌舞伎に向き合う姿勢が変わる。人を魅了することから、自分の中の芸術を探し求めることへと目的が変わっていく。 さらに孤独になりながらも終えた「阿古屋」では、終演後に舞台を降りて、劇場の外へ出てしまう。 全ての始まりである、父親と死別した、ヤクザ抗争の雪を思い出すようだった。 ------ 市駒や彰子や春江との人間関係が描かれている部分が素晴らしいと思える。 喜久雄vs俊介ではなく一方を意識しながらも別の演目やTVで活躍する様が描かれていて、二人はいい意味でのライバル。 周囲の同年代歌舞伎役者も出てきており、映画ではあまり描かれなかった歌舞伎界に奥行きがでていた。 ひとつの道を追究する求道者に与えられた孤独は、非常に共感が持て、描き方もクドすぎず過不足ないと感じた。 喜久雄本人、徳次や市駒や綾乃など、周囲で支えていた者たちのその先どのように生きたかが知りたいと思った。しかし、その尻切れ蜻蛉の描かれ方は、喜久雄が人の道を外れて神格化していく内面を重ねた技法なのかもしれないと思うと、納得がいく。 読了後の満足感あり。 映画を観た後に読むことをおすすめする。
2投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ映画を観た後に読みました。主人公喜久雄と、それを見る観衆が見ている世界の差がすごい作品。映画は映画でとても面白かったが、小説ならではの広く深い世界に浸れたのが良かった。映画で取り沙汰されている「結局血ぃやんか...」のセリフの痛々しさがビシビシと感じられる場面がいくつもあった。映画のように生半可な物ではなく、家系というどう足掻いたって解決できない問題に対する世間からのバッシングや妨害行為、権力者からのいびり...。そしてその自分の宿命を嘆く喜久雄の姿が、読んでいてとても切なくなった。また、小説ではマスメディアの登場も多くて、綺麗事だけではやっていけない世界を生き抜く難しさが現れていた。映画で感じた、「それ、そんなにか?」っていうところが、全て解決できた。例えば、隠し子の綾乃から恨まれていることを、作品終盤で本人から打ち明けられるが、恨まれるにしては理由が弱いと思っていた。しかし、喜久夫にとって良いことが起こるたびに隠し子の綾乃にとってはいくつもの不幸が続き、綾乃の幼少期に喜久夫が言った「悪魔と取引してたんや」のセリフに対する嫌悪感がどんどん膨張していくのが分かった。そんな、映画では到底描ききれない微細な設定がいくつもあって、どの登場人物にも共感できる人間関係が織りなされていた。ただ、あれだけの大作を一本の映画にまとめ上げた李監督は凄すぎる...。3時間って、逆に短くないか? 喜久雄の心情なんて、観衆は到底理解できないだろうな〜、と感じました。読むのに時間がかかってしまったけれど、読んで良かったー。
10投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今年ナンバーワンと言っても過言ではないほど面白かった。 まずストーリーが良い。ラストは人それぞれにお任せします系なのかな? わたしは始まりの父親の真っ赤な血が白い雪の上に広がる様をラストシーンで国宝となった息子の主人公が最初のシーンを回収するかのように降る雪の中真っ赤に散っていくのを想像してよくできた上・下だと思った。 自分の求めていた景色、最後死ぬ間際に見たこれ以上ない人間国宝の頂点だったのではと満足の上での終わり方かと思う。 あとなにより原作では徳ちゃんの存在がデカすぎる!嬉しい!!推しになりまして出てくるだけで嬉しい。出てこないともしかしてもう出てこない、、?と不安になるほど(笑) 最後中国の川に流すと約束を果たしたのも良かったね〜何もかもが長編の中で綺麗にまとめられてるの良かったよ。 あと書きっぷりのナレーションが良かった!面白いねあの入りや章の締め方。 語り尽きないくらい最高すぎた上下巻一冊でした!
6投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ上下巻と一気に読了。歌舞伎に生きる喜久雄の生き様に魅了された。映画を見ればよかったと後悔。まだやってる事を願います。
3投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ上巻はまだまだ若い喜久雄でしたが下巻は全て圧倒されました。 俊介との再会と別れ。 そして芸をますます極める喜久雄。 文楽の太夫に導かれるように読み込んでいきました。 これはもう皆さんにお勧めしたい本でした。
4投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログ青春編から一気に生と死の章になった感じ 突き詰めるほどに孤独に、だけどどうもう誰も止められない現実、 共感の次にあるもの
9投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログ映画を見終わった後にたまらず小説を読みました。 主人公喜久雄の悲しくも美しい生涯を描いており、とんでもない物語を読んだなと感じました。 印象に残ったセリフとして、 「今じゃ、俺が言うこと為すこと、ぜんぶ正解になってまうねん。まるで御山の大将や。俺、芸人やで。不正解な人間やからこそ価値があったはずやねん。せやろ?」 という弁天(主人公喜久雄の幼なじみの芸人)のセリフがあります。 世の中の芸能の世界だけではなく、日々とんでもないスピードで変化し、求められるものは変わっていきます。 外からの要求に答え続けることは難しいです。芸人程ではないですが、社会人も歳をとるにつれて、求められるものが変わっていきます。どうやって要求される姿と自分の折り合いをつけるべきなのでしょうか? そんなことを考えました。 映画も小説もそれぞれの良さがあり、どちらも本当に面白かったです! もう1回映画観にいこうかな
13投稿日: 2025.11.05
powered by ブクログ死ぬだけ 今まで幸せ 死ぬまで 今だけ幸せ 喜久雄はその後…なんてことを考えるのは無粋ですね。 映画→原作が望ましいというか想像しやすいらしいのですが、本は本で読みながら冒頭を思い出したりして楽しめました。 喜久ちゃんも俊ぼんも人間国宝です。
3投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ普段映画はあまり観ないのだけれど、身近な人からの勧めと、ちらりと観た映像美に心惹かれ、珍しく映画館まで足を運んだ。 映画館を出てすぐの本屋で、さぁ、今読みたくなってるでしょう?と言わんばかりに積まれてある原作にまんまと手を伸ばし、気がつけばレジへ… 映画も良かったけれど、やはり私は本読みだなぁと再確認。原作の方が感動は大きかった。ただそれは、映画の映像が、自分の知識だけでは脳内再生できなかったであろう部分を補完し、映画を見ずに読むだけではきっと味わえなかった読書体験をもたらしてくれたからなのだろう。歌舞伎というものに、まったく触れたことがなかったので。 今まで本屋さんで「国宝」は見かけるたびに気になる本であったのだけど、何故か手に取らずにいたのは正解だった。私的には、映画→原作は正解の順番でした。 ラストはなんとも言えない複雑な気持ちになる終わり方だった。 というか、上下巻通して、やるせない気持ちになる出来事の連続で、ラストはその集大成といった感じ。 あの後喜久雄はどうなるのか気になるところだけれど、それを考えるのは無粋なのかとも思う。 ラストの語りの通り、あれは小説「国宝」の幕切れ であり、心のうちで拍手喝采を贈って終われば良いのかと、自分なりに納得してみた。 綺麗な衣装を纏い、人前で演じ、拍手喝采を浴びる。一見華やかに見える世界に生きる人たちが、喜久雄のように私生活でどれだけの犠牲を払い、周りの人たちに助けられ、それでも芸の道に生きるために自分の感情までを犠牲にしているものなのか、無知な私にはこの物語がどこまで真実に沿っているのかはわからない。 それでも作者が、黒衣として3年?歌舞伎界の裏側に籍を置き、巻末にある夥しい参考文献を読み、作者なりに感じた歌舞伎の世界、歌舞伎に生きる役者というものを、一つの物語として描ききったのだろうということに、感銘を受ける。 私もまだしばらくは「国宝」の世界から抜け出せそうにない。
11投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログ映画では晩年の様子が端折られていたけど、人間国宝になる前の数年間、喜久雄が孤高の人となり奮闘している様がやるせなくも心打たれた。 歌舞伎界が1つの大きな家のように見えた。必ずしも住み心地のいい場所とも言えないけれど、結局喜久雄はそこでしか生きていけない。それを本人も重々承知していて、そこに留まる潔さを感じた。
2投稿日: 2025.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
尾上菊之助のオーディブル最高だった。ちょっと説明しすぎている部分や長い任侠話はオーディブルだからこそ聞いていられた。女性のセリフも違和感なく本当に聴き心地が良かった。次のオーディブルを選ぶのすごく迷う。 映画と話がだいぶ違っていてよくこの内容をああまとめたなと思った。 映画は映画、原作は原作で良かった。 悪魔との契約シーンがなかなか出てこなくて、原作はあやのと絶縁していないし映画オリジナルだったのか?と思いながら聞いていたら後半に出てきた。 映画で突然出てきたカメラマンのあやのとのシーンよりも原作のあやのの積年の恨みが出てしまったシーンの方がぐっときた。その後謝罪の手紙を書くところも。 愛人の娘だったあやの。映画のように捨てられたわけではなかったけど、ほとんど徳次が対応していたし、ぐれて裏社会の人に利用されかけたりいろいろあった。 それでも大人になって和解し父子の絆を育ててきたけれど、あくまで芝居第一であることは変わらない父親に、子供ができたあの時だったからこそ、複雑な思いがあっただろう。喜久雄は喜久雄なりにあやのを愛していたとは思うしそれをあやのもわかっていただろうけどね。 悪魔と芝居以外は何もいらないと契約した喜久雄。芝居の世界でトップを取り国宝になった。 喜久雄の成功と共にたくさんの不幸や挫折があった。途中雑誌にまとめられた喜久雄の半生は事実ではある。 喜久雄のまわりにはたくさんひとがいるのにいない。喜久雄も寄せ付けないからどんどん孤独になっていく。孤独を極めれば極めるほど芸が輝く。 映画とは違い最後まで寄り添った彰子が実は不倫していた描写も、あれ以降何も言及はなかったけど本当に喜久雄は孤独だったんだと悲しくなった。 喜久雄は家庭を省みるなんてこと絶対にしなかっただろうし、彰子もたくさん苦労し、子供もいない中支える誰かが欲しかったのかだろうけど。 あとははるえがお金のためにお笑い番組で「おもろいオバハン」やることにしたところも本筋とは関係ないけど苦しくなった。番宣もないのにバラエティに出て面白おかしいキャラをしている女優や俳優たまにいるけど、今後ははるえを思い出して悲しい気持ちになってしまいそう。 最後のシーンはあの後どうなったのか読み手の想像に任せるような終わりだったけど、個人的にはあのまま喜久雄は車に轢かれて亡くなったのだと思う。 舞台に客が上がったあの時、舞台の上とそれ以外の結界のようなものが破られ、喜久雄はもうこちらの世界に戻ってくることができなくなったのではないか。 喜久雄が探していた景色は、父親が殺されたあの時の景色。白い雪に赤い血がとび、空から雪が舞い降りていた。人生で一番美しく悲しい景色。芝居ですべてを極めたからこそ、あの時またあの景色に辿り着いた。だからそのまま本当に戻ることはなく、進み続けた。喜久雄は演じ切り解き放たれた。 「必要だった」喜久雄がいなくなったあと、丹波屋はどうなったのだろう。 ひき逃げの過去があり、その後も燻り続けたかずとよがあの後俊介や喜久雄のように一花咲かせたとは、時代の流れを見てもほぼないであろう。 還暦過ぎたはるえがテレビに出て稼げる期間もそう長くはなかっただろうし…でもかずとよに跡取りが生まれただろうからそのまま普通の歌舞伎一家としてやっていけたのかな? テレビ俳優や映画俳優になったりしたのかな?でも舞台以外で活躍するにはひき逃げの過去があるのはだいぶハンデ…。 最後出てきた徳次もきっと間に合わなかったよね。 可愛がっていたあやのの結婚式もなんの知らせもなかった徳次が、喜久雄が国宝になったら戻ってきた。 やっぱり徳次は喜久雄一筋というか…あやののことも喜久雄の娘だからこそ可愛かったんだよなと。 最後喜久雄と徳次再会させてあげたかった。 徳次なら喜久雄をこちらに戻せていただろうか。それとも全てを察してあちらにいさせる道を選んだだろうか。 芝居をしていない竹野だけがこちらに戻そうとしていたのが切ない。
5投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ映画に圧倒されて原作も。 後半がかなり映画とは異なる展開だったけど、どちらも良かった。しかしやはり原作は超大作なだけあって、喜久雄の歌舞伎に取り憑かれた人生をくまなく見せられ大河感があった。 そして何より徳ちゃん…! 徳ちゃんが出てくるとピリついている作品の雰囲気が和やかになって本当にバランサーだった。徳ちゃんも実写で観たかったなぁ。 喜久雄だけでなく、俊介、春江、幸子、彰子、他にもたくさんの登場人物、、それぞれの物語も絡めながら壮大な人生を見せられた。
4投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
半半コンビの活躍に胸を躍らせ、スターへの階段を登るようすに気持ちが高まる。成功の裏には、いつも不幸がある。あまりにも続く成功と不幸の交錯に、はじめは物語としての作為を感じたが、それすらも巧妙な伏線だった。ある人物のセリフで、それに気付かされる。 物語のラストは、「芸道を極めんとする人はこうなるのだろう」と思わされるほど過酷で、まさに人生のすべてを懸けた姿が描かれている。ラストは、美しく、そして儚い。二日で一気に読み切った。没入できた時間は、読書の幸福そのものだった。
3投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログこちらは2年前のレビューの再掲。上巻のついでに。もう一度ちゃんと読みたくなってきましたー!!! 〜〜〜 オーディブルにて。 ナレーターは音羽屋の尾上菊之助さん。門外漢の私でも知っている一流歌舞伎役者である。 オーディブル聞き出して5か月。素晴らしい作品はこれまでたくさんあったけど、その中でも本作は、オーディブル最高傑作じゃないでしょうか?!この余韻にずっと浸っていたくなった。 常々、男性ナレーターが女性を演じるのは、どんなに上手な方でもちょっと違和感が残るなと思っていたのだけど、この作品では全くその違和感がなく、稀代の立女形である万菊の女性的な話し方と、女性である春江や幸子などの話し方が違うのよ。 地の文は、「〜なのでございます」「〜と存じます」「〜でありましょう」など、口上を聞いているかのような独特の言い回し。実のところ、一度本を借りた際、最初の方で読みにくさを感じてさっさと返却してしまっていたのだ。でも尾上さんのナレーションはこの独特な文章のリズムと合っていて、ずっと聴いていられるような耳障りの良さ。かっこよくて艶っぽい。声の多彩さ、張り、抑揚、演じ分け。 そして何より歌舞伎の場面の声!!周りから隔絶されて、この世界に引き込まれていくようで、完全に虜になった。 ストーリーの方も、上下巻700 頁の長編なのだが、吉田修一という作家の底力を感じた。 昭和39年、長崎。 任侠の新年会で歌舞伎の演目を披露した喜久雄と徳次。宴もたけなわとなった頃、対立する組が乗り込んできて抗争となり、組長だった父を亡くした喜久雄は、その時来賓で来ていた花井半次郎のつてをたどり、関西歌舞伎の名家「丹波屋」の部屋子となる。 その丹波屋の御曹司として生まれ育っていたのは同世代の俊介。 二人は切磋琢磨しながら、女形として頭角を表していく。 時代は高度成長期。娯楽が映画やテレビへと移行する中、必死に芸を磨き続ける二人だが─。 血との葛藤、挫折、スキャンダル、裏切り、嫉妬、絶望。揺るがない信頼と愛、喜び、成功、情熱、舞台への渇望。 役者として生きる喜久雄と俊介の生涯を軸に、途中でだれることのない波乱の展開が続く。起伏があるというより、ずっと山に登っているような…。芸の道の困難で険しいこと。 歌舞伎界は男の世界だから、ストーリーは男性中心なのだけど、役者を陰日向に支える梨園の女たちの強さからも目を離せない。 俊介の母、幸子。息子の帰りを待ち侘びながら、半次郎襲名で見せた本音の涙、そして腹の括り方には、役者の女房の心意気を感じた。 どん底の時代の俊介を支え続け、金策のために意に沿わない仕事もこなした春江に、政略結婚と知りながら、影となり喜久雄と添い遂げた彰子。 光があり、影がある。しかしそれぞれの思いは繋がっている。 舞台に立ちたい。舞台に立って欲しい。 私の一番のひいきは徳ちゃん。「坊ちゃん」の一番の味方だった徳次。こんないい男おりますか?夜の世界で徳ちゃん人気だったらしいけど、夜の世界じゃなくても放っとかないよね。笑 彼の小指を切り落とすシーンが鮮烈だった。愛の深さが半端ない。自分はずっと弁慶だった、と自らを語る。 なるほど、確かに彼は弁慶だったなと思い返す。 全然知らなかった歌舞伎の世界。 至福の時間だった。
5投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ圧倒的!!!だった。 私は歌舞伎のど素人ですが、それでも役者の、喜久雄の、その運命に引き込まれ、めくるめくように読み終わりました。圧巻のひとこと。 何も知らないのに目の前に情景が浮かぶような世界。 ただひたすら、真摯に、歌舞伎役者という運命に向き合い続けたその人生に脱帽。
28投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログそう終わるか…!と思わせる最後。最初から最後まで世界に惹き込まれた。匂い立つ色気など、言葉から想像させる情景とも言い難い表現や感覚を想像しながら読むと、より面白かった。
3投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログ怒濤の展開で一気に読んでしまった…… 原作を読めて本当に良かった。 俊介を失ってからの喜久雄がだんだんと地面から浮き上がってくような、人間から外れていく様が神秘的で、生き急いでいるような危うさがあって胸が苦しくなった。 周りや業界から求められる像と一致してしまった結果、どんどん浮世離れしてく彼を止められる人はいなかったんだね……。 徳次がいなくなったのも本当に大きい。 願ったのは本人であっても、国宝になる代わりに失うもの、あまりにも多すぎない? 1番好きなシーンは俊介の訃報を聞きながら演じる道成寺。最後の語りかける言葉にたまらなくなった。 あと徳ちゃん。 あの男はズルい。メロい。かっこよすぎる。 たのむ弁慶、最後間に合ってくれの気持ちと、間に合わずあのまま逝かせてあげてくれの気持ち。 余韻がすごい。
4投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログAudible!! 村田沙耶香さんの『世界99』を並行して聴いていたので、内容はまったく違うけど、どっちも主人公の生涯を描く作品で、スケールデカすぎる二つの世界を堪能してお腹いっぱいw 【国宝感想】 人生とは、今この瞬間をくるくるとダンスするように生きる連続する刹那。 そのダンスこそが目的で、目的地はない。 by古賀史健『嫌われる勇気』 聴き終わったときこのフレーズが浮かんできました。 そんな“今ここ”に強烈なスポットライトを当てる生き方を、喜久雄や俊介が生涯貫いていた感じでした。それで気づいたら喜久雄は頂に辿り着いていたのかな。 下巻では、喜久雄のまわりで色々な出来事が起き過ぎて、ちょっと忙しく感じました。でも、それをすべて包み込むような美しいラストが用意されていて心から満足できる読了感でした。
48投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ最後の情景が鮮明にイメージできてしまうし、想像の画が残ってしまう この最後のシーンのあるなしでは、全くインパクトが違う。でも、あまりにも文学的すぎて映像にしてしまうと、不可解で、理解されにくい作品になってしまいかねない。 だから、このシーンをそのまま忠実に表現しなかったのは、大正解やと思う。 ただ、映画はアレンジが効いてて、この原作の最後のシーンが伝えたかったことは、すごく感覚的に伝わるものに昇華して仕上げてきてたっていうのが、あまりにもあまりにも素晴らしくて、大円団。
5投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ上巻に続き,すぐに読み始めました。 やはりページを捲るごとのワクワクがよかったです。だいぶ映画と雰囲気が変わっていて"バケモノ感"が出ていました。 ただ、読み終わってしまうと、残るものが思ったよりなくて(特にオチ前の部下との掛け合いがちょっといまいちで、大オチにも個人的にはピンとこず)エンタメ小説だなぁと思いました。
8投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ小説を読んでから、映画を観ました。 小説から得た細かい人間関係や、感情をベースに鑑賞できたので、しばらく国宝の世界に圧倒された。 映画にはあまり描かれなかったが、小説の徳ちゃんや母、妻、娘の人情や強さ、大奮闘ぶりが心に残っている。 それぞれの葛藤が痛いほど伝わる作品
3投稿日: 2025.11.01
