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国宝 下 花道篇
国宝 下 花道篇
吉田 修一/朝日新聞出版
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総合評価

814件)
4.6
483
231
44
4
2
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    結局今に至るまで映画は観ないまま読了した。 ほんとうに歌舞伎のことなど全く知らないことを痛感したが、同時期にたまたまテレビで歌舞伎役者を取り上げた番組を見て、すでに読んだところから何となくわかることがあり、余計読むスピードがあがった。 もちろん個人を特定するものではないが、歌舞伎役者であれば多くがこのような苦労を重ねて、今があるかと思えてしまうほどはまり込んでしまった。 うまく書ききれない思いがまだたくさんあるような気もするが、とにかく読んでよかった。 もう今更映画は観られない。

    0
    投稿日: 2026.02.09
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    以前単行本で読んだけど、文庫は巻末にある解説を読めるのがイイね。 数年ぶりの再読なので、忘れてたところとかずいぶんあった。こんなエンディングだったか… 喜久雄は正気を失っていくけど、ふしぎと悲しくない。幸せそうに思えるから。 著者の他の作品があまり好きではなかったけど、これは本当に名著。多分また読む。

    1
    投稿日: 2026.02.08
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    映画を観てから読んだけど、歌舞伎の演目についても解説されているので、もう一度映画も観たくなった。映画では唐突だったところも、原作では納得しやすい。女性も映画よりは生き生きしている。2冊ある割には読みやすかった。歌舞伎に詳しくなってからまた読みたい。

    0
    投稿日: 2026.02.08
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    歌舞伎に取り憑かれたかのような生き様をこんなにも表現できるなんてすごい。共感とはまた違うけれど、喜久雄たちの人生にすごく惹き込まれて圧倒された。本も読んでよかった!!

    0
    投稿日: 2026.02.08
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    映画を見てから原作を読みました。 語り口調で物語が進んでいく小説。 語り手により客席から喜久雄たちの歌舞伎を見ている気分になれました。 仕事から帰って、小説を開くと語り手によってこの『国宝』の世界へと案内される。そんな日々がとても楽しかった。続きは気になるが、『国宝』の世界から出るのが嫌だと思うくらい面白かったです。 語り手の正体は、一体誰なのでしょうか。 原作と映画どちらがよかった、とかではなく両方よかった。時間の都合や映像にする都合などで、映画は原作から変更された部分が多かったですが、原作を読んでから映画を思い返すと、あの俳優さんの演技は原作でのこの部分の登場人物を表してたんだ、と腑に落ちました。

    0
    投稿日: 2026.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画版を鑑賞後に読みました! こちらも面白かったです! 映画はかなりポイントを絞っているのに比べて、小説版は喜久雄を中心とする群像劇となっています。 出奔中の俊介側の事情なども詳しく記載されていて、「俊ぼん…お前…大変やったんやな…」となりました。 上巻の後半では喜久雄どうなってまうんやと思いましたが、思ってたよりもあっさりドサ周り的な話は終わり、上り坂も下り坂もある、まさに波瀾万丈の人生という感じでしたね。 しかし映画でも気になった悪魔の契約のくだり、原作ではより扱いが中途半端では? 原作だと喜久雄って普通に家族思いの良い人なので、悪魔の契約と言われてもあんまりピンと来ないんですよね。 まぁ原作だと悪魔の契約はそこまでメイントピックではないのでそんなに気にしなくてもいいのかもしれませんが…

    0
    投稿日: 2026.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とにもかくにもラストが良かった。映画も見たけれど、断然、小説の方が好き。ラストの喜久雄の国宝感というか、行くところまで行っちゃった感が、小説の方が別格だと思う。 舞台の中央に立ち、上手下手、一階から三階までを見渡しました喜久雄の顔に、またゆっくりと笑みが浮かんだのはそのときで、 「きれいやなあ……」 そう呟いた次の瞬間、まるで雲のうえでも歩くように、なんと喜久雄が舞台を降りてきたのでございます。(p409) 喜久雄に魅せられて舞台に上がってきてしまった客と遭遇して以来、喜久雄の様子がおかしくなる。決定的に、舞台と舞台下の境界線が、曖昧になってしまうのだ。そして、物語のラスト、舞台に上がってきた客とは逆に、今度は、喜久雄の方から自ら演じる役柄のままに、舞台を降りていってしまう。国宝になるということは、もはや、自らの生きている生活そのものが、歌舞伎の舞台になってしまう境地として、この物語では描かれる。 「いや、その逆だな。やめたくねえんだ。でもよ、それでもいつかは幕が下ろされるだろ。それが怖くて怖くて仕方ねえんだよ。だから……」 「だから?」 椅子から立ち上がろうとする喜久雄の腕を、思わず彰子が掴めば、 「……いや、だからよ、いつまでも舞台に立っていてえんだよ。幕を下ろさないでほしんだ」(p388) 幕が降りない歌舞伎、というフレーズが、この物語のラストの鍵になる。現実の世界をすべて舞台にしてしまうことで、喜久雄は、幕を下ろさないでほしいという自らの願望を叶えることになったのだ。 娘に言われるように、この物語は、喜久雄が出世するたびに、誰かが不幸になる物語になっている。そのあたりも、国宝になるには、ただではなれないんだなという説得力があって、まさに、喜久雄自身が言っているように、悪魔じみている。俊介が糖尿病で死んだところで、息子もひき逃げで落ちるあたり、誰も幸福にはしないぞという感じが徹底している。 ある夜、まだ小学二年生だった綾乃と近所の銭湯に行った帰り、白川の畔の小さな稲荷神社に寄りまして、二人並んで手を合わせたときでございます。 「お父ちゃん、神様にぎょうさんお願いごとするんやなあ」 と、喜久雄のやけに長い参拝に、横で綾乃が笑いますので、 「お父ちゃん、今、神様と話てたんとちゃうねん。悪魔と取引してたんや」 「ここ、悪魔いんの?」 「ああ、いるで」 「その悪魔と、なんの取引したん?」 「『歌舞伎を上手うならして下さい』て頼んだわ。『日本一の歌舞伎役者にして下さい』て。『その代わり、他のもんはなんもいりませんから』て」 その瞬間、綾乃の目からすっと色が抜けました。 「……悪魔はん、……なんて?」 「『分かった』言わはった。取引成立や」(p347) そういいった中で、唯一、喜久雄の呪いを逃れているのが、徳ちゃんである。中国でビッグになってくると言って退場してから、ラストシーンでしっかりとビッグになって帰ってくるあたり、この可哀想なキャラクター群の中で、弁天と並んで、数少ないずっと幸せだったキャラクターだった。 この物語には、不幸になるキャラクターと、何かしらの成功を収めて物語を終えるキャラクターが、割と明確に分かれている。もう一人、自分なりに納得のいく人生を文字通り終えたキャラクターに、万菊がいる。人間国宝にまでなった万菊は、晩年、自ら行方をくらまし、場末の宿場で、素人を相手に踊りを踊り、誰にも看取られることなく生涯を閉じる。物語に出てくるあらゆる役者の中で、万菊が決定的に違うのは、その人生の最後において、舞台の上に立つことを求めなかったことだろう。このあたり、舞台の上で死ぬことを求めて死んでいった二人の白虎や、テレビブームの中で、落ちぶれていってしまった役者などと違うところである。 この物語は、舞台の上で生きることを望まなかった人間だけが、幸福になる物語である。万菊の死に際は、まさしくそのような姿として見える。 まえの晩、また余興でもしたのか、その顔には白粉が塗られ、紅も差され、日当たりの悪い部屋だったせいもありまして、一瞬のことではありましたが、まるでそこに妙齢の美しい女性が眠っているように見えたそうでございます。(p213) 万菊もまた、喜久雄と同じく、舞台の上では、現実の世界を舞台として死んでいったのである。 こう考えてくると、この物語の語りが一貫して、舞台の口上のような語りになっているのも頷けてくる。国宝級の彼らからすれば、この世界は全て、演じられるべき舞台としてある。だからこそ、語り手は、最後に、観客たちに向けてお願いをするのである。 ですからどうぞ、声をかけてやってくださいまし。ですからどうぞ、照らしてやってくださいまし。ですからどうぞ、拍手を送ってくださいまし。 日本一の女形、三代目花井半次郎は、今ここに立っているのでございます。(p412) きっと、この口上を語る語り手も、一つの役柄として、演じられるべく存在しているのだろう。

    0
    投稿日: 2026.02.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画観てから読んでよかったー。 徳次あっての喜久雄じゃないか。 映画での春江のセリフと行動で腑に落ちない部分があったけど、元々徳次の言葉だったことが分かって得心した。 映画は上手く切り取って作りましたね。

    2
    投稿日: 2026.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    襲名する前までを読んで映画鑑賞。 映画では端役の説明が少ないところを本で補完できたので良かった。あらすじは知らないまま映画を見たので物語の流れは、映画を初見として楽しめたのも良かった。 映画、本と内容が大きく違うところはそれぞれの良さがあり、脚本家も作家も素晴らしい作品の構成に感動。 最後は、映画の方が好みかな。 本は喜久雄の最後が悲しすぎて、、せめて人間国宝になったのを知ってからだったら良かったのに(T-T) 後半は映画鑑賞後に読んだので、違いを楽しんだり、頭の中で映画の俳優陣を思い浮かべながらでより堪能。 本も映画も何度か楽しみたいと思える作品。

    1
    投稿日: 2026.02.05
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    上下巻の長編は読むのが大変だなぁ(読むの遅いので)と映画を先に観ました。そしてとても感動したんだけど、原作はもっとスゴイ‼︎と聞いて読むことにしました。 率直に言えば、映画と原作は別々の作品だと思いました。原作読んで、最後は号泣です。本当に読んで良かったです。 映画も原作もどちらも私は好きです。でも映画だけしか観てない人にはぜひ原作を読んで欲しいなと思いました。

    23
    投稿日: 2026.02.04
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    「国宝(下) 花道篇」吉田修一著、朝日文庫、2021.09.30 431p¥880C0193(2026.02.08読了)(2026.02.05拝借)(2025.08.30/19刷) 【目次】 第十一章 悪の華 第十二章 反魂香 第十三章 Sagi Museme 第十四章 泡の場 第十五章 韃靼の夢 第十六章 巨星墜つ 第十七章 五代目花井白虎 第十八章 孤城落日 第十九章 錦鯉 第二十章 国宝 ☆関連図書(既読) 「国宝(上) 青春篇」吉田修一著、朝日文庫、2021.09.30 「パレード」吉田修一著、幻冬舎、2002.02.10 「最後の息子」吉田修一著、文春文庫、2002.08.10 「パーク・ライフ」吉田修一著、文芸春秋、2002.08.30 「日曜日たち」吉田修一著、講談社、2003.08.29 「悪人」吉田修一著・束芋絵、朝日新聞社・連載、2006.03.24-2007.01.29 (「BOOK」データベースより) 舞台、映画、テレビと芸能界の激変期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながらも、芝居だけに生きてきた男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。芸の頂点へと登りつめ、命を賭してなお追い求める夢のかたちとはー。

    1
    投稿日: 2026.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画は長いなと見るか迷っていたところ本の方がいいと薦められて読んだ。上下巻併せての感想。 物語の最初は、九州の暴力団勢力の話なので、誰が誰やら状態で、ナレーションがですます調なのもしっくりこず入り込みづらかった。しかし、喜久雄が大阪に行くあたりから没入していった。歌舞伎の知識はほとんどなかったが、先日マツコの知らない世界で演目の説明を見ていたのでその分入りやすかった。演目については登場人物の心情の説明が丁寧で、登場人物の心情と重ね合わせることもあり、文章でも素晴らしさが伝わってくるものだった。だが、それよりも喜久雄と俊介の歌舞伎へかける思いが切実に描かれており、2人を取り巻く人間模様も丁寧に描かれていたことが、より歌舞伎の演目と共鳴して喜久雄の人生を深く見せていたように思う。先が気になって一気読みするようなタイプの面白さではなかったが、感情移入という意味では近年で1番感情移入したし、俊介の最期は涙なしには読めなかった。 映画も見たくなったけど、歌舞伎の演目はすばらしいかもだけど、人間模様が端折られてたら興醒めなので迷う。

    3
    投稿日: 2026.02.01
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    映画を鑑賞した時の感想としては、 喜久雄の人生とは幸せだったのか、なにかを捨てなければなにかを得ることもできないのだな、というようなものだった。 小説を読むとまた一味違って、なにかを失った(これは捨てたじゃない)からこそ人間国宝に繋がったし、本人の幸せなど他人が判断できるものでは到底ないなと…。 完全に悪い人も完全にいい人もなく、それぞれがそれぞれなりに精一杯生きていた姿を見ることができてよかったと思う。

    3
    投稿日: 2026.02.01
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    映画を視聴後に熱が冷めないうちに読んだ。後半になるにつれ、喜久雄の孤独が増していくのが辛く感じた。それは、芸を極めるために生きるということが、どれだけのことなのかと、全部をわかることはできないが、少しだけでも感じることができたと思う。

    2
    投稿日: 2026.02.01
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    一言じゃ言い表せない。喜久雄と俊介、どちらも本当に立派だった。ラストはとても綺麗な終わり方。個人的に影でずっと喜久雄を支え続けていた徳次が大好きだった。映画では全く出てこないようで、無念。

    2
    投稿日: 2026.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画見てからの原作。 …徳ちゃんめっちゃ献身的じゃん! そしてマツと幸子は言わずもがな、春江、市駒、彰子といった女性陣の強さよ。 映画はとってもキレイだし面白かったけど、喜久雄と俊ぼんに焦点を絞っていたことに、原作を読んで気付く(どっちが良いとかではなく)。 そして映画で印象的だった台詞はすべて原作にちゃんとあった。

    2
    投稿日: 2026.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジェットコースターの様でございました。ほっとしたらまた波乱の連続。 また、この語り口が癖になる感じで、普段の会話にまで影響されているのでございます。 映画の方も見てみたいものでございます。エピソードはだいぶ削られているとのことですが、きっと本では表現しきれない映像としての美しさが楽しめることでございましょう。 最後に徳ちゃんがすごいことになって帰ってきたのは、大変嬉しうございました。

    7
    投稿日: 2026.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年に大ヒットした映画『国宝』を観る前に、原作を読んでおこうと上下巻の文庫を手に取った。歌舞伎についての知識はほとんどなかったが、その不安は読み始めてすぐに消える。語りかけるような地の文と巧みな描写が、読者を自然と物語の世界へ導いてくれるからだ。 物語は長崎・丸山町から始まり、歌舞伎という芸の世界と、そこに生きる人間たちの業を鮮烈に描き出していく。喜久雄という才能が見いだされる瞬間は、まさに圧巻。芸に選ばれてしまった人間の運命、その残酷さと同時に宿る美しさが、胸に深く刻まれる。 映画版も素晴らしい完成度だったが、原作を読むことで、徳次や弁天、そして綾乃といった人物たちの存在がいかに物語の核を成していたかがよくわかる。舞台に立つ者だけでなく、その周囲で支え続けた人々の覚悟まで描かれてこそ、『国宝』は完成する。 そして――綾乃。 父を憎み、引きこもり、春江に半ば強引に外へ引きずり出され、それでも自分の足で生きていった彼女。 彼女があの言葉を喜久雄に投げかけるからこそ、あのラストは成立する。 あれは、原作を読んでこそ辿り着ける場所なのだと思う。

    4
    投稿日: 2026.01.29
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    映画化が決まる前にこの本を読もうと購入した。しかし、時代劇のような「ですます調」が肌に合わず、すぐに諦めてしまった。 映画は大ヒットし、3時間以上あるのにあっという間だった、という言葉を半信半疑で観に行った。目を離せる場面など一切ない、近年稀に見る傑作であった。 その興奮のままもう一度原作にあたった。やはり読みづらさはあったものの、頭に残像がある状態だったため、なんとか読み進められた。不思議なことに、その世界に引き込まれ、気がついたらこれまた最後まであっという間に読み終えた。原作と映画で異なるところは多々あるが、それぞれにおもしろさがあり、比較するとなおさら楽しい。

    3
    投稿日: 2026.01.28
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    下巻の方が好きです。波乱万丈な人生をいくつも覗き見ているようで、ハラハラしてしまいました。時に語り口調で、読者を観客と見立てているところは、一緒に美しい舞台を見ているようで面白かったです。映画を観たばかりだったので、違いを比較しながら読むことができました。

    3
    投稿日: 2026.01.28
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    辻村は、喜久雄の父である権五郎を殺したはずでは。 読み進めるあいだ、その疑念は消えることなく胸の内に残り、ひとつの「疑問」となっていました。 そして最後の最後になって、遅れて差し出された答えに、ようやく静かに頷かされた気がします。 読み終えて、喜久雄という男が生涯背負い続けた業の深さが、確かな重みをもって伝わってきました。 あの最後の舞台を目の当たりにして、綾乃は、父が背負ってきたものの正体を理解し、芸だけではなく、その人生ごと、父・喜久雄をようやく認めたのではないでしょうか。 もし俊介が生きていたなら。 喜久雄は果たして、「国宝」と呼ばれるあの境地に辿り着けただろうか。 そう思わずにはいられないほど、この物語は必然と残酷さに貫かれていました。 下巻約三百頁あたり、俊介が足を失い葛藤する場面からは、ページを捲る手が止まらず、物語に深く引きずり込まれていきました。 最後の舞台の場面では、鳥肌が立ち、情景があまりに鮮明に立ち上がってきて、しばらく言葉を失いました。 とんでもない読書体験でした。 この一冊に出会えたことに、心から感謝しています。

    9
    投稿日: 2026.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    赤と白がすごい印象に残る作品だった。色んな意味で普通では無いからこそ、色んなものの対比の表現が所々出ていて、白と黒ではなく赤の意味も血に由来する表現や女性に当たる表現で強調されていた。一方で白は主人公の直向きさや雪、無を表現、強調されていて構成もすごいと感じた。 本編としては最後の最後まで芸の道を極めた結果だったり、人生も全て賭けて高みを目指し、その全てを亡き父(悪魔?任侠?芸?)に捧げた。自分の中で解釈が難しく、それでも本当の最後はやはり父の仇を取りたかったのかと思うと。その全てが人生が役者だった?のかとか考察してしまう。 ちょっともやもやの部分があっては正妻と弟子の関係を仄めかすシーンは裏切りのフラグ?それに帯の話は正妻にたいする忠告なのはわかるがどうなったのだろう。徳ちゃん会えたの?気になるー

    1
    投稿日: 2026.01.27
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    歌舞伎を愛し、歌舞伎に生きた喜久雄の一生の物語。何かを突き詰めることは、本人にとっては苦痛の先にも成功や恍惚があるかもしれないが、その反面、こんなにも孤独な生き方となるのか。喜久雄のように国宝ともなる人間であれば、孤独に気付かないふりをし、孤独であることすら忘れてしまうのだと思った。血筋と実力、生と死といった現実と向き合い、葛藤しながらも歌舞伎に喰らい付いて生きた喜久雄はかっこいい。最後の竹野の、小さな水槽の錦鯉の話は、薄々気付きながらも読み進めていた自分の感情を言語化してくれていて、悲しく、やるせない気持ちでいっぱいになった、、

    2
    投稿日: 2026.01.26
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    さまざまな苦しみや悔しさ、悲しみを知ってもなお、歌舞伎の世界から離れようとせず、離れられなくなったふたりの生き様を知りたくて、ひと息に読み終えた。境地に達した人が、更に上を目指そうとする孤独感が伝わってきて、読んでいて苦しいくらいだった。 上巻の感想で「徳次の存在が救い」と書いたが、約束どおり河を白く染めて戻った徳次に早く会わせてあげたい、と祈るような気持ちになった。

    2
    投稿日: 2026.01.26
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    なるほど、映画の3時間は短すぎる。 芸を極め、人間を高める営みの厳しさと雅をまざまざと見せつけられた。

    2
    投稿日: 2026.01.25
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    読み終えた。 終始、あまりの美しさに色彩に息を呑む。 運命の残酷さと、舞台に立つ者とそれを支える人たちの業みたいなもんがみっちり詰まった物語だった。 どんなに苦しくても血を吐いてでも、舞台に送り出すひとたちがいて、舞台に立つ人がいることに敬意を。

    3
    投稿日: 2026.01.25
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    めっちゃ良かったです!語彙力無し(T ^ T) 最後はずっと涙目で読んでいました。 何でこんなに波瀾万丈なんでしょう? 次から次へと問題が降りかかってきて‥。 喜久雄の芸を極めたい気持ち。 悪魔に歌舞伎を上手くしてください、それ以外何もいらないからと願ったと娘の綾乃に言ってしまうのは、壊れてるように感じる。 後半に向かって喜久雄が壊れていってるのに周りがそれでも喜久雄を必要として。 芸の為には何もいらないと思いつつ周りの人の幸せを願ってる喜久雄の生き方が壮絶で悲しかった。 これを3時間の映画でみせるのは無理だとは思うけど、吉沢亮と横浜流星の演技を観たいなぁと思った。 400ページ上下巻、あっという間に読み終わりました。

    40
    投稿日: 2026.01.24
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    歌舞伎の文字描写を読むだけで、多くの読者が感じたであろう『歌舞伎を鑑賞したくなる』が納得です。 が、自分は想像力が乏しすぎてこの描写の素晴らしさが文字ではイマイチ伝わらなかったからに他なりません。 映像で観たいです。 特に『源氏物語』2パターンを吉沢亮さんと横浜流星さんで。 って完全に映画に影響されとるやないかい! 映画では描ききれなかった、 最後まで欠かせなかった人物の徳次、 年齢を経てからの喜久雄と周囲の人々、 俊ぼんの生き様、 何より水槽の中の錦鯉のようになってしまった《芸》という生物であった喜久雄、  人間国宝という人が人を公式に評価する難しさ等、読み応えある作品でした。 喜久雄、俊介、徳次。 三者三様の苦悩と幸せが時代とともに複雑に絡み合って躍動していました。

    35
    投稿日: 2026.01.24
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    映画視聴組です。 月並みな感想だけど、小説には小説の良さ(こちらは浪花節的な人情を押し出している)があって良いですね。 映画とは甲乙つけがたいです(と、言うかそもそもテキストメディアと視覚メディアなので比較出来ないんですが)。 敢えて言うと、小説は後半に向けるにつれジックリと描写を重ねていくイメージ。目頭が熱くなる部分が沢山ありました。 丹波屋(春江、一豊)のエピソード、綾乃のエピソードも丁寧で掘り下げが効いています。徳次、竹野も良いキャラクターですね。

    3
    投稿日: 2026.01.22
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    花道編の芸に生き、芸と共に死にたいと思う狂気が凄まじく感動しました。 映画を観ていませんがこの内容を3時間で伝えられるのか今度映画を観に行こうと思います。

    4
    投稿日: 2026.01.22
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    3日くらいで一気に読みました。映画よりも波瀾万丈でした… 映像はないのに喜久雄の美しさと孤独と狂気が伝わってきて、最後は感動で泣きそうになった。 映画の感想でもよく見られる「なぜ春江は俊介と結婚したのか」は、アメリカ文学者のイヴ・K・セジウィックが提唱した「性愛の三角形」に当てはめるとスッと理解できる。映画を観た時にもなんとなく感じてたけど、原作を読むとよりそう感じた。 つまり、喜久雄と俊介は、春枝を頂点とする三角関係にあって、2人は恋愛の文脈で春江を、歌舞伎の文脈で技量を競走するうちに、春江との関係よりも男2人の関係の方が深く濃密になっていっている。原作でも映画でも見られる「俊ぼんの血を飲みたい」という喜久雄のセリフや、『曽根崎心中』で恋人同士を演じる喜久雄と俊介からも2人の間の欲望が窺える。 原作では喜久雄の娘の綾乃を春江が引き取って育てる期間がある。これは春江を綾乃の「育ての母」とし、喜久雄と春江の擬似夫婦関係を構築する。さらに喜久雄の血を引きながら、梨園の女将としての「技量」を得た綾乃は関取と結婚し、歌舞伎界と同じように男社会の角界の女将になる。 一方、俊介の息子の一豊に「技」を教えるのは喜久雄。一豊の中では俊介の血と、喜久雄の技が混ざり合う。 つまり子供世代を見ると、喜久雄と俊介と春江は3人で一豊と綾乃を育てている。 だからこそ、なかなか現れない恋人が自分を捨ててしまったのか、それとも恋人はもう死んだのか嘆き悲しむ阿古屋を演じる喜久雄は、死んでしまった俊介を想って演じているようでとても美しくて悲しかった。実際、舞台の喜久雄を見ながら涙を流した春江が俊介を思い出し、心の中で俊介に話しかけていて、俊介の存在が前景化されている。 「春江のことがよくわからない」という感想も散見されますが、自分の中では春江の行為は俊介と喜久雄の関係を強める上で納得できるものでした。原作読んだらまた映画も観たくなりました! あとは映画では序盤のみの登場の徳次がめちゃくちゃいいやつだった。綾乃のことを「お嬢」って呼ぶのも好き。

    17
    投稿日: 2026.01.20
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    映画を観てから原作を読む。 春江は俊介と共にいた時間のひと時たりとも喜久雄の存在を忘れたことなど無かった事にやや安堵。映画だと、喜久雄から俊介に乗り換えて歌舞伎名門一家に嫁ぎ、俊介に関しても全てを喜久雄から奪った男に私には見えたから。 原作の俊介は、一度は歌舞伎の道を投げ出したものの、投げ出しきれずに鍛錬し父親の元に戻るも認められず、さらに必死で修行に励み、やっとの思いで元いた道に戻ることを認められている。 そんな俊介を戸惑いながらも受け入れ、共に舞台に立つのだから、喜久雄もなかなか器の大きい男である。 それに逆に側から見ると喜久雄自身が疫病神のように映るのかもしれない。喜久雄は全てを手にし、周りの人々は全てを失っていく。とはいえ徳次だけが大成功し喜久雄の元に戻ってくるのだ。彼と言う存在は喜久雄の人生において大きな存在だっただろう。実際彼が中国へ立った後の喜久雄は歌舞伎においては全てを手にしていても、人間の域を越え、ただただ舞い続ける操り人形のようになっていたのだから。

    6
    投稿日: 2026.01.19
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    映画がいかに喜久雄の人生の一部なのか思い知りました。徳ちゃんをはじめ、春江、俊ぼんが歌舞伎を離れていた時期など、喜久雄の人生はもちろん、その周りの人たちの描写もあったので、満足度が高いです。言語化が難しい。 人生というか生涯って感じかな...。

    13
    投稿日: 2026.01.19
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    他人の壮絶な人生を詳細に聞かされて、「今の話についてどう思いますか」と質問されても、何て答えてよいか分からないだろう。この本の感想もそんな感じ。「・・・はあ」としか言えない。 上下合わせて、それなりの分量があるし、文章も話し言葉とは違うので読みやすくはないのに、気付いたらページが進んでいた。

    14
    投稿日: 2026.01.19
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    上下、合わせての感想。 映画を観て心揺さぶられ、原作も読んでみた。 語り口調が最初は慣れなかったけど、するする読めた。 映画も大変良かったが、小説も良い。芸に魅せられた喜久雄の人生を私も一緒に体験したような、没入感が高い小説だった。

    5
    投稿日: 2026.01.18
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    映画も最高だが、こちらも最高!このストーリーで作った映画も観てみたい。何時間でもいけるし、二部作でもよい。

    4
    投稿日: 2026.01.18
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    圧巻。 上巻を読んでからすぐに読んでしまった下巻。 映画の奥なのか別なのか、とても深い話でした。 そして、切なくて胸が苦しくなりました。 語り口調のもう1人の登場人物のようなストーリーの進み方。口調も歌舞伎っぽく読みやすくそれも次に次にと読みたくなる理由でした。一人一人の登場人物が一生懸命で愛らしく、全ての人の人生をもっと知りたくなります。 脳内に歌舞伎の世界が広がっていて、しばらく余韻に浸りそうです。

    9
    投稿日: 2026.01.18
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    映画をまだ観ていないが 小説としては非常に完成度が高い。 リアルでとても惹きつけられた。 同時に、芸の未知なる世界についても、勉強になった。 歌舞伎に触れたくなった。

    3
    投稿日: 2026.01.17
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    最後の最後まで波乱にとんで?、目が離せない展開。日本一の女形になるため、高みを目指して芸の道に進む俊介と喜久雄の姿に感動!身体の自由がきかなくなってしまった俊介が、精一杯の力を振り絞って演技する姿が描かれている場面、鳥肌がたった。終盤、歌舞伎の舞台の観客であるかのような錯覚を覚え、喜久雄の演じる光景が眼前に広がった。 歌舞伎の演目がたくさん出てきており、今まで名前しか、名前すら知らないものもたくさんあった。少しずつでも、歌舞伎について知りたいと思った。 以下、余談です。 2017年〜2018年まで、朝日新聞に連載されていた『国宝』。当時、朝日新聞を購読していながら、読んでいませんでした。今、連載されているのは『あおぞら』(柚木麻子)。シングルマザーの主人公が、困難を乗り越え、保育園設立に向け奮闘するお話で、おもしろいです。最近だと『C線上のアリア』(湊かなえ)が良かったです。

    40
    投稿日: 2026.01.17
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    映画を観た後に読んだ。 映画では描ききれない登場人物や、時間が本を通してわかり、本で想像できない“国宝”の演舞を映画を通して情景で思い出させてくれた。 血か芸か。血に勝る為には神ではなく、悪魔に願い、全てを捨ててひたすら芸を磨くしかない。 歌舞伎という伝統家芸に実力だけでのしあがることの難しさはとてつもなく、それを乗り越え見た景色の素晴らしさが、不条理を全てなしにしてくれるほどのものだったんだなと感じた。 喜久雄と俊介が歌舞伎に人生を賭け、どれだけ芸に振り回され、関係が壊れたとしても最後は芸で繋がってるところも、そこだけは悪魔でも切れない関係だったんだなと嬉しくなった。

    3
    投稿日: 2026.01.17
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    家族や病気、己の出自に歌舞伎界の人間関係などさまざまな困難にあいながらも、芸の道・美しいものを求めた役者たちの生きざまに震えた。単純な善悪でははかれない人間の生きざまは、自分と社会のかかわりを見直す機会にもなった。

    3
    投稿日: 2026.01.16
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    映画を見たあとに小説読了。映画もよかったし、小説もよかった。映画読んでから小説読むと、横浜流星とか、高畑充希の顔が浮かんできてまたいつもの読書とは違う映像が立ち上がる経験ができたのも面白かった。高畑充希はエライべっぴんさんやな、と映画見て思った。 ストーリーは上巻は映画とはぼ一緒、下巻は映画とは違うストーリーで楽しめた。燃えよ剣の歌舞伎版って感じで、技を究める男の美学って感じの話。日本人ってやっぱりこういう職人に憧れる感覚あるよね、特に現代は雇われサラリーマンが人口のほとんどで、一つの技能を究めていくって感じじゃないから、憧れが強くなるんだと思う。

    4
    投稿日: 2026.01.16
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    いや〜、圧巻‼️ 映画も観たけど、だいぶ端折られていましたね。 そして、何もかもが綺麗過ぎました。 まぁ、仕方ないですけど。 映画だけで満足せずに、原作に圧倒されて欲しいものです。

    4
    投稿日: 2026.01.16
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    上巻を余裕で超えてくる面白さ。 映画とは全く別物。 先に映画を見といて良かった。逆だったら改編に文句垂れてた可能性あり。 一方で映画としてドラマチックな魅せ方に舵を切る脚本の編集はそれはそれで見事だったと思う。 国宝外伝「徳次」。お待ちしてます。

    12
    投稿日: 2026.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    遺恨のあるライバルであり親友とやっと手をとってこれからというときの不幸。そして別れ。兄弟分との別れ。時代が移り変わりゆくなか、ひたすらに理想の芸を追いかける。 それほどでなければ「国宝」と呼ばれるものにはなれやしないのだろうと感じる。最後は、人を越え更なる高みへと、新たなステージに旅だったのだと思いたい。上巻は独特の言い回しに読むに苦労したが、下巻は世界に引き込まれたせいかページを捲る指が止まらなかった。読み終えたと、ホッとする気持ちと終わってしまった寂しい気持ちがある。 徳治がかっこいい。できれば再会してほしかったと思う。 映画もサブスクで出たら見てみたい。

    5
    投稿日: 2026.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画とは全くの別物で驚いた。何よりも徳次の存在感よ。特に綾乃を連れ戻したところは作中屈指の名場面では?よくこの人をバッサリ切る判断をしたなと、徳次ファンは怒っているのではなかろうか…。 映画は喜久雄のどん底からの復活劇という印象だったが、原作ではどん底に落ちそうになりながらも、なんやかんや誰かが助けてくれているので、映画ほどの爽快感は味わえない。一方で芸を極めていく喜久雄の凄みは強烈。映画が堕ちていくことで孤独になったのに対し、原作は登っていくことで孤独になってしまった。 描かれずに終わってしまったが、徳ちゃんがまた喜久雄を孤独から救ってくれていることを願う。

    4
    投稿日: 2026.01.16
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    こんなに歌舞伎を愛し、歌舞伎に愛され、時に裏切られ、それでも食い付いて行く強い精神と運。歌舞伎の世界にのめり込み、歌舞伎に支配されて行くキクオ。それを止められず、見守るしかない周囲の人々。時代の渦に巻き込まれて、様々な困難に遭い、それでも芸の道を極めたいという一心で歌舞伎に向き合って行く熱い男達の話でした。

    10
    投稿日: 2026.01.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画を観て読んでみたくなったので買いました。 映画でいろいろ省略されるのはもちろん分かるけど、原作と違うところも多々あるんだなと思いました。でも嫌な感じはせず、映画はこの本の大事なところを大胆かつ上手くまとめたなぁと思う。 映画にも原作にも共通して思うのは、ストーリー展開がめちゃくちゃ良いー!って感じではなく、圧倒的な世界観と言うか、歌舞伎の美しさとか人間の生々しいところ、あらゆるものを犠牲にして辿り着く境地へのゾクゾク感、吉田さんや李監督の熱量、そういうものに感動するのかなと思いました。 映画と原作の順序が逆だとどう思うのか分からないけど、歌舞伎に詳しくないなら、映画を観た後の方がイメージはしやすいかも。 原作の細かい描写を理解した今、もう1度映画が観たいなぁ。

    4
    投稿日: 2026.01.15
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    映画を2回観てこれは原作を読むべき!と 思い読んでみたけど、映画には無い脇役であった登場人物の人生も主人公レベルに描かれていて とても素敵だった。映画とほとんどブレてない にも関わらずより歌舞伎を知りたい、 もっとこの人(登場人物)の人生を見てみたい って思ってしまう。 また本の書き方も空から他の誰かが全ての流れを 眺めているような所がたまらなく良い。 最後の終わり方も読み手によって、悲しくも、ハッピーエンドにもなる所がもしかしたら 続編があるのかも(無いのだけど)って 思わせる所も良い ちなみにその後にまた映画を観ました。笑

    2
    投稿日: 2026.01.14
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    俊介と喜久雄という二人の歌舞伎役者の人生を通して、「芸」と「人間」の残酷さと美しさを描き切った圧巻の物語だった。映画は未見だが、原作小説だけでも十分すぎるほどの熱量があり、とくに下巻に入ってからの展開はまさに怒涛。これまで積み重ねられてきた感情や因縁が一気に噴き出し、読む手を止めることができなかった。

    6
    投稿日: 2026.01.13
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    年末に5年ぶりぐらいに映画を観て、素晴らしかったのでもっと詳しく知りたいと小説も読んでみました。 内容は圧巻でした! 映画は原作とはかなりストーリーが変更されていて、別物の話として観ればいいと思いますが、映画では省略されていた細かい情報がわかるだけでなく、登場していなかった数々の人物の描写がありました。 また、映画を観ているからイメージがつきやすかったところはありますが、文章でここまで場面や情景を喚起させられる吉田修一さんの描写力、歌舞伎の知識、次を読みたくなる展開や広大な場面構成などが素晴らしいと思いました。 文量がかなりあるので、私は映画を観てからの方が既有知識が増えて読みやすかったです。 映画も小説もむちゃくちゃ完成度の高い、歴史に残るような作品でした!

    4
    投稿日: 2026.01.13
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    少年が歌舞伎の道に入り、その芸を極めてゆく波乱の人生を描く。 芸に真摯な主人公にしびれた。脇役もそれぞれ人間味があり魅力的。 歌舞伎の知識がなくてもこの小説の世界を十分味わえる。「・・・なのでございます。」といった語り口もこの小説によく合っている。

    3
    投稿日: 2026.01.13
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    上巻と同じきっかけで購入! もう衝撃だったし一瞬だった!!! 少年から国宝になるまでの一生にいろんなことがありすぎて読んでいてしんどくなった。 でも、読んで、たまらない充足感を得られて幸せな本だったなぁ。 いろんな人に進めたい!

    14
    投稿日: 2026.01.12
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    最後はハッピーエンド?と言うことで良いのかな?? 歌舞伎という、普段、全く触れることのない世界を、その背景含め、とてもわかりやすく教えてくれた。一度歌舞伎を観に行きたい!と思った。

    6
    投稿日: 2026.01.12
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    不器用な人間が、生まれた環境に負けず、歌舞伎の道を前に進み続けて、国宝になるまでの話 人生は難しい 客目線での歌舞伎の楽しみ方もわかる

    3
    投稿日: 2026.01.11
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    感動しました。泣きました。 衝撃的なこともあり、感情がぐちゃぐちゃになりました。私の一番の衝撃的な所では、なんで気づかないの?とびっくりしています!! 下を読んでも、これ実話じゃないの?と思ってしまうので最後まで疑ってしまいました。 国宝はネタバレオッケーな人と話したいぐらい、いい作品だと思っています。 映画はカットシーンもあるので、是非小説も読んでもらいたいと思いました。

    15
    投稿日: 2026.01.11
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    巻末の膨大な参考資料には圧倒される。 それらを読みこなしてこそのこの傑作かと、改めて思う。 芸を極めるとは、かくも凄まじいものか、と読了。 しばし、この小説世界に浸る。

    10
    投稿日: 2026.01.11
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    人間くささと芸に生きる部分が織りなす本当に波乱万丈な人生が描かれていた。周りの人々も人間くさいんだけと、それぞれの役目を一途に務める。俊ぼんとの関係性はこの上なく良い。早く映像でもみたい。

    2
    投稿日: 2026.01.10
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    展開も膨大な取材量もすごかったけど、何より語り手があまりにチャーミングだった。特に劇場を紹介するところ。自由で、親しみやすくて良かったな~~

    2
    投稿日: 2026.01.09
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    後半から人間国宝への道筋が徐々に見え始め、その先の展開を想像するのがとても楽しみでした。 友人の悲劇に心を打たれつつも、それを受け止め励ましながらこの世を去る姿が、最も印象に残っています。 また、遺恨を残したライバル関係から、再び手を取り合う二人へと移り変わっていく過程も、期待通りの展開で良かったです。 本を読み終えた後に映画を鑑賞しました。 映画では主要人物の一部が登場しなかった点は残念でしたが、映像美と主演二人の演技に強く引き込まれました。

    8
    投稿日: 2026.01.09
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    映画を先に観てから読みました 後半は映画とはかなり変更が多かったです 映画では喜久雄と俊介の関係性と悪魔に魂を捧げてでも歌舞伎を究めたいという喜久雄の芸道に焦点が当たっていましたが 原作では家族や友人などの交流も描かれ、人としての葛藤も多くありました 極道や妾、隠し子など、こういったことを取り上げるには厳しい世情も加味してこうなったのだとは思いますが 消してしまうには惜しいエピソードが多くあったので、小説で補完出来て良かったです

    4
    投稿日: 2026.01.07
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    映画を先に観て、その後にたまたま原作を読むことができました。 文章からも歌舞伎の美しい情景が目に浮かんできます。

    3
    投稿日: 2026.01.05
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    圧倒的にラストシーンは小説の方が良かった。 映画では人間国宝となった時の取材に綾乃が姿を現すけれど 子世代がしっかりと描かれた小説の方が好みだったな。 芸事に突出するためには悪魔に魂を売らなきゃいけない、というのはまことしやかに色々な界隈で囁かれてきたことだろうけど まさにそれを体現した物語。

    4
    投稿日: 2026.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後のシーンでは、芸を極めた者の境地に辿り着いた喜久雄。それは必死に努力した素晴らしい結果であるはずなのに、周りとの落差が辛い。。 数多の賞を取ったが、その道のりは辛いもので、幼い時を共にすごした俊介の死去、娘からの辛い言葉、辻村の死…でも徳次が救いだったなあ。波乱万丈な人生の中、唯一の安らぎ感。時間が経った頃に再読したい。

    6
    投稿日: 2026.01.04
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    映画、国宝の評判を聞き、まず本を読んでみようと思い読み始めました。歌舞伎の知識は何もありませんが、引き込まれ、一気に読み終わりました。感動ものです。

    3
    投稿日: 2026.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    小説を読んでいるというより、喜久雄の周りに漂う空気となっている感覚だった。喜久雄が歌舞伎にのめり込み、最終的には歌舞伎を演じながら幕を下ろされる前に自死するまでの間、「引き込まれている」と感じざるを得ない。長年競い合ってきた俊介が、意地で演じ切り、苦しみながらも満足しながら亡くなった時は、物語に泣かされるということを初めて経験した。 もっと早く読んでいればよかった。

    3
    投稿日: 2026.01.03
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    映画を観てから本へ。主役2人だけではなく、周りの人たちも濃密に描かれていて、やっぱり小説っておもしろいなあとしみじみ思いながら読む。

    3
    投稿日: 2026.01.03
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    吉田修一の『国宝』読了。 正直、主人公たちのことが理解できなかった…。 両足が無くなってもなぜ舞台に立とうと思うのか? あからさまな嫌がらせにも耐えて舞台に立とうと思うのか? 自分だったら絶対無理。そこまでして仕事したくない。 でも、理解できないからこそ、彼らの狂気じみた美しさに圧倒されてしまった。とんでもない読書体験。

    4
    投稿日: 2026.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    徳ちゃんとの篤い友情(同志?)に胸熱。 映画ではサラッとしか出てこないけれど、徳ちゃんの台詞を他の登場人物が言っていたり、喜久雄に贈られる数少ないお花の中には必ず名前があったり…と、ところどころに片鱗が。 映画とは異なるラストに胸を締めつけられた。 映画はあの最後で良かったと思うし、原作はこの最後で良かったと思う。 ただ、少なくとも1週間は引きずった。笑 それくらい重い「余韻」だった。

    3
    投稿日: 2026.01.03
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     人生は長いようで短く、芸術は世代を越えて延々と続く。 人というのは、世の変遷に合わせながら与えられた人生の役回りを演じる存在に過ぎないのかもしれません。  下巻では、バブル期とその崩壊など、日本の移り変わりを背景に、梨園を支えるようになった二人の宿命のライバル同士の人生の岐路が描かれます。(よく下巻一冊でおさまったなぁ、と思います)  きっと作者は歌舞伎をとても愛しているかたなのでしょうね。 二人の主人公の人生を描くことによって、歌舞伎という芸能の存在の大きさが浮き彫りにされているような気がします。  ここへきて、この作品のタイトルがなぜ「国宝」なのか? ということを考えざるを得ません。。。  「第19章 錦鯉」339ページには、国宝(人間国宝)の説明があります。そして、最終章の第20章は「国宝」です。  どうぞ実際に本作品を読んでご覧になり、ご自身の答を考えたり感じたりしていただきたいと思います♡  主人公のふたり、本作品に登場する数々の歌舞伎役者、そして歌舞伎という芸能の世界に関わることとなった(その家族を含む)人たちの人生を考え、人生の数奇さを感じています。どこを切り取るかによって、また評価する側の状況によって、評価は変わるのかもしれません。  そこが読書の醍醐味であるのでしょう。(再読が楽しみです。たぶん初読の読みは浅いと思いますので。) (そういえば、『ガラスの仮面』の結末はどうなったんだろう?)  本作品は、みのりん国の国宝となりました♡  映画も観てみようと思います♡ (とりあえず、Eテレで歌舞伎座の生中継を観てみます♡) (歌舞伎を観ずして本作品は語れないような気もします。)  ***原作のレビュー、これにて幕引き〆

    275
    投稿日: 2026.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻は青春小説かな、と受け取ったが下巻はさらに目まぐるしい展開で、芸に生きた男と女たちの大河ドラマだった。下巻は喜久雄と俊介の確執になるかと思われたが、そうはならなかった。俊介には過酷な運命が待ち受ける。息子の一豊を喜久雄は託されるが、一豊も痛恨のスキャンダル。丹波屋のピンチ。娘の綾乃の自宅の家事…。栄光と挫折の繰り返しに、通底するのは喜久雄の芸に対する執念。まだまだ続きが見たい思い。 久々にすばらしい読書体験だった。

    3
    投稿日: 2026.01.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語としては映画よりこっちの方がいいな 徳ちゃんが中国で一旗上げて帰って来たり、喜久雄と市駒の娘の綾乃が結婚して子どもできて、喜久雄のこと頼ってたり(内心思うことはあったとしても)、喜久雄が綾乃や孫を大事に思っていたり、彰子と一緒に暮らしていたり、歌舞伎役者として狂ってはいるけれども、小説の方が情があっていい。

    3
    投稿日: 2025.12.31
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    凄いものを読んだの一言に尽きる。波瀾万丈とはまさにこのこと、苦難ばかりの彼の人生。それでも歯を食いしばって続けてこられたのは、やはり芸への情熱ゆえだったのだと思う。芸に生き、芸に捧げた一生。圧巻の終幕に観客のごとく息を呑み、万感の思いが込み上げる。今年を締めくくる作品がこれで佳かった。 また、語り口が明瞭で非常に読みやすく、かといって単調ではなく、要所要所で血の通った生きた表現が立ち上ってくるのがまた秀逸だった。苦しい場面が多いけれど小説は笑いどころもあって、緩急のバランスが良い。 映画の方を先に観たけれど、小説が映画を補い、映画が小説を洗練させていて、良い相乗効果になっていると思う。映画を観た人にぜひ読んで欲しい。

    13
    投稿日: 2025.12.31
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    上下巻通しての感想。 歌舞伎役者の家に生まれた俊介と、極道の家に生まれて縁あって歌舞伎の世界に入った喜久雄の、友情と芸にかける思いが爆発する様子は良かった。 最後、徳次と喜久雄が再会する場面も読みたかった。 綾乃が幸せになってよかった。 登場人物それぞれ細かく描かれて、感情移入できる。面白かった。

    3
    投稿日: 2025.12.31
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    映画から小説に入り、この順番で良かったと思う! 本当にページを捲る手が止まらない本だった、年末にばばっと読破、続きが気になってしかたなかった 映画には出てこなかった登場人物やその心の動きが面白かった 喜久雄が他者目線で語られることが多いことがとても興味深かった、最後まで孤独な喜久雄だったけれど、国宝をとるくらいの人ってそういう人なのかな

    2
    投稿日: 2025.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初の1、2章は特に妬み嫉みが痛いほど感じ取れて読むのが辛い反面、気になりすぎてページを捲る手が止まらなかった。 そして徳次最高、そして竹野の出世ぶりに驚き! 最後を読者に委ねる感じは期待してなかったなぁ〜 でもどんな終わりでもしっくりこなかったからそうなったんかな。いずれにせよ、話題作、めちゃよかった。

    2
    投稿日: 2025.12.30
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    (上下合わせての感想) とても、素晴らしかった... 世襲色の強い歌舞伎界で、歌舞伎の血筋ではない喜久雄がたくさんの苦難がありながらも地位を築き上げていく盛大な人間ドラマ。 本当に色んなことがあって、決して順風満帆な人生では無かったし、周りの人や喜久雄は多くのものを失ってしまうけれど、芸の道一筋にここまで心血を注いでいる登場人物たちが輝いていた。 歌舞伎の描写がとても美しかった。所作のひとつひとつが、ありありと心に浮かんできた。 歌舞伎ってほんとに美しい伝統芸能だなあと改めて感じた。見に行きたいな。 語り口調なのもとっても良かった!! ほんとに最初から最後まで引き込まれまくりでした。 素晴らしかった。 (オーディブルにて)

    7
    投稿日: 2025.12.30
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    映画を観たことをきっかけに、この小説を読みましたが、圧巻の映画の一方で、原作ではまた違った力強い物語が展開されていました。 歌舞伎の演目に対しての詳細な描写から作者の熱意が伝わってきて、一作一作をぜひ見てみたいと思いました。

    2
    投稿日: 2025.12.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    100万部を超えるベストセラー 鳴り止まぬ拍手と眩しいほどの光 舞台、映画、テレビと芸能界の激変期を駆け抜け、幾多の換気と絶望 芝居だけに生きてきた男たち 血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、裏切り、絶望 命をとしてなお追い求める芸の最終形とは。。。

    2
    投稿日: 2025.12.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    圧倒的な熱量で描かれる「芸」の物語だが、読み終えて心に残ったのは、華やかさよりも「哀しさ」や「人間の弱さ」だった。 ​1. 「美」からの解放(万菊の死) 大役者・万菊が最期に選んだのは、美しいものが何一つない山谷のドヤ街だった。「ここにゃ美しいもんが一つもないだろ。(中略)もういいんだよって、誰かに、やっと言ってもらえたみたいでさ」という言葉が胸に刺さる。 生涯をかけて美を追求し、演じ続けることの凄まじい緊張感。そこから離れ、汚れた天井を見上げることでようやく自分自身を取り戻せたのだとしたら、これほど切なく、また人間らしい最期はないと感じた。 ​2. 成功の影にある「屍」(喜久雄の業) 主人公・喜久雄が人間国宝へと登り詰める過程は、周囲の犠牲の歴史でもあった。父、徳次、そして親友でありライバルの俊介。俊介が足を失い、命を燃やし尽くすのと反比例するように、喜久雄の芸は完成されていく。 娘・綾乃の「なんでお父ちゃんばっかりエエ目みんの?」という叫びは、芸の理屈が通じない生身の人間の悲鳴だ。多くの犠牲の上に立つ「国宝」という称号は、幸せの証なのか、それとも孤独な十字架なのかと考えさせられた。 ​3. 自分の中にある「弱さ」(一豊の事故と春江) 物語の核心ではないかもしれないが、一豊が事故を起こした際、母・春江が隠蔽を図ろうとしたシーンに戦慄した。 倫理的には許されないことだが、「もし自分が同じ立場なら、保身に走らずにいられるか?」「子供を守るためなら、同じ過ちを犯すのではないか?」と自問せずにはいられなかった。 英雄たちの物語の影で、平凡な人間が抱える「弱さ」や「脆さ」を突きつけられ、自分自身の倫理観を見つめ直すきっかけとなった。 ​ この作品は、一人の天才のサクセスストーリーであると同時に、その光に焼かれた人々の鎮魂歌であり、読む者の人間性を試す鏡のような物語だった。

    3
    投稿日: 2025.12.26
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    出勤前にバスで読んでいたら涙が… 一言では表せない何かが 胸の中でざわつきました。 歌舞伎の世界って本当にすごい 映画も観に行きたくなったので行ってきます そして本物の歌舞伎も見に行きたいです

    7
    投稿日: 2025.12.26
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    下巻をカフェで読み終えたんですが、危なく泣きそうになりました。 荒筋はだいたい皆様ご存知のとおりだと思いますが、任侠の家に生まれた喜久雄が歌舞伎の女形として大成するまでの物語。先に映画を観てから原作を読みましたが、これが大当たりでした。 不勉強で歌舞伎の事はズブの素人ですが、映画を観ていたことで歌舞伎の演目の描写の場面では鮮明にその映像が蘇り、また映画には登場しない演目も沢山出てきますが、観ているといないとでは脳内イメージの精度が全然違うもので、なんとなくではあるものの舞台の情景が目に浮かんできました。 映画では語られなかった部分、異なるストーリー展開、登場しなかった人物の活躍など、全く違う肉付きの物語ではありますが、よく言われる「映画と原作どっちが良いか」問題については、「国宝」は互いに補完関係にあると言っても良く、優劣を付けるような類のものではないと思います。 本当に巡り会えて良かったと思える、心に残る作品です。全てを忘れてもう一度映画から観てみたいとすら思います。 小説のラストは、文字のみで表現しているとは思えない美しさと儚さに満ちています。日本人としてこの物語を享受できることを、心から幸せに思いました。

    20
    投稿日: 2025.12.24
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    映画を観たあとに読みました。 上下巻合わせると結構なボリュームがありますが、面白くてどんどん引き込まれてしまいました。 はじめの料亭での立花組VS宮地組の抗争など、映像だと刺激が強すぎて 観ていて辛くなるシーンがありましたが、 本だと文章表現の美しさが一番に感じられて、とても良かったです。 映画を観た後なのでどうしても登場人物は俳優の顔で置き換えられますが、置き換えても全く違和感がありません。 改めて、表方裏方関係なく、映画に携わる人全員が本気で作った作品だったんだなと感じました。 映画では全ては描かれていないディテールの部分も 本で読むことができたので良かったです。

    25
    投稿日: 2025.12.24
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    上巻に続いて下巻も読み終わりました。 喜久雄が国宝になるまでの道のりが見事に描かれている作品でした。 とても読み応えのある面白い作品でした。

    4
    投稿日: 2025.12.24
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    専門を極めていくと確かに孤独になっていきます。ついてこれる人がいなくなると言うのはおこがましいですが共感しあえる人がいなくなるのは事実でしょう。この物語ではそんな中でも支えてくれる人はわずかですがいつも近くにいるのですよという希望が読み取れるのではないでしょうか。本人は気付かないでしょうけど。 ひとりの歌舞伎役者の生涯を通して、長い人生、時代とともに変わりゆくことばかりです。変わらないものはなくこの世の無常を知らされます。 しかし移ろいゆく世の中でも阿古屋という芝居ではたとえ人の心がかわりまた自分の人生が終わろうともあの美しい思い出だけは誰にも奪えないのだと伝えてくれます。それだけでこの人生満足だったなぁと締めくくることができそうです。

    3
    投稿日: 2025.12.24
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    歌舞伎に真剣な男たちの人生に泣ける。 海老蔵が映画の国宝を観た感想として、喜久雄より俊ぼんの方がしんどい。背負ってるものの重さが違うと言っていた。 「本物の役者になりたいねん」と春江に言った俊ぼん。 「いつまでも舞台に立っていてえんだよ。幕を下ろさないでほしいんだ」と彰子に言った喜久雄。 ザ凡人の私にはどちらがしんどいのかはわからないけど、それぞれのやり方で歌舞伎に真面目なのはわかる。 万菊さんの最期や、人のいい徳ちゃん、歌舞伎一家を支える女性陣たちにも物語があって、とりあえず胸が熱くなる。

    18
    投稿日: 2025.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    駆け足で喜久雄の人生年表を読み上げた感じ。 いろんな人の事情を掻い摘んでいくから誰にも共感できず、かと言って喜久雄にもさほど入れ込めず終わった。 演目もあれこれ飛んで誰がどれを演じたんだっけ?と混乱。ラストの読者視点?神視点?は思わず「えっ…どうしたの」と白けてしまった。 万菊や徳次のスピンオフが欲しい。 プロローグからずっと親父の敵が気になっていつ辻村が刺されるのかとヒヤヒヤしていた。まさかの大往生。 えっそのあとどうなった!?のオンパレード。

    15
    投稿日: 2025.12.23
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    映画が素晴らしかったので小説も上下と読みましたが、映画とはまた違った印象を受ける内容でした。 読んで良かった、心からそう思えた作品です。

    8
    投稿日: 2025.12.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良〜〜〜 映画よりラスト好きすぎる結局本人は国宝認定を知らないまま、歌舞伎に取り憑かれて死んでしまう ラスト好きすぎて読み返したいし映画見直さねば、、、小説の方が歌舞伎に対する狂気性が浮き彫りになってる。映画は芸術作品だけど小説は人間をしっかりと描いてるなあ

    4
    投稿日: 2025.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    上下巻、読み応えあった! 歌舞伎の世界って独特だと思ったけど、すごくその世界観が伝わってくる話だったな。 なんか小説ではないみたい、現実の話みたいな。 映画みたいなと思った。 あの壮大な世界観を映像で見てみたい。 わたしの中では勝手に喜久雄と俊介が逆の配役だったな。 最後の徳ちゃんの再登場の仕方がグッときた。 そして物語の終わり方。あれは結局喜久雄がどうなったんだろう。映像でぜひ楽しみたい。

    2
    投稿日: 2025.12.22
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    上の青春篇も下の花道篇も、どちらも怒涛の展開で、主人公の歌舞伎に賭けた喜久雄の波乱万丈の人生が描かれていてとても読み応えがあった。 歌舞伎のシーンを映像ではなく文字で描写するのは難しいと思うが、それをやってのけた吉田修一さんはすごいとしか言いようがない。 歌舞伎は伝統芸能だけに才能というよりは血筋で継承されるものとばかり思っていたが、そうではないことも知ることができた。 個人的には喜久雄の兄弟のような存在の徳次が好きで、徳次がいたからこそ喜久雄は歌舞伎役者を続けることができたと思う。 瀧晴巳さんによる歌舞伎の演目の解説も面白かった。 この小説のおかげで、今まであまり関心がなかった歌舞伎に少し関心を持つようになった。 心に残った言葉 ・幕が上がった京之助一門の追善公演で、喜久雄が六年ぶりに踊りました『藤娘』の、あらゆる美を彫琢した世界観がさらに研ぎ澄まされていくさまは、まさか綾乃の言葉ではございませんが、その完璧な芸の底に、死屍累々の生贄たちの姿が見え隠れするもので、とにかく、このころの喜久雄の芸といいますのは、他の追随を許さぬのは当然ながら、孤高と呼ぶのも憚られるような神々しさに満ち満ちておりまして、指を動かせば鈴の音が鳴り、髪を乱せば嵐が起こるほど神がかり、一人の客を狂わせて舞台に上がらせた六年まえが完璧の出来だったとすれば、今ではその完璧も遥かに超えてしまっているのでございます。  完璧を超えた完璧な芸。

    27
    投稿日: 2025.12.22
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    映画にすごく見応えがあり、見終わった直後に小説も読みたい、いつか歌舞伎も見てみたいと思ったのに、半年経ってしまい、すっかり感動を忘れていました。小説で映画と同じシーンが出てくると、映像が鮮やかに蘇って楽しめました。映画には描かれていない登場人物との深い関わり、数多の苦難と犠牲によって到達した境地としての国宝。そこが映画ではあっさりしていて全然違うように感じました。

    2
    投稿日: 2025.12.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    難しい部分もあったけど、映画を観たあとに読んだから歌舞伎の場面も頭に入ってきやすかった。 あと、映画では語られていない人物たちの人生を描いていて、より面白さがあった。 喜久雄の人生が壮絶すぎて言葉が出ない。極道の世界から歌舞伎の世界に移り、歌舞伎に人生と自分自身を捧げた最後の喜久雄には言葉が出ない。稲荷神社で悪魔との取り引きで言った「歌舞伎を上手うならしてください。日本一の歌舞伎役者にならして下さい。その代わり、他のもんは何もいりませんから。」という言葉の通り、歌舞伎役者としての芸は日本一になったが、喜久雄は幸せだったのか。喜久雄のように没頭できる何かがあることは幸せなことだと思うが、その果てまで行った喜久雄は何も感じ、何を思ったのか。 また月日が経った時に再読したいと思う。

    2
    投稿日: 2025.12.20
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    映画が話題となり、本屋でも激推しされていたので試しに読んでみた。 前提として、歌舞伎に興味がない。 テレビで観てる歌舞伎役者もだらしが無いイメージしかないから正直読了できるか、絶望的だった。 その上、私は本の評価を少々厳しくするきらいがある。 ところが、読み終えてこの評価である。 吉田修一が凄いのか、歌舞伎がすごいのか。 どちらに魅せられたのかは今でもわからない。 とにかく多くの人に読んでほしい。 ニッポンの強さ、美しさ、その原点がこの小説に詰められていると感じた。

    3
    投稿日: 2025.12.20
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    下巻はスルスルと読了。 上巻を読んだところで映画を見て、 映画を見終わってから読んでやや衝撃。 喜久雄の悲しさが淡々とかかれているけど、悲壮感は全くない。 映画版より、彼の人生にもより色がついていて、人間味がある。登場人物の心情や気持ちの変化なんかは全く描写がないのも面白いと思う。 国宝の特異な人生。 彼とその周りの人のそれなりに筋の通ったそれぞれの生き方が面白い。

    2
    投稿日: 2025.12.19
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    映画がめちゃくちゃ面白かったので、 映画→小説→映画のルートで楽しみました。 小説版は、歌舞伎の演目を知らないとなかなか描写が浮かばず、歌舞伎シーンはほぼ全部飛ばしたようなものです。笑 面白いけど、難しい〜 (上下巻とも同じ感想です)

    3
    投稿日: 2025.12.18
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    これはものすごい大作です。私は歌舞伎に関する知識がほとんどなかったのですがそれでも楽しんで読むことができました!独特な語り口が世界観を作っているしなにより文章を読むだけで映像が頭に流れ込んでくるような感じがします。また、50年というながいながい物語だったのでこの物語の最後の文を読み終わった時は1人の人生をずっと見守っていたような感覚になりました。

    88
    投稿日: 2025.12.18
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    ここまで極端じゃなくても、寝ても覚めても頭から離れない、打ち込めることがあるって羨ましい。 それもひとつの才能なんだろうな。 天才と狂人は紙一重、なんて言葉が浮かびました。

    10
    投稿日: 2025.12.18
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    中弛みを感じる場面はあるものの、それ以上に一人の人間の壮大な人生を最後まで見届ける満足感が勝る。 芸に人生を捧げる覚悟と、その代償として背負う孤独や喪失が静かに積み重なり、後半に向かって重みを増していく。 華やかな舞台の裏側にある執念と諦観が読み手にも否応なく向き合いを迫ってくる。そして何よりラストが美しい。 個人的な解釈にすぎないが、全篇においての語り口調、語り手は著者ではなく、喜久雄と契約し、取り憑いた悪魔だったのではないだろうか、と最後の文「拍手を送ってくださいまし」でふと、そう思った。

    3
    投稿日: 2025.12.17
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    疲れた 語り口調は気にならなくなり 映画以降のお話が凄くて 流石にこれは映像が難しいだろうと・・・ 「悪人」から10年!! ビックリ

    3
    投稿日: 2025.12.17