短編集だが半分は表題作でもある人魚を題材にした連作短編のシリーズ。 普通、こういう異物＋日常系な作品だと「人魚」という大きな嘘に説得力を持たせるためその周りをは現実味のあるディティールで覆うものだと思うけど、この作品の場合登場人物の行動とかかなり現実味が薄く、嘘くさい。ただそれでも何となく読めてしまうのは雰囲気作りが巧いのか。ある意味漫画力はあるのだと思う。

どれも心に残る作品だけど旬のエロティシズムがたまらない。なかなか読めないような珍しいツボを突いてくる作品。

スマートアシスタントと渚よかったー AIが人間の相手する世界とか、人形が人間と生活する世界とかSFだけど、どこかあったかいストーリーだった

語り口が上手く、読まされてしまう。エロティシズムはあるけど、魚を題材にしていたりする割にはなまぐさくない。入水している若い女を救うモチーフ、メガネとそうでない二人の女性の対比、などが繰り返し現れる。