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ビンティ ー調和師の旅立ちー
ビンティ ー調和師の旅立ちー
ンネディ・オコラフォー、月岡小穂/早川書房
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総合評価

9件)
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    ビンティシリーズ3部作をひとまとめにしたもの。第1部が2016年にヒューゴー賞とネビュラ賞の中篇部門を受賞。かねてからいわゆるアフロフューチャリズムに興味があったので、イケてるジャケも手伝って衝動買いしてしまった。 ハッキリ言って好きじゃない。全体として設定の薄っぺらさが目立つ。主人公ビンティは事あるごとに身体に塗る赤土”オティーゼ”の話をし、天才数学者っぽく数式を口にするが、そこはあくまでキャラ性・意匠のため。思考様式は我々と大差ないし、登場する他部族の人間や異星人もひっくるめて想像力を刺激するSF的オイシさは一切欠落している。テーマの一つであろう人種観についても視点は被差別者側限定で、悪い意味で卑近。肢体の数や体の色が違う種族が併存している宇宙空間において、臭いガスを吐き出すクラゲ型の異星人が隣にいながら、「オティーゼが理由でジロジロ差別的に見られて不快でした」なんてシーンが平気で出てくる。つまらなさすぎる。 プロットも全体的に都合よく、才能と持ち物で成り行き的に解決する展開がほとんど。生まれつき才能に恵まれていて、他人にはないマジカルな技能があり、七面倒臭い努力抜きに都合よく周囲から一目置かれつつ、被差別のマイノリティ属性+PTSDで道徳的優位に立つという展開が、現代人の潜在欲求を反映したポルノに思える。 ファンタジー混交のヤングアダルト系冒険譚としては設定の目新しさで多少読める部分もあるけど、SFの文脈で評価するのであれば悪いけど駄作だと思う。ヒューゴ・ネビュラ取ってるのが悲しいぐらい。

    1
    投稿日: 2025.08.10
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    アフリカ系アメリカ人が描くSF冒険奇譚!私の知らない文化、私の知らない世界。 そこにSF要素が加わりめちゃくちゃ面白くなるのかと思ったけどそんなこともなく、なんだか消化不良終わってしまった。 中盤、ビンティが家族に酷いことを言われるのにビンティに謝罪の一つもなしに終わってしまったのがひっかかりまくってしまって物語に全然集中できなかった。 命の危険を感じるような出来事があったら無かったことになってしまうのか。 全体的にモヤモヤするところ多すぎてこれ面白くなるのか?って疑心暗鬼になりながら読んでたら終わってしまった。 異性種族との邂逅からの友情は某作品が完璧過ぎたのでちょっと期待が大きすぎたのかもな……とは思っている。 面白い設定とかがあるのに活かしきれていなかった気がする。 突然湧いて出たロマンスで物語が締められるのもなんだかな………って感じでした。

    1
    投稿日: 2023.07.09
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    始めからスゴかった!面白かった!あっという間に読んじゃいました。異星人とかと普通に交流している背景の中で、超ハイテクとかナノテクとかあったり、昔ながらの民族的風俗も保ちつつ戦争しつつ家族のつながり大事だったり宇宙船がぁと、まぁいろいろあって一瞬も飽きさせないストーリーでした。

    0
    投稿日: 2023.04.09
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    故郷を離れても自身の出自に誇りを持って成長をしていく主人公。主人公は必要以上に美化せず、呪縛のごとき家族や周囲の排他的な反応に怒ったり、悲しんだりと、人間的な弱さを描いているところに良い印象を受けた。 大部分が、一人称の視点で物語が進行していき、どちらかというと伏線が無く、古典的なSF作品のようにも思えた。 多彩な種族が登場して、空想力・想像力といったものが必要だった。実のところ、この点は、少し追いつかなかった。 また民族の対立といった現代に残っている社会問題を意識づけられた。

    0
    投稿日: 2023.01.16
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    感想 地球の技術水準が想像できない水準に上がっても。人の気持ちをつなぐのは言葉で、身振り手振りで。国同士の争いも癒させると考えるのはナイーブか。

    0
    投稿日: 2023.01.14
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    地球辺境地の因習。それが、宇宙の真理を近づく道。そして人類の未来を開く手助け。デジタルが進むほど、実は、侮れないアナログの世界ではないかと思う。人の心はアナログなのだから。

    0
    投稿日: 2022.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    数理フローや数式は唱えるに留まり、すうと息を吐く 多種多様な構成は脳内映像化おぼつかず、それでも凄惨な場面では思わずファイブファイブファイブ、、、これいいかも 個人の尊厳から人種・人類が抱える大きな問題まで、世態が複雑極める中、地球ベースだけでなく宇宙全体に展開し広げる壮大なテーマ 宇宙レベルにすると、抱える問題たちがとてもちっぽけに見えてくる 「調和:ハーモニー」 なんてシンプルな言葉だろう ハード系じゃないことが分かった時点で、なんとなく勝手に新井素子的にビンディを変換して読む そのくらいこの重厚なテーマをラフに持ってこれる、作者のスゴイところか

    0
    投稿日: 2021.10.08
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    SF。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ノンモ賞受賞作。 宇宙・冒険・超能力・コンタクト・民族学。 著者はナイジェリア出身の両親を持つアフリカ系アメリカ人女性。 連作中編であるようだが、続けて読むことで感動が増すように思うので、長編として読みたい。 宇宙、異星種族、奇妙なコミュニケーション、身体改造など、刺激的で好きな要素がいっぱい。 そもそも、主人公がアフリカの少数民族の女性という設定で、文化や価値観も非常に新鮮。 全く想像したことがないような世界が続き、一冊を通してワクワクしながら読んだ。 個人的に思う、作品の一番のテーマは「多様性」。 あまりにも大きな変化を受け入れ、成長を続ける主人公ビンティ、本当に素敵なキャラクター。 自分がこれまでに読んだ海外SF作品のなかでも、限りなくベストに近い、大好きな作品でした。

    1
    投稿日: 2021.10.01
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    三話のうち二話目途中でリタイアしました 面白いし、文体も変わってて楽しい。訳者の方の力量かも。 ただ、読んでいて夢中にはなれなかった 僕だけの印象だと思うけど、アメコミみたいな入り込めない感じ そのうち再チャレンジするかも

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    投稿日: 2021.09.17