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いつかの岸辺に跳ねていく
いつかの岸辺に跳ねていく
加納朋子/幻冬舎
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総合評価

58件)
4.4
25
23
6
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    加納朋子さんの本はこの本で8冊目 『空をこえて七星のかなた』とか『カーテンコール』は好きな作品で 『いつかの岸辺に跳ねていく』はブクログでおすすめに上がってきた本だったので 期待していたのです。 でも、内容は全く知らないまま。 読み始めてみると イイ感じで読書が進んで行きました。 が~ 本来、あまり得意ではないファンタジー要素が出て来たころから 「あれ?」と思いはじめ… 3分の2ほど読んだところで 何だか急ハンドルを切られて 私が望んでいたのとは違う方向に連れて行かれてしまいました。 あぁ…、残念と思いながらも読み進めていると 再び急ハンドルを切られて めっちゃ素敵な目的地に到着しました。 何ですか~?! 気持ちがついていかないよ~! となりましたが… 目的地で見た景色は うるっ。。。 私の好きな景色~

    14
    投稿日: 2025.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半の護のパートは、普通の青春小説という感じで、少し退屈でなかなか読み進めることが出来なかった。 所が! 後半の徹子のパートでは、恐るべき事実が明らかになり、俄然読書スピードに拍車がかかる。 主人公徹子の苦悩もこれでもかという程に表現されていて、徹子と一緒に悩み心を痛める。 徹子はもちろん素敵な女性だけど、護も素晴らしい男性。 自分にとって素晴らしい伴侶って神様になり得るんだな、と思ってしまった。 ラストはしみじみと感涙。 初めて手に読ませていただいた作家さんでしたがもっと色々読んでみたいな、と素直に感じました。

    8
    投稿日: 2025.10.17
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    加納朋子さんの作品は2冊目、先日読了した「空をこえて七星のかなた」がよかったので、この作品を手にしました。 幼なじみの護と徹子 前半、護視点で、徹子のことを不思議で謎で面白いと感じながら話は進んでいきます。 徹子に対しての「自分の中の一番きれいな場所にそっと置いておきたい感情」にぐっときました。 後半は徹子視点、ガラリと変わり誰にもわからない徹子の苦悩、大好きな親友を守るためにカタリに立ち向かう様子に目が離せませんでした。 自分を犠牲にして大切な人を優先して生きる徹子に涙がとまりません。 徹子がやっと心穏やかになれるラストがよかったです。 読了後、作品名の余韻に浸りながらまた涙がこぼれそうです。 護と徹子の周りの素敵な仲間(高倉、弥子たち)との関係も作品のお勧めのひとつです。 とてもとてもいい作品でした。

    96
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    森野護 一番面白いのは人間だと考える。平石徹子のことがワケわからなくて面白いと思ってる。徹子とは家が近所で幼稚園から中学まで一緒だった。春喜高校に進学。柔道部に入る。遠方の大学に進学。就職し、実家の近くに転勤。 平石徹子 何を考えているかわからない行動をする。歴史研究会の部長。春霞高校に進学。小児科の看護師になった。 山岸絵梨奈 小学五年の時に転校してきた護の初恋相手。 三郷香菜 中学で護が気になっていた女子。 徹 徹子の弟。 田代清文 徹子に好意を寄せている後輩男子。デクノボウ。 倉木智 徹子の崇拝者。陰気でチビ。 ハヤシメグミ 林恵美。徹子の高校の同級生。タチの悪い痴漢にロックオンされていたのを護が助けた。 根津 護のクラスメイトで同じ柔道部仲間。メグミと同じ中学。興信所の調査員になった。 高倉正義 ヤンキーパパ。成人式で子供を連れてきた。 弥子 ヤンキーママ。 大城健治 金髪。成人式で正義と揉め事を起こす。 コテツ リュウジ 正義、弥子の子供。 樺島 護の会社の三年先輩。親の介護で退職する。 おじいさん 徹子が幼い頃に駅で出会った。 徹子の母 徹子のはぎくしゃくした関係。 カタリ 影山堅利。メグミと付き合っている。成人式のすぐあとに徹子と初めて会う。周囲の人々を精神的に追い詰める。医師(研修医)として徹子の職場にいく。 久我山セツ カタリとぶつかった老夫人。 柏木くるみ 看護師仲間の後輩。 桜井 カタリとは正反対の医師。患者と真摯に向き合い、苦しみに寄り添い、共感する。 ミルカ 美瑠香。メグミとカタリの娘。 氷川光子 カタリの実母。

    0
    投稿日: 2025.08.20
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    読み終えたあとの幸福感が半端じゃない。 温かさで満ち満ちた気持ちになれる最高の本。 真面目で繊細で責任感が人一倍強くて優しい徹子と、真っ直ぐで頼り甲斐のある護の幼馴染ペア、なんて素敵なんだ…! 前半のフラットでは、幼馴染の恋愛が進展するのかと思いきや、後半のレリーフではSF要素も混ざってきて、前半の伏線回収もあって読み応えがあった。 話し手がスイッチしたのも面白かった。 最後、弥子ちゃんが徹子にかけてあげた言葉が素敵だったなぁ。真面目に考えすぎて思い詰めちゃう徹子にとって、弥子ちゃんの無垢な明るさはすごく眩しかったんだろうなぁ。見た目や考え方は対照的だけど、相性はぴったりなんだろう。そんな人と出会えるのも、徹子の人となりなんだろう。 徹子の周りには色々な子がいて、護も弥子ちゃんも、正義も根津くんも、それぞれキャラが違うけどみんなが徹子の幸せを願って動いているところにぐっときた。あ〜〜いい読書体験になった!

    7
    投稿日: 2025.08.10
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    森野護と平石徹子は家が近所の幼なじみ。前半は、護視点の、淡々とし過ぎる?ほどの青春物語。 後半に入って物語は一気に加速し…、以降はネタバレになるので自主規制。 大きな驚きと温かな読後感が待っています。 え?ジャンル?言えません!(笑)

    0
    投稿日: 2025.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    題名に隠された伏線回収に胸が打たれた! まさかまさかこんな展開あるの?? おかしな女の子と優しすぎる男の子の、くっつきそうでくっつかない恋愛物語かと思いきや…見事にいい意味で裏切られた!!これはぜひ読んでほしい 前半フラットは、護目線の徹子の話。 護は恋愛感情がないといいながら、いつも徹子を見守る優しすぎる男子。徹子は護が怪我をして入院したとき、なぜか「自分のせいだ」と言って泣く。さらに高校受験の日、自分の試験そっちのけで困っている護を助ける。そんなおかしで変わっている徹子を不思議に思いながらも、護のなかで彼女に対する恋愛感情が芽生えてくる…しかし護がやんわり伝えた告白も虚しく、その1年後徹子は結婚してしまうのだった… 後半レリーフはまさかまさかの 徹子目線の彼女のとてつもない秘密の話。 徹子には実は未来が見える。でもその秘密を衒らかすこともなく、彼女は不幸な未来を変えようと周りに関わっていくことで、周りからは変な子扱いされてしまう。彼女は自分が助かるべく行動したことで、護に怪我を負わせ彼の夢を奪ってしまい病院で泣いたこともあり、それも変な子のエピソードとして護に覚えられてしまった… そしてここからが徹子の人生の使命というべく、「メグミの救済」の話。メグミは徹子にできた高校時代の親友で、実は徹子はメグミとの出会いを未来をみる力で予め知っていた。そしてメグミが若くして自死を選んでしまうことも知っていた。そんなメグミの死を断ち切るべく奔走する徹子だが、そこに大きな壁が立ちはだかる… 果たして徹子はメグミを救えるのかー。 そしてレリーフで明かされる護の強い思いとはー。 やっぱり印象的にシーンはラストシーンかな。 最後まで読むのがとてもしんどかっただけに、優しい涙がこぼれてしまった。本作では圧倒的に優しい人が多く登場するが、少数の悪がその人たちを蝕んでいくシーンが多い…それでもやっぱり最後は報われて、本当に本当に良かった。 温かい人の優しさに触れられて幸せだったなぁ。 「カーテンコール」のあの優しさを再び思い出した! 加納先生の温かさは唯一無二だな〜 p.127 もし、大事なやつが…(フラット) 「もし、大事なやつが抱えきれないような重荷に苦しんでいて、なのに申し訳ないとか言って誰にも助けを求めずにいたら、容赦なく怒鳴りつけてやるぞ」 「この馬鹿野郎ってね。そんで、そいつの荷物を半分、無理矢理奪う。強奪してやる」

    2
    投稿日: 2025.03.28
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    “日々を生きていれば、いつかは未来に辿り着く……誰でも。遠い未来を見てみたいと思うなら、その手段はただひとつ。誰よりも長く生き抜くことなのだ。” 最後あたりにあったこの言葉に付箋をつけて、少し時間を置いてまた読み返したくなるお話し。

    0
    投稿日: 2025.03.28
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    幼馴染みの護と徹子 前半が護目線。こちらはいわゆる、第三者目線で、一般的にどう見えているか、という感じ 後半は徹子目線。こちらで前半の答え合わせを兼ねた当事者目線。 前半の続きもあるので落着編も兼ねている感じです。 最後は大団円なので読後感はよいですが、徹子の頑張りがかわいそうに感じて星3です

    6
    投稿日: 2025.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初はあまり軌道に乗らず、ゆっくり読み進めていたが、後半になるにつれ、ぼんやりとしていた設定が明確に見え始め、読み進める手が止まらなくなった。徹子の優しさゆえに抱える苦しみや葛藤どんどん大きくなり、読んでいて自分事のようにかなり辛かったが、今まで徹子が周りの人達を思いやり、大切にしていたことが蓄積されていき、最後に回り回って自分に返って来たのだとわかった時には心がとても温かくなった。すごく心温まるストーリーだった。

    1
    投稿日: 2025.03.07
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    前半が護視点、後半が徹子視点で描かれた幼馴染のお話。読後は少し切なく少し幸せな気持ちになった。 相手の行動に隠された意味を推し量るのは難しいね

    0
    投稿日: 2025.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なおなおさんからのご紹介本。 正直裏表紙の作品紹介を読んだ限りではあまりピンとこなかった。爽やかYA系作品のようで悪い話ではなさそうだが。。 ちらりと北上二郎さんのあとがきを先読み。 「驚くぞ、これは驚くぞ」の書き出しを読み、ぱたと閉じる。 ほほぅ、そういう感じかと俄然興味が湧き購入。 幼なじみの徹子と護の成長譚。 前後半の2部構成からなり、前半は「フラット」、後半は「レリーフ」。 「フラット」は護視点の物語。 地味で目立たない存在でありながらも、誰に対してもフラットに接する幼なじみの徹子。 ときに奇妙な立ち振る舞いをするところや、その人間性から他人からいいように使われてしまう徹子に、幼なじみとしての情を注ぎ気に掛けながら、つかず離れずの関係で共に青春時代を歩み成長していく。 後半の「レリーフ」はいよいよ物語のサイドB、一旦巻き戻り徹子側からの視点で再開。 前半の何てことのない話の中に時折挟まれる違和感。 ふむふむ、北上さん言ってたもんね、これが伏線なんだよな。 でも敢えて詮索はしませんよ、仮に流れを読み切れたところで後半の興を削がれるだけですから。 後半、徹子凄いなぁ、尊い生き様だなぁと思いつつもこの手の尊さってときどき抑制要素になるなとも思う。 我慢すること、制御すること、誘惑に負けないこと、信条から外れないことが尊いと思ってしまうと羽ばたくことに躊躇う。 この後娘にパスする予定だが、最近色々我慢しているような様子も見受けられるので、そこは終盤のわちゃわちゃ感に見るハッピーエンドの方に目を向けてバランスを取って欲しい。 序盤では何のことかよく分からないタイトルも、読み終わってみると凄く象徴的なタイトルだと感じ、すっきり。

    49
    投稿日: 2025.02.01
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    書店おすすめの本で読んでみた。 異才のある女性と平凡な男性。 幼なじみの男女のストーリー。 男女視線で変調するバランスの良い本で読みやすい。 少し泣けるストーリーでもある。 星4に近い星3かな。

    1
    投稿日: 2025.01.18
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    2019年初版だが、書店でオススメ本として平積みされていたので手に取ってみた。 主人公は護と徹子。二人は「幼なじみの腐れ縁」だということになっており、語られるエピソードも「お互いに恋愛感情はない」ことを示している。しかし、である。最終盤、護の「あのさ」から始まる一連の言葉を読んでみて欲しい。 一般化できない特別な関係。泣けます。

    6
    投稿日: 2024.12.28
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    フラットで平和な世界を願いながら思うようにはいかない。 人は何かしら荷物を背負い、その重さに時に悩み苦しむこともある。それに共感する部分はあり、引き込まれていきました。 心の荷物を軽くする力はどうしたら養われるのか。 フラットで感じた、これは青春譚。そして、レリーフで明らかになる徹子の真意にどんどん心掴まれていく。徹子のひたむきさに胸が痛む。護も徹子も、他人を思いやるとても優しい心の持ち主。 レリーフを再読したら更に沁みました。 ほんの少し先の未来は予測出来ても、その先はわからない。生きていればいつかは未来に辿り着く。 石は意思を持って、遠く未来に跳ねていく ファンタジー要素あり、全体に優しいトーン。そしてずきりと心抉られもするが、二人の未来への物語が交わり、ラストは温かいものが胸に広がる。じわっと人生を感じる、とても余韻が残る作品でした。

    33
    投稿日: 2024.12.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    昔好きな作家だった加納さんのファンタジー。A面とB面の小説形式。A面は前奏曲で、男側目線の物語。女側のB面の方がすっ飛んだ物語になり伏線回収のような形になるが、制御が難しい設定のなか、やや強引にまとめた感じがあり、もっと派手に大団円すればよいのにと思ってしまった。まあ、ささらさやの連作に代表されるように、説明がつかない不思議な設定が加納さんの作品の特徴。昔はこんな作品を好んで読んでたのかと感慨。

    1
    投稿日: 2024.12.10
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    読後感が少し切なく、心が温かくなるような素晴らしい話。最後の最後、ピースがはまるような感覚は脱帽。 前半の『フラット』は護視点で、護と徹子の青春小説みたいな感じ。この2人はくっつくんだろうか?徹子が変わった行動をするのに理由はあるのだろうか?などと思いつつ、さらっと気軽に読めた。通勤中などに、チマチマ読み進める。 後半の『フラット』は徹子視点。徹子の優しさと苦しみに胸が締め付けられる。前半のあれはそういうことだったのか!の連続で読み進める手が止まらず、怒涛の展開にあっという間に最後まで読了。最後の展開は感動で少し泣きそうになってしまった。 他の趣味で忙しく何年も小説は読めていなかったが、通勤中など暇だな…と思い、とても久しぶりに小説を読んでみた。何気なく手に取った本がこちらで良かった。ひたすらに面白かった。

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    前半のフラットでは護が語り、後半のレリーフでは徹子が語る物語。 前半のような感じでずっと話が続いていたら、ここまで引き込まれなかったかも。 後半、徹子目線になってから、一気に全てが見えてきて、面白くなった。幼馴染みの護が、全幅の信頼をよせる徹子。ちょっと変わった行動を取ったりする理由がわかった途端、前半のレリーフにも一気に面白さを引き寄せた。 カタリが登場してからは、どうなることやらとハラハラした。こんな人が近くにいたら、怖すぎる。だから、徹子がいろんな景色を見ながらたどり着いた場所を知ったときは、ほっとした。最後は、あっという間に時が流れてしまったけれど、護の優しさを感じるのには充分な気がした。

    29
    投稿日: 2024.08.19
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    幼馴染みの護と徹子 二部構成となっていて、 前半「フラット」の章は護、後半「レリーフ」は徹子視点で語られる 心優しいが突然不思議な行動に出る徹子 その不思議な行動には何か謎があるんだろうと思いながら読み進め、後半の徹子視点でそれが明かされる とても素敵な話だった

    1
    投稿日: 2024.04.14
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    最初は、護いい奴だな〜かっこいいな〜とほのぼのした気持ちで読んでいたら…後半びっくり! あまりの展開と内容に読後疲労感が…。でも決して嫌な疲労感ではありません。ラストなんてとても感動の事実が…。 少し切なくもあり、とてもうつくしいお話でした。 カーテンコールを読んだ時も思ったけど、加納朋子さんすごいなぁ〜

    1
    投稿日: 2024.03.27
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    加納朋子さんの作品の中で、『カーテンコール!』の次に好きな作品となりました。(☆5) 後半から出てくる人物(ポアロ最終作品のある人物が浮かびましたね)の言動部は読むのに少しのパワーを要しましたが、加納さんらしい終盤の怒涛の回収と温かいエンディングは読書の喜びを与えてくれました。 加納さんの作品はこれで9作目の読了となりましたが、期待を裏切られたことは一度もありません。 (全て☆4以上) 幸いなことに、加納さんの未読の作品が多数存在しますし、新作も期待できますので、これからも読み進めていこうと思います。

    23
    投稿日: 2024.01.24
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    aoi-soraさんのレビューに惹かれて。 加納朋子さんの作品は大好きなので、読むのが楽しみでした♪ 幼なじみの護と徹子。護の視点での前編は青春物語かぁと思った。前編のラストに、あぁ…そういう結末なのね…、と思わせておいてからの後編がすごい。視点が徹子に移り、いきなり衝撃の事実が明らかとなり、前編での違和感や引っかかりが一気に解消される。前半のラストのこともどこかに吹き飛んでしまったくらい。 現実にありそうなファンタジーのようなミステリーのような…想像力を働かせてこんな物語を生み出す加納朋子さんはすごいなぁ。 徹子が真面目で優しくて責任感も人一倍強くて、それゆえ一人で抱え込んでしまうところがあって。 一方の護は、困っている人がいたら、その重荷を奪い取ってやるような男気のある人だ。 護の「徹子はそういう人だよな」や、徹子の「護はそういう人だよね」と言うシーンがよかったなぁ。幼なじみでお互いのことをよくわかっているのだということがとても伝わってくる。 もう絶体絶命…!!ってときに救ってくれるヒーローってカッコよすぎでしょ!もう惚れちゃったよね。 あおちゃんのおかげで楽しい読書タイムを過ごせました!ありがとう♪

    41
    投稿日: 2023.12.03
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    素敵なお話だった! 護視点の最初のパートが好きすぎた。書き方も面白くて、クスッと笑えるところもあって、全く退屈しなかった。 今時あんなに純粋で優しくて頼れる少年→男子→男性がいるのだろうか。いてほしい。 徹子視点は私的にはそれほどビックリする展開ではなかったけど、終盤の弥子ちゃんのセリフで泣いて、最後は号泣。 あるシーンでは自分の20代の頃を思い出して懐かしかった笑

    10
    投稿日: 2023.11.09
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    4ページものとか色々あってよくわからないうちに終わった。どれもミステリアスなオチがあるのが良いのかなーと。あと不思議な現象も起こるとか。ずいぶんとストックがあるんだね、それを世に出してくれたって事なんだろう。廃墟の病院での女の子の役割と成仏出来た男の子と大阪の男の子。最後に女の子が言う一言が現実を表して。和子と沙羅ももしもじゃない同時に存在してしまう人生って、本当に不思議。和子が現実だけど沙羅の世界もあるとか、2つは手に入らないけど、どんな感覚なんだろうか、あと3冊ストックしている加納朋子さんでした

    6
    投稿日: 2023.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

     加納氏の本を読んだのは2作目です。「カーテンコール」がおもしろかったので、読むことにしました。評価の高かった本作を読みましたが、前半は、護と徹子という幼なじみの話が続きます。徹子が恋の対象になるわけでもなく、これといって大きな事件が起こるのでもないので、なぜ、この本が高評価なのか、疑問を持つと同時に、退屈な気持ちで読み進めました。  しかし、後半の2章に入ると、気持ちは一変し、徹子の「持って生まれた特性」故に、思い、悩み、苦しむ彼女に対し、幸せを願わずにいられなくなりました。  冷酷で、悪魔の中の悪魔のような堅利の登場。心をかき乱され、あっと驚く展開が待っていました。  それにしても、堅利のインパクトが、私には強烈に残りました。ギリシャ神話になぞらえられている場面もあり、加納氏の教養の高さがうかがえました。私は、作家を心の底から尊敬します。

    5
    投稿日: 2023.10.22
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    うわーん!良かったよお。ラストは電車の中で泣いてしまった(T ^ T)感動の涙です。(本日、電車とカフェで一気読み)久しぶりの、加納さん、やっぱり好きだなあ。 俺ー森野護(もりのまもる)の側から語られる『フラット』と、 幼馴染の平石徹子(ひらいしてつこ)の側から語られる『レリーフ』 の2つの章からなるこの物語。 前半の『フラット』は、ある意味、微笑ましくもある、幼馴染の青春時代。 後半の『レリーフ』については、一言もネタバレ出来ません。ぶっとびます。 ぜひぜひ、読んで、驚いて、怖がって、応援して、悲しんで、喜んで・・・と感じて欲しい作品です。 上手いなあ、加納さん・・いろいろ予測してたけど、びっくりしちゃった。加納さん独特の人生観や運命感を感じます。 ネタバレしない範囲で、印象的だったところ、少し。 ーーーーー 男でも女でも、人を下げずにいられない連中が、俺は大嫌いだった。あいつらどうしていつもいつも、他人のあら探しばかりしているんだろう?どうしてあんなにも、人の落ち度とか失敗が、大好きなんだろう?目立ったり秀でてたり劣ったり、そういうことが全部、許せないんだろうか? ただ、見守り、頼まれれば、時にアシストする・・・全幅の信頼の上に、昔も今も、俺たちはそういう関係だ。 確かに親というものは、特に母親は、まったく悪気なしにそういうことをやらかす恐るべき生き物である。(ここ、私は心の中で爆笑した) 色んなハタチがいる。色んな生き方がある。人の数だけの価値観があり、幸せがある。 極端な話、一口に人間とひとくくりにしても、その平均値から極端に外れた個体はいくらでもいる。 人の心は他者が変えられるものでも、変えていいものでもないのだ。 ーーーーー ネタバレになるから書けないけど、ラスト近く、ヤンキーママの弥子の言葉にも泣きました。 読んでよかった〜〜(o^^o)

    8
    投稿日: 2023.09.17
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    同じ感想を書いていた方がいました。本当にそれでした。 最初は読み出す度に眠くなって寝てしまうを繰り返して、もう読むのを止めようかなと思い、でもその前にみんなの感想を見てみようと。すると、眠くなってやめようとしたけど、後半は先が気になって眠れなかった。と言う意見を発見!他にも後半が面白いと言う意見が多く、最後まで読む事を決意した。結果、最後は鳥肌がたった!! ほんと、最初で投げ出さず、最後まで読んで良かった!同じ事をもし思っている人がいれば、最後まで読む事を勧めたいな。

    4
    投稿日: 2023.06.27
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    幼馴染の護と徹子 前半は護の視線で物語が進んでいくフラット。ちょっと甘酸っぱいような微妙に交わらない二人。切ない物語の終わりを見せるのだが…。 後半の徹子目線のレリーフで、前半に感じていた??部分が回収されていく。こんな伏線だったのかと、一気にラストまで読んでしまった。カタリが不気味に怖い。このままカタリに飲み込まれるギリギリに仲間たちが助けに集結する結婚式のシーンは圧巻。 そしてラストには涙

    1
    投稿日: 2023.06.06
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    重たい本を読んだ後にはうってつけの水戸黄門!! うーん、この本はスカっとした後味。 そしてとても心がホカホカと温かくなる(^^) 前半は護目線。 俺の幼馴染の徹子は変わり者。道端で突然見知らぬ人に抱きついたり、俺が交通事故で入院した時、夜中にも関わらず枕元で泣いて謝ったり。 うーん、もうこの時点で、この本はファンタジー的なノリかなぁ??と感じられる(笑) しかし護くんは好感触。素敵な子だなぁという印象。 さて、突然話が変わったと思ったら、後半は徹子目線。 これまでの不可解な行動が明らかにされていく。。。 ちゃんと気持ちよく伏線が回収され、落ち着くところに見事に着地(^^) 実に清々しい! 日本人ってやっぱり水戸黄門が好きだよね! こうい小説は文句なしにスッキリする(^^)

    89
    投稿日: 2023.04.18
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    前半は寝る前にちょうどいい (すぐに眠くなる) 後半は展開が気にって眠れなくなって 結局最後までいっきに読んでしまった ドラマを見ているようなそんな感じの展開でした 前情報なしで読んだけど(から?)面白かったです

    4
    投稿日: 2023.04.14
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    いい意味で思っていた内容と違った。 2度楽しめる小説。 初めは少し変わった幼なじみとの日常かと思い退屈するかと思ったがすぐに物語に引き込まれ、早く次のページを読みたいと思えた。 "先のことなんて誰でも視えるようになる、今の生き方で変わる" 以前の私は先のことばかり考えて不安になり、未来のためにと思って自分の可能性を狭めて窮屈な日常を送っていた。 だがある時から、いつ死ぬか分からないのだから、わがままに自分に甘く楽しもうと思って生きようと決めてからすごく前向きになれた。 別の作品だが、『幸せとは自分の意思で判断して生きること』を忘れないようにしている。 今この瞬間に読んでよかったと思える作品だった。

    4
    投稿日: 2023.02.27
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    前半は前半でよかった。後半は前半を引きずって読まされ、ビックリと憂鬱が入り乱れて大変。それでクルッと、いや、ババーンとひっくり返されて、最後にこれでもかーとピリオド打たれて撃沈。久しぶりの読後感。

    0
    投稿日: 2022.11.27
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    とても読みやすい文章だが、盛り上がりに欠けるし、先の展開が読めるなぁ...と思いながら読み進んでいたら、最後になって想像のナナメ上の2回半ひねり(^ ^; まんまと感動させられてしまい、まさかの電車内で吊革につかまったまま落涙。いやこれはまいりました(^ ^; 何を書いてもネタバレになってしまうような気がしますが...登場人物の主観で進む物語の、文体・口調が成長に合わせて大人っぽく進歩していくのが「さすが」という感じ。読みやすい文章をキープしたまま時間経過と精神的な成長を「説明臭くなく」読み手に感じさせる。まさに手練れである。 最後の「すべてが伏線だったのか」という収束感は、快感としか呼びようがない。ただ、そこに至るまでが若干長いので...「読書慣れ」している人にお勧めの一冊かな(^ ^

    6
    投稿日: 2022.10.11
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    護の目線のフラットと徹子の事情のレリーフ この2編からなっていて、 徹子の優しさや強さに助けられた仲間たちに、逆に見守られて助けられて幸せになっていく 温かさと一途な清らかさの徹子。 素敵なお話でした。

    4
    投稿日: 2022.09.28
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     清々しい読後感の物語でした。幼なじみから、ずーっと人を信じて疑わない一途さが、じわじわと心に沁みてきました。  前半は、徹子のフラットさ(内心が読めない、言葉の意図が測れない、行動も目的も読めない)と、それ故に人に侮られ軽んじられることが許せない護の目線で描かれます。  後半、徹子目線でハートウォーミングなラブストーリーが続くと思ったら…。徹子の意味不明だった行動も意図が明かされつつ、物語が急展開し、文字通りレリーフ(浮き彫り)の如く動いていきます。  悩み、迷い、苦しんでいる人と最後までその人を信じて支える人…。新たな一歩を踏み出す勇気をもてるかどうかは、不遇が放置されている状況へ、踏み込む所から始まるのかなと思います。理解し合うためには、「分かり合えないところから」始まる気がします。  人との繋がり、未来への希望に飢えている人におすすめの一冊です。

    30
    投稿日: 2022.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    また素敵な小説に出逢えました。 前半の「 フラット 」では、護目線で話が進み、幼馴染の徹子の謎の行動が気になりながらも読み進めましたが、後半。徹子目線の「 レリーフ 」からは見事な伏線回収。作品の印象がガラッと変わり、思いもよらない展開に目頭が熱くなりました。ラストシーンもとても良かったです。読み終わった後、本当に良かった...と温かい気持ちになりました。大好きな一冊になりました。

    7
    投稿日: 2022.06.17
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    加納朋子のいつかの岸辺に跳ねていくを読みました。 幼なじみの森野護と平石徹子の物語でした。 前半の「フラット」で護からみた徹子が語られます。 いつもは冷静でおちついているのに、ときどき急に変なことをする女の子。 中学・高校での思い出、成人式での事件などが語られていきます。 後半の「レリーフ」では徹子からみた護が語られ、隠されていた謎が解き明かされていきます。 徹子は目的を達成できるのでしょうか...

    4
    投稿日: 2022.05.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    加納朋子さんの本に長く接したせいもあって、「フラット」から「レリーフ」への転回には正直さほどの驚きを受けませんでした。物語が行き詰まりを見せ始めても、「でも大丈夫、加納先生だから絶対に大丈夫」と祈りを込めながらページをめくっていました。ファンとして、完全にダメな読み方だと思います(苦笑)。 だからこそ、訪れてしまった悲劇と、その後の傷口への塩の塗りこめっぷりには絶望と怒りを禁じえませんでした。だがしかし、ここからの怒涛の巻き返しの素晴らしさたるや!散りばめた伏線と交友と人生経験の積み重ねが、美しい画を描いて行く様を、まざまざと見せつけられました。 何よりも、平々凡々としたエピローグと見せかけて最後の最後に放るダメ押しが素晴らしい。ここまで盛大に感情を揺さぶられたのも久しぶりです。と言うか、最後の2ページを開いただけで何度も泣きそうです。 「泣ける話ならコレ」と知人に勧められて「いちばん初めにあった海」から加納作品に入った自分としては、もうドンピシャ過ぎる1冊でした。再びこんな感動に出会えた幸運に、深く深く感謝です。

    3
    投稿日: 2022.05.08
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    初めて読む加納朋子さん。 みなさん、とても素敵なレビューを書かれているので、気になっていた作品です。 率直な感想は…読んで良かった!! 読了後もしばらくの間、胸の中に熱を持っている感覚。 この熱は炎ではなく、温かな灯火だろうか。 なぜなら最後のページ。穏やかでなだらかで、幸福に満ちた場面で終わりを迎えるから。 しかし、この穏やかな場面に辿り着くまでは、長い道のりなのです。 作品は前半の「フラット」と後半の「レリーフ」の二部構成からなる、幼馴染の護(まもる)と徹子の物語。 前半は、ヘンテコな行動をする徹子を見守る護の視点で語られる。 淡い恋心など青春の日々を、淡々と描いている感じ。 それがパタッと唐突に終わってしまう。 えっ?って感じ。 そして後半。こちらは徹子視点で、前半の答え合わせの様に進んでいき、雰囲気も全く違う。 もうここからは、ページをめくる手が止まらない。 途中、読むのが辛いほど悲しい場面もあるが、絶対に最後まで読むべし。 みなさんのレビュー同様、最後まで読んでこその作品なのです。

    36
    投稿日: 2022.04.18
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    これはすごく良いお話だった。 幼馴染みの護と徹子。幼い頃から始まって小学校、中学、高校で進路は分かれたが、それでも大学、社会人と続く二人のお話。 時々訳の分からない行動をしたりするちょっと変わった子である徹子を見守る護の視点で描かれる前半は、幼い頃の河原での記憶や高校時代の友人を絡めたエピソード、成人式の出来事などに彩られながら進む青春物語で、ちょっと切ないけれど適度な距離間の二人の関係にほのぼのとさせられる。 ところが、徹子視点で語られる後半はその雰囲気がガラリ一変。これまでの徹子の突飛な行動の訳が明かされ、彼女なりの倫理から一人で困難に立ち向かう闘いに胸が詰まる。 終章、時を経て、徹子が冒頭に語った光景に行き着く展開に、胸は温かく満たされた。

    15
    投稿日: 2022.03.21
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    さすがの加納朋子作品。 フラットとレリーフに分かれており、前半のフラットでは幼馴染同士(護と徹子)の甘酸っぱい初恋模様が護の視点で描かれている。後半のレリーフでは徹子の視点でひとつずつ謎が解き明かされサイコパスの登場でハラハラドキドキの展開に。運命に挑戦する徹子が健気で息もつかず一気に読了した。

    0
    投稿日: 2022.03.05
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    久しぶりに加納朋子さんの本を読みました。やっぱり面白いです。 前半の「フラット」を読み終わったとき、ほろ苦い幼なじみの恋の話でせつないけどいいなと思ったと同時にミステリーは???、どういうこと???となりました。でも、後半の「レリーフ」を読み出すと謎がどんどん解けていき、私が望んでいた結末になり、よかったです。途中は本当に嫌で嫌でしょうがなかったです。 さてさてさん、お薦めして頂きありがとうございました。 りまのさん、やっと読めました。面白かったですね。

    29
    投稿日: 2022.02.15
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    さてさてさんが、加納朋子さんの描く世界観の中で、一番好き、と、おっしゃっていたので、加納朋子さん、初めてだったのですが、この本を読んでみました。 最後まで読んで、すごく良かった! (T_T) 子どもみたいな感想ですが、読めて良かったです! さてさてさん、ありがとうございました! この頃 すごく遅読なのですが、加納朋子さん、また読んでみたいと思います。 \(^o^)/

    78
    投稿日: 2022.02.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本書は「フラット」と「レリーフ」という二章構成である。 「フラット」は、護という男の子の目線で描かれている。加納先生の作品は何冊も読み漁ってきたが、正直なところ、男性目線を描くのはあまり上手ではないと思う。いや、”上手ではない”という表現は、私の好きな作家先生に対してあまりに失礼かもしれない。しかし、私にはどうも字面が滑っていってしまい、すとんと頭の中に入ってこないのだ。向き不向きの問題だと思う。 さて、ストーリーはというと、ちょっと不思議な幼馴染の女の子(徹子)を、”恋”ではない”憧れ”のような感情で応援し続ける護という男の人生を描く。 この”恋”ではない感情。私には、分かりすぎて辛かった。分かりすぎたゆえに、ラストシーンでは衝撃を禁じえなかったのだ。喉の奥からすっぱいものがこみ上げて、「まじかー・・・・・・」と口にしてしまった。 それまで、徹子と周りで起きる出来事をかくもシンプルに描き続け、文字通り”フラット”にストーリーが進んできたところに晴天の霹靂。 ずっと、護を通して、寄り添うように進んできたストーリーから突然見捨てられて、この「フラット」は幕を閉じるのである。 次に、「レリーフ」は、徹子という女の子の目線で描かれている。基本的には同じ時間軸の同じ事象に対して、二人の目線を通して物語が進んでいくのだが、ここからのストーリー展開はかくも見事かと、ページをめくる手を止めることができなかった。 徹子が護の知らないところで奮闘してきた様子が、フラットだった本書のストーリーに、とても見事に影を落としていく。 衝撃の事実の説明があったかと思うと、突然のラスボスの出現があり、健気に立ち向かう徹子の様子に手に汗を握る(そして、意外と徹子は無能というか・・・・・・そんなに強い女の子じゃないことに気づかされる)。 結局、変わらない未来に、この先どうなるんだと思ったところに、もう一人の主人公が華やかに参上するあたり、アニメ化して欲しいと思うほどだ。 最後は、すべてのピースが綺麗にはまり、多幸感に包まれながら読後を迎えることができた。 お手本のようなプロット、ストーリーに感服させられた。SFやファンタジー、あるいはミステリーのような強い刺激が欲しい人には向かないかもしれないが、日常の延長戦上にありそうな低刺激系が好きな人にはオススメできる。

    4
    投稿日: 2022.01.21
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    前半のかったるい青春物語で止めてしまうのは、もったいない。 後半の異常な物語展開にゾクッとするはずである。

    1
    投稿日: 2022.01.10
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    わたし的に作者さんの作品の中でも一番読みやすかった気がします!‼︎ 最初からずっと楽しいしスラスラ読めるし後半入ってから、えっそういうことだったのってわかった瞬間からあっという間に読み終わりました 温かみがあって面白さ、悲しさ、驚きもあり素敵な物語でした お気に入りです是非よんでみてください

    4
    投稿日: 2021.12.19
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    ミステリーと知って読んでいたので、前半はどうやってミステリーが始まるの?徹子失踪とかよくあるパターン?って思ってたらぜんぜん違った。まじでびっくり仰天な展開。徹子の謎が解けてからは答え合わせをしているようで楽しかった。 けれどカタリはまじで嫌なやつだし、なんでそうやって生きているのかもわからないしほんとに顔をしかめながら読んでいたと思う。前半の最後で最悪の事態は変えられなかったことがわかってるから、わかっていながら徹子の1人ぼっちの闘いを見ているのは辛かった。けれど護と仲間たちの大逆転はすっきり。未来への恐怖を感じることなく徹子が幸せになってくれて本当に嬉しい。

    1
    投稿日: 2021.11.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    目次 ・フラット ・レリーフ 長編小説だけど、ふたつの章にわかれている。 前半の『フラット』は、護が語り手。 幼馴染みの徹子のことが気になってしょうがない小学生から三十路間近の頃のことを。 徹子が気になると言っても、好きな女の子ってわけじゃあない。 真面目でいい子なんだけれども、いつも一歩引いたような態度で、クラスの女子から浮いている徹子を、そっとフォローする。 頭がいいくせに、対人関係が不器用だなあ、と。 時に奇行とも思える行動をとる徹子が、本当にいいやつなんだと護は最初から信じている。 後半の『レリーフ』は徹子から語られる。 なぜ徹子はその時そのような行動をとったのか。 誰にも言えない秘密を抱えたまま、徹子はひとり戦っていた。 運命と。 徹子にようやくできた大親友。 彼女を不幸せにしないために徹子の取った行動は、しかし、彼女自身をも疲弊させてしまう。 運命は、ひとりの人間の手には余る。 未来を変えることは出来ても、人の気持ちを思いどおりにすることなんてできない。 だけど徹子は頑張った。 大切なみんなを守るために。 「みんなの中に俺は入っていないのかよ。自分は入っていないのかよ」 護が言うまでもなく、徹子はいつも自分が後回しだ。 そんな徹子と真逆なのが、カタリ。 彼は、さわやかな見た目・言動とは裏腹に、人の心に毒を吹き込み、周りの人を不幸にすることを喜びとする男。 徹子は必死で大切な人をカタリの毒牙から守ろうとするのだけれど。 そこまで極端ではなくても、カタリのような人って普通にいる。 マウントを取って、常に自分が上位じゃないと我慢できない人。 そのためなら手段を問わないという人も。 だけど本当の幸せって、上下関係の中にはないと思うんだよね。 カタリはどこまで行っても満足する人ではないのだと思う。 いや、彼なりに上を目指すのは幸せだったのか? 若い人はどう感じるのかわからないけれど、私のような年齢の者がタイトルの意味に気づいた時、ちょっと自分の人生を振り返ってしまったよ。

    1
    投稿日: 2021.11.01
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    森野護と平石徹子は幼なじみ。 徹子は、ふだんは生真面目な優等生なのだが、時々意味不明な行動をとる。 護は、そんな徹子をひたすら守ろうとする。 護目線で書かれた前半の「フラット」を読み終えて、後半の「レリーフ」の扉を開ける時の高揚感がたまらなかった。 水面を跳ねる石のように、いくつかの場面が広がっては閉じていく徹子の世界。 ひとりきりの世界で戦い、頑張っている徹子が痛々しかったけれど、護をはじめ、優しい友人たちの存在に気づいて、ふと我に返る徹子がいた。 終盤は、ただ静かな、どこまでも滑らかで、穏やかな日常に光が差し込んでくる。 神様に祝福された未来を生きている徹子が幸せで、本当に良かった。

    37
    投稿日: 2021.10.23
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    運命に抗い続ける不器用な徹子とそばで徹子を見守る幼馴染みの護のお話。二部構成で前半は護視点で奇妙キテレツな徹子の日常を、後半は徹子視点での謎解きとその後の展開が。突然えっ?!と終わる前半とあれよあれよと目の離せなくなる後半で一気に読んじゃいます。 人が死ぬ、とろどろした血生臭い、そういうのではない推理小説を探していて出会ったのが加納朋子さんの作品。 普通の人の日常に潜む何気無い不思議を解くお話達は推理小説とカテゴリーしていいのか?と思えるほどの優しさと温いそよ風に吹かれているような清涼感のある読後です。 この本もそのまんま、優しい小説です。

    2
    投稿日: 2021.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりの加納朋子氏。 『ななつのこ』シリーズの、あの優しくどこか懐かしく、ときめきのある作品が好みだ。 今回の物語を表すのには、解説の北上次郎氏の下記の言葉がまさしくだろう。 ‘ひとつだけ書くことができるのは、これは運命と戦う者の物語だということだ’(P326) 奇天烈な行動をする幼なじみの女の子を放っておけない、優しい熊さんのような男の子が語る「フラット」と、その奇天烈な女の子の行動理由が判明する「レリーフ」の前後編。 ネタバレになってしまうが、これはファンタジーだ。 ある能力とそれ故の葛藤も、よくある設定といってもいいだろう。 幼なじみの男女の日常を描いていると思ったら、後半、どんどんと不穏になる展開。 加納氏の作品ならば、悲劇のはずがないと思いつつも、最後まで悲劇に向かって物語は進む。 ありきたりな言葉だが、誰だって、運命と戦っているのだ。 そして、特別な能力を持っていなくとも、人はヒーローになれる。 一人でないという強さ。 相田みつを氏の詩を思い出した。 ‘あなたにめぐり逢えて ほんとうによかった 中略 ひとりでもいい こころから そういってくれる人が あれば’ 一人でもいいんだ、理解し、手を差し伸べてくれる人がいれば。 一人で頑張ってきた彼女の未来に、誰もが祝福を与えたくなるだろう。

    5
    投稿日: 2021.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半と後半で男女幼なじみのそれぞれが話し手となり、二つの視点で話が進みます。 話の雰囲気も変わり、後半ぐいぐい引き込まれます。気になってどんどん読むスピードが上がってしまいました。 後半のカタリの圧倒的な悪意は読んでいて本当に辛かったけれど、護が名前の通りその悪意から徹子を守ってくれて安心しました。

    2
    投稿日: 2021.09.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半と後半で物語の視点ががらりと変わるのがすごい! 加納さんの作品らしいやさしさはしっかりとあり、それでいて、芯の強さもある。 それが好き! 楽しかったです♪

    17
    投稿日: 2021.09.04
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    解説で北上次郎さんも書いてるけれど本当にびっくりする。「フラット」、「レリーフ」という二部構成になっているけれど全く違う空気感で展開される。前半の青春小説のような二人の男女の物語で微妙な距離感と信頼感があって二人のこの先をもっと読みたいと思いつつ二部に突入すると驚く。青春小説からミステリーのような緊張感が徐々に増していく。あまり書くとネタバレになるけれど運命とか変えられないものがあってもそれに抗う意思を持った人の物語。未来を思うこと、そこに幸せなものが見えること。そう思えたなら生きていけるんじゃないかとこの強くて優しい作品に感じた。

    6
    投稿日: 2021.09.01
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    同じ事象を体験しても,人それぞれ見え方感じ方は異なる,というテーマに止まらない,SF的要素も入れつつ人間賛歌に落とし込む,稀代のストーリーテラーが紡ぐ物語の妙たるや.

    2
    投稿日: 2021.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    面白かったです。徹子の頑張りに涙が出ました。そして、護のやさしさ男らしさいいなぁと。 誰にも助けてくれる人がいると思いたい本でした。

    2
    投稿日: 2021.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ーーーあの頃の私に伝えたい。 明日を、未来を、あきらめないでくれてありがとう。 帯のこの一文にハッとして 手に取った本。 この数年、まさにそう思うことが多かったから。

    4
    投稿日: 2021.08.27
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    中長編2作で長編な物語なのかな?二者の双方からの視点で描いたものだった。 一話目の終わり方がちょいと放りなげ感があったので、おや?と思ったのだけれど、もう片方の物語に入ってからは一気に読んでしまった。 そして最後のページを読み終えた後号泣してしまった。 お互いがきちんと相手をみて思いやって理解して見守っている姿がとても素敵だった。 いいなぁ、と素直に羨ましく思う。

    2
    投稿日: 2021.08.16