切なさの真骨頂
作者は切ないストーリーの名手として知られるが、大好きな人との婚約直前に不慮の死をとげる主人公という設定、生まれ変わるチャンスを得るが自分の正体を明かせないという条件、スタートから切なさにあふれている。さらに、恋のライバルである元親友・紬、主人公をずっと想っているその兄・奏と、周囲の人々が皆よい人であることが切ない状況が加速させる。奏を相手として選べば、すべてうまく収まると悩みながら、結局自分のほんとうの気持ちを貫く主人公を応援したくなる、心にしみる作品。