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十年屋 時の魔法はいかがでしょう?
十年屋 時の魔法はいかがでしょう?
廣嶋玲子、佐竹美保/静山社
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総合評価

52件)
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    1つ1つ短編になっており、気兼ねなく読めました。 優しいお話もあれば、教訓的なお話もあり。 猫のカラシが可愛いです。 雪だるまのお話や、懐中時計のお話が、ほっこり前向きなお話で好みでした。

    0
    投稿日: 2025.08.11
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    「大切なものを“時の魔法”で預ける――そんな不思議なお店が本当にあったら、あなたは何を預けますか?」 寿命1年分と引き換えに、10年間そのままの姿で大切なものを預かってくれる「十年屋」。 ぬいぐるみや写真、雪だるま…忘れられない思い出と向き合う登場人物たちに、やさしい余韻が残るファンタジー。 #児童書 #ファンタジー

    31
    投稿日: 2025.07.10
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    とっとこ絵本図書館でお借りした本、 いよいよラストの11冊目は、ここに来て児童書です。 魔法使いという存在が、どうやらまことしやかにいるらしい…という世界観。 登場人物の名前からも国はどこだか、どの辺りの国をモデルにしているんだか、ちょっと判断できないけれど、 日常で、不思議な出来事に遭遇しても、どうやら魔法のせい、魔法使いのせい、…まあ今まで会ったことはなかったけどね、と、どのキャラクターも冷静に受け止められる世界のお話。 大切だけれど、今自分の手元には置いておけないもの。 捨ててしまうことが難しいもの。 持っていることを隠しておけないもの。 そんな誰かにとって特別な「なにか」を、代価として寿命1年分と引き換えに、10年間そのままの状態で預かってくれる「10年屋」というお店に誘われた5人のお話。 10年屋をハブにした連作短編になっているので、1話ずつ安心してゆっくりと物語を楽しめる。 それぞれにそれぞれの事情があって、10年屋に預けたいモノも理由もバリエーションが多彩で、読んでいてまったく飽きなかった。 登場人物のキャラクターもいい。 特に、なんと言っても執事のカラシが良い味出している。 どんな味かは詳しく書かないが、 …スカウトしたくなる気持ちめっちゃわかる〜。(カラシにはもれなく嫌われそうだけど) ファンタジーに満ちた、ただただやさしい話だけじゃなくて、本当にイヤな人は最後までイヤな人でいてくれるのもなんだか良かった。 全体的にバランスがとれた良作。 読み終わって知ったんだけど、こちら続きものになっていて、どうやら長く続いているらしい。 人気の理由もわかる気がする。

    1
    投稿日: 2025.05.24
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    このシリーズはシンプルで作者の文章の癖などもなくとても読みやすい。 天気を造って育てるお天気屋、十年屋の持て余していたある物から美しい色を作り出したいろどり屋など、魔法使いの特性やキャラ、住んでいる家や魔法道具も個性的で魅力的。 短編同士の主人公やアイテムが別の回で回収されるなど、どの巻から読んでも楽しめる。 児童書だけにストーリーもハッピーエンドもあれば教訓や皮肉めいたもの、心の闇の結末など多彩で飽きない。 読書が苦手な人でも読みきれる。

    1
    投稿日: 2025.02.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (放送原稿から) 十年屋、というのは、お客の品物を十年間預かってくれるお店です。十年間預かる代金は頼んだお客の1年分の寿命。 寿命が対価だなんてちょっと怖い気もしますが、そんな怖い展開のお話は…あまりありません。 全体にほっこりとした、ほっとするお話が一冊にいくつか入っています。 たとえば、亡くなったお母さんの思い出がつまっているぬいぐるみ。 なのに、新しい家族にすてられてしまいそうになって、十年屋に預けます。 たいせつな女の子に見せたかった猫の雪だるま。女の子は入院してしまうので、その猫の雪だるまを預けます。 預かってもらっている間は、そのものの時を止めているので雪だるまは溶けないのです。 十年屋の魔法で、預けたものや、その時の気持ごと時は止まり、預けた人の時間だけが過ぎていきます。 十年がたって、そのぬいぐるみが帰ってきたとき、預けた少女は何を思ったでしょうか。 十年後に受け取らない、という選択ができたり、十年たたないうちに受け取りにいったり、といろんなエピソードがあります。 十年間というと、中学生の皆さんの十年前は、幼稚園や保育園のころ? 十年後というと、二十代になっていますね。 今、辛いことや悩んでいることが十年後にはどうなっているかな、案外なつかしく思い出せるものになっているかもしれません。 十年屋には、ちょっとかっこいマスターとカラシというネコの執事がいます。カラシは、人間のように立って歩いて、おしゃべりもできるし、 お菓子作りが得意!お話の中にも、おきゃくさまに出すお菓子の描写があるのですが、とってもおいしそうです。 十年屋に、行ってみたい! でも残念ながら、この十年屋には誰でも行けるわけではなく、必要な人に招待状が届くことになっています。 招待状が届くまでは、この本を読んで待つしかありませんね。

    1
    投稿日: 2025.01.24
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    さすがの廣嶋先生。優しくて不思議なファンタジーでした。十年屋のお客さんも、子どもから大人まで様々だし、良い結果も悪い結果も様々。教訓的になりすぎず、後味悪くもない。子どもにとって、給食みたいな作品だなぁと思いました。

    1
    投稿日: 2024.11.25
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    1つ1つのお話は短め。 それぞれのお話にちゃんと伝わる物があって、自分が子供の頃に出会いたかった本。 1話完結の中にも少しづつ前のお話との繋がりを感じられて、クスッとなる感じがたまらなく好き(*^^*) 最後のエピローグまで是非楽しんで欲しいです。 うちにもカラシ来てくれないかな♪

    1
    投稿日: 2024.07.26
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    十二国記を初めて読んだ方の感想がSNSでバズっていて、その方がおすすめの作家さんとして名前をあげられていて興味を持って手に取ってみた。 5.6年前に本屋さんでポスターを見て気になっていたシリーズと、まさかこうして再びご縁が繋がるとは、少しわくわくした。 この感じの児童文学を久しぶりに読んだ。 そして、高尾滋の『人形芝居』シリーズを思い出した。 十年屋の売る魔法は変わらないのに、どんな人が来るか、どんな気持ちで、どんなものを預けに来るかでこんなにもバリエーションが生まれる。 いい意味でどれもこれも変わらないし、どこか普遍的でさくさくと流れていく。 自分にこんなこと(カードが届いたら、何かどうしても大切なものを預けなければならない、預けたいと思うようなこと)があれば、幼い頃の私は、そして今の私は、何を預けただろうか…

    1
    投稿日: 2024.02.15
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    娘と一緒に読んだ本。 十年屋を訪れるお客さんたちの、それぞれの背景に涙したり苛立ったり。 カラシが可愛い

    14
    投稿日: 2024.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は「残された時計」のお話が好きです。 おじいちゃんの声は実際には聞こえないけどなんだか心が暖かくなるお話です‼︎

    1
    投稿日: 2024.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    身近なお話の詰め合わせ。 最後の十年屋のエピソード~エピローグがとてもよくて泣いた。 全てのお話これからいの分量があったらなぁとは思うものの、子供向けの本だからこんなものかぁという気も。

    1
    投稿日: 2023.12.24
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    オルゴールや鈴の音色に、春のタンポポやれんげ草が似合う話。他の作品は人間のイヤな部分が全面に出ている気がするが穏やかな流れみたいな話だった。まだ一巻しか読んでいないのでどうなっていくか、分からないが毎回生温い話が続いてほしいがそればっかだと飽きてシリーズにはならないよね。きっと

    1
    投稿日: 2023.12.22
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    捨てるに捨てられない物を十年間預かってくれるお店「十年屋」。不思議な魔法で現れるそのお店に  いろいろな事情を抱えた人達がやってくる。   魔法で現れるお店、魔法使いの店主、執事は二本足で歩き回る猫。不思議な世界で起きる不思議な物語。 児童向きだからかやや教訓めいた感じのお話もあるけれど、充分大人も楽しめる作品。 ちょっと「銭天堂」に似てるかな。児童向きだと似た感じになるのかも。

    1
    投稿日: 2023.12.02
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    10年屋から届くカード 喋る猫のいる10年屋 まち針やはさみがささった帽子をかぶる 作り直しのおばあさん。 スノードームの中に思い出の品の世界を作り直す様子 すべてが私の好きなファンタジー観。 だけど、読むと、チクリと 昔の古傷が痛む感じ。 今は亡き、おばあちゃんや おじいちゃんに、もう一度会えたら ごめんね。ありがとうて 伝えたくなる。 物には思い出や、その人の思いや生き様 色んな物が詰まっていて。 物はなくなっても、 それって、記憶として残る。 こんな1人の小さな心の中に膨大に忘れずに 残るんだから。 すごいことだな。

    16
    投稿日: 2023.11.29
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    娘のオススメ 読んだら、子供の頃の、純粋な気持ちを思い出す 魔法使いの呪いは怖いけれど ロロの猫の雪だるまの話が可愛かった

    1
    投稿日: 2023.11.02
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    ふしぎ駄菓子屋銭天堂の廣嶋さんの作品。銭天堂の人気は言わずもがなだけど、あれより少し大人向けかな?10年間ものを預かってくれるお店の短編集でこれだけ心に染みる話を書けるのはさすが廣嶋さん。 ちょっとしたホラーっぽいのもあるけど、舞台はたぶん日本じゃないけれどとっても日本に近いから読みやすい。10年後が出てくるから自然、大人がよく出てくる。忘れていた子どもの頃の後悔とか失敗を預けたものを返してもらう時に大人になって思い出すのも、素敵だった。

    1
    投稿日: 2023.09.14
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    評価3.5くらいです。 1年分の寿命と引き換えに、なんでも10年間預かってくれる十年屋。 いい話もあれば、自分勝手な人にバチが当たる話もあり。挿絵の影響か、「銭天堂」より大人っぽく、作者は違いますが、「黄昏堂」に近い感じです。

    11
    投稿日: 2023.09.09
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    捨てられない大切なものを、思い出とともに10年間魔法で預かってくれる十年屋。 設定の切り口が話により変わり、因果応報をも含むのがこの作者ならではの魅力となっています。佐竹美保の絵と相まってファンタジー世界に浸れます。

    1
    投稿日: 2023.09.06
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    とてもよかったです! 何か大切なものを伝えられた気がします。 初めて読みましたがとても気に入りました。続編もあるみたいなので読んでみようと思います

    14
    投稿日: 2023.07.16
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    銭天堂に似てるなーと思ったら、作者が同じ人でした(笑 子供向け「笑うせえるすまん」 でも、内容しっかりしてるし、文章も幼くない。逆にこの言葉、小学生に難しくない?っていうのがチラホラ。 さて、続きを借りに図書館へ行こう!

    1
    投稿日: 2023.07.02
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    セピア色のカードが届く。 カードを開けると十年屋につく。 大切な物を十年預けられる店、十年屋。 良い本だと思いました。

    10
    投稿日: 2023.06.24
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    十年屋シリーズの本編をやっと拝読。 カラシちゃんは変わらずに可愛い。 俗に言うざまあっていうのかしらん。 悪いやつはちゃんと痛い目を見るっていうスタンスに容赦がなくって、よっぽどスカッとすると思う。 最近の子どもたちはこういう読み物で情操教育をされているのかと思うと、とても羨ましい。

    1
    投稿日: 2023.05.05
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    読み終えると何だか不思議な感じ。 色々と気づかせてくれる。 夢だったり、ワガママだったり、ズルさや嘘など。 後悔のない人生になるように、分かりやすく物語で示してくれているような本でした。

    2
    投稿日: 2023.05.03
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    不思議な世界観がとても印象的でした! もしも本当に「十年屋」があったら… と思ってしまうほど、夢中になれる作品でした。

    1
    投稿日: 2023.02.02
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    忘れていた大切な気持ちを 思い出させてくれるような本でした。 心が洗われた気分です。 大人でも夢中になって読めます。

    2
    投稿日: 2023.01.15
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    おすすめ本として紹介したからには読んでおかなくっちゃ、と読み始めた。 「銭天堂」と似たところがあるかな。 最後にツルさんなる人物が出てきて面白くなりそうな予感が。 次も読んでみようかなあ、という気になる。

    2
    投稿日: 2022.09.22
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    心に刻まれる思い出、良い事も悪い事も、未来の自分に託すなら何を選ぶだろうか……。 自分の歩いて来た道を振り返りたくなる一冊です。

    2
    投稿日: 2022.07.25
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    ★あなたの想いとともに、お預かりしましょう。(p.5) 魔法のお店系。失いたくないものを劣化させず保管してくれる十年屋に預けられたモノと預けた人の話。  好きな佐竹美保さんの絵なので読んでみたら作者は「銭天堂」の人なのでした。気がついてなかった。近いタイプですがこちらの方が好み。十年保管している間に変化する人の気持ちというのがミソ(中には十年待たないものもあるけど)。 【一行目】あまりにも愛おしいものだから、こわれてしまっても捨てられない。 ▼十年屋についての簡単なメモ 【アルバム】わがままなマカが恋人のタンとケンカして捨てようとしたが捨てきれず十年屋に預けた。 【懐中時計】壊れている。なにも楽しめない灰色の人生を送っている青年ジンに腕のいい時計職人だった母方の祖父が十年屋に預けて引き取り人としてジンを指定していた。 【カラシ】二本足で歩く猫。十年屋の執事。 【十年屋】十年屋のマスターで「十年屋」と呼ばれている。十年魔法の遣い手。若く見える男性。だいじなものを十年間まったく劣化させずに保管してくれる。その対価として寿命を一年分もらう。十年経ず引き取りは可能だがその場合も寿命の返却はしない。十年後に不要だったら正式に十年屋の所有物とし買ってくれる人が現れるのを待つ。 【スノポン】リリのだいじなうさぎのぬいぐるみ。新しい母さんのナラさんに捨てられそうなので守りたい。 【ツルさん】「作り直し屋」を営んでいる。素材探しに十年屋をたびたび訪れる。十年屋とカラシはどうも押しと強いこの人物が苦手。 【雪だるま】ロロが仲良しの女の子、病弱で外で遊ぶことができないカウリのために作った猫の雪だるま。会えなくなったのでとける前になんとかしたい。この本のメインストーリーかも。 【指輪】ララとお互いに張り合っていたテラがついうっかり着服し罪の意識とともに十年屋に預けた。

    2
    投稿日: 2022.07.23
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    発売されたときに読みましたが,廣島玲子さん不思議な短編が上手です 自分の寿命1年と引き換えに何でも預かってくれる魔法使いのお店「十年屋」

    2
    投稿日: 2021.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    友達に進められ、読んだ本でした。 あまり期待していなかった私にそっと面白さをくれました。 十年屋という名前のお店と、十年屋という呼び名の店主。 十年屋は、寿命一年に対して、十年傷1つなく預かってくれます。 捨てられそうになった大事なもの、隠しておきたい、または忘れたい。そんな思いを持っていると、 ふしぎとあなたのところへ招待状が。 開くか、ばつ印を書くかなどの判断を迫られる。 ドキドキですね。 また、家族や親族から預かりものを届けられることもあって面白い。 次のシリーズもとても楽しみになります。 皆さん読んでみてください!

    3
    投稿日: 2021.11.05
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    児童書ですが「妖怪の子預かります」シリーズからファンになり読んでいます。自分の時間と引き換えに大切な物を預かってくれる、そんな十年屋さん。自分だったら何を預けるだろうかと考えさせられます。猫のカラシが可愛いです。

    2
    投稿日: 2021.08.31
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    小学校高学年の女の子が好きそうな話。 だいたい2本足で歩くオレンジの猫って! ちょっと変わった言葉遣いも女の子がまねしたくなるかも。 うーん、 かわいくてほっとする話。

    2
    投稿日: 2020.12.03
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    意味があるもの、守りたいもの、そして遠ざけたいもの。 そんなお品がございましたら、「十年屋」にいらしてください。 あなたの想いとともに、お預かりいたしましょう。 魔法使いと猫の執事が営む不思議なお店。想いのつまった品を十年間預かってくれるのだが、その対価とは? 訳があって今は手元には置いておけないけれど捨てる事も出来ないものを預かってくれるお店。いつでも引き取ることが出来て、十年後は取り戻すもよし、手放すもよし。それならバンバン預かってもらえばいいじゃん!という訳にもいかない。なんせお代は寿命一年分。この対価が安いか高いかはその人次第。年齢によっても重みが違ってくるなぁ。 あと大事なことを一つ。くれぐれも魔法使いとの約束は違えぬように。

    1
    投稿日: 2020.10.13
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    この物語の『十年屋』は、意味があるもの、守りたいもの、そして遠ざけたいのに捨てられないもの、そんな品物を十年間、そのときの想いも一緒に預かってくれる魔法のお店です。  預けずにはいられないほど切羽詰まった気持ちになった人のところに、十年屋からのカードが届く仕組みになっています。  この本には、そんな品物を預けた人の物語が5つ、収められています。  亡くなった母が作ってくれた白うさぎのぬいぐるみが、新しいお母さんに捨てられそうになっている15歳の少女、傲慢さから魔法契約を破った娘の末路、届けたくても届けられない雪だるま、盗んでしまった友達の宝物、父親の呪縛。  十年。  私のごく身近に、父親の呪縛と母親の呪文をうちに抱えたまま、大人になって親になった人がいます。母親の呪文は、その人を一見、好青年に育てました。偏差値の高い大学に行き、高収入を得、親戚の人が高評価をくれた彼女を妻にしました。本当に努力家の彼だったので、周りはずっと、誰も気づきませんでした。彼の真ん中に、虚洞が育っていることを。  虚洞が震える度、彼は他人を冒瀆しました。様々なやり方で。  彼の虚洞は、息子が生まれてさらに顕在化しました。その虚洞を息子でうめようとしてしまいました。  誰にも、それを止める力がありませんでした。  彼の息子は自身を消したくなりました。  彼の家族は、壊れました。  この巻の最後には、作り直しの魔法が出てきます。  預けられたままになったものたちのいくつかは、作り直しの魔法と巡りあいます。    私の心の奥に十年屋のドアを作り、その向こうに預けてみようと思います。十年1ターンで、作り直しの魔法をかける力を身に着けようと思います。向き合い続けると虚洞に飲み込まれてしまうので、十年ごとに。  だいじょうぶ。平均寿命を考えれば、死ぬまでにはまだ時間があると思うので。全部は無理でも、少しずつ。縫い合わせたり、ボタンをとりかえたり、組み合わせを変えたり、置き場所を変えたり、発酵させたり、熟成させたり。  だいじょうぶ。この路地には何人かの魔法使いが一緒にいて、お互い修行中だから。  傲慢な考えかもしれない。  でも、そうすることで、私が救われるので、修行だけはまず、してみようと思う。

    7
    投稿日: 2020.08.27
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    あまりにもいとおしいものだから、壊れてしまっても捨てられない。思い出が詰まっている品だからこそ、どこかに大事に保管しておきたい。意味がある物、価値がある物、そして遠ざけたいものを預けられる十年屋の話です。預けた人が「あなたの一年のじゅみょうを預かりしてから十年間お預りします。」と言われてあずかってもらう人がびっくりして十年屋に怒っていたから次に何が起こるのかが気になりました。

    1
    投稿日: 2020.07.11
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    捨てられないもの、捨てたくないものを十年間預かってくれる『十年屋』。タイトルと設定がいいなと思った。魔法がすんなり受け入れられる世界。 預けたものを引き取って前に進む人、預けたことで成長してそのまま引き取らずに進む人、いろんな形でみんな成長していくお話だった。 魔法使いさんと執事のカラシのキャラクターも素敵。カラシの「〜なのです。」かわいかった。続編も『作り直し屋』さんも気になるところ。

    1
    投稿日: 2020.07.03
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    2020年5月11日 図書室のおすすめ本 面白い。 十年屋に行くパターンも様々。 マンネリでないところが作者の工夫だね、きっと。 魔法使いが代償を求めるなんて世の常識みたいに伝えられてるそうだけど、それは聞いたことがない。 もともとの世界が私たちの住む場所と同じようだけど違う場所なんだと思う。

    1
    投稿日: 2020.05.11
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    娘が小学生の頃読んでいた「銭天堂」の作者の本。 児童書だけど、面白かった。 1.懐かしの白うさぎ 2.傲慢のアルバム 3.約束の雪だるま 4.悔やみの指輪 5.残された時計 6.作り直しの魔法 ・エピローグ から成る短編集。 それぞれの話が魅力的で、続きが気になる!読みたい! という気持ちになり、最後のエピローグで上手くまとまった感じ。

    1
    投稿日: 2020.03.28
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    読みたい! 『捨てられないもの捨てたくないものお預かりします。 どんなものでも魔法で十年お預かり致します。 お代は寿命一年分。』 こんな新聞広告。 はて?私は寿命一年分かけて 預けたいものがあるのだろうか?? あるとしたら、それは何? 断捨離が趣味?性分?日課? いつも何かを「捨てたい」と思う私にとって 10年預けたいものがあるのか自問自答した。

    1
    投稿日: 2019.08.09
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    1年の寿命と引き換えにあらゆるものを預かってくれる 十年屋。 不思議な魔法使いと執事猫。 なんて優しい2人。 もっとも、約束を破ると恐ろしいしっぺ返しがあるけれど。 ロロとカウリの話が可愛らしく温かくて大好き。 ロロの健気さについにっこりしてしまう。 ぶっとびのツルさんにはびっくり(笑) 魔法使いも敵わない(笑) 2巻もあるそうなので、Getしなくっちゃ。

    1
    投稿日: 2019.02.26
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    003:読書感想文 入れたての紅茶 香ばしいクッキーの香り ミルクティー色の表紙 黄金色のふわふわな猫 本を開けば暖かな優しさに全身が包み込まれます。 5つのストーリーは人の想い、事情が全て異なり 書き出し方も異なったパターンで、予想外の展開に舌を巻いてしまいます。 カラシ(猫)が店の奥(別世界)へ導いてくれるーー まるで、何かのお話とおんなじだなと、くすりと笑ってしまいました。 新刊が楽しみです。

    1
    投稿日: 2019.02.02
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    ・この話は、大切な物を預けることができます。十年預けることができますが、1年寿命がとられます。でも1つも傷つけないで十年預けてくれるので私も何か預けてほしいです。

    1
    投稿日: 2019.01.29
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    様々な理由で保管場所に困っている人の元に届く不思議な案内カード。  それを開くとその場から魔法使いのお店『十年屋』の前まで一気に行く事ができる。 十年屋の名前の通り十年間そのままの状態で何でも預かってくれるのだけれど、魔法なので当然相応の代償が必要。 それは預ける人の命1年分。  それを高いと思えば断ることも出来るけど、大体ここに来る人は断れるような状況ではないので契約書を交わして保管してもらうことに。 十年経つ頃になると受け取りに来るか、そのまま破棄してお店の所有物とするか選べる。 目的は同じでも理由は実に様々。 当然心の優しい人もいれば性根の腐っている人もいて、預けた後の結末には当然違いが。  3話目の雪だるまのお話のラストが指輪で終わり、その次のお話が指輪に関するところとか面白い。  そしてある物を直す決意をした若者の話の次は、作り直しの魔法使いのおばあさんの出てくる話。 もぉ出てくる登場人物に泣けたり共感したりイラっと来たり、読んでいて感情の波が激しくうねっちゃう。 そして最後にエピローグでほっこり。 いやぁ面白かった。 シリーズ化してるのかなこれ? 次も出ているなら今度読もう。

    1
    投稿日: 2019.01.02
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    想いと品物を10年間預かってもらえる「十年屋」(^^)10年間そのままの状態で保存してもらえるとはいえ、対価が寿命が1年分だと、自分ならどうするかな?(゜゜;)いろいろなパターンの話があって面白かった~♪そしてエピローグで凄く幸せな気持ちになった(*^^*)猫の執事カラシが可愛い(*≧з≦)

    1
    投稿日: 2018.12.18
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    どうしても捨てられないもの、守りたいもの、そして遠ざけたいもの。そんなお品がございましたら「十年屋」の時の魔法をご用命ください。 小さなころからずっと大事にしていたぬいぐるみ、大好きなひとからもらった写真、会えなくなった友だちに見せたかった雪だるま。忘れたくても忘れられない大切なもの、思い出と一緒に、魔法でお預かりします――。

    1
    投稿日: 2018.12.17
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    【収録作品】プロローグ/1 懐かしの白うさぎ/2 傲慢のアルバム/3 約束の雪だるま/4 悔やみの指輪/5 残された時計/6 作り直しの魔法/エピローグ

    2
    投稿日: 2018.11.24
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    あるものと引き換えに、大事なものを預かる十年屋。それぞれの依頼者にあった結末。時の経過と心の変化を上手く使ってる。引き取られなかった物の再利用が面白い。

    1
    投稿日: 2018.09.25
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    『銭天堂』がとっても気に入ったので、こちらも発刊と同時に読みました。大事なものでどうしても捨てられない物・・・でも、10年経つとその気持ちも変わってたりする。確かに!! 私は私で「あのときのあれ」とか「いまのこれ」とか自分の『執着心』みたいなものも改めて考えさせられました。児童書はほんと私にとって色~んな意味で『宝』です。またいい本に出逢えました。あ!モフモフのカラシくんの大ファンにもなっちゃいました♡

    1
    投稿日: 2018.09.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    様々な想いと共にある物を十年間自身の寿命一年で預けることのできる十年屋。 十年経つことでその時の想いのまま引き受けた「懐かしの白うさぎ」の場合もあれば、受け取らずより良いものを想い人に渡す「約束の雪だるま」など様々なパターンあり。その中でも傲慢な女性が全て自分に返ってきた「傲慢のアルバム」は結末がインパクトあり。

    1
    投稿日: 2018.08.29
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    カラシが、むっちゃかわいい〜。なのです。 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズが好きな子にオススメするとよいかも。

    1
    投稿日: 2018.08.13
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    銭天堂の廣嶋玲子さんの作品。これも続きが書けそう。こんな世界があればね。寿命一年を差し出すのは怖いような……

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    投稿日: 2018.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    モノに意味が宿るとき それが記憶と結びつくとき、 それが他者の存在を思い出させるとき、 それらは全て当人の頭の中だけで起きている。だから、当事者以外にはなかなか分からないもの。 でも、それがそこにある/ないというだけで、ここまで当人の気持ちや価値観が変わってしまう。 シンプルな話なのだけれど、記憶や思い出、十年という時間、モノ自体が複雑に絡み合っているともいえる。 あと、カラシの給料ってなんだろう、寿命? 懐かしの白うさぎ: 実はナラさんも、処分したい衝動とリリへの愛情の葛藤の中で、十年屋を利用していたりして。 悔みの指輪みたく、モノが原因で発生した感情まで預かってもらえるとなると 傲慢のアルバム: 2人の傲慢さの違いは何だろう、とふと思う。 マカはタンの愛情を自己愛の依代として使う傲慢さがあったけど、アルバムを見返した時に「ときめき」を思い出している。 リリと異なり、十年屋が預かっている物品からは何も感じなかったし、アルバムから何かを感じ取っていたかどうかはあやしいけど。 タンはマカを本気で愛していたが、愛情の対象は自分の思う通りに更生する可能性のあるマカであって、ありのままのマカではなかった。 約束の雪だるま: 「ずっと」と「ほかの人には作らせないで」がミソ 悔みの指輪: 十年経つと客観的に、冷静に、過去の自分の感情を受け取ることができる。 逆にいえば、十年前どれだけ切実に、真剣に向き合っていたかを忘れてしまう。 そのタイミングで、返してもらうか放棄するかの選択を迫られる。 無自覚のうちに過去の自分を裏切ってしまうかもしれない。 丸々預けた感情が丸々返ってくる/処分するのと、少しずつ薄れていく中で忘れないようにする/忘れようとするのとでは、また違うんだろうなぁ。 残された時間: 毒親だなぁ。 銭天堂で、大人の女性が家族面での失敗、大人の男性が経済的な失敗をすることが多いイメージがついていたから、ちょっと意外だった。 預けたモノを10年後の関係者に託すのも可能とは、話の幅が広がりそう。 作り直しの魔法&エピローグ: ツルさんのお店の詳細は別に本が出るのかなぁ。

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    投稿日: 2018.07.22