
総合評価
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powered by ブクログたっぷりの読み応え。愛する我が子を憎らしく思ってしまう気持ちなど、母たちの葛藤が痛々しく伝わってくる。すごく良かった。
0投稿日: 2025.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
電車で読んでて物理的にくらくらして、あ、立ちくらみするってなって本閉じた。それくらいの凄み。 p152「セックスって全肯定だからね。全肯定って暴力だからね」 p174「そうそう、手が綺麗って言われてさ」 「うん?」 「そのコンビニの店員の女の子にさ、金払う時、手綺麗ですね、って」 「ほんとに?どんな風に言われたの?」 「うわー、って感じでほれぼれしてたよ。見る?って手出したらいやいや、って笑われたけど」 笑いながら、ほら、女の子ってみんな男の手が好きなんだよ、と言った。私は待澤と出会った十五の頃から、待澤の手が好きだと言い続けていた。 p210 毎週ジャンプを読んでいる男とか、アウトドアが好きな男とか鏡の前で筋肉を強調するポーズを取る男とか女子高生もののAVが好きな人とか、そういう男と付き合うべきだったのだと。 p400 絶望して初めて、人は起爆できる。 p526 きっと皆私の自殺を心配しているだろうと思った瞬間、私は自分の不倫が何を意味するのか、分かった気がした。皆が私の自殺を心配して連絡を取ろうとしている時、夫でない男と抱き合っている事なんだと、そういう事なんだと、そんな風に思った。 p537 例えば高熱を出している人が小説を読まないように、裸族には小説が必要ないように、少なくとも友人の子供の死を知ったあの瞬間、私には小説が必要なくなったのだ。
1投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
発売当初の自分が母親になっていない状況で読んだら、また違った感想を持ちそうだけど、母になって8年経っているとなんかもうヒリヒリするくらい3人の気持ちがわかって。 赤ちゃんから3歳までの育児って孤独も感じるし、しんどいし、ちょっとでも母親が気を抜けないというか思い詰めちゃう感じは往々にしてあり、真面目すぎる母親はきついなと思う。 だからといって、不倫していいとか虐待していいとかクスリやっていいというわけでもなく。 でも母親が発散させる場所は絶対的に必要なんだよな。 五月は弥生を亡くしたし、涼子は一弥と離れて暮らし、ユカは再婚相手との2人目の子どもを妊娠しているって不思議な結末で、でも因果応報というか、それぞれ痛みを伴ってご都合主義ではないなと思った。
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ子どもを同じ保育園に通わせる3人の母親目線で それぞれ話が進んでいく。 3人の母親は環境も違ければ、職業も違う。 600頁越えと中々にボリューミーな本書だが、 物語に引き込まれていった。 虐待描写や性描写などが鮮明に書かれているため 読みながら息が苦しくなった。 でも、子どもを育てたことのある母親なら 共感できる部分が多いのかもしれない。 1人の子どもを育てる母親は本当に強くて 愛情を強く持っていることに改めて感じた。 反対に憎しみも。 子どもを育てる時には母ひとりでは限界がある。 周りの協力が必要不可欠だなと痛感した。
9投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログとても好きです。 休日を使って一気に一日で読み終わりました! この本をきっかけに新しい視点が増えました。親ならばこうあるべきと思っていた価値観が、親も人なのだと改めて実感させられました。 とても良い学びにもなる小説でした。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ『マザーズ』 ドゥマゴ文学賞 受賞 今作の 金原ひとみさん ♡ 余韻がすごいです 今作は考えさせられたなぁ 不思議なの 共感はまったくしてなかったの ……でもね この作品 好きだなぁ って思う 同じ保育園に 子どもを預けている 三人の母親の物語 作家のユカ、モデルの五月 専業主婦の涼子 それぞれ三人の視点で 物語はすすみます ドラッグ、不倫、虐待、流産…って、 読んでいて どれも共感しがたいのに 本当に不思議 共感してないんだけど…受け入れちゃってる あるかもなぁ……って想像しているの 赤ちゃんが産まれて育つということは、 「母性」だけじゃないよなぁ…って 環境だってあるんだよなぁ…って いい環境なら幸せだけど 自分の思う環境と違ったら 泣きたくなっちゃうでしょう? だからって、ドラッグも不倫も虐待も ダメなのはわかっているの そう ダメなの でもね、ちょっとだけ 「あぁ…辛かったんだなぁ」ってね 思っちゃう だって 子育てって 大変だもん もちろん、自分の子は無条件で可愛い そんなこと わかってるんだけど イライラしてるとき 子供にあたったり そういうこと あるでしょう? 殴ったりだけじゃなくてね 冷たい言い方しちゃった とか そのレベルでもね だから……なんか考えちゃった。 元気に育ってくれてるってだけで… 奇跡に近いことなんだよなぁ……ってね ちょっと 深く しんみりと 考えさせられる そんなお話でした
62投稿日: 2025.07.10
powered by ブクログすごい小説だった。虐待シーンとか、セックスシーンとかがリアルに表現されててさすが金原ひとみだなと思う。読んでて辛くなるような箇所も沢山あったが3人の母親の本音が詳細にかつグロテスクに書かれてて引き込まれる。 他人目線の自分と自分目線の自分が全く違うんだって言うことを実感させられた。
0投稿日: 2025.05.15
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ひええなんかすごい小説だった。2週間以上読んでも読み終わらなくて、ギブアップしようと思ってたけど最後まで読んで良かった。まさか弥生が死ぬなんて、、、死んでからは猛スピードで読み終わったわ。 以下心に残ったところ 「例えば涼子が今、一弥を捨ててもいいですよ、戸籍も抹消します誰もあなたの事を貴めません罪にも問われません、という特権を与えられたとしたら、涼子は一弥を捨てる?」 「捨てない。そんな事出来ない」 「じゃあもし、捨て子が日常的に行われ、罪に問われない国に生きているとした たら?」 「捨てないよ。捨てられない」「涼子は捨てるよ」 「捨てないよ。私には一弥が必要なんだよ」 「私たちは常に、とれが人間本来の形である、という画一的な価値観を押しつけられ、強要されている。その型からはみ出せばはみ出すほど、人は排除され叩かれる。涼子は今、その価値観からはみ出し、非人道的とされている感情を抱いてしまう自分自身に戸惑い、そういう自分を責めている。でも涼子の行為も感情も、自然なものだと私 と思う。自然だから虐待してもいいとは言わないよ。涼子はそういう自分を否定するのでもなく肯定するのでもなく、社会的な倫理と自分自身の倫理の狭間で、両方の正当性を公平に吟味して、その中で自分がどういう立場に立つべきかもっと考えるべきだよ。涼子はまだ何も絶望する段には至ってない」
0投稿日: 2025.05.14
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すごい迫力ある作品 女性を取り巻く社会の価値観、生物としての役割の中で欲望、執着、妬み、自由などのあらゆる感情が、波のように寄せては返す 教科書に書かれているような理想の母親はいない みな1人の人間であり女である それぞれのキャラクターが際立っていて、部分的に自分に重なる一瞬がある 五月の子供が亡くなることは衝撃すぎたが、それ故に夫婦仲が良くなるという、運命的なサイクルが回る 男女の関係は満たされると離れ、失うと近づく それは1対1の関係だけでなく、彼ら彼女らを取り巻くすべのものを包括している
0投稿日: 2025.05.10
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同じ保育園に子供を通わせる3人の女性の子育てや夫との関係の物語。子供を愛しながらもその存在を鬱陶しいとおもったり、泣きやまない子供を虐待してしまう母親たちがいる。 小さな子供を育てるということが地獄のように感じてしまう一瞬は誰にでもあり得る。 親に蹴られている赤ちゃんが生きて、愛情ある丁寧な朝ごはんを食べている子が死んでしまう。大切家族との関係や精神状態、状況等のほんの少しの巡り合わせの悪さで何もかも失ってしまう怖さを感じた。
1投稿日: 2025.02.10
powered by ブクログ主婦を題材にしたオススメ小説で手に取った一冊。 金原ひとみさんの蛇にピアスが当時とても印象に残った本だったのを思い出しつつ、金原ひとみさんワールドでまた一気読み。 3人の主人公達がどうなっていくのか気になった。読んだ後もまだ彼女達の物語が続いていくようでもって見ていたくなった。
0投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ朝日新聞のオピニオン面での文章がすごく良かったので、代表作のマザーズを手に取った。 独特の描写、実際に子育てしている人だからこそできる表現だなぁと思いながら読んだ。すごくグロテスクだけれども、完全に別の世界と言うわけではなくて、普通の人がなり得るような状況、ギリギリのところをうまく描いていると感じた。この本の出版はもう今から13年前になると思うけど、その状況からなにも変わっていないし、今年出版された本と言われても、何一つ驚かない。今の状況を残念に感じながら読み進めた。 それぞれの登場人物に作者の気持ちが投影されているように感じたが、作者の思想的な部分はユカ。感情的な部分は涼子に近いのじゃないかなと。自分が男性だからか、特にこのひとに共感したのはなかったけれど、一般的には涼子のような人が多いんだろうなと。涼子の狂気は現実離れしているようで、みんな感じながら子育てしているんだろうなと。母親1人で子育てしなければならないような社会環境は絶対良くないし、この本を男性が読むことで少しでも今の女性が置かれている状況、男性の怠慢を理解してほしいと思う。
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログ同じ保育園に子ども預ける五月、ユカ、涼子というマザーズの日々が描かれる。涼子は若干背伸びぎみだけど、モデルの五月、小説家のユカは自分が稼いだお金でセレブ的な生活ができる立場。そんなお金のある人たちの生活が描かれているせいか中盤までなかなか話のなかに入り込みにくかった。 中盤になり3人の区別がはっきりついたあたりから面白くなってきたように思う。ユカも涼子もしょうがない人たちに思えて特に肩入れ要素はないんだけど、五月はほかの2人とつき合うのがもったいないくらいいい人だなと思った。そんな彼女に子ども失うなんていう出来事が2回も、それぞれ違ったかたちで起こったのは残念なこと。五月に起こった出来事をして小説以上のことが現実では起こるんだとユカが思っていたが、確かに小説では珍しく五月にばかり喜びと苦難があざなえる縄のように押し寄せていた。 前述のように、セレブマザーズに共感要素はあまりないのだが、それでもみんな仕事をしたりクスリをしたり「不倫」をしたりしながら、育児をしている。それに比べて彼女たちの夫や周りの男たちの鈍感なことよ。そう、敏感だからこそ子どものいろいろな様子の変化に気づき、世話をやかざるをえなくなる。彼女たちが鈍感で気分屋の夫たちに気をつかっているのもおかしな感じだが、これが現実の数多のマザーズたちの縮図でもあるのだろうな。
0投稿日: 2024.06.27
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エッセイ、小説を立て続けに最近読んだ中でSessionにゲスト出演している回を聞いた。育児について語る場面があり本著が紹介されていたので読んだ。文庫版の解説にもあるように本音は人を傷つけるから蓋をするケースが多い中、もっとも聖域となっている育児において、女性の悲しみや怒りといった真っ直ぐな気持ちがこれでもかと詰め込まれた小説で圧倒された。 三人の女性を描いた群像劇となっていて、ユカは小説家、ユカの高校の同級生の涼子、ユカと同じ保育園に通う娘を持つモデルの五月が登場する。バラバラの背景を持つ彼女たちがそれぞれ育児する中で直面する現実を細かく描いている。小説ゆえの展開のエグさはあるものの「育児に対する無理解」という通底するテーマは極めて卑近なものだ。登場人物が三人いるからとはいえ文庫で600ページ強というのは特大ボリューム。読む人によってはかなりキツい描写が続くものの、怖いものみたさが勝ってひたすらページをめくっていた。 子育てする中で当然我が子はかわいく思えるし唯一無二の存在ではある。ただ大人になると思い通りにならないことへの耐性が低くなっており、子どもの無邪気さをどうしても受け止めきれないときがある。この小説では、その無邪気さに対する親の持つダークサイドにフォーカスした育児小説となっている。これが分かりやすい。 *私たちは自分の負の感情を子供たちに見せないように、ある種の感性を麻痺させて進化したのだろう。でもシンデレラ城の裏が張りぼてであるように、子どもたちが目にする優しい母親の裏には、ぞっとするようなマイナスの感情が渦巻いているはずだ。* 著者になぞらえやすい小説家の登場人物がいるし、その役目を使ってメタ的展開もふんだんにあるものの、残り二人にも著者の情念がこれでもかと捩じ込まれており筆が走っていることが読んでいて伝わってくる。育児する上でこの日本社会に横たわる女性の不条理を叫びたい、書きたい。たくさんの鬼気迫るシーンもあいまって、育児している当事者に対して悲痛な思いがグサグサと胸に刺さってくる。また小説家という設定を用意することで他の登場人物たちを一方的に追い込んでいくわけではなく自戒の要素が含まれハードな内容のバランスを取っているように感じた。 読者と比較的立場の近い涼子がワンオペで追い込まれていく描写がとにかく辛く息がつまる。ワンオペは物理的に子どもと1対1で孤立している状況だが、仮にワンオペでなくとも孤立することを本著では手を替え品を替え伝えている。誰もが子どもに対して加害者になりたいわけではないが育児で追い込まれること=圧倒的正しさに責め立てられる辛さ、ミスの許されない辛さをこんなに言語化している小説はないだろう。このラインは育児などに関係なく刺さる。 *私たちには弱者に向き合う時、常に暴力の衝動に震えている。私たちには常に、弱者に対する暴力への衝動がある。でも暴力の衝動に身を任せて弱者を叩きのめしても人は大概満たされない。* 本著を読んで最も印象に残ったのは登場人物たちが感情を激昂させる際の表現として読点なしの独白だ。いずれも夫に裏切られた登場人物によるものなのだが読点のない文章が持つ迫力に圧倒された。文字圧とでも言いたくなるような表現。特にユカがブチ切れるシーンはラッパーのファストフローを聞いたときのようにガンフィンガー立てるレベルだった。 すべてのベースにあるのは男尊女卑がはびこる社会に対する怒り、女性に対する育児・家事の負荷の大きさに対する憤りである。男性の育児休業取得など、近年では目に見えて変わってきている部分もあるがまだまだ対等とはいえない。「母性」という言葉が生むプレッシャーに苦しみ育児をする母親ではなく一人の女性としての尊厳が欲しい、その切なる願いが悲劇を生んでしまうのが辛い。終盤にかけて救いのない展開が続くものの孤独にはならず夫がそばにいることは示唆的だ。二人を繋ぐのは子どもではなく愛なのではないか?そして逆説的にその愛があれば悲劇は起こらないのではないか?と考えさせられた。著者の筆力が最大限発揮されている快作かつ怪作。
1投稿日: 2024.05.10
powered by ブクログ今、思うと、こどもってあっという間に大きくなる 今もまだ子育て中だけど、少しずつ楽にはなってるけど、成長とともに悩みも変化していく 狭い世界で生きてると、そこが全てに思いがちだけど、全然そうじゃないのになって思ってしまった
0投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログ子どもを産んでみて、そのかわいさ、愛しさに胸が潰れそうになり、もしこの子を失ったらもう生きていけないと思わされ、 その一方で、自分の時間のなさ、思い通りにスケジュールを組めないことにもどかしさを感じていた。 そんなときに手に取り、3人の主人公の境遇とわたしの境遇は一致しないけれど、それでも、よくぞこの気持ちを言語化してくれた!と思う描写の連続だった。 特にこの三つ。 ・戦士はローションプレイをしない。 ・とにかく密室育児をやってみて思うのは、育児には必ず誰かの助けが必要だという事だ。 ・私は半ば、自分を諦めるように祈った。何でも差し出すだろう。私は何でも差し出すだろう。愛しい物ものに、全てを捧げるだろう。 子供を産んで、無垢という言葉の意味を、実感を伴って理解したし、 自分よりも何よりも大切な存在で、もしいなくなったら生きていけないだろうと思わされる存在を知ったし、 笑ってくれるだけで、見つめてくれるだけで溶けてしまいそうになるほどうれしくて、私の生活をガラッと変えてしまう存在を知った。 その一変ぶりは凄まじくて、正直暴力的に変えられた、という表現がしっくり来る。 夫婦の関係だって、生まれる寸前まではお互いが一番大切だったけれど、夫婦2人よりも重んじられるべき存在が登場してしまった、と産んでから気がついた。 お互いが一番大切だったのに、もう当然ながら自分は相手の一番ではない(同率一位ではあるかもしれない)と相手が思っているであろうこと、自分もそう思っていることに気がついた。 そして夫のことが好きだから子どもを作ろうとし、実際に妊娠して出産したのに、その子どもの存在によってお互いの価値観の違いを見つけたり、相手を許せないと思うような出来事が起きるようになってしまった。 (たとえば育児において、何をよしとするか、どのくらいの危険性であればよしとするか。わたしは0.01%でも危ないことが起きる可能性があるなら排除したいと思うけど、夫はそんなこと言い出したらキリがないと思っていて、わたしは夫のその開き直りが許せなかった。) それでもこの子に会えて本当によかったと感じる。どんな疲れやイライラも、この子の笑顔だけで癒されてしまう。 夫婦2人でこの子の成長を見守ることで、2人の関係がたしかに深まっていくのを感じる。 陳腐な表現だし、いままでは「まあ子どもがいる人はみんなそう言うよね」と思っていたけど、いざ子どもが産まれたらもうそうとしか表現できない。
1投稿日: 2024.04.28
powered by ブクログ私自身、生物的に妊娠は不可能。妊娠と子育てを、さまざまな視点から、追体験できるこの作品。母親とはとても孤独な期間を近くに子供がいるのに感じてしまう。 私が将来、結婚して子供ができた時には、この本を思い出して、少しでも妻の心の変化に気づいて、母親として、孤独にならないように尽くしたい。
12投稿日: 2024.04.22
powered by ブクログ子どもを持つことって、幸せなことではないんだろうか。 衝撃的な展開の重なりに、実際に自分が育児をしてみたらどんな風になるんだろうと一抹の不安を感じた。今はまだ経験がないから共感できないことも、子どもができたらまた変わるだろう。
0投稿日: 2024.03.06
powered by ブクログ同じ認可外保育所に子どもを預けている3人の母親たち。それぞれが育児や夫との関係の中で閉塞感や焦燥感を抱え、無意識に逃げ道を求めている。 出産、育児の経験がある女性なら大なり小なり彼女たちに共感したり、もしくは共感するからこそ場面によっては眉を顰めたりするに違いない。 ただし、そんな安易な共感は徹頭徹尾、毅然と拒否される。 それぞれの後日譚から何を感じればよいのだろうかと、読後しばし考えた。
0投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ一気に読めました。 人間の描き方が魅力的で楽しい。 母親業をやっている人たちは色々な種類の人がいる。
5投稿日: 2024.01.22
powered by ブクログすごい。圧巻。すべてを書き切っているのでは。 3人の若き母たちを題材に、母親であることの幸福と孤独、身を切るような痛み。金原ひとみ節として不倫、クスリ、暴力の描写はあるけれど、それもその時々で彼女たちには必要なもの。 読むタイミングは選んだほうがいい。若すぎるとわからないし、登場人物に近すぎると嫌悪感が勝りそう。まだそこに足を踏み入れないギリギリという、最適なタイミングで読めたことを幸せだと思う。
2投稿日: 2024.01.04
powered by ブクログこれやばち。この気味の悪い、無機物的な文章はなかなか普通の作家には書けない。 理論と論理 理論は論理の行き着く先。論理はプロセス 人の生や死は、ある程度なんらかのルールの中にないと、どうしていいかわからなくなっちゃうもの 子育ての大変さ。というよりもはや異常といっていいほどの苦労がわかる。 ずっとストーリーが強烈だが、劇的な終わり方ではなく哀愁の残る終わり方なのがオシャレ。面白かったな。
0投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログ我が子を愛するが故。いろんな葛藤があり、読んでいて苦しかった。子供を育てる大変さ。昔は我慢しつつも助けがそこら中にあった。今は?いろんな苦しみが重なり、正当化しつつも理不尽なことをしてしまう。こう文章にされると経験がなくとも痛いほどに伝わってくる。 そして相手を軽蔑しながらも離れられない関係性。仲良い友達と全部が全部合致するとは限らない。フェーズが変われば付き合う友も変わる。大人になればそんなもんだと割り切れるようになる、五月みたいに。
0投稿日: 2023.10.18
powered by ブクログ50頁読んだところで、この感じで600頁越えか…きついかもな…と思ったけど、そんなことなかった。鋭利な狂気さと正直さ。嘘があったとしても、その嘘すら正直なものに感じる。
0投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログはじめて読んだ金原ひとみさんの作品。 ドラッグ、虐待、不倫、流産……なんとも重たい内容を描く作品でしたが、この本には育児で葛藤しながら1日1日を生きていく母親の姿、母親の愛、母親の苦しみが詰まっていて読んでいくうちに心苦しくなることが多い。特にユカという母親はドラッグ中毒なので幻覚する場面はいつも恐ろしさを感じるけど、本人自身それだけ苦しんでいるんだろうと思う。金原ひとみさんの喩えかたはインパクトがあって凄いと思いました。 ユカが央太の部屋に上がってDVD齧るとこやばかった。 涼子が一弥にシャワー浴びせるとこもやばかった。 読んでいて痛々しい描写もあって、読み進めるにも時間がかかりました。重たい…(泣) 最後の方の五月の章はもう、悲しすぎて……(T ^ T)
7投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログあなたは、『育児』真っ只中の女性がこんなことを口にしたらどう思うでしょうか? 『子どもと二人でずっと家にいる。それがぐつぐつと煮えたぎる五右衛門風呂に沈められたり、針山に落とされたりするのと同等の地獄であると知ったのは、出産直後の事だった』。 2021年に改正された”育児・介護休業法”の施行に伴い、男性がより積極的に『育児』に関わる世の中の動きがあります。しかし、この国の『育児』の中心はまだまだ圧倒的に母親が中心となるものだと思います。親子三世代同居というような考え方はほとんど見られなくなったこともあって、『育児』は母親がアパートやマンションの一室で、世の中から半ば隔離されたような環境下で黙々と行うもの、そんな状況があると思います。 人は集団社会の中で生きる生き物です。それぞれに手を差し伸べ、助け合っていく、それは”古き良き時代”であれば隣近所というコミュニティによって、例え『育児』という場面であってもなされてきたのだと思います。しかし、今やそんなお伽話のような環境はどこにもありません。一人孤独に『育児』と向き合う、さまざまなことに不安になり、思い悩み、葛藤しながら、目の前に泣き声をあげる子どもと向き合っていく他ないのだと思います。 そんな中では、何が正解か『考えれば考えるほどどうしたら良いのか分からなくなっていく』、そんな思いに苛まれることもあるのだと思います。悩めば悩むほどに『私を助けるものはインターネットにもない。携帯にもない。家庭にもない。自分の中にもない。多分そんなものは存在しない』と狂おしい思いにも陥っていく母親たち。 『育児は楽じゃない。いい事ばかりじゃない』。 そんな現実を噛みしめながら、それでもそんな我が子と日々を歩んでいく。日々少しずつ成長していると信じながら、我が子と向き合っていく、そんな側面が『育児』にはあるのだと思います。 さて、ここに一歳、二歳、三歳半という子どもの『育児』真っ只中の三人の女性を描いた作品があります。性格も環境も何もかも異なる三人の女性たちが『ドリーズルーム』という『認証保育園』に子どもを預けることで関わり合いを持っていく様が描かれるこの作品。そんな日々の中に、 『皆が普通にやっている事だ。結婚も妊娠も出産も育児も家事も、皆が普通にこなしている。私は何故そこに順応出来ないのか』。 そんな思いにも苛まれていく主人公の姿を見るこの作品。そしてそれは、リアルな『育児』の光と影を読者の前に赤裸々に綴る金原ひとみさん渾身の物語です。 『後ろからバイクのエンジン音が届き』、『恐る恐る振り返ると』、『二人乗りのバイクは私に近づき、ぶつかるっと』いう瞬間に『後部に乗っている男にラリアットをくらわされ』倒れ込んだのは主人公の一人・中山涼子。『バイクから降りてきた男』は『バッグを奪』い、『ものすごいスピードで』涼子の前から姿を消しました。『全身から力が抜け』る涼子は一方でこのことが起こらなかった自分を想像します。『睡眠不足』のためすぐに眠りにつくものの『二時間もしない内に一弥が目を覚まし泣き喚き』、『一弥の声に目を覚ましもしない浩太に苛立ち』という展開。『子どもが生まれて約九ヶ月。私は事件を求めていた』という涼子は、『育児の意味が分からない』という今を思います。一方で家へと向かう中で『全く相反する温かい気持ちが芽生え』ます。『一弥の笑顔が見たい。一刻も早く…抱きしめたい』。 場面は変わり、『五月は、二人になると甘えるよね』、『俺たちもう半年になるんだよ』と待澤に『首筋を愛撫』されるのは主人公の一人・森山五月。『久しぶりだったせいか、今日は特別激しく、特別長かった』という行為の後、ベッドに横になった五月は、『百七十五の身長に、幼女のような胸、瘦せぎすの体』に『私はエイリアンだと思っていた』という自らの体型を思います。『自分を美しいと思えるようになるまで時間がかかった』という五月は『仕事で成功していく過程はそのまま、私が自分フェチになっていく過程でもあった』と振り返ります。そして別の日の朝、『弥生、そろそろ起きな』と娘を起こした五月は、『実家のマンションへ弥生を連れて行』った後、『撮影とインタビュー』の仕事へと向かいます。 場面は再度変わり、『シッターの山岡さんを見送ったその場で、玄関で眠ってしまった』のに気づき頬を上げると娘の輪(りん)が『首を傾げているのに気づ』いたのは主人公の一人・土岐田ユカ。リビングへと入り自席に座った輪に『ロールパンとハムと作り置きしておいたゆで卵を皿に載せる』と『ちゅるちゅるめんめん、ためたい』と不服そうな顔をされてしまいます。『保育園で他の友達が言っていたか、保育士が教えたのだろう』と思い、舌打ちするユカ。その後、ソファに横になったユカのもとにやってきた輪を抱き上げると『満面の笑みを浮かべきゃっきゃと声を上げ』るのを見て『愛おしさに、胸が潰れそうになる』ユカ。そんなユカは輪を保育園へと送ったあと、自室へと戻り『書きかけの原稿をクリックし』ます。 三人の母親が『ドリーズルーム』という保育園での関わり通じて、一人の母親として、そして、一人の女性としてそれぞれの人生を生きていく姿が描かれていきます。 “同じ保育園に子どもを預ける作家のユカ、モデルの五月、専業主婦の涼子。先の見えない育児に疲れ切り、冷めてゆく一方の夫との関係に焦燥感を抱いた母親たちは、それぞれに追い詰められてゆく”と内容紹介にうたわれるこの作品。赤ん坊を抱き上げる聖母を思わせるかのような母親の姿が大きく描かれ、そこに「マザーズ」と書名の入った表紙が強いインパクトを与えます。そんな作品は最初から最後まで書名の通り『育児』真っ只中の三人の母親たちの姿がこれでもか!と金原ひとみさんの鬼気迫るような筆致のもとに描かれていきます。あなたは、『育児』にどのようなイメージを持っているでしょうか?そんな時代を遠い過去に見る方、経験のない方、そして現在進行形の方、大きく分ければこの三つのいずれかになるのだと思いますが、この作品はどの分類に属される方が読んでもそれぞれに激しい衝撃を受ける作品ではないかと思います。文庫本で600ページ超えという圧倒的な物量で『育児』真っ只中の母親の心の内をさまざまな視点から炙り出すこの作品。では、そんな物語の主人公三人をご紹介しましょう。 ・土岐田ユカ、25歳、結婚6年目の小説家。夫・央太とは関係悪化を期に『通い婚』状態となるが、逆に仲の良さが復活。二歳の輪(りん)を育児中。薬物に溺れる姿が度々描写される。涼子とは高校時代の同級生。 ・中山涼子、26歳、結婚2年目で職探し中。夫・浩太は育児に非協力的であり、保育園に通わせることを良く思っていない。一歳の一弥を育児中。虐待をうかがわせる姿が度々描写される。ユカとは高校時代の同級生。 ・森山五月、29歳、結婚5年目のモデル。夫・亮とは『格差婚』を引き金に関係が冷めているものの離婚には至っていない。三歳半の弥生を育児中。予備校の非常勤講師・待澤と肉体関係を続ける一方で『ママさんモデル』として活躍。 三人は『ドリーズルーム』という『認証保育園』に子供を預けているという共通点もあって『ママ友』としての付き合いをしている…そんな三人の『育児』な日々が描かれていくというのがこの作品の概要です。上記三人の設定を見て、感情移入できそうな人が一人もいないじゃないか!というのが男性の私の正直な感想です。女性の方にも思うところは多々あるかと思いますが、この作品はおそらくそんな設定上のイメージでは分からない感情移入対象としての姿を三人に見せていく作品でもあると思います。それこそが、今まで読んだことのない、『育児』真っ只中の母親たちの内面をこれでもかと曝け出しながら『育児』な日々を送る三人の描写です。次にこの側面から見てみたいと思います。まずは、こんなリアルな『育児』の場面です。 ・『耳だれと鼻水を垂らす我が子を見ていると、この子の体内は腐敗し、この黄色くねばつく液体が頭から指の先まで詰まっているのではないかという気になる』と『抗生物質』を止められない状況に苦悩する涼子。 → 『一弥が常に鼻水を出し中耳炎を繰り返しているせいで、完璧にたてたはずの予防接種のスケジュールも狂いまくっている』。 → 『今手元にある予防接種票は三種混合が二枚とポリオが一枚…これからの季節に備えてインフルエンザも打ちたい… このままでは近々風疹麻疹混合の予防接種票も届き、接種スケジュールは更に混迷を極めるだろう』。 これは私も自分の子どもの予防接種で同じような苦労をしていたのを思い出します。ここまで母親のリアルな苦悩を他の小説に見たことがありません。育児経験者の金原さんならではの細やかさ、『育児』あるあるだと思います。次はママさん同士の会話を見てみましょう。 ・ユカ: 『涼ちゃんはどうなの最近?育児はうまくいってんの?』 涼子: 『まあ、大変』 ユカ: 『ストレスない?』 涼子: 『あるよ。もう毎日へとへとだもん。ユカは?もう楽になった?』 ユカ: 『あー楽になったー、って感じたのは一歳三ヶ月だった』 涼子: 『あと半年か。早く喋れるようになって欲しいよ。何で泣いてるのか分かんない時が一番辛い』。 これも同感です。何が原因なのか?何をして欲しいのか?こんなに泣かれるならなんでもしてあげるのに理由がさっぱりわからないというのは限りなく苦痛だと思います。まあ、喋れるようになったらなったでそれも大変ですが、いずれにしてもリアルな会話だと思います。次は、保育園をどう思うかというこんな心の内です。 ・『保育園に行くため駅に向かって歩き始めると、一気に気分が軽やかになった』という涼子。 → 『保育園に着けば私は自由になる』。 → 『病院や調剤薬局で待たされるのと違って、自分が歩けば歩いた分保育園に近づき、抱っこすれば抱っこした分残りの抱っこ時間が減る、という事は素晴らしい幸福だ』。 これはどうでしょうか?『育児』に苦悩する時間が長ければ長いほどに、いっ時でもそんな『育児』から解放されることを望む感情の発露を描きます。このような感覚を覚えること自体に罪悪感に駆られる方もいらっしゃるかもしれませんが、これまた『育児』の本音をリアルに表した表現だと思いました。 このようにこの作品では、一歳、二歳、そして三歳半という子どもを育てる母親の『育児』のそれぞれの場面が相当に生々しく描かれていきます。可愛い我が子という側面だけでなく、言うことを聞かない我が子に対するイライラした感情をそのままにぶつけていく三人の母親たちの姿は、綺麗事が散りばめられただけの『育児』を扱った小説に不満を覚えていらっしゃる、そんなあなたに是非読んでいただきたい。もしくは、中途半端な育児本を読むくらいならこの作品を読む方がよほどためになる。そして、精神衛生上も良いのではないか、そんなことも考えさせてくれる作品だと思いました。 そんなこの作品は上記した通り、ユカ、涼子、そして五月という三人の母親たちの生き様と関わり合いを見る物語でもあります。三人の母親たちの生き方はどこか薄氷を踏むような危うさを秘めてもいます。主人公の一人、小説家のユカは、『ユカの書く改行の少ない悪趣味な小説』と涼子が揶揄する表現をもってどこか金原ひとみさん本人をモデルにしたとも思わせる中に、一方で『抗鬱剤や眠剤などの処方薬から、MDMAやマリファナなどのドラッグまで、常に多種類の薬を持ち歩いていた』と描写され、その危うさが付き纏います。その一方で、娘の輪への対峙の仕方はどこかサバサバしつつもそこに愛情を感じさせるものがあります。次に職探しを続けている涼子は、三人の中で一人だけ一般人であり、その生活も慎ましやかで、本来であれば一番親近感を抱く存在のはずです。その一方で『さっき一弥を虐待していた時の恍惚と快感を思い出し、体が震えた』というように息子・一弥への激しい虐待を繰り返します。そして、モデルをしている五月は『弥生は私たちに喧嘩の予兆が出始めると「喧嘩だめ」「怒っちゃだめ」とそれぞれに注意して私たちを和ませた』というシーンの描写など娘の弥生との関わり合いはとても穏やかです。その一方で『私は彼と不倫を続ける生活の中で、いつの間にか自分と待澤を切り離して考える事が出来なくなっていた』と不倫の日常を送ります。 全く異なるタイプの女性主人公が三人もいるにも関わらず、誰にも感情移入し難い側面がある、それがこの作品のなんとも悩ましい特徴です。誰にも感情移入したくない主人公たち、しかし、『育児』に向き合う切々としたリアルさに満ちた心の声には共感するところ多々ありという状況が、彼女たちに近寄り難いのに近づきたいという不思議な感覚を読者に与えていきます。これこそがこの作品の絶妙な構成の妙、複雑な思いに読者を抱かせていく所以なのだと思います。そんな主人公たちはさまざまな思いを独白してもいきます。 ・ユカ: 『育児の大敵は孤独だ。孤独な育児ほど人を追い詰めるものはない』。 ・涼子: 『子どもと二人でずっと家にいる。それがぐつぐつと煮えたぎる五右衛門風呂に沈められたり、針山に落とされたりするのと同等の地獄であると知ったのは、出産直後の事だった』。 ・五月: 『聖母マリアに象徴されるように、母とは最も満たされた存在であるように捉えられているけれど、本当は昔から、母なるものが誕生したその時から、母とは最も孤独な存在であったのかもしれない』。 そう、そこにあるのは孤独な存在としての母親を意識する三人の主人公たちの姿です。三人は見かけ上仲の良い時間を過ごしてもそれぞれに対する複雑な思いが交錯し続けます。そのあまりに激しい内面の吐露の連続に読者にもそれを受け止めていく覚悟がないと読みきれない作品だとも思います。物語は、ユカ→涼子→五月の順に視点が切り替わりながら進んでいきますが、最後の一周となって、物語はそれまで読んできた物語とは別物に色合いが変化します。どこか超然とした筆致に別の意味で衝撃も受ける物語。これから読まれる方には、そんな最後の展開にも是非ご期待ください。文庫本600ページ超えという圧倒的物量が嘘のように読み進めることのできる物語、『育児』に強い光を当てる物語がここにはありました。 『育児は楽じゃない。いい事ばかりじゃない』。 育児を経験された方には誰もが納得するであろうそんな涼子の言葉をしみじみと感じることになるこの作品。そんな作品には三人の母親たちが、『育児』に葛藤しながら、一方で一人の女性として人生を生きていく姿が描かれていました。育児未経験の方には『育児』がとても恐ろしいもののように思えてくるであろうこの作品。『育児』を遠く過ぎ去った方には、がんばれ!と主人公たちに声をかけてあげたくもなるこの作品。 “幼い我が子と対峙するとき、母はつねに孤独な存在だと思います”と語る金原さんの鬼気迫る筆致に、ただただ圧倒されるインパクト最大級の作品でした。
169投稿日: 2023.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
力作だった。 女性版村上龍じゃないかな、この人。 結婚、出産を通じての女性の生きづらさ。それは他者性だろう。 結婚した男性との他者性、出産した自分の他者性、そして子供という他者性。 登場人物の3人のマザーはバックグラウンドも思想も仕事も違う。それぞれの生き方の中にその一気に来た他者との格闘に疲弊し切っていく。 キャラクターの違いもある。ユカは作家&ヤク中で嘘つきだ。涼子とのイザコザは感情と論理の対立だ。意味と論理と感情の対立。涼子の感情をユカは論理で処理しようとする。そこに言いようのないすれ違いがある。モデルで芸能人の五月は取り繕う事が上手く仮面夫婦である夫との関係に疲れ不倫に走る。経済面、生活面で困窮を抱える涼子は虐待に走ってしまう。 3人の夫は最初圧倒的な他者として描かれ、最後には包容力を持って描かれる。 安易な解決法を導かず圧倒的にマザーズの有り様を描き切った傑作と思うぜよ。
0投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ2.8 とにかく読むのに時間がかかった。出てくる男も、いけてない。母になり損ねた女たちの物語。父になることもやはり難しい。
1投稿日: 2022.10.08
powered by ブクログこいつはまた、ええじゃないか。 最初はセレブvsパンピーかよー、このブルジョアどもめが、って感じだったけど、まぁ最終的にも感情移入できて心情が理解できるのはパンピーだけだったけど、でも三者三様にそれぞれ楽しいのよ。 ユカが突然と厨二病みたいな説教始めるのも悪くない。こんな面倒くさいこと言うのか普通って思ったけど女の人は時々こうだからな、それに比べて別居して巨乳DVD見てオナニーしてんじゃねーよと突っ込まれる央太は実にどうしようもなく、ていうか女流作家故にか概ね男はうんこな感じで描かれてるのもなんか、ブルっちゃうっていうか、Mかな。
1投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログ女性って混沌とした生き物なんだなと思わされる本 「ヒステリーは女にとって年に数回の祭り」という表現、なるほどなと納得 笑 これ系だと個人的には同時期に読んでいた山田詠美さんの「つみびと」の方が好き
0投稿日: 2021.11.23
powered by ブクログまったく関連性がないのだが、読みながら島尾敏雄の「死の棘」を思い返しながら本作を読んでいた。 ・不倫モチーフという共通点。 ・精神的に追い詰められた果てを執拗に追う著述。 ・触れると崩れ落ちそうな緊張感に包まれた小説世界。 ・鳥かごのような逃げ場のない地獄を、どこか引いた目線で見つめる態度。 「死の棘」では、妻が妄信した旦那の虚像(内地から来た青年将校と島の娘の大恋愛の末の結婚)が暴かれた先の地獄の日々が描かれていたが、本作が暴く虚像は「母性」。 すでに真綿が首に巻き付いた状態で小説が始まり、緩慢に頸動脈を圧迫されるがごとき読書なのだが、いたたまれなくも中毒性があるところも「死の棘」と同様。叫びだす数秒前の人と対峙しているような緊張感に満ち満ちており、作家と読者の真剣勝負。 読むにあたっては心のスタミナと相談しながら読むべきだが、読んで後悔のない一冊。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ『絶望が私の一番の起爆剤であって、生きていく糧でもあるんだ』 『私を助けるものはインターネットもない。携帯にもない。家庭にもない。自分の中にもない。多分そんなものは存在しない』
0投稿日: 2019.09.06
powered by ブクログ女性が母になると抱く葛藤、育児の辛さ…特に1歳までの乳児期は睡眠も細切れで、思考能力も判断力も低下する。ほっとけばすぐに死んじゃうような赤子を抱えて、でも一瞬の隙間時間があれば1分でも寝たいと訴えてくる脳と体。 育児の地獄体験にはわかるーわかるーと同意できる反面、クスリをやっているユカの脳内はぶっ飛びすぎており、旦那の浮気を疑い発狂する姿は恐怖だった。 母親の中にはこんなドロドロが渦巻いているんだよ、と男性に勧めたい気もするが、暗すぎて引かれるかもしれない。
1投稿日: 2019.07.14
powered by ブクログ3.5 同じ保育園に子供が通う3人の母親達。 ドラック、虐待、不倫、皆それぞれぶっ飛んでる。 育児、格闘、孤独や悩みが本当リアルに書かれていて、乳児期のノイローゼになる程追い詰められる所や、旦那への苛立ち、もう解りすぎて当時を思い出した。
1投稿日: 2019.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
衝撃の小説やった。 嫁さん含め、世の妊娠、子育てを経てきた人(ingの人も)はこんな思いをしていたのか、そりゃ少子化になるわ。そりゃ子供なんて欲しくないわ。俺もきっと恨まれてきたんやろなぁ… 小説としてはスゲーと思う。ただ、とんでもない現実を突き付けられた感があって「オモロかったか」と言われると、決してオモロくはなかった。俺の思ってた母性とか親子愛は自分勝手な幻想やったんやと思い知らされた気がする。 もし、これが世の女性のほとんどが感じることであるなら、子どもなんて産まなくて良いし、日本なんて滅んでしもたらエエねん。
0投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
疑問が多い話だった。テーマは何だろう?育児の辛さ?不倫?女性の生き方?子どもの愛おしさ? 涼子は腱鞘炎になっているのに、なぜずっとスリングを使い続けたのか?抱っこ紐が主流では? ユカと五月とは反対に、涼子は庶民で夫や両親の理解や助けがない中での孤育てで追い詰められ、虐待に走る。確かに孤独な育児で、夜泣きや長引く病気は大変だ。しかし、保育園に預けたり友だちと遊んで気分転換しており、それでもまだストレス?と思ってしまう。貯金を切り崩しているとはいえ、仕事しなくても高い保育料を払え、セレブな友人と一緒に遊べるレベルの生活かと思うと切迫感を感じず、涼子が虐待に至る理由がただ単に彼女が精神的に未熟だからかと感じてしまう。 弥生の死後、なぜユカは離婚、再婚、妊娠となったのか?ドラッグや摂食障害はどうなったのか?妊娠への影響は?ミカとオギちゃんは? ドラッグに走ったきっかけや摂食障害になった理由がわからず、ユカの考え方も理解できなかったので、一番の謎人物。 奇抜な外見の人は、ママ世界では一番嫌煙されそうなのだが、ユカはママ友もでき、涼子や五月からも打ち明け話をされる存在。そんなに魅力的か? 解説では作者の考えを反映した存在と書かれていたが、セレブママさん作家はこんな生活をしているのか。 五月は不倫の子の妊娠、流産を通して幸福感や喪失感を感じたり、将来の不妊リスクを心配していたが、弥生出産前に中絶した子については考慮に入れないのだろうか? 弥生の死はとても悲しい出来事だが、いやいやよく考えたら高級ホテルで不倫してその間シッターや母親に子ども預けて。「自分がこれまで育てたのがパーになった」というような一文があったが、そんなに世話してなくない?と思った。 頻繁にタクシーに乗り、広い家でシッターや家事代行に育児や家事を手伝ってもらい、パーティーで遊び、オシャレな食事が日常でといったユカと五月の存在は、チャリで雨の日も風の日も子どもを乗せて走り、焼きそばや煮魚が頻回に食卓に上るような生活の私には全く共感できなかった。 子どもを持つ母親がこの本を読んで、どれだけの人が共感できるのだろうか? そもそも共感を目的に書かれているのだろうか? 誰に向けて何をテーマに書いた話なのか? 愉快も不愉快もなく、理解もできず。 謎の多い作品だった。
1投稿日: 2018.04.03
powered by ブクログ* 母という、男である自分が分かり得ない物語。不安定な3人の人生を読んでいる間は常にハラハラさせられる。読んでて凄く疲れるんだけど、止められない本だった。 * SNSのフィードに流れてくるキラキラした赤ちゃんの写真の裏側、子育てのダークサイドが詰め込まれた物語。こんなにもヘビーなのか…と、素直に世の母を尊敬した。 * 金原ひとみのどうしようもなくダークな文章は、正直蛇にピアスを読んでも何も思わなかったけど、母親目線の狂気というか、そういうのを得たのかな。きっと自分で出産して、一層自分のダークな部分と向き合ったりしたのかな。 * 弥生が死んじゃったのは本当にショックだった。まだ小さいながらに仲の悪い両親の顔色を伺ういい子。あんなにあっけなく終わっちゃうのは、ちょっと衝撃的すぎた。
0投稿日: 2018.03.21
powered by ブクログ2012年度、第22回 ドゥマゴ文学賞受賞。著者、金原ひとみは『蛇とピアス』『アッシュベイビー』でアンダーグラウンドなイメージしかなかった。この長編の登場人物、ユカのキャラはちょっとそちら側の雰囲気が漂う、読み進めるごとに、育児ノイローゼの母親たちの、深刻なこころの叫びに共感を覚えた。読み終えて、産み育ててくれた母親の偉大さにただただ感謝するばかりである。世の独身男性におすすめの一冊。
0投稿日: 2017.12.31
powered by ブクログ最後に行くにつれて、悲しくなった。 子育てには明るい印象を持っていて、赤ちゃんはかわいいものと思っていた。 子育ての裏側を詰め合わせたような物語。 結婚もしていなければ妊娠も出産も経験していない自分が受けた衝撃。 ぜひ子どもを持ってから読み直して心境の変化を感じてみたい。
0投稿日: 2017.11.25
powered by ブクログ子どもを持つ母親たちのヒリヒリした気持ちがとてもリアルに正直に描かれている。 そこはすごくよかったのだが、ユカが、他2人に比べて楽に生きすぎていると思った。ドラッグ、不倫、だめでしょ、これは。本人悪気ないし、嫌いだなー、こういう人。
0投稿日: 2017.06.23
powered by ブクログ読んでて辛いのにやめられず、あっという間に読み終わった。というか、読み始めてしまった以上終わるまで読まないわけにはいかないという感じ。 小説家でもモデルでもクスリをやってても浮気をしてても、子供育てる苦労は、ごく普通な主婦の自分と同じなんだなって思いました。 わたしが子育てしてたのは20年以上も前で、携帯もネットもメールもなかったから孤独だったんだろうって思ってた。夜中に子供が泣き止まないときに、つぶやいたりしたら仲間見つかるだろうし、なんでミルク飲まないの?って検索すれば、いろんな答え出てくるだろうし、いいよなあーって思ってた。 だけどそんなことないんだなあーやっぱり孤独なんだなー。どうして夫という生き物は妻をどんどん孤独に追い詰めるんだろうね。 それぞれの心の動きがよくわかりすぎて辛かった。こういうふうに考えるのは自分だけだろうって思ってたこと(そんなに意識せずにだけど)が、理路整然と文章になっていて、びっくりした。そっかわたしが思うことってそれか。って思ったり。 3人とも共感できないけど、ちょっとした気持ちの動きがよくわかるとこいっぱいあった。 でもどっちかといえば、内容全部忘れたい。笑 2016/10/11
3投稿日: 2016.10.12
powered by ブクログ初、金原ひとみ!芥川賞受賞の蛇にピアス、をすっとばして本作。色々衝撃的なストーリーと、どこか別世界感がある東京の高層マンション暮らし…。また書き足しながら少しずつ更新します。
0投稿日: 2016.08.04
powered by ブクログ160408読了。 久々の金原ひとみ。私にとって彼女の小説の登場人物はいつも同じ女の人で、蛇にピアスの“ルイ”に始まり、ハイドラ、オートフィクション、憂鬱たち、ぜんぶその一人の女性の成長過程に見える。 今回のマザーズは全員同じ保育所にこどもを預ける母親で、虐待しそうな専業主婦、不倫相手とこどもを作ってしまうモデル、旦那と別居してドラッグをやめられない小説家というなんともマッドな登場人物たちで構成されている。 育児に疲れ、傷つき、冷めたり鬼のように怒ったりする彼女たちを見て、なぜだか少し安心してしまう。 手のかからないこどもなんていない。完璧な母親なんていない。 なんだかんだ幸福なこの3人を、最後は「この人、幸せになれるかな…」というじんわりとした慰めの目で見てしまうのがなんとも言えない。 けっこう長編で、最初は途方にくれるけど、読んでいるうちにどんどん加速していく。 登場人物といっしょにわーっとなって読み飛ばしてしまったところも、最後に戻ってこられた。 一読の価値あり。
0投稿日: 2016.04.08
powered by ブクログ各登場人物の抱えているそれぞれの問題が重くて、読むのにすごくエネルギーが要った。特に涼子の描写とユカの描写が金原ひとみらしく重厚で疲れた。 それぞれ共感できるところもあるし、自分もそうなったらどうするかなと考えてしまうシーンがたくさんあった。
0投稿日: 2015.12.30
powered by ブクログ幼い子供を持つ3人の女、皆どこか少し壊れてると感じたけれど、自分自身子育てを経験してきたということもあり3人それぞれの孤独感や寂しさがとても共感できた。作り物の話だけれど、会話や登場人物の思いや考えに気取りがなく、感情が凄くリアルでストレートなところが良かった。
0投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ息子を虐待し、施設に預ける羽目になった母親が、息子に暴言を吐く父親に電車内で会ったシーンになんとも言えない寂しさと切なさを感じた。
0投稿日: 2015.09.13
powered by ブクログもちろんこんなふうなんじゃあないけど、登場する3人の母親全員の気持ちが理解できる。たぶん、完璧に。だからこそ途中で本を閉じたくなった。すごい筆力。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログ私の子育ても孤独との戦いだったし、夫婦の関係も色々あった。だからかな、感情移入しながら読み進めた作品。私にとっての金原ひとみデビュー作。
0投稿日: 2015.05.23
powered by ブクログ沢山の不幸が詰まった一冊。その中のいくつかは、程度の差はあれ、多くの女性が体験し、私も通過してきた。だから分かる、けれど、少し大袈裟すぎて、その世界に酔い過ぎて、なんだか自己満足の塊にも感じる。 わかりやすい不幸を集めたけど、現実の方がもっと地味でその割りには乗り越えられない憂鬱が溢れていて、作者の言葉で言えば、絶望に満ちているよ。
0投稿日: 2015.03.30
powered by ブクログ蛇にピアス以来。 初めの2ページで、蛇にピアスの閉塞感を思い出して読み進められなくなった。 10何年も前なのに。 好きではないけど、凄い作家さんなんだろうな。 いつか読めるかな。
0投稿日: 2015.03.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わった瞬間産声が聴こえた気がした。凄まじい小説。改めて私は金原ひとみが大好きだと思った。弥生が死んだシーンは頭を殴られたようなショックを受け、自分から湧き出てきたわが子を失った気持ちに圧倒された。終盤に連れてユカや涼子、五月がそれぞれに、妻や母親として安定した状態に為っていくことに心から安堵した。 女であるということは、大体の場合妻として、母親として誰かを愛し、産み育てるということであり、自分の躰に他者を取り入れ、吐きだし、いずれは一部でなくなってゆくことを、哀しみ、苦しむことも含まれている。濃厚な愛が子供を失わせ、生存を危うくさせ、狂わせてゆくことがあり、それは決して稀なことではないのだと思う。女という性がまとう生々しく詩的な、切実で破裂しそうな危うさが、理屈ではなく私自身の胎内へと肉薄し、自分が女であることを、改めてどんなことなのか、その一端を見ることができた。読んで良かった。女が母に為ることは、ひどく業が深く、それ故に物語的で、文学的で、畏ろしいことなのだと感じたし、そんなことを思わせてくれた金原ひとみに感謝したい。
3投稿日: 2015.01.16
powered by ブクログ思ったよりは陳腐なストーリーだったし悪趣味だったけど、育児の辛さを訴えるのには大成功している。母親に会いたくなった。
0投稿日: 2014.10.03
powered by ブクログ今回もグロテスクー^_^; 子育てとセックスは、愛に溢れた幸せでしかたない行為だと信じたい。けど、現実はそれだけじゃないことも確かで、、。こういう暗くて救いようのない世界も確かに存在する。昔の私だったら共感してたかも。今はもうないかな。みんな負の連鎖を断ち切って幸せになってほしい。
0投稿日: 2014.09.15
powered by ブクログ3人の母親が子育てをしていく中での苦悩を書いた作品。子どもって遠くで見ると、かわいいけどいざ自分の子どもってなるとこの作品のような出来事が起こってしまうのだろうかと思った。文章表現がわかりやすく、面白かった。
0投稿日: 2014.08.26
powered by ブクログ女性性に対する痛切すぎる叫びでありつつも、大衆性に一定の譲歩があるところが、流石と言うべきなのか、悲しいと言うべきなのか。金原ひとみの蛇とピアスのあまりの勢いと切実さはわたしの心を深く深く捉えたが、あれ以上のものは未だどの本にも見受けられないように感じる。はんをおしたような、というとまた悲しいのだけれど。しかし出産・育児というものを掲げるとまたそれは違った金原ひとみが現れるのだけれど。それは本当に、世の中の母性に対する叫びであり、言葉の勢いはとどまるところを知らない。金原ひとみの本を一冊読むたびに、わたしの心を遙か彼方まで動かした蛇とピアスにおける金原ひとみは一体どこに行ってしまったんだろうといつもおもう。
0投稿日: 2014.06.11
powered by ブクログストーリーとしては面白いけど、3人をいったり来たりで一気に読まないと誰が誰だかよくわかんなくなる。専業主婦の人以外の2人はどっちがどっちだっけ?って感じで人物像が非常にイメージしずらかった。 後半は割と面白かったかな。子どもは手がかかるけど何より可愛い何より愛しいと信じてやまない人はこの本読んだ方がいい。 愛情が理屈じゃないように嫌悪感も理屈じゃないのだから。
0投稿日: 2014.05.05
powered by ブクログ金原ひとみさんは、蛇にピアスを芥川賞受賞時以来。 蛇にピアスは、露悪趣味な感じが、うーんって感じだったけど・・・ この作品も露悪的なところがあるけど、あえて出産育児という神聖視される領域を露悪的に描くことによって、現代の出産育児をリアルに描くことに成功している。 母親は意識的、無意識的に母親というイメージに囚われた存在。 そのイメージは清く、温かく、そこからはみ出すことを許そうとしない。 そのイメージの中でうまく立ち回れる人、窮屈さにもがく人。 現代の核家族、地域性の欠如の中で、逃げ場のない母親は、子供を傷つけてしまう。 傷つけられる子供は常に不幸だが、母親もまた不幸。 あえて露悪的に母親の本心を描き切ることによって、その母親の不幸な構造が浮き彫りになる。 虐待のニュースを聞くと、なんでこんな未熟な子が子供を産むんだと思ってしまうが、そのような見方自体が、過度に母親を神聖視し、母親を追い込んで行くのだということを気づかされた。 人間なんて、多かれ少なかれ未熟な存在。 未熟な人間が子育てできるように支えあえる環境をつくること、それが一番難しいけど必要なことだと思う。
2投稿日: 2014.04.30
powered by ブクログ登場人物と同じ女性として、自分自身が母親になったときのことを考えさせられました。きっと誰しも経験し得る、でも言葉にできないような感情が溢れているように感じました。
0投稿日: 2014.04.01
powered by ブクログピーキーな小説だ。 前半は読むのがダルい。いや、嘘だ、ダルくない。しかし、読むのに時間がかかる。約600頁中、前半の400頁ぐらいまでに読了までのほとんどの時間を使って読んだ。いちばんおいしい高回転域の部分は次の150頁ほどで、ここは一気に読める。しかし、一気に、しかも感情を揺さぶられながらその部分を読むには回転数を上げていくかのような前半部分が必要なんだな。
0投稿日: 2014.03.28
powered by ブクログ子供を同じ保育園に預ける3人の母親の話が順繰りに語られます。 作家のユカ(ドラッグ常用)、モデルの五月(不倫)、専業主婦の涼子(虐待)と、それぞれ重い事情を抱えてます。 ドラッグや不倫自体には共感できないのですが、それ以外の登場人物たちの思いには、ものすごく共感ポイントが多くてリアルでした。 特に専業主婦の涼子は、この3人の中では一番普通で一番共感できるのですが、子育てに行き詰まりを感じる涼子には入り込みました。 実際虐待にまで至らなかったものの、涼子の抱える閉塞感はものすごく分かります。 保育園に行けば熱を出し、治ったと思って預ければまた熱を出すような子供の描写もまさに私も昔通った道。 涼子が虐待に至るまでの描写は本当に苦しい。 分かっちゃダメなんだろうけど、涼子の気持ちも分かってしまう。しんどいよね、辛いよね。。。 育児を経験した人には涼子の気持ち分かるんじゃないで しょうか。育児が楽しくて楽しくて仕方がない人って、どれぐらいいるんだろう?って私は思います。 私は辛かったです。特に一人目の育児は楽しいともあまり思えなかった。 私には子育てって向いてないんだなぁって実感しましたね。 でも幸い(?)私には仕事があって、保育所に預ける事が出来て、色んな人に関わってもらって育児が出来た。 一人で抱え込まなくて済んだ。 その事がやっぱり大きいですね。 色々苦しい気持ちを呼び起こされる読書でした。 小さい子を育てている真っ最中に読まなくて良かったです^^; そんな時に読んだら鬱になったかもしれない^^; それぐらい毒が強かったです・・・ 苦しくて、息苦しくて、孤独で、しんどくて、ここに書かれている負の感情は子育てする母親にとって全部リアルな本音だと、私には思えます。 ここまで本音を抉り出す金原さんはすごいです。 そして、ラスト。 ただ苦しいまま終わるんじゃなく、少しの光が見える終わり方好きでした。
0投稿日: 2014.02.12
powered by ブクログ2014/01/09読了。この本のテーマは孤独な育児。小さい子供がいる3人の女性の目線で書かれています。 不倫中の作家の五月、夫とは週末婚状態のモデルのユカ、専業主婦の涼子。3人は同じ保育園に子供を預けているのがきっかけで出会いますが、そこまで親密にはならず、本音は話せない仲。ほんとうは辛いのに問題がないように装ったり、人の状況を羨んだり、または見下したり。 みんな夫はいるものの子育てにはあまり関与していないし、ほんとうに孤独で、読んでいて辛くなってしまうところも多くありました。 作者の金原ひとみさんは2人の子供がいるということで、子育てエピソードにはすごくリアリティがあります。(まだ私は子育てしてないので、そうなんだろうなと想像しているわけですが)。子育ての辛さを経験する人はたくさんいるのに、こういうテーマで書かれている小説は珍しいのでは?子供が産まれたら、もう一度読みたいと思う小説です。
0投稿日: 2014.01.23
powered by ブクログ同じ保育園に子どもを預ける3人の女性の、女性であること、母親であることの葛藤を描いた作品。 目を背けてはいけない問題とは言え、あまりにリアル、あまりに深刻で切実。 金原さんえげつない、そして誠実です。 ヤク中の週末婚作家、虐待をしてしまう専業主婦、不倫でバランスを保つモデル。 フルタイムのビジネスパーソンを取り入れなかった意図は何だろう。 大阪で起きた置き去り死を追った「ルポ虐待」、NHKの特集で話題になった「産後クライシス」、そして本作品。 この話題のみならず、いろんな問題において本やネットの情報をインプットしまくって頭でっかちになってることは否定しませんが、日本の子育て事情を知るためにも、いつか人の親になるためにも、上記3作は必読だと思います。
0投稿日: 2014.01.16
powered by ブクログ貪るように、読んだ。3人の女性が、育児や夫婦関係を通して破滅していく様を描いた作品。心理描写がとにかく切なくて、悲しい。文学的。 育児に、価値を求めてはいけないと感じた。
0投稿日: 2014.01.09
powered by ブクログ2014年初完読。 点数は3.5点くらいが正確なところ。 とてもある種偏った部分にフォーカスしたママ像が描かれており、長編で長く、どぎつい描写もあったが、毒素より大きな課題を投げかけてくれた一冊。 世の中で一般的には眉を潜められる感情であっても、抱いてしまう限りに於いては当人にとっては正。でも、何て他人に理解してもらうのが難しいのだろう、と読みながら考えた。 答えは出ない。 女性が描く女性の姿の生々しさに、気持ちのよい文章ではないが、素直に感心、納得した。
0投稿日: 2014.01.05
