
総合評価
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powered by ブクログコロナ禍での優生学。歴史を省みつつ日本と現代に潜む優生学について論じる。そこまで真新しいことは書かれていないと感じたが、今もなお優生思想があるという証拠にもなる本だと思う。優生思想=ナチスだけではない。 また、どこまでが優生思想なのかという議論もしなければならない。技術の発展で得られることもあるし、その発展が甚だしい今。我々の倫理が相対的に遅れているようにも感じる。思考し続けなくてはならないと思う反面、思考できない人はどうなのかと思ってしまう。難しい問いがいくつも起こる。
0投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログこの本を一言で言うと生権力のこわさを感じた。 生権力は一言で言うと人間の健康です。 この健康であるために、医師は人々の不安を作り、その感情を医療によって救われると説き、それを繰り返すことで、患者は信者に移り変わっていく。 医療は誤謬性を認めないので宗教と紙一重になりやすい。 それを医師は分かっていない。 医療が、現実的に存在することを示すために、そしてカルト的宗教に陥らないために、わかってることも、わかってないことも、同時に語らなければならないことである。 ある医師が語っていたが、わかっていることは多弁に語るが、わからないことは語りたがらない。 医師は人間であり、人間は不完全であること。これが思想的保守。 医師は「自分を当てにするな」と言わなければならない。 高校で精神疾患を教えて、「メンタルヘルスの事案を抱えたら、即時メンクリへ」なんて宣伝している場合かと思う。 これこそが生権力であり、健康による差別・分断であり、優生思想に繋がるのである。
0投稿日: 2023.12.12
powered by ブクログ津久井やまゆり園事件とナチスT4作戦。思い上がった為政者気取りが、生殺与奪を握る。人間は誰しも平等な命とは言わないが、反知性的な正義感で弱者を殺害するとは何事か。社会にとって有益か有害か、そんな価値観でトリアージした所で、その裁判官も制度設計も万能ではない。虚しい沈澱物同士による些少な淘汰スパイラル。澱みが浮き、水は濁る。 優生学の逆転現象として頑健な兵士が死に、兵役を果たせない弱者が残る戦争という行為に反対した学者。何だかヤンキー子沢山、大卒共働き子なし、という現代にも通ずる逆淘汰問題だ。いや、しかしこれは価値観の違いで、人真似し、テストの点数を競うような無気力な集団より、ヤンキーの方が生存力があるなら、単にヤンキーの方が種として有能だという証明にしかならない。この場合の沈澱物はどちらだ、という事だ。 衆愚政治を嫌ったプラトン。ソクラテスも優生学を支持したのだと。しかし、対話の場として機能したはずのアカデメイアでも独裁を担う哲人は現れず。独裁を礼賛する思想こそ、能力値の高い人間による判断を神聖視する考え方だが、無能や弱者不要論と親和性が高い。 有性生殖を選択した本義は多様性の獲得にあるのだから、強制的な選別など、愚行。後天的に弱者になり得る社会なのだから、その社会的負担のあり方こそ福祉で考えるべきなのだろう。自らを絶対視し、生産性を崇め、学歴や出世の権威、年収やIQの数値を神聖視する誤ちに気付く必要がある。ソクラテスの言う、無知の知とは。
5投稿日: 2023.06.02
powered by ブクログ優生思想はナチス特有のものではなく、日本を含む世界全体で見られたもの、そして今後も見られる可能性があるものだという学びがあった。 今必要な、いい勉強ができたと思います。
0投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログこんな思想のヤツに合意できないわ。 偉そうに俺様感性で倫理観を振りかざすとか無理。 尊厳死に関して、自己決定かつ家族の同意があったとしても否定するとか何様? 自分の娘が酷いレイプにあって廃人になっても犯人を許すタイプ? 現政権の批判ばかりで極左的。特にあとがきは酷い。 読まなくていいよ。読むにしても立ち読みが妥当。
0投稿日: 2022.07.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1995年まで優生保護法が続いており、優性思想としてはつい最近まで残っているため、たとえ政策が変わってしまっても人々の意識にはまだまだ優性思想が残っている印象。 満州での支配において、国民の健康増進が軍事課題であり、1940年にナチスをモデルとした「国民優性法」がとられる。総力戦体制の一環と捉えられ、現在の体育行政や学校教育への影響が見られる。アメリカでも優性運動が生まれたが、好景気による経済問題解消から、いずれ衰退。日本では1970年代前半までは遺伝性疾患をもつ子供を産まないべき、という考えが珍しくなく存在したが、1970年代後半から障害者運動が始まり少なくなる(これも経済問題解消による効果か?) 現在日本では経済問題が深刻化し優性思想が前面に出るようになり、今まで以上に注意が必要である。ナチスは特異な思想をもった悪の集団として突然現れたわけではない (それにしても本当に学校体育嫌いだったな~、身体を動かすことは好きだったんだけど)
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ後半の、古市さんと落合さんの対談に対する批評が秀逸だった。あと、恥ずかしながらチフスのメアリーについても知らなかった。
0投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログ優生学ときいてピンとくる人は少ないだろう。わたしもその1人であった。しかし、この本を読みこんなにも優生学がこの世界で、日本で生きづいていることを知った。過去のこと、自分には関係ないと思わないで多くの人に読んでもらいたい。コロナの世界になって、「人間は自分の身に危険が及ぶようになると心の寛容さを失い他人を排斥するようになる」 過ちが再び繰り返されないようにひとりひとりが自分が思う倫理観を持つことが必要だと思う。
0投稿日: 2021.09.14
powered by ブクログ池田清彦(1947年~)氏は、東京教育大学理学部卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程修了の生物学者、評論家。早大名誉教授、山梨大学名誉教授。 尚、著者は、生物学に関しては、自然淘汰説に基づく進化論を否定、構造主義生物学を支持し、また、専門外の地球温暖化や外来種問題についても、一般向けの著書において批判的な立場をとっている。 私はこれまでも、生命科学/分子生物学の進歩に伴う優生学的な発想には関心を持っており、島薗進の『いのちを“つくって”もいいですか?~生命科学のジレンマを考える哲学講義』(2016年)、小林雅一の『ゲノム編集とは何か~「DNAのメス」クリスパーの衝撃』(2016年)、河合香織の『選べなかった命~出生前診断の誤診で生まれた子』(2018年)ほかの書籍を読んできたが、「優生学」の視点からの歴史(と現状)が知りたく、今般本書を手に取った。 本書は、第1章:甦る優生学、第2章:優生学はどこから来たのか、第3章:ナチス・ドイツの優生政策、第4章:日本人と優生学、第5章:無邪気な「安楽死政策」待望論、第6章:能力や性格は遺伝で決まるのか、第7章:“アフター・コロナ”時代の優生学、という章立てとなっている。 読了して、主な目的であった優生学の歴史については、第2~4章で、古代ギリシアに遡って、主に米国、ドイツ、日本におけるそれが説明されており、大変参考になった。 また、分子生物学の進歩により、我々が自分や子孫の生命や身体を自由に編集したり、時には無に帰することができるようになった現代の優生学がどうあるべきかについては、著者の考えはかなり保守寄りである。私もデザイナーベビーのような考え方には迷わず反対する立場だが、安楽死・尊厳死や近時の新型コロナ感染症への対応など、少々拡大したテーマも含めて、著者の断定的な書き振りは(生物学や環境問題に関する著者の従来のスタンス・主張から想像の範囲内とはいえ)やや気になった。また、ゲノム編集技術「クリスパー/キャス9」で2020年にノーベル化学賞を受賞したダウドナ氏とシャルパンティエ氏について、「女性」とだけ書いて、名前を明記していないことは不誠実であるし、何らか意図があるようで、違和感を覚えた。 優生学の歴史を知り、科学の進歩のゆえに我々が直面することになった「現代優生学」について、自ら考えるための参考に成り得る一冊ではあろう。 (2021年6月了)
0投稿日: 2021.06.08
powered by ブクログこれ、タイトルに「優生学」って言葉が必要なのかなぁ? あからさまな釣で、以後、この著者の本は読まなくなるなるよ。時事ネタも多く、長く読み継がれることなど考えてもないみたい。熱心な固定客がたくさんいるか、タニマチがいるのかなぁ?
0投稿日: 2021.05.23
powered by ブクログ旧優勢保護法問題から、相模原事件も含めて、決して古くはなってない優生学、優生思想について分かりやすく述べられている。また現代は出生前診断など優生学が形を変えて出ているし、現在はコロナの問題も優生思想の点から考察できる状況も多い。ただ優生学と優生思想と優生政策は微妙に、その歴史も含めて違う部分もあるので、その細かい考察は難しいが、その部分はさらっと流されているのが残念である。「優生学と人間社会」からの引用も複数みられ、著書はこの書籍をかなり参考にしたのが分かる。逆にこの問題については「優生学と人間社会」以上に論考された本を知らない。
0投稿日: 2021.05.21
powered by ブクログ「優生学」には必ずしも興味があるわけではなかったが、この著者の著作であるということで読み進めた。 私自身は、安楽死について、著者と考えを同じくすることは、少なくとも現時点ではないが、考えなければならない論点は提供されたと思っている。 池田さんは、ツイッターでは、どこかふざけた、あるいは皮肉を込めたツイートが多いと思うのだけど、その学識の深さにはあらためて驚かされる。地球温暖化論に対する疑義について、わたしも池田さんと意見を共有するが、池田さんのこの面での著作も深い学識に支えられているのだろうと思った。 余計なことながら、私が尊敬する加藤典洋の同僚であった。
0投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログ優生学的思考は昔からあって、今もまだその思想が残っている。 資本主義社会である限り、この思考はなくならないと思う。 役に立つ、役に立たないで人間を判断する事が差別や偏見を生み出している。 私も人間を生産性の有無で判断していたように思う。 さらに、それを無意識の中で考えていた事が本当に怖い。 人間の価値を経済合理性で判断する事は絶対に間違っているし、安楽死や中絶は多くの問題を知った上で 判断するべきだと思う。
0投稿日: 2021.05.13
powered by ブクログ☑︎背景にある深刻な財政難や経済の低迷 ☑︎いつ誰に向かってくるかわからない刃 ☑︎病気が不安を呼び、不安が差別を生む 悲劇を避けるために何よりも大切なのは、正しい知識を得ることだと思いました!
0投稿日: 2021.05.13
powered by ブクログ久々の池田清彦。なかなかトーンを押さえながら、あたかも歴史学者のように事実の叙述が続く。しかし、最後の最後にとうとう「あとがき」で池田節が登場した。「人々の健康を守ると称して導入される政策が、実は不健康な人を排除したり見捨てたりする政策だったりしたら、洒落にもならねえよな。」確かに洒落にもならねえな。れいわ新選組から除籍された人の話は知らなかった。さて、優生学がどういうものかをちゃんと読んだこともなかったので本書を購入してみた。なんとなくわかったつもり。で、途中、そういう考え方もありだよな、と思える部分があった。安楽死とか尊厳死とかについては、ある程度認める側に自分が立っていたから。しかし、次の一文で目が覚めた。「自分の身体は自分の所有物ではない。」確かにそうかもしれない。「人間には死の自己決定権はない。」なるほど。「人は何かの役に立つためや、何らかの目的を達成するために生きているわけではない。」それでも、何かの役に立ったらいいなあと思うが、何の役にも立たないからといって否定するのはちょっと違うのだろう。「人は何かことがあれば、簡単に権威へと服従し、異端者を排除する。」そう、今日録画していた「スパイの妻」を観たが、戦争中などはまさにそういうことが起きてしまうんだな。歯を抜いているのかと思ったら、爪をはがしていたんだ。あぁ~、うぅ~。「チフスのメアリー」読まないままでいたが、やっぱり読んでみたいなあ。
0投稿日: 2021.04.15
