
総合評価
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powered by ブクログ騙された男と騙した男が始めたインチキ宗教「聖泉真法会」。最初は訳アリな若者たちの駆け込み寺のようなものだったが、次々と起こるトラブルを真摯に(?)こなしていくうちに信者7,000人を超える大所帯に。 そんな時、大教団の教祖に目をつけられ…? 上巻の本書は、嘘でしょ!?みたいなノリで始めた宗教が、あれよあれよという間に信者を抱えていく様がとても面白かった。 もちろん、信者になった全員を救うことなど出来ず、脱会する者や亡くなってしまう者もいる中、信仰とお金という切っても切れない関係がズバズバ書かれています。 篠田節子さんの描写って人物もそうだけど、こういうところがホント、リアリティがあって面白い! 下巻で「聖泉真法会」がどうなるのか、楽しみです。
0投稿日: 2024.11.16
powered by ブクログNHKBSドラマを見て、読み始める。新興宗教を虚業として立ち上げる彼らが本当に病める若者、女性たちに翻弄される様はドラマより生々しい。
3投稿日: 2024.10.08
powered by ブクログ10年ほど前、大学の図書館でなぜかおすすめされて読みました。授業も無く暇つぶし程度にと思ってたのですが、最高に面白かったです。私を本好きにさせてくれた一冊です。
0投稿日: 2024.09.09
powered by ブクログNHK BSドラマが結構面白いので、初読の著者であるが原作も読んでみたくなった。金目的で新興宗教を立ち上げたものの桐生こと鈴木正彦も矢口も良心が痛んで金儲けだけには集中出来ない、しかし組織は大きくなりそれに伴い世間のありとあらゆる亡者が集まって来る、だんだん政治臭が強くなっていき下巻に続く。出来るだけドラマの終了前に読了出来るよう頑張りたい。
1投稿日: 2024.01.27
powered by ブクログ202401/上下巻まとめて。面白かった!教団立ち上げスムーズにいきすぎとは思ったけど、登場人物達の描写が見事過ぎてひきこまれて一気読み。
1投稿日: 2024.01.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
失業者の正彦と矢口は金儲けのために教団「聖泉真法会」を立ち上げる。似非教祖側を描く小説はお初かも…面白いです。 ビジネスとして宗教をやる彼らの教団には悩める女性たちや生きづらい系の若者が集まってたけど、元役人の性なのか一歩引いてて教祖っぽい事を言いつつ内心ツッコんでる正彦とお人好しの矢口には「似非宗教」という自覚があるからか、「〇〇しないと地獄に堕ちる」等の脅しをしない。寧ろ信者がこの方向のこと言ってて、正彦と矢口は行政に繋いだりと冷静な対応しています。 そのうちに食品会社社長というビッグな信者が出来てトントン拍子か…と思ったら、宗教ビジネスにたかってくる面々できな臭くなってきてラスト遂に…!でした。 ハイエナな面々、正彦と矢口の詐欺師はまだ可愛いほうなのか?と錯覚してしまうくらいに悪いです。 下巻では正彦と矢口が振り回されてどんどん堕ちていくのだとしたらちょっと不憫。読みます。 「宗教」自体がモンスターみたいなものだとも思うけど、拠り所というよりもたれ掛かるつもりで多大な期待でやってきては失望して去っていく信者たちも随分と勝手だなと思いました。だからこそ宗教にはまれるのかもしれないけど。 冷静なままだと到底無理で、宗教世界にはまる形に自らを狂わせるのが信徒なのかも。洗脳はそうか。。。 お手軽に救われる、幸せになれるなんてそんな甘い話は無いです。お手軽に儲かる話も無い。気をつけましょう……あなたの心のスキマにドーン!! 約10年前に文庫化された作品で、宗教からお金が流れ込んでいる政党だと公明党と自民党の名前出すのか。流石です。
2投稿日: 2023.12.19
powered by ブクログスキャンダルの末、財産を失った教団。だが、残った信者たちの抱える心の傷は、ビジネスの範疇をはるかに超えていた。さまよえる現代の方舟はどこへ向かうのか-。
0投稿日: 2023.04.20
powered by ブクログ組織化されるまでの経過は、もうギャグ小説かと思うほど、桐生の信者へのツッコミが面白い。 言葉にしている内容と心の声が真逆で、嫌々相談に乗ってる感じにニヤけてしまった。 大きな組織となっていくと、怪しい人達(自分たちもだけどw)が周りに増えてきて、物語がどう着地するのか先が楽しみ。 やはりこの方の文章はとても読みやすい。 ただ、いつもより引き込まれる感じはなく、途中閉じるとペースが落ちてしまった。 この感じで下巻もペースが落ちたままだと、結構長いからしんどいなー。
1投稿日: 2022.04.21
powered by ブクログ生活に困って、新興宗教を立ち上げた主人公のお話。始祖として、試行錯誤しながら成り上がっていく姿が上巻。さくさく読めます。入信してくるのは訳ありな方々ばかりで、こんな世界もあるのかと、ホラーとは違った怖さを覚えます。
1投稿日: 2022.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
p.27 世界の終末のような光景に、救いめいたものを見いだしていた。 これからどうなっていくのか!? 続きが気になってしょうがないです。
0投稿日: 2021.06.30
powered by ブクログゲーム作家に憧れて職を失なった正彦は、桐生慧海と名乗って、同じく失業者の矢口と共に金儲け目当ての教団「聖泉真法会」を創設する。悩める女たちの避難場所に過ぎなかった集まりは、インターネットを背景に勢力を拡大するが、営利や売名目的の人間たちの介入によって、巨額の金銭授受、仏像や不動産をめぐる詐欺、信者の暴力事件、そして殺人など続発するトラブルに翻弄される。
0投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログ下巻と合わせ、とにかく長い、長い本。続きが気になり、だがあっという間に読んでしまった。 新興宗教がテーマだが、人間、人生、欲望、組織。。。そんなことについての普遍的な何かが綴られている。正しいことをやっていれば共感が得られるわけではないのだ。組織に悩むビジネスマンが読んでも大いに共感するだろう。 皆、何かにすがりたくて仕方ない。だが、自分以外にすがったところで恒久的な安定は得られない。 結局は、自分と常に向き合うしかないのだと思った。
1投稿日: 2018.01.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とにかく長い。上下巻をあわせると1200ページを超える長編である。 長いの飽きさせない。ページ数の多さに負けない中身の濃い物語だった。 失業しこれといった夢もなくなった二人の男が軽い気持ちで立ち上げた「宗教」。 教義のもとになったのは、正彦が書いていたゲームブック。 その場しのぎの対応を続けた結果、いくつものトラブルに巻き込まれることになる。 宗教にハマったことがないので、雅子たちが暴走していく心情がよくわからなかった。 それなりの理由はもちろん理解できるのだけれど。 何でも一番いいのは「ほどほど」なのかもしれない。 絶対的な存在としての「教義」。 雅子たちの狂気は、やがて偽宗教家の正彦をも喰らいつくしていく。 もしも彼女たちのお祈りの場に居合わせたとしたら、何かわからないけれど不健康で不穏で歪な空気を感じて逃げ出してしまいそうだ。 宗教によって心の平穏を得る者。 宗教によって心を狂わせていく者。 正反対に見える両者の違いはそれほど大きなものなのだろうか。 自分と向き合い自分と対話する。 簡単なようで難しいはずだ。 繰り返される祈りの言葉、単調なリズムが生み出すトランス状態。 徐々に変貌していく内側にある信仰心。 教団に対するマスコミのスキャンダラスな扱い。 編集され、真意のカケラも伝わりようのない映像。 たび重なる嫌がらせ、直接的な暴行、拉致。 弾圧を受けていると感じたときから、正彦たちは自ら被害者となる。 自分たちこそが被害者なんだと。 自分たちは何も悪いことはしていないと。 孤立していくことを怖れなくなる一方で、正義は自分にあると思い込む。 宗教が絡む事件がたびたび起きる。 そのたびに不思議な・・・不気味な思いを感じていた。 「洗脳」という都合のいい言葉が登場したときには、すべてこの言葉で辻褄があうとでもいうようにあちこちで「洗脳」という言葉が飛び交っていた。 なぜ宗教を求めるのか。 教えの中に何を見出すのか。 宗教が何を与え何を奪っていくのか、関心すらもなかった自分にはわからない。 教祖面しているというくだらない理由で教祖になった正彦。 怒鳴りたくなる場面でも教祖として我慢をし、面倒臭い放り出したいと思いながらも、結局ずるずると引きずられていく。 なぜ宗教を求めるのか。 ひとつの答えがこの物語の中にあったように感じた。
0投稿日: 2017.03.02
powered by ブクログ文章は淡々としているが、冷徹さと熱っぽさが共存していて心地よい。 テンポよく話もすすみ、久々の期待どおりの作品になった。続きが楽しみである。
1投稿日: 2016.08.22
powered by ブクログ禍々しい宗教家の誕生秘話ではない。突然、神の声を聞き教祖になったという話ではなく、普通の人がビジネスで宗教を起こして成功するという小説である。普通といっても元ゲーム作家というところが現代っぽい(笑
0投稿日: 2015.11.02
powered by ブクログ失業し、奥さんや不倫相手も去っていったどん底状態の正彦&矢口。この2人がビジネスとしての新興宗教を立ち上げるところから物語が始まります。 食うや食わずの貧乏時代を経て、森田社長を信者として獲得したあたりから宗教団体は大きくなり、宗教ビジネスは軌道に乗っていくのですが、、、というところまでが上巻です。 正彦が元都庁職員の知識と経験を生かして信者を獲得していくところは結構リアルで、こんなにうまく行くわけないやんな〜と思いつつも引き込まれていきました。教団は順調に大きくなっていくのですが、なんとなく破滅への影もチラチラ見えてきて、「この辺でやめといたほうがええんちゃう??」とドキドキ。 正彦&矢口、それから初期の信者の方たちが幸せになってほしいとめっちゃ感情移入してしまうのですが、きっと誰も幸せにはなれそうもないだろうな、という気もめっちゃします。
0投稿日: 2014.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上下まとめて感想 サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。 上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。 エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達。深い信仰を持った信者とエセ教祖様の立場の逆転。どんどん落ちていきつつも、エセ教祖が最後の最後で信者たちを守る姿に、教祖なのか、父性愛なのか分からないが、導こうとする人の信念を感じることができた。 かなり面白い小説でした。
0投稿日: 2013.12.08
powered by ブクログ拠り所を探す人たちが徐々に集まってくる、そして巨大化していく‥話の展開としては面白かった。ただ、上巻だけでも長いと感じた上に、これで下巻もあるのか、と思うとその点はなんとも。
0投稿日: 2013.10.02
powered by ブクログ金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。 ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。
0投稿日: 2013.02.28
powered by ブクログ職のない男が2人で宗教を興すお話。 金儲けの為に始めたのですが、トントン拍子に信者が集まり、それに伴い教団の収入も増えていく。 上巻ではあまりにトントン拍子な気もしますが・・・ でも適当に始めた割に(ほんとに始め方がすごい適当!)、あれよあれよと大規模になっていく様子は中々面白いものがあります。 でもこういうお話はきっと最後は転落するんだろうなって思いながら読んでいます(笑) 教祖となった正彦ですが、これが案外真面目で堅物。 新興宗教なので胡散臭いのですが(そもそも何の宗教的思想もない人が興した教団)、自分でそこは自覚していて、信者ともなるべく真摯に向き合おうとする様は好感が持てました。 金儲けの為に始めた事なので、霊媒師の真似事とか「このままでは不幸になる」とか言って壷を売ったりとか、やろうと思えば手っ取り早く金儲けできるのですが、正彦はあくまでビジネスとして先を考え、人としての道は外さぬよう努力しています。 ただあくまでビジネスとしてしか考えていないので、金にならなそうな信者はあっさり切り捨てようとするのですが、そこはもう1人の矢口が担当し、変にバランスも取れている。 中々読み応えがあって面白いです。 上巻の最後の方から不穏な空気が漂い始め、下巻も楽しみです!
0投稿日: 2012.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
失業した男2人が、ビジネスとしての新興宗教を立ち上げる。それは2人の予想に反してどんどん規模が大きくなっていく。
0投稿日: 2012.10.06
powered by ブクログ9月19日 読み始め ゲーム製作の為原稿用紙5千枚のストーリーを書き上げたがそれを発注した会社が倒産。実は発注自体が架空だった。そこで新興宗教を立ち上げ教祖になる。 書き出しから面白いところはさすが。 9月28日 読了 上巻だけで600ページ超え。読めるけど長い。
0投稿日: 2012.09.28
powered by ブクログ人生の敗者となったふたりの男は、金儲けのための教団「聖泉真法会」を設立して再起をはかる。金だけを目当てにした教団には次々と信者が集まり、教団はふたりの予想を超えて巨大化してゆく。しかし、巨大化した教団を食い物にしようと、おぞましい人間たちが群がりはじめる…。 神聖なものであるはずの宗教が世俗的な欲望に彩られている。聖泉真法会は人間の絶望と欲望のかたまりだ。主人公は極めてビジネス的な視点で教団運営を図る。宗教というのは、ビジネスにとって最高のフィールドらしい。完全にビジネス化した聖泉真法会に救いを求め、実際に心の平安を得る信者も存在する。その信者にとって聖泉真法会はかけがえのない存在である。果たして、ビジネス化した宗教は完全に否定されるものなのか、俺は答えることが出来ない。
0投稿日: 2012.08.11
powered by ブクログゲーム作家に憧れて職を失った男が金儲け目当てに教団を創設。インターネットを足掛かりにしてトントン拍子で組織を大きくしていく。 金儲け目当てだったんだが、信者の暴力事件、殺人などのトラブルで悪に徹しきれないまま組織はどんどん大きくなる。巨額の金銭も動くようになり、宗教法人を隠れ蓑にした巨悪も忍び寄る。 トントン拍子に進みすぎて、いくら何でもあり得んだろう・・・って箇所が多すぎる。当然、ハッピーエンドの結末は予想されないが、どんな落とし所になるのかが、さっぱり読めない。下巻も読むしかないか・・・ (2012/4/21)
1投稿日: 2012.05.01
powered by ブクログ『聖域』『ゴサインタン』『弥勒』の宗教三部作に続く第四弾!ゴサイ~が僻村に嫁入りしたネパール人妻が神懸り状態になり自然発生的に教団が形成される過程を描いたのに対し、本作では失業中の男二人がほどほどの金儲けを目的に似非教団を作る。ところが思惑を越え信者の数は増え続け、やがて二人は現代日本の宗教を取り巻く大きなうねりの中に呑み込まれて行く。教祖役は元都庁職員であり、詐欺師にも拘わらず社会常識に長けた堅実な人物として描かれており、物語の目撃者の役割を果たしている。終盤、宗教を食い物にする怪人物登場。読み応え有。 荻原 浩の『砂の王国』が似たような設定らしい。φ(.. )
1投稿日: 2012.04.30
powered by ブクログ著者の作品は初めて読む。人物描写が甘く、突然に性格が変わるように感じられるため読むのがいささか疲れるが、話のテーマは実に面白いし、よく取材しているなと感じた。著者の他の作品に手を出すかは微妙なところ。
0投稿日: 2011.11.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やけっぱちの中年男ふたりが始めた”まっとうな”宗教ビジネスが思いのほかトントン拍子に進むにつれて起きる事件、変化。 いかにもありそうな展開に却ってハラハラする。下巻でどこに決着するのか楽しみ。
0投稿日: 2011.11.22
powered by ブクログ圧倒的な現実感を伴なってストーリーが展開してゆく。常識ある主人公が回りに翻弄されながらどツボにはまってゆく様にリアリティーがある。さすが篠田節子。
0投稿日: 2011.10.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あまり女性作家の作品は読まないがこの作品は表題に惹かれて以前購入し本棚に放置してあった。彼女の別作品を先日読み在庫にあったなと。 内容は ひょんな理由から都庁を退職。家庭も崩壊してお金儲けを目当てに 宗教を主宰した男たちの顛末記。 なるほど女性の視点で描くとこうなるのかという感じ。 男性の私から見れば主人公はまっとうすぎた。 教祖はもう少し泥臭くなければ務まるまい。 おそらくこんな男性はあまりというか、かなりレアだろう。 新堂冬樹の「カリスマ」のほうがより実際的な気がする。 私がその立場だったらと随分考えさせられた。 泥臭さには自信があるが、こんな女性信者からは 即刻逃げ出しそうだw 最終的に狂信的な女性信者に引きずられるまま、逃避行をする教団。 結末をほぼ予測しつつ流され。結局予想通り自ら進んで無実の罪に服す主人公。 途中で満足げに死を迎えるパートナー。 結局女性をミスリードすると怖いわよ。ということかw ちなみに2009年に柴田錬三郎賞受賞作品。 一応4★興味があれば是非ご一読を。 彼女の作品は今後レパートリーに追加。
0投稿日: 2011.09.13
powered by ブクログもと公務員がビジネスとして新興宗教をたちあげていく話。 主人公が良識ある人、悪人ではないので感情移入してしまう。 もっと客観的になれたら色々な宗教ビジネスのからくりを楽しめると思う。
0投稿日: 2011.06.30
powered by ブクログ諸事情により職を失った二人の男が、たまたまニュースで目にした9.11事件に光景に感化されて、事業としての宗教を始めるという話。 個人的には面白い、というか興味深い本だったけど、あまり人にはお勧め出来ないと思ってしまった。篠田節子の小説は何かひとつ伝えたい主題もないし、感動があるわけでもなく、いま自分たちが暮らしている日常の中で起こりうる、あり得る世界を提示するものだと思っている。宗教的な超常現象を絡めながらもそこに恐ろしくリアリティを感じさせてしまうのがこの著者の凄いところ。宗教が人間を象徴するものであるというのもあるけれど、今回もかなり引き込まれてしまった。 ちなみに、この後は平野敬一郎の『決壊』を読もうと思っていたけど、本作がかなり重たかったのでしばらく時間を置いてから読もうと思う。。
1投稿日: 2011.06.27
powered by ブクログ泡のような夢のために仕事も過程も失った男が、ビジネスとして新興宗教を立ち上げる。 主人公は善人ではないが、悪人とまではいかない。あくまでビジネスではじめたはずの『宗教』という虚実に引き摺られ、足を取られて破滅へと転がっていく。
0投稿日: 2011.06.26
