
総合評価
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powered by ブクログ朝鮮分断の歴史は、ひとつの民族であるにも関わらず、民が家族や知人と決裂する生活を強いられる。彼らの願いは様々な方向へと離散していくが、やはり南北統一の社会を求めるのは不自然ではない。そこに政治や経済といった利権を求める邪な思想が容易く介入して、平穏な生活を求める行動は、無情の暴力へと変容する。抗う手段がそこしか与えられない偏狭な思想こそ糾弾すべきであり、それを国家が扇動するのは命の尊厳を軽視している。守るべきは国家の体裁ではなく、一人ひとりの命である。獄中で生涯を閉じる実行犯の切なる思いを知ると、現在の国家のあり方に厳しい目を向けてしまう。
1投稿日: 2023.11.06
powered by ブクログ一気読みとは言えないけど、まあまあ早いペースで読んだ。それだけ読みやすくて面白かった。 なんか、退路をスパイに与えないとか、国際情勢に疎いとか、日本も同じ立場になったらこんな感じなんだろうな。 このスパイの人は、結局異国で死んでいった。お母さんはどんな思いで待ってたんだろう。
0投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ「証言・ラングーン事件」とあるが、内容はラングーン事件そのものよりも、ラングーン事件実行犯の境遇への同情論である。 実行犯自身は、各国の無実の国民の拉致に関わり、また、ラングーン事件での数多の人の死にも関与したとされていることから、破壊してきた人生の数を思えば、司法の裁きを受けて刑に服している身でもあり、当の実行犯個人の孤独など考慮に値しないと思いたくもあるのだが、それでも、権力の駒とされた一人の人間が、政治の狭間に落ち込んで孤独に消えたという事実はやはり哀しい。
0投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログラングーン事件は私が生まれる以前、1983年に発生した爆破テロ事件。 外遊中の当時の韓国大統領・全斗煥を爆殺すべくビルマに潜入したものの作戦の主目的に失敗し、結果捕らえられた北朝鮮の工作員、カン・ミンチョルの足跡を限られた資料・口伝で詳らかにした一冊。 まず読んで思ったのは、およそ40年前と今の北朝鮮政府がやっていることにほぼ変化が見られない事の驚き。 そもそも半島統一を韓国大統領の暗殺をもって成そうという発想自体が、当時に於いても十数年遅れた手法である事は間違いない。 が、そういった誹りや蔑みをあろう事か祖国・北朝鮮は黙殺し、頼みの同民族・韓国からの細々とした支援の糸は断たれてしまう。 想像を絶する程の孤独と’自己の喪失という恐怖’に異国の収容所で戦い続け生涯を終えた男の姿を、少なくともせめて本書の読者は心に刻むべきである。 「私たちは彼に、個人としての道徳的な責任まで問うべきなのだろうか」(p174) この問いかけこそが本書の主題。 ややピントがズレている事は承知で書くが…、日常生活レベルにおいても’長いものに巻かれた結果間違いが発覚し、責任を負わされトカゲの尻尾切りのように処分される’事態は目にする機会はある。 いざ直面した時に冷静に判断できる眼は備えておきたいものである。 1刷 2021.11.1
1投稿日: 2021.11.01
