
総合評価
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powered by ブクログカズオイシグロのAIを題材にした作品は、語り手がAIであるが故に直接的には多くを語らず読者に思考させるものだと思ったが、こちらはあらゆる人間が種々の問題(AIと人間の関係性に留まらない)を提起するもので、これはこれで非常に良かった。ミステリー色、SF色、社会派色、と、あらゆる側面を一気に味わえる作品。歴史上の事件がたくさん、史実と裏返しになっているのもとても興味深い。 個人的には一年住んだロンドンの雰囲気を懐かしく思い出せるところも高ポイントだった。
0投稿日: 2024.01.02
powered by ブクログ誠実さや正義感を持つロボットであるアダムとイブは、人間の不誠実、嘘、憎しみ、裏切り、ありとあらゆる人間の歪みを初めて知った時、絶望する。そして自殺行為に及ぶ。果たして人類は、この複雑な人間(邪悪で非道的な部分を含む)という生き物を模倣とする人格、精神を持ったロボットを完成させる日はくるのか。 人間の醜悪をアダムの正義感によって学ぶ。 アダムは恋することによって自我を確かなものにしていったのが面白い。
0投稿日: 2022.05.21
powered by ブクログ文学ラジオ空飛び猫たち第70回で紹介しました。 https://anchor.fm/lajv6cf1ikg/episodes/70-e1evl27 結構イッキ読みできるようなエンタメ要素もありつつ、しっかりと人間とは何か?という問いに迫ってくる、あまり他に例のない作品な気がします。我々人間とは一体なんなのか。考え出すと止まらない作品でした。 カズオ・イシグロの「クララとお日さま」と読み比べると面白いです。クララの人工知能の哀しさを感じた人には是非読んでもらいたい。
2投稿日: 2022.03.16
powered by ブクログAIと人間の関係が最初からそんなに良好と言い難かくちょっと、題名と内容があわないと感じてしまった。 アダムがミランダに恋をしているからの結末なのか?恋していなくても正しい結末だったのではないかと思う。 翻訳がいいからか、サラサラ読めて、よかった。 なんとなく、少し不完全燃焼かな。
1投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ面白かったけどこういうアンドロイドの誕生は実は怖いのではないかと思った。人間の心の繊細さ、揺れ、真実とその反面の折り合い···どこまで理解しあえるのだろう?
0投稿日: 2021.12.17
powered by ブクログ「クララと…」と対になる作品だと思ったので読みましたが、色々入っていきにくくて…。ミランダに関しては共感できる部分もありましたが、文章とか背景とか全体的に難しかったです。
2投稿日: 2021.11.27
powered by ブクログアンドロイドのアダムを買ったチャーリーと、同じアパートの上の階に住む女子大生のミランダ。3人の奇妙な関係…、と書けば当然近未来小説と思うが、1982年の英国が舞台。サッチャー首相がフォークランド紛争に追い込まれていたころのこと。でも、そこは架空のお話なので、事実とは違う政治情勢になっている。そこがまた不思議な感じ。80年代にここまでできるのか?というのもあるけれど、どこまでが歴史上の事実なのか悩みながら読んだ(自分に知識がないからだけなんだけれど)。学習し続けるアダム、チャーリーが偶然手を差し伸べることになった少年マークの存在、何よりもミランダの過去などが次々と絡み合っていく。 AIが日常生活に登場している21世紀、人間に近いロボットは可能なのか、文学的に注目できる作品なのでは。
1投稿日: 2021.10.05
powered by ブクログAIは恋をするのだろうか。 どうやって自分でいられるのだろうか。 不完全な人間は倫理と道徳観念とどう向き合っているの。 現実世界の裏返しのような(サッチャー夫人が追い出され、ビートルズが新譜を出して酷評される)1981年のイギリス。 デジタル分野は今より進んでおり、自動運転やAI搭載のアンドロイドがでてきている世界。
0投稿日: 2021.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これは面白かった! ドライな感じは楽しい。 西欧ではやっぱり機械に生命を見出すというか、壊すにあたっても倫理みたいなものを考えずにはいられないんだなーと思った。
0投稿日: 2021.05.04
powered by ブクログ1980年代後半のイングランドに似たパラレルワールド。チューリンゲンは生きているし非常に優れたアンドロイドのいる世界。 25体の一体アダムを手に入れたチャーリーと女子学生ミランダの共同生活における関係性の構築と破綻の、そしてある意味再生の物語。ミランダの秘密のミステリー色と善悪と正義の判断、アダムを含めた3人の恋模様など盛り沢山で内容の詰まった物語だ。
0投稿日: 2021.04.30
powered by ブクログうだつの上がらない主人公の男チャーリーが母親の遺産で買ったアンドロイドのアダム。一緒に暮らしていくうちに、アダムがチャーリーの恋人・ミランダを好きになってしまい…という話。 まず、アンドロイドの感情はどこからくるものなのか?という問いがある。アダムの感情はアダム自身の内部から自然発生的に湧き出たものなのか、それとももともとプログラミングされていたものなのか。AIを取り扱う話はまずAI自身が信頼できない語り手として存在しているところが、物語の不安定要素になっていて面白い。 また、人間の行動基準や意思決定基準の何といい加減なこと。不合理で不条理で不公平で、でもその揺らぎがあるからこそアダムの言う通りこの世には「文学」が存在するのであって、そんな不安定さが入る余地のない世界は味気なさすぎるのかもしれない。ただ、その機微をアダムが理解しようというのはチューリングが指摘するように、かなり難しい。自分の心の在り様を完璧に説明できる人間は恐らく一人もいないから、そんな人間がその機微を機械にプログラミングできるわけがない。 そしてアンドロイドは人間が「所有する」ものなのだろうか。それともアンドロイド自身が誰にも所有されない独立した「一個人」なのだろうか。チャーリーが自分のお金を出した買ったアダムが稼いだお金は、いったい誰のものなのか。アダムの意思を無視してアダムの電源をON/OFFする権利がチャーリーにあるのだろうか。使わなくなったり気に入らなくなったおもちゃは処分することが許されているが、そうなったアダムのことはどう処理するべきなのだろうか、はたまたそうして処理する権利は持たないのだろうか。アンドロイドという存在がただの機械と呼ぶには人間に近しすぎて、そうしたアンドロイドと人間はどうした関係性にあるのかがよく分からない。これまで人間が結んでこなかった新しいパターンの人間関係を、アンドロイドと構築しなければならないのかもしれない。
0投稿日: 2021.04.04
powered by ブクログ発想が斬新だった。コンプレックスの固まりみたいな主人公とアダムとの対比が面白かった。もしかしたら、もうそこそこにアンドロイドがいるのかも、と思った。
2投稿日: 2021.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
パラレル1982年に、愛とは正しさとは復讐とは子どもを持つとは…などいろいろ盛り込まれた意欲作。 読んでいくとどうしてもアダムに肩入れしてしまうので、アダムの真正直さ正しさが悲しい、つらい。 やはり人間は不完全であり、嘘も影も含む存在なのだなあ。読後、引き摺る。
0投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログ人工知能を持ったアンドロイドと暮らすってどういうことなんだ??という未知の面白い体験が出来たことが良かった。倫理的な問題も散りばめられているので、思考することの醍醐味を味わえた。人間とロボットの境界線が曖昧になる世界って不思議だ。
0投稿日: 2021.02.14
