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powered by ブクログ日本の図書館協会の『図書館の自由に関する宣言』を思い出した。この宣言では、知る自由は基本的人権の一つとして捉え、図書館がその機会を与える場であると記述されているが、この観点から兵隊文庫は成功例と言えるだろう。図書館司書について調べたことがある身としては、非常に興味深い一冊だった。
0投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログ横溝正史のエッセイで「日本では、出版物は検閲去れ、探偵小説は禁止された。だがアメリカ兵士はポケットに娯楽小説を入れて日本に来たんだ。これは叶わわない」と思い「これからは探偵小説一本でやっていく!」と決意して金田一耕助を生み出した。 朝ドラ「あんぱん」ではやなせたかしをモデルにした青年が「アメリカの漫画が面白くて衝撃を受けた。戦争でも負けて娯楽でも負けるだなんて。」という。 そしてこちら『戦地の図書館』は、そのアメリカが戦争中に図書活動をどんどん!推奨!して、そのことで兵士の精神的健康を保ったという「兵隊文庫」の記録だ。 本書の冒頭には、アメリカの戦時中の図書館活動との比較として、ナチス政権下のドイツのやり方も書かれます。 ・ドイツ的でない本は焚書した。学生による自主活動の様相だが、ナチス政権が後ろにあるんだろうとはわかる。 ・ヒトラーは一つの国を支配下に置くと、その国の文化、歴史、芸術、報道、娯楽を改変する。図書館は文化の柱として真っ先に手を付けられる! アメリカはこの時点ではドイツと戦っていなかったが「直接戦っていない国でも、思想を弾圧しようとする、見えない攻撃をしてくる」と警戒している。 そして徴収された陸軍、海軍兵士たちに書籍を供給する。第二次世界大戦時には、すべての訓練基地に図書館と娯楽施設を建設し、前線には本を送る。特に本は場所がなくても、一人でもできるのでとても重要だ。「アメリカ合衆国陸軍図書館局」が創設された「戦時図書審議会」が実施した国家事業だった。 この「兵隊文庫」を兵士たちは待ち望み、兵士たちの心を保つことにどんなに役に立ったか、そのシステムはどのように作られていたか、が書かれていきます。 本書はアメリカの取り組みを相当賛辞しているので、まずはそのまま「兵隊文庫」の良いところを。 ●前提 ・娯楽の大切さを理解して、前線の兵士に書籍を送るのは南北戦争からの習わしなんだそうだ。 ・「ナチスは本を焼いたが、アメリカは兵士のために本を集めている!」という宣伝(要するにプロパガンダ(^_^;) にもなる! ・各出版社が選定、戦後図書審議会で審議。 ●本書で書かれている兵士が本を読むことの良い効果 ・前線の兵士は「本を読む」という行為をすることで、自分はまだ人間なのだと思えた。 ・小説を読んでは「故郷から手紙が来たようだ!」 ・兵隊文庫について、図書館局がアンケートを取った。前線の兵士は意見を聞かれることはないので、このアンケートは「自分の意見を聞いてくれる」という自己価値を高めた。 ・兵士たちは、前線の身動きできない塹壕のなか、入院中、治療中、前線で負傷して救護班を待つ間などにも本を読んだ。おそらく、現実逃避&自分が本に集中することで自分自身を取り戻す事ができたんじゃないかなあ。 ・捕虜としてドイツの収容所に入れられたアメリカ兵の家族は、「ドイツの検閲に引っかからない書籍」を収容所気付けで送ったらしい。兵士が正気を保つのに本は必須だった。 ・検閲で一部分削除するくらいなら、その本は兵士文庫に出版しない。著者の意図や作品の内容を変えることはしない!⇒なんか現在でも原作者の意図か、売れるための改定かでもめてるねー。 ・他の国の歴史や地理描写のある本は、戦争している同盟国や敵対国について知ることにもなったらしい。 ⇒本を読むことで自分自身を保つことができたってことですよね。 ●政治的 ・「兵隊文庫には、政治的プロパガンダを含む本は認めない」という規定はあったけど、ではなにがプロパガンダだ?でかなり揉めたようだ。 ・兵士たちは「セックス描写!」を求めたが、兵士文庫にいれるかどうかは喧々諤々の大論争になったらしい。結局いくつかの本は兵隊文庫入り。性描写大人気。 ・ルーズヴェルト第四期目選挙にあたったため、選挙運動にも影響したらしい。そして前線兵士はルーズヴェルトに投票した人が多かった。 ⇒①いつから「大統領は二期」になったんだろう?②戦争中にも選挙行われていたんだ!?前線兵士の投票集計ってどうやったんだろう?それこそ郵便事故とかなかったのか…? ●戦後 ・復員兵たちの社会復帰は優先するべき問題だった。兵士への差別もあった。しかし兵隊文庫に馴染んでいた兵士たちは、大学や職業訓練でも優秀な成績を収める者が多かった。 ・ナチスが焚書した(文字通り焼き払った)文学をアメリカがその国に復活させた!復活っさせた作家や小説はまさに「名作・大作家」が並んでいる! ・他の言語での出版も行われた!(日本語・中国語も作ろうとしたけど、できなかったって。) ・アメリカ兵がヨーロッパ駐屯したときにも兵隊文庫を持っていった。するとヨーロッパ兵から垂涎の的に! ⇒アメリカだけができた、というのは、本土が直接攻撃されなかった事が大きいですね。他の国は爆撃で印刷器具が壊滅、紙がなくなった、など、やりたくてもできなかった。 ・兵隊文庫の印刷により、前線でも読める用紙、綴じ方、たくさん印刷する技術開発などが行われた。印刷ミスも相当多かった(^_^;)のだが、戦後ペーパーバック技術に生かされる。 以上は「本やっぱり大事!ネット社会の現在だって電源がなくても読める書籍は大事!」という感想。 しかしこの本を読んで気になったのは、やっぱり日本人としては、日本の話が語られると胸が痛い。アメリカ人読者にはおそらくサラッと読める描写だと思うんですけどね、、 そして書物の力を知るからこそ、GHQは日本の出版物や新聞を統制したのではないか。この本では、アメリカの書籍のすばらしさを知る素晴らしさを書かれているが、そのアメリカが占領した先ではしっかりと書籍を取り上げていたことをアメリカ人は知っているのだろうか。 そしてアメリカは今現在でも「禁書」を行っているではないかい。 なお、日本でも兵士用の文庫は製作・配布されていたんだそうです。江戸川乱歩が含まれていたんだって。江戸川乱歩は検閲とかで自由には書けなかったようですが、軍部雑誌に寄稿したり、何らかの形では作品を発表できていたんですね。 日本の兵隊文庫についても知りたいです。…物資不足であまりたくさんは出せなかったんじゃないかという心配…(-_-;)
45投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログヨーロッパの本を1億冊焼いたドイツと、 兵士たちに兵士文庫を開発し、配りまくったアメリカ。 自由な思想が勝つと思って生きていきたい、 そんな希望の裏付けをしてくれるような作品でした!
2投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ思想を統一しようと本を焼き、敵国に思想戦をしかけてくるドイツに対して、アメリカが兵士に送り続けた武器が本だった。知見を広げ、戦場で心を癒す時間を与え、士気の維持につながった。戦地にいた兵隊と比べられるものではないけど、自由な思想を守ったのは本を読むことだったという事実は、一定の価値観に染まりやすい現在にも当てはまることだと思う。 たんたんとした文章で事実を書いているだけなのに、本を送る側と送られた側の想いを受け取ることができる。文章多いのにこんなに読ませるのか という驚き。
2投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ◆ナチスが燃やした本1億冊、アメリカが戦地に送った本1億4000万冊 ナチスが「ドイツの価値を貶める有害な書籍は抹殺すべし」として、多くの本を燃やしたことは「焚書」として知られています。 焚書に指定された著者は1万人以上。燃やされた本は1億冊以上。しかし、これに対抗してアメリカが、第二次世界大戦中、戦地の兵士にそれ以上の数の本を送り届けていたことをご存じでしたか? 私もこの本で初めて知りました。 ナチスの焚書に対しては、世界的にも非難の声が上がり、 当時から「文学に対するホロコースト」「書物大虐殺」とも言われていましたが、アメリカ図書館協会は「思想戦における最強の武器と防具は本である」として、一般から本の寄付を募り、兵士に本を送る活動を始めたのです。 時は、折しも日本から真珠湾攻撃があった頃で、目標は1000万冊。 実はアメリカでは、こうした活動はすでに南北戦争の頃から行われていたそうで、単に「思想戦の武器・民主主義の象徴」としての意味以上に、兵士の気分転換・心の健康の維持・士気の高揚のために極めて有効なことを、軍自体も理解していたのです。 戦争といっても、移動や待機の時間は想像以上に長く、そうした時間に本は打って付け。 送られた本は兵士に大人気となりました。 作者へ感謝の手紙を書く兵士も多く、年間1500通を受け取った作家もいたそうです。 しかし、集まってくるハードカバーの本は、重く扱いにくいことなどもあり、寄付活動は終了。 代わりに戦時図書審議会が生まれ、兵士が携行しやすいように、人気文学作品などを、薄く小さく軽い本にして作り始めたのです。 名付けて「兵隊文庫」。それは、ズボンのポケットと胸ポケットに入る2サイズ。 兵舎に居るときだけでなく、戦場にまで携行し、戦闘の合間でも読めるようにしていたのです。 こうして通算1200作品以上、計1億冊以上が、戦地に送られていたのです。 さらに、焚書で本が失われたヨーロッパの解放地には、ドイツ語・フランス語・イタリア語に翻訳した兵隊文庫も作成して送っていたというから驚きです。 その数363万冊(中国語訳・日本語訳の本も計画したそうですが、予算不足で没になったとか)。 そして、この活動により、出征前は読書の習慣がなかった兵士も含め、帰還後は、誰もが読書を愛するようになっていたそうです。 そして、復学・進学した人はみな優秀で、単科大学の学生は、半分以上を復員兵が占めたという、戦後にも大きな教育的成果をもたらしたのです。 戦力だけでなく、こんなスゴイ国と戦っていた日本は、そもそも兵役時に本の携行は許されず(アメリカもそうだったかもしれませんが)、少なくとも本に対する認識の違いに、溜め息が出てしまいます。 ただ、訳者あとがきには、「日本も兵士用の本を製作しており、それには江戸川乱歩の作品なども含まれていた」とだけ書かれていました。 気になってネットで調べまくったのですが、残念ながら「本」についての情報は皆無でした。 ただ、雑誌としては、陸軍が講談社と契約して慰問雑誌『陣中倶楽部』、海軍が文藝春秋の子会社と契約して『戦線文庫』を、いずれも月刊で発行していたようです。 人気女優が表紙に配されるなど、なかなかのものでしたが、部数は多くはなく、どこまで末端の兵士が自由に読める環境にあったかは、ちょっと疑問です。 いずれにしても、アメリカの「戦勝図書運動」や「兵隊文庫」の活動は、そのスケールの大きさ、発想の柔軟さ・素晴らしさには、ただただ驚くばかりです。 藤原正彦さんの著書『本屋を守れ』という本の副題は「読書は国力」でしたが、まさに、そのことを実証した知られざる歴史的快挙だったと思います。 ちなみに、アメリカで本といえばペーパーバックが主流なのは、実はこの兵隊文庫が起源。これまた知られざるトリビアでした。
3投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログ私は本や図書館にまつわる本が大好きで、ついつい読みたくなる。今回もそんな感じで手に取った。読んで良かったなと素直に思えるる本だった。 いつも戦争の本を読む時は日本視点からのものが多くなりがち。しかし、この本は戦時中のアメリカから世界を見た視点で読むことになる。 1939年9月1日、ドイツがポーランドに宣戦布告した。イギリスとフランスはポーランドとの条約により、ドイツに宣戦布告することを余儀なくされた。ドイツはフランスとイギリスに最初に心理戦をしかけた。まずはフランス。ドイツが雇った生粋のフランス人をアナウンサーにして、フランス向けラジオ番組の放送を始める。「ドイツ軍が優勢」「フランスはドイツ軍には耐えられないであろう」と不安気にラジオで話させた。フランスの新聞社も買収。記事でフランス国民の不安を煽る。ドイツのヒトラーが巧妙に仕組んだこのプロパガンダ作戦により、フランス国民は戦意喪失。6週間で降伏している。 ヒトラーは初めに敵の戦意をくじいてから侵撃する手を使い、ポーランド、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクを一年のうちに負かしている。 ここでヒトラーはこれらの国を支配下に置くと、権力をより強固なものにするために、その国々の文化、歴史、芸術、報道、娯楽を改変していく。最初に手をつけているのが、ドイツにとって有害と判断する図書の処分であった。政府公認の焚書が行われて、図書館からは書籍が奪われた。最終的にドイツが葬り去ったヨーロッパの書籍は一億冊に上ると言われている。ヒトラーもかなりの読書家として知られている。ヒトラーこそ本の力を知っていたのだろう。 ヨーロッパから離れているアメリカも安心してはいられなかった。ヒトラーの思想はアメリカにも簡単に入り込み得るということが明らかだったからだ。 もちろんヒトラーもラジオを利用してアメリカ国民の心を攻略しようとプロパガンダをすすめていた。しかし、アメリカでは報道機関がドイツのラジオ番組の実態をすぐに暴いた上に、さらにそれに対抗する動きが現れた。 その組織の一つがアメリカ図書館協会である。協会は議論の末、 〜思想戦における最強の武器と防具は本である〜 〜アメリカ国民が本を読めば、ドイツによるプロパガンダ放送の影響は弱まるだろう、焚書は読書の対極にある〜 という結論に達し、行動を開始した。 初めは書籍の寄付を募り、それを兵士のいる現地に送る活動から始まる。現地に送る本の内容についての論争や読みやすいペーパーバックへのサイズ改変など、様々な困難を乗り越えて活動を継続。最終的には1億4千万冊を現地に送ることとなる。途中、アメリカ図書館協会は役目を終え、戦時図書審議会として形態を変えながら。 現地に送られた本は兵隊文庫と呼ばれる。兵隊文庫は戦地における娯楽や憂さ晴らしのためだけではなく、ヒトラーが仕掛けた思想戦における重要な武器となっていった。以下は、兵隊文庫によって救われた人からの様々な感想を抜粋した。 ー前線では筆舌に尽くし難いほど残忍な行為を目の当たりにした。しかし、兵は本を読むという行為をしているのだから、「まだ」人間なのだ、と思うことができる ー陸軍に所属する精神科医は、読書は戦争による不安や緊張を和らげると口を揃えて言った。本を読むと兵士はやる気を起こし、環境に適応し、ノイローゼにならない。読書をすることで勇気、希望、決断力、自我を取り戻し、戦争によって空いた穴を埋めた。 ーある日、僕は初めて泥に埋まりながら戦場を進み、親友を乗せて担架を運んだ。担架から彼の尊い血が滴り落ち、彼の命が尽きようとしているのに、僕は何もできなかった。その日から僕は世の中が嫌になり、何も愛せず、誰も愛せなくなった。僕は感情を失った。しかし、『ブルックリン横丁』を読んだら、感情が沸いた!心が生き返った!自信も湧き上がり、人は努力次第でどうにでもなるのだと思えた。本を送ってもらったことに対して、感謝と親愛の気持ちでいっぱいだ。 ー兵士は皆、食事の配膳を待つ列に並びながら、散髪の時間、または消灯までの僅かな時間を使って、兵隊文庫を貪るように読んだ。読み終わった本は次々と皆で交換するため、本はどんどんボロボロになっていく。 ー危険な前線に向かう前、隊員全員に兵隊文庫を携えているか確認する隊長がいた。必ず携えていくよう指示する隊長もいた。 ー敵の攻撃から身を隠すため、蛸壺豪に隠れている間にも兵隊文庫を読む者もいた。負傷し動けなくなった者は、とどめを刺されるか救助されるかという時にも、兵隊文庫を読んでいた。 ー死体を運ぶトラックをのぞき込むと、みなおしりポケットに兵隊文庫のペーパーバックを入れていた。 私は本の最後の方に書かれている、兵士がアメリカへ復員する時の受け入れ態勢の話が印象に残っている。 戦争が終わるずっと前から、アメリカ政府は対策を練っていた。復員兵士の就職問題や心の問題についてである。いかに受け入れるか。 ー除隊手当や職業訓練や大学進学を受けることのできる制度を創設するに至った。帰国後、どのような恩恵を受け入れられるのかを知ってもらうために、兵隊文庫どの同じサイズの小冊子を作成し、兵士に一冊ずつ配布した。 その結果780万人の復員兵が大学や職業訓練を受け、一生懸命勉強し、トップクラスの成績を収めることとなる。どの地方の復員兵も大学が予想したよりもずっと優秀だったという。 戦時中、基地や海外に展開する部隊に大量の書籍が届けられていなければ、兵士は読書、進学、復学に興味を持たなかったかもしれない。戦時図書審議会は慎重に作品を選び、毎月兵士に送った。兵隊文庫を読んでいたのはもともと読書の習慣があった者たちだけではないが、結果、何百万の人々が良書に親しむこととなり、読書軍団が形成されていくこととなった。そのことが、戦後の兵士の人生を豊かなものにした。 ちなみに、兵士に本を送る支援は、古くは南北戦争からあったそう。日本にも兵士用の本の制作を手掛けており、そこには江戸川乱歩などの作品が載っていたそう。もっと詳しく知りたくなってしまった。
20投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログ読売新聞20201220掲載 評者:石井千湖(書評家、ライター) 読売新聞2023528掲載 評者:梅田明日佳(作家)
1投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ▼かなり以前に読んで、その時に感想を書きそびれたもの。 ▼もうだいぶ忘れてしまいましたが、とにかく第一次世界大戦だったか第二次だったか、前線の兵士の慰めに、いわゆる文庫サイズの小説本が大変に人気だった、ということ。まあ確かに、恐ろしいまでに「待機」の時間が長いでしょうからね・・・。
2投稿日: 2024.01.05
powered by ブクログナチスは1億本の焚書をし、アメリカは1億4千万の本を戦地に送った。国の前に人がいる。民主主義、人権の国だと改めて認識される。戦時中、アメリカでの、戦勝図書運動、戦時図書審議会、出版業界、陸海軍、海兵隊、上下議会などが侃々諤々協議し兵隊文庫を戦地に送り届け続けたことが詳細に書かれてます。また、兵隊文庫を戦地にて読んだ兵士が戦後大学に入り多くの国民が大学で勉学に励んだことが書かれてます。 本は重火器よりも勝る最高の武器であることを著者は述べている。
2投稿日: 2024.01.03
powered by ブクログ本は武器である。1億冊の本を焚書したナチス・ドイツ。かたや1億4千万冊の本を兵士に送ったアメリカ。娯楽の少ない兵士たちの支えとなった兵士用ペーパーバックに焦点をあてた感動のノンフィクション。 第二次世界大戦中の秘話を発掘した作品。戦中から戦後の復員まで、スケールの大きな図書作戦。 訳者によると、実は日本にも兵士文庫があったそうでそちらも気になる。
2投稿日: 2023.05.23
powered by ブクログ「本を焼いたナチスvs前線の兵士に本を送るアメリカ」ってフレームはオモロいし、検閲との戦いとかも読みであり。唯一引っかかるのが邦題よね。「図書館」の話ではなくね?直訳で「本が戦争に行った頃」で良かったやん。
1投稿日: 2022.09.24
powered by ブクログ第二次大戦中のアメリカの図書作戦についての ノンフィクションでした。 第二次大戦で ドイツが本を燃やしたという事って習った記憶がないので そのような事があったとはと とてもびっくりしました。 なんて 愚かな事をしてしまったのだろう~~ とはいえ 当時のヒトラー政権では ヒトラーに逆らうことなど出来なかったから仕方ないのでしょうけど。 対するアメリカは 兵隊の為に 本を用意した。 手紙もきちんと届かない 戦場で する事もない しかし、緊張は張りつめたまま。。。 そんな状況で 日常の事や 笑いを誘う 小説はどんなに多くの兵隊の心を慰めたことでしょう。 負傷して身体の痛みや 心の痛みに 悩まされていた時に 出逢った本のお陰で 心が救われたとか。 本を読む習慣がなかった人達も 戦場で 本を読む喜びを覚えて 終戦後 政府が 大学への門を開いた時に 多くの兵隊は本で読んだ 弁護士や 医師などを 目指していった。 本当に本は すごい力があるのですね。 兵隊たちは 持って行くべき荷物を厳選しなくてはならない状況の中 本は必ず持っていった。 だから 軽くてポケットに入る ペーパーバッグが生まれたそうです。 どうした こんなに軽い本なんだろうと思っていましたが そういう理由だったのですね。 この本を読んで 改めて本の素晴らしさを 再認識しました。
4投稿日: 2022.06.16
powered by ブクログ最初は、事実の羅列が多かったので、このままいくのかな〜面白いのかな〜と半信半疑だったが、後半はなかなか面白かった。 それにしても、こんな取り組みがあったとは… やはり「知」は武器になるんだね…
4投稿日: 2021.10.16
powered by ブクログ兵士が読むために軽くて安価なペーパブックが作られたってのは面白いなぁ。 そのうちきちんと読みたい。
1投稿日: 2021.05.20
powered by ブクログアメリカ軍は前線の兵士に本を届けるということを組織だって実行していたらしくその記録。もともとはナチスが自分たちの意に沿わない本を燃やしたことへの抗議から図書館を中心に既存の本を届けるというプロジェクトだったものが前線でも兵士が持ち歩きやすいようにコンパクトな「兵隊文庫」として整備され実に一億4千冊が配布されたのだという。とにかく精神論で飢餓状態で弾もないのに闘え、といった我が国の軍隊とは違って、兵士が良いコンディションで闘えるように、ということを追求する米軍らしい話かなと思いました。戦地に届けられる備品の中で、もちろん飢餓などには無縁だからというのもあるけど本が一番人気があった、というのも興味深い。よりよい状態で人殺しができるように、という目的である、ということさえ気にならなければかなり面白い作品だと思います。面白かった。
1投稿日: 2021.02.22
powered by ブクログ第二次大戦でナチは1億冊以上の本を発禁・焚書にした。それに対してアメリカはナチが消し去った量を上回る1億4千万冊の本を発行し戦地の兵士に配布した。市場最大ともいえるこの米軍の出版プロジェクトを追ったノンフィクション。 言論を統制しようとするファシズムに対する抵抗ではあったが、同時に戦争を維持するため兵隊の状態を維持するための施策でもある。当時のアメリカの図書館や出版業界は自由を守るための戦いとしてこぞって協力したが、現代的な視点からみると単純に手放しで肯定して良いかは微妙かもしれない。 米軍が配布した兵隊文庫の中でもっとも人気があったのは、映画化もされたベティ・スミスの自伝的小説「ブルックリン横丁」とのこと。翻訳はすでに絶版だが、主人公の少女フランシーは図書館の本をアルファベット順にすべて読もうとするほどの本好きとのことでちょっと読んでみたい。
1投稿日: 2021.02.02
powered by ブクログ第二次世界大戦で、アメリカ軍はヨーロッパ戦線やアフリカ戦線、太平洋の多数の島嶼で従軍することになった。そのとき問題になったのが、空いた時間、一人になりたい兵士の時間の過ごし方であった。兵士の士気が上がらなければ、良い成果は期待できない。そうして求められたのが、安価な娯楽物、書籍であった。 最初に始められたのは、図書館員を中心とする戦勝図書運動、目標は一千万冊の寄付である。目標は達成された。しかし、この運動で集まった本は、当時の本の主流、大きくて重いハードカバーであった。小さく、軽く、面白い、三拍子揃った本が求められた。 そして運動は、出版社主体のペーパーバック、兵隊文庫に移行した。 ドイツ・ナチスによる焚書と対比させながら、こうした動き、読者である兵隊の気持ち、微笑ましい作者とのやり取りなどを紹介していく。 約一億四千万冊の本が戦場に送り続けられたということだが、日本とのあまりの違いを、こういったところからも思い知らされた。 巻末の兵隊文庫リストは資料的価値があって、貴重である。
4投稿日: 2020.12.30
