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夜景座生まれ
夜景座生まれ
最果タヒ/新潮社
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総合評価

15件)
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    著者の思いがおそらくそのまんまの言葉で書かれていて、理解できるものもあれば、自分では届かないものもあった。人間の生と死を俯瞰しているような感覚になる。 また、あとがきを読んだあとの方が、詩の意味をさらに理解できるようになった気がする。

    0
    投稿日: 2025.06.13
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    3.8/5.0 著者の頭の中の世界、みたいなものを翻訳せずそのまま言葉に書き換えたような感じがした。 どの言葉にも意味があるのか、それともニュアンスや感覚的なものなのか、著者の創作過程が気になった。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    加藤シゲアキ先生が前におすすめしていたずっと積本になっていた詩集を久しぶりに手に取ってみた。少しだけ読むつもりがすっと心に沁みてあっという間に終わってしまった…!⁡ ⁡以前銀色夏生先生はよく読んでいたけどまた違って新鮮だった!⁡ ⁡生、命、血が印象に残った…-。⁡ ⁡

    6
    投稿日: 2023.01.14
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    最果タヒさんの書く詩がとても好き 独特な言葉選びは最果タヒさんにしか生み出せないと思う いつもの詩集とはまた違った雰囲気 驟雨のように言葉が降ってくる 「ヨーグルトの詩」と「静寂の詩」が好き

    1
    投稿日: 2022.11.09
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    まず、『夜景座生まれ』というタイトル自体がとても好き。最初は音の響きが好きだと思っていたけれど、あとがきを読んでそのネーミングの経緯を知るとまた一段と、別のベクトルで好きが増幅する。 『夜景座生まれ』に収録されている詩は全体的にどこか仄暗く、物悲しさが漂っているような気がした。でも最後にはその物悲しさを包み込んでくれる優しさがあるような気がして、それが救いになっている。特に私は最後の「海の詩」が好きで、これがこの詩集の〆でよかったと思った。

    2
    投稿日: 2022.08.31
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    久しぶりに読みたくなって、いつかぶりの再読。 今回はとくに「土の匂い」が面白く感じて、スッと心に染み込んだ感じがした。 全ての詩を読み終わったあとに待っている「あとがき」が良い味を出しているなぁと毎回思う。

    2
    投稿日: 2022.08.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (ぼくの恋人は水色や白色の景色をみつめて、孤独で仕方が無いのに生きるのは誰かと恋をしているからだろうかと思った、でも恋人はこれからもずっと、ぼくに出会うことがない)

    2
    投稿日: 2021.09.28
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    風景を見たとき、内側の内容を景色に映すような、風景画の描き方のような、そんな感じの詩集。 常に死にそうで生きている人の心を聴いているような文章で、意味は分からなくても気分は分かる、というような文章群で面白かった。 スケッチ、自分のためだけの風景画がこのように描けるのだという発見があり、胸が苦しくなった。 これからもこの作者の詩集は読みたい。

    0
    投稿日: 2021.05.30
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    今、わたしが読むべきものだったのだ、と読み終わって実感した。 私たちには、行けない場所など何処にも無い。どこにだって行ける 不思議と、春の匂いがする詩ばかり この本は、お金に余裕が出来たら買う

    1
    投稿日: 2021.03.21
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    愛することの水域。限界まで水位が上がり、失うのか手に入れるのか、これから。わからなくて、泣いてしまう。鳥も猫も泣いてしまう。(「衛星」より) 最果タヒの第8詩集。 やはり苦手意識…。もう若くない?

    0
    投稿日: 2021.01.31
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    【最果タヒさんのちょっとした話】 最果タヒさんといえば、 謎の多い詩人というイメージが強いのではないでしょうか。 顔も公開されていません。 テレビなどで声や、顔を本などで 隠して雑誌などの写真に写っているそうです。 作家の顔で作品の印象が変わるのを 避けていると本人は言っています。 確かに、本を読んで実際に作者の方の 写真や顔を見ると作品を見るイメージが変わります。 例えば、とても武骨で硬い、 男性が書いたような作品が実は 20代の女性の方が書いていたなんて 知ったらその作品のイメージは変わります。 それを避け、詩の持つ印象や作風に 作者の方の顔のイメージが付かない というのはいいことだと私は思います。 感じ方は人それぞれですし、 こういう人が書いたのかという イメージに影響を受けることもありません。 純粋に作品を読んだままに 感じることができるでしょう。 そう言ったところが最果タヒさんの ミステリアスで注目される理由にも なっていると思います。 また、ネットで囁かれている噂? の一つとして「タヒ」が「死」という意味 なのではないかという噂です。 これはネットスラングで「タヒ」と書いて 「死」と意味するところからきています。 「死」の下の部分が「タヒ」になるからですね。 これについては否定されています。 そもそも最果タヒさんがこの名前を 付けた時点でこのネットスラングは 存在していませんでした。 また、他にも「タヒチからきている」などなど 噂はたくさんありますが、どれも違うそうです。 【詩人だけど「詩」だけじゃない!?】 最果タヒさんは詩人として 「詩」が注目されていますが、 最果タヒさんは「詩」だけじゃないんです。 例えば、公式ホームページはとても独特です。 文字がバン! と大きく出てきて、 Twitterのツイートが文字として 表示されています。 なんとも不思議なホームページです。 これもメディアアートの一種なのでしょうか。 そして、右上のメニュー欄には GAMEという表記があります。 遂、興味本位で押したらなんと シューティングゲームでした。 詩とシューティングゲームの融合 というまったく新しいメディアアートですね。 ホームページには他にも、 HACKというところには 言葉遊び的な詩の紹介ページがあります。 詩くはっく、いまなん詩゛など、 言葉遊びと詩を組み合わせています。 是非見てください。 他には詩とホテルの融合の話もあります。 2019年12月9日~2021年3月8日の期間に、 「最果タヒさんの言葉の海に泊まる」、 「最果ての地のオアシス」 というコンセプトの期間限定で 京都のホテルで宿泊できるホテルの一室 が出来ました。 部屋の至るところに詩が書かれていて 詩に囲まれながら部屋で過ごすことができるそうです。 このプロジェクトに際して、 最果タヒさんが下記のような言葉 を寄せています。 「帰るということが、大人になるたびに難しくなる。 家の鍵を持ったって、帰り道を覚えたって、鍵も持たなかった、 道もわからなかった子どもの頃よりずっと、『帰る』ことがわからない。 自分で選んだ家具や家電で部屋を作っていったところで、 どうしてか、そこに収まるだけが「帰る」ではないように思う。 自分が、ちょうどよく作った場所が、 私の本当の「ちょうどいい場所」ではないのかもしれないと思うたび、 すこし、遠出がしたくなります。」(本文より引用) 私も泊まりたかったのですが、 知ったのが終わってしまってからだったので残念です。 次の機会には、是非泊まってみたいです。 【誰かの心のモヤモヤ『夜景座生まれ』ってどんな作品?】 私は詩を読んでいると心に響きます。 有り体な言い方になってしまいますけど、 この言い方が一番しっくりきます。 例えば、一番初めの『流れ星』という詩では、 初めに「孤独」、そして「水の流れ」、 そして「愛」で終わります。 このキーワードの繋がりと短い文章の中で 最大限伝えたいことを伝えようとすること それが詩であるのだなと読んでいて感じました。 また、そこが最果タヒさんのすごいところでもあると思います。 分からないと感じる作品もあるけれど、 分かる気がするところが面白さに繋がります。 タイトルに『生まれ』と付いているためか、 この詩集では肉体的で生々しい詩が 多いように感じます。 そして、 やはり毎回面白いと感じるあとがき。 様々な本を読んでいますが、 面白い本は大抵あとがきも面白いものです。

    2
    投稿日: 2021.01.26
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    最果タヒさんの詩集。夜景座生まれ、というタイトルが一年の終わりのこの慌ただしい日々にとても静かに魅力的に響く。

    3
    投稿日: 2020.12.30
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    最果タヒさんの詩は、わかるようでわからない わかるなぁ、と思って読んでいた詩が突然自分のよくわからないところまで飛ぶ 逆に、よくわからないなぁと思って読んでいた詩が、全部読むとものすごく意味がわかったり この詩集もそう。 でもなにより、最果タヒさんの詩には切実さがある。 それに惹きつけられて わからないということの意味を考えながら 少しずつ読む。 とても大切な時間

    0
    投稿日: 2020.12.27
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    言っていることというか、題材が一度他者へ向かって開いていったかと思えば、どんどん孤独へ向かって閉じてきている。その一方で、著者の言語へのアプローチは一貫してポップなので、逆に何か新しい感覚でもって世界の窓を開かれていくような快感を覚える。これは著者の初期の作品『グッドモーニング』からずっとそうで、ポップではないにせよ『何故か明るい気分になる』『今まで誰も言葉にしてくれなかった思想を言葉にしてくれたと思ってしまう』という持ち味があると思う。それが最新作でも味わえたので驚き。常に新しくてすごいなあおもしろいなあと思う。どんどん平易で恣意性の高い言葉選びに傾き、かたや読者は誰も言ったことのないことを言っているように感じるというのは、どういう仕組みなのかほんとうに不思議。なんでこんな詩が書けるんだろう。 あと個人的に、佐々木さんがデザインを担当した著者の本の中では、今回のエディトリアルデザインがいちばん1ページごとにハマっていて目を惹かれた。本を読むことに疲れているときも、次のページを開くと読んでしまった。 言葉って、文字って綺麗だなあ。

    1
    投稿日: 2020.12.17
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    久しぶりに最果タヒさんの詩集を読みました。 この詩集は、今までのようなポップな感覚は少し薄まり、ひどくうら悲しいような淋しい気持ちになる詩が多いと感じました。 淋しいと言ってもそこはやっぱり最果タヒさんなので、2020年的淋しさですが。 あとがきで、最果さんは「自分が生きている日々すべてを、自分がちゃんと選んだとは思えない。むしろ、流されてしまうこと、自分じゃ止められなかったこと、”そうせざるを得なかったこと”がいくつも自分の中にうずまいていて、それでもその日々が自分の人生として、自分の人格として、刻まれていってしまう。そのことにひどく疲れることもあるけれど、それでもその先にある明日や明後日が真新しいものであることを信じずにはいられない」と述べられていますが、そういわれてみると、この詩集はそういう趣旨のもとにかかれたものであるような気もしました。 「流れ星」 本当にぼくは孤独だ、と言ったときの、 本当に、は、だれに証明するための、もので、 だれがぼくの孤独を疑ったのか。(だれも疑っていない だれもが聞き流している、川が流れている、 ぼくを聞き流している、 春の水が夏の水になった瞬間をぼくも知らない、 水はみんなぼくを聞き流して簡単に海に行ってしまう。) さみしいって言えよ、とだれかが言った。 腹が立って、ぼくはさみしいと叫んだ、 だれももうさみしいという言葉を使えないぐらいに うつくしく叫んだ。そうやって人類は、歌を発明しました。 ぼくは、心がなくて、 きみにはあるから、きみはぼくにそれをちょうだい。 人類はそうやって、愛を発明しました。 「傷跡」「天国手前」「5月」「氷の詩」「海の詩」もよかったです。

    49
    投稿日: 2020.12.13