Reader Store
多動脳―ADHDの真実―(新潮新書)
多動脳―ADHDの真実―(新潮新書)
アンデシュ・ハンセン、久山葉子/新潮社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

59件)
3.8
13
24
17
1
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    新書なのに読みやすい!(新書だから読みにくいという私の偏見なのか?) 私ってADHD気味じゃない?と思って読みました。 そんなに大変なADHDじゃないなって思いました。 思ったこと。 ・集中力つけるために運動しよ(そういえば、朝早く起きて汗かいて掃除した日は頭がしゃっきりしてるわ)(夜じゃなくて朝運動がいいんだって(朝弱い絶望) ・ドラッグには手を出してはいけない

    9
    投稿日: 2025.11.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDが昔から存在し、縄張り争いや戦争において活躍したのは実はADHDの特性をもつような「気になったら動かずにいられない人」ではないかという視点は非常に面白かった。たとえば、狩猟時代には家で調理や武器づくりをするよりも、狩猟スキルが秀でている人の方が長として相応しかったし、求められていた。今で言うADHDの要素を含んでいる人のように思う。ADHDは後天的じゃなくて遺伝子に組み込まれてるんだから、こんなに昔の日本にADHDの遺伝子があったのであれば、現世はみんなADHDじゃないのか?とも思う。狩猟民族にとってADHDであると、捕獲率が上がり強みになる。農耕民族にとってADHDであると、じっとしてられないから収穫率が下がり、弱みになる。という視点も面白い。 ADHD遺伝子が多い人種ほど大陸を横断しての移動距離が広く、その人たちのおかげで何千年前から土地開発が進んだ、人類が発展したので、ADHDは嫌われ者ではなく人類の進歩に大いに貢献した人々であるとも言える。 そもそも、ADHDはドーパミン受容体の数が少ない。ドーパミンが出ても、受け皿が少なくてうまく結合されないから、みんなが味わえるはずの「喜び」「楽しさ」が分からなくて、「つまんねーから楽しいことしちゃお(簡単にドーパミン(快楽)に繋がるセックス、ドラッグ)」って繋がる仕組みが多いようなので、現世に不釣り合いで生きづらいのは納得できた。

    0
    投稿日: 2025.11.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いわゆるADHDみたいな気質っていうのはグラデーションである。そんなことをが書いてあったことだけ覚えてある。今の時代流行るよね。こういう本はシーシャ読みながら読んだことだけ覚えてます。

    0
    投稿日: 2025.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多動脳は原始からの狩をする生活では役に立つ能力だったが、現代社会においてはその脳の働きを上手に経済効果に結びつけるような物に興味を持つようにすると、上手く働くがそうならない場合は、依存物質で脳の安定を満たそうとしてしまう。  有酸素運動を取り入れることで、集中力の分散を防いだり、20分程度の集中の後休憩を入れたりと、自分でコントロールできる人はする。どうしてもコントロールできない場合は薬に頼るのはありだと筆者は考えているが、昨今の多動であれば即薬の処方という動きは少し違うのではないかと例や数字を出して説明している。多動脳には有酸素運動が効果があることがわかって良かった。

    7
    投稿日: 2025.10.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00060944

    0
    投稿日: 2025.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スマホ脳がとてもタメになったのでこちらも拝読。残念ながら他の詳しいADHD本を既に読んでおりましたので新しい知見等は得られず。アンデシュ視点の痛快なコメント等を求めてたのですがそれも特になく。個人的には時間の無駄でした。

    0
    投稿日: 2025.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDの一部の原因としてDRD4-7R遺伝子の説明やADHDのデフォルトモードネットワークとタスクポジティブネットワークについての説明。 また、マイナスの要素よりもプラスに働く要素を取り上げてどう生きていけば良いのかなど書かれておりとても参考になりました。

    0
    投稿日: 2025.10.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1 どんな本? ADHDの存在意義と価値を進化の観点から説 明してくれる本。全員が「ADHD」か「ADHDじ ゃないか」のグラデーションのどこかに居る事を 教えてくれる本は他には無い。 2 何で読んだの? (1) アンデッシュハンセンの著作だから。 (2) 生きづらさを軽減したい。手助けをしたい。 (3) ADHDの理解を深めた状態になる。 3 構 成   全10章211頁(前後書含む) ADHDのが強みになる事を説明したい〜と始 まり  1章 ADHDって何?  2章 この世界は退屈すぎる  3章 人類の放浪とADHD  4章 遺伝子と好奇心  5章 ぼんやり脳はクリエイティブ  6章 ハイパーフォーカス脳  7章 起業家脳  8章 運動は天然の治療薬  9章 人間は学校に不向き 10章 ADHDが増加するわけ   〜この本で紹介した数々の研究により昔も今 もADHDが強みである事が裏付けられていると 終わる。3個章に一個ペースでコラムが挟まれ る構成になっている。 4 著者の問題提起 ADHDが障害ならば進化の過程で何故淘汰され なかったのか? 5 命題に至った理由 精神科医として人生の基盤を作る大事な時期 (15-20)に暗い影を落とすパターンを変えたい と言う想いから。 6 著者の解 ADHDは強みである1面もある。 7 重要な語句・文 (1) 診断は一つなのに原因は一つ (2) 依存症になりやすい。 (3) グループ内でのADHDの役割 (4) 常に御褒美が必要 (5) 運動は最高の治療薬 (6) 作業記憶を鍛える。 (7) 課題は一つだけ分かりやすくする。 8 感 想 読んでいて思った通りだ思った。生物としての 役割を感じていたので自然界では必要な特性なの だろうと思っていた通りだった。 刺さったのは運動は最高の治療薬である事。運 動習慣はあるので良薬になっていると思いたい。 深く知りたい事は作業記憶の鍛え方。どの様な トレーニングが合るのだろうか? 人に勧めるならADHD傾向の強い人にはタス クを分解させる事。一つだけ具体的な行動を提示 できると良い。 図等は無し。 ADHDをうまく表現したタイトルだと感じた。 9 TODO (1) 作業記憶の鍛え方の調査 (2) 分解したタスクをデスクに貼り付けて作業 (3) 報酬の計画 作業が終わったらお菓子一個 10 問 い 乗り越えれるか? 11 答 え 乗り越えるだけ。

    0
    投稿日: 2025.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHD的な性質(集中力がない、衝動的、考える前に行動してしまう)は、現代では弱みになる場合が多いけれど、狩猟採集時代には生き残るため有利にはたらき、人類がアフリカ大陸から出て世界中へ広がる原動力になった性質でもある。 同じ性質も、環境によって弱みになったり強みになったりするものだから、特性をうまくハンドリングして強みにフォーカスしていけたら強いよね、というお話。 誰もがADHD特性のグラデーションの中にいて、ADHDかそうではないか、0か100かの問題ではないということも述べていて、不注意強めの自分にも心当たりのある内容でした。

    12
    投稿日: 2025.09.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ■ある研究でADHDと創造性の関係を調べるために学生を大勢集めたが、ADHDの学生の方が平均的に散発的志向に優れていることが分かった。いくつものアイデアを思いついただけではなく、かなりの確率で他の人にはない独創的な答えを出した。つまりブレインストーミングに優れていたわけだが、興味深いのはロジックに重きを置いた創造性テストでは結果が良いどころか悪い場合が多かった。  ADHDの人はそうでない人に比べて思考が抑圧されておらず思考の流れにストップをかけないので、ブレインストーミングの際は強みになるが、ロジカルな局面では足かせになってしまう。 ■なぜ多くのADHDの人にハイパーフォーカス能力が見られるのだろうか。確かな理由はわからないが進化の過程を考えると納得がいく。ADHDの人はかつて優秀な狩人だった。狩りの決定的な瞬間に鋭い集中力を発揮することで獲物を捉え、生き延びてきた。同時にサバンナの狩人はすぐに気が散ることで常に周囲を観察もしていた。お陰で獲物を見つけられた。集中力に問題があるのに、いざとなるとフォーカスできる。集中力が0か100のどちらかで中間がない。 ■神経多様性と「病気」  人間は元々群れで暮らす動物。群れにおいて絶対的に重要なのが、「全員が同じではない」ことだ。人間でも他の動物でも違った特徴を持つ個体が集まっている方が有利である。現在でも狩猟採集社会に暮らす部族の遺伝子を調べると、一部の人はDRD4-7R遺伝子、つまりADHD遺伝子を持っているが、全員ではない。この傾向は世界中で見られる。全員が衝動的で多動だとかえってうまく行かないということ。社会が機能するためには忍耐強く秩序立てて考えられる人や長期的な計画を立てられる人も必要で、全員が衝動に従って行動していてはだめだ。  1990年代にアメリカで「神経多様性」の概念が生まれ、脳の多様性も一つの個性として尊重する考え方から、ADHDや自閉症の見方が変わるきっかけになった。それまでは医学的診断の一つであり、人間の行動の正常な範囲から逸脱した「病気」だとされてきたが、身長や髪の色が違っても異常だとみなされないように性格もそうであるべきだ。自閉症も人間の個性のバリエーションの一つに過ぎない。

    3
    投稿日: 2025.09.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    運動が集中力を上げる上で最高の行動なのが驚いた。10分の散歩を2.3回やって、30分くらいの有酸素運動がいいらしい。

    0
    投稿日: 2025.09.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    とてもポジティブなadhd系の脳の本でした。 今後もadhdが増えると考えると理解のために他の人にも読んでこそ、同感な著者の願いが叶うので万人に読んでほしいと思ってしまいました。 自分という人間がどうしてそうなるのかと考える人や、薬を飲むのがめんどくさい子供達に薬や運動のメリットを教える本としてもいいかも。メンタル脳みたいなジュニア版が出るといいなぁ。

    0
    投稿日: 2025.09.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    - 第一章 - ADHDは遺伝 - 第二章 - そもそもドーパミンがないとお腹が空いても食べずに死ぬらしい - ADHDはとになく報酬形態を攻め落とすのかむずいので集中できない - ご飯はドーパミンでお腹いっぱいになれば埋めるが薬物は際限なくドーパミンを出せる - 第三章 - ADHDは捜索欲がすごいので南米に一杯ADHDがいる - 理由はアフリカが人の起源でそこから移動していったから - 過集中は優秀な狩人特有の要素 - 現代は農耕民的な動きに秀でてると生きやすい - とにかく最近読んでる本は何かと古の時代からの習性だに帰結すること多すぎて - 第五章 - のまとめが最高

    0
    投稿日: 2025.09.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いまは「障害」という扱いのADHDだが、狩猟採取の時代ではむしろ生存するために不可欠な能力だったという見方は目からウロコ。遺伝子のバグではなくて、必然の出現であり、現代社会との相性が良くないだけと考えると、親としても気持ちも軽くなる。 現代社会であっても、グループにADHDの人間がいた方が創造性が高くなるという研究もあるそう。 また「ハイパーフォーカス」といって、特定の分野で突出した集中力を発揮する場合もあるとのこと。 自分と周囲が弱み強みを理解すること、そして、自分に向いている場所を見つけ、そこで上手くやって行くためのある程度の生活や仕事のテクニックを身につけることが大事だなと思った。 また実用的な情報として、10〜20分程度の運動で集中力があげられるとのことで、これはぜひ生活に取り入れなければと思う。

    9
    投稿日: 2025.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても分かりやすいADHDの解説書でもあり、またADHDの人にとっては自信を回復させてくれる一冊だと思います。 なにせADHD傾向のある人は、小さい頃から学校で家庭で叱られて、迷惑がられて、ため息をつかれて、自分を駄目だと思うことが多いから。わたしは、薬は有効な手段で、集団で上手くやれるようになり周囲からの否定的なメッセージにさらされ続けることが無くなるだけで、その人にとてもプラスの影響があると思っています。でも、やはり、薬だし、ADHD傾向があるというだけで、使うものではないんですね。 また、確かに医者や素人にそうだと診断されるこども達が年々増えているのを見て、これって、学校(環境)の問題では?と思うこともしばしば。そんなもやもやした疑問に答えてくれた本です。それと、運動のあとのこども達の落ち着き様とか、そういうことなんだ~と納得もしました。疲れて静かになってるだけじゃないのですね。 昔は、人は努力すれば理想の人になれると思っていましたが、性格のかなりの割合を遺伝子が決めているとか。なんだ、性格は矯正できないじゃない。ある程度努力したら、自分の素を受け入れて生かす方が、自然で無理がないし、生きるのも楽ですね。でも、こどもの場合、周りがそう思ってくれないと。 学校の先生方、特に、小学校の先生方に読んでもらいたい。多様な性質のこども達がいることが、集団にとってメリットになる、というところは、特に。学校という集団では御しやすいこども達が多くの先生方の好みではあると思いますが、そんなこどもばかりで規律正しく過ごすなんて、そんな学校はまるで軍隊みたいですから(一部の先生には理想かも知れませんが)。

    1
    投稿日: 2025.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Twitterを見ていると全ての業か発達障害に背負わされている気がしてうんざりする。 ADHDのことを極度に持ち上げず、否定せず、心地良かった やはり運動 運動して好きなことを見つける 見つけられるまで挑戦し続けるの大変だけど頑張りたい

    0
    投稿日: 2025.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多動という特性が人類の生存競争に優位だったこと、現代においても集団行動では多動がポジティブな要因になりうることが学べた。 多動というタイトルにあまりこだわらず、注意力の仕組みを学べる本として読んでみることを勧めたい。注意力が散漫な時には運動が効果的であるなど、自身のパフォーマンスを上げる情報も豊富である。

    7
    投稿日: 2025.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ADHDってすごいんだなって思った、かといってADHDになりたいとは思わない。 狩猟時代に最適だった形質が現代にはあまりそぐわ無い。 やはり人が輝いて生活するには適した環境が大事なのですね。自分にあって無い職場はさっさと辞めるべきという事にも繋がると思う。 ドーパミンが効きにくいから、ずっと「退屈」を感じるなんて可哀想だと思おう。 薬を飲まないといけ無いぐらいの人は、現代では不適合な「変なやつ」だけど、狩猟時代でも「やや辺なやつ」程度だったのか、「英雄」だったのか気になる。 結局運動は全てを解決するんだね。明日からジョギングするか…(←しない) だれか嘘つきに効く薬も作ってくれる… あと、階段を駆け上がる人の遺伝子ってなに!?それもっと詳しく知りたかった!

    1
    投稿日: 2025.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    期待していたが、思ったほど衝撃は受けなかった。彼の著者「運動脳」は参考にしており、その通りに行動しているが、本書に関しては知っていることばかりであまりに参考にはならなかった。

    0
    投稿日: 2025.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    そうだよな、強みなんだよな。学校システムに合っていないだけ。苦しむ必要なんてないのかもしれない。慎重派の私はドーパミンの受容体がかなり鋭敏なタイプなんだ。農耕に向いてる。子どもの興味に蓋をしないのがいいんだろうな

    0
    投稿日: 2025.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDをポジティブに捉えるための本、という感じです。太古の昔は危険を察知し素早く逃げるために多動は優秀だった、というもの。

    0
    投稿日: 2025.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ADHDの人には薬を飲むより運動することが一番大事ということと、刺激を求めてしまうということがよく分かった。 「運動すれば落ち着きますよ。」では医者が儲からないから薬を出すということを知って、悲しくなりました。

    0
    投稿日: 2025.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分はADHDのグラデーションの上におり、一方で薬に頼る必要のない(診断される必要のない)レベルだと元々自認している。しかしながら、社会人として仕事をしていく上で、やはり個性として片付けられないレベルで苦手なタスクがあったり、タスクが溜まっているという感覚だけで胸が詰まることがあったりするので、何が糸口が欲しいと思い本を手に取った。期待通り、科学的な乗りこなす方法や、強みの活かし方は参考になりそうだった。

    0
    投稿日: 2025.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多動脳 2025.08.10 多動は好奇心が旺盛なことに繋がるから、悪く思って無理に無くそうとしなくて良い。

    0
    投稿日: 2025.08.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    特性を自身の強みとも捉えることが出来て、 心が少し前向きになった。 こんな自分も悪くないんじゃないかなぁという気持ちにさせてくれた。 (タイトルがインパクト重視感が否めない。ちょっとどぎつい….)

    1
    投稿日: 2025.08.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    凄く分かりやすくて、面白かったです。 ADHD="病気"や"治すべきもの"と捉える風潮が多い中で、それを一つの"個性"と捉えどうすれば生きやすくなるのかが書かれていて、今ADHDで悩んでいる方が読むと自己理解が深まるのではないかなと思いました。内容としては人類の歴史でなぜADHDを持つ人が生まれたのか、そもそもどのような仕組みなのか、特性に対してどんな事が有効なのかなどが網羅されている。読んでいてとても勉強になる本だと思います。

    44
    投稿日: 2025.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDについて色々な書籍が出ているが、この本は世界的名書のスマホ脳の著者がADHDのメリットデメリットについて包み隠さず書いてある。誰でも当てはまることであり、どう向き合うかということに目を向けて読んで欲しい一冊。

    0
    投稿日: 2025.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    27【ADHDは成長すると消える?】 以前はADHDというと子どもに表れる症状で、成長するにつれて消えると思われていた。しかし今ではそうではないことが分かっている。 子どものころからADHDの症状にあった人の半数以上が、大人になっても症状が残っている。ただし、大人の場合は表れ方が少し違っていて、「多動」は落ち着くケースが「集中力」の問題が残っていることが多い。 集中力に関わっていて衝動を抑える役割のある脳の部位が25歳前後まで完全に成熟しない。それがADHDの特徴が消える一因になっている。 子どもにADHDが多い理由はもう1つ。それは大人の方が自分で生活を選びやすいから。忍耐力がなく落ち着きのない人でも、大人になれば苦手なルーティーンや緻密な作業を避けることが可能。しかし、子どもは自分で生活を選べる余地が限られていて、学校の教室のルールに適応できないと苦労を余儀なくされる。 32 側坐核はその人がやろうとしていることに「時間をかける価値があるかどうか」を常に伝えてくるが、そこで「価値がない」という判断になると、別の物を探したい衝動が起きる。つまり、側坐核は先生の話を聞いたりこの本を読み続けたりする価値があるかどうかを伝えてくる。 33 生まれたときから報酬系が少し違ったはたらき方をする人がいる。報酬系が鈍くて、普通なら活性化されるようなことではされない。誰かの話を黙って聞いたり、テレビを観たり、新聞を読んだりするぐらいではダメで、もっと強烈な体験が必要になる。円陣をかけるのに普通より多くの燃料が要る車のような感じ。人間の場合、燃料に相当するのが「強烈な体験」。 絶え間なく刺激を探し回る人は集中することができず、注意散漫だと思われるし衝動的で多動にもなる。 38 ドーパミン受容体の1つにDRD4がある。このDRD4は誰もが持っている受容体だが、種類がいくつかある。 その1つのDRD4-7Rは、ドーパミンと結合するときにあまり活発にならないという特徴がある。鍵(ドーパミン)がうまく鍵穴(DRD4-7R)にささらないイメージ。そのため、DRD4-7Rを持って生まれた人の報酬系は少し違ったはたらき方をする。 誰でも脳内にDRD4を持っているが、同じ種類だとは限らない。私がDRD4-7R、あなたがドーパミン結合時に強く反応する受容体を持っていたとする。同じテレビ番組を観て脳で同じだけドーパミンが放出されても、私の場合は報酬系が活性化しづらく、番組を「ちょっとつまらない」と感じるだろう。ドーパミン受容体が強く反応しないので、あなたと同じ効果を得るためにはもっとドーパミンが必要になる。 ドーパミンが報酬系に重要な役割を担っているので、私は上手く活性化されない報酬系を何とかして補おうとする。DAT1・DRD5・DBH・5HTR1Bという4つの遺伝子だが、そのうち3つには共通点があり、3つともD(ドーパミン)から始まる。 その3つの遺伝子もDRD4-7Rのように、ただしそれぞれ違った形で脳のドーパミンに影響を与えている。ADHDにつながる遺伝子が解明されるにつれ、脳の報酬系やドーパミンがADHDに大きく影響を与えていることが分かった。ADHDの人は、ドーパミン受容体が違ったはたらき方をするだけではなく、受容体の数自体が少ない。それも働きの悪さにつながるのだろう。受容体の数が少ないと、ドッキングする場所がないからドーパミンは効果を発揮できない。 50 ドーパミンは楽しい気分にしてくれるだけではなく、ポジティブなことであってもネガティブなことであっても「注目を向ける」ためのモチベーションを沸かせてくれる。 92 脳の実行機能を司さどる部分は、通常はぼんやりするネットワークと同時に活性化しない。実行機能がオンになると、DMN(脳が特別なことをしていないのに活性化するネットワーク)がオフになり、実行機能に場を譲らなくてはならないから。両方同時に活性化していたら、メールを書いている最中も気が散って集中できない。そう、ADHDはまさにそのような状態。メールを書こうと決めてもDMNがオフにならず、実行機能と同時に活発なまま。場を譲ろうとせず、邪魔をする。脳の「ぼんやりプログラム」をオフにするボタンが鈍い? 「ぼんやり脳」は、人間のクリエイティブな能力に重要な役割を担っている。ADHDの人が特定の分野でクリエイティブになれるのは、この「ぼんやり脳」をオフにしづらいからとも言われる。 94 普通ならば換気扇の音は「どうでもいいもの」として意識から排除され、無視できる。脳はもちろん換気扇の音を常に認識してはいるが、その情報は意識まで送られない。しかし、人によっては音を常に新しく「興味深いもの」として認識してしまう。これは、脳が重要でないものを排除するのが苦手なせいで、研究用語では「リーキー・アテンション」と呼ばれる。 97 視床は感覚器から情報を受け取り、門番のごとく「どの情報を意識まで届けるか」を選別している。 この視床が上手く機能するためには、ドーパミンが重要な要素。ドーパミンは脳の報酬系に重要なだけでなく、視床のフィルターがどのくらい情報を通すかにも関わっている。ADHDの人の多くは少し違ったドーパミンのシステムを持っているので、視床のフィルターの働きが悪くなり、刺激による負荷が大きくなり過ぎていると考えられている。 155 ドーパミンは、脳の中でチロシンヒドロキシラーゼという酵素によって作られる。「ドーパミン工場」に例えると、その工場ではチロシンを原料として製品がつくられていく。では、その生産スピードを早めたり、増やしたりできるのか。 ラットの多動性がどこから来ているかというと、脳の中のドーパミン工場が小さいせい。ところが、ハムスターホイールで走らせると急に態度が落ち着き、チロシンヒドキシラーゼのレベルも上がった。つまり、走ることでドーパミン工場の性能が上がった。 184 人間が生来持つ「分類したい」欲求、診断基準にはっきりとした線がないこと、ほとんどの人にADHDの傾向があること、薬で集中力が改善する人が多いこと、企業が利潤を追求していること。その他に、ADHDの診断が下るかどうかに興味を示す団体として学校がある。ADHDの生徒の支援に自治体から予算だ出る場合があるから。 今後も診断される人は増え、薬もさらに処方される。

    1
    投稿日: 2025.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDは増えたのか?そもそも病気なのか? 僕は脳の特徴だと捉えている。 生きていく上で支障が出るほどの症状がある場合は病院に行って薬をもらうのも手だけども、薬は対処法であって、根本的な解決策にはどうしてもならない。 この性質を持つ人は自分の特徴とどう向き合っていくか?というテーマと一生向き合っていく必要がある。(程度問題であって誰しもそう) 僕自身はADHD傾向が強くあるので、納得できる内容が多い1冊で、生きるヒントを得た。 ちなみに、運動はどんな人にも集中力を改善する成果があり、ADHDの人は特にその効果が出やすいようだ。 印象に残った内容→感想を以下に残す。 ドーパミン受容体DRD4-7Rがうまく働かないことで、脳の報酬系が機能しにくく、世界がつまらなく見える人が実際いるようだ。 退屈で死にそうだったから。常に何かに夢中になっていないと生きている実感がない。 長年の間にこんな話を何人のADHD患者から聞いてきただろうか ADHDにはじっとしていられない、実行力がある、リスクを恐れない、権威や伝統にひれ伏すことがないという特徴がある。既存のルーチンや仕事の作業手順がうまく機能しない時にも「でも今までずっとそうしてきたから」では納得せず、よりよい方法を探そうとする。実行力がある、既存のものに疑問を呈する、じっとしていられない、リスクを厭わない、他の人がやっていることを当たり前だと思わない-そういった特徴はまさにクリエイティブな人の特徴でもあるだろう →同種を探しているせいなのか、僕自身は興味を持つ人はほとんどADHDを持っていることが多い。人間の脳が考えられることなど大差がなく、同じ場所に留まり続けると他の人と差別化することは難しい。なんせ他の人も同じように努力をするから。興味に任せて次々と新しい場所に行く。その新しい場所で得た知識と経験は差を生む。また飽きて次に行く。おもしろいことを一生探し続ける。その結果、知識の組み合わせが人とは違う、独特なポジションの存在になる。ADHDは子供っぽさでもあり、大きく成功するときに必要な遺伝子なのではないか、とすら思っている。既存を疑って、新しいことに自然とチャレンジしてしまう遺伝子だとも言えるので。ホリエモンも多動力という本を出していて、上記を地で行っている代表例みたいな人だ。ADHDだと、くよくよ悩むこともできるけど、悩んだとて何も変わらない。良い風にとらえて自分の人生をよくする方法を考えるのが最善だ。 DRD4-7R(ADHDの指標となる遺伝子の1つ)を持つ人の割合 ヨーロッパ15%、アメリカ20%、南米50~70%、日本・中国5% →飽き性とも言えるADHDの性質をもった個体ほど、現在地に飽きて遠くへ遠くへ移動した結果、人類発祥の地のアフリカから遠いほどADHDの割合が多い、という可能性を示している。1つの指標でしかないけど、南米は高過ぎる。あの陽気さと無関係とは思えない。

    3
    投稿日: 2025.07.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDの人たちの救いになるのでは、とも思うけれど、 この本で語られていることがそのまま通用すると楽観的に思えない部分もあり、この本の取り扱い難しいなと思いました。タイトルで大きく出すぎているのではと思ってしまう。

    0
    投稿日: 2025.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    分かりやすかった。 作者がいう、正常とは?ADHDかそうでないかにこだわりすぎてる自分がいた。 人類が進化していき過程から考えたら、確かに今の社会の移り変わりや発展は凄まじく、緩やかな脳の進化では、生きづらさが出てくる。 学校でも、今の社会に合わせようと、既定の箱に子ども達を詰め込み、その規定に合わなかったらダメというレッテルを貼ってるよなーと気づいた。 でもそうなってしまった社会。作者がいうような解決策はなかなか難しそうだ。 全てが分かりやすく納得できる内容だったな。

    0
    投稿日: 2025.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    色々と腑に落ちた! ADHDって欠陥があるみたいなあんまりいいイメージがなくて、でもこの本でポジティブに捉えることができて読んで良かった! 自分ももっと身体を動かして運動しようと決意し、読み終わった翌日に早速6時に起きて、寝起きで相方とランニングしたけど、遅寝早起だったので1日しんどかった。 相方もしんどかったらしい…。 もっと早寝早起きできてランニングできたら理想! 頑張るぞ〜!

    0
    投稿日: 2025.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人口の10%はADHD 薬を服用している人でいうと男性7%、女性は4% 薬もあるが運動するのが治療として有効、なぜなら集中力が高まるから この本を読んでこんな強みがあるんだ、こう対処すればいいんだと救われる人がいると思う

    0
    投稿日: 2025.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    遺伝子、ドーパミン受容体に大きな鍵があること。 ボーとする状態はアイデアを生む土壌であること。 運動で集中力の問題を改善できること。 昔から、人の話を聞いているのに聞こえてないことがあったり、座ってる時気づいたら足が揺れてたり、マルチタスクで混乱したり、時間感覚に疎くて失敗したり、ADHDを疑いながら生きてきた。多分薬は飲むほどではないけど、特性ゆえ失敗してきたことが多い。 絵を描いてる時、6、7時間の作業時間が一瞬で消える感覚になった時、ゾーンに入った!と思ってたけど、ADHDのハイパーフォーカスによるものだったかも。 自分はまともに働けないと思ってたけど、この本をヒントに、少人数体制な職場、色々なタスクがあること、経理に近い仕事が少ないことを条件に絞ってみようと思った。 起業したりは私には気力がないけど、ただ1人で働けるっていうのは理想だから個人事業の仕事は魅力的に思える。 散歩かランニングで、ボーっとしながら運動ができたらいい方向に人生を動かせるかもしれない、と思った。

    1
    投稿日: 2025.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ADHDとは一部の人間が持つ特徴ではなく、広いグレーゾーンを持ち、濃淡はあるにしてもその特徴を多くの人間が持つ。 ADHDの特性を生み出すメカニズムのひとつに他の人に比べてドーパミンがでにくいという点がある。このことにより、退屈に感じる事が多く、より多くの刺激を求めてしまう。多くのドーパミンレベルに勢いをつけるものの中にドラッグやスマホがありこれらの依存傾向が強いのがADHD脳を持つ人間らしい。 このようにマイナスイメージの強い特性のADHDだか、この本では、ADHDの持つ強みを中心に書かれている。まず、ADHDにはハイパーフォーカスする力があり、好きな事に対して卓越した力を発揮することができる。 また、多くのアイデアが浮かぶ特性により、他の人が見過ごしてしまうようなアイデアを形にすることが可能な為、クリエイティブな職業に就くと力を大いに発揮する傾向がある。 行動力ある特性により起業家にもADHDの特性を持つ人間が多い。 このADHDの特性をより発揮しやすい状態にする為には10分〜20分程度の有酸素運動が良い。 ADHDの特性はネガティブなものではなく、その特性と上手く付き合えば社会で大いに活躍できるということを具体的な例で示してあり、より理解が深まった。

    4
    投稿日: 2025.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日本の読者の皆さんへ まえがき―――ADHDには〈強み〉がある 第1章 ADHDって何? 第2章 この世界は退屈すぎる! 「報酬系が活性化する」というのは具体的にはドーパミンのレベルが上がることだ。ドーパミンは脳細胞から脳細胞へシグナルとして発され、報酬系にドーパミンが多いほど気分が良くなる。しかしドーパミンが効果を発揮するには受容体に結合しなくてはならない。受容体はいわば「ドーパミンのドッキングステーション」で、ドーパミンが結合することで反応が起き、幸福感を生む。  誰もが脳にドーパミン受容体を持っているが、ドーパミンの結合は人によって上手い下手がある。うまくいけば明確に良い気分を味わえるが、あまりうまくいかないとそれほど良い気分にはなれない。つまりドーパミン受容体のはたらき方でも気分が変わってくるのだ。ひいてはそれが性格を形成することになる。  ドーパミン受容体の1つにDRD4 (Dopamine Receptor D4′ ドーパミン受容体 D4)がある。このDRD4は誰もが持っている受容体だが、種類がいくつかある。人によって肌の色が違うようなものだ。  DRD4の種類(持って生まれたもので、後からは変えられない)の1つがDRD 4-7Rで、ドーパミンと結合する時にあまり活発にはたらかないという特徴がある。 鍵(ドーパミン)がうまく鍵穴(DRD4-7R)にささらないイメージだ。そのためDRD4-7Rを持って生まれた人の報酬系は少し違ったはたらき方をする。 誰でも脳内にDRD4を持っているが、同じ種類だとは限らない。私がDRD417R、あなたがドーパミン結合時に強く反応する受容体を持っているとする。同じテレビ番組を観て脳で同じだけドーパミンが放出されても、私の場合は報酬系が活性化しづらく、番組を「ちょっとつまらない」と感じるだろう。ドーパミン受容体が強く反応しないのであなたと同じ効果を得るためにはもっとドーパミンが必要になる。  ドーパミンが報酬系に重要な役割を担っているので、私はうまく活性化されない報酬系をなんとかして補おうとする。自分でもっとドーパミンを増やそうとするにはもっとドーパミンをくれるものを探し始めるのだ。そのため、すぐにドーパミンのごほうびをもらいたいという強い欲求が湧く。つまりDRD4-7Rを持つ人たちの報酬系は活性化しづらく、そのせいで世界が少しつまらなく思えるのだ。  ドラッグやインターネット、セックスへの依存や過食がADHDの人に多いのは、おそらく活性化しづらい報酬系を補おうとしているせいだ。とはいえADHDあるいはA DHDの傾向の強い人全員が薬物中毒になるとかパソコンの前から動けないというわけではない。まったく別の形で表れることもある。  例えば仕事中毒だ。  ドーパミンがなかったら人はどうなっていただろうか。実に興味深い問いだが、おそらく死んでいただろう。遺伝子操作によって脳でドーパミンをつくれないようにしたラットは完全に無気力になり、口を開ける気力すら失くして飢え死にしてしまう。エサを鼻先に差し出されても、顔を上げて食べようというモチベーションすら湧かないのだ。  しかしドーパミンを注入すると元に戻る。つまりドーパミンはその生き物(人間も含めて)に「これは興味を向ける価値がある」と伝えているのだ。ドーパミンが完全に失われると興味が湧かなくなり、空腹であっても食べたいと思わなくなる。  ドーパミンのレベルが低いとあれもこれも面白くなくなる。先生が黒板に書いていることを見たい、同僚が話していることを聞きたいというモチベーションも湧かなくなる。 ADHDの人は集中するのが苦手なだけでなくモチベーションも湧きづらいということだ。有名な脳科学者ノラ・ボルコフが「ADHDはAMDD(Attention and Motivation Deficit Disorder、注意・モチベーション欠如症)に名称を変更すべきだ」と言っているほどだ。このモチベーションの欠陥があるから、ADHDだと学校や職場では真面目に集中していないように見られてしまう。 第3章 人類の放浪と〈ADHD遺伝子〉 第4章 遺伝子と好奇心 第5章 ぼんやり脳はクリエイティブ  そんなにすぐ気が散り、換気扇の音にも集中が途切れるような人がなぜ創造性を〈強み〉にできるのだろうか。普通ならば換気扇の音は「どうでもいいもの」として意識から排除され、無視できる。数分後には覚えてもいないだろう。脳はもちろん換気扇の音を常に認識してはいるが、その情報は意識まで送られない。しかし人によっては音を常に新しく「興味深いもの」として認識してしまう。これは脳が重要ではないものを排除するのが苦手なせいで、研究用語では「漏れがちな注目」と呼ばれる。  面白いのはこのリーキー・アテンションこそが思考の流れを増やし、自由な発想をする能力を高めていて、その人をクリエイティブにしているようなのだ。換気扇の音だけでなく他のあらゆる情報も取り入れるわけだが、情報や意識に到達する思考が多いほど人はクリエイティブになれる。換気扇の音を排除できる人は創造性に必要かもしれない考えも排除してしまっているということだ。換気扇の音に気が散る人は無意味な考えもたくさん浮かぶだろうが、最終的には重要な考えも浮かぶ。リーキー・アテンションはその時やっていることとは無関係なアイデアや考えを統合してくれ、それがまったく重要でない換気扇の音のこともあれば、重要な考えのこともある。ADHDで簡単に気が散るのはクリエイティブだという意味でもあるのだ。 まとめ ・自分の〈弱み〉とバランスを取ってくれる人と働こう。プロジェクトを構成したり1 つのことに集中したりするのが難しいなら、そこを補ってくれる人を探す。 ・整理整頓はADHDの得意分野とは言い難いが、能力を活かすために大切なこと。必要なレベルまではできるように練習する。 ・アイデアを書き出す。アイデアが次々と流れてくるということはどんどん忘れてしまうリスクもある。ペンと紙を持ち歩く癖をつけるかスマホに書き留める。 ・優先順位を付けることを自分に強いる。アイデアを書き出し、良いと思うものを1つか2つだけ選ぶ。 ・課題を細かいステップに分ける。やっていることを終えないと次に行けないようにする。 ・困った問題も細かく分ける。そうすれば「こんなの無理だ」と圧倒されずにすむし興味も失わない。脳はこまめに報酬を欲しがるからだ。 ・それでうまくいくなら周囲を散らかしておいてもいいと思う。執筆中の私のデスクはカオスのような状態で(正直言うと家中だが)、記事、本、ノートや付箋が一面に散らばっている。しかし片付けてしまうと目に入らないものは忘れてしまう。まるでアイデアまで片付けてしまうみたいに。2冊並んだ本が目に入ると、「この分野にあの考え方を取り入れたら………………?」と意外な関連性に気付くこともある。私の場合は適度にカオスな方がクリエイティブになれるようだ。あなたもそうなら、あえて周りを (適度に)散らかしておこう。ただ、掃除をしない言い訳にしないように! 第6章 ハイパーフォーカス脳 まとめ ・大きな課題を小さく分ける。本当にまずい状況になるまで先延ばしをするタイプの人は課題を小さく分けて1つ1つ片づけるといい。レポートを1つの大きな課題として考えず、章あるいは1ページごとに締め切りを設定する。勉強する時は1時間やって 15分休憩よりも20~30分勉強して5分休憩を繰り返す。 ・大好きだと思えることを見つける。情熱を傾けられるような仕事や趣味があることはどんな人にとっても大事だが、ADHDの傾向が強い人にとっては人生が変わるきっかけになる可能性すらある。集中力が全然ないか素晴らしい集中力を発揮できるかのどちらかなのだから、集中力を極限までもっていける状況を探すに限る。そうすれば一心不乱に没頭できる能力が極めて強力な〈強み〉になる。 ・長期的な目標に何が大事かを考える。ハイパーフォーカスを無為な活動(目的のないネットサーフィンなど)に何時間も使わずに〈強み〉として使うためには優先順位を付けなければならない。長期的に何を成し遂げたいかをよく考えて、そちらにハイパーフォーカスを向ける(もちろん言うは易しだが)。 ・スマホなどのタイマーで時間を制限する。ハイパーフォーカスできるが時間を使い過ぎたくない活動(テレビやインターネット、ゲームなど)には時間制限を設ける。1、 2時間に留めるといい。フォーカスしている時は時計など見ないからスマホのアラームが有効だ。 ・「緊急事態」をつくる。掃除機をかけたり皿洗いをしたり、請求書を支払ったりという退屈な日常のルーチンは「緊急」にした方がやりやすいこともある。好きなテレビ番組が始まる15分前まで先延ばしにして、「テレビを観る前にやってしまう」と決める。ただし先延ばしは必ずしもADHDが原因とは限らないし、そのせいで遅れたという言い訳はしない。 ・バリエーションをつける。ルーチンが嫌いですぐに退屈してしまうなら仕事や勉強の場所を変えるという手もある。 ・誰だって何かしら得意なことがある! 学校でうまくいかず自信がなくなっても、自分にブロックをかけないでほしい。学校では測らないような能力をきっと持っているはず。教室で習う理論的な科目が全員得意なわけではない。だからといって他の事も苦手だとは限らないし、賢くないということでは絶対にない。 第7章 起業家脳 まとめ  この章で見てきた通り、落ち着きがなくじっとしていられない性格を武器にするのが起業家への道の1つだ。ではADHDなら起業家を目指すべきなのか? 目指すのがいい場合もあるが、向いているとも限らない。ADHDも他の人と同じでそれぞれ違うのだから。しかし起業に興味があるならば次のアドバイスを参考にしてほしい。 ・情熱を傾けられることをやる! ADHDだとすぐに退屈してしまうことが多いが、 起業家として成功したいなら――いや何をやるにしても――持久力が不可欠だ。起業家なら全員賛同してくれると思うが、物事がスムーズにいく方が珍しいし必ず難題が降りかかる。それでも闘い続ける人だけが勝利を手に入れられる。 ・自分の弱みを補ってくれる人を探す。プロジェクトを構成するのが苦手なら得意な人を見つけて、自分は自分の得意なことに集中しよう。プレッシャーがあってこそ良い決定ができるかもしれないが、かといって社運がかかっていない決定はどうでもいいわけではない。日常レベルの決定にやる気が湧かない、予測可能な問題の解決に本気を出せないなら、逆のタイプの人と働くといい。 ・目標は細かく立てる。会社を立ち上げる人は数年後のビジョンは持っているだろうが短期的な目標も忘れてはならない。1時間以内に何をしなければいけないか。今日帰るまでに済ませなければいけないことは何か。また、ADHDで特に大事なのは常にフィードバックをもらうことだ。数年先の長期目標だけでは足りず、すぐにもらえるごほうびへの欲求が強ければ自分で自分にあげるように。 ・フレキシブルな性格を活用する。起業家でもすぐに成功できる人は数えるほどだ。アイデアがあっても道半ばで修正しなければならないことも多い。最終的には全然違ったことをやっている場合もあるだろう。ビジネスには変更がつきもので、フレキシブルさはADHDの才能だ。それを活用すること。 ・一度に1つのことをやる。人によってはマルチタスクが得意でも、起業に関しては5 つのアイデアを同時に進めるより1つに絞った方がいい。1つだけ選んでもその中で様々な作業があるわけだし、根本的に異なる事業を同時進行しようとするとどれも中途半端に終わるリスクがある。 第8章 運動は天然の治療薬 まとめ  ADHDの特徴に対して運動をどのように活用すればいいのか。ADHDの人もそれぞれ違っている。だから私からのアドバイスはともかく試してみること! 楽しいと思える運動を始めて習慣にするのだ。大事なのは心拍数を上げることなので、心拍数が上がった状態でなるべく20~30分運動する(先述の通りもっと短い時間でも効果はあるが)。ここに留意すべき点を書いておく。 ・日常の中で身体を動かすのも大事。たった4分身体を動かしただけで子供の集中力が上がったが、それはおそらく大人でも同じだ。短い休憩を優先して取り、1日に何度も身体を動かすといい。生活の中で身体を動かす機会を利用するよう心がけるのだ。 昼休みには歩き、子供は休み時間にスマホを触るのではなく外で遊ぶように促す。 ・毎日身体を動かす。自分や子供が「ADHDかもしれない」と思いつつもじっとしていることが多いなら、必ず毎日身体を動かすようにする。本格的なスポーツをやる必要はなく、遊びでかまわない。10~20分で充分。ADHDを疑って受診する前に、運動でどれくらい集中力が高まるかを試してみるといい。 ・長い散歩を1回するより短い散歩を何度もする。長く集中するのが苦手なら宿題や仕事を20分やって5分短い散歩、それからまた20分勉強や仕事をする。その方が1時間やって15分散歩をするよりも効果的だ。 ・運動を「集中力の薬」として考える。好きな運動、少なくとも退屈ではない運動を探すことから始めるといい。得意でないといけないとか、腹筋を割るとかダイエットのためではなく、脳をベストな形ではたらかせるために運動する。特にADHDの人は誰よりも運動をした方がいい。 ・筋トレよりも有酸素運動を。筋トレは集中力にはそこまでの効果はない。 ・可能なら午前中のうちに運動する。仕事や学校の後に集中力が上がった状態になってはもったいないから。 第9章 人間は学校に不向き? まとめ  私自身は教育の専門家ではないし、学校の学習環境を変えるのが至難の業だというのは承知の上だが、ここでADHDに関する研究を元に学習に使えるアドバイスをさせてもらう。同時にこれもあくまで一般論であることを強調しておきたい。ADHDの人も全員が違う。つまりこのアドバイスが全員に当てはまるわけではないというのを念頭においてほしい。 ・課題は明確で内容を限定したものにする。 ・一度にいくつも指示を与えず、1つずつに。 ・励ます時にはその生徒個人に向けた内容で、コメントは短く一貫性があるように。 ・わかりやすいフィードバックを継続的に与えていく。ADHDは思考が目先のことに偏りがちなので、フィードバックはすぐに、そして頻繁に与える。 ・長い休憩1回よりも、短い休憩を何度か設ける。 ・課題がどう役に立つのかをアピールする。生徒が興味を持てるような内容かつ具体的な内容にする。 ・理論中心の授業であっても、できる範囲内で発見したり創造性を発揮したりする余地を与える。教える側が説明するだけではなく、生徒自身が知識を発見できるようにする。受け身な学習よりも能動的な学習が望ましい。 ・動画、記事、ブログ、YouTubeなど課題の素材や提出形式になるべくバリエーションをつける。生徒が興味を持ちそうな新しいテクノロジーを採り入れる。 ・毎日体育ができるようにする。40分やらなくても20分遊ぶだけでもいい。大事なのは心拍数を上げること。 ・スクリーンタイムを決める。スマホの使用を禁止する時間も頻繁に設ける。 ・ADHDの生徒にはクラスやグループは例外なく少人数の方が合っている。 ・作業記憶を鍛える。例えばパソコンでできるトレーニングが色々ある。 第10章 ADHDが増加するわけ

    0
    投稿日: 2025.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDと診断する確かな根拠は今の時代には出来ないこと。また、医師が診断する定義もはっきりしないこと。でも人類の進化の過程でADHD要素が強い人達が今も淘汰されず生き残っていることは逆に人類自体がこれからも生存していくために必要なこと。その要素が自分にも当てはまる部分があり、それを自覚して個性として大切にしていきたい、と思いました。

    16
    投稿日: 2025.06.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    科学的に説明されるとしょうがない人間の原理のような気がして受け入れられる スマホ脳もそうだった 自分も多少傾向はありそうだけど、名乗るほどでは……と思っていたが、グラデーションがあるという話を見て納得 受け入れてはいない部分があったが故に「通常の生活」にはめこもうとしてたなと思った 自分の強みとしてもっと活用すべきだったな 自分の性質として割り切って上手くこなしてきたところはあるけど、原理で納得できたらさらにポジティブに活かそうという気が起こった

    1
    投稿日: 2025.06.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ADHDの人にとって,運動は気持ちが落ち着き、集中力も増し、感情の起伏が穏やかになる。また,心配や不安を吹き飛ばす。ADHD の人に限られることではありませんが,運動の効果は絶大ですね。

    0
    投稿日: 2025.06.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この作者の本は好きで大抵は読んでるのだが 後半の「運動がADHD傾向に対して劇的な改善効果を発揮する場合がある」は過去作「運動脳」にあった内容とほぼ同じで そういえばそれを読んでウォーキングを始め習慣化したのを思い出した。 まあ大事な事なので2回言いました 的な 面白かったけど後半がそれだったから星3

    8
    投稿日: 2025.06.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あなたはどれくらいADHD?(訳者あとがき) 人は誰でもADHDの傾向があって、強いかそれほどでもないかの違いだそう。 程度にもよるけど、薬よりまずは有酸素運動を試すべきかも。 ADHDの人が弱みを手なずけて、強みを活かすためにはとてもいい本だと思う。

    28
    投稿日: 2025.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDのプラス面がこんなにたくさん書かれている本には初めて出会った。 狩りをして多くの食料を手に入れたり、未開の地をみつけたり、起業したり。 ADHDの特性を乗り越えて…ではなく、ADHDだからこそそれらを実現できたということだったとは。 そして、何かで成功している人はADHDだということで特に困っていないことも多いのだと。 枠にはめようとするから、色々問題になるんだろうなぁ。 また、診断で白黒つけられるものでもなく、誰にでもADHD傾向はあって、その度合いが違うのだということにも納得。 今までなんとなくマイナスイメージが強かったけど、一気にプラスに傾いた。

    50
    投稿日: 2025.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドーパミン受容体の一つであるDRD4の中のさらに1種類であるDRD4-7Rの(地球規模の)地理的な濃度分布を、出アフリカで始まった人類の移動&拡大に結びつけた話はとても面白かったし、説得力があると思いました。 結局のところ「好きなことを仕事にする」というオチだったのはアレですが、全体としてうまくまとめられた新書でした。 ハンセン氏のこのシリーズはいいですね。

    0
    投稿日: 2025.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多動脳、ADHDについての考察。落ち着いていられない、最近よく言われるこのADHDの症状。子供が落ち着きがないというのは、いつの世もあったと思うんだが、集中できず、すぐに席を立ったりしてしまう。これって、悪いんだっけ?というのが本書だ。米国では、多動症も全くもって個性、ただお手伝いが必要な時があるという認識だ。パブリックスクールでは、多動症があったとしても無料でサポートがつく。それがいけないとか、サポートがいるからいじめられるとか、全くない。ゼロだ。素晴らしいと思う。一方で、ADHDであるということを非常に煽っている広告もよく目にしたし、薬も売れに売れていて各医薬メーカーがこぞって訴えられていたのも記憶に新しい。要すれば、商売になるゾーン、曖昧な判断でとりあえず薬を飲んでおいた方がいいなと思わせる症状と言える。もし、これを日本で同様に同じモメンタムで、同じ制度として持っていたらどうだろう、どんどん認定していったとしても、きっといじめられるんじゃないか、親の間で噂になったりして、全くもって意味のない親の時間を多くこういう噂とか、誰だどうだ、、、に費やしている。人生一回、本当にもったいない。ADHDはあくまでも、グラデーションの中のどこにいるか、どこが濃いところがあるというもの。つまり、クリアカットにこうなったらADHDというものではないというのも自分的には知らないことであったので、なるほどと思った。 多動脳は、こうした落ち着かないという状態も、脳の仕組みからすると、刺激を求める力が非常に強い人と言える。アーティストの特性でもあるという重なりを、理論的に考察していく。 もう一つの脳に関する考え方で、ぼんやり脳の状態から、急にギアが入る。思考の流れがあって、それが急にアイデアとして流れ始めるのだ。脳を休める。それによって、急激に流れてくる刺激を受け止められる。ぼーっとする時間を大事にしたいところだ。意図的なぼーっとした時間、脳を休める時間を取ろう。 ハイパーフォーカスもADHDに見られる特徴だという。誰に言われても、気が付かない、超集中した状態だ。 ADHDの人が、運動すると集中力上がるという実験結果も披露されている。これは、いろいろ示唆があって、例えば、ラン、運動していると汗がでるのだが、それと同時に思考が研ぎ澄まされて、走ることに集中するようになる。きついからということもあるのだけど、また嫌なことも思い出すのだけど、それらが一緒に汗となって流れていく感覚だ。ドーパミンが分泌されることがポイントだが、究極のライフハックとは、運動ということになる。

    0
    投稿日: 2025.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ADHDというのは、ADHDかそうではないかではなく、誰もがADHDのグラデーションのどこかにいるということで、その傾向が強いか弱いかで診断がつく人とつかない人がいる。」 診断がつくかつかないか、薬が必要なのか、とても大事なことなのに、ADHDは何度も名前を変えグレーゾーンの診断基準の境界線を何度も動かしてきたという事実に愕然としました。 私の身近にも、発達障がいの子供たちが増えてきて、薬を服用している子もいます。 でもたった1つの診断名で説明がつくほど単純ではなく、特徴もさまざまなんです。 本書はADHD特有の「弱み」と「強み」を、人間がサバンナで暮らしていた時代から丁寧に説明していてわかりやすいです。 「運動は副作用のない天然の薬」 心拍数が上がった状態で20〜30分。 ADHDとうまく付き合いたいものです。 簡単な運動で心拍数を上げて…皆さんにお勧めです。

    91
    投稿日: 2025.05.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スマホ脳が面白すぎて、著者の最新作を手に取った。 ADHDの強みについて言及しており、エビデンスに基づいていて且つ読みやすいので、自身や身近な人のことでADHDについて学びたい人にもお勧めできる。 ADHDは誰にでもある要素であり、皆がグラデーションのどこかにいる。 環境が変化しているにもかかわらず人間の脳が進化していないので、サバンナで常に周囲の状況を把握し些細な物音にも気づいて生き残ってきたタイプが、今では多動と言われる。 近年ADHDが増加しているのは ・ADHDはビックビジネスである(治療薬) ・人間が人を分類したがるようになった(世の中が複雑だからこそ、自分が出会う人を素早く分類したがる) ・AIなどの発展により人間により集中力が求められる仕事が増え、仕事に就けない人が「自分に精神的な障害があるかも」と思う などの要因が考えられる。

    9
    投稿日: 2025.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ADHDは病気ではなく特性。 社会の方が正常とされる範囲を広げるべき。 誰にでもADHDの傾向はあり、それが強いか弱いかだけ。 その強みと弱みを知り、素晴らしい能力として活かすための使い方や環境を理解すべき。 薬での対応は、良い面と悪い面がある。 そして、運動は天然の治療薬。

    2
    投稿日: 2025.05.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あいかわらずハンセン氏の著作は、読みやすくワクワクする。まず、読者にはADHDだと思わせておいて、つまりは誰しもがそういう一面を持っており、グラデーションの中にいるのだと説いていた。運動をすれば、ADHDの特性を良い方向に活かせるようだ。問題は運動したいと思えない自分がいるということだ。

    1
    投稿日: 2025.05.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    アンデシュ・ハンセンさんの新著というのと、タイトルだけみてジャケ買いした。 よく見たら(よく見なくても分かるけど)ADHDの脳科学的な探求がメインで、ドーパミンの働きなどは面白いけれども、今の自分に役立つ内容ではあまり無かった。

    10
    投稿日: 2025.05.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ADHD傾向 DRD4-7R遺伝子をつ人多い 情熱を傾けられることをやる 運動が集中力によく効く 自分だけのADHDの強みを見つける

    0
    投稿日: 2025.05.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子育てに関わって、多動、ADHDがホットワードになっていたため、本屋でジャケット買いしました。 アンデシュ・ハンセンさんが過去に書かれた「スマホ脳」もそうでしたが、生活に関わる習慣と、医学的見地からの知識を繋げてくれるので、どちらも納得感があります。 ADHDに限った話題ではない気付きは、 病名をつけることで、本来複雑に入り組んだ性格、性質、習慣を簡単に区分けしないこと。自閉症や、卑近な例で言えば血液型占いに近い。何億人もいる人間の資質を陽性陰性に分けることはナンセンス。 ADHDに新たな側面を与えてくれる気づきは、 多動は今の環境ー旧態依然とした学校教育や職場ーにおいては、一見弱点に見えるが、社会的には違った側面もあること。 これ以外にも思わず家族に話したくなる話題がいくつもありました。 専門家が上梓した本でありつつ、門戸を広げている新書らしい1冊。すぐ読めて思考の幅を広げてくれる良書です。 数十年後は更に発展した脳医学の本が出ているでしょうから、手を取ることはないでしょう。ですが令和に生きる私たちは、一度読んでおいて損はないと思います。

    0
    投稿日: 2025.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人は誰でもADHD要素があり、濃いか薄いかのグラデーション。適応的かどうかは、社会の在り方による。とした上で、人類の歴史や遺伝子の仕組みにも触れつつ、ADHDの強みを活かす方法について書かれている。専門性もありつつ一般向けに分かりやすく書かれていて、医師としてどう向き合うか、著者の矜持が溢れている。

    1
    投稿日: 2025.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私、ADHDです。って自己申告をする人が増えた気がする。そういう人は大抵自己診断であることも多い。 親が子供を発達障害と決め込むこともある。 まず、障害って、社会とその人の特性のミスマッチがあって、生活や仕事に相当支障が出ていないと、障害とは言えないと思うんだけど…。なんか、モヤモヤするなぁ…と思うことも増えた。 ハンセン氏も同様のことを述べていて、自称ADHDが増えたことや、そもそも多動性というものがグラデーションであること、つまり誰しも多動的な部分があるということを述べている。 精神科医にそう言ってもらえて、モヤモヤも少しは晴れた気がする。 そして、そんなADHDの特徴や、多動性があることの強みと弱みを述べたのが本書だ。 これまでのハンセン氏の本を読んでいれば、繰り返しになる内容でもあるが、脳からのアプローチで、注意散漫状態がどのように引き起こされるのか、解説されているのが興味深い。昔の狩猟採集時代のころには有利であった脳が、現在では不利になる場面が増えている…。時代の”望ましさ”によって、その人の特性がどうみられるのか変わるのは面白い。 私も前文のようなことを言いながらも、実は多動性の強い子どもで…。本書の中の退屈だと感じる性質の強さは、まさに過去の自分で、あの頃、興味の出ないものに対する激しい苦痛と拒否感は、これが原因だったのかと、新たな発見をすることができた。

    7
    投稿日: 2025.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    たくさんでているADHDの中では とても理論的なのではないか。 すごく納得することが多かった。 そしてこの先の可能性も感じられるし ポジティブになれる。 一冊の本を読んで知った気にならない、 これは気をつけようと思ってること。 いつも無知であるという自覚をもっていたいな。 ただ、あぁ確かに!と思うことが山ほど載っていて 信じられる、信じたいような話もたくさん。 自分の経験と想像力とエビデンス いろんなものがマッチして、自分にとっていい本 になっているのかも。 これはもう一度読みたい一冊!

    1
    投稿日: 2025.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スマホ脳や運動脳を読んだので新しい発見は少ない感じ。 報酬系の脳「側坐核」は常に待機状態で報酬を求め続けていて、強い刺激を求めていると多動になってしまう。ベンチャー起業家に多動が多いらしいが、刺激を求めているからと。 人類がなぜ世界中に広がったかを遺伝子目線で追っていく展開は面白かった。報酬系を鈍くさせるDRD4-7Rは過去に新天地を求めて移動をしてきた人種に多とのことで、アフリカから通り南米は多く、アジア系は少ない。 ぼんやり脳(DMN)の時にアイデアが浮かぶってことで、確かに退屈な家事や風呂に入っているときに閃く事はあり合点した。

    0
    投稿日: 2025.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2025/04/28 シリーズ本だけど、間のやつをスルーしてしまったので久々に読んだ。 この本はADHDについて「落ち着きない人」みたいなイメージを持っている人や、自分自身が色々なことで困っていて「これってもしかしてADHDだからなんじゃないか」と思っている人にこそ読んでもらいたい本だと思った。 間違って広がっている言説や、なぜADHDと言われる人が現在も増えているのかについてとても論理的なところから話を解説してくれるし、人間の進化の過程から話が遡るものもあるがどれもとても分かりやすい。 現代でこそ落ち着きがない、集中力がないなどとマイナスイメージを貼られてしまっているが、これはかつての人類の進化の中では絶対に必要とされてきた力だった。 様々なことに関心をもち、常に動いていないと生き残ることができなかったから。 そうして住む場所を開拓し、自分たちの国や地域を作り上げてきて生活を営むようになった我々人間の脳みそはだった数千年じゃあ簡単には変わらない。 世界のあり方が、昔必要とされていた能力を必要としなくなってしまった、けれども人間にはまだその時に必要とされていた力が残っているからそれがミスマッチを起こしている。 非常に分かりやすい解説だと思った。 考え方によってADHDは強みになるし、誰しもがグラデーションの中でその特性を持っている。 自分に合った力の発揮どころを見つけられるかどうかが鍵になるという旨が書かれていて目から鱗でした。

    1
    投稿日: 2025.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    日曜日の19時ごろ、中途半端な時間に居眠りしてしまった罪悪感からこの本を手に取り、ほんの1時間半ほどで一気に読み上げてしまった自分も、ADHDの傾向を持つ人間だと思う。社会的に生活が困難になるほどかと言われればそんなこともなく、忘れ物が多かったり、早口になりがち、話題が飛びがちであるという自覚はあるものの、公立の中高を経て国立大学に進学、日系の大手企業で2年勤めたのち、専門性を求めて転職を実現して今に至る、堅実な人生を歩んでいる人間である。そうは言っても、自分の特性のせいで辛い思いをしてきたことも事実である。教師や上司から信頼されにくかったり、忘れ物が多かったり、計画性に欠ける行動を繰り返し自分のことを嫌いになりそうなこともあった。しかし、この本でもあるように運動を習慣にし、自分の得意なこと(人と話すこと、読書すること、新しい環境に飛び込むこと)を理解して、その強みが発揮できるように試行錯誤をする26歳である。この本を通して語られていることはとても身に染みて共感できたし、少人数の現場にいること、短期間で休みを入れること、スマホとは距離を取ること、運動を習慣にすること、能動的な学習をすることなど、ADHDの人が強みを発揮できる環境作りは、多くの人に知って欲しいと思った。また、ADHDは個性の一つであり、人類を各大陸に拡散させ、様々なビジネスを生み出す原動力の一つにこの特性があるということも、非常に勇気づけられる事実である。個人的には、現代のいちばんの病理は過剰な比較とスマホであると思う。この本を取って、改めて、スマホをタイムロッキングコンテナに入れることで、一定の距離を保とうと思う。

    3
    投稿日: 2025.04.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    起業家のページを読んでみた。一例として挙げられていたのは、シリコンフェン、新進気鋭のハイテク企業から創業されたSpotifyの ロレンツォンの例だった。彼は周りからADHDだと言われているが当の本人は気にもしない。寧ろ自分の経験だけを信じて進む姿は感銘を受けた。医学業界等では病気として扱われる当症状。しかしながら、強みと呼べるポイントはいくつもある。自信を持って行動するべきだと感じた。

    1
    投稿日: 2025.04.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スマホ脳がとても面白かったので読んでみた。 正直言ってあまり目新しい内容がなく残念だった。 運動はこれからも継続的に続けていきたい。

    2
    投稿日: 2025.04.21