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向日葵のある台所
向日葵のある台所
秋川滝美/KADOKAWA
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総合評価

13件)
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    どんなに親に後悔されても、自分の子供時代は戻らない… 1番親に愛されたい時期に、ひたすら家事をし、学校の成績が良くても、何かで表彰されても褒められることのない主人公。 褒められることもなければ、失敗すれば、舌打ちされる。 46歳になっても、きゅうりの塩揉みに気をつかう麻有子。きゅうりを切る度に思い出す親へのトラウマ。 それを何とか乗り越えながら、生きて来たのに、いきなりトラウマの原因となった実母との同居。 面倒を見たくないからと押し付ける自分勝手な姉もムカつくし、葛藤しながらも結局母親を迎え入れてしまう主人公にも、結局いいようにしか描かれないものなんだな、と思った。 実際、物語はほぼ和解して終わってる。 もっと母親の病気が進行してから、終わるのかと思ったから、意外とあっさり終わった感じ。 一貫して主人公の麻有子と母、そして麻有子の娘の葵との母娘の話が描かれる。 葵は凄い良い子だし、母親が苦労してたら、自分もしっかりしなきゃって気持ちも分かるけど、あまりにも良い子過ぎて、ちょっと出来過ぎ。 それ以上に子供の頃に母親に受けた傷は簡単に消えたりしない。 親がこっちが子供だったからと、自分が子供の時の言い訳をすることを鵜呑みになんか出来ない。 物語としては、とてもいいのだけど、毒親を許せるか許せないか、と言う点では主人公に共感することが出来なかった。

    24
    投稿日: 2025.10.07
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    毒親との関係って重たい。結局その親も酷い目にあってたりして同情しそうになるけど断ち切れる人もいるのだからどうなんだろう。 葵ちゃんはホントにいい子で考え方が大人すぎる。こんなできた子を持った麻有子は幸せですね。

    6
    投稿日: 2025.09.13
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    親の介護、そして母と娘の確執… そんなありがちな家族の問題について描かれた小説。 主人公は中学生の娘を持つシングルマザー。ある日、母親と同居している姉から連絡があり、母親を引き取って一緒に住んで欲しいと懇願される。 主人公は以前から姉には甘いのに自分には辛く当たる母親が嫌いで、断るつもりがうまく丸め込まれ、同居を受け入れる… 当然うまくはいかないが、だんだんと中学生の娘が潤滑油になり、母親との間にある壁もなくなってゆき、母と和解できる…特に母親がこれまで辛くあたってきたことの理由を話し、心から詫びるシーンは感情が揺さぶられるものがあった。 ちょっと理想的すぎるエンディングではあるが、ほっこりする話でした。

    5
    投稿日: 2025.04.10
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    今でいう”毒親”から虐待されて育ったシングルマザーの麻有子がその母と同居することになった物語 家族だから全て分かりあえるわけではなく、一人ひとり別の人格をもった人間同士だよなとしみじみ思った 育児中、母・正恵には正恵の気持ちや理由があったのが後半に描かれている…んだけどそれをやっぱり子どもである麻有子にぶつけたのは違うだろと思う 自分の都合を人にぶつけるんじゃないよ~!! 姉の鈴子が割りとイヤな人間だった…ので登場シーンは読んでて少し疲れます 麻有子の娘・葵が優しくて健やかでホッとする! 最後はこれからへの明るい希望を感じて終わる、少しずつでも前に進めそう

    5
    投稿日: 2024.06.06
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    葵の性格が明る過ぎてちょっと着いていけないところもあったが、主人公の割り切れないグレーな気持ちには共感できた。 情景や人物の気持ちの描写が丁寧に表現されていて、読みごたえがあった。

    1
    投稿日: 2024.04.16
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    ひとり旅日和のようにサラッと読めて美味しい食べ物が登場する話だと勝手にイメージしていたので、心理的虐待をされて育ったシングルマザーの麻有子と娘の葵が2人で助け合いながら幸せに暮らしていたところに、まさかの母親との同居が始まるという話の重さが意外だったけれど、「向日葵のある台所」という意味に納得の葵の性格の明るさと健気さに暗い話が暗いだけで終わらなかった。 母娘、姉妹、女同士は何かと難しいこともあるけれど、感謝の気持ちを忘れないこと、そして「ありがとう」という言葉をしっかり伝えていきたいと思った。

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    「ひとり旅日和」の著者である秋川滝美さんが初めて書いた家族関係の小説である本書を読了。 言葉による虐待はいけない。 だが、『あなたのためを思って』というセリフは、誰もが本当に思っているつもりで言っているのではないか。 「本当はあなたのためじゃなくて、自分のことしか考えてなかったのよ」 そして、誰もが結局自分のためてあるのではないか。 だから、その匙加減ひとつなんだと思う。 その加減を間違えた時、違うことに気づけたら良いのに。 p284 「…ただ、家事は誰かがやらなきやならないことだって教えたの。…気持ちよく暮らすためには、家事は大事なことなんだって」 p285 さらに、家事をしている間はなるべく楽しい会話を心がけ、終れば必ず『ありがとう』や『助かったわ』という言葉を口にした。 p296 お母さんのような親になりたいーその言葉こそが、母としての勲章だ。 自戒の念を込めて、この言葉を刻んでおく。 この著者の料理の描写が堪らない!ミートソーススパゲティ、わらび餅、炒りごま…。 やはり、料理と美味しいものを一緒に作るのは楽しい。

    0
    投稿日: 2023.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分に過度に厳しく接するいわゆる毒親の母からほぼ絶縁状態で暮らす麻有子。娘の葵と楽しく充実した日々を送る母娘の家に、あの母と同居することになり、、、。という話です。 言いたいことをズケズケ言ってしまう私には、「言いたいことを言わずにやり過ごす」麻有子が理解できず、姉の鈴子に母との同居を押し付けられても強く自分の意見を主張しない麻有子の振る舞いにモヤモヤしながら読みました。 一方、母の立場を理解しつつ祖母や叔母の気持ちにも配慮でき、明るく活発で努力家の娘・葵のある意味スーパーマンのような存在にスッキリしたり、ホッとする。 このモヤモヤとスッキリの行き来をしながら一気に読める小説です。ちなみに表紙のパンが乗ったお皿の絵が気になって読みました。 物語の最後の方で、なぜ麻有子に厳しくしたのか理由が母から語られるのですが、「そうなんだ、じゃあ和解しましょ」とはならない、母は自分を正当化させているだけだ。心に傷を負っても頑張って生きてきた麻有子の意地と、そんな母から生きる知恵と力ををもらっていて、葵にも同じように教育してきたと気づかされ、混乱する気持ちが擬似体験できました。 母と麻有子の「娘」に対する最大の違いは、「感謝の気持ち」なんですね。 毒親はどこまでも毒親なのかと思っていました。母・正恵はテレビの毒親の子に対する接し方を観て自分が毒親だと気づき、「変わり」ましたがこれはなかなかのファンタジーなのでは。自分の死が迫っていると知ると、長年の自分思考や態度を変えられるものなのでしょうか。 最後に、読み終わってタイトルを改めて目にして、葵の存在によって今後の3人の生活が、少しづつ明るいものになっていくことをしみじみと想像しました。

    0
    投稿日: 2022.07.27
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    なかなかハードな内容… ぼったくり続きで読んで. 表紙からも同じ様に軽い感じで料理の話かなーって思ったけど… 前半…読むの辞めたいなーって思ったけどなんだかんだで一気読み . うーん. とにかく葵ちゃんが良い子すぎだわ. まさしく向日葵

    0
    投稿日: 2022.01.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    毒親と自分勝手な姉と、この人のでもでもだってなヒロインのパターンの組み合わせは、もう最悪にイライラする予感がしたけれど、拍子抜けする程あっさり話が進んだ 恐らく最大の問題は、母親と姉が自分達が間違っている事を自覚してないので、それを理解させた上で、過去のトラウマを克服する事だろうなぁと思いきや、母親は既にそこを自覚済 他にも麻有子は職場では同僚達の心ない発言には上司が対応、葵は金持ち喧嘩せずみたいなスタンスで、従弟やクラスメイトの悪口も華麗にスルー 主人公が相手をやり込めて、改心させて的な、お約束な展開にならないので、最初に心配していた程イライラもしない代わりに、すかっともせず、肩透かしの印象は否めない。

    0
    投稿日: 2021.08.02
  • 手直しとやり直し

    その掛け違いが長年の時を経て歩み寄った。 何処にでも有る様な家族の風景、ただ長女に対する愛情は少し現実離れしたオーバー感が否めないが。 読み進めながら「家族とは」を考えさせられ、読み終わった後は、心の奥底がほんのり温かくなる本作。家族との距離感に迷っている人に読んで欲しい1冊。

    0
    投稿日: 2021.05.02
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    家族というのを考えさせられますね。 話せばわかる。 その話をするのが難しいですね。 この本を読めば少しは伝わるのかな。 母と娘の話だから父親や息子だったらどうなるのか。 考えられますね。

    3
    投稿日: 2021.03.16
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    学芸員の麻有子は、娘と二人暮らし。ある日、 折り合いが悪い姉からの電話によって、平穏な 日常が崩れていく。倒れた母親を引き取るものの、 過去のトラウマから逃れられず…。 「家族」の違和感を描いた衝撃作。

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    投稿日: 2020.10.05