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深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】
深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】
沢木耕太郎/新潮社
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総合評価

63件)
4.3
27
26
7
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0
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    面白くて結局全巻買って一気に読んでしまった。アジアからヨーロッパへの文化の移り変わりや当時の物価、世界情勢がリアルに伝わってくるのと、旅を通して筆者の人生観が少しずつ変わっていく様が読み応えあり。

    0
    投稿日: 2025.10.18
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    長旅の最後、イタリアから、スペイン、ポルトガル、フランスを経てイギリスのロンドンへ。 前の巻の最後で旅の終わりを意識する主人公ですが、この頃の貧しいアジアの過酷な一人旅とは違って、このヨーロッパの旅では、いくら貧乏旅行でも(主人公は不本意かもしれませんが)ゆとりのある楽しさが感じられて、読んでいるこちらも肩の力を抜いて楽しく読めました。 ユーラシア大陸の西の先端のサグレス岬で気持ちの区切りを付けて、ロンドンでいよいよ本当に長旅も終わりかと思ったところでのどんでん返しが、洒落があって良いなと思いました。 でも、旅が続いたその後にはまた虚しさがやって来そうな気がしますが、それはその後の話ですね。

    0
    投稿日: 2025.10.13
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    井上陽水と対談!!すごく面白かった。井上陽水ってこんなしゃべり方するのね。シニカルでとっても素敵。 ポルトガルのサグレス。いいなあ。 Cの茶、Tの茶。旅に出たいね。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    ついにゴールのロンドンへ。長旅お疲れ様でした。最後は意外とあっけなく、予想外の展開で笑ってしまった。

    6
    投稿日: 2025.09.05
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    ラストが思ったよりあっさりしてた。でも実体験を基にしてるのだから、案外こんなもんかなぁ この旅を実際に経験した沢木耕太郎にしか、このラストの感慨はわからないのかも知れない

    1
    投稿日: 2025.08.04
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     舞台がアジアからヨーロッパに動き、インドや中東のようなカオス感が薄れてきた印象があるが、イタリアやスペイン、ポルトガル等の南欧でのエピソードは、同じ先進国であっても日本と違う異文化圏であることを感じる。そのような視点で観察し、臨場感あるエピソードが書かれた本作は読み応えがあるが、旅の終わりを迎えるに当たっての記載があっさりしすぎて物足りなく感じた。

    11
    投稿日: 2025.06.13
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    ついに旅が終わる。 最後のオチが予想外でした。 少し過ごしたから、一部を見た、経験したからってその国や、人をわかったふうにするのは一番危険だ。 確かなのは、わからないということがわかっている、ということだ。 なんでもわかった風にして決めつけないようにしよう。自分のフィルターを通して物事をみていることに気がつこうと思った。

    0
    投稿日: 2025.06.07
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    15年前に出会って以来、ずっと私の宝物だった本。異国の地で再読することで、極めてシンプル、だけど大切なことを幾つも思い出させてくれたと思う。 ただひとつ分かることは、分からないということ。分からなくていいということ。 行くことを目的とせず、そこに吹く風を、流れる水を、降り注ぐ光を、そして行き交う人をどのように感受するか。 シンプルだけど難しい。とくに情報過多の現代では。この先の人生、旅中であろうが定住地であろうが、一瞬一瞬を楽しみながら生きていきたいな〜。

    4
    投稿日: 2025.05.10
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    . 沢木耕太郎が、20代の頃の海外放浪経験を記したシリーズの、第6巻です。 ギリシャから船に乗って、イタリアに渡った沢木。 「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスに乗って旅をする」という、自らが決めたルールに沿って、ローマへ移動しようとします。 「ヨーロッパに入れば、楽に移動できるだろう」と考えていた沢木ですが、長距離バスが少ないイタリアで思わぬ苦労を味わいます。 当初の想定以上に、月日を要したこの旅。 宿代を値切るなど倹約はしてきましたが、旅の資金も残りわずかとなっています。 沢木は、自分が設定したルールで、この旅を終えることができるのか。 イタリアから、旅を終了するまでの日々が、記されています。 印象に残ったのが、沢木が「この旅をどう終わらせるのか」について、繰り返し考えていること。 フランス入国を前にして、最短距離を選択するかどうか迷った彼が下した決断には、「自分とは違うな」とうならされました。 「なぜ、自分は旅をしているのか」、「旅を続けている人というのは、どういう人なのか」、さらには、「自分はなぜ、生きているのか」。 ただ、「見聞を広める」だけではなく、「自分の人生の目的や、存在意義を知りたい」というような目的が、この旅にはあったのだろうなと、自分なりに推察しました。 ユーラシア大陸を横断する、壮大な旅。 自分とは言葉も考え方も違う人に出会い、交流する。 自分がその場所、その人たちの間で、“初心者”である状態にいる。 自分自身もそれなりに、海外渡航を経験してきたつもりでしたが、このような状況に身を置くことからしばらく、遠ざかっていることに気づかせてもらいました。 コロナ禍を経てしぼみつつあった、旅への情熱を思い出させてもらえた、一連のシリーズでした。  .

    0
    投稿日: 2025.04.28
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    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00058467 検査技術学科 木村 鮎子先生

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    最後まで面白かった 最後はどう終わるのかと思ったら、まさかの 「俺たちの旅はまだまだ終わらないぜ!!」的な それも良いけど、出来れば帰国するまで書いて欲しかったかな 巻末に載っている対談 他の巻みたいに、旅の途中で会った方とかなら未だしも 今回唐突に井上陽水(恐らく当時の付き合い等があったんだろうけど) それでもこの本に関する事や、旅の話を中心にしてくれるなら未だしも 井上陽水氏の人生観とか語られても、余り興味持てない

    0
    投稿日: 2025.03.17
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    ついに完結。 ヨーロッパに行った事がない自分としては、イタリア、スペイン、ポルトガルに行ってみたい気持ちになった。 海外旅行に行きたい欲が爆上がり。

    3
    投稿日: 2025.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有名な観光地や観光スポットを巡るわけではなく、自分の直感や旅で出会った人から情報をもとに訪れる地を決めていく。当然失敗することもあるし、思いがけない経験をすることもある。 ----------------------------------- 旅の目的が単に「行く」ことだけになってしまっているのではないかということです。大事なのは、「行く」過程で、何を「感じ」られたかということであるはずだからです。目的地に着くことよりも、そこに吹いている風を、流れている水を、降り注いでいる光を、そして行き交う人をどのように感受できたかということの方がはるかに重要なのです。 6巻 p275より ----------------------------------- 6巻の最後に書かれていた文章。これが全てだと思う。この本を読んだことで、普段歩いている街の景色が変わった気がする。 何でもかんでも値段が高いもの=良いもの・良い体験が出来るわけではない。それよりも大事なことは、人との出会いだったり、自分なりに気持ちの良いものを感じとる力があれば、旅を豊かにすることが出来ると。 自分が若い時に読んでいたら、自分はどのような人生を歩んでいたのだろう。

    1
    投稿日: 2025.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5話では、もう旅に新たな発見は見出せないと陳鬱な空気も漂っていたが、イタリアに入って元気を取り戻した。イタリアの美味くて安い飯、親切で温かいけどいい加減な人柄、元画家の奥さんの人との出会い。1リラ2.5円という驚くべきレートと、何よりユーロじゃない!

    0
    投稿日: 2024.12.20
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    これまでで一番海外旅行っぽさがある旅だった。アートの楽しみ方を教えてもらった気がする。自分の感覚と想像力を働かせて見ることこそが醍醐味なんだろうなと思った。

    12
    投稿日: 2024.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    サグレスでの話といい、ロンドンの中央郵便局での話といい、その「終わらせ方」に少しばかり心を震わせてしまった。 終わらせないという、(鮮やかで、ちょっと哀しい)終わり方。

    1
    投稿日: 2024.11.18
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    昔はなんておもしろいんだろうと思って読んだものの、今あらためて読むと、そのあまりの計画性のなさに腹立たしく思う自分がいた。なぜだろう?これも成長なのかなあ

    1
    投稿日: 2024.11.09
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    ロンドンを目指す自由な長い旅の終わり。時に彷徨い、時に何かに急かされるように進んだ若き日の旅路。不安と疲れの中で何度も眠り、新天地で迎える朝に生き返るような瞬間が印象深い。お世辞にも快適とは言えない貧乏旅行だったが、犠牲にして得たものは大きかったと思う。 「恐れずに。しかし、気をつけて。」 人生を旅になぞらえた筆者が、これから旅に出る若者へ残したメッセージ

    1
    投稿日: 2024.10.12
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    賭けに勝った! バスでユーラシア大陸横断の旅完結! ヨーロッパ&女性の匂いがすると詩的な表現になるのは気になるが… やっぱり携帯なし、ガイドブックが拙い時代にこれをやってのけた事は偉人だと思う。 後書にある ・恐れずに。しかし、気をつけて ・旅に教科書はない。教科書をつくるのはあなたなのだ この文は沢木耕太郎が言うと重い

    1
    投稿日: 2024.10.09
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    ついに旅の終着地のロンドンへ_!! 風に吹かれ 水に流され 偶然に身を委ね 遠路2万キロの旅を終えようとしている… 深夜特急シリーズ第6弾_   インドのデリーからイギリスのロンドンまで 乗合いバスで向かう放浪の旅 マカオでカジノにハマり 刺激的な旅が始まり インドでは 生と死を傍らに感じる 世界を目の当たりにし… 懐かしい友人との再会や トルコで人々の優しさを知る出会いを経験し あまたの人と出会い 別れてきた…   1年以上の旅を続け ようやくユーラシア大陸の最西端に到着した時は 私もその光景を想像してしまい… 感動しすぎて 涙があふれました!! 数ヶ月にわたり 深夜特急シリーズを読んできました 完読でき 感無量です!!

    0
    投稿日: 2024.10.02
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    終わってしまった。 まだまだ読んでいたい気持ちが強い。 様々な国を渡り歩いていくが、乗り合いバス・チャイ・映画といった著者独自のものさしを使った比較が面白く、シリーズものとしてとても楽しめた。 また、道端の人やふらっと入ったお店にいる人に話しかけるなど、積極的に刺激と出会いを求める姿に憧れと羨ましさを感じて、旅をして、人との出会いを楽しみたいなーと心の底から思わせてくれました。 旅に出たいけど、働き出したら、そう簡単には出かけられない。 そんな事情でも、旅気分を味わえる貴重な本だと思います。

    0
    投稿日: 2024.07.02
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    ロンドンまでの旅の最終話。 旅が終わりに近づくにつれて、読者も「from youth to death」を感じる。 スマホがある現代では、全く同じような旅を実現することはおそらく困難であるが、人生で一度は味わってみたい魅力的な旅であった。

    14
    投稿日: 2024.06.28
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    旅で自らの自意識やエゴイズムを脱却できた人は、すでにこの世にいない。現実を生きながらえている人は、必ず何かのエゴイズムを抱えて生きている。それを「我到着せず」

    2
    投稿日: 2024.06.21
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    旅を始めた頃は戸惑いつつもいろんなことに興味を持ってスリルも楽しんでいたような気がするけど、後半になるにつれて「終わり」のきっかけを探しているような雰囲気が漂っていた。 それも含めて、長い旅を一緒に味わえた気がする。もちろん、私が感じるのは沢木さんの経験の何十分の一…なんだけど、終わりがきてホッとした。

    0
    投稿日: 2024.06.09
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    旅は5巻の地中海クルーズでもう終わってるようなもので、南ヨーロッパの風土を知りながら余韻を楽しむ。 終わり方カッコいい。それが全て。

    0
    投稿日: 2024.05.09
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    最終巻。単行本第三巻の後半部分だから、5巻と同様に如何に旅を終わらせるかと言う点について自問しながら旅をする。イタリアからモナコを経由してスペインに入りポルトガルまで行き、ヨーロッパの果てまで来て旅の終わりを確認する。その後はパリに出て、ロンドンに移動する。文庫本に入っている対談で沢木さんはあまり美術品などの感想を記していないと書いてあり、唯一あった風景がこの巻に出て来た。美術品の解説より人との触れ合いの方が面白いよな。パリでの出会いも素敵だったし、最果ての地での宿泊地の見つけ方も良かった。運がいいんだろう。しかし全巻通じてあっという間に読めた。今は出来ない旅になってしまっている。あとでやろうと思っても出来なくなる事もあるんだな。行こうと思った時に行かないと。旅がしたくなった。

    0
    投稿日: 2024.01.22
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    Cの国から始まりTの国を渡り、そして再びCの国に舞い戻る。だからこんなに良い出会いが巡っていたわけだ。 イタリアの美しい街並み、アートが想像力を掻き立て、パスタを食べたくなる、人々の悪意のないいい加減さ。凄く行きたくなった。 沢木さんは色んなものを引き寄せている。 コミュニケーション能力も高くて誰からも愛され、それでいて人間臭さもあり、なんと魅力的な人間なのでしょうか。 彼の文章は自分も共に旅をしているかのような、彼が観ている景色が思わず浮かんでくるような、それでいて一癖あって面白くて中毒性がある文章。 旅はまだまだ終わらない。

    0
    投稿日: 2023.12.30
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    旅は続いていく、そんな自由な空気感を感じさせる終わり方だった。趣くままに旅に出たい、自由な雰囲気を感じさせてくれる面白い内容でした

    0
    投稿日: 2023.11.26
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    ワレ到着セズ 私も人生こうありたいと思った、簡潔で好きなフレーズ。 井上陽水との対談が面白かった。 バランスを欠いている人は何かで補おうとしているというくだり。 私もバランスの欠いた人に惹かれるが、その欠けている部分を補うものが、その人の魅力になるのだろう。

    0
    投稿日: 2023.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全6巻通して、面白かった。旅に出たくなった。 締めくくりも、旅に終わりはないという感じで、心地よい読後感だった。 巻末に単行本あとがきと、韓国語版あとがきがあり、後者にて 「私にとって初めての外国は韓国でした。二十五歳のとき、飛行機が海を越え、半島の上空に差しかかった瞬間の感動は忘れられません。ーーこの地から、西に向かってどこまでも歩いていけば、ヨーロッパに達することができるのだ!」p273 私も25歳での韓国旅行が初海外だったので、親近感と、飛行機の窓から見えた景色を思い出し、あのワクワクを思い出し、嬉しくなった。 ヨーロッパまで歩いて行こうとまでは思わないが、日本がちっぽけな島国で、広大な世界のほんの一部に過ぎないことを思い知らされる。 「知らなければ知らないでいいんだよね。自分が知らないということを知っているから、必要なら一から調べようとするだろう。でも、中途半端に知っていると、それにとらわれてとんでもない結論を引き出しかねないんだな」 「どんなにその国に永くいても、自分にはよくわからないと思っている人の方が、結局は誤らない」p122 「ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな」

    4
    投稿日: 2023.11.01
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    「分かっていることは、分からないということ。」 インドのデリーからロンドンまで乗合バスで駆け抜けた旅の終わり。 世界はどこまで行っても分からないことばかりだった。 一緒に旅したような達成感といくばくかの喪失感を味わっています。 いやいや、旅の終わりは旅の始まり? 最後に打った電報がイカしてますね。 日本に住んでいるとオブラートに包まれているけど、人間が生きる上で必要な根源的な営みや欲求がむき出しのまま晒されていた。 それをむき出しのまま体感したかったのだと思う。 特に香港、インド、シルクロードがエキサイティングでしたね

    16
    投稿日: 2023.10.21
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    旅の始まりの香港・マカオの活き活きとして熱気に溢れた描写に比べて、旅の終わりを迎えるポルトガル、スペイン、イギリスでの穏やかで抑えた文章が印象に残りました。 それは、若者が幾多の経験を積んで歳を重ねて落ち着いていく様にも似ているような気がします。 はじめは「旅は人生に似ている」と言われることに否定的だった著者が、旅の終わりが近づくにつれてその思いに変化が出てくるのにも何か繋がる気がしました。 話は変わりますけど、6巻のあとがきでの著者と井上陽水氏の対談がまた面白かった。仲の良い、互いに独特な感性を持つお二人ならではの会話が楽しくて、だから二人のファンになったんだよなと、妙に納得してしまいました。 また、何年かしたらもう一度読んでみようと思います。

    0
    投稿日: 2023.10.04
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    一通り読み終わった。 特別面白い文章というわけではないが、ついつい読み進めてしまう。 長く旅行をすることで見えてくる良い面悪い面が非常に興味深かった。 世界を駆け巡りたくなるシリーズでした。

    0
    投稿日: 2023.09.29
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    6巻に渡る、バスをひたすら乗り継ぎ移動する旅にもついに終止符が…と思いながら読んでいたけれど、あっという間に読み切ってしまいました。 ただの「旅」ではなく、自分の生き方と向き合う沢木さんの姿がとても印象に残りました。色んな国の人達の様子が伝わってくる素敵な本でした。

    1
    投稿日: 2023.09.21
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    香港からロンドンまでの道のりは長かった。その土地土地の情景や匂いや音、そこに住む人々とのふれあい。このことを通して実に多くのことを知れたと思うが、 「わかっていることは、わからないということだけ」 この言葉の意味は重い。

    0
    投稿日: 2023.09.02
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    遂に最終巻 イタリアはローマ、フィレンツェ そしてお隣りモナコではマカオのリターンマッチ  所持金総額500$を切っているのに、カジノに出陣しようとするのには驚いた マルセイユ、バルセロナ、バレンシア、リスボン、サグレス、マドリード、パリ、ロンドン マドリードではバルをはしご 旅を始めて酒場で楽しむのは初めて 最後は、そういうオチなんだ? 全巻通して一番前向きに見えたのは、香港とマカオのカジノだったかなあ〜 所持金1900$で一年以上の旅は凄い! 時代は違うとはいえ、なかなか出来ません 若いうちの苦労?は、大きな財産になりますね 公開中の沢木耕太郎さん原作の映画『春に散る』も観てみたい

    50
    投稿日: 2023.08.30
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    このシリーズは私にとって、心躍る冒険の旅を味わえる作品でした。 ページ数が減る度に感じる寂しさ、そして近代的なヨーロッパの街並みを思い描かせる最終巻のストーリーは魅力的でした。特に私は序盤のアジア編が個人的に好きでした。 筆者が旅の中で様々な国々を巡り、心躍る体験をしなければ心が満たされなくなってしまった様子が伝わってきました。 我々もこのような旅が実現できれば、後の人生にも大きな影響を与えることでしょう。 全編通して70年代の時代背景が感じられ、それがとても面白さを引き立てていました。当時のインターネットのない時代に、このシリーズがどれだけ多くの旅人を生み出したのかが容易に想像できました。 ラストも予想外の結末で、旅はまだまだ続いていくのかと思わせられました。私にとってもこのシリーズは非常に好きな本であり、ランキング上位に入る作品です。

    1
    投稿日: 2023.07.08
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    ついにヨーロッパに入り、旅もラストスパート。イタリアスペインポルトガルからのパリロンドン。ポルトガルの岬サグレスで旅を終える決意をした著者は、一気にロンドンまで進むが、ラストにもちゃんとオチあり。ロンドン中央郵便局から送るはずの、「我、到着せり」は、公衆電話からの「我、到着せず」となる。 そこで終わるが、サクッと帰国したのかな? 帰国する時どんな気持ちなのかな? 帰国してまず何を食べたかな? まだまだこちらは気になるところもあるけれど、いつかポルトガルのサグレスにも行ってみたい。 あとパリで牡蠣と白ワインもやってみたい。 しかしラストが物価の高いヨーロッパになるこのルートは、なかなかお金の管理が難しいですな。

    1
    投稿日: 2023.07.04
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    ヨーロッパはやっぱり退屈。ただ度の終着点がロンドンではなく何となく行ったユーラシアの端であるポルトガルの小さな田舎町であるサグレス。そこで好意により止めてもらった民泊で見た朝焼けに衝撃を受けて度の終わりを決意するシーンは最高だった。いつか絶対いく

    0
    投稿日: 2023.06.24
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    初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。 高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。 広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。

    0
    投稿日: 2023.05.13
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    南ヨーロッパ・ロンドンの旅。いよいよ終わる、そんな感覚と終わりたくないという感覚。旅に出ると感じる相反する二つの感情が、一気に湧き上がってくる最終巻。同じように読者も、終わってしまうことへの寂しさと安堵感を共にしていったことだろう。これを読んだ大学生の当時は、ヨーロッパはつまらんなという感想だった。何度か出てくる、スリルやドラマが起こらないからだ。イタリアでも、スペインでも、要すればある一定の生活レベルが存在しているために、旅人に対しての特別な意識がないからである。NY編とかもつまらないんだろうな、なんせサプライズが起きにくいのだから。そして、旅に出ようと決めた瞬間だった。親友と森戸海岸にバイクで行って、俺世界旅行してこようと思う。と言った。いいね、俺も行くわと。結局アジアを一緒に旅した。 旅の終わりに出会った人たちや体験してきたことを総まとめにするように、物語をとじていく。最初にやった大小を思い出しつつ、結局やらなかったモナコのカジノの話など、色々あったことを改めて思い出すことになる。 この小説の色褪せないところは、異国の地のドキドキ感とトラブルを楽しみながらすすむ感じは、変わらないからだ。いつの頃からか、守るものがあったり、仕事があったりで、海外に行くのは面倒だし、危険だしやめておこうなんて思うようになったらおしまいだ。Be a Traveller。自分が変わらない限り。今でこそ、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、サウジアラビア、ドバイ、モロッコ、アメリカ、中国などなど、とにかくいろんな国に行ったけれど、沢木耕太郎さんのもつ文章と味わい深い旅の香り、そこで勇気をもらって旅に出ることができたことに感謝しかない。

    1
    投稿日: 2023.03.01
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    年末年始で一気読み。 終わってしまった。。旅は終わってないみたいだけど。 こんな自由な生き方があっていいんだと、自分自身の頭の硬さをほぐしてもらったような、1,200ページの素晴らしい体験でした。アイスランド行ってみたい。

    0
    投稿日: 2023.01.02
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    深夜特急6.沢木耕太郎 モナコのカジノに吸い寄せられ南仏の旅へ、港町の美しい情景が感じられる。しかし、お決まりの寄り道をしてイベリア半島へ突入してしまう。終着点サグレスで、ポルトガルが"C"の国であると気づき満足感を見せる。クライマックスはロンドンであるが、本来のゴールがみつからず、、

    1
    投稿日: 2022.11.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    6巻を読み終えて、風景も心理描写もまるで自分の体験かのように感じ、好きな作品であると再確認させられました。 書きたいことはたくさんありますが、まとめると人も街も「生きている」からこそ、何が起こるか予測のできないものであり、面白く、魅力を感じるものなのだろうと。つまりそれは、この旅の中で筆者が強く惹きつけられたカジノであり、またここまでのゴールの見えなかった旅自体であるのだろうと感じました。

    0
    投稿日: 2022.10.26
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    文庫版の「深夜特急」の最終巻となる第6集。ヨーロッパ内を移動する旅。ギリシャから船でイタリアのプリンディッシに移動し、そこからは陸路での移動。ローマ、フィレンツエ、モナコ、マルセイユ、バルセロナ、バレンシア、マドリッド、リスボン、パリ、ロンドン等、私自身も行ったことがある場所が多くなってくる。これまでの旅のような大きなトラブルはヨーロッパでは起きず、順調に旅は続いていく。 第6集では、どこで旅を切り上げるかが沢木耕太郎にとって大きなテーマとなっていく。香港から始まった旅、一応、目的地はロンドンと決めているが、ロンドンに行き、旅を切り上げる決心がなかなかつかない。ポルトガルでいったん旅を切り上げる決心をして、パリ経由でロンドンに行くが、結局、もう少し旅を続けることにしたところで、「深夜特急」は完結する。 「深夜特急」を読み返すのは、何度目になるか分からない。5-6回は全体を読んでいると思う。私は、1度読んだ本を読み返すタイプの人間ではない。5-6回読んだ本は「深夜特急」だけだし、読み返すこと自体が珍しい。 この本を、最初に読んだのは、おおよそ30年以上前。こんな旅の仕方があるのだ、ということに驚きながら、また、各地で沢木耕太郎が巻き込まれる出来事や、あるいは、各地の様子等が面白くて、息もつかずに読んだことを記憶している。2度目以降は、筋は頭の中に入っているので、描かれている旅自体に新鮮な驚きはない。それでも、読み返すのは、私自身が、ここに描かれているようなこと、「このようなことをしてみたい」と思っており、自分自身をこの物語に投影しているからだろう。 でも、「このようなこと」ってどんなことだろう?ひとつは、日常から離れて、自由気ままに旅をすることだ。それは、「男はつらいよ」の寅さん的な生き方に憧れる気持ちに近い。もう一つは、自分自身の想像の及ばない世界を経験してみたい、ということだ。あらゆる意味で「遠くに行く」旅をしてみたい、ということだ。「深夜特急」の中で、沢木耕太郎は、旅を続けていくにつれ、旅に飽きてしまう部分が出てくる。そのことを、作品中に書いているが、そのようなこと自体も、「遠くに行く」「想像もつかない経験」のひとつになり得ると思うので、読み返しても面白く読んでいるのだろうと思う。

    9
    投稿日: 2022.10.14
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    良かった。その国々の様子も、作者の心境の変化もいい感じに主観と客観が織り混じっていておもしろかったし、文体も自然で読みやすかった。旅行行きたい。

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    投稿日: 2022.10.04
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    少しずつ読み進めていた『深夜特急』、ついに完結。 狂騒の香港や、衝撃のインドの巻も良かったけれど、街の美しさに素直に感動している最終巻の穏やかさも意外に好みだった。 旅も終盤を迎え、一周回って「外国ってわからない」「ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな」という境地に達する著者。 みんながその認識でいれば、戦争なんて起こらないのに、と今の情勢に思いを巡らせずにはいられない。

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    投稿日: 2022.07.12
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    全巻通して カトマンズ辺りからトルコ辺りまではずっと、読みながら何か込み上げるものがあって、心拍数が速くなる様な感覚があった。

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    投稿日: 2022.06.24
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    「中途半端に知っていると、それにとらわれてとんでもない結論を出しかねない」 「わかっているのは、わからないということだけ」 バンコクの駐在人夫婦の話。 イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、パリ、ローマ。 ポルトガルめっちゃ行きたくなった。

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    投稿日: 2022.05.13
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    最終巻。ローマから地中海沿岸部を通ってマドリード、リスボンへ。ユーラシア大陸の果てを味わい、パリ、ロンドンへ。長旅のため気持ちの上で終わりを決めかねる。1年2ヶ月に渡るひとり旅。ただゴールを目指すのではなく、その土地その土地の空気、街、人を体感する。終了の仕方が今ひとつだったのが残念だったが、感覚が鈍らない若いうちの旅の経験は貴重だ。2022.2.25

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    投稿日: 2022.02.25
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    読書はいつだって旅の世界へ連れて行ってくれる 飛行機に乗れなくても お金がなくても コロナ禍において最高の小説だった 今回も巻末の対談と、エッセイがすごく良かった 最後の沢木耕太郎さんからの 若い旅人へのエールも 欠けているからこそいい 不完全でアンバランスで 何か欠けているからこそ そこを埋めるための何かが生まれる そこに個性も現れて 魅力が宿るのかもしれない 旅も、人も 大切なことは、目的地へ「行く」ことではなく その過程で自分が何を感じるか 何を見るか 誰と触れ合うか 旅に終わりはない いつやめてもいいし いつはじめてもいい いつでも、自分がしたいと思い動けば なんだってできるし どこへだって行ける 旅は終わらない いつまでも

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    投稿日: 2021.12.30
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    ついに完結…! 後半にかけては多少のマンネリ化もありつつ新しい巻に入るたびにワクワクさせてもらっていた。苦手なシリーズものでここまでひょいひょい進めたのはハリーポッター以来かも笑 ローマに入ると心なしかトーンアップしていた。雰囲気が、かな?とにかくフィルターが地中海の青からバラ色くらいの暖色に色変わりしていて、ローマから離れがたいのが何となく理解できた。フィレンツェでは街の佇まいとミケランジェロに軽く翻弄される筆者が何故だか羨ましかった。その土地の空気に心ゆくまで浸れることへの憧れか。 イタリアからフランスへと直行するのかと思いきやスペインを経由するのが筆者らしい。自分が訪れたマドリードはホームレスや物乞いで溢れかえっていたけどこの時は活気があったみたいで、またもや羨んじゃった。 しかし筆者の高揚感が徐々に薄れてきており(中継地点の描写が乏しくなりつつある)、終わりがそこまで迫っていると嫌でも実感せざるを得なかった。ついでに自分の感想もいつもよりコンパクト、じゃなくて、薄っぺらい笑 「ほんとにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな」 旅の締めくくりは些か拍子抜けしたけど、途中漏らした↑を考えると自然な流れなのかも。行ったつもりが良くないと言うけれど、分かったつもりだって充分おっかない。 自分自身全く旅慣れていないけど、いちばん心に留めておかなきゃいけない心得なのかも。自分の中に「分からない」の余地を残しておく事で余計な痛い目を見なくて済むし、旅ももっと楽しくなる。本当に分かった日が、本当の旅の終わりなのだ。

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    投稿日: 2021.12.23
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    あらすじ ノンフィクション作家である沢木耕太郎による紀行小説です。 1986年に1便が新潮社から刊行され、新潮文庫からは全6冊の文庫本として出版されています。 感想 時間があればこんな旅が出来るんだなって感じ。

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    投稿日: 2021.12.09
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    インドのデリーからイギリスのロンドンまで乗合バスで2万キロを行く。26歳の沢木耕太郎による大旅行記。多くの若者たちが熱狂したひとり旅の面白さを堪能できる。他の本は意外とつまらない沢木唯一の傑作。そして何よりインドに行くまでの前半のアジア圏の旅が非常にエキサイティング。その勢いで最後まで一気に読むことになる

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    投稿日: 2021.08.25
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    政情や感染症の影響で2021年時点では行けない国も沢山ある一昔前の旅行記。一年をかけて、ユーラシア大陸をバスで横断すると言う素敵な旅。同じような旅に出たくなる。

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    投稿日: 2021.08.15
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    読み終わってしまった、旅が終わってしまった。アイスランド行ったのだろうか。また「C」の国に戻ったというのがよかったな。

    1
    投稿日: 2021.08.11
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    単なる誇らしげな旅行記ではなく、旅という一つの人生を良くも悪くも飾らずに語っているところが好き。 後書き対談にもあったが、旅行直後に記したのではなく沢木さん自身がじっくりと咀嚼し時間をかけて構成を練り書き上げた意味を感じさせる最終巻だった。

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    投稿日: 2021.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・ふと、私はここにくるために長い旅を続けてきたのではないだろうか、と思った。いくつもの偶然が私をここに連れてきてくれた。その偶然を神などという言葉で置き換える日つようはない。それは、風であり、水であり、そう、バスなのだ。私は乗合バスに揺られてここまで来た。乗合バスがここまで連れてきてくれたのだ・・・。  私はそのゴツゴツ下岩の上に寝そべり、いつまでも岸に打ち寄せる大西洋の波の音を聞いていた。n1861 (中略) ポルトガルでは、chaは茶ではなくシャと発音するということだったが、「c」の仲間であることに変わりはなかった。  私は髭の息子が入れてくれた香り高い紅茶を飲みながら、これはあの懐かしい「c」の紅茶なのだと、笑いたくなるのをこらえながら思っていた。私は「c」より出て、今ふたたび「c」に至ったのだ・・・。  翌朝、朝の光降り注ぐテラスで食事をとりながら、これで終わりにしようかな、と思った。n1894 →終わりを決めていない人が、何によって終わりにしようと思うのか。5巻の対談で著者が言っていたけど、旅する中で擦れていった著者が再び旅の初期衝動を思い出したところで蹴りが着いたっけことかな。 ・クックック、と笑いが洩れそうになる。私はそれを抑えるのに苦労した。これからまだ旅を続けたって構わないのだ。旅を終えようと思ったところ、そこが私の中央郵便局なのだ。  通りに旅行代理店が何軒か並んでいた。私は安いチケットを売っていそうな一軒に入り、船のチケットはあるかと訊ねてみた。応対してくれた女性は、そんなことは当然というように頷いて、訊ねてきた。 「どこ?」 「…………」 「どこに行きたいの?」  どこがいいだろう。そういえば、パリの屋根裏部屋の隣にいた若者がアイスランドの話をしていたことがあった。アイスランドに行けば魚の運搬の仕事があるというのだ。仕事はきついが、それは信じられないくらい高額なアルバイト料を払ってくれるということだった。しばらくアイスランドで働いてみたらどうだろう。 「そう、アイスランドは?」  私が言うと、相手の女性もにっこり笑って言った。 「もちろん、あるわ」  私はそこを出ると、近くの公衆電話のボックスに入った。そして、受話器を取り上げると、コインも入れずに、ダイヤルを廻した。 《9273──80824258──7308》  それはダイヤル盤についているアルファベットでは、こうなるはずだった。W、A、R、E──T、O、U、C、H、A、K、U──S、E、Z、U。 《ワレ到着セズ》  と。n2250 →5巻の対談であった、実際は帰ってきているけど、作品上は帰ってこないという文学作品としての「漂白」は、多くの人のガス抜きのための装置として必要。終わり方としては美しい。 ・「第一便」と「第二便」を同時に刊行したときには、「第三便」もすぐに出せるものと信じていた。だが、それは実に長い「すぐ」ではあった。ゆうに6年はかかってしまったのだから。  理由は幾つかあるが、書き終えた今はどうでもいいことのように思える。この6年が、この「第三便」には必要だったのだという気さえする。  人は、深く身を浸したことのある経験から自由になるのに、ある程度の時間を必要とするものらしい。n2841 →部活で辛くても、後から振り返ると「悪くなかったなぁ」と思えるように、過去の経験を客観的に評価するには、一定の期間をかけてその経験を消化する必要があるんだろうな。 ・しかし、そうした旅を気軽にできるようになった若者たちに対して、私が微かに危惧を抱く点があるとすれば、旅の目的が単に「行く」ことだけになってしまっているのではないかということです。大事なのは、「行く」過程で、何を「感じ」られたかということであるはずだからです。目的地に着くことよりも、そこに吹いている風を、流れている水を、降り注いでいる光を、そして行き交う人をどのように感受できたかということの方がはるかに重要なのです。  もし、あなたが旅をしようかどうしようか迷っているとすれば、私はたぶんこう言うでしょう。 「恐れずに」  それと同時にこう付け加えるはずです。 「しかし、気をつけて」  異国はもちろんのこと、自国においてさえ、未知の土地というものは危険なものです。まったく予期しない落とし穴がそこここにあります。しかし、旅の危険を察知する能力も、旅をする中でしか身につかないものなのです。旅は、自分が人間としていかに小さいかを教えてくれる場であると共に、大きくなるための力をつけてくれる場でもあります。つまり、旅はもうひとつの学校でもあるのです。  入るのも自由なら出るのも自由な学校。大きなものを得ることもできるが失うこともある学校。教師は世界中の人々であり教室は世界そのものであるという学校。  もし、いま、あなたがそうした学校としての旅に出ようとしているのなら、もうひとつ言葉を贈りたいと思います。 「旅に教科書はない。教科書を作るのはあなたなのだ」  と。n2878 →いく過程が大事だよな。話したくなる経験も、後から思い返していいなと思えるのも、大体家庭に起こる出来だったりする。

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    投稿日: 2021.04.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Cの国からTの国に入って寂しさを感じ、行き着いた先は再びCの国… なんて美しい巡り合わせなんだろう。 そしてオチの清々しさ。いつまでもこの世界に浸っていたくなる…

    4
    投稿日: 2021.03.21
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    最後の最後まで楽しく、一緒に旅をしてるような気分で読むことができた。これで、旅がついに終わるのか、というさびしさを感じながらも最後は結局、やっぱり、旅がつづく予感。つくづく、旅の魅力にとりつかれてる感じは素敵。モナコで破産しないか心配だったけど、ジャケットなくてカジノに入れないシーンも偶発的な旅ならではいいし、ポルトガルの先っぽで、素敵なペンションにご厚意で宿泊させてもらったのもうらやましい。あの紅茶、きっと、すごくおいしいだろうに。ポルトガルは、Cの国だったのね。

    1
    投稿日: 2021.03.02
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    沢木耕太郎が好きなスペイン、ポルトガルが舞台。ユーラシア大陸最西端の地、まさに情景が目に浮かんで見えた。

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    投稿日: 2020.12.11
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    ポルトガルでは、茶のことをCHAと言うと知る下りが良かった。 世界はぐるっと繋がっているんだな。 ポルトガルのサグレス。いつか行ってみたい。

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    投稿日: 2020.11.17
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    沢木耕太郎『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』新潮文庫。 刊行当時、若者たちの旅のバイブルと呼ばれた本作もいよいよ最終巻。インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスでの移動を主題に旅を続ける著者はイタリアからスペイン、ポルトガル、フランス。そして、ゴールのロンドンへ。長い旅を終え、新たな旅が始まる……予感。 著者は26歳の頃に1年を掛けて、アジアからヨーロッパを旅したというのだから、並みのスケールの旅ではない。普通に働きながら1年という時間を創り出し、海外を旅するのは経済的にもかなり難しいのだが、本作に描かれた旅はそれだけ価値のあるものであったのは間違いない。 マカオのカジノで痛い目を見たはずなのに、モンテカルロのカジノで200ドルの敗けを取り戻そうとする著者の姿には苦笑したが、後に『波の音が消えるまで』という傑作を刊行したことを考えれば、こういう経験も無駄ではなかったのかと思う。 最後の最後にオチがある。 巻末には井上陽水と沢木耕太郎の対談『森の少女とカジノの男』と『あの旅をめぐるエッセイ』を収録。 旅に対しての自分なりの経験と考えを少しだけ。 結論から言えば『若い時の旅は絶対に人生の糧になる』ということ。 最初の本格的な旅は35年以上も前のこと。学割で北海道周遊券を購入し、深夜列車で青森に向かい、青森からは青函連絡船に乗って北海道へ。周遊券を最大限に利用し、列車とバス、時にレンタカーやヒッチハイクで1ヶ月余りを掛けて北海道を隈無く巡った。時刻表を見ながら行き当たりばったりで旅するというのは刺激的で非常に面白い経験だった。その間、畳の上に寝たのは僅か4日。殆どが野宿か、旅先で出会った同世代の若者のテントに泊まったり、移動途中の列車やバスの中で寝たりと、若いからこそ出来たのだろう。 働き出してからは、毎年夏になると仲間とワゴン車に乗り、2泊3日で波乗り旅行に出掛けた。テントに泊まったり、民宿に泊まったりして、波乗りを満喫し、食事や酒盛りを楽しんだ。まさかこの波乗り旅行が15年も続くとは思わなかった。 こうした経験があってか、どんな場所でも余り動じず、中国やタイの怪しいホテルのベッドでも苦もなく眠れ、衛生面が多少怪しいローカル食堂で食事するのも楽しみの一つになった。 最近では海外出張でトランジットで乗り継ぎの飛行機に乗り遅れそうになったり、空港にピックアップのドライバーが居なかったり、台風で飛行機が飛ばなかったりと様々なトラブルに遭遇したが、自らが行動さえすれば何とかなるものだ。 新型コロナウイルスで海外出張も中断してしまったが、本作を読み、海外出張の再開が非常に待ち遠しい。 本体価格590円 ★★★★★

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    投稿日: 2020.09.10