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深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】
深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)【増補新版】
沢木耕太郎/新潮社
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総合評価

57件)
4.0
11
31
9
1
0
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    このレビューはネタバレを含みます。

    トルコは親日の国のせいか安心できるのかと思いきや、熊に脅かされたり、ペルポネソス半島で美景に出会ったり 私は、有名観光地に立ち寄らずに通り過ぎてしまうのは理解できないなぁと感じてしまう 読み終えた本が、中古本として他人に譲られていくのはなかなか良いことだと思う

    0
    投稿日: 2025.11.23
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    長い旅には人生と同じように、幼年期、少年期、青年期、壮年期があり、移ろい変わるのかもしれないという言葉にピンときた。私は一時期旅だけをして生きていきたいと思っていたことがあったが、何が目的なのか考えていくうちに、旅だけをする人生はつまらないと感じてしまった。でも、これは人生と旅を一緒に考えたからであって、歴史を勉強してから行ったり、どうしても経験してみたいことなど何か目的を持って行ったら素晴らしい経験になるのではないかと思う。作者の見てきた長旅をしている者たちは疲労で好奇心が摩耗し、外界に対し興味がなくなっている。そしていつ崩れるかわからない危うさと隣り合わせで旅の目的すらなくただシルクロードを通り道として通過する。私の旅の目的は、観光名所やお土産に興味がないことは作者と同じで、だったら何をしに外国へ旅に出るのかと聞かれると、食べ物やら人との出会いやら現実逃避やら自分探しやら、あまりパッとしない答えになってしまう。そしてそれらがどうしても旅じゃないと達成できないのかと聞かれたら、違うと言うと思う。これから旅をする理由とか目的とかを考えてみたい。

    5
    投稿日: 2025.11.18
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    トルコを経てヨーロッパ、旅も終盤です。 最初は見るもの聞くものあらゆる体験が新鮮だったものが、デリー辺りからだんだんと疲労が蓄積して鈍感になり、中東に入ってそれがひどくなっていきます。目的を失った長旅の中で命を落とす若者もいる中で、ヨーロッパまでたどり着いた主人公は、そうした旅を経て自分が変わり、二度とそうした旅をすることのないことに喪失感を憶えるようです。 しかし、この変わった先に主人公がどんな新しい地平を見るのか、次の最終巻が楽しみです。

    0
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旅も終盤に差しかかり、著者の心の変化が綴られていて、読みながら完全ではないがその時の著者の気持ちを体験することができた。【旅をしていく中で、自信と鈍感さが身についた。】【人だけは必要としていた】【旅には旅の生涯があるかもしれない】【旅の終わりをどのようにするか考えるようになった】この巻も当然いろんな人と出会って、いろんな事が起こったが、この旅について考える巻になっている。続きが気になり、ラストの6巻を早急に読みたくなった。

    10
    投稿日: 2025.10.08
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    やっぱりこの本は傑作なんだわ、と思えてきた。 5-6巻は旅からだいぶ経ってから書かれているらしい。こなれているというか、エッセンスがうまく抽出されていると感じる。 ギリシャいいなあ…そして船旅ってやっぱり良いよね。私もフェリー大好き。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    物語はついに終盤へ。アジア圏からヨーロッパに入る。チャイとティーの違いでアジアかヨーロッパを区別する方法に驚き。アジアに比べてどんどん物価は上がってくるが、ゴールは目前。最終巻も楽しみ。

    8
    投稿日: 2025.09.02
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    ヨーロッパに近づく中で筆者も読者も物価の高さや街の雰囲気など、どこか日本と似通ったものを感じ、懐かしくなりつつも、旅の終わりを意識し始めるが、読んでて変わらず面白い

    2
    投稿日: 2025.07.10
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     インドから中東を経て、トルコ、ギリシャが本巻の舞台となっている。途上国のインドや中東と比べて経済的に発展する西欧に近づいていき、物価水準も市民感覚も日本の水準に近づいてきて、インドなどのカオスさは失われてきつつあるが、現地の人間とのコミュニケーションや風景描写はリアルである。また限られた資金で当てなく旅を続けている背景から、とことんまで値切る値段交渉はどこの国においても臨場感を感じる。

    12
    投稿日: 2025.04.27
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    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00058466 検査技術学科 木村 鮎子先生

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    . 作家の沢木耕太郎が、自らが20代後半で経験した海外放浪の旅を記したシリーズの、第5巻です。 バスを使って、ユーラシア大陸を横断している沢木青年。 想定以上の月日を要しましたが、第4巻からは移動のペースが上がってきました。 第5巻では、沢木がトルコとギリシャで過ごした日々が、記されています。 長く滞在した「アジア」から、「ヨーロッパ」の玄関口へと移動した沢木。 トルコでは、沢木が日本人であることを知って、彼に親切にする人が複数、登場します。 そして、直近では移動優先で旅をしていた沢木が、イスタンブールにはしばらくの間、滞在します。 イスタンブールの街の情景や人々との交流について書かれた箇所を聴いて、「歴史のあるこの街は現在、どのような様子なのだろう?」と、興味が深まりました。 さらに、ギリシャへと進んだ沢木は、アテネやスパルタといった、古代都市の遺跡に足を踏み入れます。 都市間の戦いに勝利し繁栄したアテネよりも、スパルタなど、敗者となり破壊された都市の風景に感銘を受ける、沢木の反応が印象に残りました。 そして、沢木が魅力的な人々と出会い、美しい風景を目にしたペロポネソス半島には、「いつか行ってみたい」という憧れの気持ちを抱きました。 広大なユーラシア大陸を、東から西に進んできた沢木の旅も、終盤に近付いてきたようです。 彼がどのようにこの旅を終えるのかを見届けたいので、第6巻もAudibleで聴こうと思います。 .

    0
    投稿日: 2025.04.07
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    長く旅を続けないと感じることのできない感情があるんだなとおもった。 なんとなく無感動になる、どこに向かうのか、どう終わるのかという気持ち。 人生も一緒で、というのもわかる気がする。 同じことをしても若い頃とは感じ方が何か違う。貪欲さとか飛び込んでいく勢いとか。 長く外国にいると食べ物より日本語の本が恋しくなるというのは本当に共感した。

    0
    投稿日: 2025.04.01
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    アジアを抜けヨーロッパに入り、日本のような近代化した土地になり、絵が想像しやすくなった一方、インドや香港などで感じたような「非常識感」は薄れていった。作者も、そういった非常識な刺激がなくなった分、考え事をしたり、内省している時間が増えたようだ。 イスタンブールは久しぶりに作者が気に入った土地だったようで、読んでて心地良かった。もっと長い期間滞在すればいいのに!と思ってしまった(笑) アジアではヒッピー達からお金を巻き上げようという人たちが多かったけど、ヨーロッパに近づくにつれヒッピー達に対して純粋に好奇心をあらわにして近づいてくる人が増えた気がする。物質的に豊かになっているからだろうか?もちろん後者の方が安心だけど、前者も前者で読んでいる分には刺激的で面白かったので、名残惜しい気持ちもする。 めちゃくちゃハマっている深夜特急シリーズ、ついに次は最終巻。読み終わりたくないなー

    0
    投稿日: 2025.02.05
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    旅が終わりに近づくにつれ、日本に帰ったときのことを考えてしまう…目の前の光景に心を奪われなくなったのは、その土地のせいではなく、自分の中にある何かがこれまでと変わってしまったから。

    0
    投稿日: 2025.01.15
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    大陸横断なんて好奇心をこんなにも刺激される機会はそうないように思うが、渦中にいると好奇心が摩耗されて命さえ粗末に思えるようになるものなのかと意外だったが、読み進めていると意味が分かるような気もする。この本が単に旅先のレポートではなくて、旅を通してうつろい変化していく筆者の内情を辿ることができるのが面白いのかなと思った。

    1
    投稿日: 2025.01.07
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    旅を終えてからこの巻を書かれるまでに長い長い歳月を経たと知って、なるほど感動した。紀行文的要素よりも、抽象的・内省的表現が多くなっているのはそのせいか!素敵です。あとがき含めてとても良かった。

    0
    投稿日: 2024.12.31
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    イランからトルコ、ギリシャに向かう。巻内にある地図では、トルコとイランに接しているのは「ソビエト連邦」今との違いを感じる。 チャイが、少しずつ飲み方が変わり登場するので非常に飲みたくなる。 何かが起こりそう起こらない。それはやはり私がこれまでとは違う土地へ来ていたからだ。 インドを出てから主人公からは少しマンネリ感のようなものが漂い出した。 ギリシャではコーヒーを飲む習慣が出てくる。茶の文化からコーヒー文化圏に来たことでアジアを抜けたと感じたシーンはよかった。

    1
    投稿日: 2024.12.14
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    あてのない放浪の旅の中で、数少ない目的地となったトルコ・ギリシャ編。これまでの旅が青年期なら、今回は壮年期に入り、旅人も内省的に変化しているように感じた。いずれにせよ、終わりの兆しを意識する旅路となった。

    0
    投稿日: 2024.10.10
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    アジアの旅が終わろうとしている 深夜特急シリーズ第5弾_ 1年以上の旅を続けていくことで 旅の経験値があがり 思考がより深くなっているように感じた 日本人だと分かると 特にトルコでは皆が親切にしてくれる 親切にしてくれることに感謝はしつつも… 旅を始めた頃のような 感動や興奮がなくなっている 旅は自分探しだとよく言われるが 長く旅を続けることで 自分探しの沼にはまり 自分自身を見失う可能性もあるのだと感じた… でも沢木耕太郎さんは 決してネガティブではない! この旅で自分探しに折り合いをつけること… 旅の経験値があがることで どんな場所でも生きていく力は得られるが 器用に生きていくことが全てではないこと… そんな思考にいきつくことこそが 素晴らしい体験なのかもしれない…と 気付きはじめる 第6弾は旅の完結編_ さて無事にロンドンに辿り着くことができるのか… 完結編を見届けるのが今から楽しみです

    0
    投稿日: 2024.10.02
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    面白いよなあ、やっぱり。 自分の知らない外国の世界を見せてくれるのと、独特の(ちょっと気どった)詩的な叙述が最高。 旅の流れが途切れない程度に感想や内省など旅と関係ない話が出てくるのも良い!飽きさせない工夫なのかな

    0
    投稿日: 2024.08.27
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    旅の終わりが近づいてきたことを感じさせる。 人生の青年期のように、旅の渦中にいて楽しめる時期と、壮年期のように旅とは何かと考える時期があることは確かだと思った。 人は刺激を求めて旅をするが、数を経験してくると刺激がなくなり、その意味について考えるようになるのだろう。

    0
    投稿日: 2024.07.05
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    長い旅を通して著者の旅論を随所に見ることができる。 終わりが決まっていない旅を人生と重ね合わせることで20代の心の揺れ動きに共感が持てる。 ヨーロッパに入り、アジアほどの刺激は無くなってきているが、それも著者自身の感じ方が変わってきたことも影響している。

    11
    投稿日: 2024.06.02
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    アジアとヨーロッパの狭間。道を辿ってきたからこそ見えるグラデーションが面白かった。 特に好きだったのはトルコのトラブゾンで熊使いの男と繰り広げたバトル。このような強烈な事象が巻き起こっているのにもかかわらず沢木さんの心に斜陽がさし続けているのは、旅の老齢期を迎えたからであると。慎重に言葉を選びながらも旅を人生に例えるのには説得力があったし、読者をその境地まで引き連れていく深夜特急はやはり偉大だなと思った。

    0
    投稿日: 2024.05.07
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    旅のイメージがふわふわと頭に浮かんできて、今回も心地よい読書体験ができた。旅行記ってやっぱりいいよね。特に深夜特急シリーズは自分では体験できない旅だからこそ余計に面白い。

    9
    投稿日: 2024.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    行く先々で目にする土地の人々の表情が浮かぶような、臨場感あふれる旅行記。 Breeze is nice. Yes, nice

    0
    投稿日: 2024.04.14
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    【概略】  香港・バンコク経由、インドのデリーを起点とし、イギリスのロンドンを終点とした「私」によるバスを中心とした旅、その旅程のイランからトルコ、そしてギリシャにわたる光景を描く。バックパッカーのバイブル。 2024年03月21日 読了 【書評】  「なぜに5から読んでるの?」という疑問が出るかもしれないが、それはその舞台にトルコが含まれていたから。  だから副作用・・・この旅を始める経緯や、旅慣れていない「私」が旅慣れていく「私」に変化(成長?)していく「文脈」を全く知ることなくいきなり成熟したバックパッカー「私」と出会ってしまったということ。残念ながらはじめて手に取った「深夜特急」の良さを、自分自身で半減させてしまったという。よい子のみんなは、絶対にやっちゃだめだよ。ちゃんと1から読んでいくといいよ。  (勝手にイメージしちゃってる)各国の印象から、(冒頭のイランは別として)トルコやギリシャって、それまでの深夜特急の国々よりも多分・・・平穏な国なのじゃないかなと思う。そこへ来て値交渉などが得意になって図々しさという武器を手にした、旅慣れた「私」だものね。そりゃ物語の起伏が起きないよね。  奇しくも「私」が、本編中に旅を人生にたとえていたところとつながった。なにもかもが新鮮に感じる青年期に対して、泰然自若となると同時に新鮮さがスポイルされる壮年期・・・旅(の最中に感じること)もそのような形で変化・成長していくという、そんな記述があってね。読者として、いきなり壮年期の「私」と出会ったという。  そうは言っても、「あぁ・・・確かにバックパッカーをやってみたい!って思ってしまうかも」と思ってしまった。そんなにうまいことばかりじゃないし、冗談でなく命を落としてしまう危険だって、絶対にあると思うけれど、そういったリスクと天秤にかけても、何かしら得るものがあるのだろうなぁ・・・ただそういったチャレンジができるのは、若さが持つ特権なのかもなぁと、現実の世界で壮年期に入ろうとしている喜餅は思ってしまった。多くの同年代からすると、博打みたいな人生を送っているとは思う喜餅だけど、バックパッカーを「今」やるという勇気は・・・出ないなぁ。  面白いよね。今、YouTube や TikTok で「バイクでアメリカ大陸を縦断してます」とか「リアカーで〇〇縦断してます」とか挑戦して、その途中の状況を動画にして投稿したりしてる。ある意味、深夜特急をリアルタイムで実況してるようなものだものね。凄い時代になってきたね。皆が「私」(沢木耕太郎さん)になれる時代だ。  ちょっとだけ、日本語ならではの主語や所有格の省略によって生じる迷子感が、自分にとっては辛かったかな?これはきっと、自分の加齢が原因なのだろうなぁ。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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     沢木耕太郎の旅行記はなぜこんなにも面白いのだろうか?それは彼が単なるヒッピー的なバックパッカーではなく、知性を備え、学ぶ力や応用する力を持った若者だからである。オーディブルで聴いたのだが、ハッとするような表現力にときどき読み返したくなった。オーディブルだとそのフレーズをメモろうとする間に流れてしまう。  これも後から紙の本を買ってしまうかもしれない。

    60
    投稿日: 2024.03.12
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    トルコに辿り着いて、ギリシャに入る。ついに欧州側に入り、旅の終わりを意識しだす。第三便は旅の16年後に書いたそうなので、自身も大分成熟してから書いたからか、これまでの旅の勢いとは少し違う。旅で起こる反応もアジアとは大分違う。これが西から出発してアジアに入るルートだとそれはそれでまた違った感情だったのだろう。トルコまでが刺激的だったから、落ち着いて物価も高い西洋社会は刺激に乏しいのかな。それでもトルコやギリシャは行った事がなく、ぜひ訪れてみたい。ギリシャのこうした素朴な街並みや日本に行った船乗りは今でも会えるのかしら?トルコの親日ぶりは今でも体感できるのかしら。食事も美味しそうだ。次はいよいよ最後の一巻。どうやって旅を終わらせるのか注目していきたい。

    0
    投稿日: 2024.01.18
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    個人的には深夜特急の中でも1番好きだった。 トルコのブルーモスクでコーランを聴く日々。 鯖サンドたる物を食べる。 熊を散歩してるおじさん。 私が行きたい見たい聴きたい食べたい景色が浮かんできて、そこに行きたくなる。 同じ風を浴びたくなる。 最後の手紙もすごく良かった。 旅の終わりを想像してしまい、終わらないで欲しいと願う気持ちとどう終わるのかという興味と。 本当に言語化能力が高すぎる。

    1
    投稿日: 2023.12.27
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    旅は旅の生涯がある。 人の生涯と同じように、幼少期、青年期、壮年期と、旅を続けるに従い、移行する。 自分が旅が好きな理由は、旅慣れしておらず、まだ青年期のような刺激的な日常を擬似的に体験できるからなのかもしれないな、と感じた。

    0
    投稿日: 2023.11.30
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    変わりなく面白い。あとがきでも書いてあったが、旅とは何か、人生とは何か、という自論を語る描写が増えた。今までの旅路で自然と身につけたもの、失ったものが作者の中で何か形になって来てるのを垣間見れる。最終章に入り旅の終わり方が気になる。

    0
    投稿日: 2023.11.23
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    "旅にも生涯がある。"とし、今は壮年期だからか、何かしらを見てもどこかで見たことがある既視感があり、新鮮味があまりない状態。 ヨーロッパに近づくに連れて、チャイからティーに代わり、物価も上がり、観光客も増え、それぞれに異なった観光地はあれど、似たり寄ったりというのは否めない。 思い出したようにカメラを向けることが増え、向けられた人達はポーズを決め、ついでに撮ってくれと家族を呼んできて撮ってもらい、名刺を渡して後で送ってくれという。それが写真屋のようにたくさんあり、微笑ましい。 熊を連れた男から逃げるところは面白かった。

    5
    投稿日: 2023.11.01
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    長旅が続き、新鮮さを失い、旅するモチベーションを失い空っぽになってしまったのですね。 旅は人生に似ているという。 何かを失うことなしに前へ進めない。 旅はいよいよ最終章へ。

    16
    投稿日: 2023.10.21
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    旅が進むにつれて筆者の経験値も上がり思考が深まっていく感じを体験できるのが面白い。 旅を終えてからこの紀行を書き上げるまでにかかる時間も流れていて、その間筆者も人生経験を重ね熟成されている様子を感じられるのが面白い。 旅は自分探しだとよく言うけど、自分探しの沼にはまって自分を見失う危険性があるということを実感できるのが面白い。さらにそれは必ずしもネガティブなこととは限らない、自分探しに折り合いをつけることとか、経験値が上がって要領良く生きる力が身につくことが実は虚しいことなのかもしれないというような見方を得られることが面白い。

    0
    投稿日: 2023.09.11
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    「旅を人生に例えれば、私の旅は青年期を終えつつある。何を経験しても新鮮でどんな些細な事でも心を震わせていた時期は既に終わっていたのだ。」旅はいよいよ鮮烈のアジアからヨーロッパへと移ります。しかし、頭のなかでは、全部大沢たかおさんの声で文章を読んでる。(笑)

    0
    投稿日: 2023.08.07
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    一巻から六巻のうちの五巻に突入しました 旅も終盤となると、ちょっと淋しい気持ちになります 今回は、沢山の世界遺産や有名地が出て来るので、私もネット検索しながら一緒に旅した気分に浸りました トルコ(エルズルム、トラブソン、アンカラ、イスタンブール)から始まり ギリシャ(アテネ、ペロポネソス半島のミケーネ、スパルタ、ミストラ、オリンピア、パトラス) そして、地中海船旅でイタリアを目指します トルコでは、ちょっとだけ贅沢をして、著者お気に入りのブルーモスクと海が見える部屋に泊まります そして日本で頼まれていた事があり、それを果たしにアンカラに行きます 今まで、厳しい経済的な状況とその時の気分で動いていたのですが、初めて使者として役目を果たします ギリシャでは、沢山の遺跡や廃墟を見ます それと、「暇か?」とたまたますれ違った男性に声を掛けられ、そのまま男性の友人の家の誕生日パーティーに行き、そのまま泊まるという、面白いエピソードもありました トルコとギリシャではどこに行っても、記念写真が大人気でした カメラを向けると沢山の人達が集まって来て、みんなが撮って欲しいと撮影大会になって大騒ぎになります トルコでたまたま知り合った若い男性に案内をしてもらい、そのお礼に日本の5円玉、今まで旅して来た国のコインを一つずつあげたらとても喜ばれました みんな記念を大事にしているのに、著者の記念に残るものと言ったら、パスポートの各国のスタンプだけです 経済的な面も勿論ありますが、ちょっともったいないなあと、貧乏長旅の大変さがわからない私は余計な事を思ってしまいました 次はいよいよ最終巻、イタリアからです 『旅は人生に似ている』と語っていましたが、どうなるのでしょうか?! そして、『最後のオチ』って何なんでしょう! ワクワク(*'▽'*)します↑↑

    32
    投稿日: 2023.08.03
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    有名な観光地やリゾートではなくて、テレビやインターネットなどの媒体では得られないその時、その都度の土地の人々との交流が描かれているから面白い。単に沢木さんはお金がなくその文化や 歴史背景の教養がないからだと仰っていたけど笑 ヨーロッパに入ったばかりだけど、アジアでの旅の方がめまぐるしくハプニングが多いなぁと。  値切りの交渉にどんどん拍車が掛かっているし、  時に流される快感みたいなものも読んでいて楽しい。

    7
    投稿日: 2023.06.17
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    初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。 高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。 広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。

    0
    投稿日: 2023.05.13
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    トルコのトラブゾンでであった少年とのエピソードが気に入った。日本の硬貨をメモリーだからと、1つだけ選ぶ姿には心が温まる。 ギリシャペロポネソス最後の1日、道ですれ違った小柄な男性にふと友人の子供の誕生を祝うパーティーに誘われる。単に笑顔ですれ違っただけなのに。その友人もそのご両親も不思議がることはない。なんとフランクな世界なんだと、こういう世の中もいいなぁと思った。

    2
    投稿日: 2023.01.25
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    深夜特急5.沢木耕太郎 トルコ、ギリシャへ。イスタンブールへ入り、かの有名なブルーモスクの虜になる。しかし、ギリシャに向かうにつれても旅への空虚感が高まる。旅の目的を見失いつつあり、長旅特有の既視感も相まって心労が募る。破滅した文明に思いを馳せてつつ、アジアの人懐っこさを懐古する

    0
    投稿日: 2022.11.13
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    文庫版では6分冊になっている「深夜特急」の第5集。ということは、旅の終わりが近づいてきているということである。最終目的地をロンドンに設定しているこの旅は、香港から始まり、途中空路が一部あるものの、この第5集では、ギリシャからイタリアに地中海を渡る船上まで来ている。ここまで来れば、陸路であってもロンドンは近い。 この第5集でも、大きな事件は起こらない。むしろ、第5集のハイライトは、地中海を移動する沢木耕太郎が、船上での出来事や船上で考えたことを、知り合いに送る手紙の内容ではないか、とも思う。 この手紙の中でというか、この第5集に入って、沢木耕太郎は、「旅とは何か」というようなことを、よく考え、作品中に書くようになっている。旅の途中で自分自身を破綻させてしまうほど、徹底的に自己に淫することが自分にはできなかった。そして、その機会は既に失われている。ということは、既に「旅は終わってしまった」という喪失感を感じる、ということを、沢木耕太郎は手紙の中に書いている。 巻末に対談があるが、その中で松尾芭蕉の「奥の細道」が登場する。芭蕉は、「奥の細道」の前文で、「古人も多く旅に死するあり」ということを書いているということが紹介される。中世の先人たちは、終わりが決まっていない旅をしていたのではないかという考えも紹介される。すなわち、旅というものと、生というもの(あるいは、死というもの)がイコールになって存在していたのではないか、というのが沢木耕太郎の意見であり、そういったことを現実のものにする機会を「深夜特急」の旅では既に失ってしまい喪失感を感じるということを、手紙に書いたのだと解釈した。 何故、人は旅をするのか、ということについては色々な人が色々なことを言っているのだと思う。紀行文や旅行記には、そういったテーマでの記述も多い。「何故、人は旅をするのか」と私が問われれば、「そうしたいから。あるいは、人間というのは、旅をせざるを得ない存在だから」と答えるような気がする。人類はアフリカで誕生して以降、移動することで種が生き延びてきた。アフリカで誕生した人類は、ヨーロッパに渡り、中東に渡り、アジアにたどり着き、そして、日本にもやってきた。それは生き延びるための移動であり、そういったことを人間は本能的に行ってきたからこそ、今の人類の繁栄があるのではないかと思う。要するに、人間は、考えもなく、放っておくと移動をする、すなわち旅をする存在、それが人間なのだ、と私は思う。

    11
    投稿日: 2022.10.14
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    深夜特急の中でも印象が強く残った5巻。 長旅で多くのものを得たと同時に沢山のものを失った喪失感、旅で消耗しつくし虚無と化した主人公がとても現実的だった。  単純に観光やバカンスと違った1人旅ならではの旅愁を感じた。  旅は人生と同じで何かを失わないと先に進めないのか

    0
    投稿日: 2022.07.04
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    トルコとギリシャ行ってみたいな。 ギリシャ人はきっととてもフレンドリーなんだろうな。 長い旅の中での主人公の気持ちの変化、少し病んでる感じが面白い。

    0
    投稿日: 2022.06.29
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    筆者が唯一行ってみたいと思っていたペロポネソス半島は、生で見ずとも、魅力的に感じた。廃墟の美しさに気づいたような気がする。

    0
    投稿日: 2022.06.16
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    ブレない心 彼には強い意志があり、前に進む決意は固い バスに揺られ、一人で孤独に旅をしても、やはり求めるのは人であり、会話 やはりこう言う旅を20代の頃にしときたかったと無駄な後悔をする羽目になっている40手前 旅は人生に似ているみたいだが、本当にこっちまで一緒に旅を出来ているこの本はありがたい 最近私は世間知らずという事が自覚されてきて、本を通して世間を知るという事がある、勉強になるのだなと思う 本はやはり、退屈と寂しさを忘れさせてくれる妙薬 本を読まない人生はもったいないのだ シルクロードに美しい幻想を抱いているが、恐らくそれは遠い思い違いなのではなく、ある一定の美しさを抱きながら恐ろしい悪魔の触手も孕む厳しい大地 死と生とが混ざり合った究極の大地 旅人は、前に進むか、留まるか 未来は見えず、足下だけを見て歩く やがて空は晴れ 大地を照らし 青はより青く 心は無数の光に満たされる  昔本で読んだ憧れで、島をうろつく著者なのだが、憧れは幻想に終わるかと思われたが、幸せな出会いが 彼の様な旅を続けたい、 とかここまで書いたが、やはり、こういうのはサイトやアプリではなく、実際のノートに、書く事にする 逆に煩わしいわ

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    投稿日: 2022.04.14
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    アジアからヨーロッパへ。その境のトルコは自分の中で印象が薄かったが、ロシアを駆逐した日本贔屓の国柄、人の良さ、イスタンブールの街並みについて想像を逞しくした。長旅が著者に終結を自覚されてきた。シリーズもあと1巻を残して終わりとなるがもう一踏ん張りいい話を聞かせてくれねば。2022.2.20

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    投稿日: 2022.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この巻のハイライトはトルコギリシャの越境場面と、ペロポネソス半島での誕生日パーティーかな。 巻末対談では、距離感を掴んでいないと旅が発生しない、旅している時自分の背丈以上のものは見えない、と言う2点が印象に残った。

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    投稿日: 2022.01.03
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    唯一と言って良い「旅の目的」がここで明らかになる。前作読了後ブランクがあったから、そんな目的あったっけ?とスッとぼけていたけど本書でちゃんと紹介してくれていた笑(ネットも携帯も存在しない時代というのもあるだろうけど、手がかりが殆どない状態でよく筆者に依頼できたな…というのが個人的な感想…) 目的を果たす舞台となったアンカラの回は意外とあっけなかったけど、シリーズの中では一番ドラマチックだったと思う。今回に限らず毎回お芝居のようなシナリオだから、通過地点をアップデートする度にこうした出会いが待っているのかと認識しちゃいそうになる。(筆者だからこそ、そうした出会いを実現出来たと言うのに) 一方で目的地へ急いでしまうと著者がトルコ行きのバスで見かけた、目に「無関心の色」を浮かべた少年みたいになるのだろうか。 とか言うものの自分だってシリーズを追う毎に初期ほどの感動を見せなくなっていたりする…それでも著者のジェスチャー読解力だけは毎回感心してしまうけど笑(状況にもよるけど相手が両手をパーンと叩いただけでそれを「交通事故」だと理解されるのは凄すぎる…) 「本当に旅は人生に似ているのだ。どちらも何かを失うことなしに前に進むことはできない……」 筆者がイスタンブールとお近づきになるシーンは圧巻。(今まではバスや列車の移動がメインだったから、ここで船が登場しただけで新鮮…!) アジア圏ではあれだけ地域や人に溶け込んでいたのに、ここでは最初から簡単に行かなかったみたい。イスタンブールと言うよりコンスタンティノープル(響きが懐かしい笑)と対峙しているみたいだった。なお都入りしてからは無事平常運転に戻り、沢木節全開で城下をエンジョイされていたけど。(たとえ熊が相手であろうともそれは変わらず笑) スパルタ跡で出会った(古代ギリシアの学者を彷彿とさせる)老人とのエピソードとか絵になる話もちらほらあったけど、章を経るごとに文章が単調になりつつある気がした。 筆者も前述の少年になったのか?と危惧したけど、地中海の一点の翳りもない青が彼を無力化させていることを知り、完全無欠な旅も案外危険かも…とまたもや認識しちゃいそうになるのであった。

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    投稿日: 2021.12.17
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    〝自分の背丈以上の物は見えない〟 芸術でも、自然でも その物に対して理解するだけの教養がないと それを面白がれない いつも巻末の対談で ハッとさせられることが書いてある トラブゾンで出会った ガイドをしてくれた若者との コインの話が印象に残った 主人公に観光地や名所を案内してくれたり チャイやお酒をご馳走してくれる現地の人々 気軽に旅ができない彼らにとって 異国の地からやってきた旅人とのコミュニケーションが ある意味それが 彼らにとっての旅にもなっていたりするのかな 巻末の対談で 〝旅の終わり〟 とはどこだろうか 終わりを決めずに出た旅の終わりは いつどこなのだろうか 漂白と定住 芭蕉のように、客死することが 旅の完成になるとしたら 人は一見なににも繋がらないような 非生産的であることにのめり込む恐怖をもっている でも、哲学者たちが 考える時間が、ボーッとする暇があったからこそ 考える時間に向き合い 哲学がうまれたように 人は、生産的であることだけが全てではない 生産性を追い求めるだけが 人生ではない そうは分かっていても なかなか非生産的なことにのめり込むことへの恐怖心は拭えないきれない とくにコロナ禍のいま それは顕著になりつつあるのかも だからこそ 深夜特急が心の癒しになってくれている

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    投稿日: 2021.12.12
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    あらすじ ノンフィクション作家である沢木耕太郎による紀行小説です。 1986年に1便が新潮社から刊行され、新潮文庫からは全6冊の文庫本として出版されています。 感想 時間があればこんな旅が出来るんだなって感じ。

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    投稿日: 2021.12.09
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    旅と人生を照らし合わせて、筆者が旅の壮年期に入っている感じが全体のテーマとなってた。 これ、どこかで経験したことあるなぁ。 なんで何を求めて旅をしてたんだっけ? どうやって旅を終わろう。 人生も、青年期を過ぎ、壮年期、老年期にはいるとこんな感じなんだろうか。 未練なく滅びたあとの街に美しさを感じていたシーンが印象的。 昔は繁栄していたが、いまその痕跡が残っていない、潔い死。 疲労は好奇心を摩耗させる。

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    投稿日: 2021.08.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    旅に慣れ、疲れ、序盤にあったわくわく感や感動がなくなり、必要以上に値切ってしまう筆者がさみしい。 あと1巻でこの旅が終わってしまう。 チャイの国とコーヒーの国はたしかに!と思った。

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    投稿日: 2021.08.10
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    何という筆力!流れが徐々に淡白になっているようにも見えるが、アジアからヨーロッパへの変遷ということかと思えた。文字を追いつつ、旅の行程に夢中になっているワタシが居る。

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    投稿日: 2021.04.27
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    前巻もそうでしたが、旅が進むにつれストーリーが淡白になって来た。どこそこから何処へバスに乗って運賃が幾らとか、ご飯代やホテル代その他様々な物を値切った。値切りに応じないと機嫌が悪くなる。ホテルは個室か雑魚寝か等、単なる移動する為のコメントが多くなってきて面白く無い。 前半の巻の様に初めて訪れる街の喧騒や市井の人々との触れ合い等、旅行記の主か少な過ぎると思います。最後迄読む力が無くなった。

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    投稿日: 2021.04.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・イスタンブールの暇人にまじって、ガラタ橋の欄干にもたれながら魚の唐揚げサンドを食べていると、はるか遠くの国に来たはずなのに、アフガニスタンやイランを経て、また日本に近づいているような気がしてきた。ただ、海があるというだけで、ミカンを買ったというだけで、魚を食べたというだけで……。  いや、それだけではないものがこのイスタンブールにはあるのかもしれなかった。  その予感は当たっていた。  イスタンブールに着いて二日もたつと、一日の過ごし方にリズムができてきた。それは私に二、三の気に入りの場所ができたからでもあった。  朝遅く、ホテルの近くの食堂で簡単な食事をとる。ヨーグルトに蜂蜜つきのパンとチャイといった極めてシンプルなメニューだ。そのシンプルさは、栄養学的な見地からのものではなく、もちろんすべて経済的な事情からきている。これで四リラ、約八十円といったところであるからだ。  食事が終わってもしばらくはそこを動かず、テーブルで手紙を書いたり、観光案内所で貰った無料の地図を広げ、昨日うろついた界隈がなんという地名のところなのかを確かめたりする。そして昼近くになるとようやく腰を上げ、ブルー・モスクに向かうのだ。  モスク前の広場から境内への門をくぐり、メッカに向かって左側の出入り口から靴を脱いで中に入る。ちょうど昼の礼拝が始まっており、前方に男、後方に女たちがひざまずいている。私も壁際の履物置場に靴を置き、古色蒼然とした赤い絨毯に腰を下ろす。異教徒はほとんどいそうにないが、私がいることを誰も奇異には思わないらしい。そうして昼の礼拝が終わるまで、眼を閉じてコーランの朗唱に耳を傾ける。そのまま眠りに誘われることもあったし、さまざまな思いが溢れるように駆け巡ることもあった。しかし、たいていは、不思議と気持が平静になっていき、意味のわからぬコーランの聖句の響きに心地よく身を任せることになるのだった。  朗唱が終わると、人々の立ち上がる気配がする。私も眼を開け、彼らと一緒に履物を手に出入り口へ向かう〜n1171 →ここから始まる、海外で規則的な生活ができることの喜びってわかるなぁ。インタンブールは俺も行ったことがあって、情景がよく浮かぶからかもしれない。ブルーモスクで俺もゆっくりしたかったなぁ。 ・ここまで思い到った時、僕を空虚にし不安にさせている喪失感の実態が、初めて見えてきたような気がしました。それは「終わってしまった」ということでした。終わってしまったのです。まだこれからユーラシア大陸の向こうの端の島国にたどり着くまで、今までと同じくらいの行程が残っているとしても、もはやそれは今までの旅とは同じではありえません。失ってしまったのです。自分の像を探しながら、自分の存在を滅ぼしつくすという、至福の刻を持てる機会を、僕はついに失ってしまったのです。n2746 →闇落ちしてるなぁ。長期で旅しすぎることもないのかな。たまには帰ったほうがいいのかな。 ・沢木)(帰りが決まっていない人の紀行文が日本には全然ない)僕は帰りを決めない旅をしている旅人が、どうやって「さぁ、帰ろう」と決めるのかということに興味を持っていたんですけどね。 (中略) 高田)『おくのほそ道』の最初の方で「古人も多く旅に死するあり」と言っていますよね。自分も旅の途中で死ぬ可能性を考えて、家も手放して出かけていますね。 沢木)ですから、そのような文学的伝統があるのに、それを受け継いだ紀行文が途絶えてしまっているでしょう。そのことにあるとき気づいたんですよ。n2859 ・高田)(死して終わり、完成する旅が存在することは)難しくないんだろうと思う。作品として存在させることはね。ただ、その問題は、突き詰めると「定住」と「漂泊」という問題になると思いますが、「漂泊」というものに対する恐怖が現代の多くの人にはあるでしょうね。 沢木)非生産的ですからね。  でも、芭蕉をはじめ多くの人が腹を括って「漂泊」を選んだのかというと、そこに文学というものが出てくる。「漂泊」というものは非生産的行為にも関わらず、文章を書くという一点において生産性を持ち、それによっていわばマイナスが一挙にプラスに転化してしまう。その事を彼らは知っていたんじゃないですか? 高田)確かに彼らは知っていたし、実際に文章で表現もした。でもそればかりでもないという気がしますね。定住社会、生産社会からドロップアウトしたいという欲望は、多くの人の心の底に眠っているでしょう。その欲望を解放したとき、結果として「漂泊」の文学表現に繋がることもある。でも、一方でそれは浮浪者として何もせずに生きていくという生のあり方に繋がる場合も出てきますよね。 沢木)ええ、現実には何も表現しない人が無数と言っていいかどうか分かりませんが、存在しているんでしょう。そして、文学表現をする「漂泊者」がいたとしたら、その中間的存在なんでしょうね。 (中略) 沢木)今の日本でも、「漂泊」に匹敵する存在の人が文章を書くということがもう少しあれば面白いと思うんですけどね。 高田)『深夜特急』のように実際は帰ってきているんだけれども、作品上は帰ってこないという文学作品としての「漂泊」は、多くの人のガス抜きのための装置として必要だと思いますね。n2877 →終わりのない旅をしている人、漂白者、そんな彼らの表現の場となるプラットフォームができれば。  旅っていうのは、観光名所を回るだけのものじゃなくて、その道すがらでの人との出会いや、自分の心と向き合う時間の方が実はずっと大事で、人に話したい・自分の心に留めておきたいものだと思う。 ・沢木)迷子になる可能性がないのは旅ではない、という言い方もできるかもしれませんね。 高田)なぜだか分からないが、迷子になってしまうというのが旅なんじゃないですかね。n2920 →ガーン。そうだよなぁ、でもそれって日にち決めてない旅の特権だよなぁ。

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    投稿日: 2021.04.02
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    これまでの刺激的な旅から、だんだんと、おとなしいという、静的というか、感傷的な旅に変化してきたように思う。旅のおわりが近づくにつれての主人公のセンチな心情が読者の僕らにも伝わってくる。いよいよ、次巻で最終巻に向けて、旅の終わりの近付きに、なんだか、こっちまでさびしい気分に。

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    投稿日: 2021.02.23
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    「その夜、私たちは何ひとつまともな会話はできなかったが、少しも退屈しなかった。顔を見合わせてニコニコしているだけで充分だった。」 分かる。とてもよく分かる。 パリ郊外のプロヴァンを観光していた時、私と同じく道に迷った男性と仲良くなり、パリに戻って友人と食事をするから一緒にどうかと誘われ、向かった先は女子会だった。 それもフランス人ではなく、スペインやイタリア、ポルトガルなどなど多国籍の集まり。 突然やってきた日本人の私を、みんなは当然のように受け入れ、いろいろ話しかけてくれるが、英語やスペイン語やポルトガル語などが飛び交い、何を会話しているのかさっぱりわからない。 でも楽しかった。 いつどこでどんな出会いがあるか分からない。 旅の醍醐味を味わったひとときだった。

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    投稿日: 2020.11.14
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    沢木耕太郎『深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海』新潮文庫。 いよいよ完結まで残すは、この5巻と6巻だけとなってしまった。インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスでの移動を主題に旅を続ける著者はイランからトルコ、そして、ギリシャへ。 多くの若者たちには本作を読み、著者と同じように色々な旅を経験してもらいたいと思う。何故ならば本作の中で著者が認めた通り『旅は人生』であるからだ。旅という特異で濃密な時間で様々な経験していれば、普段の生活など大した問題とは思わなくなるのだ。 『旅は道連れ世は情け』という言葉があるが、旅先では普段の生活以上に、人との出会いや親切が身に染みる。著者も次第に長い異国での旅に馴れ、旅先での親切を素直に受け入れられるようになる。 アンカラで画家のトルコ人女性を探し出し、東京の知人から預かった物を手渡すミッションを完了した著者は再びゴールを目指す。金が尽きたらいつでも旅を終えて良いという気持ちと出来るだけこの旅を続けたいと思う気持ちの葛藤……しかし、著者は納得のゆく旅を追い求める。 巻末には高田宏と沢木耕太郎の対談『旅を生き、旅を書く』と『あの旅をめぐるエッセイⅤ』を収録。 さて、いよいよ最終巻。 本体価格590円 ★★★★★

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    投稿日: 2020.09.09