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深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】
深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】
沢木耕太郎/新潮社
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総合評価

66件)
3.9
14
30
19
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    他の賞よりも物悲しさを感じる章だった。 老いと旅、寝込む青年を置き去りにした時の気持ち、物乞いにお金をあげた時の気がつき、等々。出来事は他の章と同じように色々起こっているけど、旅の中で感じ方が変わったりしたのかなと思った

    0
    投稿日: 2025.11.28
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    心身が健康じゃないと他人の親切が鬱陶しくなるのは日本にいる私にもすごく共感できた。こんなふうに感じる自分が嫌で、余計に病んでいく。作者は自分なりに克服していたからすごい。 この旅行が終わり帰国してから元の生活に戻れるのかという不安は、リアルだなと感じた。スケールが違うが、夏休みが終わって学校が始まると、いくのが億劫になるのと似ているかもしれない。 3巻まで少しずつ失速していった感じがあったけれど、4巻からは動き出した気がする。5巻からが楽しみだ。

    7
    投稿日: 2025.11.12
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    香港から始まって寄り道続きの沢木氏の旅も、ようやくデリーを発って本番に。 4巻では街中よりもバスでの移動中の描写が多く、どうやら『深夜特急』の表題通りの内容になってきた。「青春発墓場行」のバスがいい。 パキスタンからアフガニスタン、そしてイランへ。どれも今ではそうそう行けない国だ。もちろん僕自身はいずれにも行ったことはないが、読んでいるうちに何となく、トルコとインドを結んだ線分の中にきちんと収まっている土地という気がしてくるから不思議なものだ。乱暴な言い方だがどだい同じユーラシア、やはりどこか似たところがあるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    インドを抜けて、パキスタン、アフガニスタン、イランあたりの旅 バスの運転の恐ろしさなどが印象的 シラーズの宿の無口な少年がよくわからなくて、後からも気になる

    0
    投稿日: 2025.10.29
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    インド(アムリトサル)▷▶パキスタン(ラホール、ピンディー、ペシャワール)▷▶アフガニスタン(カブール)▷▶イラン(テヘラン、シラーズ、イスファハン) 滞在とバスでの移動と半々の描写なので、地図を見ながら読まないと今どこにいるかわからない巻だった。 陸地の上を地続きにグラデーションのように文化が変化していく様子が圧巻だった。 このシリーズを読んで、将来また旅に出たくなっているところに、ペルシャ逸話集「カーブース・ナーメ」より、冷水をあびせるフレーズがドンときて唸った(°▽°) 『老いたら一つ場所に落ち着くよう心掛けよ。老いて旅するは賢明でない。特に資力ない者にはそうである。老齢は敵であり、貧困もまた敵である。そこで二人の敵と旅するは賢くなかろう。』

    5
    投稿日: 2025.10.13
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    インドを出発して、パキスタンを一気に通り抜け、アフガニスタン、イランへ。 ソ連の侵略でめちゃくちゃになる前のカブールや革命前のイランなど、既に失われた世界を旅していく様子に感慨を覚えました。 この本の終わりで、ペルシャ説話集の一節として、若いうちは若者らしく、年を取ったら年寄りらしくせよ、という言葉が出てきます。これが正しいかは別として、その時々にしか感じられず経験できないことがあるのは確かなことに思われます。 ある世界が失われるのと同じように、自分の時間もまた失われていく、というつもりで日々過ごさないといけませんね。

    0
    投稿日: 2025.10.11
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    やっぱり旅行に行きたくなる! このシリーズは絶妙なボリュームで分割されてますので最後まで飽きずに読めますね。 今回は中東ということで日本とは文化も気候も大きく違うシルクロード編でしたが、相変わらず刺激に溢れた旅路だったようですね。 特に印象だったのはペルシャ商人の時計屋との値引き勝負、難しいですよね、向こうの言い値とこちらの値踏みが合致しないと上手く購入できないとは…定価がありふれている日本の社会ではなかなかできない体験ですよね!

    4
    投稿日: 2025.10.08
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    テヘランは大都会らしい。イスファハンが古都で美しく静かとあるので少し行ってみたい。 この巻の対談はイマイチ。何の話?と思った。 中東はアジアじゃないからかやっぱりオリエンタル(?)でエキゾチック (?) で異国情緒が強く思える。砂漠だからかな?

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    シリーズ4作目。舞台はシルクロードへ。バス旅は波乱万丈。燃料切れで止まるなど日本では考えられない。。 バザールでの買い物では、店主との値下げ交渉がなんともおもしろい。

    5
    投稿日: 2025.08.25
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    このシリーズを読み進めるに連れ「繁華な通り」というワードに一種の恍惚を感じ始めていたが、4巻では激減する。パブロフの犬化していた私はお預けを食らった。 それもそのはず。4巻では主に長距離バスで移動している。 冬が来て、雪の降る車窓が鮮やかに目に浮かんだ。 「これは日本にあるか?」という質問を繰り返す現地人がとてもかわいかったし、探せばあるようなものを「ないかな。」と答える主人公の優しさが好きだ。真実だけが優しさじゃない。

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    旅先で読むととても良い。金を払うか時間を無駄にするか、どうでも良くなって街に埋没すること、他のヒッピーの生気のない目をみてハッとすること、ソ連が健在で、ポーランドから共産主義の若者がインドの物乞いを嫌悪する。インドの病はインドの薬でしか治らない。病と貧困と、

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    https://paz-library.opac.jp/opac/Holding_list?rgtn=00058465 検査技術学科 木村 鮎子先生

    0
    投稿日: 2025.04.21
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     この巻ではインドからパキスタン、アフガニスタン、イランと旅を続けていくが、特に中央アジアから中近東にかけての日本と文化的にかなり異なる地域を歩いており、紙面からカオスな感じの臨場感が伝わってくる。アラブ商人との日常的な買物でも生じる値段交渉や発展途上国の衛生環境の劣悪さ、衛生環境の悪さに伴う病気の発症等の描写がリアルで、自分がこの地域を歩いて非日常感を味わっているような一体感を感じられた。バックパッカー旅行ルポルタージュの金字塔といわれる理由が分かる本であった。

    12
    投稿日: 2025.04.07
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    沢木耕太郎が、海外放浪経験を記したシリーズの、第4巻です。 「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスで移動する」という(自分なりの)ルールで旅をスタートした、26歳の沢木青年。 香港、バンコクを経由した航空チケットを選んだこともあり、スタート地点のデリーまで、かなりの日数を要します。 そんな沢木も第3巻の最後になってようやく、デリーに到着しました。 立ち寄った土地にしばらく滞在し、人とふれあい、街の空気を味わうという旅を続けてきた沢木。 しかしデリーに着いてからは、目的地であるロンドンに向けて移動することを、意識するようになります。 そんな沢木の、中央アジアから中東にかけての道中が、この第4巻には記されています。 パキスタン、アフガニスタン、そしてイラン。 交通・情報のネットワークが発達した現在でも、日本人の自分には遠くに感じられる、イスラム教徒の国々。 これらの国で沢木が経験した出来事は、足を踏み入れたことがない自分には新鮮に、魅力的に感じられました。 東南アジアで沢木が出会った人々や、経験したこと比較すると、退廃的な人が少ない、規律が守られた土地柄のように、感じられました。 また、ここまでの旅でもたびたび書かれていましたが、宿泊や食事、物の購入において、沢木が値段の交渉をするシーンが多く登場することも、印象に残りました。 ここまできたら最後まで、沢木の旅を見届けたくなりますね。 引き続き第5巻も、Audibleで聴いていこうと思います。  .

    0
    投稿日: 2025.03.24
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    旅を続ける上での筆者の悩みがつづられていく回。 これまで物乞いには一切の恵みも渡さなかったが、同じバスに乗ったヒッピーが自分も他の旅人に残り物をねだるほどお金がないのに、子供になけなしのお金を渡す姿をみて、筆者は自分の旅での目的を見失ってしまう。 人の温かさが伝わってくるエピソードが多かった。

    0
    投稿日: 2025.02.18
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    前巻のインドはとにかく絵が強烈だったが、今巻は作者の心情の揺れ動きにスポットが当たっている気がした。 旅慣れ、あるいは旅疲れもあるのか、途中「人の親切がわずらわしい」とまで言い出してしまって、”おやおや”と言う気持ちで読み進めた。なんだか、先へ先へととにかく進んで、とにかく値切って...と、”もう少しその町を楽しんで!”と切ない気もしたけども、これが長旅を続けるヒッピーのリアルということなのか... 好奇心が摩耗してきて、それでも旅からは抜け出したくない、そんな心のカオスが伝わってきた。 ラマダンのバスの中で、みんなが「勧めあいっこ」して食べ物を18時より前に食べるきっかけを作ろうとしてるところが、ちょっと可愛くて一番印象に残った!

    2
    投稿日: 2025.01.30
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    また面白くなってきた! 中東を日本人がこんなにふらっと横断できた時代があったのかとか(知らないだけで実は今もできるのかもしれないが)、タリバンの名前も出てこないアフガニスタンではこんな穏やかな時間もあったのかとか、中東の現代史を知りたいなと思わされた。

    3
    投稿日: 2024.12.28
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    いよいよデリーを出発し、パキスタン・アフガニスタン・イランへ向かう。テヘランにいる磯崎新(あの建築家の!)夫妻にご馳走になるため先を急ぐ。

    0
    投稿日: 2024.12.14
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    クレイジーなバス旅が熱かった。 乗りたくはないけど…。 値引き交渉について、恥ずかしいこと、はしたないこと、ではなくて、他者との濃密なコミュニケーションだと思えば、楽しめるのかもしれない。

    13
    投稿日: 2024.12.10
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    この巻は本編もいいけど、ラスト数ページの対談がアツい。頭の良い方同士の本気の対話がおもしろくないわけがない。やっぱ沢木耕太郎って相当にクレバーな方なんだなと。

    0
    投稿日: 2024.11.22
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    テヘランに知り合いが来ると言う母からの手紙で、日本語に飢えてた著者がバスに乗ってテヘランを目指す部分の印象が強い。 安いけど不慣れな運転手が運転するバス、それに乗ってテヘランに行こうと思ったのすごいよなぁ…。案の定、ボロ車はすぐ止まるわ、越境するのにトラブルは、ガソリンもなくなるわでよく辿り着いたなって思った。 しかもテヘランついてからもその知り合いが宿泊してるホテルの名前も分からんのによく探し当てたな笑。 ペルシャの時計のとこも面白かった笑 何日もかけて値切るんはすげぇ、私もベトナムのベンタンマーケットでTシャツねぎったけど、私は値切ることに慣れてないから、すぐオッケーしてしまった。札に書いてある半額っていう強気な価格でも、頑張れば達成できるのか、、次行ったらやってみよかな笑

    0
    投稿日: 2024.08.20
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    巻を読み終わる度に、凄まじい環境で旅行していることに感服。孤独と闘いながら旅で自分を見つめ直して行く様子に、我が身が疑似体験しているような錯覚に陷る。アフガニスタンとかイランとかイラクとか、危険なイメージのとこにブチ込んで行く著者がすごいとしか言いようがない。時計の値切りシーンは面白かった。諦めたらアカンを教えてもらいました。

    4
    投稿日: 2024.07.30
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    香港やインドに比べると西に進むにつれて街の混沌さは減ってくるが、心の内は混沌としてきている感。 それでもやはり旅では色々と起きるもんで読んでいで面白くも怖くもある。 食べ物がどれも美味しそうなのもいいなぁ。

    0
    投稿日: 2024.07.28
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    間違えて5を先に読んでしまっていた。無事4も読み終えた。イギリスの青年とのやりとりが印象的だった。親切にしたなら最後まで親切にすればいいのに、と思ったりもしたけれど、それもまた難しいんだよね。青年には何があったのだろうと気になった。 バスのチキンレースも時計屋の交渉も、どこか斜に構えて見ている著者の文章がクセになる。実際に自分が体験したら耐えられないだろうな、すごいなと思うような出来事ばかりで、尊敬が止まらない。

    8
    投稿日: 2024.06.25
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    パキスタン、アフガニスタン、イランを巡る旅。 イランのイスファハンでの、バザールの時計屋との価格交渉が印象的。 既に旅を始めて1年になろうとしていて、旅という長いトンネルに入ってしまったと感じている。トンネルの向こう側にあるものとうまく折り合えることができるのか?感情の揺れ動きが感じられて面白い。

    11
    投稿日: 2024.05.28
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    だらだらと滞在したインド・ネパールから打って変わって移動の面白さが光る西アジア編。 チキンレースを繰り広げるパキスタンの高速バスには爆笑したが、青春初地獄行きバスは特に良かった。イランの警察官が面白く、イッテQやクレイジージャーニーでコーディネーターが大当たりだったときのような充実感。 “親切”について考えすぎてスランプになってしまうのが寄り添って読んでいるとひしひしと伝わってきた。

    1
    投稿日: 2024.04.09
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    テヘランで建築家の磯崎新夫妻と合うんですね。と言うかこの若造(当時)が磯崎新氏と交流が有った事にビビりました。その現地で出会うまでがフィクションのようなノンフィクション。当たり前ですがスマホの無い時代です。手紙と感だけで会えるもんなんですねー、いや、普通は無理だわw 旅っていいなあと思いつつ、こんな貧乏旅行は50歳の私には死にに行くようなもんですのでお断りいたします。読んでるだけで大満足。さあ、次の目的へレッツラゴー!

    8
    投稿日: 2024.04.01
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    若い頃、バックパッカーとなり楽めたなら たった今の自分はどんなだろうかと思いを馳せながら 一緒に旅をしている気分になれる本 ロンドンから来たという、あの病気がちで無愛想だった若者はあのあとどうなったのだろう 連日値段の交渉をした老人との思い出 まるで自分が体験したかのような気分 豊かな気分になれるとはこのことだろう

    0
    投稿日: 2024.03.25
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    今までの旅行記とくらべて熱量が落ちている。長旅で疲れているのが文章からひしひしと伝わってくる。それでもおもしろいことに変わりはなくてパキスタンの映画館や高速バスとかカマルの話とか印象に残る話もいくつかある。

    0
    投稿日: 2024.02.22
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    インドから移動してパキスタン、アフガニスタン、イランと移動。イランってペルシャだからアラブとは違うみたいだけど、バリバリのイスラム教。昔は入れたんだな。この70年代はまだ少しは親米だったのかしら。インドから西に移るに連れ、値段が高くなって行くと言うのは面白い。確かにこれがヨーロッパに入ったらお金なくて恐怖だな。パキスタン、アフガニスタンと今でも入れるのかしら。アフガニスタンは無理そうだな。やはり行ける時に行っておくというのは大事なんだな。しかしペルシャは行ってみたい場所だな。巻末の対談は難しかった。

    0
    投稿日: 2024.01.15
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     ペルシア帝国は、アッシリア帝国に次ぐ世界で一番古い帝国なのであるが、ギリシアとの戦争に負けたり、アレクサンドロス大王にあっけなく滅ぼされたこともあって強大な国というイメージはないのだが… この本を読むと旅心が掻き立てられる。それにしても行っていない国が多すぎる。こんなに面白くて肩の凝らない旅行記は他にないと思う。

    28
    投稿日: 2024.01.01
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    ハードカバー版2巻の選択が無かったので文庫版3,4巻として登録。香港マカオ編よりも文章から風土のドライな雰囲気が伝わる。現地の人やバックパッカーとの交流を中心に描かれていて文庫版1,2巻よりも自分好みだった。 カースト制の中でも強く生きる子供達の姿が印象的。

    0
    投稿日: 2023.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    バスについての話が多い。 長距離バスは普通車相手だとぐんぐん抜いていくが、長距離バス同士になるとお互い譲らず、スレスレまでのチキンレースをし、直前にどちらかが譲る。いつ事故になるかヒヤヒヤものだが、実際にぶつかり、ガラスが割れるなどして乗客が怪我をしても、運転手は運転できる限り運転し続け、乗客も各々で手当をし、目的地に着けばそのまま何事も無かったかのように帰っていくらしい。 長距離バスが普通車にぶつかったこともあったが、そのまま無視して運転し、しばらくしたところで運転手が乗客に、あれはどうなっただろうね、と聞くと、後ろで走ってるのが見えるし大丈夫、そのままいっちゃえいっちゃえ、と乗客達が言う。 後ろで走っているのは色が同じなだけの違う車かもしれないのに。そうゆう風に、交通事故に関しては杜撰というのが印象的だった。

    4
    投稿日: 2023.11.01
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    インドからパキスタンへ パキスタンからアフガニスタンへと 一気に旅が進んでいく 深夜特急シリーズ第4弾_ 猛スピードの中 道路の真ん中を グイグイと長距離バスが進んでいく 対向車と肝試しのようなキチンレースを展開し ハラハラドキドキさせられた!! 日本とは全く違う 世界の価値観や社会のあり方に シリーズを追いかけるごとに私も影響されていく いま私が善や悪と感じていることも 豊かだと感じていることも 世界へ飛び出せば それが曖昧になり 覆えされっぱなしなんだろうな… でもそれは名所を巡る旅では 得られるわけではなく… 現地で暮らす方との出会いを通して 身に沁みることなのかもしれない… 旅をすることは 人生の財産ですね!! 私も時間が許すかぎり 旅をする人生でありたいな_

    1
    投稿日: 2023.09.27
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    どの国の人とも、言葉が十分に通じていないのに意思疎通ができてしまっているのが面白い。コミュニケーションに占める言葉の割合は実はごくわずかなのかもしれないと実感する。そしてそれはたぶんこの人だからできるのでもなくて、自分も本気で意思疎通しようと試みたら案外できるものかもしれないと思わされる。 旅については、だんだん煮詰まって視点や思考が本質に近づいてきている感じがあっていよいよ面白い。

    0
    投稿日: 2023.09.09
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    パキスタンの乗合バスは対抗車とぶつかっても気にせず猛スピードでかっ飛ばす。もしかしたら死ぬかもしれないのに、バスを乗り継ぎ旅は続くのだ。 もう真っ当な生活には戻れないかもしれないという不穏な空気を残したシルクロード編でした。

    10
    投稿日: 2023.08.19
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    この4巻には正直あまり期待していなかった。というのもインド以西の国のイメージがあまり湧かないからだ。しかし読み終えてみたら読み応えがあって充実感があった。端的に言うと威厳と壮大なスケール感があった。この巻ではインドからパキスタン、アフガニスタン、イランと場所が変わるが、3巻のインドのカオス、ダイナミズム、躍動とまた異なった空気感がある。パキスタンのイスラマバードからアフガニスタンのカブールに向かう最中の大自然のスケール感、イランのモスクでの礼拝、これらは文面からありありと情景が思い浮かぶ。それから旅先で出逢う人が今作はかなり多く、しかも一人一人の個性が強いように感じた。(異なる文化圏を横断しているのもあるし、この地続きのシルクロードを欧州からやってくる人間もいるので多様性が交錯するのだろう。)そこから思った事、気付かされる事などがあった。このシリーズを読んでいるといかに自分が狭い環境の中にいるのかと思わされる。もちろん、それぞれの現地の人間はそれはそれで私と同じように生きているのかも知れないが、全体を俯瞰すると世界は多様でカラフルだと思えてしまう。安定して毎日同じ事の繰り返しがいかにありがたいかと言うことと、その反面でこの日常から飛び出して冒険したいなと食指を動かされてしまうところがこの本の魅力だ。

    0
    投稿日: 2023.07.28
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    アフガニスタンとイランの国境から凄まじいバスの長旅でテヘランへ テヘランからシーラズ、イスファンへ 今回は心身ともに疲れが溜まっている様で、淋しさや恋しくなるシーンが増え、温度も下がり気味 印象的なのは、 今まで以上に日本語や活字が恋しくなり、出逢った日本人に本を貰うシーン たまたま知り合った者同士7、8人の日本人がいるヒッピー宿に毎日通い詰めるシーン 大都会のテヘランで公衆電話の中で笑いながら話をする人達を見て、淋しく思うシーン 何としても日本人夫婦に会いたいと頑張ってテヘランへ向かうシーン 何の為に旅行をしているのか? 楽しむ為に旅行をしているのに、お金が無いという現実 物乞いに対する今までの自分の考えと向き合う そして旅というトンネルの向こうにあるものと、上手く折り合う事ができるのであろうか、と不安が忍び寄ります

    35
    投稿日: 2023.07.19
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    1番好き。イスタンブールで街の熱にまた触れた沢木耕太郎。熊使いを出し抜いて逃げるシーンとかイランを抜けてみた街の夜景に感動するシーンは良かった

    0
    投稿日: 2023.06.24
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    シルクロードまで進んで旅にも慣れ、そんな著者が長い旅の中で体験した物乞いへお金を恵むことについてのエピソードが、私にはすごく刺さりました。 ロッテルダム出身のヒッピーは、落ちたクラッカーのかけらを拾って食べるような、貧乏旅行者ではあったけど、物乞いの子供に持ち金を恵む豊かな心を持っている。 一方、物乞いに対して、もっともらしい理由づけをしてお金を恵むことをしなかった著者はここで、自分はただのケチなんだ、と思えた。 私、この場面が、深夜特急全巻通して一番刺さったところです。 殺伐としたただ赤い岩土が続くカイバル峠、行ったことはないけれど、そこに沈む夕陽の情景が目に浮かんで泣きそうになります。

    5
    投稿日: 2023.06.06
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    初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。 私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。 高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。 広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。

    1
    投稿日: 2023.05.13
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    何度も何度もバスに向かって走ってくる犬に思いがけず涙してしまうシーン、意気揚々と始めたはずのこの旅の意味に、疑問を感じながらも前に進む主人公の心の葛藤を表しているような気がしました。シルクロード編、1から3とはまた違った面白さを感じました。

    0
    投稿日: 2023.04.25
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    深夜特急3.沢木耕太郎 激動のインドからパキスタン、アフカンを経てイランへの道筋。移動の描写が多かった、テヘランへのヒッピーバスの記述からは退廃性と仲間意識をはらんだ彼らの特性を感じることができた。筆者もその一員として過ごしながらイランでは旅の終わりに思いを馳せる

    0
    投稿日: 2022.11.12
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    文庫版「深夜特急」の第4集は、インドを出て、パキスタン、アフガニスタン、イランへの移動の旅である。第1集の香港・マカオで旅に熱中し、第2集の東南アジアでは淡々と旅を続け、第3集のインド・ネパール、特にインドで熱中の旅を取り戻した「深夜特急」であるが、この第4集では、再び、どちらかと言えば、淡々と移動する旅に戻っている。磯崎ご夫妻と会って会食する話、あるいは、イスハファンのバザールで、懐中時計を粘って価格交渉して買う話など、個々のエピソードには面白いものが多いが、香港やマカオでの熱狂ぶりと比べると、温度が低い。 沢木耕太郎は、相変わらずの貧乏旅行を続けているが、その貧乏旅行に対しての私自身の感じ方も、昔「深夜特急」を読んだ時と変わってきている。最初に読んだ30年くらい前の時には、このような貧乏旅行こそが旅の本質(とまでは言わないが、それに近い感覚)と感じていたが、今はそこに旅の本質はないと感じる。 旅に何を求めるかは旅をする一人一人によって異なるはずだ。私であれば、それは、「経験したことのないことを経験する」ことだ。見たことのないものを見るでも良いし、食べたことのないものを食べるでも何でも良い。そういう旅をするには、「一人旅」の方がやりやすいとは思うが、「貧乏旅行」である必要はないと思う。ただ、「貧乏旅行ではダメ」ということではもちろんない。 旅に求めるもの、それを実現するための旅のスタイル、は人それぞれであるべきだと思うから。

    11
    投稿日: 2022.10.13
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    旅の最初の頃と比べると人に対して淡白になってきているような気がした。そのような心情の変化も含めて面白いという事かな。

    0
    投稿日: 2022.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    パキスタン、アフガニスタン、イラン。 どこも私には未知の世界。 この3国だとイランが一番発達してそうだった。

    0
    投稿日: 2022.05.11
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    いやしかし、疾走感と悲哀に満ちた本だ 人との出会い、どちらも一緒たか、取り分け別れ、とはどのようにするべきかな、なんて思った 近づき過ぎても、離れすぎても困るし アドレス交換しても、お互い連絡する事は無いと思いながら、それでも、その時、同じ時間を共有してする時の為に、こころの距離を近づける為にアドレスは必要みたい 寂しさと、愛おしさを感じる   今の私からしたら、イランやアフガニスタンなど行く事すらためらってしまう イランを横断する手段として、あんなバスがあるのだなあ 若いうちは若者らしく、年を取ったら年寄りらしく 簡単なようで難しく、歳に争いたくなる 第三次世界大戦の前兆になるやもしれぬ現在 世界は刻々とうごめき、私達もその濁流に飲まれかねない近い未来 世界を、そして歴史を学び、未来を見定めなければ、出る足が鈍り、ついには時代の渦に飲み込まれてしまう。 もう今からこんな旅ができる機会はそうそう来ないけと、この本からすこしでも世界の一端を垣間見る事が出来て感謝してしまう。 度の疑似体験をさせてもらう事で私が少しでも大きく成長出来てる気がして、読んでいて嬉しく思う 彼とイランの商人との値切り合戦一つをとっても、妥協に対する考え方を見直してしまった 簡単に妥協してはいけないよな、如何なる時も 狂おしい程に過ぎ去って行くペルシャの風が、私にも吹いている気がしてどうにも私も行ってみたくなる 後悔先に立たず 毎日一生懸命に生きる事 それが正解 ありがとー!

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    投稿日: 2022.04.09
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    アフガニスタンなどの中東の国々の人にはなんとなく攻撃的なイメージを持ってしまっていたけど、偏見を持つのは良くないなと思った いつか自由に行き来できるようになるといいな

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    投稿日: 2022.02.19
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    パキスタンからイランへ。ヒッピー宿に泊まり、彼らと見まごうまでに旅の者になりきった。行きつ戻りつの旅。旅を終えた生活に適応できるか心配になってきた。2022.1.15

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    投稿日: 2022.01.15
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    旅はインドを抜け、アフガニスタンを超えてイランへ。 印象的だったのはカブールでホテルを経営する21歳のマネージャー。経営なんて綺麗なものじゃない、商売道具の英語は読めない・書けないが耳で覚えて話すことができる、若くからただ働く選択肢しか無かったから、「金がない」とのたまうヒッピーを軽蔑している。 旅とは果たして、そこにある現実を理解するために行くものか、それとも、自分の中にある夢を探しに行くものか。

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    投稿日: 2022.01.06
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    タイのあたりでも列車に乗る時の描写が活き活きしていたが、パキスタンは街の描写の何倍も移動のバスについて鮮やかに描写されていた。 インドから出るにはそれだけの気力が必要で、よって移動にパワーが漲っていた、のかな? 巻末の今福龍太との対談は気になるテーマが多くて興味深かった。 人類学、ノンフィクション、フィクションの垣根が曖昧になってきたことと、世の中のfact、言葉、理解に対する姿勢、どちらも同じ課題に直面しているのではないか。 自分の社会的政治的位置を非日常のボランティア活動等を通じてしか感じられない近代都市の特有の「貧しさ」。 何かを理解したと思い込んでいるが故に時間の流れとともに「腐って」行く文章と、意気込みや弁えが芯に残っている文章。

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    投稿日: 2021.12.28
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    あらすじ ノンフィクション作家である沢木耕太郎による紀行小説です。 1986年に1便が新潮社から刊行され、新潮文庫からは全6冊の文庫本として出版されています。 感想 時間があればこんな旅が出来るんだなって感じ。

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    投稿日: 2021.12.09
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    前回は思わぬ終わり方をしたけど、ページをめくれば著者がケロッとしてくれていて安心した笑 気楽なようでやっぱり前途多難な旅だけど、それと反比例して著者の人間が丸くなっていくのが良い。(元々丸い方だとは思うが…) 「シルクロード」ー 何度聞いてもそのエキゾチックな響きにうっとりしてしまう。そんなオリエンタルな感傷(⁉︎)に浸っていたらバス同士のチキンレースで旅の幕が上がった。その後もパキスタンでは爆弾魔に誤認されたりとアクション映画に出てきそうな踏んだり蹴ったりが続く笑(←冷静に考えると笑えないが…) 今の旅人はバスでシルクロードを横断する。でも窓から見える景色は異国情緒に溢れ、世界史の授業で学んだままの世界が生き続けている。著者が空路よりも地表を這うような手段を選ぶ理由が本当の意味で、ようやく、分かりかけてきた。(検疫の役人が旅人の私物を欲しがる事だって何世紀も変わっていないのでは?笑) 現代のキャラバンとでも言うのだろうか。乗客一行はまさに運命共同体といった感じで仲良くバスに揺られ、時には運転手の都合に振り回される。どうやら今回のW主人公は著者と「青春発墓場行き」っぽい。(バスの「名付け親」に拍手!) 日本語が恋しくなるからと、会った日本人と手持ちの本を交換するという著者の習慣は自分も真似したい。著者が言うように、本が人の手を渡ってシルクロードをめぐりめぐる絵を思い描くと、やっぱり旅と本は切り離せないと強く頷いてしまう。 次回はトルコ・ギリシャ・地中海と、いよいよヨーロッパに踏み込む。今まではアジア色が強かったから、きっとここで空気がガラリと変わるんだろうな。そして次の”Something Happens”が何なのか密かに期待している自分がいる笑

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    投稿日: 2021.12.02
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    移動ではなく、旅がしたい 地点から地点へ 移動するのではなく ここへ と決めた目的地への道のり その旅路全てがひとつづきの道になるような旅がしたい 少し長い期間をかけて 1ヶ所にせめて1週間くらい それこそ1ヶ月とかかけて その地の人々の生活をのぞいてみなければ 見えてこないものは多い ましてや、現地の人だって やっては去っていくだけの観光客に 自分たちの内なるものを見せてくれるわけはないし それを切り取るようにひょいっと見せてもらって わかった気になろうなんていうのも 違うなとも、思うし 〝旅を続けていくうちに 終わることができなくなっていくのではないか 旅の終わりから また始まる、真っ当な生活、と折り合いをつけることができなくなる感覚〟 すごくわかる気がする…… ハシシを吸うヒッピーたち 異国の地で、年端もいかない少女たちを コーラ一杯分ほどの金額で買う人々… そんな 快楽の先にはなにがあるのだろう なぜそこまでして人は快楽を求めるのか 旅先ですら、貪欲に快楽を求めるその快楽の先には なにがあるんだろう… 人道的にどうなの とか、そういうことを言いたいわけではなくて 買われなければ、その少女は その日食べることもできないかもしれないのだから いまの現状では そういうふうに回っている世界があることもことも事実で そういう環境で育ったこともない自分が それについての是非を問うつもりもないけれど やっぱり、何か間違っているのではと思うし なにか変わってほしい 変えていかなくてはいけないことなのだということは事実だとおもう…

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    投稿日: 2021.11.10
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    ピンとこない巻。旅という長いトンネルを意識したとき、確かに不安になると思う。トンネルを越えた先に何があるのか、何をやってるのか。ある意味現実逃避が終わった時が一番怖い。

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    投稿日: 2021.08.17
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    旅が長くなってきた頃の心情変化の描写が見事。 以下、印象的な1文。 『若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ。』 時の流れに抗うことなく、ありのままに生きることが自然で良い。

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    投稿日: 2021.07.18
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    イランやアフガニスタンをバスで横断した筆者の記録。一期一会の旅行者やスタッフ、物売りとの会話などが印象深い。 現地についてから飛び入りで宿を探す・日本人の旅人どうしで本を交換する・大使館にメッセージを残すなどネットやスマホがない時代だからこそのユニークな文化を垣間見ることができた。今の旅行はスマホがあるから全部自分で完結する。便利で快適(詐欺とかに引っかかる可能性も低いし)だが、面白味に欠けるかもなと思う。 また筆者が横断したアフガニスタンやイランは、政情不安、そしてなによりもコロナで行くのが難しい。その過程で筆者が感じた活気や風土が失われてしまった地域がたくさんあるのだろうなと思うととても惜しい。旅は行けるうちに行くのが正解だな〜

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    投稿日: 2021.07.17
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    中学校の時に読んだ本を、思い立って読み返してみた。 大学時代以降、バックパック旅行にハマってあちこちに行っていたため、作中に出てくるイランの主要都市はほとんど行ったことがある(メシェッド、シーラズ、イスファアン) 作者がシルクロードを旅したのは今から40年前。本の中に書かれている世界を見ると、変わらないもの、大きく変わったものの両方が見えて面白い。 ・変わったなと感じるもの パキスタンやアフガニスタンは、今はどう頑張っても当時のように旅するのが難しいので、作者の通り過ぎた旅路がなんとも贅沢なものに感じられる。カイバル峠をバスで通ったり、カブールの市場を冷やかしたり、バーミヤンの遺跡を眺めたりできる日がまた来てほしい。 アフガニスタンは悪い方へ変わってしまったが、 インド、パキスタン、イランは、40年前に較べたら格段に豊かになっている。 インドには行ったことがないが、インド人と国際電話やメールを使って仕事をすることはあるので、ムンバイの発展具合はなんとなく知っている。ボリウッドの映画や、IT面でのインドの大躍進を知っているので、筆者の見たインド世界と今のインド世界は全然違うんだよなと感慨深い。 パキスタンは、簡単にはいけない国ではあるが、一年間留学した友人、旅行した友人を知っているのでどんな感じなのか話に聞いている。 40年といえば、ちょうど、ファクトフルネスの作者が「世界は格段に良くなっている」とデータを上げて証明した期間に一致している。 ファクトフルネスでは、世界の貧富ランクを1ヶ月の所得で4段階に分けて付けている。この40年はちょうど、多くのLV2の国がLV3,LV4へと成長し豊かな生活を享受するようになった期間である、というの。 深夜特急の世界と私の見聞きした世界を比べるとそれがすごく実感できる。 作者はテヘランで、公衆電話がたくさんあること、そこで生き生きと話す若者がたくさんいたことに衝撃を受けていた。 しかし今や、インド、イランは言うまでもなくパキスタンにも携帯電話とインターネットが普及している。   イランの田舎町に行っても物乞いに囲まれることはないし…インドはその点相変わらずだけど… そしてパキスタンはテロの危険が格段に増してしまったけど… 作者がイランに行った時、現地の学生が「僕にはパフレビーネットワークが無いから出世できないね」って言ってたのびっくりした。そうか、この時はまだホメイニ師によるイラン・イスラム革命前の時代なのか! 今ではイランはシーア派によるイスラム国家なので、旅行者でも女性はスカーフが要る。イランの熱い日差しを思うとスカーフは良い熱中症対策になって良かったが、それでも強制されたものだと思うと、ここで生きるのはしんどいだろうなと旅をした時に思った。 ただし、イスラム規範によるルール付けも悪いことばかりではない。メシェッドに行った時、思い立って市民プールへ行った。宿の親父がプールまで乗せていってくれたところまでは良かったのだが、その後プールに一緒に入ろうと言って来た。それまでのやりとりから、親父は助平な奴だとわかっていたので正直かなり嫌だったのだが、そこで係員が一言。「中は完全に男女で分かれてるぜ」 宿の親父は「イラン革命が起きたこの方、世の中は悪くなるばかりだ」と英語で嘆いたが、私は助かったとアッラーに感謝した。 男女で空間が分かれていること、ヒジャブやブルカを着ることは、一方ではハラスメントから身を守り、容姿を品評されないという尊厳に繋がる。 しかしそれが一歩間違えは隔離と抑圧に繋がる…諸刃の剣 良くなった点、悪くなった点、いずれにしても40年という時間は長い インターネットのない時代の旅なので、旅に必要な情報があまりにも少ない。 宿は飛び込みで予約、有名なバックパッカー宿は口コミで広がっていく、というのは面白くもスリリング。 旅先の名所旧跡の情報を調べられないのも勿体ないよなと思う。 もちろん、現地に行って、現地の人に教えてもらったところに行くというのも乙なものだが、せっかく遥か遠くまで旅をするのだから、その場所の歴史や文化や地形や宗教やらを全部味わい尽くし学びたい…というのが旅人としての人情なので、現代にインターネットがあってよかったなとしみじみ思った。 ・変わらないもの 作者が見たイスファハンの光景、特に王の広場の風景は今と全然変わっていない。かつて世界の半分だった歴史を伝える街。古の記憶と美にまどろむ様な街…世界遺産に登録されたから変にさわれないというのもあるのかもしれないが…。 シルクロードに生きる人の信仰、砂漠と岩肌の織りなす自然の美、そういうのは40年たっても変わらぬ素晴らしさ、旅の醍醐味として変わらずあると思う。

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    投稿日: 2021.06.14
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    バスでの情景が多かったようにおもう。 旅を続けると曖昧になっていく感覚、人の親切を食ってしまう感覚。 自分が主人公と同じ立場になって旅をしてみても楽しめる自信がない。 全てを噛み締める間もなく時間が流れていきそう。 でもだからこそそんな旅をしている人を想像して自分とは違う感覚を感じられるからなんだかんだ読んでしまう。 やっぱり最後の対談がいつも面白い。 今回は今福龍太さん。 理解できたと思ったようなことはみんな腐っていく。わかったようなことは言わない。

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    投稿日: 2021.05.01
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    インドからパキスタン、イラクへとバスの旅が続く。 前半の香港、マカオ、マレーシアに比べると街散策が淡白になっている様に感じる。それともこの旅行記に慣れて来たのか、デリーからロンドンへ当初の目的地にやっと到着した為か、急ぎ足で中東の旅が進む。

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    投稿日: 2021.03.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・アフガニスタンの風景はこころに沁み入るようだった。とりわけ、ジャララバードからカブールまでの景観は、「絹の道」の中でも有数のものなのではないかと思えるほど美しいものだった。鋭く切り立った崖が、果てしない壁のように続く奇勝。やがてそこを脱すると澄んだ水が流れる谷間の河に遭遇する。さらに上流に向かって進んでいくと、透明な水をたたえた湖がある。東南アジアからインドにかけての泥のような水しか見られなかった眼には、動悸が激しくなるほどの新鮮さがあった。  駱駝をひき連れた遊牧の民が落日を浴びながらゆったりと砂漠を横切っていく。あるいは砂塵にまみれ、薄汚れた灰色になってしまった遊牧民の包が、二十近くも砂漠の一カ所に固まって張られ、その間から夕餉の支度なのだろう白い煙が幾筋も立ち昇っている。たったひとりで西方のメッカに向かい、一日の最後の祈りを捧げている老人の姿もあった。山を上り、下り、また絶壁を通り過ぎ、ふとバスの後部のガラス窓から今まで走り過ぎてきた辺りを振り返ると、そこには赤く夕陽に色づいた山々に囲まれた平原と、その中を微かに蛇行しながらキラキラと光を放って流れている河があり、思わず息を呑んでしまう。その気配に誘われるようにして、他の乗客も後を振り返り、私と同じように息を呑む。まさに暮れようとしている薄紫色の世界の神秘的な美しさに、乗客はみな茫然と眺めているばかりだ。  夕陽を隠す西の山と、その光を受ける東の山と、それらに囲まれた一台のバス。この広大な砂漠に在るのはただそれだけだった……。n655 →NHKの映像とともに流れてくるナレーションみたい。綺麗な日本語。こんな景色見てみたいし、こんな風に描写してみたい。何気ない風景の方が出来そうな気がする。

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    投稿日: 2021.03.18
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    過去3冊に比べて、人との関わりが少し希薄だった気がする。 個人的に、奇妙なバスでの長旅の部分は興味をそそられたが、それ以外の部分はなんだかただ通り過ぎた感じが強かった気がする。

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    投稿日: 2021.03.18
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    パキスタンの長距離バス運転が印象的。常にチキンレース。ど真ん中を突っ走り、相手が避けるまで突っ走る。仮に事故っても乗客もおおらかでいる感じ。このシルクロード篇に限らないけど、世の中の一般常識というのは、なんて、限られた世界、限られた時代のつくられた偶像にすぎないものなんだろうかと常に感じさせてくれる。狭い世界観にとじこもって鬱々とするときはあるけれど、そんなときは、この本を読んで、視点を世界に、時代も超えることで、つまらないことにくよくよするのがバカバカしくなるような、そんな痛快さがある。

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    投稿日: 2021.01.31
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    シルクロード、バックパッカーでは旅行しづらくなった地域。今考えれば、あの時代はいい時代であったと思う。

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    投稿日: 2020.12.11
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    イギリスの名も知らない若者が、ほかのヒッピーが冷たく物乞いを追い払う中、温かい姿勢で自身の僅かな所持金を分け与えていた場面に作者同様考えさせられるものがあった。

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    投稿日: 2020.11.09
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    沢木耕太郎『深夜特急4 シルクロード』新潮文庫。 第4巻。インドのデリーからロンドンまで乗り合いバスでの移動を主題に旅を続ける著者はいよいよパキスタン、アフガニスタン、そして、イランへ。 長い旅に馴れ、無為に時間を費やす著者はそれでも旅のゴールを目指し、前に進む。日常と違う時間を過ごすのが旅の醍醐味であり、旅の時間は様々なしがらみから解放してくれる。自由を満喫するのが旅なのか……しかし、馴れ過ぎると再び日常に戻れるのかという不安が沸いてくるのだ。 パキスタンの長距離バスの無謀な運転の描写を読み、中国人ドライバーの運転の荒さを思い出した。走っている車より違法駐車している車の方が多いのではと思う中国の道路。違法駐車で狭くなった道路は朝晩は渋滞して当たり前で、中国人ドライバーはクラクションを鳴らしまくり、隙あらば歩道を走ってでも前に行こうとする。そうしたことも含め、海外の旅は面白い。 巻末に今福龍太との対談『終わりなき旅の途中で』と『あの旅をめぐるエッセイⅣ』を収録。 本体価格550円 ★★★★★

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    投稿日: 2020.08.04