
総合評価
(154件)| 24 | ||
| 54 | ||
| 55 | ||
| 5 | ||
| 2 |
powered by ブクログ好きだなー 小説を書く予定はないけど、もし小説家になるとしたらこんな小説が書きたいと思う。 不倫が多すぎる気はするが。
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ【2025年127冊目】 亡き妻の愛人と共に住む男、碌でもない父親を名前で呼ぶ息子、どこか距離のある母娘、運のない男、互いにマイペースな嫁姑、添い遂げられない男女、訳ありの恋愛を見つめる友人、占い師になった男、雨を切り取る女、二人の女に挟まれる男、死んだ女の回想。人に歴史と事情あり――とある町に住む人々の関係性と人生を描いた連作短編集。 物語は一人称で進み、登場人物たちは自らもしくは他人の数奇な人生について語ります。人の数だけ人生があって、当人にとっては平凡で平均でも、他人から見ると普通ではないと言えることばかりなような気がします。 振り返るように語られる物語は、不思議と溶け込むように頭に入ってきますし、連作短編集なので区切りもつけて読みやすいです。ある話で出てきた名前の人が、違うところで主人公だったりして。町は、見えていないだけで、そういった人々の集合体で成り立っているんでしょう。 そもそも文章が大変読みやすい作家さんなので、するする読めるのも魅力的。他の作品のほうが話としては好きなものが多いですが、十分楽しめました。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログある商店街に根差した、生活と記憶の連作短編集。淡々として、想像を膨らませたほどの劇的な変化などなく、ちょっと退屈で、けれど気づけば夢中になっている。一冊まるごと人生のようだと思った。どの短編も愛や希望で飾り付けされることなく、主人公になれば生活の内側が、脇役になれば外側がさらさらと描かれていく。最後の『ゆるく巻くかたつむりの殻』まで読むことで、個々の話が「短編集」としてひとまとまりになっていく感じがした。 自分のなかにある誰かの姿が、ふと生々しく蘇る瞬間。生きている、と信じきってしまう。あのひとは今もあの頃の姿のまま。
1投稿日: 2025.09.11
powered by ブクログある小さな商店街にすむ人たちの日々。 ただ誰かと知り合うだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決め続けてきたのだ。 幸せになったり、不幸せになったり。 生きている限り、新しいことは起こる。
9投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログある小さな町の商店街を舞台にした連作短編集。 平凡といえば平凡と言えるかもしれないが、そこには、現実的で、不揃いで、決して格好の良いものでもないリアルな人生がある。豊かさなのか、不幸なのか。
0投稿日: 2025.03.25
powered by ブクログ1つの町を中心に語られる遠いどこかで繋がっている人たちの物語。誰もが誰かの脇役であり、各々に背景があるのだ。きっと予想さえつかない未来に向かって、理想を掲げて今を生きるしかないのだと思う。この本を読んだ後、何かにもがいた人しか得られない、辿り着かない境地があるのではと思った。 時間とともに、何かを決めようと思わなくとも決めさせられている。そういった集まりが人生なのだろう。
1投稿日: 2025.03.16
powered by ブクログ子どもを産んでから、「私が可愛がってもらった曽祖母や祖母と、この子が会うことはないんだな」とふと思い、じゃあ私(や私と同世代のいとこたち)が死んだ時点で、曽祖母や祖母を知ってる人っていなくなるんだ!!とはたと気づくことがあった。 曽祖母から見れば私の子どもはたった4世代しか離れてなくて、なのにほんの数年前まで生きていた曽祖母を、私の娘は全く知らないし、知ることはないのだ!! 私には曽祖母や祖母との思い出がこんなにあるにも関わらず、私が死んだらもう誰も彼女たちのことを知る人は誰もいなくなるのだ。 人生ってなんてあっけないんだろう、歴史に名を残さない大多数の人々は、こうやってあっけなく忘れられるのだ。 そんなことを考えていた私の心を、最終章は少しだけ慰めてくれた。 私が死んでも、私の娘は私を知っているから、私はまだ死なない。そして私が死なない限り、私の曽祖母や祖母、両親たちも死なないのだ。 そしていつか娘が亡くなる日が来ても、娘の次の世代の子たちが娘を知っていてくれる限り、私も曽祖母も祖母も両親も死なないのだ。 人生のあっけなさが少し和らいだようで、眠れない夜にホットミルクを飲んで、ようやく眠気が訪れたように、少しほっとすることができた。 川上弘美さんの文章が大好き。
0投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ川上弘美さんは比喩の効いた文章が最高なんだ!と知人に勧められ 本棚に眠っていたのを 再読。 短編小説だよねーと 読み進めて いや ちょっと待って。商店街の店 それぞれの話、その街の人々の話、緩く繋がってた。「好きな人が死ぬと、すこし自分も死ぬのよ」最後のほうに出てきたこのセリフ ジーンときた。全編 謎めいて それでいて 哀しみあって けど ふわっとする。いい読書 しました。
6投稿日: 2024.03.24
powered by ブクログ「町の名のついた手打ちうどん」(p.128) って M うどん? どこにでもありそうなほど、街の景色顔ぶれが目に浮かぶ。それは住まいが都下だからかもしれないが。アップらしいアップがあるわけでもないし、ダウンらしいダウンがあるわけでもない。でも、平凡な日常なんて大概はそんなものだろうけど。
0投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログはじめて読む川上弘美さんの小説。少し気を抜くと、ホロホロと溶けていきそうな文章。 それなのに、登場人物達は自由でヒョウヒョウと好きな場所目指して動いて行ってしまうから読んでいて不思議だった。居ないけど居そうな登場人物達。川上弘美さんは人間をよく観察しているんじゃないかな?と思った。 この小説の空気感は理解するとか共感するってことではないんだろうなー。時々ふした時に思い出しそうな短編集だった。
0投稿日: 2023.10.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これはタイトルが猛烈に好きで中身も知らずに買った本。東京のどこかの町の、商店街を中心とした11の連作短編集だった。読む前から絶対に好きだと分かっていたけれど、最後まで読んでみてやはり大好きだった。 ただ続いていく日常と積み重なっていく過去。この町で働く人、買い物に訪れる人、住居としている人。主人公が代わっていっても一様に温度の低さが心地よく、誰も無理をしていないように見える。 この町の人々は、自分の心と孤独に向き合い、隣人に心をさらけ出したり隠してみたり、付かず離れず生きている。どこにでもいそうだけれどここにしかない、はかない繋がりがあって、それがどうしようもなく心を惹きつける。 特に忘れられないのは「長い夜の紅茶」。姑の弥生さんの一言一言にドキッとさせられる。男にも家にも、どこにも縛られていない彼女の自由な瞳を見てみたい。どんな眼をしているんだろうとふと思うのだ。きっと眼がすべてを語っているんじゃないだろうか。 女の友情を超えた関係性が生まれる「貝殻のある飾り窓」も切なくて好きだった。 共感できることはほとんど無いのに、この本に出てくる人たちのことを、誰一人嫌いになれない。どれもこれも、分かりそうで分からない。人間の魅力ってそこにあるのかもしれないと思えてくる。
0投稿日: 2023.01.10
powered by ブクログ近所ですれ違う、名前も話したこともない人たちの人生や考え方の想像が膨らむ。「あけみ」に最も感情移入した。
0投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログある街に住む10人くらいの人の日常や人生について書かれた短編小説。 他人のプライベートを覗き見している感じで面白いなって思う。特に恋愛とかエッチとかの話がね。 角田光代が影響を受けたとと言っていつしかの取材で紹介していた小説家っていうことで読んでみた小説だけど、さすがに角田光代のおすすめだねって思った。作風が少し似ているなって。
0投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ都心から地下鉄で20分程のある街。魚屋の魚春には、かたつむりの殻のように増築された3階がある。魚春には、母屋に暮らす平蔵と、増築された部屋に住む源二が不思議な同居生活を送っていた。 基本的にそれぞれの短編でなされつつ、年も世代も少しずつずれながら、少しずつ重なっている11作。それぞれの人や家族の生活を覗き見するような、掌編である。 魚春、学習塾、居酒屋など、わかりやすい重なりで前半は進むものの、中盤から重なってるんだか重なっていないんだか、しかもいるんか?という言うのも少しあり、中だるみが生じている。後半の作ではまた重なる部分を意識できるような作風となるため、終盤ではそういえばそういう人たちいたよな、と思い出す。 川上弘美の作風では有るが、投げっぱなし、会話を置きっぱなしという書き方は気になるものの、『蛇を踏む』よりは柔らかい文章ではまる人も多いかと思う。 恋愛に注目する部分も多いものの、その裏という意味なのか、全体に漂う死の雰囲気は、全体の退廃感を醸し出している。 ああ、これが言いたかったんだろうなという部分は、暗喩でもなんでもなく直球で表現されているので、特に考え込むような部分はないし、文章も柔らかめで読みやすい一冊であるものの、決め手に欠ける。 好きな人は好きだが、はまれなかった人は全然だめという一冊でも有る。
0投稿日: 2021.12.20
powered by ブクログタイトルが素敵。 短編集だが それぞれの話が繋がっている作品。 何かが分かりそうで、 最後まで何も分からなかった。 そこが良かったけれど。
0投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ住んでた町の商店街の居酒屋、軽食屋、魚屋の回想。最後の章では、えっそうきたか、それも面白い締めくくり。
1投稿日: 2021.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
タイトルにひかれて手に取りましたが、どうも、想像していたのと違いました。 とてもざっくり言ってしまうと、明るい日常の裏にある、暗いもの、が、テーマの短編集という印象でした。語り手も内容も全部違うのですが、わずかにつながり、ある下町の商店街に関わりながら、進んでいます。 何か結論を出そうというのでなく、一人一人のささやかな物語という感じです。あまり悩まないタイプの私にはわからない心情が結構あって、モヤっとしてしまいました。勉強にはなったかな…?
0投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログ川上弘美って、 どうしてこうも怖いのだろう。 以前からそうなのだが、 年々その怖さが増していき、 先に読んでいた『森へ行きましょう』に真骨頂を見ていたが、 この作品で既にその片鱗が明確に現れていたか。 ふわっと夢のようでありながら、 生々しさと毒があって、 そのくせ冷たいくらいに俯瞰している視線がある。 それはグロテスクではない静かなものだからこそ、 とても怖く感じる。 確かにどこにでもありそうな町の人間模様に、 少しでも足を踏み入れれば、 そこにはひとりひとりの人生があり、 それは何にも変えられない超個人的なものだ。 その人生達が触れ合って、絡み合い、 通り過ぎて、離れていって、 そうしてまたひとつずつの物語が広がっていく。 始まりからゆっくりと積み重ねられた終わりの展開に、 背筋が凍る。 どうしてこんなに怖いのかと考えてみると、 きっとすべてが平等だからだ。 生きとし生けるものも、 意識も無意識も、 生と死も、 ひとつづきであるという真実を、 川上弘美は言葉にして、物語にしてしまえるから、 とても怖いのだ。
0投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログ最近たまたまなのか、こういった各短編同士の登場人物が第三者的に絡む小説を読むことが多い。川上さんの小説を記録するのはこれで2冊目で、以前読んだ「蛇を踏む」のようなファンタジーではなく、市井の人々のちょっと心の奥底にあるような話が綴られている。登場人物が多いので、また読み直さないと分からないなあと思って読了したら、解説にも「あなたはきっと読み直すことになるだろう」と書かれていて思わず笑ってしまった。爽やかでも、かといって嫌な気持ちになる読後でもなく、ふーん、という感じ。再読はしたいけど時期は未定だな。
1投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログ表紙絵も相まって、雨の日に読みたい一冊。 はかない、ものがなしい人間の側面と、それらがもつ美しさを描いている。関わり合いの中で人は生きていて、少しずつ重なり合ってこの世界はできている。長い夜の紅茶、がおきにいり。
0投稿日: 2021.04.28
powered by ブクログどこにでもある、なんてことない町の風景。それを織りなす人々の、ひとつひとつの人生に歴史があり物語がある。その価値というものは持ち主にしかわかりえないけれど、人生は必ずしもその持ち主だけのものではない。そんなことを客観的に垣間見せてくれるような短編集だった。さして特別な事件は起きないけれど、何気ない言動が波紋のように静かに広がり周囲に影響を与えていく様がリアルだった。
0投稿日: 2021.02.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある商店街の魚屋、そこに少し関わる人たちと、更にその人たちにちょびっと関わる人たちのそれぞれの物語11編。 こういう、ある場所でのさまざまな人のあれこれ的な連作短編が好きだ。 電車で長距離移動すると、見える家々のほぼすべてに人が暮らし、それぞれにそれぞれの時間があることに、うわーって気持ちになるけど、それの規模小さく高解像度で見ている感じ。 商店街で少しだけ関係している人たちにも、当たり前だけどそれぞれに色々なことがあり、他の人が思いもよらないことを経験し、自分が1度も気にしたこともないことを考えながら生きている。 それらを俯瞰的にみることは、通常ない。それぞれ色々なことは事実としてわかっているし、幾つかのエピソードを知っていても、そのときの心情とか細かいところまで考えが及ばない。 しかし、事実として、すべての人にそれぞれ違う色々があり、考えていることはわからない。 川上弘美さんの小説の多くで感じることだけど、この人の本に出てくる人(人以外も)の言葉にドキっとさせられることが多い。 日常の中ではすぐ消えてしまう、そう思ったり感じたことすら忘れてしまうふわふわと曖昧な気分を言葉にしてくれる。 そういう言葉に触れるたびに、言葉にならなかった感触に言葉を与えられた気持ちよさを感じる反面、自分も感じていたそういう感覚を忘れてしまっていて、そのちょっとしたひっかかりとか気づきについて考えたり言葉にしたりすることをやめていることに気づかされ、さぼっているのがばれたみたいな気持ちにもなる。 毎日同じようなことをして、同じようなことを考えているようで、実は微妙にちがうことを感じたり思ったりしている。毎日同じ、とすることで楽になる部分もあるのだろうけど、毎日微妙に違ったり、言葉で分けられない感情や感触を実は毎日味わっている、というか、分けられないその場かぎり、しか実はない。 雑に言葉を当てることで、毎日が同じになってしまう。 そんなようなことを思ったり。 あと、女性の名前がなんだか味わい深い。 佐羽 時江 あけみ 衿子(えりこ) 央子(なかこ)など。
0投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ東京のとある小さな町に住む人々の日常が11人の視点から語られる短編連作。語られる人が語り手になったり、複数の話の中に登場してくる人がいたり、普通の人々の人生が浮き彫りになってくるようで面白かった。しかし平凡とは何だろう?良い事ばかりではなく悲しいこともあったけれど、不幸ではなかった、そんな人生。たとえ死んでも、誰かの記憶の中に残っていてたまに思い返されるゆえに存在する、そんな人生。切なさと暖かさが混在してしんみりじわり…となりました。
0投稿日: 2020.11.24
powered by ブクログ川上弘美 著「どこから行っても遠い町」、2011.9発行。連作短編11話。登場人物が多くて、連作かどうかわからなくなりそうでしたw。メモ取りながら読んだのですが(^-^) テーマは難しかったです。私は、「人は二度死ぬ」がテーマかなと思いました。死んでも、自分を知ってる人、自分を想う人が生きてる限り、自分はまだ生きていると。
0投稿日: 2020.11.13
powered by ブクログ連作短編集とのことで一つの街を舞台に別の視点から語られる11の物語。とても良かった、なんだろうこの哀愁とも似る様で似つかない感覚は。5年前に読んでも響かなかっただろうなあ
0投稿日: 2020.10.04
powered by ブクログどこから行っても遠い、決して近づけない、人と人との絶妙な距離感を、一つの町における人間模様をベースにして描いている。 はじめから終わりまで読んでまたはじめから読みたくなる、解説にあったこの言葉がまさにこの本の、この町をぐるぐるとめぐる味わい深さを表しているように思う。
1投稿日: 2020.08.26
powered by ブクログ平穏な日々にあるあやうさと幸福。ほっこりしながら読み進めていました。 最後から数頁前の一行から、わたしは背筋が伸び、また川上さんの世界に引き込まれるのでした。川上さんのお話は、なんでこうも人生の無常さを表されるのでしょう。 読んだ後は、しばらく切なさマックスだったが、後に希望が見えてくる。青い空の向こうから、真紀さんが微笑んでこちらを見てるような絵が浮かんだ。 生きてることは素晴らしいと訴えてくる。またわたしは心で泣けました。
8投稿日: 2020.05.24
powered by ブクログ息子が持っていた『神様』が著者との出会い。本書も含め、作品のタイトルが気に入って、著者の作品は数冊が積読状態だ。構成は連作短編で、途中から人物相関図を作りながら読み進めた。そうすると、この街(作品)の中心が魚春だと気付く。親と子、男と女、そして他人同士が関わり交わる、あるようでないような世界観が良かった。
0投稿日: 2020.03.23
powered by ブクログ解説にあった、「生きていくということはどうやっても、不安に充ち満ちたものなのです」 という一文がこの短編集を簡潔に言い表している気がした。 そして、自分にとても刺さった。 すっきりしないこと、いろんな人からの言葉、未来への不安を心に抱えながら、年齢を重ねれば重ねるほど、未来からの逆算をしながら生きてしまう。 幼い頃は、もっと目の前のことだけを見て生きていた。目の前のことに夢中になれた。 未来を考えるようになってしまって、いまを大切にできなくなってしまった。 そんなことを考えました。
1投稿日: 2019.09.08
powered by ブクログ何もガムシャラでなくてもいいんじゃないか。 迷ったり、スッキリ解決しきれなかったり、これまでもこれからもいろいろあるよね、生きてれば。 そんなことをぼそっとつぶやいてみたくなる。 不安定さも、もやもやも、あったかみも含めて。 寂しげに思えたタイトルだけど、なんとなく、それも込みのもう少し違った感覚でわかるような気がした。 気に入ったフレーズもいくつか。 ゆるくほっとさせてもらえる作品だった。
0投稿日: 2019.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
都心から私鉄で20分ほどにある小さな町。その町の商店街を舞台にした11の物語は、それぞれがゆる~く繋がりながら、人と人が暮らすなかで起こる、小さな心の動きをさりげなく描く。 何か特別なことが起こるわけでもなく、それぞれの物語の終わりはなんとも中途半端で、だからこそ、わたしたちの日常は、決して物語のように切り取られて完結するものではなく、平凡に続いていくことに思い至る。 前の物語で脇役だった人物が、あとの物語で主人公になるとき、最初に見えていた景色が違う色彩を帯び、立体的になる。最後まで読むとまた、最初に戻って読みたくなるようなそんな配置もgood。解説の松家仁之さんの文章も秀逸。 どの物語もなかなか良かったけど、一番好きなのは「長い夜の紅茶」かな~。なんだか、お姑さんとしみじみ語り合いたくなった。
0投稿日: 2019.03.13
powered by ブクログとある町の連作短篇。重なり合う人物。 例)雪沼とその周辺 雪沼は三人称、これは一人称。語り口や視点が違う。言葉の「手触り」 タイトルからは「つむじ風食堂の夜」を連想 文体が乾いていない。内面からくるぬめり(?)のようなもの 解説を読んで、なるほどー。 「雪沼〜」と異なる読後感はどこから来るのか これまで川上作品に感じた、ゆるやかであわあわとした感覚とは異なる
0投稿日: 2018.10.15
powered by ブクログいつだったか、他の本にかまけて読みきれずに図書館に返してしまった本。 川上弘美の本からは、いつからか死のにおいがする。いや、本当はずっと、そうなのかもしれない。
0投稿日: 2018.06.28
powered by ブクログ読み進めてみると、薄い繋がりで繋がっている短編集で、前に戻って確認しながら読んでいった。実家の魚春を継いだ平蔵さんの物語から始まり最後は亡くなった平蔵さんの奥さんの物語で締めくくられている。平蔵さん家族の縁が薄くって両親、妹の清子ちゃんが次々と逝ってしまう。それでも残された人が思い出す限りいつまでも心の中で生きているんだと思う。
0投稿日: 2018.06.10
powered by ブクログとても好きな空気の連作短編集です。 どこから行っても遠いけれど、この町も世界のどこかにありそうな気がします。 どのお話もゆるゆると素敵なのですが、「長い夜の紅茶」がとても好みだと気が付きました。 弥生さんをすっかりもたいまさこさんに脳内変換して読みましたが、楽しかったです。このような楽しみ方もあるのだな。 そして、この本の物語の最後の一文が好きでした。 捨てたものではなかったです、あたしの人生。 わたしも自分の人生の終わりに、こう言えるように生きていこうと思います。
1投稿日: 2018.04.26
powered by ブクログ町というのは、人と人がこんな風に関わり合いながらできがっているんだなと思うと同時に、人間関係に薄ら寒いものを感じた。誰かに好感をもったり、嫌悪したり。好感ばかり持っているわけではなし、嫌悪ばかりしているわけでもない。なにか根拠があるのだと思うが、明確な言葉にならないものに動かさられていることも多い。恋人や夫婦がパートナー以外の異性に惹かれてしまうことも、冷静に考えるとそうしなければならない理由が本当にあるのか疑問だ。だいたい誰をパートナーにしたところで正解はない。当人たちが幸せと思うかどうかの問題だ。「ゆるく巻くかたつむりの殻」が最後にまとめてくれた。
0投稿日: 2018.03.17
powered by ブクログ川上弘美のあたたかいところを切り取ったお話。 アンソロジーぽいところが彼女のこんだて帖に近いかな。 人間味あふれてて、こんな人達いそうで、こんな町がどこかにありそうだから、ちょっと憧れる。
2投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログ風花に続いて川上弘美の2作目。 短編集ながらも、各短編が独立しているわけではなく、相互に関連しあっている。
0投稿日: 2018.01.08
powered by ブクログとりたてて物凄いことは起こらない。 「平凡」よりは少し色々な物が加わった人生を歩んでいる人々。 あるいは「歩んできた」人のお話。 「物語」ということでいえば、きっとつまらないのだと思う。 間違いなく「つまらない本だ」と思う人が多くいるだろう。 だって大したことが何も起こらないし、淡々と語られているし。 読んですぐに記憶から消えていってしまうような内容。 なのに、なんで読んでいてこんな気持ちになってしまうのだろう。 なんで、こんなにも心を捉えられてしまうのだろう。 全部で11編の連作短編集。 シュールな内容や、不思議なお話は一切なし。 最後の「ゆるく巻くかたつむりの殻」は死者が語るお話。 それでもそれはシュールでも不思議な話でもない。 解説に「最後まで読んだらもう一度始めから読みたくなるだろう」とある。 その通り。 いずれ必ず始めから読み直す。
1投稿日: 2018.01.06
powered by ブクログそれぞれなんだけど、 読み終わったらひとつになる。 日常のことを言葉にしていくのは 実は難しいと思う。 人は複雑で感情は1色では表現できない。 普通の商店街の、普通の人たちの中に いろんな言葉がたくさんあって、 優しくて、冷たくて、ここがこの人たちの帰る場所なのだと思った。 また読みたくなる短編集。
0投稿日: 2017.12.27
powered by ブクログ東京の下町、商店街 そこに住む人々の「平凡」な日々を丁寧に描いた 連作短編集 幸せって何だろう、平凡って何だろうと思わせる 優しい物語。
0投稿日: 2017.08.01
powered by ブクログ今まで見た本とは違う感じだった。なんだか、普通のようで普通ではないような話。なんとなく全話がつながってるのかな。もうちょい大人になったらもう1回読み返したい。
0投稿日: 2017.07.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
小さな町の商店街を中心に、その町で暮らす人々の心の内を綴った連作集だった。 これと言って心を打たれるものもなく これと言って心に残る作品もなく・・・。 なんかスッキリしない、靄がかかったような読後感だった。作者はこの作品で何を伝えたかったのか・・・・。 私には読み取ることが出来なかった。
0投稿日: 2017.04.12
powered by ブクログ誰かにとってはひと時の人でも、その人それぞれに違う人生があって、たくさんを背負いながら生きている。ひとつの街に生きている、生きてきた人々をそれぞれの視点から語ってゆく。どう繋がって、関わって、時代が変わって、生死の世界が変わって、どこからの視点でも彼らは彼ら自身を考えている。生きるとは、静かに考えてみて、がむしゃらじゃなく、どこかに足を踏み入れているような感覚と、泣きたくなるような感覚。わりとわかりやすい表現と、展開と、話構成で読みやすいですよ。
0投稿日: 2017.02.18
powered by ブクログ読み終わるまで少し時間がかかった。 善いとか悪いとか関係なしに、ただそこに在る。そこに、漂っている。 それを肯定も否定もせずに、ただ見つめるということ。
0投稿日: 2017.01.14
powered by ブクログ学生の頃好きだった川上弘美さんの小説を久々に。 この作品は、ある町を舞台にした連作短編小説だ。でも内容は、ヒューマンドラマでもなく、群像劇でもない。 物語の中にはひとつも答えのようなものは書かれていなくて、ただ登場人物達がそれぞれの人生でゆらゆらと揺れている様が描かれていた。私は、一話一話、読み終えるごとに、まるで空中に放り出されたような気分になったのだった。 今ふと思ったのだけれど、各話に共通しているものって「割り切れなさ」だったのかな。 相変わらず川上弘美さんの文体は綺麗だ。言葉も洗練されていて、目に美しい。 でも、こういう鬱々とする作品は、今の私にはちょっとつらい。
0投稿日: 2016.03.06
powered by ブクログ言葉というものを完全に自分のものとし、時に、崩すことで遊びを入れる。それが川上弘美らしさを生んで、独特の世界観をもたらしている。変わった名前、美味しそうな食事、ズケズケしているが憎めない女性像。 この世界観が好きで、この世界観を期待して読んだのだが、期待通り。小説の中身には、触れませんが。
0投稿日: 2016.03.06
powered by ブクログ川上マジックともいうべき言葉の数々。 やわらかくて、それでいてぞっとするほどの冷たさや恐さも同時に孕んでいる。言葉のまとう空気がすぐそばに感じられる。 「水の中に沈んで、それでね」お母さんは静かに説明する。 「ゆっくり水をふくんでいって。しみとおっていって、でも最後にはね」 「最後に?」 「ふくみすぎちゃって、かなしくなるような、そんなふうな感じ、かしら」 ー夕つかたの水 「あたし、ほんとに、廉ちゃんのこと、好きだったのよ」 ー四度目の浪花節 ー未来からやってくる「ああして、こうしないと手遅れになる、ほらほら」と尻を叩く声が、どんどん小さく静まってゆくからです。生きることとは、どんな匂いがし、どんな手ざわりで、どんな持ち重りがするものなのか。未来にそなえて「いま」をぎゅうぎゅうに絞り続けているうちに、からからに乾いて、はかないほど軽く固くなってしまった自分という名のタオルに、「いま」の水をたっぷり吸わせたらどうなるか。硬かったものがどんどん柔らかくなり、重たくなって、かたちは自由で不定形なものに、不確かな者になる。 ー生きていくということはどうやっても、不安に充ち満ちたものなのです。だからこそ、時おり舞い降りる喜びが深くなる。 解説 松家仁之 カバー装画:谷内六郎 2011年 新潮文庫
0投稿日: 2016.02.09
powered by ブクログ舞台は東京の小さな町。商店街の様々なお店の人々、そこに暮らす人々はそれぞれ淡くつながっていて、何食わぬ顔をして暮らしているけれどそれぞれ色んな過去や思いを抱えながら生きている。 そんな淡いつながりを連作で描いた短編集。 平凡な人生って何だろう、と考える。 端から見れば平凡で穏やかに暮らしているように見える人でも、実は他人からは見えない何かを抱えて生きているかも知れないし、「あの人は恵まれているよね」と噂されるような誰かにも、もしかしたら計り知れない苦悩があるかもしれない。 実際毎日色んな人と会話をしていると、じっくり話してみて初めて分かることは山ほどある。イメージや思い込みとは全然違った、ということも日常茶飯事だ。 この小説はまさしく、端から見れば“普通の人”である登場人物たちに、一人ずつスポットを当てて描いていて、そこには平凡な人生なんて言うものはひとつもない、という風に思わされる。 核には“男と女”という厄介なものがあって(私はそう感じた)一旦がんじがらめになった果てに他人からすれば理解できないような形に収まった人もいたりして、しかしそれさえも「さもありなん」なんて思ってしまう。 川上弘美さんの小説は、根底がとても静謐だ、といつも思う。 どろどろした関係性を描いていても、どこか静かで、諦めのようなものが漂っている気がする。 一番印象的だったのは「貝殻のある飾り窓」 雨のしずくの写真を撮るのが趣味である20代のユキと、ロマンという謎のお店(たこ焼き屋?)に勤めるあけみという中年女性のお話。 あけみはちょくちょく登場するのだけど、何だか妙に気になる脇役的な感じで好き。 他人の噂って生きていればしょっちゅう聞くしうまく避けなければ自分も加担してしまうものだけれど、自分だってどこかでその“他人の噂”の的になっていることがあるはず。ひっそり暮らしていても、人と人はどこかで必ずつながっているから。 その“他人の噂”のなかには、どれくらいの真実が潜んでいるのか。 そんなことを思った、淡い空気の短編集。
10投稿日: 2015.09.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
11話から成る短編集。 最終話が一番川上弘美っぽさが出た文章で、ふわふわして読みづらい(誉め言葉)。それまでの話は最終話の死生感を書くための長い前振りだったとわかる。前振りがあって初めて成り立つんだけど、まー長かった。退屈な話が延々と続いて、苦行だった。後書きにも書いてあるとおり、読了してからもう一度読みたくなる構成なんだけど、ちょっとその気力はないわ。 全体的に湿っぽい。
0投稿日: 2015.04.17
powered by ブクログある町を舞台にした連作短編集。ひとつの町で、それぞれの人々はみんな脇役だけど、芯の通った人生がある。人が多面的であるように、言葉の意味も多彩だ。読み進めていくうちに、人物のいろんな面が別々の話で描かれていて頭の中で世界が広がっていく楽しさ。ある人物の言葉と別の人物の言葉が同じでも、ぜんぜん違った響きをもっていて、言葉の広がりを感じたり。小説を読むのは楽しい。
0投稿日: 2015.02.07
powered by ブクログとある商店街を中心にした、その周囲に住む人々の話。 これと言って大きな事件も山場も無い。けれども人の日常なんてそんなもの。自分の周りでは大きな波が起こらなくとも、その人その人なりの、心の中では大きな波が起こる。こんな町、行ってみたい。でもどこから行っても遠いのだろうな。
0投稿日: 2014.12.10
powered by ブクログ川上弘美の世界観が読みたくなって手に取りました。 全ての短編が少し前の時代の商店街の人の平凡そうで平凡でない人生を淡々と綴る。 全部の短編が繋がっていたことでまたいつか読み返そうと思う。
1投稿日: 2014.09.27
powered by ブクログ人はみんな平凡で、特別な人なんていなくて、ちょっとだけ人とちがうところもあって、それでもやっぱり平凡で。 だけどそんな平凡さは、実はとても淡くて儚い。 http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-193.html
0投稿日: 2014.09.16
powered by ブクログ昭和の町の横丁に住む人たちを一人ひとりオムニバス形式で綴りながら、それぞれの人の恋や愛を遠くから眺める 的ななんとも言いようのない、ふわっとした感覚の小説。 図書館でなければきっと手にしなかった、川上弘美という覚えのない作家だったが、気に入った。 どこから行っても遠い町 川上 弘美 新潮文庫 ISBN978-4-10-129241-0 514円 (図書館)
0投稿日: 2014.06.26
powered by ブクログいろいろなことなど見たくない。でもみなければ生きてすらゆけない。そのことを残念ながらいつしかしるようになっていた。ここまでいきてくるあいだに。 抜き出し↓ 怒りを発散しようと僕は窓拭きをはじめた。家じゅうの窓を拭き終わってもまだ力が余っていたので 床のワックスがけもした。それでも足りなかったのでありったけの鍋の底をみがいた。 大きくなると 自然にいろいろなことがわかってしまう。めんどくさいなぁ と ときどきあたしはおもう。でもしようがない。時間はたつ。あたしは成長する。あたしの目には映らなかったものが映るようになる。そして反対に映っていたものがうつらなくなる。
0投稿日: 2014.06.15
powered by ブクログとってもよかった。 川上弘美のあたたかさは健在。 切ないと美しいとあたたかいをどこか醒めた目線で語る彼女の文体はとてもとても好きだ。 いくつもお気に入りのいいまわしに付箋を残した。
3投稿日: 2014.05.31
powered by ブクログひとつのまちの住人達がどんどん描かれていく。不思議で、面白い。好きだな、と思った。 感想すぐに書かなかったからうろ覚えなんだけど。
1投稿日: 2014.05.09
powered by ブクログひとつの町に住む、さまざまなひとの物語。心がやさぐれてる時に読むといいかもしれない。。たいした人生じゃないなぁと思っても、少しづつ、ひとはつながっていて、きっと自分が思うより幸せなんじゃないかと思う。そんな風に思った一冊でした。
0投稿日: 2014.04.19
powered by ブクログある下町を舞台にした短編集。 好きな話もあればあんまり好きじゃない話もあった。 平均なような平凡なようなお話のあつまりの本。 哀愁漂う、というかなんなら、しみったれたお話の本。
0投稿日: 2014.03.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・源さんには、しばしば会う。 それまでだって、たぶんしょっちゅう町なかですれちがっていたのだろうけれど、気づかなかった。一度姿かたちを知ってしまうと、背景から浮きでるように、その人のかたちを捉えるようになる。 ・いろいろなことなど、見たくない。つくづく、思った。でも、見なければ、生きてゆけない。 そのことを、残念ながら、わたしはいつしか知るようになっていた。ここまで生きてきた、そのあいだに。 ・みゆきの機嫌は、つきあいはじめの頃よりも、くるくると激しく変わるようになっている。照ったと思ったら、降る。ふぶいたかと思うと、からりと晴れる。 僕は少し疲れていた。あいかわらずみゆきのことを嫌いじゃなかったけれど、いつまでたっても、「嫌いじゃない」が「好き」に変わらない自分に、いやけがさしてもいた。 ・緑に塗られた道路の、「ニンゲン」という下手くそな字が、まなうらに浮かんだ。おばあさんは「ニンゲン」だな、と思った。僕も「ニンゲン」になりたい、と思った。 渉なんか、いつまでたっても「ニンゲン」になんかなれないぜ、ざまあみろ、と思った。 ・大きくなると、自然に、いろいろなことがわかってしまう。 めんどうくさいなあ、と、ときどきあたしは思う。でもしょうがない。時間は、たつ。あたしは、成長する。あたしの目には、それまでうつらなかったものが、うつるようになる。そしてまた反対に、うつっていたものが、うつらなくなる。 ・るみちゃんの言おうとしていることは、実際のところは、あたしにはよく理解できなかった。でも、るみちゃんの言葉は、あたしの中の何かに引っかかった。 世界に対して疑いを持たないで、どんどん行っちゃう人たち。 そういうひとを、あたしはよく知っているような気がした。それが誰だったのか、すぐには思い出せないのだけれど。 ・「蛇は穴に入る 天は雨を降らす 土は雨に濡れる ひとはやがて死ぬる」 ・「ふ、不幸そうに見えますか」 びっくりして聞き返すと、弥生さんは首を横にふった。 「見えないけど」 「司郎さんて、女を幸せにしない男なんですか」 「そうじゃないけど」 どんな顔で弥生さんがそういう質問をするのかと思って、まじまじと見た。なんでもない顔を、している。 「男なんかと一緒にいて、女が幸せになるものなのかしらと思ってさ」 ・違う人。 そういう人を、わたしはそれまで実際には、知らなかった。 もちろんみんな、人はそれぞれに、違っている。みんなでいる時は「みんな」という規格からはずれないように、違わないように、心をくばって、でもほんとうは、人それぞれの違い」は、ちゃんとある。そして、そういう感じの「それぞれの違い」の幅や内容については、なんとなく見当がつく、というものだ。 ・とても危うい感じがした。でも、何も言えなかった。自分自身だって、危うかったから。世界というものがどう成り立っていて、その世界の中で自分がどういう位置にいるのか。そしてこれからどうなってゆくのか。 実際のところ、わたしには何も、わかっていなかった。 ・道は閑散としていた。薬局の前に置いてあるかえるの人形に、おばさんはぶつかった。ぶつかったのが不思議であるような、そこに人形があるのにはじめて気づいたような、そんな首のかしげかたをおばさんがするのを、後ろからおれは見ていた。 ・おれは何も決めなかったと思っていた。決めているのは、おれ以外の者たちなのだと思っていた。でもそれは、違っていた。 おれは、生きてきたというそのことだけで、つねに事を決めていたのだ。決定をする、というわかりやすいところだけでなく、ただ誰かと知りあうだけで、ただ誰かとすれちがうだけで、ただそこにいるだけで、ただ息をするだけで、何かを決めつづけてきたのだ。
0投稿日: 2014.03.08
powered by ブクログ気持ち悪い読後感。 ある町に住むそれぞれに繋がった人間関係を描いているんだけれど、週刊誌のどろどろした記事をつないだ感じ。生活や人を大事にしているわけでもないので、読んだ時間の無駄だったかも。
0投稿日: 2014.02.27
powered by ブクログ読み終わったあとに「ふんわり」と暖かな気持ちが流れ込んできました。 どこにでもありそうな日常ですが、現代の日本ではこの物語の中で起こる人々の繋がりは薄れているのかもしれません。 だからこそ人と人との繋がりを大切にする川上さんの文章力に心惹かれ、優しい気持ちになるのではないでしょうか。 人との繋がりを大切にしようと思える本です。
0投稿日: 2014.01.30
powered by ブクログ川上弘美さんらしい短編小説が11編。連作で、それぞれがゆる~く繋がっています。東京の下町風の郊外(?)での、日常を描いていますが、皆さんはそこからなにを感じるでしょうか。
1投稿日: 2014.01.28
powered by ブクログ同じ町を舞台にした短編小説集。 何か言葉がさらさらしすぎて、全然頭に残っていない。。。 読んでいるときは、それなりに楽しく読んでいたはずなんだけど。
0投稿日: 2014.01.11
powered by ブクログそれぞれの短編が少しずつつながりあう連作短編集。 この形は「つながりあう」さじ加減がなかなか難しいと思う。 あまり結びつきが強すぎると、話と話の境界があいまいになって短編のよさがなくなるような気がするので。 この小説は同じ町を舞台にしているという安定感と、軽く触れあう程度のつながりのさりげなさが心地よい。最後の話でちゃんと着地ができる構成の妙もまたよい。 どこかに存在しそうな町の、わりと普通の人々の物語が持つ不思議な力。 普通っていう表層的なとらえ方は、本当は、どんな人に対してもできないのではないかという気がしてくる、そんな小説です。
0投稿日: 2013.12.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
寝転びながら読んでたからか、何度も寝こけてしまった。魚屋の奥さんが、裸足で走っていく姿を見る小学生の描写が印象に残った。「長い夜の紅茶」の夫の姑と私の関係が、よかった。その短編の最後の方で、夫セックスした、と初めて書いてある。そのシーンは、愛があって好きだった。
0投稿日: 2013.12.06
powered by ブクログ手に持てる量は一定なように、見える範囲も一定なんだろうなと思う。 そして生きて、死ぬ、ということも。 何もしていないようでも何かしているし、決めている。 それが幸せなことと実感できるのは死して後なのだろうか。
0投稿日: 2013.11.24
powered by ブクログ個々の話が面で繋がるのではなく、時間軸を持った網目で繋がっている。読み進めていくと、ああそうなのかと分かってくるのが面白かった。
0投稿日: 2013.10.28
powered by ブクログ大きなヤマ場などはなくて、「好きな人が死ぬと、少し自分も死ぬのよ」なんてサラリと言ってしまう、"乗り越えてきた感"ある人々が出てくる。そのうちゆっくり読み直したいな。
0投稿日: 2013.09.30
powered by ブクログ川上さんって おなかの底にあって もやもやして どういう言葉が当てはまるのかなぁ〜と 困ってしまうような 感じを うまく表現するなぁ〜と 読み終えました。 真紀さんで始まり真紀さんで終わる それぞれの話しが なんでもない日常ですが 感じかたや少しの記憶違いなどがあったりしても かかわっている人たちの気持ちの中に残っているんだと思い 自分のことも当てはめて考えてしまいました。
0投稿日: 2013.09.26
powered by ブクログ久々に川上弘美さんを読む。とある町が舞台の連作短編集。 文庫本の帯に書かれている「生きてきたら、こうなってしまった」という言葉は、本作に限らず、川上弘美作品の魅力の一つだと思う。主人公たちは色々な苦労を経験するが、悲観的にならず、過度に自信を持つこともない。世間に流されず、自分の感情にしたがって行動する。悪い人がいないと思う。
0投稿日: 2013.09.04
powered by ブクログこの人の本はすらすら読める。勝手に私と波長が合う作家だからだと思っている。一番好きな話は最初の方の午後六時のバケツ。理由はさらっと軽いから。この連作短編はさらっとしているかと思ったら、後半からどんどん不穏な感じを帯びてくる。解説を読むと、そんなに重めの壮大なテーマだったの?と拍子抜け。そういう解釈もあるかとは思うし納得はするけれど、私は人生良くも悪くも色々あるよね〜というさらっとした諦念がこの著者の持ち味だと勝手に思っているので、そういうことにする。
0投稿日: 2013.08.26
powered by ブクログ読了 2013/8/22 捨てたものではなかったです、あたしの人生ー。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女…。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。 《目線》 1 予備校の英語教師・唐木妙子 2 穏当でない父をもつ小4・枝元譲 3 家庭内別居の両親をもつ三田村サチ 4 介護ケアマネ3年目・谷口聡 5 非凡な義母をもつ平凡な千木良時枝 6 「ぶどう屋」板前・廉 7 違わない世界観を想う榊原潮 8 東大中退の占い師・川原清 9 雨の写真を撮る津原由起 10 決定する女を疎む羽生高之 11 20年以上前に亡くなった春田真紀
1投稿日: 2013.08.22
powered by ブクログ好き、っていう言葉は、好き、っていうだけのもじゃないんだって、俺はあの頃知らなかった。 いろんなものが、好き、の中にはあるんだってことを。 いろんなもの。憎ったらしい、とか。可愛い、とか。ちょっと嫌い、とか。怖い、とか。悔しいけど、とか。 俺の「好き」は、ただの「好き」だった。央子さんの「好き」は、たくさんのことが詰まってる「好き」だった。 (小屋のある屋上/午前六時のバケツ/夕つかたの水/蛇は穴に入る/長い夜の紅茶/四度目の浪花節/急降下するエレベーター/濡れたおんなの慕情/貝殻のある飾り窓/どこから行っても遠い街/ゆるく巻くかたつむりの殻)
0投稿日: 2013.08.21
powered by ブクログ「どこから行っても遠い町」。タイトルが好き。夏文庫をぼんやり見ていたら目に入り。そういえばこんな本有ったなぁ。となる。書店でアルバイトしてた頃に目に入ったんだろうけど、そういうことは時々あって、そしたら買うようにしてる。 僕の本棚は「女性小説」「男性小説」という分け方をしてあって、見る人が見たら怒られても詮無いようなやり方とおもう。でも前バイトしてた書店ではそう分かれてたし(もう変わったと思う)、なんとなくしっくりくる特徴の傾向がある気がするのだ。先に述べた「心に残るタイトル」も、女性の書いたものが多い気がする。きっと自分にはない、世界を切り取る感性に惹かれるんだろうな。男がおっぱいに憧れるようなもんだ。 そういう感じ方を楽しめる本でした。
0投稿日: 2013.08.16
powered by ブクログ連作短編であることに、3作目でやっと気づくっていうね。 うれしいときはこんなふう。 「水の中に沈んで、それからね」 「ゆっくり水をふくんでいって、しみとおっていって、でも最後にはね」 「ふくみすぎちゃって、かなしくなるような、そんなふうな感じ、かしら」 寄る辺なく、たゆたう、ある街の人々のおはなし。 決して押し付けない。かすかに心にふれる。そして、ちょっと、こわい。 久々の川上弘美、やっぱりすき!! 2013/07/27読了。
0投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログ連作短編集。 日常を淡々と語っている、どのお話もひとつの街を舞台にしたお話。 川上さんらしい語り口ではあるんだけど、 でも毒々しくてふわふわしている、いつもの川上さんではなかった。 物足りない。
0投稿日: 2013.07.10
powered by ブクログタイトルに惹かれて。ありふれた、だけどどこか特異な日常に潜む切れ端に目を凝らす。そんな感覚が紡がれている。
0投稿日: 2013.06.05
powered by ブクログ東京の都心から外れた町で起こる様々な人間模様。 取り立てて大きな事件や騒動が起こるわけではなく、日常生活の、でもちょっと変わっていたりおかしいような出来事が淡々とつづられています。 主人公を変えつつ短編として語られていくけれど、結局はすべての話が繋がっていて、最後にああそういうことかと。 なかなか面白かったです。
0投稿日: 2013.06.02
powered by ブクログあるような、ないような、でもきっとどこかにあるような町と、その町の人々の話。 全体的にほの暗くて静かな雰囲気で、2、3年前に読もうとしたときは数ページで挫折したのだけど、今回はするする読めた。
0投稿日: 2013.05.31
powered by ブクログ好き、っていう言葉は、好き、っていうだけのものじゃないんだって、俺はあのころ知らなかった。いろんなものが、好き、の中にはあるんだってことを。 いろんなもの。憎ったらしい、とか。可愛い、とか。ちょっと嫌い、とか。怖い、とか。悔しいけど、とか。
0投稿日: 2013.03.12
powered by ブクログ都心からやや離れた下町の商店街を舞台に、そこに暮らす普通の人々を主人公にした連作短編集。登場人物は、ちょっとヘンなところがあったりもするけれど、基本的にはどこにでもいそうな普通の人々。恋をしていたり、人生に疑問を持っていたり、親との間に複雑な感情があったり、生き方があまりうまくなかったり、そういう当たり前の人々。とりたてて展開がドラマチックなわけではなく、一話一話にはオチというようなオチもないので、一話を読み終えて「えっここで終わり? このあとこの人たちはどうなったの?」と思ったことも途中で何度かあったのだけれど、じゃあそれで物足りないかというと、そうでもなかった。なんとなく読んでいて、なんとなく心地がよくて、なんとなくいつまでも読んでいたいような気がする本だった。
0投稿日: 2013.01.31
powered by ブクログ東京郊外の小さな町の商店街を舞台に、そこに暮らす人々の平穏と不穏の日々を綴った連作短編小説。 匂いのする物語だ。魚屋の匂い、アスファルトに落ちる雨の匂い、古いアパートの匂い、そして男と女の匂い。 生活感たっぷりなのに、タイトルどおり、どこか遠い町のお話に思わせる川上さんの文章力にうまさを感じる。
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ商店街の魚屋のおじさんはね、居酒屋のおかみさんはね、お向かいの奥さんはね…と数珠繋ぎのように物語が紡がれていく。男と女。女と女。男と男。それぞれの関わりがつるつると滑っては絡まり滑ってはくっつく。隣にいるのに遠くて、つかめないあの子や絡まりあの娘に会いたくなる一冊。
0投稿日: 2013.01.22
powered by ブクログ目についたから読んでみた。 この人の小説は初めて読んだけど、初めてでも抵抗なく読み進められた。 たくさんの賞をとっているみたいだから、機会があれば他の小説も読んでみたい。
0投稿日: 2013.01.17
powered by ブクログ短編集のようでつながっているこの町の住民たちのお話 。当たり前なんだけど、自分だけではなくみんな様々な思いを抱えて生きているんだなと思った。 明る過ぎず、暗過ぎず、読みやすいけれどサラッと読む感じではない小説。
0投稿日: 2012.11.16
powered by ブクログ都心から電車で20分ほどの場所にある商店街のある街。 そこに関わる様々な人のストーリーを短編集で物語っていく。 下町のような風景描写があり、でも下町らしいストーリーがあるわけでもないため、様子を頭に思い浮かべることができず、すっと自分の中に入ってこなかった。
1投稿日: 2012.11.16
powered by ブクログ都心から私鉄でも地下鉄でも二十分ほど離れたところにある、商店街のある町を舞台にした連作短編集。 最初の数話は興味深く読めたものの、だんだん単調さに飽きてきて、途中は流してしまう部分もあった。 止むに止まれぬ理由によりいくつかの職を転々とし、介護の仕事をしている主人公の『蛇は穴に入る』と、 人に嫌煙されがちな姑と、実は彼女を好ましく思っている嫁の交流を描いた『長い夜の紅茶』がよかった。 私は川上弘美フリークではないので本作の感想以外の情動は持たないけれど、物足りないと言う愛好者の感想は少しわかる。 似たような話と展開でだれがち、タイトルと世界観はよかったのに。 ちなみにこの作品についてamazonのレビューは大変興味深いと思う。
0投稿日: 2012.10.22
powered by ブクログ11の短編。主人公が変わりながら,すべての話が繋がっている。 性別も,年齢もバラバラな11の主人公たち。 ふと思ったことで,川上さんに限った話ではなく,女性作家の描く男の主人公って何か不思議。内面の描写も「想像で分かったようなこと書きやがって」とか全然思わない。「あーやっぱ大体バレてんだー」みたいに思う。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログ商店街のある小さな町を舞台に、平凡なはずの人々を描く連作集。表向き穏やかにくらしているはずなのに、内面がざわざわ波だっているよ。とくに愛情関係が。年をとるというのは、少しずつ澱みたいなのをためていくことなのか。
0投稿日: 2012.10.09
powered by ブクログ連作短編集っていうフォーマットがいいんだよね。スチャダラパー的に言えば「ループの谷間に」大事なことが書かれている感じ。ブクログにたくさんのレビューが書かれていること、僕みたいな読み方をしているひとが少ないことの二つに驚く。人気作家って大変なんだな。これは佳品だと思う。そりゃあ真鶴のほうが「名作」だろうけど。 蛇は穴に入るって短編が一番好き。特にタイトルが。それから、ろまんという喫茶店みたいなところ。行ってみたい。
0投稿日: 2012.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
捨てたものではなかったです、あたしの人生ーとうしろのあらすじに書いてあったが、不倫してる人だいぶ多いな。 つまらなくはないけど面白くもないかな。なんでもないようなことを遠回しにしみじみ言ってる感じ。まぁこういうの多いよね、川上弘美さん。
0投稿日: 2012.09.15
powered by ブクログ1回読んだだけではなんとなく通り過ぎて終わった感があったけど、2回3回と読むとだんだん自分になじんでくる感じがした。
0投稿日: 2012.09.10
powered by ブクログ女性らしい、しっとりした文章で綴られた作品。 どこにでもありそうな町の、どこにでもいそうな人たちの物語を 一人分ずつ切り取って繋げてある。 どの人の物語を読んでも、静かな仄暗さがあった。 切ないとかしみじみ感動するとかではなく、ただただ仄暗かった。 人が生きるということはそういう仄暗さを知らずして纏うことなのかもしれない。 文章は、冒頭に書いた通りしっとりしていたけれど その分「セックス」という単語がこの作品においては余計に生々しかった。 それから、僅少であることの表現が多いように感じ、読み進めるのに一々引っかかった。 「少し」「ちょっとだけ」「ほんの少しだけ」…感じ方の問題かもしれないが。
0投稿日: 2012.09.03
powered by ブクログ密度が薄すぎて正直何を言いたいのか、何を伝えたいのかよく分からなかったです。なんていうか、日常のちょっっとしたことをやけに遠回しに、比喩的に、訳のわからない理由をかかげ描く表現方法にすごくうんざりしたんです。昔はそういう抽象的な言葉や話が好きだったし(困るのはそれをオシャレだとかかっこいいいっていう頭で読んでいたところ)今も素晴らしいな、分かるなって思える作品はあるのだけど、この本は違いました。単純に意味が分からない。抽象的や感性という言葉に逃げてるだけじゃないかとすら思えてしまった。 短編集だから、いいなって思える話も中にはありました。でも、今それがどんな話だったか思い出せない。そういう意味で薄い本。
0投稿日: 2012.08.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編集だけどどこかの町の話なので、人と人とがかすったり、本のりかかわわっていたりする。登場人物はどの人もどこか冷めていて人に深くは関わらない。話は、「えっもう終わり。もう少し続きが知りたい。」という感じでひゅうっと終わる。だから、新しい話を読むとき、前の話のどことかかわっているのか一生懸命に考えてしまう。少しずつかかわっているのがうれしい。 私の生き方もこんな感じかなと思う。別に特に目立ってすごいこともないし、熱くもないけどどこかで誰かとかすりながら生きている。なんとなく決めかねて悩んだりあきらめたりしながらだらだら生きている感じが同じかもしれないと思う。
0投稿日: 2012.08.23
powered by ブクログ都心から私鉄でも地下鉄でも二十分ほどのしごく利便な土地にある商店街を主な舞台にした短編集。 大きな事件が起こるわけではない。それぞれの登場人物の生き方自体がおもしろい。大好きなタイプの小説。
0投稿日: 2012.08.20
powered by ブクログそれぞれの短編が、大々的に、かつ、ひょんなところで、繋がっている。面白い。 日常だけど、非日常。 不倫してる人が多すぎな気がするけど、皆、ドロドロな関係にはならないので、(むしろあっさりしてたので)安心して読めた。
0投稿日: 2012.08.12
powered by ブクログ下町で「普通」に生活してる人たちのあんなことこんなことを綴った連作短編集。 普通とはいっても、出てくる人たちは無個性っぽいけどそれがとても個性的で読み進めるのが止まらない。 川上弘美の文章って、ふんわりしてるけどどこか芯があるような不思議な文章で出てくる人たち(特に女性)のなんか平凡そうで、でもどこかアンニュイでちょっと色気のある感じがとてもよかった。 それぞれの話は独立してるけど、どこかで他の話の主人公的人物がちょろっと登場したりするのもまたニヤリとさせられた。 気軽に読めて、心に残る本でした。
0投稿日: 2012.08.08
