
総合評価
(404件)| 86 | ||
| 149 | ||
| 116 | ||
| 20 | ||
| 3 |
powered by ブクログとても壮大な冒険記のように感じた。実際には3日間の死闘の漁なのだが、老人の心の中での変化や人間らしさが美しく描かれていた。正直まだわたしはこの物語を面白いと言い切れるほど育っていないなとも思ったが、読み終わったあとの遥けさというような余韻は心地よいものだった。分かりやすくいうと寂しい悲しい気持ちになった。この本を読んだ大半の時間はヨルシカの『 老人と海』を聞いていた。漁で、カジキと進んでいるときには当てはまらないような穏やかな音楽が、読み終わったあとの余韻にマッチしているような気がした。もう一度、大人になって読みたいと思った。
0投稿日: 2025.11.21
powered by ブクログ84日間の不漁という悪運に見舞われながらも、老人は挫けることなく大海へと小舟を漕ぎ出す。そこで出会った獲物であるカジキマグロとの三日間に渡る死闘を描いた傑作短編。 登場人物は老人サンチアゴと彼を慕う少年のみで、舞台となるのも小舟の上とどこまでも広がる大海原だけである。それは孤独の証明でありながらも、ヘミングウェイの徹底した描写力によって浮かび上がる大自然の情景は素晴らしく、恐ろしいほどまでに無駄がなく美しい。 老人の樹齢を重ねた古木のような腕に、潮騒の匂いやしぶきの音。食事のために釣ったマグロやシイラといった赤身魚の引き締まった弾力のある身を、塩やライムを使わずに生のまま食べることによる濃厚で鉄っぽい血の味。網を掴んだ掌のひりついた擦過傷の痛みなど、全てがリアルであり、五感を通じて伝わる海の過酷さは筆舌に尽くし難いものがある。 ストーリーはシンプルで、死闘の末に捕らえたカジキは、結局サメの襲撃に遭い原型も残らないほどに食い尽くされてしまう。それは敗北の物語であり、徹底的に打ちのめされる人間の悲哀でもある。しかしながら全てが無駄だったというわけでもなく、誰にも頼れない大海原の小舟の上での孤独な戦いは、大自然に対して抗う人間への惜しみない讃歌であると同時に、決してへこたれず挫けない、生の本能に根差した人間の執念の表れでもあるのだ。骨太の物語であり、それを支える徹底した情景描写といい、間違いなく名作で繰り返し読んでいきたい作品だなと思った。
1投稿日: 2025.10.30
powered by ブクログえぐい スピード感がえぐい だんだん引き込まれて、どうにも止まらなくなった どれほどの孤独をこの人は耐え抜いたのだろうか
2投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログ一匹の大きな魚と老人の死闘を描いた作品でここまで熱くなれるのが良かった。体は老いていても目だけは老いることなく、戦う目をしている老人の姿がかっこいい。
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログ150ページほどの物語とは思えない、とても奥行きのある味わい深いお話でした。 「もうやめよう、罪のことを考えるのは。いまさら手遅れだし、この世には罪のことを考えるのを生業にしている連中もいる。そういう連中に任せよう。」 この文章がハードボイルドっぽい感じがして好き笑 自分も考えてもしょうがないことは、そういうことを考えることを仕事にしている人たちに任せて、自分ができることとか考えるべきことを考えていこうと思いました笑
1投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ名作と名高い本書を、人生の秋に初めて読んだ。 なるほど主人公との老人の、巨大カジキとの死闘の描写は圧巻だ。少年マノーリンとの友情も温かく描かれており、もっと早くに読んでいたらどうだったろうと思う。 とにかく今読んでしまったので、ストーリーを追いながらも主人公が自分の老父に重なってしまい、心配するやら、可哀想やら… でも無事帰ってきてくれて良かった。 ゆっくり休んで元気になったら、マノーリンと楽しく野球の話をしてほしい。
12投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ薄くて読みやすそうな本を適当に読み始めたら、読み応えのある名著だった。 思ったより読むのに時間がかかった。 1週間くらい。 この期間、無性にお刺身が食べたくなった。 お刺身ばかり食べていたから、ずっとお腹の調子が悪かった。 読み終えたら、お腹の調子は良くなった。 お腹の調子さえ悪くなければ星5つ。
0投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ友達に借りた。老人の意志の強さと諦めの悪さがかっこよかった。老けても心は老けてない。 私も老けたら感想が変わるかもしれないからまた読みたい。
0投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログ表紙が綺麗だし、有名な作品で、厚みもないので読みやすいかなと思って買ってみた。結果薄い本なのに読むのにすごい時間が掛かった。 ストーリーは、全然面白くない。 老人がカジキと格闘しました。釣れたけど持って帰ってこれませんでした。以上。 文学作品なので、ストーリー云々よりも表現力が評価されているのだろうけど、翻訳本だと原文の表現力は分からないので、翻訳本を読んでいる限りこの本の素晴らしさを理解し切ることはできないのでは、と思った。 ただ、つまらないと思いながらも、この話の情景が脳裏に焼き付いている。 私は今後の人生、「老人と海」と聞くたびに、この情景をパッと思い出すであろう。まるで絵画のような本だなと感じた。
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログヘミングウェイはこの本しか読んだことがありませんが、大好きな物語の一つです。たまに思い出すと、たまらなく読みたくなります。 主人公のように強く生きていきたいと思います。
0投稿日: 2025.09.26
powered by ブクログ老人と少年の会話が心地よかった。もう少し少年との話を見ていたかった気もするけど、あれくらいの文量が良いのかもしれない。解釈や考察を読んでから再読すると、違う小説のように読めるかもしれないので、解説などを読んでいこうと思います。サメは怖い
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ福田恆存訳がとても面白かったので、訳者の違うこちらも読んだ。 文章が全体的に分かりやすく、句読点の位置なども合わせて読みやすくなっている印象。 個人的には福田訳の格調高い雰囲気も好きなので、読んでいない方には是非読んでいただきたい。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰もが知る語り継がれている作品を教養としても読んでおきたいと思う今日この頃。 やっと読めた。 老人とカジキをはじめとする大きくくくると海との戦い。海は、老人にとって大きな存在であり、敵なのか仲間なのかわからないが思い入れのあるものというのもとても伝わってくる。 タイトルの通りで、とてもシンプルで展開のわからなさはないし、ミステリー好きとしては、その要素との違いにソワソワするところがあるが、なんかワクワクする。釣れるの釣れないのか、どこまで持って帰れるのか帰ってこれないのか、それぐらいの択数のストーリーしかないのだが、退屈しないのが不思議だった。 解説を読んで、なるほどとなるところもまぁまぁある。まだまだ深く自分で感じながら読めていない気もするので、読書環境も整えたい。 その解説での話も借りると、そのままの世界やどこまでいってもそのものはそのものであり、(老人は老人で、サメはサメで、釣られたカジキは釣られたカジキであり、)それらの運命や生死をかけるそれぞれの戦いの熱さに胸を打たれたのかと思う。残酷なこともあるし、もっている力以上のことはできない、そして戦わなければ生きていけない生物のさだめ、そんなものをたくさん感じた作品だった。 今時の本には、得られない栄養を感じられて、読めて良かったと思えた1冊だった。
4投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海の様子やそこに生きる魚たち、そして老人が体力の限界と闘いながら大魚と格闘する様子が表現されている。困難な状況にあっても今まで積み重ねてきた経験と知識で冷静に対処する老人がかっこいい。そしてラスト、必死に釣り上げたカジキをサメたちに奪われた老人の哀愁が切ない。訳が新しいのもあるけど、70年前の作品とはとても思えない。
0投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ老人から見た、カジキとの関係性の二面性が、この物語の魅力的なところだと思った。 殺すべき相手との白熱したバトルに見える時もあれば、長年連れ添った夫婦の微笑ましい散歩に見えることもあった。
0投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログ息を呑むほど美しく、力強い名作中の名作。 老人と少年、船、小鳥、海、そして魚。ひとりの漁師でありながら、その生き様は我々の心に深く穿たれる碇のよう。
1投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
短編ながらも読み応えがある一冊 周りに見向きもされない老人が運がいい日だと言って遠い沖まで漁をする。 巨大なカジキを獲るチャンスを得て数日間、今までの人生を振り返りながらカジキとの戦いを行う。 必死の格闘の末、カジキを得るが、サメの群れにカジキを食われてしまう。 最後、悲しみのあまり泣いてしまった。 順風に行ってるとは思えない老人が、 やっと希望が見えると思えたカジキを獲るチャンスだったが、獲たあとサメに喰われてしまうのがとても悲しい。 違う状況であるだろうがこのような場面を経験する人はいるだろうと思った。 こうゆうときに負けずにサメと格闘しているのがカッコよく見えた。 しかし、老人がカジキを見ないようにしていたのは現実を受け止めたくなく、希望が絶望に変わるのが怖かったのだったと思う。 最後、希望が絶望に変わった港に着いたシーンは心が苦しくなった。 小説の解説ノートを読み、老人はヘミングウェイと重ねているんだと知ってまたこの小説の良さや重みを知った。 短編でありながら、ストーリーがとても面白かった。
0投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ聞いたことはあっても読んだことは無かった。 表紙のデザインに惹かれて購入。 題名通り、衰えと知識経験を兼ね備えた運の無い老人が、海の様々な命と向き合う姿。大魚との戦い。海と次の世代に触れ合う物語。 初めて海外の小説を読んでみて、正直最初は困惑気味で内容が上手く入って来なかった。 あれー、あんまりかなーと自分の読書センスの無さと一緒に気分を下げていった。 読み進めていくうちにだんだんと理解した。 他の作品、日本の作家さんのものと違う所は(そもそもあまり読んでいないため知識不足な所はある)自分の外側を強く丁寧に描いているところ。もちろん内面的な心の動きや記憶の描写もあるが、手にとった綱の感触や船に座り込んだ時の体重のかかり具合など、こちらの理解を超えるほどの詳細な状態が描かれている。 正直、途中で分からない表現や言葉をスマホで検索することを辞めた。 アクション映画の様な作品。中盤からは特に読み進める手が止まらなかった。だが一方で読み進めるのに時間が掛かった。 自分の様に本を読み慣れてない人は、まずはバーっと読んでしまうことをオススメする。 良さに気付く前に脱落してしまわない様に。
9投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
内容は面白かった!途中少しダレて、飽きかけた。カジキを持って帰って、大金持ちのハッピーエンド、という終わり方ではなく暖かいが切ない気持ちになった。老人がどれだけ苦労したか理解している分、悲しかった。
1投稿日: 2025.09.01
powered by ブクログずっと思っていた、名作を読んでみようのコーナー。ちゃんと自分で読みきれたのは初めてかも。ヘミングウェイの「老人と海」。聞いたことあると思ったら、彼が友人から借りて読んでいるという話をきいていたからだった(後から気付いた)。買ってすぐ、電車での長旅中に読み始めた。中編小説で、ただただ漁師の老人VS巨大カジキの長い戦いが繰り広げられている。非常にシンプル。なのに、読み進める手が止まらなかった。場面がずっと変わらず地味なんだけど、老人の心情の変化だったり情景描写の美しさだったり、とても良かった。一人の人間の誇りと情熱がそこにはあった。 この話を読んでいる途中で、ふと海や魚が見たくなって、沼津駅で途中下車した。そのまま沼津深海水族館へ。ずっと行きたかった場所だけれど、「老人と海」を読んでいる中で本物の魚達や海を見ることが出来たのは、とっても嬉しかった。大きなシーラカンス2匹の冷凍保存が印象的で、すごく大きくて強そうで、きっと老人が戦ったカジキはもっと大きいだろうけど、この威圧感は近いものがあるのではないかと感じた。海は、大きくて、そして深い。海に比べたら私が思っているよりも私はちっぽけなんだから、私の中の悩みなんてもっともっとちっぽけで海が飲み込んでくれるんじゃないか。そんな事を思うなどした。
1投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ老人が一匹のカジキを釣り上げて持ち帰るというだけのことを一冊にした小説 こと細かい描写に息を呑みました。文字だけでここまでの臨場感がだせるんだと感動しました。
0投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログまた読みたい つらいのに心地良いっていう不思議な感覚 全部好きで中盤が特に好き 自分の生活に戻ってから何日もこの本のことを思い出してはいろいろ考えていた
3投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ乃木坂の曲で知ってから気になっていたヘミングウェイの作品を今回初めて読みました。 過去に一度海外文学にチャレンジしてみたけど挫折してしまったこともありましたが、老人と海はサクッと読み終えることができました。 壮大で危険な海に、自分も存在しているかのような臨場感を味わうことができました。
1投稿日: 2025.08.20
powered by ブクログ「老人はいつも海を女性ととらえていた。大きな恵みを与えてくれたり、出し惜しみしたりする存在ととらえていた。ときに海が荒れたり邪険に振る舞ったりしても、それは海の本然というものなのだ。海も月の影響を受けるんだろう、人間の女と同じように。老人はそう思っていた。」 というところが大好きだった。 あとここも。 「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」 「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」 老人の逞しさに、元気と勇気をもらった。 直接関係ないが、子育てと仕事との両立でいっぱいいっぱいなとき、この本の老人の孤独な戦いに、自分の育児を重ね合わせて元気もらった!(笑) だからぴったりな本だった(笑) 「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」 「叩きつぶされることはあっても、負けやせん」 夏に読むと良いってほんでもないかもしれないけど、今年の夏の思い出と重なり、また夏に読み返したい本になった。
4投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログ思ったより、老人が格闘していた。勇気があり、ハラハラさせられるがあっという間に読み終えられた。カジキを頑張って釣ったはいいがサメに襲われ続け、作中ずっと闘っていたな、、という感想。
0投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2年前に半分読んで放置してたけど、バナナフィッシュを見ていたらヘミングウェイの小説が出てきたので、家にあった本作品を再び手に取った。 描写が細かくて、特に老人の肉体の様子がびしばし伝わってきた。あれだけ長いことカジキマグロを追って、気絶しそうになりながらやっとのことで得た獲物だったのに。少年に近い視点で読んでいたので、少年と一緒に泣きそうになった。
1投稿日: 2025.08.15
powered by ブクログ表紙に惹かれたのとヨルシカの歌にこのタイトルあったなーと言うので読んでみた。あらすじは老人がカジキ釣る話といえばそれまでだけど、その単調なあらすじに細かな描写がされることで楽しく読めた。敵対関係から友情への変わるのが良かったしその後の展開で辛かったけど最後は愛されているのがよくわかってそれ以上の成果があることが嬉しかった。解説で各々が色んな当てはめをしていてそれも興味深かった。
0投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最近読んだエッセイにこの本のタイトルが出てきて、そういえば積読本にあるなと思って引っ張り出した。 まず自分は釣りや船、漁に関しての知識が無いため、道具の名前や老人がどういう物を使って、どういう体勢なのかが想像しにくかった。そのため、この物語は情景が中々浮かばない事が多かった。 自分は野球が好きなので、老人も野球の結果を気にしたりする所は微笑ましかった。 しかし心が痛んだり、グッとくる場面があった。 鮫に襲われるシーンから最後の村に戻る所にかけて。 不漁に見舞われ続けた老人に訪れた幸運を、いとも容易く鮫が打ち消してしまう。若い頃や腕相撲に強かった昔と比べて、歳をとるとそりゃ簡単に太刀打ちできない相手。 鮫がどんどんと魚を食いちぎっていく様子には流石に心が痛んだが、そんな相手にも自分が出来る最大限の抵抗をする老人には、年齢関係無く立ち向かう強さを感じた。 「だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない」 こういう闘い方を出来る老人だからこそ出てくる言葉だと思う。 そして、老人を慕う少年との繋がり。 漁に出る間何度も「あの子がいてくれりゃ」と思う老人。少年は老人を慕っているが、老人もまた少年を必要としている。自分を必要としてくれる人が居ること、帰る場所があることがどれだけ幸せか思い知らされる。 漁のシーンは中々入りにくい所もあってちゃんと読めているかと不安だったが、自分の感情が動く場面がはっきり分かったので少なからず読めているのではと安心した。 タイトルは知っているけど読んだことがない名作をひとつ読めた!達成感。
0投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ正直物語としては面白くない。 なので、楽しい話を求めて読む本ではないと感じた。 しかし、老人の強さは憧れを感じた。 衰弱してもなお、不屈の精神を持って戦い続ける姿は、見習うべき強さだった。 随所に出てくる老人の成熟した精神力はまさに、今の自分が求めているものだった。 人生において知恵や強い精神は永久に残るもので、それこそが人生を豊かにしてくれるものなのだと感じた。 最後のライオンの夢を見続けているというシーンはすごくカッコよかった。 この作品を読んで、僕は人生において大切なのは、地位や名声ではなく、自分が自分に満足できる、自分だけの価値のあるモノを見つけることなのだと感じた。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんと魚を仕留めるまでにぴったり100ページ。計算なのか偶然なのかわからないが、仕留めるまでが徒らに長い。最後まで読むと、魚を最終的に手に入れられないといった大きな喪失感を強調するために、これまでの展開があったのだと感じた。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ魚と三日間闘い続ける老人の物語。 釣竿の動きというか魚を釣る様子の描写が丁寧で、魚を釣ったことがない私でも目に浮かぶようだった。 ページ数も少なく比較的読みやすい話だと感じた。
0投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ何かを感じとるには私はまだ幼いのかもしれないと感じた作品でした。 海外文学はまだまだ難しい、、、 登場人物が少なく訳もするすると入ってくるので 読みやすさが良いなと思った。 また他の海外文学にも挑戦してみたい。
0投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ不漁続きの老人に訪れた転機と思われたが、その転機は続かなかった。得られたのは一時の達成感、、、 海外名著のうちの一冊。「老い」て尚、ロマンを追い続ける老人の姿が儚く、そしてかっこよかった。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ恐らく初めての海外文学。世界的な名著を触れたくて読んだ。 いまの自分には心が揺さぶれるほどの感動は得られなかったけど、老人と格闘する自然、大魚の緻密な表現に驚いた。まだ上手く感想を書けないけど、自分にとってハードルが高いと思う名著も触れておいた方がいいなと思えた。
6投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ名著とのことで、読了。 なんとも言えん男のロマンと、願望をかんじる。シンプル描かれた文体からは、アメリカの日常…というか、アメリカ人あるあるが入っていたり、この時代にタイムリーこの文章を読んだ人にはすごく刺さっただろうなぁ。 時代も国も性別もちがう私には、ヘミングウェイの理想なんだろーなー程度の距離感でしか読み込めなかったけれど、刺さる人にはすごく刺さると思う。主人公が海の上で己と対話する様に何故だが戦争の匂いが感じられて不思議でした。
0投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログさらっとしてゴテっとした。そんな文章。 ハードボイルド。 老人、好きかもしれない。老人が書く本、老人が出る本。本と老人は相性がいいのだろうか。 映画には映しづらい、人生の轍がありありと見ることができる。 いい気づきを得られた。
0投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
老人の長年にわたる経験と、大物を相手に最後まで諦めずに戦い抜くその姿に胸を打たれた。サメの脅威にも屈せず、孤独な海で闘い続けるその姿はまさに「男のロマン」を体現しているようでかっこよかった。しかし、結果として得たものが何も残らなかったという現実が、読み終えた後に虚しさとして心に残る。大きな夢を追うことの美しさと、自然の厳しさや人生のままならなさの両方を感じさせられた。欲を出して沖へ出たことが招いた結末に、どこか悔しさと切なさも感じられる作品だった。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログ老人と大魚の生命力、海の壮大さ、知恵という最も強力な能力に対して畏敬の念を感じた。 陸からは見えない遠洋の船上で繰り広げられる老人と海との手に汗握る戦いは、詳細な情景描写により脳内再生が容易であった。 海面から跳ね上がったりジタバタすれば針を外すことができたはずなのに、大魚にはそのような理性、知恵、賢さが備わってはいない。反面、何度も生死の境に立った老人は、トビウオやシイラを食らって滋養強壮を得たり、仮眠をしたりなど、知恵によって死を免れた。 改めて知恵というのは人間に備わる最大で最強な武器だと感じた。
1投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一度は名前を聞いたことがあるヘミングウェイを初めて読んでみました。 生物の力強さを本を読みながらもひしひしと感じることができ、もし自分がこの老人の立場だったらここまで頑張れるだろうかなんて考えてしまいました。
0投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ人は生きるうえで多くを望み、さまざまに考えを巡らせ、たくさんのものを所有する。これは幸福を求める営みであろう。 しかし、幸福とはそんなに難しく、得難いものだろうか。 この表題の老人に当たるサンチアゴ。彼は漁師だ。それ以下でも以上でもない。妻は他界しており、一人で漁師町の小屋に暮らしている。 暮らしぶりは貧しく、スプリングだけになったマットレスに新聞紙を敷いて眠っている。しかし、彼はそんなベッドをも愛しているのだ。 不漁が続き、それを笑うものもいる。しかし彼はもうそんなことに恥を感じはしない。 彼は、ただひたすらに漁師であった。 「漁師に生まれついたればこその、おれだろうが」 彼は何も持っていないだろうか。 否。彼は海にまつわるすべてを愛していた。 トビウオも海鳥も、星も、イルカも。獲物のカジキさえも彼の友であるし、彼自身なのだ。 そして弟子ともいえる少年、マノーリン。少年は老人を愛し、いたわり、そして教えを乞うている。 老人もまた、少年を愛し、頼り、そして親以上に理解していた。 彼の漁師としての腕前は、やはり本物であったのだ。 たとえ運に見放されたとしても、それはきっと彼にとって不幸ではない。 私が思うに、彼は何も失っていないのだ。 海は老人自身であり、恋人であり、彼のすべてはここで満たされるのだから。
13投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ読みやすい書籍で、量もそこまでなく2~3時間程度で読み終わった。 なかなか自分には合わないようで、途中からじわーーっと苦しい思いをして、気分がズーンと沈んだ、、、
0投稿日: 2025.07.15
powered by ブクログ船や海に関する用語に対する知識が少なく、情景が浮かびにくいところがあった。僕に向いている作品ではなかったのかなと。それでも少年と老人の関係性の尊さや、老人の精神力の強さなど、見どころは多くあった。
0投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログ初めて読むヘミングウェイ作品。勝手に昔の作家だから読み難いと思っていた。いざ読み始めると、思いのほか読みやすい。 2025年7月2日(水)購入 2025年7月9日(水)読了
0投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ少年とのやり取りとか好きだった。 小説のメッセージは、「人生は上手く行かない事が多いけど、それでも生きるって悪くない」という事だと個人的には受け取った。 名作だけあって、確かに時代を超えて訴えてくるものはあった。
15投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本屋に並べられていた「新潮文庫の100冊」の棚を見ていたとき、表紙の美しさに一目惚れをしたのがこの本だった。またこのとき、サリンジャーのライ麦畑を呼んでいたため、古典的なアメリカ文学を読むという機運もあったのか、手に取った。 呼んでみると、話の筋書きはとても単純。 何日も成果がなかった漁師の老人がカジキマグロと必死の戦いの末に勝利。それも束の間、サメにカジキを食べ尽くされてしまい、何も得ることはできなかったという話だ。しかし、読んでよかったと思っている。 まず、自然の描写が美しいと思った。海や天体の光、そして生物たちの生き生きとした情景。読むことで、匂いや味まで感じたのは初めて感じた。(魚が食べたくなってスシローに言ったのはココだけの話笑) そして、個人的に好きなのはマノーリン。老人サンチアゴに教わっていた漁師見習いである。サンチアゴへの愛が存分に感じることが出来る彼という人間の潔白さに心が温まった。 まだまだ語りたいが、きっとこの作品は老いていく過程で何度か読み直す気がするのでその時にでもしようかな。
1投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2025.06.01-2025.07.01. 有名だが読んだことのない作品だった。 読んでみると、感じるのはなぜこんなに評価されているのかと思うほど単調に感じた。激しい起承転結はなく、ただじっと耐え、目の前のことに向き合い続ける。読んでいて、若干の苦痛すら覚えてしまった。 私が引き込まれるようになったのは、大魚が鮫に持っていかれるところからだった。それまではひたすら、繰り返し、じりじりと静かな駆け引きをする。大魚との戦いには、日常の退屈さがリンクした。決められたことを続けなければいけない。そこに気分や、感情はなく、繰り返すことを飽きずに続けることが資本主義で生きることには求められる。寝て起きて仕事をして、この繰り返しは気分屋の私にとっては非常に苦痛で、それを思い起こす内容だった。 しかし、鮫に襲われ、せっかくとった大魚が呆気なく奪われて行った時。その時、目の覚めるような感覚を覚えた。全てを手に入れ、その全てを手放した時に訪れる静謐。与えられ、与え、何もかもから解放された瞬間の老人の様子は、この物語を最も魅力的にさせていると感じた。 どんなに険しいことも過ぎ去ってしまえば意味などなく、手放したものをあるがままに受け入れること。 p147-l14 肝心なのは、自分がものを知り尽くした先に何が見えてくるか。 解説にこうあったように、人生という大河の中で、得ることばかりに目を向けるのではなく、その後どうなるのか、という部分こそ、美しいと感じた。 最初に退屈だとすら感じた文章は後半に連れて、踊るように、老人とヘミングウェイの人生に引き込まれて行った。 何かを得たその先、得たものを手放したその先、じっと耐え続けたその先。こうした部分にこそ、得難いものがあるのかもしれない。そう考えると、人生というものは希望がある。読了後、強く感じる作品だった。
1投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログ遂には大魚を釣り上げたことで、孤独と諦めに打ち勝つも、自然の猛威には抗い切れず敗れてしまう老漁師の物語。美しい散り際に込められたのは、人生は勝ち方によってではなく、その破れ去り方によって最終的な価値を定められるというメッセージ。
5投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ(備忘)老いていく自分との闘い。できないことが増えても何に誇りを持って生きるのか。自分も30超えて少なくとも運動能力は落ちてきましたけど、老人を参考に今後の生き方を考えていこうと思います。
0投稿日: 2025.06.25
powered by ブクログただただ漁師が海に出て釣りをする話..... 「老い」がテーマの話...... なのですが、最後の数ページで読んで良かったなぁという感想に変わりました。 少年と老人の関係性が好きだった。 すごくサクサク読めたまではいかないが、臨場感があったりでも平穏な場面もあったりで緩急が好きだなと思った。
6投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ老人は、海の摂理に身も心も委ねている。魚を仕留めようと自分が仕留められようと、どちらも起こりうる結果。崇高さとか勇気とかではなく、海という環境に暮らすひとつの命としてのあり方。それを人間側の観念で見れば、圧倒的な潔さや悟りなどとして感じられるところだが、それは本質ではないだろう。海を舞台に、人と魚の垣根を越えて「野生」のありようを鮮やかに現出させる筆致に驚かされた。 命は自分のものであり、海のものでもある。意思と運命を生きる姿に、心を揺さぶられた。
1投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログ老人と少年の友情と信頼。親しき仲にも思いやりや遠慮が見え隠れ。 独りになるとあの子がいたらなぁと寂しく思いながら、戦いを通してカジキマグロの健闘を称える老人。 死力を尽くしてカジキマグロをサメから守り続け、体力の限界の果てに遂に帰還。 そして少年との再会。 少年→老人→少年と視点が移り変わります。 純朴で人間らしい生き様の老人を描いた作品でした。
2投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ有名な小説ですが読んだことはなく、初めて読みました。タイトル通り、ひたすら老人と海の話でした。毎日が新しい一日、打ち砕かれることはあっても負けることはない…など、何歳になっても勇敢に人生に立ち向かい、希望を失わずに生きる強さを感じました。
2投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログずっとおじいちゃん苦しそうでしんどかった。読み終わったあとの達成感がすごい。描写が丁寧ですごく目の前に浮かんでくるからこそのしんどさ。外国の昔の漁に詳しくなった気分になった。
1投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログ興奮した、怖かった、可哀想だった、でも勇敢だった。 サンチアゴは、運に見放された老いぼれ漁師と言っているが海の知識がなければ小舟で大魚との闘いを繰り広げていないし、長年の経験がなければきっと大魚は釣れなかったと思う。 確かに最後は…アレかもしれないけれど 挫けそうになっても、いやあれをしておこう、これは こうしておこうか…と前向きに考えたり本当に人生ってこうだよな!って学ぶ場面が多かった。 海の描写、大魚との闘い 想像力をフル稼働させました(^^) 海洋恐怖症の自分がもし小舟で沖まで出てしまったら… きっとすぐ、マイナス思考になり何も出来ないな…。 サンチアゴとあの子の関係性も師弟として 物凄くサンチアゴを尊敬していることも分かった。 お互いに漁師として認め合っていて素敵でした。
12投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログThe work was filled with literary excellence. To be honest, I didn’t find it very interesting. The reason is that there wasn’t much plot development, and it was a simple story told through richly expressive language. However, having the opportunity to read a work by the great writer Hemingway was a valuable experience.
0投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ昔の名作で短く読みやすいので読んでみた。自分は老漁師ではないのになぜか共感できた。人は孤独に生きて、壁にぶつかり敗北を知り、また立ち上がる。人生とは何かと聞かれて「老人と海」と答えてもいいと思った。
1投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ恥ずかしながらヘミングウェイは初めて読みました。一文一文がまるで生きているかのような躍動感で人間の強さと自然の豊かさ、あとは老人の厳しくも優しい人柄が読み取れました。 人間っていうのは負けるようにできちゃいない。殺されることはあっても、負けることはない。 素敵です。
0投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログなかなか波に乗るまで時間を要したが、 海の描写、船上での動き、大魚との激闘など 小舟での釣りなどしたこともない人間にとっても想像力を掻き立てる内容だった 人間の強さ、執着、愛情、粘り強さを感じ、 老いてなお老いに負けず、むしろ精神が強くなってさえいる老人に感服の思いだ ヘミングウェイの作品の中でも特に、 言葉に言い表せない感動を覚えた
1投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ一言で言ってしまえば漁に出た老人の話なのだが、臨場感ある表現により、獲物との駆け引きや苦難に対する不屈の精神に対して応援したい感情が沸き起こり物語の世界に引き込まれた。 さながらスポーツ中継を見ているような感覚だった。読んでよかった。
0投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログ初めて読みました。本の評価や解釈、ヘミングウェイのことは巻末の解説で書かれていたことくらいの知識です。 だからこれは多分みんなが考える在り来りの感想だと思うのですが、SNSとAIのせいで放っておいたら考える力と感性がどんどん貧しくなりそうな危機感を覚えたので、それに抵抗するために自分用のメモとして残しておきます。 結局、老人が釣り上げたあの大きくて立派で美しい魚はやっぱり老人自身だったのでは? もっと言うと、若かりし老人が持っていたパワーとかエネルギーとか。 そして次々に襲ってきたサメは老いの脅威みたいなものかな?と思いました。 だとすると、最終的に身は全て食われてしまったが鼻からしっぽまで18フィートある巨大な背骨は残って、それだけ見た観光客が「知らなかったわ、サメにはあんなに綺麗で立派な尻尾があったなんて」と言ったのはとても素敵かもしれない。 たしかに体力的な衰えに人間は勝てないけど、やっぱり老人は、愛する海で必要最低限の持ち物と自分自身で若かりし頃の自分の根本のエネルギーや生きる力みたいなものを、たしかに釣り上げて戻ってきたんじゃないかと感じています。 美しい形(外見や体力)はなくなっても、やったこと、その人の芯や内面、意志は綺麗で立派なまま変わらず残っているということかなと思いました。 作中で何度も体力的な老いと寂しさが強調されていたように思うのですが、それでも最後にはライオンの夢を見ていたから。 30年も生きてない自分ですら疲れたなと思うことがよくあります。 心の底から好きだからこそ深く理解して敬意を払っているようなものに対して、余計なものを全部捨てて自分自身の本気でもう一度向き合ってみる、みたいなのが必要なのかもしれない。 そういえば、ウディ・アレンがミッドナイトインパリで描いていた力強くて自信満々なヘミングウェイと、「君の小説は不快だ。下手くそなら読むのが不快だし、上手ければ嫉妬で不快だ」みたいなセリフがかなり好きです。
2投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
個人的にはハマらなかった。 だから、なんですか?というお話。 まぁ、歳を取ったらチャレンジしてみたいところではある。
0投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログ情景が頭に浮かんでくるくらい、読みやすかった。 魚と死闘を繰り広げ、最後の最後まで諦めない老人の力強さに、私も勇気をもらうことが出来た。
0投稿日: 2025.05.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
84日くらい不漁のお爺さんが海に出てずーっと魚追いかけてる話。すごいことにでかい魚を捕まえたんだけど次々とサメに襲われてしまってほとんど残らなかった。サメに襲われて徐々に食べられていくカジキが辛かった。これ以上食べないで!やめて!って思ってしまったね。でもヘロヘロになって帰ってきたおじいさんを男の子と村の人が優しく迎えてくれててとっても優しい世界だった。もっと厳しく当たられてるのかと思った。おじいさんは老化したことについて悲しんでいるようだった。あの男の子いたら、とか昔の強かった話とか所々入っていた。名作だったね〜。
0投稿日: 2025.05.04
powered by ブクログすごく文章が綺麗で読みやすかった。解説にも書かれた通り凄く海や釣りが好きだったんだろうなと分かる地の文で、読んでるこっちの頭の中にもしっかりと光景が浮かんだ。 おかげで世界に入り込み易かった。 ストーリーとしては盛り上がる部分というのは少ないけれど、挫けそうになりながらも困難に諦めずにやりきった老人の姿がカッコよかったし、最後には老人の漁師としての誇りが守られた気がした。 老人も魚もねばっこい。 少年は優しいね。 いっぱい海に連れてってもらってね……
0投稿日: 2025.04.30
powered by ブクログ描写が簡潔でわかりやすく感じた。 海、釣り、野球のことに詳しくないけれど、スピード感落とさず読み進めることができた。 私は釣ってから失っていくシーンが好き。 執着と潔さ。 老人を慕う少年の綺麗な心に胸を打たれた。
1投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログある意味何も起こってないが、それこそこの小説の醍醐味ではないかと感じました。 海への敬意と畏怖、そしてそれに抗う人間の強さを感じる小説だと思います。
0投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログノーベル文学賞作品 現代のMLB中継で、たまに紹介されるレジェンド選手が 作中で活躍してる時代 主人公のキューバに住む老人が野球好きで、 作中で、その選手たちの話が割と出てくるのが面白い (例えば、マリリン・モンローと結婚したディマジオや イチローの年間安打記録が破られる前のシスラーの息子さん等) MLBの事を書いたけど、作品は野球の話ではなく、 老人が海で小舟を漕いで、一人で漁をする話 作品は一言で表すと諸行無常という感じかな ヘミングウェイやこの作品についても 本編後に解説が載っていて、興味深かった ヘミングウェイの人生の年表もあり、わかりやすかった 川端康成と同じ年に生まれたようだ
27投稿日: 2025.04.20
powered by ブクログ老人と海の戦いを描いた作品だった。海とは何か、私は表紙に書いてあるカジキとの戦いが一貫して展開される物語かと思った。だけど、老人が戦う相手はカジキ以外にもいて、老いた体を言い訳にするでもなく、朴訥にそれらへ立ち向かって行った。私もそんなかっこいい老人になりたいとシンプルに思わせてくれる作品だった。描写が細やかで分かりやすく、物語も短いので読みやすかった。
0投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まぁまぁ。 ベテラン漁師の老人が1匹のカジキを釣り上げる話。 獲物であるカジキに敬意を表していたり、友と呼ぶところが好き。トリコ感がある。 ただ仕留めて終わりじゃなく、その後サメに徐々に食べられてしまうというのが現実感があって良かった。 食べられてしまったけど、大物を釣り上げた老人がちゃんとみんなに尊敬されてたのは良かった。
0投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
普通。 老人が海に出て、久しぶりに大物を釣り上げるけれどそれが街に戻るまでの間にサメに食べられてしまうお話。 大物との闘いが、愛情によるものになって面白かった、戦友になっていく課程は楽しく読める。3日くらいその大物と向き合って沖に出てしまうから、帰りにも時間がかかってしまうために、サメなどに戦友を食べ尽くされてしまう。 けれど老人は無事に帰ることができる。 私なら1日で引き返すと思う。それをせずに海に向き合い、海を女性だと形容し、闘いを続ける姿勢に感動した。 あまりにもシンプルな内容と、情景描写が多すぎること、知らない野球の話や分からない船の上での駆け引きが多くて入り込めなかった。
0投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログ僕が小説を好きになるきっかけとなった本。 自然豊かで綺麗な情景、直情的でユーモア溢れる心理描写。一瞬でこの本の虜になりました。 僕は『武器よさらば』、『日はまた昇る』といった代表的なヘミングウェイの作品を読みましたが、今上げた2つの作品と『老人と海』の共通する点として、物語の根幹に退廃的な雰囲気を帯びつつも、前向きに生きようとする人々に焦点を当てて描いている点があると考えました。 これらから、ヘミングウェイの作品は、常に世間の荒波に揉まれる現代の人々にとって生きる活力を与えてくれるものだと言えるでしょう。
1投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログカジキとの死闘は、読んでるこちらがとても疲弊した。何度も心立ち上がるおじいさんに、まだやるの?!!と驚いたし、戦闘心が闘っているうちに、崇高な所までいってしまう心模様は本当に美しくて、強くて、海そのものだと思った。
1投稿日: 2025.02.28
powered by ブクログこれがヘミングウェイかー。解説から年表までボリュームがあってよかった。ヘミングウェイとは生まれが1世紀も違うんだな。 老人といっても、そこまで老人ではないだろうが、85日目の大勝負、内も外も葛藤が見て取れて面白かった。私も1人、職場でああでもないこうでもないと思っていることを口に出してしまうこともあるが、独り言というのは頭の整理や自信を持たせるための手段として悪くないらしい。きっとおじいさんも、少なからずネガティブな気持ちや不安、孤独が合ったのだろうが、それを紛らわすには自分との対話、声に出すか否かにかかわらず、が必要だったのだろう。 最後のサメとの対戦はある種のRPGゲームのようで、可笑しくも、必死な様がとても良かった。残骸を見て感嘆を受けているところから、老人が思うよりも同業者には一目置かれていたし、少年は尊敬と愛を持っているのだろうと思う。
0投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログ2025.2.15読了 何度読んでも生きる勇気をもらう。 あの薄い本の中に、これほどの力強さが潜んでいるとは。何度でも読み返したくなる。 海という壮大な自然の中に、老人がたった1人。静けさの中に、人間の底力、決して挫けることのない闘志を感じる。 ヘミングウェイの生涯を知った後に読むと、より一層彼の強さへの憧れを感じる。 ヘミングウェイは、二つの世界大戦の時代に生き、晩年、航空事故によって、脳と身体に損傷を受け、精神を病み、最後は猟銃で自殺してしまったらしい。 最後まで、ライオンの夢を見続けたサンチャゴに、強さを追い求め続けてきたヘミングウェイの姿が重なった。 マノーリンの優しさに気づけていれば。 強さではなく、少年のあたたかさに目を向けることが出来たら。サンチャゴの、ひいてはヘミングウェイの結末は変わっていたかもしれない。 でも実際に兵士として戦争を経験し、戦争の時代に生きたからこそ、こんなにも臨場感のある力強い小説が書けるんだろうか。人生は複雑。 ヘミングウェイの小説が大好き。
1投稿日: 2025.02.18
powered by ブクログまだまだ理解するには早かったようです、この若輩者! 色々許せたり諦めたりすることが出来るようになってからまた感想が変わるかなと思います。
2投稿日: 2025.02.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
授業で読んだ 何が言いたいか分からず、山場もなく、やはりアメリカ古典文学は合わないなぁ、、と思ったきっかけの作品(ごめんなさい)
0投稿日: 2025.02.07
powered by ブクログやつらは、気高くて、、何だっけ、 とにかく、人間のしぶとさと、生物の気高さ、しかし、人間は負けないんだ、という、老人のすべてを飲み込んだうえでの言葉が染みた
1投稿日: 2025.02.04
powered by ブクログあらゆる生命への尊敬がほんとうにうつくしくてすばらしい。生き物ってなんて強いんだろうな。わたしもいちおう人間っていう生き物なんだけど、心からそう思った…。
5投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログ彼が釣人だったからこそ書けた作品。自然と、生命と向き合う姿勢が彼の愛溢れていてとても良い。釣れない時間は魚が自身を考える時間を与えてくれたているだかなんとかをこの作品で理解できた。戦争を経験した彼のリアルな表現が五感を刺激して印象的なシーンが多い
1投稿日: 2025.01.25
powered by ブクログ新潮文庫の100冊 2024を読もうと入手した。 (2025.1.14) ※2025.1.4お正月セールで古本購入@BOOKOFF名古屋味鋺店 新潮文庫の100冊 2024:16冊目
0投稿日: 2025.01.14
powered by ブクログ私たちが日々人間に対峙するのと同じように、彼は海と対峙してる話。 私たちは日々人間相手に喜怒哀楽を感じ、海に癒しを求めるが、彼にとっては海が喜怒哀楽を与える相手で、人間にこそが癒しの領域
0投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ずっとおじいさんがマグロと格闘していた。 他の人の感想を読んでいたら、素晴らしい作品なんだろうなとは思うけど、私にはあまりおもしろさがわからなかった。
3投稿日: 2025.01.05
powered by ブクログ1952年に 雑誌「ライフ」に全編が発表され500万部を売り上げたという桁外れな作品。 日本語に訳されたのは ヘミングウェイが猟銃自殺してしまった後、、 正直わたしはそこまでのめり込めない作品ですが 確かに 氷山理論と言われる、このただひたすらに老人がカジキと向き合うという究極にミニマルな物語の中に書かれていないものを読んでとるという読書の醍醐味は感じられました。 老人の生き様を心から大切に、感謝している少年マノーリンくんと、この町の他の漁師たちの心の大きさというか温かさが、骨に染みる(カジキの?)ような優しさに溢れた作品でした。 釣りに無関心な女子からしたらツッコミどころはまあありますが 名作を読めて本当に感謝です。 そしていろんな研究がされているようですし、日本でいちばん新しい左右社の今村訳ではマノーリンが若者と書かれていますが… ぜったいに少年! マノーリンは少年! 13~15歳くらいの少年でなけりゃ! と思います レイモンド・シェパードさんの挿絵入の版がありとても素敵でした。マノーリンくんは少年として描かれて、岩波少年文庫の太田大八さんの絵のような雰囲気がありましたね。 YA文学としても勧められるんじゃないかしら
10投稿日: 2025.01.03
powered by ブクログこの本の後ろには、大魚を捕ろうとする人間の勇気と書いてあった。それも感じ取ったのだが、私は老人の魚を捕ろうとする執着や久々に大物を前にした老人の活気なども感じ取った。 ページ数的には読みやすいものではあったが、魚を捕るシーンが長すぎて、私には冗長に感じた。自然の万物について考えさせられるようなところもあってよかったけどね
0投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログなんだかんだ読んでこなかったノーベル文学賞受賞作(?)読んだ動機は不純だから書かないどく 自然って偉大だなぁとも思うし、畏れるべき対象でもあると実感した サンチアゴの熱意がありありと伝わってきて感動した ラストはすっごいやるせなく感じたけど、それも又よし
4投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログ1匹の魚との闘いを、ここまで重厚に描けることに感動した。少年とサンチアゴの互いを思う描写が、人の温かさを鮮明に表している。
1投稿日: 2024.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
老人を慕う少年の健気さに感情移入しながら読みました。 大魚やサメとの戦いで、老人はずっと全身、特に手を酷使し続けます。そんな描写を重ねてきて、なんとか生還した老人の手を少年が見た瞬間、自分にもいろいろな思いが溢れてきました。 老人が生きて帰り、お前がいなくて寂しかったよと少年に伝える場面があったことで、気持ちが救われるようでした。 誇りや自尊心と、老いとの葛藤は、大小はあれどみんなが通る道だと思います。少年のような優しさを受け取れるようになるには、どうしたらいいのかと考えてしまいました。
1投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログ192P ヘミングウェイ (1899-1961)シカゴ近郊生れ。1918年第1次大戦に赤十字要員として参加、負傷する。1921年より1928年までパリに住み、『われらの時代』『日はまた昇る』『男だけの世界』などを刊行。その後『武器よさらば』、短編「キリマンジャロの雪」などを発表。スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。1952年『老人と海』を発表、ピューリッツア賞を受賞。1954年、ノーベル文学賞を受賞。1961年、猟銃で自裁。 老人と海(新潮文庫) by ヘミングウェイ、高見浩 老人の頭のなかで、海は一貫して〝ラ・マール〟だった。スペイン語で海を女性扱いしてそう呼ぶのが、海を愛する者の 慣わしだった。そうして海を愛する者も、ときに海を 悪しざまに言うことがあるが、女性に見立てることには変わりない。若い漁師たち、釣り綱の浮き代わりにブイを使ったり、サメの肝臓で 儲けて買ったエンジン付きの舟で漁に出たりする連中のなかには、海を〝エル・マール〟と男性形で呼ぶ者もいる。そういう連中は海を競争相手か、単なる仕事場か、甚だしい場合は敵のように見なす。だが、老人はいつも海を女性ととらえていた。大きな恵みを与えてくれたり、出し惜しみしたりする存在ととらえていた。ときに海が荒れたり邪険に振舞ったりしても、それは海の 本然 というものなのだ。海も月の影響を受けるんだろう、人間の女と同じように。老人はそう思っていた。 大量のプランクトンは魚が寄ってくる証拠だから、老人も嬉しかった。日が高く昇って水中に 妖しい光が 射しているのは好天がつづく証拠だし、陸地にかかる雲の形もそれを裏づけている。だが、鳥はもうほとんど姿を消していた。いま海面で目に入るのは、日に 灼けて黄ばんだ海藻ホンダワラと紫色の電気クラゲ、カツオノエボシくらいのものだ。海藻はあちこちに集まって浮いており、クラゲは 虹 色 に輝くゼラチン状の浮袋の 体 をなして浮かんでいる。クラゲは横に倒れたと思うと、また立ち直る。泡のように楽しげに浮かんでいるが、背後には一ヤードもある紫色の有毒の糸を引いている。 海亀の中では、アオウミガメとタイマイが老人は気に入っていた。身ごなしが優雅で、俊敏で、相当の値打ちがあるからだ。図体がでかくて愚鈍なアカウミガメは、愛すべきうすのろと見ていた。黄色い甲羅に守られて、変わった流儀の交尾をするやつだが、目を閉じて満足そうにクラゲをパクついているところなど、なんとも 愛嬌 がある。 海亀獲りの舟には何年も乗ったが、亀を神秘的な生き物だと思ったことはない。むしろ可哀そうな連中だと思っていた。体長が小舟ほどもあり、重さが一トンもあるようなオサガメでもそうだ。漁師たちの大半が亀に冷たいのは、亀の心臓というやつ、殺されて切り刻まれても、まだ数時間も脈打っているからだ。だが、おれの心臓だってそんなものだし、手足だって連中とそう変わらんぞ、と老人は思っている。かねてから海亀の白い卵を食べているのは、精をつけるためだ。掛け値なしに大物の魚に出会う九月と十月に備えて、五月は毎日のように白い卵を食べている。 結果、暗い深海にもぐったまま、どんな 罠 も仕掛けも策も及ばぬ遠くを目指すことにしたのだろう。それでこっちも、どんな人間も追いつけないところまで追いかけることにした。世界中のだれの手も届かないところまで追うことにした。そのあげく、いまこうして、正午からずっと、あいつとつながっている。おれもあいつも、孤立無援だ。 漁師になったのは間違いだったか、と一瞬弱気になって、いやなに、漁師に生まれついたればこそのおれだろうがと、思い直す。明るくなったらマグロを食うのを忘れんようにしよう。 もう二日間も 試合 の結果を知らずにいるんだな、と老人は思った。が、なに、心配は要らんさ。おれだってディマジオに笑われんようにしなきゃ。なにしろあの男は、 踵 の 骨 棘 の痛みにもめげずに、打っても守っても 完璧 にやってのけるんだから。そういや、骨棘ってのは何だ? ウン・エスプエラ・デ・ウエソってやつ。足の踵の骨の一部が 蹴爪 のように突起してしまうらしい。おれたちには縁がないが、踵の中に 軍鶏 の蹴爪ができたみたいに痛むんだろうか? おれには到底耐えられそうにない。軍鶏なんぞは片目を失っても、両目を失っても、闘いつづけるが、ああいう 真似 もおれにはできん。人間ってやつは、 所詮、したたかな鳥や獣の敵ではない。それでもおれはせめて、いまあの暗い海中にいるやつのようでありたいが。 自分から 諦めちまうなど愚かなこった、と老人は思った。それは罪というもんだ。いや、罪なんてことは考えまい。それでなくとも厄介なことがどっさりある。そもそも、罪とはどういうものか、からきしわからんし。 そう、わかっちゃいない。罪なんてものがあるのかどうかも、わからん。たぶん、あの魚を殺したのは罪だったのだ。たとえ自分が生きるため、大勢の人間を食わせるためにやったとしても、罪だったんだろうよ。となると、何をやっても罪だということになる。もうやめよう、罪のことを考えるのは。いまさら手遅れだし、この世には罪のことを考えるのを 生業 にしている連中もいる。そういう連中に任せよう。おまえはそもそもが、漁師になるために生まれたんだ、魚が魚になるために生まれたようにな。聖ペテロだって、あのディマジオの親父さんだって、漁師だったんだ。 「知らなかったわ、サメにはあんなに立派な美しい尻尾があったなんて」 「おれもだよ」つれの男が言った。 道の先の小屋では、老人がまた眠り込んでいた。うつ伏せになったままの老人を、少年がそばにすわって見守っていた。老人はライオンの夢を見ていた。 で、もう一つの秘密というのはこうです。シンボリズムなどはありません。海は海、老人は老人。少年は少年で、魚は魚。サメはサメ以外の何物でもない。世間で言うシンボリズムなどはゴミです。肝心なのは、自分がものを知り尽くした先に何が見えてくるか。作家は過分なほどに対象を熟知しているべきなのです。 もし、一つのキャラクターがリアリティをもって描かれているのでなければ、それはシンボルたりえない、もしある作品がストーリーを語っているのでなければ、それは神話たりえない──中略──だからきみ(*ヘミングウェイ) はわれわれに一つのキャラクターと一つのストーリーを与えている。そして読者は、キャラクターとストーリーの中で、それらが自分に示唆するシンボリックな、あるいは神話的な特質を読みとればいいのだ。(「ヘミングウェイ キューバの日々」宮下嶺夫訳) ジョー・ディマジオ(一九一四─一九九九)。本書の主人公である老人の、心の支えとも励みともなっているディマジオ。彼は当時のヤンキースの代名詞と呼ぶにふさわしい、文字通りのスーパー・スターだった。老人の言葉にもあるとおり、シチリアからの貧しい移民である漁師を父として生まれた。右投げ右打ちの外野手で、ヤンキースには、一九三六年から一九四二年、及び、一九四六年から一九五一年の二期にわたって在籍。無類のスラッガーで、一九四一年には、大リーグで現在に至るも破られていない、五六試合連続安打の大記録を達成している。生涯に首位打者二回、本塁打王二回、MVP三回の栄誉に輝いた。私生活では、一九五四年一月に、「お熱いのがお好き」で知られる映画女優マリリン・モンローと結婚し、翌二月に新婚旅行を兼ねて日本を訪れてもいる。この結婚は破局に終わるのだが、ディマジオは終生モンローを愛しつづけたと言われる。事実、彼はその後生涯、独身を貫いたのだった。 マノーリンは二十二歳なのか、十歳以下なのか? この作品を虚心に読めば、マノーリンの言動、心理状態、親子関係、老人との会話等から、まず二十二歳の青年とは思えない。ヘミングウェイはやはり、問題のheを息子のほうのシスラーのつもりで書いたのだろうと見る。その際もヘミングウェイは、マノーリンを、正確に、十歳以下の少年、と意識していたわけではなく、だいたい十歳前後から十三、四歳ぐらいのつもりだったのではないだろうか。一九五八年公開の映画「老人と海」は、ヘミングウェイがその脚本を十分吟味した末、最終的にゴー・サインを出した作品だが、マノーリンを演じたフェリペ・パソスは当時十一歳の少年だった。けれども、ヘミングウェイはその子役が気に入らなかったという説をもって、マノーリンは少年ではないという説の有力な傍証とする見方もある。この映画の脚本を書いたのは、長年ヘミングウェイと家族ぐるみの付き合いをし、ヘミングウェイを 畏敬 していた脚本家ピーター・ヴィアテルだが、彼はその回想録で、ヘミングウェイはその子役が〝オタマジャクシとアニタ・ルースを掛け合わせたようで気に入らん〟と言っていたと明記している。アニタ・ルースとは、当時人気のあった女流小説家兼映画脚本家である。つまり、ヘミングウェイは子役の 年齢 が気に入らなかったのではなく、その 顔立ち が気に食わなかったのだと見ていいと思う(たしかに、映画に登場するマノーリンは、いまに残るアニタ・ルースの顔写真にちょっと似ている気がする)。この作品にちりばめられたさまざまな要素を勘案して、訳者自身はマノーリンを十三、四歳くらいの少年と見立てて訳したことを記しておく。十四歳くらいと見れば、老人がマノーリンに向かって、〝おれがおまえくらいの歳には、ひらの水夫をやってたんだ〟と…
0投稿日: 2024.12.19
powered by ブクログ老人と大魚の格闘の臨場感が息を飲むようであった。手など自分の体の一部を励ますように船上でカジキやシイラ、サメなどとまさに死闘を繰り広げる様は圧巻であった。時に人間に牙を剥く海とそこに棲む生物の脅威を海釣りとそれを描写した小説から感じられるある意味奇異な一冊なのかもしれない。
2投稿日: 2024.12.16
powered by ブクログヨルシカの曲が好きで、本を読んだ。 老の弱さと強さが伝わる。 老人の足元が心配になる少年。だけど、老人の背中は大きい。海のおおらかさに負けないくらい。
0投稿日: 2024.12.14
powered by ブクログ大きな魚と闘う老人。それだけの話なのですが臨場感がすごいです。 まるで自分が舟に乗って、海に出ている感じです。 ロープが引っ張られ、食事用にシイラを釣り上げます。手がしびれます。 海を感じたい人におすすめです。
10投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログ1952年の作品。 老人の漁師と大きなカジキとの息を呑むような格闘の物語。文章の中にここまでの迫力を込められるのかと感嘆させられる珠玉の名著。 漁業も漁師の生活の営みも現代とは大きく違うのだろう。 その当時の漁師の生活感もリアルに感じられる。 シンプルな物語の中に時代性や老人の仕事に対する生真面目さや職人性を感じられ、終盤はその真摯な姿勢に心から感動されされた。 人間の尊厳、 自然界との調和、 生の意味、 静かな感動と忘れることのできない読後感。 間違いない名作中の名作。
1投稿日: 2024.12.05
powered by ブクログ読むのにものすごくエネルギーを持っていかれる作品だった。主人公と大魚のやり取りはもちろんだが、漁をしている最中の主人公の頭の中で考えている思考の描写が、特に素敵であった。広い海の中にたった一人。自分で自分を何度も奮い立たせ、精一杯考えて大魚に立ち向かう。その思考回路の全てが、文字となって頭に流れ込んでくるように描写されている。主人公も大魚も、全身全霊で精一杯立ち向かっていた。全身全霊で物事に取り組む事はなかなか日常でできること、起こることではないからこそ強く惹きつけられるのだと思う。
0投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログ中学2年生の時に新潮文庫の旧訳版を読んで以来の再読だったので、まるで初読のような新鮮な気持ちで楽しむことが出来た。 旧訳版を隣に置いて、ところどころの文章を比較しながら読んだのだが、訳者が変わるとこんなに変わるのかと驚かされた。 老人の内面描写とカジキとの死闘が迫力の筆致で描かれる。人間とは斯くも逞しく、自然とは斯くも美しく残酷だと思った。 訳者による解説も読み応えがあった。旧訳版との解釈の違いや表現変更の理由のひとつひとつに「なるほど」となった。
1投稿日: 2024.11.05
powered by ブクログハードボイルド・リアリズム 肉体的行動を描写しており、1人芝居の舞台を見ているかのよう。美麗な比喩や小洒落たかけ合いなど無い。あるのは生、戦闘、勝利への熱望。漢の物語。 弱気になりかけても10文字後には自分を鼓舞し弱さを他人事のように打ち消している。 言い回しが正直クサいけどかっこいいとも思わされる。もしまた左手がつったら網に切り落とさせるぞ、とか。 そんな老人でも、少年や以前捕えたまかじきの雌に対する弱さ優しさ憐憫があり読み手も見守らずにはいられない。 とにかくジェットコースターのような一冊でした。 福田恒存(つねあり)さんの訳者あとがきが面白く強烈だったので調べてみたら、東京帝国大学の文学士で演劇、戯曲、文芸評論など多方面に明るく戦後日本を代表する思想家であったそう。この人の訳で読めてよかった。格式がありながらも詩的で大衆感がなく、純文学を読んだ満足感が得られた。
1投稿日: 2024.11.03
powered by ブクログ慣れない言い回しや漁の用語が多く、始めはページが進まなかったけれど、気が付いたら物語にのめり込んでいた。何度も苦境を強いられながらも己を鼓舞し一人で立ち向かっていく老人の姿に心打たれる。かっこいい。
1投稿日: 2024.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人の強さ、弱さ、優しさを教えてくれる一冊でした。 文脈や情景にその時の老人の心情が語られ、老人と一体化したような感覚でした。 個人的に好きなシーンは大魚を捕らえた後に次から次へとサメが襲ってくるシーンです。 老人を自分として、迫り来るサメの群れを日々の不安や苦悩などに置き換えて読みました。 その時その時に自分が持ち合わせている知識や経験を以ってそれらの不安や苦悩に立ち向かっていく、そんなふうに捕らえることができました。 サンチアゴの自分を奮い立たせるセリフや、少年を必要とする弱さも含めて生きていく上で大切なことを学べました。
1投稿日: 2024.10.28
powered by ブクログ老人の孤独な戦いが、短いながらも濃密に描かれている。 海との戦いを通し、ある種の悟りの様な境地に辿り着く様子は人間の強さ、自然の厳しさ、それらのあるがままの姿を感じさせてくれる。
0投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シンプルな物語と文章だからこそ臨場感がありするすると読めてしまった。 まだあとがきは読んでいないけれど、 巻末の解説にヘミングウェイが考える【氷山の理論】なるものが紹介されており、「作者が真実を込めて書いているなら、書かなかったことでも読者には書いたも同然に実感される。氷山は表面に出ている八分の一だけでも堂々たる動きを見せている。」と記しているらしい。 それを知り、これだけシンプルな文章なのに情景が映像として浮かんでくるのは凄い描写量であることは意図されたことだとわかり驚き。 魚との闘いにおいて、人間は知識がある、だが魚は気高さがある、と言っている。殺さなければならない知識と、兄弟と語りかける関係、鮫に対する態度、ここに自然に共に揉まれる漁師の魂を見た。 そして鮫に啄まれ、もう半分しか無くなってしまった時、私も悔しい思いをしたし、それでも闘い続けねばならないこと、持ち帰るしかもうないこと、爺さんの血汗水が伝わってきた。 港に着いてからというもの、捜索を出されていることに、爺さんが日ごろ気に掛けられている人柄であることを感じた。白骨を見た周りの漁師は、爺さんに一目を置き続けるのだろう。何も知らない観光客が白骨について尋ねるのが、その偉業を感じられてよかった。 ライオンの夢をまた見始められたということは、爺さんがまた海に出られるのだろうと解釈した。
0投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ言葉一つ一つが磨かれたシーグラスのように綺麗だった。翻訳されたものでこれでは、原作はもっと美しいんじゃないか? 老人の海への愛情、大魚との戦い、母なる海がもたらすさらなる試練。 最高傑作と呼ばれる所以がわかった気がする。
1投稿日: 2024.10.14
