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慟哭は聴こえない
慟哭は聴こえない
丸山正樹/東京創元社
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総合評価

56件)
4.4
28
21
5
0
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    「デフ・ヴォイス」シリーズの第三弾。シリーズの主人公の荒井のお仕事ものとしても楽しめるし、ろう者を取り巻く社会の側にある障害について知ることができる作品としても学びにつながる。また荒居一家に会いたくなった。

    0
    投稿日: 2025.07.20
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    デフ・ヴォイスシリーズで、これだけ読んで無かったので。 決して明るい話ではないけれど、知るべきことが記されてる本というか、読んで良かったと思うし、色々と考えさせられる。 ろう者ではないけれど、何森さん、何だか気になる人だなぁと思ったら、スピンオフ出てるのか! まだ文庫にはなってないのかなぁー。 読んでみたい!

    1
    投稿日: 2025.07.17
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    デブ・ヴォイスシリーズ第三弾、色々と忘れていたけれど読みながら思い出してきた。 どんなことも自分や自分の周りにないことはなかなか考えたり感じたりすることは難しい。 もし、聴覚障害を持った子が産まれてきたら、人工内耳を入れるか… 遠く離れた家族に元気だと伝える手段が無かったらどうするか… 夢を持って進学や就職をしても差別や偏見があったら… 無自覚な偏見で差別的な言動や行動を自分もどこかでしてしまっているのではないか。この世界はまだまだ多数派に合わせてあることが多い。ひとりひとりの想像力と歩み寄りが大切なんだとあらためて感じた。

    9
    投稿日: 2025.05.01
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    前の二作品を読んでから少し時間が経ってしまったので、読み返してから手に取りました。 「聞こえない」ということは、世間的には「障害」といわれることもありますし、日常生活の中で苦労することも多々あるのだと思います。 それでも、「日本手話」という言語と「ろう」という文化をもち、暮している彼らの生きざまは決して不幸ではありませんし日々の生活の中での出会いや感情の機微は、「聞こえる」「聴こえない」という特質による差はなく、みな一人ひとりの人間なのだと改めて感じます。 CODAとして育った主人公・荒井がついに家族を持ったあとの4つのエピソードからなる連作短編集ですが、読後感は暖かく、ますます作品の世界観に引き込まれました。 2025年5月には、シリーズの最新作「わたしのいないテーブルで」が文庫化されるとのことで、いまから刊行が楽しみです。

    8
    投稿日: 2025.04.11
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    すっかりファンとなったシリーズ3作目です。 手話を取り巻く差別的な現状が伝わってきます。ミステリーなのでぐいぐい読んでしまい、考える間もなくあとがきまで行き着いてしまうところが悩みなくらい。 それでも4話目の法廷のさざめきのラストは鳥肌が立ちました。 私は恥ずかしながら難聴者の方と関わりをもったことがありません。一度、就労支援施設を見学した際に、発話に困っていらっしゃる若い方を見かけたくらいです。面接トレーニングをされていましたが、高度な内容を披露されていたので逆に驚きました。 ↑ この逆に驚いた、というのがまさに差別の温床なのでしょう。作品内でも登場人物が同じように自問する場面が多々あります。 少しでも苦しみに共感できるように、これからも考え続けていきたいと思わされました。 それにしても、まさかここで七尾旅人さんのお名前を見かけるとは…。学生時代を思い出しました。

    12
    投稿日: 2025.03.31
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    聞こえない世界に生きる人たちの葛藤や悩みがよく見える 聞こえない子どもを聞こえる世界へ導きたいと思うのは親のエゴなのか 子どもをありのまま愛することができるのか 親の持ち物ではないのだ

    0
    投稿日: 2025.03.29
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    耳が聞こえない人の世界ってこういう世界なのね、と自分の無知を恥じる。 短編がいくつか入っていて、どれも読みやすく勉強になり、時にハラハラしたり応援したり。 障害がある人、ない人、お互いに歩みよらないといけない。 私ももちろんそうだけど、息子には優しく共感力があり、器の大きい人間になってほしい。

    10
    投稿日: 2025.03.01
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    「デフ・ヴォイス」シリーズの第3弾 聴こえない人たちが直面する様々な現実を、前作よりも更に深く、読者に突き付けてくる内容だった。 医療へのアクセス、 教育機会へのアクセス、 聴者が抱く「クールなパフォーマンス」としての手話の「イメージ」と、ろう者にとっての「言葉」であり「文化」である手話のギャップ、 職場内での差別や孤立、 それらと並行して、尚人と妻のみゆき、みゆきの連れ子である美和、尚人とみゆきの間に生まれた「聴こえない子ども」である瞳美が、徐々に「家族のかたち」を作っていくストーリーが描かれている。 読み終えてからあらためて表紙を見ると、少女のポーズの意味が分かってキュンとする。 今回も、さんざんモヤモヤした末の晴れやかな読後感が最高!! 行き倒れたろう者の出自を追う尚人と何森刑事の旅では、ろう者と聴者が等しく手話で話す地域が登場する(そのような地域が現実に存在するらしい)。 何森刑事の生育歴がさらに気になり、スピンオフ作品も読みたくなった。

    0
    投稿日: 2025.02.16
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    「デス・ヴォイス」シリーズ第3弾。 手話通訳士の荒井は、結婚して妻のみゆきと娘の美和と生活を送っていた。そんな彼が出合った四つの事件。 今作も、ろう者を取り巻く様々な現状を突きつけられた。妊婦の医療通訳、救急通報システム、雇用差別、ろう者の進学と就労、ろう者の活躍する場など、考えなければならないことはまだまだ多いようだ。 手話教室に通っているという著者。インタビューなども積極的に行っているみたい。実際にろう者の生の声を聴いているから、これほどの説得力が生まれるんだろうな。 荒井とみゆきの間に生まれたろう者の娘。ろう者を取り巻く厳しい現状にどう向き合っていくのか。この先も彼らを見守りたい。

    50
    投稿日: 2025.02.13
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    デフ·ヴォイス シリーズの第三弾。 手話通訳士の荒井尚人が依頼を受ける人々との関わりの中に、大切な事がこの世には沢山ある。ということを教えてくれる。 昨年は草彅剛さん主演でドラマ化もされました。 このシリーズでは新井さんに新しい家族が出来ます。父となった新井さんは少しずつ心ほどかれ、柔らかな表情を見せてくれる。 私は、このシリーズを読み、初めてコーダや手話表現、ろう文化など沢山の事を知りました。耳が聴こえないことの生きづらさも物語を通して初めて知ることばかりで、自分がいかに何も知らなかったかをしり愕然としたものでした。 もっともっと沢山の人に、この本を読んでほしい。 そして、皆がお互いに歩み寄り支え合う日常を見たい。

    0
    投稿日: 2025.01.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前に草彅君がやってたドラマの原作者でした。 最初はミステリーかと思って借りたのだけど、手話通訳として働く新井の手記というか「聞こえない」ことで日常生活に生じる聾唖者たちの苦労というか、不便さや健聴者との共存(大げさかな)の難しさなど書かれてました。 うーん。。。難しかった。ミステリーを読むつもりで借りたので、こういう社会問題提議的な話は予想外で少し読むのに時間がかかりました。 話は4話に分かれていて別の話だけど一貫性はありました。面白かったかというと。。。うーん。。難しかったとしか感想がでない。なんと言ってよいのか。。 3話のホームレスの話がよかったかな。 とある小さな島出身の聾唖のホームレスが、テレビ放送にわざと映り込み、田舎の母親へその土地でしか使われていない手話でメッセージを伝える。。しかし、母親の地域では放送していない番組で。。というなんともやりきれない話だったけど、最後には母親に希望を持たせて終わっててよかったです。

    2
    投稿日: 2024.11.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    相手に寄り添うためには、相手が今何を必要としているか、困っているかを想像する必要があるけれど、知識がなければ想像することも難しいと思う。 辛いこと、うまくいかないこと、心の中のことを話せる人がいることが、一番の救いということが、一つのテーマなのかとも思った。 最後に美和と栄知くんのつながりに救われる最後だった。

    1
    投稿日: 2024.11.11
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    デフ・ヴォイスシリーズ3作目。 今回も面白かったです。 今までと違って、4つのお話からなる連作短編集になっていて、前より読みやすくなったと思います。 『静かな男』では泣いてしまいました。 この作品を読むと、いつも切なくて温かい気持ちになります。

    3
    投稿日: 2024.11.10
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    シリーズ3作目。ろう者を取り巻く問題を知ることができる社会的な側面と、家族の成長も温かく見守ることができるハートフルな側面を合わせ持つ、特別なシリーズだと感じる。続けて4作目も読みたいと思う。

    4
    投稿日: 2024.10.16
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    デフ・ヴォイスシリーズ第三段。 『慟哭は聞こえない』 聾者にとっての緊急通報の問題。作中では、サービスの欠如で通報が遅れ、痛ましい結果となったが、現在は、事前登録することでメールやチャットでの通報対応、GPSでの位置検知対応などができる緊急通報サービスが整備されているよう。文字の入力が難しくても状況を動画や画像撮影して送ることもできるし結構便利かもしれない。緊急時、家に一人でいる際など、いつでも口が利ける状態とは限らないし、自分でも登録しておきたいぐらい。 ストーリーの展開上仕方がないとはいえ、聾の若い夫婦があまりにも受け身というか危機管理がなってない気がした。妊娠に気づき、産婦人科を受診という段に、市の手話サービスに不信感があるなら、ネットで少し調べれば手話や筆談対応の産婦人科などすぐに出てくる。何があるかわからない妊娠後期、出かける時は、大きく「救急車を呼んでください」などと書いた紙を持ち歩いていてもよかったのではないか。聾者に対する理解と社会整備はもちろん急務だけれど、受け手の積極的な情報収集と不完全な部分を補う自助努力も必要。片方からだけの歩み寄りには時間がかかってしまうのだから。 『クール・サイレント』 『星の金貨』『愛していると言ってくれ』『オレンジデイズ』『silent』…、聾者の登場するドラマは案外多い。唯一観ていた『オレンジデイズ』、もう20年前のドラマにもかかわらず、最後の最後に勇気を出して妻夫木の背中に向けて声をあげた柴咲コウのシーンは今でも鮮明に思い出せるほど感動したことを覚えているけれど、あれは聴者目線の感動でしかなかったのか…と愕然。作中では、聾者を演じる聾のモデル・HALが、聴者の相手役からの手話を用いた愛の告白に、手話ではなく口話で答えるという台本に異議を唱える。大切な言葉であるからこそ、”自分の言葉”で伝えるのが当然ではないか、と。聴者たちからの”聾者のイメージ”の押し付けに対する精神の摩耗と、自分は聾者を代表して聴者と互角に渡り合うのだ、という気負いからくるプレッシャーで意固地になっているのか、と解釈してみたりするが、実際、聾者の方全般にとってもそうなのか。 『静かな男』 行旅死亡人である男の身元を探る中で、テレビに映るその男が「水久保手話」を操っていたことから瀬戸内海に浮かぶ島の集落・水久保出身者であることがわかる。集落では聴者・聾者の別なく誰もが普通に手話を使い会話する。そんな、社会が目指すべき理想郷で生まれ育ち、よくしゃべった男が、都会の暮らしの中で徐々に”静かな男”へと変貌し、最後は孤独な死を迎えざるを得なかった男。島を出る必要が本当にあったのか、もっと早く踏ん切りをつけて帰郷することができなかったのか。やりきれなさに涙が出た。 『法廷のさざめき』 障害者雇用枠で雇用された女性が会社や同僚たちの対応に不満を持ち、民事裁判を起こす。実際、助成金目当てに雇用し、適切な環境を整えない企業はたくさん存在するのだろうな。聾者一人を雇うために、通訳を雇うことをナンセンスと考えることは、例えば、生理休暇や産休を与えてまで女性を雇用する事はナンセンス、と考えること変わらないことを思えば、その思想の危うさに実感が伴う。

    9
    投稿日: 2024.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    オーディブルにて。 やはり障害者とその周りの環境について興味があるからか面白く読めた。 聾者として生まれた瞳美が手話を覚えた2歳になるまでが飛んだけど、文字の概念も分からぬうちにどうやって教えたのか気になる。 3作目なので新井とその家族の成長も一緒に追えて面白い。 「一人でも障害児を減らせるように」との言葉にみゆきは 障害児は減らさなきゃいけないものなのか、この子は変わらなきゃいけないものなのか と思ってたけども、障害児に関わる者としては 人工内耳のようにその子自身が大きく変わらなくても道具や環境を変えることで生きづらさがなくなればいい という思いなのかな〜とも思いつつ。 でも少なからず(人工内耳ならば手術など本人自身の努力でなくても)本人が変わった部分もあるか、とも思いつつ。正解がないから難しい。

    1
    投稿日: 2024.10.02
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    手話通訳士・荒井尚人の活躍を描く『デフ・ヴォイス』シリーズの第3弾。短編集だがストーリーは個々に独立していて連作にはなっていない。もちろん登場人物は被るし、尚人がその卓越した手話通訳技術で聾者を救済していくスタイルは変わらない。尚人の家族関係が少しずつ進化していくのも読みどころだ。どれも読み応えがあるが特に第三話の『静かな男』がしっとりと味わい深い。解説で触れているが、何森刑事シリーズが始まる布石となった作品のようだ。『デフ・ヴォイス』シリーズの方は第4弾が出ていて、まだまだ続きそうなので今後の展開が楽しみだ。

    1
    投稿日: 2024.09.21
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    日本手話と日本語対応手話があるのもはじめて知った。サイレントは見てなかったから私の中ではトヨエツで止まってた。親の立場だったらとても余裕がないだろうけど、手話の喃語とか手話を習得していく子どもたちが手でたくさん話す様子は見てみたい。

    0
    投稿日: 2024.09.15
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    シリーズ第3作。 手話通訳士荒井尚人はみゆきと結婚し、耳の聴こえない子、瞳美を授かる。 人工内耳を入れるかで悩む夫妻。 尚人と美和に囲まれ日本手話の世界ですくすく育つ瞳美。 家庭内でただ一人手話ができないみゆきは習得に焦る。 ろう者の中で健聴者は少数派となり、立場が逆転する。 指摘されてみれば当然と気付く。 電話が使えない、コミュニケーションが取れないがために起こる悲劇。 健聴者主体の社会でろう者に配慮するとはどういうことなのか。 それぞれの立場に寄り添う尚人の生き方に、何森刑事も感化されていく。 みゆきとの結婚でろう者である兄家族との交流が始まる。 社会に出て行こうとする甥司と、ろう者の姉となった美和。 それぞれの生き苦しさをわかろうとする尚人。 最後は尚人の人との繋がりが尚人と家族を救う。

    1
    投稿日: 2024.08.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    Audibleにて。 デフボイスシリーズ3作目の連作小説。 最初の短編は妊娠中の妻をもつ自分には辛すぎる話だった。 続く民事裁判の話は、クライマックスで鳥肌が立った。 ろう者に限らず、自分で声をあげることが難しい人間は想像以上に多い。 なんで言わないんだ、ではなく、聴きにいけるだけの余裕をもちたい。 最後の短編では天真爛漫だった長女の成長を感じられ、このシリーズは引き続き読んでいきたいと思った。

    0
    投稿日: 2024.08.17
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    こういう本を読む人が増えることでろう者の世界に理解を持つ人、歩み寄れる人が増えるといい。知るための足掛かりとしての小説の役割は大きい。

    0
    投稿日: 2024.07.17
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    本が大好きなこから教えてもらいました。 私はサスペンスやホラー系ばかり読んでいたので、人気だったり教えてもらったりしないと、この手の感動本はあまり手を出さないのですが、面白かったです。 というか涙が出ました。 あと、ろう者という、耳が聞こえない人達がどのように感じてどのような悩みを持っているか、我々には想像つかない感情を少し知ることができたような気がして、今後の人生に役に立つような気がします。 1話から4話までありそれぞれ、耳が聞こえな人の人生に通訳者が関わっていき物語が展開するという、構成です。 私は、地方から東京にでてきたろう者の話が、その人物の気持ちを思うと苦しくて涙がこぼれました。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    彼女は何か叫んでいた 彼女も彼も知らない声で。と締めくくられたラストの赤ちゃんが助からない現実 これこそがデフヴォイスの真髄なんだって事。どれもこれも司も瞳美もみんな障害を持って何かしらの差別を受ける、本当に歩み寄らないとダメなのはどっちなんだよって話で自分にも絶対あった筈だから、恥ずかしい 外伝ぼいいずもりの愛媛県の旅が好きかな 最後に涙を流す息子を認識出来たお母さん 司を助けるのと新開が登場するとか いいね。みゆきと美羽と本物の家族になれた気がする HALを見てた美羽は大丈夫だと理解出来た

    9
    投稿日: 2024.05.27
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    シリーズ第3弾。すっかりこのシリーズの虜になってしまった。 コーダである主人公荒井がついに家族を持つ。荒井家の6年間と、手話通訳士の仕事を通してろう者の生きる世界、取り巻く環境、社会問題を浮き彫りに。 ろう者の緊急時通報が少し前までとても大変で、事前登録が必要だったとは驚き。現在はアプリがあるが、聴者のように容易ではない。緊急なのに…。 手話には2種類あるとシリーズ第1弾で学んだが、特定の地域の独自の手話が存在する(方言)。先天性難聴児への治療、人工内耳をする事への葛藤・メリット、デメリットなど。障害者雇用の難しさなど。 その立場にならないと知らない世界が沢山ある。第3章静かな男では泣いた。

    12
    投稿日: 2024.05.19
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    「デフ・ヴォイス」シリーズ短編集。手話通訳士・荒井の活躍を描く切なく、考えさせられるミステリです。ろう者を差別するつもりはありませんが、しかし身近にろう者がいないので、どのように接すればいいのかはわからないということはあり。そのような「障壁」は、意識せずともあるのだろうな。障害の有無にかかわらず、人間関係にとって歩み寄りが必要というのは当たり前のことなのだし、ただそれだけで良いのだけれどそれが案外と難しいことに気づかされました。 お気に入りは「静かな男」。身元不明の男の素性を探る物語は、静かな読み心地で胸を打ちます。何故彼が「静かな男」になってしまったかというのも切なく、そしてその彼の人生に寄り添おうとする荒井と何森の姿が優しい一編でした。

    0
    投稿日: 2024.05.06
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    慟哭は…聴こえると思った。 聴こうとしないだけで、聴こうと思えば聴こえると。 声って、音だけじゃない。 こっちの鼓膜が震えて聞こえるんじゃなくて、心が震えて聴こえるもんだろう。 それは、そんなに難しいことなんだろうか。 前を歩いていた人がリンゴを落としたら、拾うだろう。 小さい子が1人泣いていたら、頭に手を置いてやるだろう。 痛がってる人がいたら、気にかけないか? それは、そんなに難しい事じゃない。 誰だって気付いて欲しい だから聞こえる声よりも 聴こうとする感性を大事にしたい。

    1
    投稿日: 2024.05.03
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    「デフヴォイス)シリーズ3弾。 みゆきと結婚し、娘が産まれた。だがその子は先天性の聴覚障害があった。 妊婦の手話通訳をした事を通して描かれる医療上の聴覚障害者への対応の問題。 モデルのHALとの仕事で感じた聴者が考える「手話通訳」の問題。 先天性聴覚障害者に対する治療の問題。 聴こえない事を「可哀想な事」と考える聴者の驕りのようなものが描かれていて胸が痛くなる。障害をもつという事について考えさせられる。

    1
    投稿日: 2024.04.08
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    それぞれの作品から、家族の繋がりや、障害への社会の壁、生きづらさ、けれど、生きていく強さを、感じました。 主人公の家族も、葛藤しながら、家族らしくになっていく過程が、伝わってきて、読んで、よかったです

    1
    投稿日: 2024.04.03
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    今回もすごく良かった。 娘さんの成長についてもっと読みたかったけど、 人工内耳のこととか、 先天性失調児をどう育てていくか、 様々な葛藤が描かれていたのが 胸を打った。 障害者雇用制度についても、 問題はいろいろあるんだろう。 うちの職場にもいらっしゃるけど、 半年〜一年くらいで替わられている。 やっぱり働きにくいんやろうなぁ。 私も確かにコミュニケーションとれていないしなぁ。 身近なところから始めていこう、と 問題意識を持たせてくれます。

    21
    投稿日: 2024.03.26
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    デフヴォイスシリーズ3作目。 通報システム、赤ちゃんが手話を覚える過程や、限られた地域だけの手話があることなど、多くの学びがあった。こんなにも話の種が尽きないことに驚くばかり。本当に奥が深いし、知らないことだらけ。そして語り口が優しく、いつもとても読みやすい。 あの天真爛漫な美和ちゃんも反抗期が来るなんて、なんと寂しい…とここまで読んできた読者はみんな思うのではないかな。大人っぽく成長した英知くんとのこれからがどうなるのか楽しみすぎる!

    14
    投稿日: 2024.02.17
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    前作も自分の「無意識の偏見」に気づいて衝撃だったが、今回も2話目に出てきた医療従事者の一言に考えさせられた。 ろうという個性、そのありのまま、ではいけないのか?と。 自分の周りが自分と同じような人ばかりではなく、カラフルな様々な個性をもった人がいるのだということを再認識する作品。 その個性ゆえに生きにくさを感じている人もいて…自分はそんな色々を感じられるようでありたい、とか思う。 そして主人公家族の成長を楽しみに読んでいる。 次の作品も読もうと思う。

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分が知らない世界が広がっている。 静かな男 の、親には心配かけまいと取り繕ってしまう優しさが泣けてしまう。 それでも報われないのが泣けてしまう。 ハンディキャップを持ってる人って、 生活か大変なんだ、 平等に生きやすくなるといいと思いつつ、 自分に余裕がない時に歩み寄ることがてきるのかと葛藤を抱いてしまった。 偽善っぽい自分の汚さを感じてしまった、、、

    1
    投稿日: 2023.11.20
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    シリーズ三作目、四編の連作集。医療、エンタメ、方言手話、障害者雇用について。 娘の誕生、思春期かつSODAとなった娘の美和、甥の司の進学問題と非行など、子どもをめぐるあれこれも描かれて奥行きが深い。 ミステリ要素はほぼなく、差別や苦悩、葛藤がズームアップされているので読んでいて苦しい。 ドラマ「サイレント」からの手話ブームに、HALの葛藤が重なる…。一過性のブームで終わらないよう、色々な面でのバリアフリーにつなげていかないといけないなと思った。

    1
    投稿日: 2023.09.02
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    社会に出た後の聴覚しょう害者がぶつかる現実を知った。いち聴者として生活を送る中で情報が入ってくることがなく、第1弾から今回の第3弾をきっかけで知る機会を得た。 自分の生きている世界は狭い。知らない世界がある。自分はどの立場で何ができるか、もっと知る必要がある。 話の内容も重い内容も含まれているが、最後はあたたかくて、やさしい結末であり安心しました。

    3
    投稿日: 2023.08.18
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    「デフ・ヴォイス」3冊目。 みゆきと再婚し家事や美和の世話もしながら手話通訳士を続ける荒井が出会う4つの事案。 第一話、「聴こえる人たち」中心の社会にあって「聴こえない人たち」が不便を強いられる中で、せめて命にかかわることだけでももう少し何とかならないかというぎりぎりの思い。 聴こえない被疑者の調書に『コップが床に落ちてガチャンと割れ』と書く警察の取り調べに始まり、通訳に専門知識が必要な病院での通訳、使えない110番・119番システム、災害があった時の緊急放送、交通機関での事故があった際のアナウンス…、積み重ねて語られる話に今更ながら現実を認識する(作者のあとがきを読めば、本が書かれた頃からは「聴覚障害者のための緊急通報システム」には改善が進んでいるようだが)。 すぐに救急車を呼ぶことが出来ずお腹の中の赤ちゃんを亡くした女性の慟哭に涙を禁じ得なかった。 第二話、一転して、売り出し中のろう者のモデルの通訳を任される。 手話がクールだとかブームだとか言われると違和感がありあり。 イメージが大事なのだろうけど、そういうイメージを作ろうとする世界にろう者の思いを背負っていくにはHALくんはあまりに繊細過ぎた。なので、エピローグで再び登場した姿には嬉しい驚きがあった。 第三話、今度は急死したろう者の素性を刑事の何森とともに探ることになる。他の話とはだいぶ趣が異なる旅情や望郷の念が溢れた渋いお話。 ここでまた「地域手話」という“言語”について初めて知った。 それを手掛かりに訪れた瀬戸内海に浮かぶ島での奇跡のような出来事に胸を打たれる。港での水揚げの光景も良い。 第四話、勤め先を雇用差別で訴えているろう者の女性を原告とした民事裁判の法廷通訳をしてほしいという依頼が舞い込む。 障害者雇用促進法における、就労する障害者に対する合理的配慮についての論議。実際にあった裁判事例をモデルにしているようだが、実際には会社を訴えることがないだけで、あっても不思議でないような事例に思える。 障害がある人を雇用する以上は個々の特性や困りごとに合わせてしっかり対応していくことが必要なのは言うまでもなく、自分たちの会社の社員に『透明人間になってしまったような気がしました』というように感じさせないようにしたいと改めて思った(障害がある人に限った話ではないが)。 各話のエピソードと並行して語られる、荒井とみゆきの間に生まれた「聴こえない子」瞳美の育て方や荒井の甥・司の悩み深き行動の描かれ方にも惹かれるところがあった。 『一人でも障害児を減らせるよう』という障害がない者からすると何気ない言葉の罪深さも知れた。

    47
    投稿日: 2023.07.23
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    ろう者について全く知識がないので全てにおいて新鮮だった。シリーズを読んでないがどの短編も充分満足できた。一作目から是非読みたい!

    3
    投稿日: 2023.07.17
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    デフ・ヴォイスシリーズ第三弾。 ろう者が緊急時に通報することの難しさが浮き彫りに。 健常者には当たり前のことが、ろう者にとってはそうではない。 分かっているつもりで、まだまだ分かっていなかったことに気付かされた。 ラスト、彼女自身には聞こえない慟哭が、胸を刺す。 他に、ろう者が会社を訴えた民事裁判、手話を只のパフォーマンスのように扱われ苦悩する、ろう者でモデルのHAL、悪い道に踏み入りそうになっている甥の司。 どの話も苦しく、ろう者たちの叫びが聞こえてくるようで、胸が痛む。 「静かな男」はシリーズの中では異色だが、何森の人の良さも知れて、切なくも温かく、良かった。 毎回、新たな気付きがあって、知れて良かったと思う。 次回作も期待。

    3
    投稿日: 2023.07.03
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    シリーズ3作目で荒井ファミリーの中でも時が経過し、知り合いの子の成長を見る感覚。もし自分が聴こえない子の親になったら、医師の説明にすがって装着しそうな人工内耳について、色々な選択があることを知って考えさせられました。 また、聴こえない人が忙しい職場で孤立していく過程などは身につまされます。ストーリーを楽しみながら社会を見る引き出しが増えました。

    9
    投稿日: 2023.06.21
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    ろう者の中で育った聴者の男、荒井が手話通訳を勤めながら、ろう者を取り巻く社会の問題を扱うといった小せる。どうも続巻のようで、聴者で警察に勤めている妻みゆきの連れ子美和との馴れ初めが気になるが、各章が一話となっており、そこそこ楽しめる内容だった。

    1
    投稿日: 2023.04.25
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    シリーズ第三弾。 ろう者の方々が抱える事情と手話通訳士の関わりを描く、連作四話(+エピローグ+)が収録されています。 本作で主人公・荒井は、みゆきさんと入籍して、瞳美ちゃんという娘を授かります。 “聴こえない子”であることが判明した瞳美ちゃんと、多感な時期を迎えたみゆきさんの連れ子・美和ちゃん。そして悩める甥っ子の司くん等々・・・。各短編と並行して荒井ファミリーの変化の過程も描かれています。 毎回新たな気づきを与えてくれる、このシリーズ。 表題作の第一話「慟哭は聴こえない」では、ろう者の方の緊急通報が困難という問題で、119通報ができずに危険な状態になってしまった、ろう者の妊婦さんがお気の毒すぎて胸が痛みました。 そして、第三話「静かな男」は、いぶし銀キャラ・何森刑事視点でお送りする話で、行き倒れたろう者の素性を探る為何森さんと荒井さんが旅に出る展開なのですが、話の終盤で、テレビ画面越しに手話で語りかける息子の姿を観て反応する老母の姿には思わず涙があふれてきました。 興味深かったのは、ここで登場する「水久保手話」という地域独特の“村落手話”の存在です。あとがきによると愛媛県の「宮窪手話」というのがモデルとのことで、いやぁ、デフ文化は奥深いですね。 そして、前作『龍の耳を君に』の登場人物達が再登場したのも嬉しかったです。 どの話も考えさせられる内容で、多くの方に読んで頂きたいシリーズですね。

    15
    投稿日: 2023.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    聴者の無神経、無理解で、ろう者が心を傷つけられている場面が多く見られ、こちらも腹立たしい気持ちになりました。 手話は一つの言語だという記述も何度かありましたが、第4話でたくさんのろう者が法廷で「傍聴」していて、手話が飛び交うのを観た裁判長が「私語を謹んで下さい」と言ったのですが、それは手話を言語の一つだと認めたという証拠あり「裁判長、よくぞ言ってくれた」と思わずにはいられませんでした。

    2
    投稿日: 2023.02.05
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    デフ・ヴォイスシリーズの3作目。 ろう者の事件とサブストーリーたる手話通訳士の家族の物語とが上手く織り合わされ、深く優しくて心に残る連作集。 このシリーズやっぱ面白く、ろう者をめぐる新しい知識が増えると言う意味でも、安定、ぐいっとおすすめ。 ただ3作連続で読んで結構満腹なので4作目は文庫になるまで少し待とうかなと思う。この家族の行く末はかなり気になるけど、4作目は、ろう者のコロナ禍マスク社会での困難さも描いているとのことで、時代の出口が見え難い中、ちょっと間を置いてもいいかなと。でもスピンオフ作品に行くだけなんだけど

    2
    投稿日: 2022.10.18
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    シリーズ第3弾 それぞれ違って、また聾の世界に近づけてとても興味深い。 荒井尚人は、コーダで悩んだ事もあると思うが、彼のような手話通訳士がいる事で助かる人がいる事もきっと事実。技術的な事は小説ながら羨ましく思ってしまう。 4つの短編だが、それぞれまた深く、刑事の何森が主人公になる「静かな男」とても興味深い。 愛媛県宮窪町で使われている「宮窪手話」をモデルに、出身者のろう者、矢野羽衣子さんの研究内容を参考に書かれているらしい。

    5
    投稿日: 2022.08.25
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    より深く聴覚障害者の世界に触れられる本作。もう既にシリーズの虜である。どの話も当事者の悩みや現実を掘り下げる。荒井夫婦の苦悩からの決断もいい。 そうなのだ。自分でなくてもいいのだ。苦悩者に適した人を繋ぐハブでありたい。次作も楽しみ。何森刑事のスピンオフ作品も読んでみたい。

    8
    投稿日: 2022.08.08
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    手話通訳士「デフ・ヴォイスシリーズ」第3作の短編集。ろう者と産婦人科に付き添う話、甥がろう者で進路に悩む話、ろう者のモデルの話、身元不明の遺体がどうやらろう者らしいという話、聴覚障害者に対して会社で配慮されない話など。 どれもすごく面白かった。特に第一話のラストは切ないというかなんというか・・・

    1
    投稿日: 2022.05.25
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    とてもよかった…水久保手話というのがあるのね〜 書きたいものがあっても、書かなくてはならない理由がなければ、完成しないのが小説だってどこかの誰かが言っていたけど、そうかもしれないね

    1
    投稿日: 2022.03.20
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    シリーズ3作目。 主人公にお子さんが生まれてあっという間に6歳ぐらいまで成長。個人的には2巻でその後が気になった半グレの少年が整備工として出てきたのが嬉しい。良かった、良かった。 どの世界でもそうだと思うけれども、自分と同じ存在が居ると安心感があって、その中に異物が混入すると不安を覚えるのだと思う。それは国籍だったり、文化だったり、趣味だったり色々なケースが考えられるけれども障害もそうなんだろうなぁ。そしてマイノリティがその場でマジョリティになった時、今度は反対に自分たちが強い立場になって弱いものにまで目がいかないという事も往々にしてあるように思う。コーダの存在もまさにそういう反対に疎外された存在なんだろうな、と思う。とはいえ、自分たちの安心できるコミュニティでようやくのびのびできた人たちが、弱者に目を向けられるかというとなかなか難しい問題だと思うし。 状況によって人は強者にも弱者にもなるという事と、だからこそその懸け橋になる人の大切さと難しさ、という事があるんだろうなと読んでいて思ったりしました。

    1
    投稿日: 2022.03.02
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    デフ・ヴォイスシリーズ3作目 短編4作を収録 ・慟哭は聴こえない ・クール・サイレント ・静かな男 ・法廷のさざめき』 全体を通して見れば、荒井さんの家族のお話 みゆきとの入籍 そして、子供の誕生…… 兄家族との関係、甥の司の進路 瞳美の人生の選択 ・慟哭は聴こえない ろう者夫婦の出産 産婦人科の受診に同席する荒井さん 病院に限らず、特有の専門用語ってありますよね 言葉をそのまま伝えるのではなく、意味を伝えるのが通訳の本来の役割なんでしょうけど、なかなか難しいと思う 110、119は電話による緊急連絡番号ですけど、ろう者にとっては使えないツールですからね 「もっと早くに」と言われてもねぇ…… 医者のやり取りも含めて、筆談でちゃんと伝えられないものですかね ・クール・サイレント ろう者の芸能人 話せと言われたり、人前では話すなと言われたり 手話も見た目のイメージ通りにしろとかってのはどうかと思う…… コミュニケーションは相手の方法に合わせるしかないというのはマイノリティ側からの主張としてはさもありなん やはり、マジョリティというのは無自覚な暴力ですねぇ 難聴者の言語アイデンティティがシリーズ全編通じて言及されている気がする 停電はろう者にとって恐怖でしかないでしょうね 前のエピソードの夫婦もそうだけど、普段の生活では予測や準備ができても緊急時にはどうしても割りを食ってしまう立場なんですよね ろう者のドラマと言えば、「愛していると言ってくれ」ですね 聴者の立場としては、相手に伝わる言葉で伝えたいという意味で手話を使うのは自然ですけど 逆の立場だとすると、自分が聞こえない音声日本語で伝えるのは違うということか ま、ドラマ的な見せ場としては、今まで頑なに発声しなかったというフリが生きてくるシーンなので、そんな演出になるよねーと思う ・静かな男 ろう者と思われる遺体の身元確認 「日本手話」がメインストリームだけど、それにあてはまらない手話 そもそも、日本手話は自然言語と素子さんが1作目で主張してたけど 元々はファミリーサインがデフコミュニティの中でさらに共有、共通化された結果できたものなんじゃないですかね 結果、共有化されなかった手話の地域語が残ったという事なのか? ・法廷のさざめき ろう者の雇用差別の民事裁判 障害者雇用のちょっとした裏側を知ってるので、会社側の態度もまぁ不思議ではない 会社側としてはちゃんと在籍してくれるだけで十分だし、さらに給与もなるべく抑えられたらなおよしだし、最低限の作業さえやってくれるなら損にはならないわけで 聴覚障害に限らず、特別な配慮をせずとも元気に働ける障害者という存在を求めてるからなぁ…… ----------------------- 「聴こえる振りをした」「しゃべれる振りをした」わけではありません。私は、精一杯聴こえる人たちに歩み寄ろうとしたんです。少しでも負担をかけないように、少しでも迷惑にならないように。何とか口を読み取ろうと。何とか声を出して伝えようと。 ----------------------- マイノリティ側の歩み寄る努力が正しく伝わらないと、ディスコミュニケーションが発生するということですね 手話で主張する傍聴人たちに対して、裁判官が静粛にと訴えるが、ろう者達には「聞こえない」という構図自体が聴者の傲慢に見える このシーンが社会の構図そのものを表しているんじゃなかろうか? タイトルの「デフ・ヴォイス」にはシリーズ通して3つの意味が込められていると思うんだけど(ろう者の音声日本語、手話、マイノリティな立場の主張) 今回は特に3つ目のろう者が受けている社会的な抑圧に対する主張の意味が強い 今作は全編を通すと、荒井さんとみゆきさんが瞳美の人生に対してどう思うかというのが描かれている 「あななたちの言葉を覚える」とみゆきさんは言っていたけど、時間や機会の制限から美和ほどは手話を覚えてないし 実際に生まれると「聴こえる」生活になって欲しいというエゴがなぁ…… なんだかんだ言って、みゆきさんは想像力というか、本気の覚悟が足りなかっったのでは?と思ってしまう 荒井さんとどんな会話をしてきたかは分からないけど、荒井さんも果たしてそこまでみゆきさんとコミュニケーションを取ろうとしていたのか疑問 なので、新聞の記事を読んで「障害児は減らさなければならないものなのか、世の中にいてはいけないものなのか」と疑問に思うところも、意見がころころ変わっているような印象も受ける 終盤のあたりで美和もSODAだからなのか、そんなお年頃だからなのか、態度の変容が見える ただ、エピローグでアノ子がまた出てきて安心した 次の作も文庫化したら読む あと、解説を読むと、デフ・ヴォイスシリーズ以外の作品も読みたくなってしまうなぁ

    1
    投稿日: 2022.02.19
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    久しぶりのデフ・ヴォイスシリーズ第三弾。年末に文庫化されたのを購入後、積んだままだったんですが、映画『コーダ』『エール』を観て、読まねば!とやっと手に取りました。 コーダ(耳の聞こえない両親から生まれた耳の聞こえる子ども)であり、手話通訳士である荒井尚人を主人公とする「圧倒的な多数の前にあってその声が社会に届きにくい社会的少数者の声」を届けてくれる社会派ミステリ…なんですが、今作はミステリ要素は少なめでしたかね。 今作では、荒井が手話通訳士の仕事に対して「自分にしかできない仕事」として、とても前向きに取り組むようになっていたり、新しい家族ができたためか、なんだか雰囲気が優しく柔らかくなったように感じました。 このシリーズはやっぱりおもしろいしとても良いです。私たちにとって当たり前の日常が、ちょっと視点を変えるだけで当たり前ではなくなることに気づかせてくれます。 子どもたちの成長や前作に出てきた人たちのその後も見られて嬉しかったです。『刑事何森 孤高の相棒』も読みたいし、シリーズ第四段も読みたい。 *** 「彼女が求めているのは、「弱者への支援」ではない。同じ社会を生きる者として、当然の権利を求めているのであった」(232頁) 「聴こえる者も聴こえない者も。障害を抱える者もそうでない者も。互いが歩み寄り、支え合う。この子たちが大人になった頃には、そんな世の中になっていなければいけないのだ」(275頁)

    2
    投稿日: 2022.02.06
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    第1話 慟哭は聞こえない 第2話 クール・サイレント 第3話 静かな男 第4話 法廷のさざめき エピローグ 耳から得る情報や言葉で発する情報のなんと多いことか。 自分の口から出ていく情報は自分の耳が機能してこそ正しく発信できるのだと思い知らされた。 言葉を出せなくても思いが伝わる場面があるけれど、概要であり雰囲気であり気配でしかない気がして悲しい。 それでも、少しずつ少しずつ辛い思いをする人が減っていく社会に住んでいたい 鈴と小鳥とそれからわたし みんな違ってみんないい

    1
    投稿日: 2022.01.24
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    デフ・ヴォイス第三弾 結婚して子供が産まれた荒井 その子供は耳が聞こえない子… 新生児の頃からの補聴器、人工内耳、それについての葛藤… もうこのシリーズずっと続いて欲しい(T ^ T) 龍の耳のえいち君が中学生でちょっと登場したのも嬉しかった♪

    11
    投稿日: 2022.01.06
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    やっぱりいいです。 聴覚障害の当事者より、その家族の悩みに目を向けている。 手話は 一つの言語として 学ばなければならない

    2
    投稿日: 2022.01.05
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    デフ・ヴォイスシリーズ第三作め。 このシリーズはすべて読んでいる。手話通訳士の荒井とその家族やまわりにいる人々のお話。荒井は自分は聴者だが、両親や兄弟はろう者である。 聴者はろう者のことを理解しているつもりでも、全然理解しきれていないし、逆にろう者の方も聴者の気持ちはわからないかもしれない。 ただ、お互いに理解しあおうとする姿勢が、家族間でも社会の中でも大事だと思い知らされた。おすすめ。

    1
    投稿日: 2022.01.03
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    1/100 全4話 丸山正樹ワールドはやはり素晴らしい! 聾者のおかれた現実は本当にそうなのかと気持ちがいっぱいになる。 もっと知りたい! そう感じます。

    1
    投稿日: 2022.01.01
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    デフ・ヴォイスを読むといつも思うのですが、歩み寄ろう、お互いを理解し合おう、差別を無くそう、お互いの権利を認め合おう…もちろん、そうやって尽力していくことは大事なことなんですが、なんて言うか…根本的な部分では永遠に無理なんではないかと思ってしまいます。それは社会的弱者だけの話ではなく、人間の性みたいなものとして。 インフラ整備は当然のこととして、権利の押し付けや、親切の押し付けみたいなものではなく、ただ、「助けてほしい」「困っている」と気軽に声を上げられて、気軽に助け合える環境になればいいなと思います。「してもらった」「やってあげた」ではなく、親切の押し付けでもなく、その人が必要な時に必要なだけ。 広い世界に飛び出して、いろんなことを知るのもいいことなのですが、狭い世界でもわかり合える人がいるならいいじゃないかと思えます。 荒井一家の今後も見ていきたいですね。

    5
    投稿日: 2022.01.01
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    丸山正樹『慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス』創元推理文庫。 コーダの手話通訳士・荒井尚人を主人公にした『デフ・ヴォイス』『龍の耳を君に』に続くシリーズ第3弾。4編の短編とエピローグから成る連作集。人間味あふれる優しくも、悲しみに満ちた短編ばかりが並ぶ。中でも終盤に思わず涙がこぼれた『静かな男』が非常に良かった。 4編の短編と平行し、荒井尚人の家族と尚人の甥で、ろう者の司の物語が描かれる。聴こえないことは罪ではないのに、聴こえる人には解らない多くの苦しみがあるのだろう。 『慟哭は聴こえない』。手話通訳士の荒井尚人の様々な体験を通して、ろう者の悲しい現実が明らかになる。余りにも悲しい結末、未来への希望と不安とが複雑に交錯する何とも言えない余韻を残す短編。埼玉県の派遣センターからろう者の妊婦から産婦人科の医療通訳の依頼を受けた荒井は苦戦しながらも丁寧に対応する。ある日、荒井の携帯に彼女から助けを求める連絡が入る。 『クール・サイレント』。ろう者であることを一つの商品価値として売り出そうとする残酷な事務所の姿勢と当事者の自分と同じろう者のためになろうとする真摯な気持ちとの乖離を描いた短編。ろう者で人気モデルのHALという男性から記者会見での手話通訳の依頼を受けた荒井はHALに手話を教えることになった。その後、HALはドラマの主人公に抜擢されるが…… 『静かな男』。終盤の展開には思わず涙がこぼれた。様々な人びとの優しさと善意ばかりを詰め込んだ傑作。廃業した簡易宿泊所でひっそりと亡くなった男性。何森刑事が男性の身元を調査するうちに地元のローカル局の映像に男性が何度も映り込んでいたことを知る。映像の中で男性は手話らしき動作を見せるが、何森の依頼で映像を観た荒井にも男性の手話の意味が解らなかった…… 『法廷のさざめき』。意識しない限り気付くことの無い、聴こえない人と聴こえる人との間の深い溝。互いに歩み寄ろうとしない限り溝は埋まらない。ある日、荒井にNPO法人から民事裁判の法廷手話通訳の依頼が入る。28歳の女性ろう者が原告となり、自らが働く企業を相手にした民事訴訟の通訳だった。 本体価格760円 ★★★★★

    9
    投稿日: 2021.12.14